JPH09227163A - 熱線遮蔽着色被覆ガラス物品 - Google Patents

熱線遮蔽着色被覆ガラス物品

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JPH09227163A
JPH09227163A JP3169896A JP3169896A JPH09227163A JP H09227163 A JPH09227163 A JP H09227163A JP 3169896 A JP3169896 A JP 3169896A JP 3169896 A JP3169896 A JP 3169896A JP H09227163 A JPH09227163 A JP H09227163A
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oxide
group
colored
glass article
heat ray
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Taro Miyauchi
太郎 宮内
Mitsuhiro Kawazu
光宏 河津
Koichi Maeda
浩一 前田
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱線遮蔽性能、透過光色調、反射光色調、可
視光線透過率、および可視光反射率を自由にコントロー
ルすることができる熱線遮蔽着色被覆ガラス物品を提供
する。 【解決手段】 酸化コバルト、酸化クロム、酸化銅、酸
化マンガン、酸化ニッケル、および酸化鉄からなる群か
ら選ばれた少なくとも1種を含有する第1の着色膜、お
よび金、銀、白金、パラジウム、硫化カドミウム、およ
びセレン化カドミウムからなる群から選ばれた少なくと
も1種の微粒子を20〜80重量%、および酸化珪素、
酸化チタン、酸化ジルコニウム、および酸化セリウムか
らなる群から選ばれた少なくとも1種の金属酸化物を2
0〜80重量%含有する第2の着色膜をガラス基材の表
面に被覆した熱線遮蔽着色被覆ガラス物品である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱線遮蔽着色被覆
ガラス物品、特に自動車などの車両用の窓や建築用の窓
などに使用される熱線遮蔽着色膜を被覆されたガラス板
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガラス基体に着色することにより、色調
コントロールなどの機能を有する金属酸化物薄膜をコー
ティングする方法が広く行われている。この方法では各
種の金属酸化物を含む薄膜のコーティングが行われてい
る。
【0003】特開昭54-31417号には、Fe-Cr-Co系酸化膜
膜付ガラスが開示されている。このような金属酸化物薄
膜では主に金属酸化物または複合金属酸化物の電子のバ
ンドギャップによる吸収を利用した着色がされている。
このため、吸収波長の幅が比較的広いので明度の低い暗
色系の着色膜付ガラスが得られる。また屈折率が高く反
射率が比較的高いことも特徴である。
【0004】一方、微粒子分散酸化物薄膜を用いて着色
する方法も広く知られている。特開平7-531239号には、
金属微粒子含有酸化物着色膜付ガラスが開示されてい
る。このような微粒子分散酸化物薄膜では主に表面プラ
ズモンによる吸収を利用している。そのため吸収波長の
幅が比較的狭いので、明度が高くてしかも赤色〜青色の
着色ガラスが得られ、また吸収波長は酸化物マトリック
スの屈折率値によって変化することが知られている。
【0005】また特開平6−115973には酸化鉄
(または酸化銅)および金微粒子を含有する着色膜を被
覆されたガラス物品が記載されている。
【0006】しかし、前記のFe-Cr-Co系酸化膜膜付ガラ
スは熱線遮蔽性能を有するものの橙色〜黄色の着色しか
得られず、また前記の金属微粒子含有酸化物着色膜付ガ
ラスは明度の高い明色系の着色しか得られず、熱線遮蔽
性能も有しない。また酸化鉄(または酸化銅)および金
微粒子を含有する着色膜被覆ガラス物品は、熱線遮蔽性
能を有するものの、色調(透過光)が茶色または赤紫色
のみであって色調の種類が限られており、色調、熱線遮
蔽性能、および可視光線透過率を自由に制御することが
できない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は熱線遮蔽性
能、透過光色調、反射光色調、可視光線透過率、および
可視光反射率を自由にコントロールすることができる熱
線遮蔽着色被覆ガラス物品を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を解
決すべくなされたものであり、次の構成によって解決さ
れる。
【0009】すなわち本発明は、酸化コバルト、酸化ク
ロム、酸化銅、酸化マンガン、酸化ニッケル、および酸
化鉄からなる群から選ばれた少なくとも1種を含有する
第1の着色膜、および金、銀、白金、パラジウム、硫化
カドミウム、およびセレン化カドミウムからなる群から
選ばれた少なくとも1種の微粒子を20〜80重量%、
および酸化珪素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、およ
び酸化セリウムからなる群から選ばれた少なくとも1種
の金属酸化物20〜80重量%を含有する第2の着色膜
を被覆した熱線遮蔽着色被覆ガラス物品である。
【0010】前記第1の着色膜は、Lab表色系色度図
でa、bを直角座標で表した点の位置を極座標の角度で
表して、120〜310度の色相角度および比較的に低
い明度を有する着色および熱線遮蔽性能を与えるために
必要であり、コバルト、クロム、銅、マンガン、ニッケ
ル、または鉄からなる群より選ばれた少なくとも1種の
金属の酢酸塩、硝酸塩、塩化物塩もしくはアセチルアセ
トン塩またはこれを必要に応じてアルカノールアミンで
修飾した有機金属塩と、溶媒(および添加物)を含有す
る組成物をガラス基材上に塗布した後、焼成することに
より得られる。
【0011】前記第1の着色膜はさらに耐久性を向上さ
せるために上記の酸化コバルト、酸化クロム等の金属酸
化物に加えて酸化珪素、酸化チタン、酸化ジルコニウ
ム、および酸化セリウムからなる群から選ばれた少なく
とも1種の金属酸化物を含有することができる。この場
合、酸化コバルト、酸化クロム、酸化銅、酸化マンガ
ン、酸化ニッケル、および酸化鉄からなる群から選ばれ
た少なくとも1種の含有量(複数種類の酸化物を使用す
るときはその合計量)は20〜80重量%、酸化珪素、
酸化チタン、酸化ジルコニウム、および酸化セリウムか
らなる群から選ばれた少なくとも1種の金属酸化物(複
数種類の酸化物を使用するときはその合計量)を20〜
80重量%含有することが好ましい。
【0012】前記第1の着色膜の厚みはあまり小さすぎ
ると熱線遮蔽性能が低くなり、そして所望の着色が得ら
れなくなり、逆にあまり大きすぎると膜強度が低下する
ので、30〜150nmの厚みとすることが好ましく、
より好ましくは40〜70nmである。またこの着色膜
は1.80〜2.15の屈折率を有する。
【0013】前記第2の着色膜は金、銀、白金、パラジ
ウム、硫化カドミウム、およびセレン化カドミウムから
なる群から選ばれた少なくとも1種の微粒子(複数種類
を使用するときはその合計量)を20〜80重量%、よ
り好ましくは30〜70重量%、および酸化珪素、酸化
チタン、酸化ジルコニウム、および酸化セリウムからな
る群から選ばれた少なくとも1種の金属酸化物(複数種
類を使用するときはその合計量)を20〜80重量%、
より好ましくは30〜70重量%、含有し、Lab表色
系でa、bを直角座標で表した点の位置を極座標の角度
で表して、−50〜120度の色度の着色を与える。前
記第2の着色膜の厚みはあまり小さすぎると所望の着色
が得られなくなり、逆にあまり大きすぎると膜強度が低
下するので、60〜200nmの厚みとすることが好ま
しく、より好ましくは80〜120nmである。またこ
の着色膜は1.40〜2.25の屈折率を有する。
【0014】ガラス基材の上に、前記第1の着色膜およ
び前記第2の着色膜を被覆するが、前記第2の着色膜中
の微粒子の種類と量を変えたり、酸化珪素、酸化チタ
ン、および酸化セリウムの比率を変化させ膜の屈折率を
変化させることにより、赤系、青系、黄系まで種々の透
過色が実現でき、前記第1の着色膜の着色と複合して種
々の透過光色調を示す。前記第1の着色膜および前記第
2の着色膜を被覆する順番はどちらが先でも差し支えな
い。
【0015】本発明の一つの態様によれば、透過光が、
Lab表色系で、a、bを直角座標で表した点の色度位
置を極座標の角度で表した色相角度が125〜200度
の範囲内(黄緑〜緑)にあり、かつ彩度が4〜18の範
囲内にある色調を有する熱線遮蔽着色被覆ガラス物品が
得られる。
【0016】また本発明の他の態様によれば、透過光
が、Lab表色系で表して、a、bを直角座標で表した
点の色度位置を極座標の角度で表した色相角度が215
〜345度の範囲内(青緑〜赤紫)にあって、明度Lが
50〜65の範囲内で、かつ彩度が4〜11の範囲内に
ある色調を有する熱線遮蔽着色被覆ガラス物品が得られ
る。
【0017】上記2層構造を有するガラス板が自動車窓
に、ガラス板の被覆表面が車内側になるように、取り付
けられた場合、車内側から見た可視光反射率があまり高
いと運転者の視界を妨害するおそれがあるので、ガラス
板の被覆表面側から光を入射したときの可視光の反射率
は、約20%以下であることが好ましく、更に好ましく
は10%以下である。
【0018】2層の着色膜の内、ガラス基材側の着色膜
は、外側の着色膜の屈折率と、基材ガラスの屈折率との
中間の屈折率を有することが好ましく、可視光の反射率
を低くし近赤外線光の反射を高めるためには、外側の着
色膜の屈折率をn1 、基材側の着色膜の屈折率及び膜厚
みをそれぞれn2およびt,基材ガラスの屈折率をn3
mをゼロまたは正の整数、λを450〜650nmの範
囲の光波長とすれば、
【0019】
【数1】 (n1・n3)1/2+(n1-n3)/4≧n2≧(n1・n3)1/2-(n1-n3)/4 (1)
【0020】および
【数2】t=(2m+1)λ/4n2 (2) の2式を満足させることが好ましい。
【0021】次に第1着色膜と第2着色膜の原料につい
て述べる。酸化コバルト、酸化クロム、酸化銅、酸化マ
ンガン、酸化ニッケル、および酸化鉄については、焼成
後、求める金属酸化物が得られるものであれば用いるこ
とができ、硝酸塩、塩化物などの無機化合物や、酢酸、
プロピオン酸、ブタン酸、アクリル酸、メタクリル酸、
ステアリン酸などの有機酸類、またはアルカノールアミ
ン類で修飾した有機アミン類等が好ましい。
【0022】金、銀、パラジウム、白金、硫化カドミウ
ム、セレン化カドミウムについては、原料として例えば
金については塩化金酸、塩化金酸ナトリウム、銀につい
ては硝酸銀など焼成後、微粒子を形成するものであれば
用いることができる。硫化カドミウム、およびセレン化
カドミウム微粒子の原料としては、酢酸カドミウム、硝
酸カドミウム、塩化カドミウム、SeC(NH2) 等が
挙げられる。
【0023】酸化珪素の原料としては、金属アルコキシ
ドが好適で例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキ
シシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシ
ランなどが挙げられる。またこれらの縮合体(n≧2)
もしくは縮合体の混合物も好便に用いられる。たとえば
縮合体としてはヘキサエトキシジシロキサン(n=
2)、オクタエトキシトリシロキサン(n=3)、デカ
エトキシテトラシロキサン(n=4)、エトキシポリシ
ロキサン(n≧5)などが使用できる。単量体(n=
1)と縮合体(n≧2)の混合物からなるエチルシリケ
ート40〔組成はJ.Cihlarの文献、Colloids a
nd Surfaces A : Physicochem. Eng. Aspects70 (1993
年) 253頁から268頁に記載されており、重量分率で単量
体(n=1):12.8重量%、2量体(n=2):1
0.2重量%、3量体(n=3):12.0重量%、4
量体(n=4):7.0重量%、多量体(n≧5):5
6.2重量%、エタノール:1.8重量%)である〕な
どが好適に使用できる。また上記化合物のアルコキシ基
がアルキル基と置換されたアルキルトリアルコキシシラ
ンなども使用可能である。例えば、アルコキシ基がメチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−エチルブ
チル基、オクチル基などの直鎖状あるいは分岐状のアル
キル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシク
ロアルキル基、ビニル基、アリル基、γ−メタクリロキ
シプロピル基、γ−アクリロキシプロピル基などのよう
なアルケニル基、フェニル基、トルイル基、キシリル基
などのアリール基、ベンジル、フェネチル基などのアラ
ルキル基またはγ−メルカプトプロピル基、γ−クロロ
プロピル基、γ−アミノプロピル基などに置換されたも
のが例示できる。
【0024】酸化チタンの原料としては、チタンアルコ
キシド、チタンアセチルアセトネート、チタンカルボキ
シレートのようなチタンの有機化合物が好適に使用され
る。チタンアルコキシドとしては一般にTi(OR)4
(Rは炭素数4までのアルキル基)で表わされるが、反応
性から考えて、チタンイソプロポキシド、チタンブトキ
シドが望ましい。また、チタンの場合にはアセチルアセ
トネートを用いた方が、その安定性から好ましいことも
従来から知られている。この場合には一般式としてTi
(OR)mn(m+n=4,n≠0)で表わされるが、
Lがアセチルアセトンである。この場合にはチタンアル
コキシドをアセチルアセトンによってアセチルアセトネ
ート化しても構わないし、市販のチタンアセチルアセト
ネートを使用しても構わない。更にはカルボン酸塩を使
用することも考えられる。
【0025】酸化ジルコニウムの原料としては、テトラ
メトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、
テトライソプロポキシジルコニウム、テトラn−プロポ
キシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム
イソプロパノール錯体、テトライソブトキシジルコニウ
ム、テトラn−ブトキシジルコニウム、テトラ sec−ブ
トキシジルコニウム 、 テトラt−ブトキシジルコニウ
ムなどが好便に使用できる。一般式(4)で表わされる
化合物のアルコキシ基がハロゲン基で置き換わったジル
コニウムモノクロリドトリアルコキシド、ジルコニウム
ジクロリドジアルコキシドなどのジルコニウムハロゲン
化物のアルコキシドなどを使用することもできる。また
上記のジルコニウムアルコキシドのアルコキシ基のうち
の少なくとも一つが酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ア
クリル酸、メタクリル酸、ステアリン酸などの有機酸類
で置き換わったアルコキシジルコニウム有機酸塩類を用
いることも可能である。
【0026】また酸化セリウムの原料としては、セリウ
ムアルコキシド、セリウムアセチルアセトネート、セリ
ウムカルボキシレートなどのセリウム有機化合物が好適
に使用することができる。その他に、硝酸塩、塩化物、
硫酸塩等のセリウム無機化合物も使用することができる
が、安定性、入手の容易さからセリウムの硝酸塩及びセ
リウムアセチルアセトネートが好ましい。
【0027】次にガラス基材の表面に前記第1の着色膜
および前記第2の着色膜を被覆する方法について述べ
る。第1および第2の着色膜のための塗布原料液は、各
原料をそれぞれ溶媒に溶解しておき、それらを所定の割
合で混合することにより濃度が固形分換算で1〜15重
量%のものが得られる。本発明で使用される有機溶剤は
膜形成方法に依存する。例えば、グラビアコート法、フ
レキソ印刷法、ロールコート法の有機溶剤は蒸発速度の
遅い溶媒が好適である。これは蒸発速度が速い溶媒で
は、十分にレベリングが行われないうちに溶媒が蒸発し
てしまうためである。溶媒の蒸発速度は、酢酸ブチルの
それを100とした相対蒸発速度指数で一般的に評価さ
れている。この値が40以下の溶媒は“きわめて遅い”蒸
発速度をもつ溶媒として分類されており、このような溶
媒がグラビアコート法、フレキソ印刷法、ロールコート
法の有機溶媒として好ましい。例えば、エチルセルソル
ブ、ブチルセルソルブ、セロソルブアセテート、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、ヘキシレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリプロピレングリコー
ル、ジアセトンアルコール、テトラヒドロフルフリルア
ルコールなどが挙げられる。本発明に使用されるコーテ
ィング液の溶媒は、このような溶媒を少なくとも1種含
むことが望ましいが、コーティング液の粘度、表面張力
などを調節するために、上記の溶媒を複数用いても構わ
ない。また蒸発速度が速くて100を越える相対蒸発速
度を有する溶媒、例えばメタノール(610)、エタノー
ル(340)、nープロパノール(110)、イソプロパノー
ル(300) のような溶媒を、上記の40以下の相対蒸発
速度指数を有する溶媒に添加してもよい。
【0028】ガラス基板への原料液の塗布処理法はどん
な方法でも良く、ロールコート、グラビアコート、フレ
キソ印刷といったロールコート法、スプレーによる塗布
方法や、ディップコート法、スピンコート法などによる
ことが可能である。また熱した基板に対してスプレー、
ミスト、 CVD法を用いて成膜することができる。これら
の中で特に、グラビアコート法、フレキソ印刷法、ロー
ルコート法、スクリーン印刷法などの印刷法は、生産性
が高くコーティング液組成物の使用効率がよいので好適
である。
【0029】常温基板に対して原料液を塗布した場合、
風乾工程を行う。この工程は用いた溶媒が揮発する範囲
の温度であれば常温でも行うことも可能であり、用いた
溶媒によって加熱処理を行うことが可能である。
【0030】続いて基体上に形成した混合物の薄膜を乾
燥させる。この工程は、加熱処理、紫外線照射、赤外線
照射などの熱、電磁波の照射により行うことができる。
好ましくは酸化性雰囲気下、ただしコーティング液が硫
化カドミウム微粒子含有膜を形成させるものである場合
は硫黄雰囲気下で、100℃〜400℃の温度で5〜2
00分熱処理する。
【0031】このようにして得られた乾燥膜上にさらに
別の薄膜を塗布、風乾、乾燥工程をへて2層膜にする。
【0032】このようにして得られた2層膜付きガラス
を加熱炉に入れ、乾燥膜表面温度で450〜700℃以
上の温度で10秒〜5分間焼成する。乾燥膜表面温度は
550℃以上であることが好ましい。
【0033】本発明において、ガラス基材として透明な
ソーダライム珪酸塩ガラス組成のガラス板が用いられ、
好ましくは熱線を遮蔽する着色ガラス板で、その透過光
が、3.4mm厚み基準で、Lab表示で−9.0〜−
4.0のaの値と、−1.0〜4.0のbの色度を有
し、薄緑色に着色され、370nmの波長の紫外光の透
過率が20〜70%で、可視光線透過率が70〜85
%、太陽光線透過率が40〜85%であり、厚みが1.
5〜5.5mmの自動車窓用ガラス板が好ましく用いら
れる。このガラス板の好ましい組成の一例は、SiO2
72.4、Al23 0.13、Fe23(全鉄)
0.558、FeO 0.135、CaO 8.77,
MgO 3.84、Na2O 13.8各重量%であ
る。
【0034】また透明なソーダライム珪酸塩ガラス組成
のガラス板基材として、1.5〜5.5mmの厚みと、
その透過光が、3.4mm厚み基準で、Lab表色系で
−2.0〜2.0のaの値と、2.0〜8.0のbの色
度を有し、ブロンズ色に着色され、370nmの波長の
紫外光の透過率が15〜75%で、可視光線透過率が7
0〜85%、太陽光線透過率が40〜85%であるよう
な組成を有する自動車窓用ガラス板が好ましく用いられ
る。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、実施例に基づいて詳細に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0036】[原料液の調製(A〜G)] ・Mn原料液(A) マンガンの酢酸塩 40gと、安定化剤としてジエタノ
ールアミン 34.30gとをエチルセルソルブ 209
g中で攪拌、混合して原料液Aを調合した。 ・Ti原料液(B) テトライソプロポキシチタニウムとアセチルアセトンと
をモル比で1:2で混合してチタンのアルコキシドの一
部をアセチルアセトンで溶媒和した塩40gをエチルセ
ルソルブ137g中で攪拌、混合したものを原料液Bと
した。 ・Au原料液(C−1) 下記のSi原料液(D)10.5g、塩化金酸0.8g
をエチルセルソルブ30.5gに溶解したものを原料液
C−1とした。 ・Au原料液(C−2) 上記のTi原料液(B)10.0g、塩化金酸0.66
gをエチルセルソルブ23.0gに溶解したものを原料
液C−2とした。 ・Si原料液(D) エチルシリケート40(コルコート社製)50gを、
0.1N塩酸6gで加水分解したものを溶媒としてエチル
セルソルブ44gで希釈した原料液Dを調合した。これ
で固形成分が20重量%となる。 ・Co原料液(E) コバルトの酢酸塩 40g と、安定化剤としてのジエ
タノールアミン33.75gとをエチルセルソルブ18
4g中で攪拌、混合して原料液Eを調合した。 ・Ni原料液(F) ニッケルの硝酸塩 40gと、安定化剤としてのジエタ
ノールアミン 28.90gとをエチルセルソルブ137
g中で攪拌、混合して原料液Fを調合した。 ・Cu原料液(G) 銅の4水和酢酸塩40gと、安定剤としてのジエタノー
ルアミン42.16gとをエチルセルソルブ236.4
g中で攪拌、混合して原料液Gを調合した。
【0037】[塗布液の調製(1〜8)] ・塗布液1 塗布液Aを100g、塗布液Bを46.4g で混合、攪
拌したものを塗布液1とした。 ・塗布液2 そして原料液B2.1gと原料液(C−2)7.9gを混
合、攪拌し、塗布液2とする。 ・塗布液3 原料液C−1を10g、原料液C−2を20g取り、混
合、攪拌したものを塗布液3とした。 ・塗布液4 原料液Eを100g、原料液Fを46.4g 混合、攪拌
したものを塗布液4とした。 ・塗布液5 原料液Aを塗布液5として用いる。 ・塗布液6 原料液C−1を2.1gと原料液Dを2.5g とエチル
セルソルブ5.4gを混合、攪拌し、塗布液6とする。 ・塗布液7 原料液Eを塗布液7として用いる。 ・塗布液8 原料液Gを塗布液8として用いる。 後述の表1,2,5の中の塗布液の欄にカッコ書きした
番号は、上記番号付きの塗布液を使用したことを示して
いる。
【0038】実施例1 大きさが100mm×100mm、厚さが3.4mmのグリーンガ
ラス板(視感透過率Ya=81.2%、日射透過率Tg
=60.9%、可視光反射率rg=7.1%、T370n
m=62.5%、透過色調;薄緑、Lab表色系の色度
で表して透過光色度a=−4.5、b=1.9、反射光
色度a=−1.3、b=−0.2)を洗浄、乾燥後、塗
布基板として使用した。この基板にスピンコート条件
2000rpmにて塗布液2の塗布を行った。風乾した後、2
50℃で2時間オーブンで乾燥した。ついでこの乾燥基
板の上に更に塗布液1を、スピンコート条件 2000rpm
にて塗布を行った。風乾した後、250℃で2時間オー
ブンで乾燥した。
【0039】この処理の後、2層被覆した基板を吊具に
よって固定して雰囲気温度760℃で2分間保持して焼
成を行った。このときの最高基板温度は670℃であ
り、暗緑色の着色ガラス板が得られた。第1層(上層)
および第2層(下層)の膜組成を表1に示す。なお組成
の成分Co3O4はコバルト酸化物をCo3O4として定量分析し
たことを示している。2層の総膜厚は0.16μm であ
り、第1層(上層)の膜厚は0.050μm、第2層
(下層)の膜厚は、0.128μmであった。
【0040】この試料について、JIS R 3106に
従って視感透過率(Ya)、日射透過率(Tg)および
可視光反射率(被覆されていないガラス面側から光入
射)を、JIS Z 8729に従って明度、色度をそれ
ぞれ求めた。この結果を表3〜4に示す。表3、4中、
(a/b/L)はLab表色系の表示のa、bおよびL
の値を、透過光、ガラス板の非被覆面へ入射した光の反
射光(ガラス面反射色)、およびガラス板の非被覆面へ
入射した光の反射光(膜面反射色)についてそれぞれ示
す。日射透過率(Tg)は38.53%であって、優れ
た熱線遮蔽性能を示した。またこれらの機械的強度、化
学的強度を評価するために、テーバー試験による表面強
度、耐酸性、耐アルカリ性、耐ボイル性を測定したが、
いずれも良好な結果を得た。
【0041】実施例2〜11 実施例1で用いた塗布液2および塗布液1の代わりに表
1に示す塗布液をそれぞれ用いる以外は実施例1と同様
に塗布、風乾、乾燥、焼結して着色ガラス板が得られ
た。なお実施例6は基板ガラスとして上記グリーンガラ
スの代わりに同じ寸法の無着色のフロートガラスを用い
た。これらのガラス板を実施例1と同様に膜厚、光学特
性を求めた結果は表1〜4に示す通りであった。また表
面強度、耐酸性、耐アルカリ性、耐ボイル性を測定した
が、いずれも良好な結果を得た。
【0042】実施例12 実施例1で用いた塗布液2および塗布液1の代わりに表
1に示す塗布液をそれぞれ用いる以外は実施例1と同様
に塗布、風乾、乾燥、焼結して着色ガラス板が得られ
た。さらにこの着色ガラス板をさらに720℃の電気炉
で120秒保持した後に引き上げてプレス成形を行い、
その直後に風冷強化して自動車用曲げ強化ガラス板を得
た。曲げ形状も設計通りの形が得られ、透視歪みも観察
されなかった。着色膜の特性を表1〜4に示す。また表
面強度、耐酸性、耐アルカリ性、耐ボイル性を測定した
が、いずれも良好な結果を得た。
【0043】
【表1】 ================================== 実 膜組成 施 塗 (重量%) 例 層 布 SiO2 TiO2 MnO2 Au CuO Co3O4 NiO 番 液 号 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1 上層 (1) --- 18.7 81.3 ---- --- --- ---- 1 下層 (2) --- 72.3 ---- 27.7 --- --- ---- 2 上層 (1) --- 18.7 81.3 ---- --- --- ---- 2 下層 (3) 27.8 55.6 ---- 27.7 --- --- ---- 3 上層 (3) 27.8 55.6 ---- 27.7 --- --- ---- 3 下層 (1) --- 18.7 81.3 ---- --- --- ---- 4 上層 (2) --- 72.3 ---- 27.7 --- --- ---- 4 下層 (4) --- ---- ---- ---- --- 76.3 23.7 5 上層 (5) --- ---- 100.0 ---- --- --- ---- 5 下層 (6) 73.3 ---- ---- 27.7 --- --- ---- 6 上層 (2) --- 72.3 ---- 27.7 --- --- ---- 6 下層 (4) --- ---- ---- ---- --- 76.3 23.7 7 上層 (2) --- 72.3 ---- 27.7 --- --- ---- 7 下層 (7) --- ---- ---- ---- --- 100.0 ---- ==================================
【0044】
【表2】 ================================== 実 膜組成 施 塗 (重量%) 例 層 布 SiO2 TiO2 MnO2 Au CuO Co3O4 NiO 番 液 号 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 8 上層 (1) --- 18.7 81.3 ---- --- --- --- 8 下層 (3) 27.8 55.6 ---- 27.7 --- --- --- 9 上層 (5) --- ---- 100.0 ---- --- --- --- 9 下層 (3) 27.8 55.6 ---- 27.7 --- --- --- 10 上層 (8) --- ---- ---- ---- 100.0 --- --- 10 下層 (3) 27.8 55.6 ---- 27.7 --- --- --- 11 上層 (5) --- ---- 100.0 ---- --- --- --- 11 下層 (2) --- 72.3 ---- 27.7 --- --- --- 12 上層 (8) --- ---- ---- ---- 100.0 --- --- 12 下層 (2) --- 72.3 ---- 27.7 --- --- --- ==================================
【0045】
【表3】 ============================= 実 上層 下層 施 透 例 膜 屈 膜 屈 過 番 厚 折 厚 折 色 号 (nm) 率 (nm) 率 a/b/L −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1 50 2.10 128 2.10 -12.54/10.15/70.26 2 48 2.10 98 1.92 -5.31/ 5.62/71.46 3 98 1.92 48 2.10 -8.95/ 5.04/75.00 4 128 2.20 50 1.90 -9.74/-0.96/61.52 5 92 2.06 130 1.50 1.08/ 3.22/64.23 6 128 2.20 50 1.90 -9.90/-1.36/64.35 7 128 2.20 69 2.00 -11.99/11.39/69.49 8 50 2.10 130 1.92 -3.15/-5.42/58.99 9 72 2.06 130 1.92 -4.54/-5.37/59.31 10 50 2.00 130 1.92 -14.28/ 4.04/61.28 11 72 2.06 128 2.20 -9.36/ 6.09/67.36 12 50 2.00 128 2.20 -5.16/ 8.45/58.70 =============================
【0046】
【表4】 =================================== 実 施 カ゛ラス面 膜面 可視光 例 反射色 反射色 Ya Tg 反射率 a/b/L a/b/L (%) (%) (%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1 13.78/-20.76/24.39 9.97/-26.00/24.48 48.36 38.53 5.96 2 1.46/ -3.93/32.79 0.59/ -8.21/38.26 50.76 42.37 10.66 3 0.04/ 3.69/27.24 5.16/ 12.30/30.74 55.20 43.74 7.59 4 -7.32/ 7.78/50.57 -2.20/ 3.90/50.57 36.30 34.81 9.50 5 1.20/ -0.02/29.92 -2.02/ 3.26/38.26 58.95 47.36 9.22 6 -2.20/ 3.90/16.16 -7.32/ 7.78/48.66 39.72 34.99 8.50 7 -2.92/ 4.81/32.59 9.06/ -2.31/35.89 47.53 39.22 10.64 8 -9.76/ -3.31/42.43 -9.55/ -3.96/42.62 33.85 39.02 16.77 9 -9.18/ -2.49/34.48 -9.32/ -2.49/35.08 34.04 39.05 10.98 10 -5.51/ -8.79/27.03 -0.47/-20.90/30.31 35.88 36.84 6.55 11 11.30/-20.99/24.10 4.47/-14.17/24.37 44.51 38.62 5.66 12 -4.65/ -4.79/42.21 -4.10/ -4.81/40.21 34.52 36.16 17.02 ===================================
【0047】比較例1〜8 実施例1で用いた塗布液2の代わりに表5に示す塗布液
を用いて塗布し、実施例1の上塗りの塗布液1を塗布し
ないで、その他は実施例1と同様に塗布、風乾、乾燥、
焼結して着色ガラス板が得られた。このガラス板を実施
例1と同様に膜厚み、光学特性を求めた結果は表5〜7
に示す通りであった。
【0048】比較例9 コバルトの酢酸塩 400gを、安定化剤としてジエタ
ノールアミン 337.5gとをエチルセルソルブ 18
40g中で攪拌、混合して原料液Hを調合した。また、
クロム硝酸塩とアセチルアセトンをモル比で1:2で混
合することにより、クロム硝酸塩の一部をアセチルアセ
トンで溶媒和した塩100gをエチルセルソルブ 20
4g中で攪拌、混合して原料液Jを調合した。また、鉄
の硝酸塩とアセチルアセトンをモル比で1:2で混合す
ることにより、鉄の硝酸塩の一部をアセチルアセトンで
溶媒和した塩 116.5gをエチルセルソルブ147g
中で攪拌、混合して原料液Kを調合した。原料液Hを6
6.7g、原料液Jを63.2g、原料液Kを33.2
gづつ混合、攪拌したものを塗布液とした。
【0049】この塗布液を用いて比較例1と同様に塗
布、風乾、乾燥、焼成して、緻密かつ均一な酸化コバル
ト−酸化クロム薄膜(Co酸化物-Cr酸化物-Fe酸化物はモ
ル比で4:4:2) を付着させた暗色の着色ガラス板が得ら
れた。このガラス板を実施例1と同様に膜厚み、光学特
性を求めた結果は表6〜7に示す通りであった。
【0050】次に上記実施例と比較例を比較して説明す
る。実施例1〜4、7、10、および11と比較例1〜
9について、透過光の彩度((a2+b21/2で定義す
る)および透過光の色相角度 (Lab表色系でa、b
を直角座標で表した点の位置を極座標の角度表示したも
のと定義する。緑色は180度、青色は270度として
表示される。)を計算した。彩度をX軸に色相角度をY
軸にした直角座標にプロットして図1に示す。なお図
中、○印およびそれに付した数字は実施例の番号を、△
印及びそれに付した「比」及び数字は比較例の番号をそ
れぞれ示す。この図から、比較例では、色相角度が12
5度未満および200度を越える色相のものしか得られ
ないが、本発明では125〜200度の色相角度、すな
わち黄緑〜青緑色の着色のものが得られることが分か
る。
【0051】また透過光の色相角度が215〜345度
の範囲内にある実施例8(色相角度240度)および実
施例9(色相角度230度)と比較例4(色相角度21
6度)、比較例5(色相角度242度)、および比較例
7(色相角度320度)について、透過光の彩度((a
2+b21/2 で定義する)を計算した。そしてこの彩度
をX軸に透過光の明度(Lab表色系のLの値)をY軸
にした直角座標にプロットして図2に示す。なお図中、
○印およびそれに付した数字は実施例の番号を、△印及
びそれに付した「比」及び数字は比較例の番号をそれぞ
れ示す。この図から、透過光の色相角度が215〜34
5度の範囲内(青緑〜赤紫)の着色ガラスについて、比
較例では、明度が比較的に高く、例えば72以上ものし
か得られないが、本発明では明度が65以下、例えば5
5〜65の明度で、彩度が低く例えば5〜8の落ち着い
た着色のものが得られることが分かる。
【0052】また実施例1〜12はすべて45%以下の
日射透過率(Tg)を示し、優れた熱線遮蔽性能を有し
ており、特に実施例1、4,6〜12は40%以下の日
射透過率(Tg)を示している。それに対して、比較例
3〜7は45%を越える日射透過率(Tg)を示し、熱
線遮蔽性能は低い。
【0053】
【表5】 ================================= 比 塗 組成 較 布 (重量%) 例 液 SiO2 TiO2 MnO2 Au CuO Co3O4 NiO −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1 (1) --- 18.7 81.3 ---- ---- ---- ---- 2 (4) --- ---- ---- ---- ---- 76.3 23.7 3 (7) --- ---- ---- ---- ---- 100.0 ---- 4 (2) --- 72.3 ---- 27.7 ---- ---- ---- 5 (3) 27.8 55.6 ---- 27.7 ---- ---- ---- 6 (5) --- ---- 100.0 ---- ---- ---- ---- 7 (6) 73.3 ---- ---- 27.7 ---- ---- ---- 8 (8) ---- ---- ---- ---- 100.0 ---- ---- =================================
【0054】
【表6】 ====================== 比 較 透 例 膜 屈 過 番 厚 折 色 号 (nm) 率 a/b/L −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1 50 2.10 -3.26/ 6.21/73.38 2 50 1.90 -3.93/ 8.30/72.65 3 69 2.00 -0.76/ 12.58/70.61 4 128 2.20 -9.96/ -6.74/73.26 5 130 1.92 -5.99/-11.10/73.26 6 72 2.06 -2.08/ 6.94/73.98 7 130 1.50 4.81/ -3.78/82.18 8 50 2.00 -1.25/ 11.92/54.84 9 60 2.20 -4.61/ 8.29/71.35 ======================
【0055】
【表7】 ==================================== 比 較 カ゛ラス面 膜面 可視光 例 反射色 反射色 Ya Tg 反射率 a/b/L a/b/L (%) (%) (%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1 -3.97/ 3.20/40.91 -1.31/ 2.92/46.82 54.00 44.80 16.50 2 -1.05/ 0.08/28.72 -0.79/ 3.03/38.18 53.00 42.10 8.20 3 -13.21/-2.13/65.47 -0.36/-1.62/28.08 51.14 54.26 7.80 4 2.63/-1.93/43.89 2.82/-1.66/44.09 51.11 45.29 19.40 5 -3.56/ 3.64/30.85 3.68/ 0.65/29.17 51.27 48.55 9.98 6 -1.06/-0.73/36.63 -2.64/-0.31/43.50 55.20 45.90 13.20 7 -0.68/ 0.47/26.71 3.94/-2.28/23.26 68.00 57.40 7.11 8 -3.74/ 9.06/48.81 -0.34/ 7.17/59.40 30.94 31.29 24.07 9 0.08/ 6.12/38.35 -2.75/ 9.10/34.38 51.03 43.2 15.09 ====================================
【0056】
【発明の効果】本発明は、明色、暗色の薄膜を組み合わ
せることにより、広範囲の色度を有し、かつ熱線遮蔽性
能、45%以下、好ましくは40%以下の日射透過率を
有する被覆ガラス板を製造することができる。特に従来
得られなかった黄緑〜青緑色の着色の熱線遮蔽ガラスが
本発明により得られた。また透過光の色相角度が215
〜345度の範囲内(青緑〜赤紫)の着色被覆ガラスに
ついて、従来では、熱線遮蔽性能を有しなくて、明度が
比較的に高いものしか得られていなかったが、本発明で
は明度が低くかつ熱線遮蔽性能を有する着色被覆ガラス
物品が得られる。また各膜の膜構成および膜厚を制御し
て干渉を利用した反射率の制御、微妙な色調調整をする
ことにより、可視光低反射、可視光高反射、紫外線反
射、または赤外線反射の各性能をもつ色調調整ガラスを
作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例と比較例の透過光の彩度−色相
角度を示すグラフ
【図2】本発明の実施例と比較例の透過光の彩度−明度
を示すグラフ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化コバルト、酸化クロム、酸化銅、酸
    化マンガン、酸化ニッケル、および酸化鉄からなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種を含有する第1の着色膜、な
    らびに金、銀、白金、パラジウム、硫化カドミウム、お
    よびセレン化カドミウムからなる群から選ばれた少なく
    とも1種の微粒子を20〜80重量%、および酸化珪
    素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、および酸化セリウ
    ムからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属酸化物
    を20〜80重量%含有する第2の着色膜をガラス基材
    の表面に被覆したことを特徴とする熱線遮蔽着色被覆ガ
    ラス物品。
  2. 【請求項2】 前記第1の着色膜は酸化コバルト、酸化
    クロム、酸化銅、酸化マンガン、酸化ニッケル、および
    酸化鉄からなる群から選ばれた少なくとも1種を20〜
    80重量%含有し、更に酸化珪素、酸化チタン、酸化ジ
    ルコニウム、および酸化セリウムからなる群から選ばれ
    た少なくとも1種の金属酸化物を20〜80重量%含有
    する請求項1記載の熱線遮蔽着色被覆ガラス物品。
  3. 【請求項3】 前記ガラス基材の表面に、前記第2の着
    色膜および前記第1の着色膜をその順に被覆された請求
    項1〜2のいずれか記載の熱線遮蔽着色被覆ガラス物
    品。
  4. 【請求項4】 前記ガラス基材の表面に、前記第1の着
    色膜および前記第2の着色膜をその順に被覆された請求
    項1〜2のいずれか記載の熱線遮蔽着色被覆ガラス物
    品。
  5. 【請求項5】 透過光が、Lab表色系で、a、bを直
    角座標で表した点の色度位置を極座標の角度で表した色
    相角度が125〜200度の範囲内にあり、かつ彩度が
    4〜18の範囲内にある色調を有する請求項1〜4のい
    ずれか記載の熱線遮蔽着色被覆ガラス物品。
  6. 【請求項6】 透過光が、Lab表色系で表して、a、
    bを直角座標で表した点の色度位置を極座標の角度で表
    した色相角度が215〜345度の範囲内にあって、明
    度Lが50〜65の範囲内であり、かつ彩度が4〜11
    の範囲内にある色調を有する請求項1〜4のいずれか記
    載の熱線遮蔽着色被覆ガラス物品。
  7. 【請求項7】 前記ガラス基材が1.5〜5.5mmの
    厚みと、その透過光が、3.4mm厚み基準で、Lab
    表色系で−9.0〜−4.0のaの値と、−1.0〜
    4.0のbの色度を有し、薄緑色に着色され、370n
    mの波長の紫外光の透過率が20〜70%で、可視光線
    透過率が70〜85%、太陽光線透過率が40〜85%
    であるような組成を有する自動車窓用ガラス板である請
    求項1〜6のいずれか記載の熱線遮蔽着色被覆ガラス物
    品。
  8. 【請求項8】 前記ガラス基材が1.5〜5.5mmの
    厚みと、その透過光が、3.4mm厚み基準で、Lab
    表色系で−2.0〜2.0のaの値と、2.0〜8.0
    のbの色度を有し、ブロンズ色に着色され、370nm
    の波長の紫外光の透過率が15〜75%で、可視光線透
    過率が70〜85%、太陽光線透過率が40〜85%で
    あるような組成を有する自動車窓用ガラス板である請求
    項1〜6のいずれか記載の熱線遮蔽着色被覆ガラス物
    品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110981198A (zh) * 2019-11-21 2020-04-10 佛山欧神诺陶瓷有限公司 一种光致变色陶瓷砖及其制备方法

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CN110981198A (zh) * 2019-11-21 2020-04-10 佛山欧神诺陶瓷有限公司 一种光致变色陶瓷砖及其制备方法
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