JP2001270742A - 保護膜を有する有機顔料着色ガラスおよびその製造方法 - Google Patents

保護膜を有する有機顔料着色ガラスおよびその製造方法

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JP2001270742A JP2000087755A JP2000087755A JP2001270742A JP 2001270742 A JP2001270742 A JP 2001270742A JP 2000087755 A JP2000087755 A JP 2000087755A JP 2000087755 A JP2000087755 A JP 2000087755A JP 2001270742 A JP2001270742 A JP 2001270742A
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glass
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protective film
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Yoshinori Akamatsu
佳則 赤松
Hiroaki Arai
宏明 荒井
Kensuke Makita
研介 牧田
Hiroshi Inaba
博司 稲葉
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Central Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機顔料が分散された着色膜の膜強度を向上
するとともに、該着色膜が表面に被覆された着色ガラス
のリサイクルを可能とすること。 【解決手段】 ガラス基材表面に、着色成分としての有
機顔料が分散されたマトリックス成分としての無機酸化
物からなる着色膜と保護膜としての無機酸化物被膜とを
積層させること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築用、車両用、
産業用、鏡用等の着色成分として有機顔料を用いた有機
顔料着色ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術と課題】従来の着色ガラスは、色種に応じ
Fe、Cr、Co、Ni等の遷移金属イオンをガラス融
液中に溶かし込んだ溶融法で作製されている。そのた
め、該着色ガラスの色種に対するニーズは潜在的には大
きいものと考えられるが、実際にはそれぞれの着色ガラ
スの生産量やリサイクルの容易さなどの面から、その種
類は限定されている。一方、低温での機能性膜の作製が
可能なゾル-ゲル法を用い色バリエーションに富んだ有
機系顔料を含有するシリカ系薄膜を形成する検討例は種
々知られており、該薄膜を形成した着色ガラス製品やそ
のコーティング液組成物、さらにはその製造方法に関す
る主な特許出願としては下記のものが知られている。
【0003】例えば、特開平5−9406号公報には、
染料や顔料で着色されたガラスゲル薄膜形成用のコーテ
ィング液組成物を作製することおよび該組成物でコーテ
ィングした物を得ることに関し、金属アルコキシド、色
素、アルコール溶剤と分散剤とで構成されるガラスゲル
薄膜形成用のコーティング液組成物であって、さらに色
素の粒径が300〜20,000nmであることを特徴
としたコーティング液組成物から着色膜を作製すること
を開示している。
【0004】また、特開平5−178623号公報に
は、ガラスゲル薄膜形成用コーティング液組成物、着色
ガラスゲルフィルターおよび表示装置に関し、それらの
強度を維持したまま耐水性、耐光性を向上させることを
目的とし、金属アルコキシドとしてSi(OC25 )
4 、色素として有機顔料、アルコール溶媒としてイソプ
ロピルアルコール、分散剤としてエチルセルロースを含
有してなるガラスゲル薄膜形成用コーティング液組成物
を用いて着色ガラスゲルフィルターを得ることが開示さ
れている。
【0005】また、特開平11−71552号公報に
は、着色コーティング組成物に関し、ガラス製品、金属
製品等の外表面に、耐水性、耐沸騰水性、耐アルカリ
性、耐候性等に優れた着色ガラスゲルコーティング膜を
低温で容易に形成することのできる着色コーティング組
成物について、フェニルトリアルコキシシランまたはそ
のオリゴマーを重縮合して得られるゾル−ゲル液と、ア
クリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエー
テルポリオールおよび/または低級アルキルポリオール
と、有機着色剤とから成る着色コーティング組成物を用
いることが有効であることが開示されている。
【0006】さらにまた、特開平10−203848号
公報には、製造容易で色濃度や色調の選択性の幅が広く
耐熱性の着色層を表面に有する着色ガラスについて、屈
折率n1 の第1種の薄膜と屈折率n2 (ただしn1 >n
2 )の第2種の薄膜とを積層させて、金属酸化物を主体
とする多層膜をガラス表面に形成し、これら2種の薄膜
の少なくとも一方に着色剤を添加して有色とする方法が
開示されている。
【0007】さらに、特開平11−302579号公報
や特開2000−26803号公報には、流動性、貯蔵
安定性に優れ、且つガラスにコーティングされた際に所
望の紫外ないし可視光吸収特性、耐水性、耐紫外線特
性、耐傷つき性を有し、光沢、透明性、鮮明性、着色力
に優れるリサイクル可能なガラス着色用コーティング組
成物について、アルキレンビスメラミン誘導体と顔料分
散剤および/または有機樹脂と、金属アルコキシド化合
物とを含有してなることや、有機顔料と顔料分散剤とケ
イ素アルコキシド化合物もしくは金属アルコキシド化合
物と、有機樹脂とをロールミルを用いて混練分散し固形
チップ化した後、ケイ素アルコキシド化合物もしくは金
属アルコキシド化合物を配合する該組成物の製造方法が
開示されている。
【0008】しかし、前記の有機顔料が分散された着色
膜を有する着色ガラスを自動車用や建築用のガラスとし
て用いるためには、耐摩耗性、耐キズ性、耐アルカリ性
などの実用耐久性が不十分であり、これまでにも用途が
限定されていた。この原因は、該有機顔料の熱分解温度
が200〜400℃と低いため、該着色膜の熱処理温度
をそれ以下に抑える必要があり、そのような低温度で熱
処理を行うとマトリックス成分としてのシリカの硬化が
不十分となることに起因する。また、マトリックス成分
としてのシリカ中に硬化を阻害する有機顔料のような有
機成分を複合化するほど、得られる着色膜の強度は低下
することも要因である。また、着色膜の耐酸性、耐アル
カリ性および耐光性などは用いる有機顔料の性状に大き
く支配され、必ずしも色バリエーションの幅が十分であ
るとは言えなかった。例えば、フタロシアニン系の青色
膜では比較的高い耐光性を示すのに対し、ジケトピロロ
ピロール系の赤色膜の耐光性は非常に低く、この耐光性
の大きな差異が問題であった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、従来の課
題に鑑み種々検討した結果、着色膜の表面に無機酸化物
からなる保護膜を積層することにより該着色膜の膜強度
を大幅に改善するとともに、用いる有機顔料の種類によ
る実用強度の違いを補い、しかもリサイクルが容易な各
種着色膜付きガラスが得られることを見出した。
【0010】すなわち、本発明の保護膜を有する有機顔
料着色ガラスは、ガラス基材表面に、着色成分としての
有機顔料が分散されたマトリックス成分としての無機酸
化物からなる着色膜と、保護膜としての無機酸化物被膜
とが積層されてなることを特徴とする。
【0011】また、本発明の保護膜を有する有機顔料着
色ガラスは、着色膜および保護膜の膜厚は何れも10〜
500nmであることを特徴とする。
【0012】さらに、本発明の保護膜を有する有機顔料
着色ガラスの製造方法は、ガラス基材表面に、着色膜形
成用の塗布液を塗布した後50〜100℃で乾燥し、続
いて保護膜形成用塗布液を塗布した後に250〜400
℃で熱処理することにより該着色膜と保護膜とを同時に
硬化させてなることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の有機顔料着色ガラスは、
例えば、ガラス基材表面に、着色膜形成用の塗布液を塗
布した後50〜100℃で乾燥し、続いて保護膜形成用
塗布液を塗布した後に250〜400℃で熱処理するこ
とにより該着色膜と保護膜とを同時に硬化させて作製す
る。
【0014】本発明に用いられる着色膜形成用の塗布液
としては、焼成したときにマトリックス成分として強固
な膜を形成させるための無機酸化物を生成するための主
原料と、着色成分としての副原料よりなり、該副原料と
しては、例えば、Cu、Cr、Mn、Fe、Co、N
i、V、Ti等の内の1種以上の金属元素を含む酸化物
顔料を分散させた液を塗布液中に添加することにより得
ることが出来る。なお、塗布液としてはゾルゲル法によ
り調製された溶液が最も好ましいが、この溶液に限定す
るものではない。
【0015】着色成分としての有機顔料は、その着色能
は非常に高く、10〜500nmと非常に薄い膜厚で十
分に着色が可能であるので膜中の有機顔料成分の存在量
は少なくてすみ、該有機顔料着色ガラスをガラスカレッ
ト原料として再溶融しリサイクルする場合には、約15
00℃以上の温度で再溶融することによって該有機顔料
は完全に熱分解されるため着色ガラスであっても着色膜
を有しない通常のクリアガラスと同等に扱うことが可能
である。従って、従来技術で述べた遷移金属をガラスの
溶融時に溶かし込んで着色する溶融法で作製される着色
ガラスと比べて、ガラス中に含有される遷移イオンの種
類、濃度毎に分別して回収する等の作業も必要でなく、
そのままカレット原料として使用できるという大きなメ
リットがある。
【0016】有機顔料としては、特に限定するものでは
ないが、例えば、フタロシアニンブルー(青色)、フタ
ロシアニングリーン(緑色)、ジケトピロロピロールレ
ッド(赤色)、ニッケル錯体(黄色)、カーボンブラッ
ク(黒色)等を用いることができる。さらに、C.I.
Pigment Violet 19(キナクリドンバイ
オレット)、C.I.Pigment Red 5 (ナ
フトールカーミンFB)などの顔料も利用することが可
能である。また、着色コーティング膜としては、青、
緑、ピンク、黄、金、銀、黒色等種々の色調のものを基
板表面に被覆することが可能である。
【0017】前記マトリックス成分としての無機酸化
物、或いは保護膜としての無機酸化物を生成する主原料
としては、何れもSi、Ti、Zr、Sn、Zn、Ta
等を少なくとも1種以上含むアルコキシド(一部のアル
コキシ基を、アルコキシ基やアルキル基、或いはジケト
ン基等の配位子に置換したものも含む)を用いることが
好ましく、特にSiは、焼成したときにSiO2を形成
し、形成された膜は強固であるとともに化学的耐久性を
向上でき、さらに屈折率が1.45と小さいために膜の
トータルの屈折率を抑えることが可能であり、結果とし
て膜による光の反射を抑制することが出来るので、Si
2を主成分とする膜は特に好ましい。
【0018】前記Siアルコキシドとしては、例えばテ
トラエトキシシラン(TEOS)、メチルトリエトキシ
シラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラメトキシ
シラン、テトラプロポキシシラン、メチルトリメトキシ
シラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキ
シシランなど、Ti、Zr、Sn、Zn、Ta等の金属
もSiと同様なアルコキシドを用いることが可能であ
る。なお、アルコキシド類を用いた場合には、その加水
分解触媒としての塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸が主に添
加される。
【0019】塗布液中にはさらに溶媒を含んでおり、該
溶媒としては、アルコキシドや金属塩を溶解することが
出来る。例えば、メタノール、イソプロピルアルコー
ル、エタノールなどのアルコール類やエチレングリコー
ルオリゴマー、ポリエチレングリコール、プロピレング
リコールオリゴマー、ヘキシレングリコールなどのジオ
ール類、水、またはセロソルブ、カルビトール類等も用
いることが可能である。なお、塗布液中には、例えば増
粘剤等の他の原料が含まれていても差し支えない。
【0020】塗布液の塗布方法は、特にその方法は限定
されるものではなく、ディッピング法、ロールコート
法、スピンコート法、フローカーテン法、スプレー法、
リバースコート法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法
などの湿式法を用いることが出来る。なお、着色膜或い
は保護膜ともに前記の塗布方法により塗布することが可
能である。
【0021】着色膜形成用の塗布液が塗布された保護膜
を成膜する前の着色膜の乾燥条件としては、50〜10
0℃が好ましく、50℃以下の場合には保護膜を形成す
るためにコーティング液に浸漬した際に、着色膜が溶出
して問題である。また、100℃以上の温度では、着色
膜の界面や表層への保護膜用コーティング液の浸透が阻
害されて、密着性が低下することもある。また、不要な
熱エネルギーを消費するので好ましくない。続いて保護
膜用塗布液を塗布した後、250〜400℃の温度で熱
処理することにより、着色膜と保護膜とを同時に硬化し
て有機顔料着色ガラスが得られる。なお、着色膜或いは
保護膜の膜厚は10〜500nmが好ましく、さらに5
0〜300nmであればより好ましい。
【0022】上記の主原料および副原料は、例えば、熱
線遮蔽膜、紫外線遮蔽膜、親水防曇膜、電磁波遮蔽膜、
無反射膜、電波透過膜、導電膜、装飾膜等の目的、用途
に応じて適する主原料および着色剤等の副原料を適宜選
択できる。
【0023】ガラス基材としては、各種のコーティング
法でガラス基材表面に着色膜を被覆したもの、あるいは
ガラス基材自体が透明あるいは着色されたもの等、特に
限定されるものではない。そのうち、有機顔料を用いた
着色膜やシリカ成分からなる保護膜をディッピング法や
ロールコート法等により成膜し、その後焼成して得た着
色ガラスでは、有機顔料のもつ幅広い色彩の利用が可能
である。さらに、例えば少なくとも一方のガラス基材に
フレキソ印刷法などを用いて文字や模様をパターニング
した着色ガラス基板を用いたり、また、色の異なる複数
の着色ガラスを複層化すれば装飾効果がさらに増すので
より好ましい。
【0024】本発明の有機顔料着色ガラスは、建築用の
窓材、間仕切り材、車両用の窓材等、その他産業用等の
各種用途に特に装飾用として使用することが可能である
が、例えば使用方法の一例として、人が外から見ている
場所では、プライバシー性とデザイン性を兼ね備えた機
能性ガラスとして用いることが可能である。
【0025】本発明の有機顔料着色ガラスは、例えば汎
用の板ガラスを製造する際に、該着色ガラスを約5cm
角程度の大きさに粗砕しカレット原料として溶融窯に投
入し再溶融してリサイクルすることが出来る。なお、本
発明の着色ガラスは板ガラスに限定するものではなく、
ビンガラス等のその他のガラスにも適用できる。また、
種々のガラスのカレット原料としてもリサイクルするこ
とが可能である。
【0026】
【実施例】次に、本発明の実施の一例を示すが、本発明
はこれに限定されるものではない。
【0027】(実施例1) (1)着色膜用コーティング液の作製 本発明に用いたガラス基板は、以下のような手順で作製
した。メトキシシランオリゴマー(三菱化学製MS-5
1)、1wt%硝酸水溶液およびエタノールを所定量混
合し、室温で4時間攪拌した後に12時間熟成した。な
お、添加する水の量はオリゴマー中のシリカ成分1モル
に対して2モル、ゾル中のシリカ濃度は16wt%とし
た。このシリカゾル30gに、5wt%濃度の有機顔料
分散液(富士色素製)36gと溶媒のエキネンF1(エ
タノール:2−プロパノール=9:1(重量比))84
gを混合して室温で1h攪拌して着色膜用コーティング
液を得た。なお、有機顔料には、2−プロパノールで約
5wt%に希釈した分散液、富士色素製FUJI AS
L BLUE(C.I.Pigment Blue15
−3)を用いた。
【0028】(2)保護膜用コーティング液の作製 出発原料にテトラエトキシシラン(Si(OC25
4 )31.2g、水21.0g、酸触媒として70wt
%硝酸0.8gおよび溶媒としてエキネンF1(エタノ
ール:2−プロパノール=9:1(重量比))47.0
gを混合して室温で12h攪拌した。その後、さらにエ
キネンF1を50g添加して希釈し、保護膜用コーティ
ング液を得た。
【0029】(3)着色ガラスの作製 着色膜は、ソーダライムシリカガラス基板(10cm×
12cm×2mm厚)にディッピング法で、引き上げ速度
4mm/sで成膜した。次いで、80℃,5分の乾燥を
行った後、保護膜を、4mm/sで成膜した。その後、
360℃,6分の熱処理を行った。なお、成膜時の環境
は、25℃,45%であった。なお、保護膜を成膜する
前の着色膜の乾燥条件としては、50〜100℃が好ま
しく、50℃下の場合には保護膜を形成するためにコー
ティング液に浸漬した際に、着色膜が溶出して問題であ
る。また、100℃以上の温度では、着色膜の界面や表
層への保護膜用コーティング液の浸透が阻害されて、密
着性が低下することもある。また、不要な熱エネルギー
を消費するので好ましくない。
【0030】(4)着色膜の耐久性評価 着色膜の外観状態を目視確認し、可視光透過率(Tv)
やヘーズ値(H)などの光学特性は日本電色工業デジタ
ルヘーズメーター NDH-20Dを用いて測定した。着
色膜および保護膜の膜厚(d)は、Sloan tec
h.製Dektak-3030を用いて測定した。また、
膜強度については、鉛筆硬度試験(JIS-K540
0、すり傷評価)により評価した。
【0031】(5)結果 得られた着色ガラスは、白濁のない透明性の高い均一な
青色を示すものであった。また、保護膜を形成すること
による、着色膜の脱色や膜ムラなどの問題も発生しなか
った。光学特性は、Tv=52.8%、H=0.6%で
あり、着色膜および保護膜の膜厚は、それぞれ、310
および250nmであった。鉛筆硬度は、着色膜のみで
は6Bと低かったが、保護膜を形成した場合には3Hま
で改善した。評価結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】(実施例2)本実施例は、実施例1と比較
して青色顔料分散液の代わりに緑色顔料分散液を用い、
その他は実施例1と同様な方法で着色ガラスを作製し
た。なお、緑色顔料分散液には、富士色素製FUJI
ASL GREEN(C.I.Pigment Gre
en8)を用いた。結果、得られた着色ガラスは、白濁
のない透明性の高い均一な緑色を示し、光学特性は、表
1に示すように、Tv=81.7%、H=0.1%であ
り、着色膜および保護膜の膜厚は、それぞれ、240お
よび250nmであった。鉛筆硬度は、着色膜のみでは
6Bと低かったが、保護膜を形成した場合にはHまで改
善した。
【0034】(実施例3)本実施例は、実施例1と比較
して青色顔料分散液の代わりに赤色顔料分散液を用い、
最終的な熱処理を330℃,6分で行った以外は実施例
1と同様な方法で着色ガラスを作製した。なお、赤色顔
料分散液には、富士色素製FUJI ASL RED
(C.I.Pigment Red144、264)を
用いた。結果、得られた着色ガラスは、白濁のない透明
性の高い均一な赤色を示し、光学特性は、表1に示すよ
うに、Tv=64.1%、H=0.8%であり、着色膜
および保護膜の膜厚は、それぞれ、330および250
nmであった。鉛筆硬度は、着色膜のみでは6Bと低か
ったが、保護膜を形成した場合には3Hまで改善した。
【0035】(実施例4)本実施例は、実施例3と比較
して赤色顔料分散液の代わりに黄色顔料分散液を用い、
その他は実施例3と同様な方法で着色ガラスを作製し
た。なお、黄色顔料分散液には、富士色素製FUJI
ASL YELLOW(C.I.PigmentYel
low150)を用いた。結果、得られた着色ガラス
は、白濁のない透明性の高い均一な黄色を示し、光学特
性は、表1に示すように、Tv=91.5%、H=0.
5%であり、着色膜および保護膜の膜厚は、それぞれ、
330および250nmであった。鉛筆硬度は、着色膜
のみでは6Bと低かったが、保護膜を形成した場合には
Hまで改善した。
【0036】(実施例5)本実施例は、実施例3と比較
して赤色顔料分散液の代わりに黒色顔料分散液を用い、
シリカ成分に対する顔料成分の添加量を1/2の18g
とし、希釈溶媒のエキネンF1を102gとした以外は
実施例3と同様な方法で着色ガラスを作製した。なお、
黒色顔料分散液には、富士色素製FUJI ASL B
LACK(C.I.Pigment Black7)を
用いた。結果、得られた着色ガラスは、透明性で均一な
黒色を示し、光学特性は、表1に示すように、Tv=6
4.7%、H=1.0%であり、着色膜および保護膜の
膜厚は、それぞれ、310および250nmであった。
鉛筆硬度は、着色膜のみでは6Bと低かったが、保護膜
を形成した場合にはHまで改善した。
【0037】(比較例1) (1)着色膜用コーティング液の作製 本発明に用いたガラス基板は、以下のような手順で作製
した。メトキシシランオリゴマー(三菱化学製MS-5
1)、1wt%硝酸水溶液およびエタノールを所定量混
合し、室温で4時間攪拌した後に12時間熟成した。な
お、添加する水の量はオリゴマー中のシリカ成分1モル
に対して2モル、ゾル中のシリカ濃度は16wt%とし
た。このシリカゾル30gに、5wt%濃度の有機顔料
分散液(富士色素製)36gと溶媒のエキネンF1(エ
タノール:2−プロパノール=9:1(重量比))84
gを混合して室温で1h攪拌して着色膜用コーティング
液を得た。なお、有機顔料には、2−プロパノールで約
5wt%に希釈した分散液、富士色素製FUJI AS
L BLUE(C.I.Pigment Blue15
−3)を用いた。
【0038】(2)着色ガラスの作製 着色膜は、ソーダライムシリカガラス基板(10cm×
12cm×2mm厚)にディッピング法で、引き上げ速度
4mm/sで成膜した。次いで、80℃,5分の乾燥を
行った後、さらに360℃,6分の熱処理を行った。な
お、成膜時の環境は、25℃,45%であった。
【0039】(3)結果 得られた着色ガラスは、表2に示すように外観、可視光
線透過率、ヘ−ズ値は実施例1と同様に良好な結果を示
したが、鉛筆硬度が6Bと低いという問題があった。な
お、表2には以下の比較例2〜6のデータも併せて示
す。
【0040】
【表2】
【0041】(比較例2)本比較例は、実施例2と比較
して保護膜のない着色ガラスを作製した以外は実施例2
と同様な条件で行った。なお、着色膜を乾燥したのち、
比較例1と同一条件で熱処理を行った。結果、鉛筆硬度
が6Bと低いという問題があった。
【0042】(比較例3)本比較例は、実施例3と比較
して保護膜のない着色ガラスを作製した以外は実施例3
と同様な条件で行った。なお、乾燥後の熱処理は330
℃,6分で行った。結果、鉛筆硬度が6Bと低いという
問題があった。
【0043】(比較例4)本比較例は、実施例4と比較
して保護膜のない着色ガラスを作製した以外は実施例4
と同様な条件で行った。なお、乾燥後の熱処理は330
℃,6分で行った。結果、鉛筆硬度が6Bと低いという
問題があった。
【0044】(比較例5)本比較例は、実施例5と比較
して保護膜のない着色ガラスを作製した以外は実施例5
と同様な条件で行った。なお、乾燥後の熱処理は330
℃,6分で行った。結果、鉛筆硬度が6Bと低いという
問題があった。
【0045】
【発明の効果】本発明で得られる有機顔料着色ガラス
は、有機顔料が分散された着色膜の表面に無機酸化物よ
りなる保護膜を積層することにより従来問題になってい
た有機顔料着色ガラスの膜強度を大幅に改善することが
可能となるとともに、用いる有機顔料の種類による実用
強度の違いを補い、しかも再溶融によるリサイクルが容
易であり、多用途に適用可能である等の著効を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧田 研介 三重県松阪市大口町1510 セントラル硝子 株式会社硝子研究所内 (72)発明者 稲葉 博司 三重県松阪市大口町1510 セントラル硝子 株式会社硝子研究所内 Fターム(参考) 4G059 AA01 AA11 AB11 GA01 GA04 GA16 4J038 AA011 DL021 HA161 HA441 KA06 KA08 MA08 NA01 NA11 NA27 PA19 PB05 PB07 PC03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス基材表面に、着色成分としての有機
    顔料が分散されたマトリックス成分としての無機酸化物
    からなる着色膜と、保護膜としての無機酸化物被膜とが
    積層されてなることを特徴とする保護膜を有する有機顔
    料着色ガラス。
  2. 【請求項2】着色膜、保護膜の膜厚は、何れも10〜5
    00nmであることを特徴とする請求項1記載の保護膜
    を有する有機顔料着色ガラス。
  3. 【請求項3】ガラス基材表面に、着色膜形成用の塗布液
    を塗布した後50〜100℃で乾燥し、続いて保護膜形
    成用塗布液を塗布した後に250〜400℃で熱処理す
    ることにより、該着色膜と保護膜とを同時に硬化させて
    なることを特徴とする保護膜を有する有機顔料着色ガラ
    スの製造方法。
JP2000087755A 2000-03-28 2000-03-28 保護膜を有する有機顔料着色ガラスおよびその製造方法 Pending JP2001270742A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7682443B2 (en) * 2007-04-11 2010-03-23 Fujifilm Corporation Organic-pigment aqueous dispersion, method of producing the same, and colored coating composition and coated article using the same
WO2020195182A1 (ja) 2019-03-26 2020-10-01 パナソニックIpマネジメント株式会社 複合部材、並びにそれを用いた建築部材及び装飾部材

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