JPH0782526A - 塗布液、着色膜およびその製造方法 - Google Patents

塗布液、着色膜およびその製造方法

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JPH0782526A
JPH0782526A JP5187276A JP18727693A JPH0782526A JP H0782526 A JPH0782526 A JP H0782526A JP 5187276 A JP5187276 A JP 5187276A JP 18727693 A JP18727693 A JP 18727693A JP H0782526 A JPH0782526 A JP H0782526A
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啓介 阿部
Takeshi Kawasato
健 河里
Keiko Ohashi
恵子 大橋
Yasuhiro Sanada
恭宏 真田
Kazuya Hiratsuka
和也 平塚
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Abstract

(57)【要約】 【構成】酸窒化チタン粒子とSi(OR)mRn で示される化合
物あるいはその加水分解物を含む着色膜形成用塗布液お
よび該塗布液を塗布してなる着色膜。 【効果】塗布液は長期安定性に優れ、着色膜は、熱安定
性、耐候性に優れるとともに、特定の可視光波長に吸収
を生じないため陰極線管に適用した場合、コントラスト
の向上を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は陰極線管用パネル等に適
用される塗布液とそれを塗布することによりできる着色
帯電防止膜、あるいは着色低反射帯電防止膜およびそれ
らの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】帯電防止膜、着色膜、着色帯電防止膜、
低反射帯電防止膜、着色低反射帯電防止膜のコーティン
グ方法は従来より光学機器においてはいうまでもなく、
民生用機器特にTV、コンピューター端末の陰極線管
(CRT)に関し多くの検討がなされてきた。
【0003】帯電防止に関しては例えば特開昭63−7
6247号にはブラウン管パネル表面を350℃程度に
加熱してCVD法により酸化錫および酸化インジウム等
の導電性酸化物層を設ける方法が提案されている。
【0004】膜の着色に関しては特開平1−27566
4号に水溶性フタロシアニン化合物を用いる方法が提案
されている。帯電防止性能をもつ着色膜については特開
平1−251545号にメチルバイオレットを用いた帯
電防止膜の記載がある。
【0005】低反射性に関しては例えば特開昭61−1
18931号記載の如くブラウン管表面に防眩効果をも
たせるため表面に微細な凹凸を有するSiO2層を付着させ
たり、弗酸により表面をエッチングして凹凸を設ける等
の方法が採られてきた。しかし、これらの方法は、外部
光を散乱させるノングレア処理と呼ばれ、本質的に低反
射層を設ける方法ではないため、反射率の低減には限界
があり、またブラウン管等においては解像度を低下させ
る原因ともなっていた。
【0006】低反射帯電防止膜については特開平3−9
3136号にイオンプレーティング法による光学多層膜
を設ける方法が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の方法のうち、C
VD法による帯電防止膜を付与させる手法は装置コスト
がかかることに加えてブラウン管表面を高温に加熱する
ためブラウン管内の蛍光体の脱落を生じたり、寸法精度
が低下する等の問題があった。またこの場合通常400
℃程度の高温を必要とし、低温で焼成した場合充分低抵
抗な膜が得られない欠点があった。
【0008】また上記着色膜の水溶性フタロシアニン化
合物を用いる方法は、有機染料を用いるため耐熱性、耐
候性に乏しく特定波長に吸収をもつため可視光全波長領
域にわたっての均一な吸収を得ることが難しいという欠
点を有している。メチルバイオレットを含む帯電防止膜
も同様な理由より耐熱性、耐候性に乏しく可視光全波長
領域にわたっての均一な吸収を得ることが難しい。
【0009】またイオンプレーティングによる方法は工
業的に安価とはいえず、また可視光波長領域にわたって
の均一な吸収を得られないため、陰極線管に成膜したと
きコントラストの向上も望めない。
【0010】本発明は従来技術が有していた前述の欠点
を解決し、低温熱処理が可能な着色膜、あるいは着色帯
電防止膜、着色低反射帯電防止膜およびそれらの製造方
法を新規に提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、酸窒化チタン
とSi(OR)mn (m+n=4、m=1〜4、n=
0〜3、R=C1 〜C4 のアルキル基)の加水分解物か
らなる溶液を基体に塗布することにより得られたことを
特徴とする380nmから700nmの波長領域におい
て透過率が低下された着色膜を提供する。
【0012】また、本発明は、前述の溶液にSn、I
n、Sb、Zn、AlおよびGaの群から選ばれる少な
くとも1種の化合物を含むことからなる溶液を基体に塗
布することにより得られたことを特徴とする380nm
から700nmの波長領域において透過率が低下され、
かつ帯電防止能を有することを特徴とする着色帯電防止
膜を提供し、かつ、基体上に形成される多層膜におい
て、該多層膜のうちの少なくとも1層が、前記の着色帯
電防止膜であることを特徴とする多層低反射着色帯電防
止膜を提供する。
【0013】さらに、本発明は、基体表面に形成される
着色膜、着色帯電防止膜、または着色低反射帯電防止膜
の製造方法において、基体表面に酸窒化チタンとSi
(OR)mn (m+n=4、m=1〜4、n=0〜
3、R=C1 〜C4 のアルキル基)の加水分解物からな
る溶液、あるいは酸窒化チタンとSn、In、Sb、Z
n、AlおよびGaの群から選ばれる少なくとも1種の
化合物とSi(OR)m n (m+n=4、m=1〜
4、n=0〜3、R=C1 〜C4 のアルキル基)の加水
分解物からなる溶液を塗布した後、加熱および/または
紫外線を照射することを特徴とする着色膜、着色帯電防
止膜膜および着色低反射帯電防止膜の製造方法を提供す
る。
【0014】発明の着色膜、着色帯電防止膜および着色
低反射帯電防止膜はディスプレイ用途に供されるガラス
物品に好ましく用いられる。ガラス物品としての陰極線
管は近年コンピューターの端末表示等に使用される場合
高解像度の要求とともにハイコントラストの要求も高ま
りつつある。しかしコントラストの向上を期してガラス
自体の透過率を低下させた場合、ディスプレイの大型化
に伴ってフェイスプレートの肉厚も厚くなっていること
から、特に大型ディスプレイでは透過率の著しい低下が
問題となる。
【0015】本発明ではガラス自体の透過率を下げるこ
となくその表面に膜を形成しこの膜で光吸収を生じさせ
ることによりコントラストの向上を図る。したがって種
々の肉厚をもつディスプレイ用ガラスパネルへの適用が
極めて容易に可能となる。陰極線管の発光スペクトルは
複数のスペクトルで構成されるが、発光スペクトルのバ
ランスを崩さずにコントラストの向上を図るには特定の
光吸収を持つ着色膜よりも可視光領域にわたって均一の
光吸収を持つ着色膜が好ましい。
【0016】このような観点より鋭意研究を行なった結
果酸窒化チタンを含む着色膜を構成することにより、可
視光領域において均一な光吸収を可能とし上記の問題点
を解決することができた。
【0017】本発明における酸窒化チタンの組成は特に
限定されないが、窒素を0. 1〜30wt%含有するT
iOx (1.0≦x<2.0)であることが好ましい。
また、窒素元素の酸化物中での安定化のために短周期型
周期表において示される3A〜7A、8または1B族元
素を酸窒化チタンに対して5. 0%以下添加するのも好
ましい。
【0018】また、本発明では上記酸窒化チタンにSi
(OR)mn (m+n=4、m=1〜4、n=0〜
3、R=C1 〜C4 のアルキル基)の加水分解物を加え
ることにより溶液中の粒子の安定性が向上し脂肪族炭化
水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、ア
ルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、アル
コールエステル類、ケトンエステル類、エーテルアルコ
ール類、ケトンエーテル類、エステルエーテル類のうち
の1種または2種以上の混合物からなる有機溶剤で希釈
した場合でも凝集沈殿を生じることがない。
【0019】さらに本発明ではこの着色膜用塗布液にS
n、In、Sb、Zn、Al、およびGaの群から選ば
れる少なくとも1種の酸化物を含有することにより、塗
布成膜後ディスプレイのオン・オフ時に生起する静電気
を抑える帯電防止性能も付与させ、埃等の付着を抑制す
ることも可能とした。さらには上記着色帯電防止膜上に
当該被膜よりも低屈折率を有する膜を構成し解像度を損
なうことなく蛍光灯の映り込み等を抑制する低反射性能
をも付与することも可能とした。
【0020】一般に、薄膜の光学的性能はその膜を構成
する屈折率と膜厚で決定される。ここで一定の屈折率n
S を有する基体上に屈折率nを有する薄膜を付着させ、
屈折率n0 の媒質中より波長λの光が入射した場合のエ
ネルギー反射率Rは光が膜中を通過する際の位相差をΔ
とするとΔ=4πnd/λ(d:膜厚)であり、Δ=
(2m+1)π、すなわち位相差Δが半波長の奇数倍の
とき極小値をとり、このとき、 R=((n2 −n0S )/(n2 +n0S ))2 ・・・(1) となる。
【0021】無反射条件を満たすには、(1)式におい
て、R=0とおき、 n=(n0S1/2 ・・・・(2) が必要とされる。(2)式を2層構成に拡張した場合、 nS1 2=n2 20 ・・・・(3) となる。ただし、n1 は媒質側層、n2 は基体側層の屈
折率である。
【0022】ここでn0 =1(空気)、nS =1. 52
(ガラス)を(3)式に適用した場合、n2 /n1
1.23となり、この場合、2層構成膜の最大の低反射
性が得られる。勿論n2 /n1 =1.23を満たさなく
ても、2層膜の屈折率がこれに近い値をとれる場合、低
反射性が得られる。したがって、基体側に設ける高屈折
率層と媒質側に設ける低屈折率層は両者の屈折率比がで
きるだけ1.23に近い値を選択するのが望ましい。
【0023】本発明において、所望の低反射膜を得るに
は、多層膜間の屈折率差と合わせて膜厚も重要な要素で
ある。反射防止性能を有する多層の低反射膜の構成とし
ては、反射防止をしたい波長をλとして、基体側より高
屈折率層および低屈折率層を光学厚みλ/2およびλ/
4で構成した低反射膜、基体側より中屈折率層、高屈折
率層および低屈折率層を光学厚みλ/4、λ/2および
λ/4で順次形成した3層の低反射膜、基体側より低屈
折率層、中屈折率層、高屈折率層および低屈折率層を光
学厚みλ/4、λ/4、λ/2およびλ/4で順次形成
した4層の低反射膜等が典型的な例として知られてい
る。
【0024】本発明で用いる酸窒化チタン粒子は還元処
理した酸化チタンを用いる。還元処理にはN2 ガス、N
3 ガス等を用いることができる。
【0025】酸窒化チタン自体導電性を有しているた
め、帯電防止膜を構成する場合、導電補助成分として機
能する。酸窒化チタンの被膜中における含有割合につい
ては、着色膜の場合1〜90wt%が好ましくこれ以下
の場合、着色性能が充分でなくこれ以上の場合は膜の強
度が低下し好ましくない。
【0026】着色帯電防止膜、着色低反射帯電防止膜の
場合は、酸窒化チタンの被膜中における含有割合が1〜
80wt%であることが好ましい。酸窒化チタン量が少
なすぎると着色性能が充分でなく、また多すぎると帯電
防止能および膜の透過率が悪化し好ましくない。また、
溶液中のSi(OR)mn (m+n=4、m=1〜
4、n=0〜3、R=C1 〜C4 のアルキル基)の加水
分解物の含有量については、酸化物換算で全固形分に対
して0.5〜65wt%が好ましい。これより少ないと
酸窒化チタンを含む溶液に有機溶媒を混合させた場合凝
集が生じることがある。また、これよりも多いと着色性
能および帯電防止能が悪化し好ましくない。
【0027】本発明で用いる酸化物には、Sbをドープ
したSnO2 、ITO、AlをドープしたZnO、また
はGaをドープしたZnOなどを用いることができる。
これらの酸化物は導電性を有するので着色膜に導電性を
付与することができ、これでもって帯電防止性能を付与
することができる。これら酸化物は、塗布液中に粒子と
して分散させて用いることも可能であり、また溶液とし
て用いて基体上で酸化物化させることも可能である。
【0028】液中に粒子として添加する場合、分散媒中
の粒子の平均粒径は30nm以下となっていることが好
ましい。溶液を用いる場合、キレート錯体のような有機
化合物、硝酸塩のような無機化合物を用い上記の酸窒化
チタンとSi(OR)mn(m+n=4、m=1〜
4、n=0〜3、R=C1 〜C4 のアルキル基)の加水
分解物からなる溶液と混合して用いる。
【0029】溶液の基体への塗布方法は、スピンコート
法、ディップ法、スプレー法、ロールコーター法、メニ
スカスコーター法等、種々考えられるが、特にスピンコ
ート法は量産性、再現性に優れ、好ましく用いられる。
かかる方法によって10nm〜1μm程度の膜が形成可
能である。
【0030】また、着色低反射帯電防止膜において低屈
折率膜を構成する物質としては珪素化合物が屈折率、膜
強度の点より好ましく用いられる。珪素化合物としは、
Si(OR)mn (m+n=4、m=1〜4、n=0
〜3、R=C1 〜C4 のアルキル基)で示される化合物
あるいは部分加水分解物を用いることが好ましいが、珪
弗化水素酸、硼酸を含む水溶液に二酸化珪素粉末を飽和
させてなる溶液より析出させてできる珪素化合物も使用
可能である。Si(OR)mn で示される化合物ある
いは部分加水分解物の着色帯電防止膜上への塗布方法と
しては、前述した方法と同様に種々の方法が好ましく用
いられる。
【0031】本発明の着色膜は酸窒化チタンを含有する
ため、高屈折率を有し上記低屈折率膜との2層で構成し
た場合前述の低反射性能が容易に発現される。
【0032】本発明において、着色膜、着色帯電防止膜
および着色低反射帯電防止膜を形成する基体としては特
に限定されるものではなく、目的に応じてソーダライム
シリケートガラス、アルミノシリケートガラス、硼珪酸
塩ガラス、リチウムアルミノシリケートガラス、石英ガ
ラス等のガラス、鋼玉等の単結晶、マグネシア、サイア
ロン等の透光性セラミックス、ポリカーボネート等のプ
ラスチックも使用可能である。
【0033】
【作用】本発明の着色膜においては着色成分として窒素
を含有してなる酸化チタンを用いるので着色性能に関し
て熱安定性、耐候性に優れている。また、特定の可視光
波長に吸収を生じないため陰極線管に適用した場合、陰
極線管内の蛍光体の発するスペクトルのバランスを崩す
ことなくコントラストの向上を図ることができる。
【0034】全可視光領域における均一な吸収に起因し
て低反射特性も向上する。さらには窒素を含有してなる
酸化チタン自体も導電性を有しているため酸窒化チタン
も帯電防止能を発現させる成分として機能している。
【0035】また、上記酸窒化チタンにSi(OR)m
n (m+n=4、m=1〜4、n=0〜3、R=C1
〜C4 のアルキル基)の加水分解物を加えることにより
溶液中の粒子の安定性が向上し脂肪族炭化水素類、芳香
族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール類、
ケトン類、エーテル類、エステル類、アルコールエステ
ル類、ケトンエステル類、エーテルアルコール類、ケト
ンエーテル類、エステルエーテル類のうちの1種または
2種以上の混合物からなる有機溶剤で希釈した場合でも
凝集沈殿を生じることがなく、広範な塗布条件に対応で
きる塗布液が得られる。
【0036】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。得られた液の評価結果は下記のように行った。
【0037】1 )液中の粒子の分散安定性評価 大塚電子製レーザー粒径解析システムLPA−3100
により液合成直後および5℃で4週間静置保存したのち
の液中の粒子の平均粒径を測定した。得られた膜の評価
は下記のように行った。 2)透過率評価 日立製作所製スペクトロフォトメータU−3500によ
り380nm、550nm、780nmの透過率を測定
した。 3)ヘーズ評価 スガ試験機製直読ヘーズコンピュータにより膜自体のヘ
ーズを測定した。
【0038】4)導電性評価 着色帯電防止膜、着色低反射帯電防止膜について三菱油
化製ハイレスタ抵抗測定器により相対湿度30%以下の
雰囲気中で膜表面の表面抵抗値を測定した。 5)耐擦傷性 1kg重の荷重下、消しゴムで膜表面を50回往復後、そ
の表面の傷の付きを目視で判断した。評価基準は以下の
通りとした。 ○:傷が全く付かない △:傷が多少付く ×:多くの傷が付くか剥離
【0039】6)鉛筆硬度 1kg重の荷重下、鉛筆で膜表面を走査し、その後目視
により表面の傷の生じ始める鉛筆の硬度を膜の鉛筆硬度
と判断した。 7)視感反射率 着色低反射帯電防止膜についてGAMMA分光反射スペ
クトル測定器により膜の380nm〜700nmの視感
反射率を測定した。
【0040】実施例1 酸窒化チタン(窒素含有量が10wt%でありかつバナ
ジウムを1wt%含有する)15gをあらかじめpH
3.0に調整した水溶液85g中に添加してサンドミル
で4時間粉砕して90℃で1時間加熱したのち、濃度5
wt%に調整しゾルを得た(A液)。Si(OEt)4
のエタノール溶液(酸化物換算で固形分5wt%)にS
i(OEt)4 に対してpH2.8に調整した硝酸酸性
水溶液を8mol比添加し、2時間80℃で加熱還流し
た(B液)。A液とB液をA液:B液=2:3重量比と
なるように混合し酸化物換算で1.2wt%となるよう
にエタノールおよびブタノール(エタノール:ブタノー
ル=3:2wt比)からなる混合有機溶媒で希釈し着色
膜用コート液とした。
【0041】実施例2 Sbが8mol%ドープされたSnO2 粉末(1次粒径
10nm)15gを水85g中に添加してサンドミルで
16時間粉砕して90℃で1時間加熱した後、濃度5w
t%に調整しゾルを得た(C液)。A液とB液とC液を
各酸化物換算でA液:B液:C液=3:2:5重量比と
なるように混合し、エタノール、IPA、2−エトキシ
エタノール(エタノール:IPA:2−エトキシエタノ
ール=4:5:1wt比)からなる混合有機溶媒で0.
9wt%に希釈し着色帯電防止膜用コート液とした。
【0042】実施例3 実施例2におけるSbが8mol%ドープされたSnO
2 粉末をITO粉末(Sn/In=10/90mol
比、1次粒径30nm) に変更し水85gをKOHであ
らかじめpH8.0に調整した水溶液に変更した以外は
実施例2と同様に行った。
【0043】実施例4 実施例2におけるSbが8mol%ドープされたSnO
2 粉末をAlが10mol%ドープされたZnO粉末
(1次粒径20nm) に変更した以外は実施例2と同様
に行った。
【0044】実施例5 実施例4におけるAlが10mol%ドープされたZn
O粉末をGaが8mol%ドープされたZnoO粉末
(1次粒径40nm) に変更した以外は実施例4と同様
に行った。
【0045】比較例1 実施例1におけるA液をエタノールおよびブタノール
(エタノール:ブタノール=3:2wt比)からなる混
合有機溶媒で希釈した。
【0046】比較例2 実施例1におけるpH2.8の硝酸酸性水溶液をpH
0.1の硝酸酸性水溶液に変更した以外は実施例1と同
様に行った。
【0047】比較例3 実施例2におけるA液とB液とC液の混合比を各酸化物
換算でA液:B液:C液=5:0:5重量比と変更した
以外は実施例2と同様に行った。
【0048】実施例6 実施例1において得られたコート液をブラウン管パネル
表面に150rpmの回転速度で60秒間塗布し、その
後160℃で30分加熱して約90nmの膜を得た。
【0049】比較例4 銅フタロシアニンブルー0.02gをB液40gに添加
し酸化物換算で1.4wt%になるようにエタノールお
よびブタノール(エタノール:ブタノール=3:2wt
比)からなる混合有機溶媒で希釈しブラウン管パネル表
面に100rpmの回転速度で60秒間塗布しその後1
60℃で30分間加熱し膜を得た。
【0050】実施例7 実施例2において得られたコート液をブラウン管パネル
表面に100rpmの回転速度で60秒間塗布し、その
後160℃で30分加熱して約100nmの膜を得た。
【0051】実施例8 実施例3において得られたコート液をブラウン管パネル
表面に100rpmの回転速度で60秒間塗布し、その
後254nmの波長を主波長とする紫外線を30分照射
して約100nmの膜を得た。
【0052】実施例9 実施例4において得られたコート液をブラウン管パネル
表面に100rpmの回転速度で60秒間塗布し、その
後365nmの波長を主波長とする紫外線を30分照射
して約90nmの膜を得た。
【0053】実施例10 実施例5において得られたコート液をブラウン管パネル
表面に100rpmの回転速度で60秒間塗布し、その
後370℃で10分加熱して約90nmの膜を得た。
【0054】実施例11 実施例7において160℃、30分の加熱処理を60
℃、10分の加熱処理に変更し約100nmの厚さの膜
を得た。この膜の上にB液を酸化物換算で0.95wt
%にエタノールおよびブタノール(エタノール:ブタノ
ール=3:2wt比)からなる混合有機溶媒で希釈した
溶液を実施例6記載のスピンコート法で塗布し160℃
で30分加熱処理し着色低反射帯電防止膜を得た。
【0055】実施例12 硝酸インジウムを酸化物換算で5wt%となるようにア
セチルアセトンに溶解し130℃で1時間還流を行った
(D液)。塩化第1錫をアセチルアセトンに酸化物換算
で5wt%となるように溶解し135℃で2時間加熱還
流を行った(E液)。D液とE液を各酸化物換算で1.
2wt%となるようにエタノールで希釈した後、D液:
E液=85:15重量比となるように混合した(F
液)。実施例11におけるC液をF液に変更し2層塗布
後の焼成を370 ℃、6分に変更した以外は実施例11と
同様に行った。
【0056】比較例5 銅フタロシアニンブルー0.02gをエタノールおよび
ブタノール(エタノール:ブタノール=3:2wt比)
からなる混合有機溶媒50gに添加した(G液)。B液
とC液を各酸化物換算でB液:C液=2:4重量比とな
るように混合し、エタノール、IPA、2−エトキシエ
タノール(エタノール:IPA:2−エトキシエタノー
ル=4:5:1wt比)からなる混合有機溶媒で0.9
wt%に希釈した(H液)。
【0057】H液とG液をH液:G液=1:9wt比と
なるように混合しブラウン管パネル表面に100rpm
の回転速度で60秒間塗布し、その後60℃で10分加
熱して約90nmの膜を得た。この膜の上にB液を酸化
物換算で0.95wt%にエタノールおよびブタノール
(エタノール:ブタノール=3:2wt比)からなる混
合有機溶媒で希釈し実施例6記載のスピンコート法で塗
布し160℃で30分加熱処理した。実施例1〜5およ
び比較例1〜3において作成された塗布液の評価結果を
表1に示す。実施例6および比較例4において作成され
た着色膜の評価結果を表2に示す。実施例7〜12およ
び比較例5において作成された着色帯電防止膜および着
色低反射帯電防止膜の評価結果を表3に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【発明の効果】本発明の塗布液は長期安定性に優れ且
つ、着色膜は、熱安定性、耐候性に優れるとともに、特
定の可視光波長に吸収を生じないため陰極線管に適用し
た場合、陰極線管内の蛍光体の発するスペクトルのバラ
ンスを崩すことなくコントラストの向上を図ることがで
きる。また、本発明において用いる窒素を含有してなる
酸化チタンは導電性を有しているため、本発明の着色膜
は、帯電防止能も発現することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 1/10 (72)発明者 真田 恭宏 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 平塚 和也 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸窒化チタン粒子とSi(OR)mn
    (m+n=4、m=1〜4、n=0〜3、R=C1 〜C
    4 のアルキル基)で示される化合物あるいはその加水分
    解物を含む着色膜形成用塗布液。
  2. 【請求項2】前記酸窒化チタンが窒素を0. 3〜30w
    t%含有するTiOx (1.0≦x<2.0)であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の着色膜形成用塗布液。
  3. 【請求項3】前記のSi(OR)mn (m+n=4、
    m=1〜4、n=0〜3、R=C1〜C4 のアルキル
    基)の加水分解物がpH0.1〜6.0の酸性溶液を用
    いることにより得られたものであることを特徴とする請
    求項1記載の着色膜形成用塗布液。
  4. 【請求項4】請求項1、2、または3記載の着色膜形成
    用塗布液を基体に塗布することにより得られたことを特
    徴とする380nmから700nmの波長領域において
    透過率が低下された着色膜。
  5. 【請求項5】請求項1、2、または3記載の着色膜形成
    用塗布液中にSn、In、Sb、Zn、AlおよびGa
    の群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含むことを
    特徴とする着色膜形成用塗布液。
  6. 【請求項6】請求項5記載の着色膜形成用塗布液を基体
    に塗布することにより得られたことを特徴とする380
    nmから700nmの波長領域において透過率が低下さ
    れ、かつ帯電防止能を有する着色帯電防止膜。
  7. 【請求項7】基体上に形成される多層膜において、該多
    層膜の内の少なくとも1層が、請求項6記載の着色帯電
    防止膜であることを特徴とする多層着色帯電防止膜。
  8. 【請求項8】基体上に形成される多層膜において、基体
    側から請求項6記載の着色帯電防止膜、その上に該着色
    帯電防止膜よりも低屈折率を有する膜が順次形成される
    ことを特徴とする多層着色低反射帯電防止膜。
  9. 【請求項9】請求項4、6、7、または8記載の着色
    膜、着色帯電防止膜または着色低反射帯電防止膜が形成
    されることを特徴とするガラス物品。
  10. 【請求項10】請求項4、6、7、または8記載の着色
    膜、着色帯電防止膜または着色低反射帯電防止膜がパネ
    ル表面に形成されることを特徴とする陰極線管。
  11. 【請求項11】基体表面に形成される着色膜、着色帯電
    防止膜、または着色低反射帯電防止膜の製造方法におい
    て、請求項1、2、3、または5記載の着色膜形成用塗
    布液を塗布した後、加熱および/または紫外線を照射す
    ることを特徴とする着色膜、着色帯電防止膜および着色
    低反射帯電防止膜の製造方法。
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