JPH0611602A - 低屈折率膜、低反射膜、低反射導電膜及び低反射防眩導電膜 - Google Patents

低屈折率膜、低反射膜、低反射導電膜及び低反射防眩導電膜

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JPH0611602A
JPH0611602A JP4190093A JP19009392A JPH0611602A JP H0611602 A JPH0611602 A JP H0611602A JP 4190093 A JP4190093 A JP 4190093A JP 19009392 A JP19009392 A JP 19009392A JP H0611602 A JPH0611602 A JP H0611602A
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JP
Japan
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low
film
conductive film
reflection
refractive index
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Withdrawn
Application number
JP4190093A
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English (en)
Inventor
Keisuke Abe
啓介 阿部
Keiko Kubota
恵子 久保田
Yasuhiro Sanada
恭宏 真田
Kazuya Hiratsuka
和也 平塚
Takeshi Morimoto
剛 森本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】Sn、Sb、In、Ru等の酸化物からなる導
電膜上に、Fを含む珪素化合物を含む液を塗布し、低反
射導電膜を形成する。その上に同様の液をスプレーコー
トして低反射防眩導電膜を形成する。 【効果】真空を要する大がかりな設備を必要とせず、優
れた膜を形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はブラウン管パネル等のガ
ラス基体表面に塗布され、形成される低屈折率膜、低反
射膜、低反射導電膜、及び低反射防眩導電膜の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ブラウン管は高電圧で作動するため起動
時、あるいは終了時に該表面に静電気が誘発される。こ
の静電気により該表面にほこりが付着しコントラスト低
下を引き起こしたり、あるいは直接触れた際軽い電気シ
ョックによる不快感を生ずることが多い。
【0003】従来、上述のことがらを防止するためにブ
ラウン管パネル表面に帯電防止膜を付与する試みがかな
りなされてきた。例えば特開昭63−76247号記載
の通り、ブラウン管パネル表面を350℃程度に加熱し
CVD法により酸化スズ及び酸化インジウム等の導電性
酸化物層を設ける方法が採用されてきた。しかしなが
ら、この方法では装置コストがかかることに加え、ブラ
ウン管を高温加熱するためブラウン管内の蛍光体の脱落
を生じたり、寸法精度が低下する等の問題があった。
【0004】また、近年電磁波ノイズによる電子機器へ
の電波障害が社会問題となり、それらを防止するため規
格の作成、規制が行われている。電磁波ノイズは人体に
ついて、CRT上の静電気チャージによる皮膚ガンの恐
れ、低周波電磁界(ELF)による胎児への影響、その
他X線、紫外線等による害が各国で問題視されている。
この場合、導電性塗膜の存在により、導電性塗膜に電磁
波があたると、塗膜中に渦電流を誘電して、この作用で
電磁波を反射する。
【0005】しかし、このためには、高い電界強度に耐
え得る良導電性の膜が必要であったが、それほどの良導
電性の膜を得るには更に困難であった。また、低反射膜
のコーティング法は、従来より光学的機器においてはい
うまでもなく、民生用機器特にTV、コンピューター端
末の陰極線管(CRT)に関し数多くの検討がなされて
きた。
【0006】従来の方法は例えば特開昭61−1189
31号記載の如くブラウン管フェイスパネル表面に防眩
効果をもたせるために表面に微細な凹凸を有するSiO
2 層を付着させたり、フッ酸により表面をエッチングし
て凹凸を設ける等の方法がとられてきた。しかし、これ
らの方法は、外部光を散乱させるノングレア処理と呼ば
れ、本質的に低反射層を設ける手法でないため反射率の
低減には限界があり、またブラウン管等においては防眩
効果をもたせるには膜の厚みを必要とするため、解像度
を低下させる原因ともなっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術が有
していた前述の欠点を解消しようとするものであり、低
温熱処理が可能な高特性の低反射導電膜及び低反射防眩
導電膜を新規に提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の問題点
を解決すべくなされたものであり、Sn,Sb,In,
Ruの各元素の化合物のうち少なくとも一種を含む導電
性膜用塗布液を基体上に塗布した後、加熱かつ/または
紫外線を照射することにより導電膜を形成し、その上に
Fを含有する珪素化合物をコートした後、加熱かつ/ま
たは紫外線を照射することにより低反射導電膜の製造方
法を提供するものである。
【0009】本発明はまた、Sn,Sb,In,Ruの
各元素の化合物のうち少なくとも一種を含む導電性膜用
塗布液を基体上に塗布した後、加熱かつ/または紫外線
を照射することにより導電膜を形成し、その上にFを含
有する珪素化合物、かつ/またはSi(OR)m Rn
(m+n=4、m=1〜4、n=0〜3、R=C1 〜C
4 のアルキル基)のモノマーあるいは重合体、かつ/ま
たはイソシアネートシラン化合物をスプレーコートした
後、静置、かつ/または加熱かつ/または紫外線照射す
ることにより、表面に凹凸を有する導電膜を形成するこ
とを特徴とする低反射防眩導電膜の製造方法、及び、
【0010】Sn,Sb,In,Ruの各元素の化合物
のうち少なくとも一種を含む導電性膜用塗布液を基体上
に塗布した後、加熱かつ/または紫外線を照射すること
により導電膜を形成し、その上にFを含有する珪素化合
物Si(OR)m Rn (m+n=4、m=1〜4、n=
0〜3、R=C1 〜C4 のアルキル基)のモノマーある
いは重合体、イソシアネートシラン化合物のうち少なく
とも一種を含む液を塗布し、静止、加熱または紫外線を
照射することにより、nd<λ/4(λ=380〜78
0nm、n=膜の屈折率、d=膜厚(nm))で規定さ
れる膜厚を形成し、更にその上にFを含有する珪素化合
物Si(OR)m Rn (m+n=4、m=1〜4、n=
0〜3、R=C1 〜C4 のアルキル基)のモノマーある
いは重合体、イソシアネートシラン化合物のうち少なく
とも一種を含む液をスプレーコートし、凹凸構造を形成
することを特徴とする低反射防眩導電膜の製造方法を提
供するものである。
【0011】本発明に用いるRu化合物としては、特に
限定されるものではないが、塩化ルテニウム等のルテニ
ウム塩やキレート配位子等が配位した錯体が挙げられ
る。例えば塩化ルテニウム、β−ジメトンまたはケトエ
ステルと錯体を形成するRu、そのRuの塩、ルテニウ
ムレッド、ヘキサアンミンルテニウム(III)塩、ペ
ンタアンミン(二窒素)ルテニウム(II)塩、クロロ
ペンタアンミンルテニウム(III)塩、cis−ジク
ロロテトラアンミンルテニウム(III)塩化物−水和
物、トリス(エチレンジアミン)ルテニウム(II)
塩、酢酸ルテニウム、臭化ルテニウム、フッ化ルテニウ
ム、及びその加水分解物のうち少なくとも一種がいずれ
も好ましく使用可能である。
【0012】本発明に用いるSn化合物としては、特に
限定されるものではないが、塩化スズ等のスズ塩やFか
つ/またはSbをドープした酸化物微粒子が挙げられ
る。またIn化合物としては、塩化インジウム、硝酸イ
ンジウム等のインジウム塩や、キレート配位子が配位し
た錯体が挙げられる。例えば塩化インジウム、β−ジケ
トン、またはケトエステル、エチレンジアミンテトラ酢
酸との錯体を形成するIn、また、これにSn塩を添加
した Indium Tin Oxide を形成する塩、キレート錯体、
及びSnをドープした酸化インジウム微粒子が好ましく
採用可能である。Sb化合物としては、酸化アンチモン
微粒子が好ましく採用可能である。
【0013】本発明に用いられるSi化合物中、F含有
珪素化合物としてはSi(OR)mFn (R=C1 〜C4
のアルキル基、m+n=4、m=1〜3、n=1〜
3)が挙げられる。また、Siのイソシアネート化合物
としては、アルキルシリルイソシアネート化合物、アル
コキシシランイソシアネート化合物、テトライソシアネ
ート化合物が好ましく採用可能である。
【0014】導電膜用塗布液の溶媒としては、水かつ/
または有機溶媒が挙げられる。親水性有機溶媒としては
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等
のアルコール類、エチルセロソルブ等エーテル類が任意
に使用できる。
【0015】また本発明において用いる導電膜用塗布液
には膜の付着強度及び硬度を向上させるためにバインダ
ーとして、Si(OR1 )y ・(R2 )4-y (y=3ま
たは4、R1 及びR2 はアルキル基)等のSi化合物ま
たはその加水分解物を含有する溶液を添加することも可
能である。その際加水分解の触媒としてはHCl,HN
O3 、CH3 COOH等を用いることができる。
【0016】さらに基体との濡れ性を向上させるために
種々の界面活性剤を添加することもできる。またさらに
はTi化合物、Zr化合物、Al化合物等を混合するこ
ともできる。Ti、Zr、Alの各化合物としては、ア
ルコキシド、金属塩及びそれらの加水分解物等、いずれ
も使用可能である。
【0017】導電膜用塗布液にはSi化合物Si(OR
1 )y ・(R2 )4-y は任意の比で混合することができ
るが、導電性の発現、膜強度を考慮に入れると、その混
合比は、Ru,In,Sn,Sbの合計をMとするとM
の酸化物/SiO2 (重量比)で1/6から10/1ま
での混合比が膜導電性及び膜強度、屈折率の点から好ま
しい。
【0018】また導電膜用塗布液中の固形分含量は0.
05〜10wt%含まれることができるが更に好ましく
は0.3〜5.0wt%にするとよい。液の濃度が高く
なると液の保存安定性が悪くなる。また液の濃度が低い
と膜厚がうすくなり、表面抵抗値が充分に小さくならな
い。従って、この範囲の濃度が好ましい。
【0019】かかる塗布液の基体上への塗布方法として
は、従来使用してきた方法、即ちスピンコート、ディッ
プコート、スプレーコート法等が好適に使用できる。ま
た、スプレーコートして導電膜表面に凹凸を形成し防眩
効果も併せて付与してもよい。
【0020】本発明に用いられる珪素化合物膜を形成す
るシリコンアルコキサイド及びSi(OR)m Fn (R
=C1 〜C4 のアルキル基、m+n=4、m=1〜3、
n=1〜3)は、アルコール、エステル、エーテル、芳
香族化合物等に溶解して用いることもでき、また前記溶
液に塩酸、硝酸、酢酸、フッ酸あるいはアンモニア水溶
液を添加して加水分解して用いることもできる。また前
記Siアルコキサイドは溶媒に対して酸化物換算で0.
1〜30wt%含まれていることが好ましい。
【0021】また、本発明に用いられる珪素化合物を形
成するシリコンのイソシアネート化合物は酢酸ブチル、
酢酸エチル等のエステル、トルエン、キシレン等の芳香
族化合物に溶解して用いることができる。
【0022】塗布した膜の硬化法として加熱を用いる場
合50℃以上が必要であるが、上限は通常は基板に用い
られるガラス、プラスチック等の軟化点によって決定さ
れる。この点も考慮すると好ましい温度範囲は100〜
400℃である。また、膜の硬化法として紫外線を照射
する場合、180〜490nmの波長を有する紫外線を
用いると好ましい。
【0023】一般に、薄膜の光学的性能はその膜を構成
する屈折率と膜厚で決定される。ここで一定の屈折率n
s を有する基体上に屈折率nを有する薄膜を付着し、屈
折率no の媒質中より波長λの光が入射した場合のエネ
ルギー反射率Rは光が膜中を通過する差異の位相差をΔ
とすると Δ=4πnd/λ (d:膜厚) である。
【0024】Δ=(2m+1)π,即ち位相差Δが半波
長の奇数倍のとき、極小値をとり、このとき R=((n2 −no ns )/(n2 +no ns ))2 ・・・(1) 式となる。
【0025】無反射条件を満たすには、(1)式におい
て、R=0とおき n=(no ns )1/2 ・・・(2) 式が必要とされる。(2)式を2層構成に拡張した場
合、 ns n12s =n22no ・・・(3) 式となる。(n1 :媒質側層、n2 :基体側層)
【0026】ここで、no =1(空気、ns =1.52
(ガラス)を(3)式に適用した場合、n2 /n1 =
1.23となり、この場合、2層構成膜の最大の低反射
性が得られる。もちろんn2 /n1 =1.23を満たさ
なくとも、2層膜の屈折率がこれに近い値をとれる場
合、低反射性が発現される。
【0027】従って、単膜による低反射性を発現させる
場合は(2)式により近い屈折率を選択することが望ま
しい。また、2層による低反射性を発現させる場合は基
体側に設ける高屈折率層と媒質側に設ける低屈折率層は
両者の屈折率比ができるだけ1.23に近い値を選択す
ることが望ましい。
【0028】本発明において低屈折率層としてFを含有
したSi化合物膜を構成した場合、Fを含有しているた
め屈折率が酸化珪素を用いる場合よりも低屈折率化し、
より望ましい低反射性が発現できる。また、本発明にお
いて低反射膜最表面にアンチグレア構造を構成した場
合、防眩効果が付与され分光曲線上は555nm付近は
反射が増加するか、紫外領域及び赤外領域近傍の反射率
が低減され、外観特性上より望ましいものとなる。この
場合、アンチグレア構造を形成する膜と導電層上に形成
される珪素化合物との膜の合計の膜厚は、外観、特性
(防眩特性、低反射性を含む)を勘案して決定されるこ
とが好ましいが、分光曲線上V型カーブ(555nm付
近の反射率を低減した形)を維持するように決定するこ
とが望ましい。
【0029】本発明は、低屈折率層及び防眩層として珪
素化合物により構成し、上記目的を達成するものであ
る。本発明において、多層膜及び単層膜の膜厚は従来か
ら知られている方法により光学的に定めることができ
る。
【0030】本発明の低反射膜は、上述の2層の場合を
含め、多層の低反射膜にも応用できる。反射防止性能を
有する多層の低反射膜の構成としては、反射防止したい
波長をλとして、基体側より、高屈折率層−低屈折率層
を光学厚みλ/2−λ/4で形成した2層の低反射膜、
基体側より中屈折率層−高屈折率層−低屈折率層を光学
厚みλ/4−λ/2−λ/4で形成した3層の低反射
膜、基体より低屈折率層−中屈折率層−高屈折率層−低
屈折率層を光学厚みλ/4−λ/4−λ/2−λ/4で
形成した4層の低反射膜等が典型的な例として知られて
おり、これらの最表面層にアンチグレア構造を付与して
もよい。
【0031】本発明において低反射膜及び帯電防止低反
射膜を形成する基体としては、特に限定されるものでは
なく、目的に応じてソーダライムシリケートガラス、ア
ルミノシリケートガラス、硼珪酸塩ガラス、リチウムア
ルミノシリケートガラス、石英ガラス等のガラス、鋼玉
等の単結晶、マグネシア、サイアロン等の透光性セラミ
ックス、ポリカーボネート等のプラスチック等が使用で
きる。
【0032】基体への導電層の塗布法はスピンコート
法、ディップ法、スプレー法、ロールコーター法、メニ
スカスコーター法等さまざま考えられるが、特にスピン
コート法は量産性、再現性に優れ、好ましく採用可能で
ある。かかる方法によって100Å〜1μm程度の厚さ
の膜が形成可能である。
【0033】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。以下の実施例及び比較例において、得られた膜の評
価方法は次の通り。 1)屈折率 単層膜の屈折率(実施例1、比較例1)については、エ
リプソメーター(GAERTER SCIENTIFIC CORPORATION製 L
-116A )により測定。
【0034】2)耐擦傷性 1kg荷重下で消しゴム(LION製 50−50)で
膜表面を200回往復後そのヘーズ値の変化をヘーズメ
ータ(スガ試験機製)で測定した。 3)導電性評価(2層成膜時) ハイレスタ抵抗器(三菱油化製)により相対湿度30%
以下の雰囲気中で膜表面の表面抵抗値を測定。
【0035】4)視感反射率(2層成膜時、及び、実施
例1、比較例1) GAMMA分光反射スペクトル測定器により膜の400
nm〜700nmでの視感反射率を測定した。
【0036】5)鉛筆硬度 1kg荷重下において、鉛筆で膜表面を捜査し、その後
目視により表面の傷の生じ始める鉛筆の硬度を膜の鉛筆
硬度と判断した。 6)グロス値(アンチグレア構造付与膜) 堀場製作所製グロスメータにより測定した。
【0037】[実施例1]Si(OC2 H5 )3 FをE
tOHに添加し、SiO2 換算で3.0wt%になるよ
うEtOHで希釈し(C液)、ガラス板(屈折率=1.
54)に1500rpmの回転速度で5秒間塗布し、そ
の後100℃で30分間加熱して低屈折率膜を得た。
【0038】[実施例2]Sbを10mol%ドープし
たSnO2 超微粒子(平均粒径6nm)30gを水溶液
70gに添加しミルで4時間撹拌分散させゾルを調整し
た。これを水で固形分20wt%に希釈し更にエタノー
ルで希釈し濃度を3wt%に調整した(D液)。
【0039】Ti(OC4 H9 )4 のエタノール溶液
(TiO2 換算固形分20wt%)にアセチルアセトン
をTi(OC4 H9 )4 に対して2mol比添加し1時
間撹拌した。その後H2 OをTi(OC4 H9 )4 に対
して2mol比添加し、更に1時間撹拌した(E液)。
【0040】Si(OC2 H5 )4 のエタノール溶液
(SiO2 換算固形分28.9wt%)にSi(OC2
H5 )4 に対して塩酸でpH2.0に調整した水溶液9
mol比添加し、2時間撹拌した(F液)。E液とF液
を、各々酸化物換算で3wt%となるようにエタノール
で希釈した後、E液:F液=2:3重量比となるように
混合した(G液)。
【0041】更にG液:D液=1:1重量比となるよう
に混合し、ガラス板に1200rpmの回転速度で5秒
間塗布しその後60℃で10分間加熱して約100nm
の厚さの導電性を有する高屈折率膜を得た。この膜上に
C液を1500rpmの回転速度で5秒間塗布し、その
後180℃で30分間加熱して、低屈折率膜を形成し
た。
【0042】[実施例3]実施例2におけるSnO2 超
微粒子をSnを10mol%ドープしたIn2 O3 超微
粒子(平均粒径30nm)に変更した以外は実施例2と
同様に行った。
【0043】[実施例4]EtOHにSi(OEt)4
を添加し、これに加水分解触媒として塩酸酸性水溶液を
SiO2 に対して9mol比撹拌しながら滴下し、Si
O2 換算で3.0wt%になるようEtOHで希釈し更
に1時間撹拌した(A液)。実施例2におけるC液をA
液に変更し、2000rpmの回転速度で5秒間塗布
し、更にスプレーにより5秒間塗布し180℃で30分
間加熱して低反射防眩導電膜を形成した。
【0044】[実施例5]テトライソシアネートシラン
をSiO2 換算で酢酸エチルに3%となるように滴下、
希釈した(H液)実施例4におけるA液をH液に変更し
た以外は実施例4と同様に行った。
【0045】[実施例6]RuCl3 ・nH2 OをEt
OHに溶解し、液濃度をRuO2 換算で3重量%となる
ように調整した(I液)。塩化インジウムをアセチルア
セトンにacac/InCl3 =1.5mol比となる
ように溶かし、110℃で1時間加熱を行った。この溶
液をEtOHに溶かし、In2 O3 換算で3重量%とな
るように調整した(J液)。更にI液:J液:F液=
4:3:3となるように混合し、ガラス板に1000r
pmで5秒間スピンコートで塗布し、300℃で10分
間加熱した。更にこの膜上にH液を1500rpmで5
秒間塗布し、F液でスプレーコートを5秒間施し、45
0℃で10分間加熱した。結果を表1に示す。
【0046】[比較例1]実施例1におけるC液をA液
とした以外は、実施例1と同様に行った。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、基体を高温に加熱する
ことなく、耐擦傷性に優れ、強固な低屈折率膜、低反射
膜、低反射導電膜、低反射防眩導電膜を製造することが
可能となる。本発明は生産性に優れ、かつ真空を必要と
しないので装置も比較的簡単なものでよい。特にCRT
のフェイス面等の大面積の基体にも充分適用でき、量産
も可能であり、工業的価値は非常に高い。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年9月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】明細書
【発明の名称】低屈折率膜、低反射膜、低反射導電膜及
び低反射防眩導電膜
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はブラウン管パネル等のガ
ラス基体表面に塗布され、形成される低屈折率膜、低反
射膜、低反射導電膜、及び低反射防眩導電膜の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ブラウン管は高電圧で作動するため起動
時、あるいは終了時に該表面に静電気が誘発される。こ
の静電気により該表面にほこりが付着しコントラスト低
下を引き起こしたり、あるいは直接触れた際軽い電気シ
ョックによる不快感を生ずることが多い。
【0003】従来、上述のことがらを防止するためにブ
ラウン管パネル表面に帯電防止膜を付与する試みがかな
りなされてきた。例えば特開昭63−76247号記載
の通り、ブラウン管パネル表面を350℃程度に加熱し
CVD法により酸化スズ及び酸化インジウム等の導電性
酸化物層を設ける方法が採用されてきた。しかしなが
ら、この方法では装置コストがかかることに加え、ブラ
ウン管を高温加熱するためブラウン管内の蛍光体の脱落
を生じたり、寸法精度が低下する等の問題があった。
【0004】また、近年電磁波ノイズによる電子機器へ
の電波障害が社会問題となり、それらを防止するため規
格の作成、規制が行われている。電磁波ノイズは人体に
ついて、CRT上の静電気チャージによる皮膚ガンの恐
れ、低周波電磁界(ELF)による胎児への影響、その
他X線、紫外線等による害が各国で問題視されている。
この場合、導電性塗膜の存在により、導電性塗膜に電磁
波があたると、塗膜中に渦電流を誘電して、この作用で
電磁波を反射する。
【0005】しかし、このためには、高い電界強度に耐
え得る良導電性の膜が必要であったが、それほどの良導
電性の膜を得るには更に困難であった。また、低反射膜
のコーティング法は、従来より光学的機器においてはい
うまでもなく、民生用機器特にTV、コンピューター端
末の陰極線管(CRT)に関し数多くの検討がなされて
きた。
【0006】従来の方法は例えば特開昭61−1189
31号記載の如くブラウン管フェイスパネル表面に防眩
効果をもたせるために表面に微細な凹凸を有するSiO
2 層を付着させたり、フッ酸により表面をエッチングし
て凹凸を設ける等の方法がとられてきた。しかし、これ
らの方法は、外部光を散乱させるノングレア処理と呼ば
れ、本質的に低反射層を設ける手法でないため反射率の
低減には限界があり、またブラウン管等においては防眩
効果をもたせるには膜の厚みを必要とするため、解像度
を低下させる原因ともなっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術が有
していた前述の欠点を解消しようとするものであり、低
温熱処理が可能な高特性の低反射導電膜及び低反射防眩
導電膜を新規に提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の問題点
を解決すべくなされたものであり、Sn,Sb,In,
Ruの各元素の化合物のうち少なくとも一種を含む導電
性膜用塗布液を基体上に塗布した後、加熱かつ/または
紫外線を照射することにより導電膜を形成し、その上に
Fを含有する珪素化合物をコートした後、加熱かつ/ま
たは紫外線を照射することにより低反射導電膜の製造方
法を提供するものである。
【0009】本発明はまた、Sn,Sb,In,Ruの
各元素の化合物のうち少なくとも一種を含む導電性膜用
塗布液を基体上に塗布した後、加熱かつ/または紫外線
を照射することにより導電膜を形成し、その上にFを含
有する珪素化合物、かつ/またはSi(OR)mn
(m+n=4、m=1〜4、n=0〜3、R=C1 〜C
4 のアルキル基)のモノマーあるいは重合体、かつ/ま
たはイソシアネートシラン化合物をスプレーコートした
後、静置、かつ/または加熱かつ/または紫外線照射す
ることにより、表面に凹凸を有する導電膜を形成するこ
とを特徴とする低反射防眩導電膜の製造方法、及び、
【0010】Sn,Sb,In,Ruの各元素の化合物
のうち少なくとも一種を含む導電性膜用塗布液を基体上
に塗布した後、加熱かつ/または紫外線を照射すること
により導電膜を形成し、その上にFを含有する珪素化合
物Si(OR)mn (m+n=4、m=1〜4、n=
0〜3、R=C1 〜C4 のアルキル基)のモノマーある
いは重合体、イソシアネートシラン化合物のうち少なく
とも一種を含む液を塗布し、静止、加熱または紫外線を
照射することにより、nd<λ/4(λ=380〜78
0nm、n=膜の屈折率、d=膜厚(nm))で規定さ
れる膜厚を形成し、更にその上にFを含有する珪素化合
物Si(OR)mn (m+n=4、m=1〜4、n=
0〜3、R=C1 〜C4 のアルキル基)のモノマーある
いは重合体、イソシアネートシラン化合物のうち少なく
とも一種を含む液をスプレーコートし、凹凸構造を形成
することを特徴とする低反射防眩導電膜の製造方法を提
供するものである。
【0011】本発明に用いるRu化合物としては、特に
限定されるものではないが、塩化ルテニウム等のルテニ
ウム塩やキレート配位子等が配位した錯体が挙げられ
る。例えば塩化ルテニウム、β−ジメトンまたはケトエ
ステルと錯体を形成するRu、そのRuの塩、ルテニウ
ムレッド、ヘキサアンミンルテニウム(III)塩、ペ
ンタアンミン(二窒素)ルテニウム(II)塩、クロロ
ペンタアンミンルテニウム(III)塩、cis−ジク
ロロテトラアンミンルテニウム(III)塩化物−水和
物、トリス(エチレンジアミン)ルテニウム(II)
塩、酢酸ルテニウム、臭化ルテニウム、フッ化ルテニウ
ム、及びその加水分解物のうち少なくとも一種がいずれ
も好ましく使用可能である。
【0012】本発明に用いるSn化合物としては、特に
限定されるものではないが、塩化スズ等のスズ塩やFか
つ/またはSbをドープした酸化物微粒子が挙げられ
る。またIn化合物としては、塩化インジウム、硝酸イ
ンジウム等のインジウム塩や、キレート配位子が配位し
た錯体が挙げられる。例えば塩化インジウム、β−ジケ
トン、またはケトエステル、エチレンジアミンテトラ酢
酸との錯体を形成するIn、また、これにSn塩を添加
した Indium Tin Oxide を形成する塩、キレート錯体、
及びSnをドープした酸化インジウム微粒子が好ましく
採用可能である。Sb化合物としては、酸化アンチモン
微粒子が好ましく採用可能である。
【0013】本発明に用いられるSi化合物中、F含有
珪素化合物としてはSi(OR)mn (R=C1 〜C4
のアルキル基、m+n=4、m=1〜3、n=1〜
3)が挙げられる。また、Siのイソシアネート化合物
としては、アルキルシリルイソシアネート化合物、アル
コキシシランイソシアネート化合物、テトライソシアネ
ート化合物が好ましく採用可能である。
【0014】導電膜用塗布液の溶媒としては、水かつ/
または有機溶媒が挙げられる。親水性有機溶媒としては
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等
のアルコール類、エチルセロソルブ等エーテル類が任意
に使用できる。
【0015】また本発明において用いる導電膜用塗布液
には膜の付着強度及び硬度を向上させるためにバインダ
ーとして、Si(OR1y ・(R24-y (y=3ま
たは4、R1 及びR2 はアルキル基)等のSi化合物ま
たはその加水分解物を含有する溶液を添加することも可
能である。その際加水分解の触媒としてはHCl,HN
3 、CH3 COOH等を用いることができる。
【0016】さらに基体との濡れ性を向上させるために
種々の界面活性剤を添加することもできる。またさらに
はTi化合物、Zr化合物、Al化合物等を混合するこ
ともできる。Ti、Zr、Alの各化合物としては、ア
ルコキシド、金属塩及びそれらの加水分解物等、いずれ
も使用可能である。
【0017】導電膜用塗布液にはSi化合物Si(OR
1y ・(R24-y は任意の比で混合することができ
るが、導電性の発現、膜強度を考慮に入れると、その混
合比は、Ru,In,Sn,Sbの合計をMとするとM
の酸化物/SiO2 (重量比)で1/6から10/1ま
での混合比が膜導電性及び膜強度、屈折率の点から好ま
しい。
【0018】また導電膜用塗布液中の固形分含量は0.
05〜10wt%含まれることができるが更に好ましく
は0.3〜5.0wt%にするとよい。液の濃度が高く
なると液の保存安定性が悪くなる。また液の濃度が低い
と膜厚がうすくなり、表面抵抗値が充分に小さくならな
い。従って、この範囲の濃度が好ましい。
【0019】かかる塗布液の基体上への塗布方法として
は、従来使用してきた方法、即ちスピンコート、ディッ
プコート、スプレーコート法等が好適に使用できる。ま
た、スプレーコートして導電膜表面に凹凸を形成し防眩
効果も併せて付与してもよい。
【0020】本発明に用いられる珪素化合物膜を形成す
るシリコンアルコキサイド及びSi(OR)mn (R
=C1 〜C4 のアルキル基、m+n=4、m=1〜3、
n=1〜3)は、アルコール、エステル、エーテル、芳
香族化合物等に溶解して用いることもでき、また前記溶
液に塩酸、硝酸、酢酸、フッ酸あるいはアンモニア水溶
液を添加して加水分解して用いることもできる。また前
記Siアルコキサイドは溶媒に対して酸化物換算で0.
1〜30wt%含まれていることが好ましい。
【0021】また、本発明に用いられる珪素化合物を形
成するシリコンのイソシアネート化合物は酢酸ブチル、
酢酸エチル等のエステル、トルエン、キシレン等の芳香
族化合物に溶解して用いることができる。
【0022】塗布した膜の硬化法として加熱を用いる場
合50℃以上が必要であるが、上限は通常は基板に用い
られるガラス、プラスチック等の軟化点によって決定さ
れる。この点も考慮すると好ましい温度範囲は100〜
400℃である。また、膜の硬化法として紫外線を照射
する場合、180〜490nmの波長を有する紫外線を
用いると好ましい。
【0023】一般に、薄膜の光学的性能はその膜を構成
する屈折率と膜厚で決定される。ここで一定の屈折率n
s を有する基体上に屈折率nを有する薄膜を付着し、屈
折率no の媒質中より波長λの光が入射した場合のエネ
ルギー反射率Rは光が膜中を通過する差異の位相差をΔ
とすると Δ=4πnd/λ (d:膜厚) である。
【0024】Δ=(2m+1)π,即ち位相差Δが半波
長の奇数倍のとき、極小値をとり、このとき R=((n2 −nos )/(n2 +nos ))2 ・・・(1) 式となる。
【0025】無反射条件を満たすには、(1)式におい
て、R=0とおき n=(nos1/2 ・・・(2) 式が必要とされる。(2)式を2層構成に拡張した場
合、 ns1 2 s =n2 2o ・・・(3) 式となる。(n1 :媒質側層、n2 :基体側層)
【0026】ここで、no =1(空気、ns =1.52
(ガラス)を(3)式に適用した場合、n2 /n1
1.23となり、この場合、2層構成膜の最大の低反射
性が得られる。もちろんn2 /n1 =1.23を満たさ
なくとも、2層膜の屈折率がこれに近い値をとれる場
合、低反射性が発現される。
【0027】従って、単膜による低反射性を発現させる
場合は(2)式により近い屈折率を選択することが望ま
しい。また、2層による低反射性を発現させる場合は基
体側に設ける高屈折率層と媒質側に設ける低屈折率層は
両者の屈折率比ができるだけ1.23に近い値を選択す
ることが望ましい。
【0028】本発明において低屈折率層としてFを含有
したSi化合物膜を構成した場合、Fを含有しているた
め屈折率が酸化珪素を用いる場合よりも低屈折率化し、
より望ましい低反射性が発現できる。また、本発明にお
いて低反射膜最表面にアンチグレア構造を構成した場
合、防眩効果が付与され分光曲線上は555nm付近は
反射が増加するか、紫外領域及び赤外領域近傍の反射率
が低減され、外観特性上より望ましいものとなる。この
場合、アンチグレア構造を形成する膜と導電層上に形成
される珪素化合物との膜の合計の膜厚は、外観、特性
(防眩特性、低反射性を含む)を勘案して決定されるこ
とが好ましいが、分光曲線上V型カーブ(555nm付
近の反射率を低減した形)を維持するように決定するこ
とが望ましい。
【0029】本発明は、低屈折率層及び防眩層として珪
素化合物により構成し、上記目的を達成するものであ
る。本発明において、多層膜及び単層膜の膜厚は従来か
ら知られている方法により光学的に定めることができ
る。
【0030】本発明の低反射膜は、上述の2層の場合を
含め、多層の低反射膜にも応用できる。反射防止性能を
有する多層の低反射膜の構成としては、反射防止したい
波長をλとして、基体側より、高屈折率層−低屈折率層
を光学厚みλ/2−λ/4で形成した2層の低反射膜、
基体側より中屈折率層−高屈折率層−低屈折率層を光学
厚みλ/4−λ/2−λ/4で形成した3層の低反射
膜、基体より低屈折率層−中屈折率層−高屈折率層−低
屈折率層を光学厚みλ/4−λ/4−λ/2−λ/4で
形成した4層の低反射膜等が典型的な例として知られて
おり、これらの最表面層にアンチグレア構造を付与して
もよい。
【0031】本発明において低反射膜及び帯電防止低反
射膜を形成する基体としては、特に限定されるものでは
なく、目的に応じてソーダライムシリケートガラス、ア
ルミノシリケートガラス、硼珪酸塩ガラス、リチウムア
ルミノシリケートガラス、石英ガラス等のガラス、鋼玉
等の単結晶、マグネシア、サイアロン等の透光性セラミ
ックス、ポリカーボネート等のプラスチック等が使用で
きる。
【0032】基体への導電層の塗布法はスピンコート
法、ディップ法、スプレー法、ロールコーター法、メニ
スカスコーター法等さまざま考えられるが、特にスピン
コート法は量産性、再現性に優れ、好ましく採用可能で
ある。かかる方法によって100Å〜1μm程度の厚さ
の膜が形成可能である。
【0033】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。以下の実施例及び比較例において、得られた膜の評
価方法は次の通り。 1)屈折率 単層膜の屈折率(実施例1、比較例1)については、エ
リプソメーター(GAERTER SCIENTIFIC CORPORATION製 L
-116A )により測定。
【0034】2)耐擦傷性 1kg荷重下で消しゴム(LION製 50−50)で
膜表面を200回往復後そのヘーズ値の変化をヘーズメ
ータ(スガ試験機製)で測定した。 3)導電性評価(2層成膜時) ハイレスタ抵抗器(三菱油化製)により相対湿度30%
以下の雰囲気中で膜表面の表面抵抗値を測定。
【0035】4)視感反射率(2層成膜時、及び、実施
例1、比較例1) GAMMA分光反射スペクトル測定器により膜の400
nm〜700nmでの視感反射率を測定した。
【0036】5)鉛筆硬度 1kg荷重下において、鉛筆で膜表面を捜査し、その後
目視により表面の傷の生じ始める鉛筆の硬度を膜の鉛筆
硬度と判断した。 6)グロス値(アンチグレア構造付与膜) 堀場製作所製グロスメータにより測定した。
【0037】[実施例1]Si(OC253 FをE
tOHに添加し、SiO2 換算で3.0wt%になるよ
うEtOHで希釈し(C液)、ガラス板(屈折率=1.
54)に1500rpmの回転速度で5秒間塗布し、そ
の後100℃で30分間加熱して低屈折率膜を得た。
【0038】[実施例2]Sbを10mol%ドープし
たSnO2 超微粒子(平均粒径6nm)30gを水溶液
70gに添加しミルで4時間撹拌分散させゾルを調整し
た。これを水で固形分20wt%に希釈し更にエタノー
ルで希釈し濃度を3wt%に調整した(D液)。
【0039】Ti(OC494 のエタノール溶液
(TiO2 換算固形分20wt%)にアセチルアセトン
をTi(OC494 に対して2mol比添加し1時
間撹拌した。その後H2 OをTi(OC494 に対
して2mol比添加し、更に1時間撹拌した(E液)。
【0040】Si(OC254 のエタノール溶液
(SiO2 換算固形分28.9wt%)にSi(OC2
54 に対して塩酸でpH2.0に調整した水溶液9
mol比添加し、2時間撹拌した(F液)。E液とF液
を、各々酸化物換算で3wt%となるようにエタノール
で希釈した後、E液:F液=2:3重量比となるように
混合した(G液)。
【0041】更にG液:D液=1:1重量比となるよう
に混合し、ガラス板に1200rpmの回転速度で5秒
間塗布しその後60℃で10分間加熱して約100nm
の厚さの導電性を有する高屈折率膜を得た。この膜上に
C液を1500rpmの回転速度で5秒間塗布し、その
後180℃で30分間加熱して、低屈折率膜を形成し
た。
【0042】[実施例3]実施例2におけるSnO2
微粒子をSnを10mol%ドープしたIn23 超微
粒子(平均粒径30nm)に変更した以外は実施例2と
同様に行った。
【0043】[実施例4]EtOHにSi(OEt)4
を添加し、これに加水分解触媒として塩酸酸性水溶液を
SiO2 に対して9mol比撹拌しながら滴下し、Si
2 換算で3.0wt%になるようEtOHで希釈し更
に1時間撹拌した(A液)。実施例2におけるC液をA
液に変更し、2000rpmの回転速度で5秒間塗布
し、更にスプレーにより5秒間塗布し180℃で30分
間加熱して低反射防眩導電膜を形成した。
【0044】[実施例5]テトライソシアネートシラン
をSiO2 換算で酢酸エチルに3%となるように滴下、
希釈した(H液)実施例4におけるA液をH液に変更し
た以外は実施例4と同様に行った。
【0045】[実施例6]RuCl3 ・nH2 OをEt
OHに溶解し、液濃度をRuO2 換算で3重量%となる
ように調整した(I液)。塩化インジウムをアセチルア
セトンにacac/InCl3 =1.5mol比となる
ように溶かし、110℃で1時間加熱を行った。この溶
液をEtOHに溶かし、In23 換算で3重量%とな
るように調整した(J液)。更にI液:J液:F液=
4:3:3となるように混合し、ガラス板に1000r
pmで5秒間スピンコートで塗布し、300℃で10分
間加熱した。更にこの膜上にH液を1500rpmで5
秒間塗布し、F液でスプレーコートを5秒間施し、45
0℃で10分間加熱した。結果を表1に示す。
【0046】[比較例1]実施例1におけるC液をA液
とした以外は、実施例1と同様に行った。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、基体を高温に加熱する
ことなく、耐擦傷性に優れ、強固な低屈折率膜、低反射
膜、低反射導電膜、低反射防眩導電膜を製造することが
可能となる。本発明は生産性に優れ、かつ真空を必要と
しないので装置も比較的簡単なものでよい。特にCRT
のフェイス面等の大面積の基体にも充分適用でき、量産
も可能であり、工業的価値は非常に高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平塚 和也 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 森本 剛 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Fを含有する珪素化合物を含む塗布液を基
    体上に塗布した後、加熱かつ/または紫外線照射により
    形成された低屈折率膜。
  2. 【請求項2】基体上に形成された単層または多層からな
    る低反射膜であって、そのうち少なくとも1層が、Fを
    含む珪素化合物を含む塗布液を基体あるいは多層の上に
    塗布した後、加熱かつ/または紫外線照射により形成さ
    れた低屈折率膜であることを特徴とする低反射膜。
  3. 【請求項3】Sn,Sb,In,Ruのうち少なくとも
    一種の酸化物を主成分とする導電膜を形成し、その後、
    珪素化合物を主成分とする液をコートした後、加熱かつ
    /または紫外線を照射することにより低反射性を有する
    導電膜を製造することを特徴とする低反射導電膜の製造
    方法。
  4. 【請求項4】Sn,Sb,In,Ruのうち少なくとも
    一種の酸化物を主成分とする導電膜を形成し、その後、
    珪素化合物を主成分とする液をコートした後、加熱かつ
    /または紫外線を照射し、表面に凹凸を有し、同時に光
    の干渉作用による低反射性を有する膜を形成することを
    特徴とする低反射防眩導電膜の製造方法。
  5. 【請求項5】珪素化合物がFを含むことを特徴とする請
    求項3の低反射導電膜の製造方法、または、請求項4の
    低反射防眩導電膜の製造方法。
  6. 【請求項6】珪素化合物を主成分とする液が、Si(O
    R)m Rn (m+n=4、m=1〜4、n=0〜3、R
    =C1 〜C4 のアルキル基)のモノマーあるいは重合
    体、イソシアネートシラン化合物のうち少なくとも一種
    を含む液であることを特徴とする請求項4の低反射防眩
    導電膜の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項3〜6いずれか1項の製造方法によ
    って得られた低反射導電膜または低反射防眩導電膜。
  8. 【請求項8】請求項3〜6いずれか1項の製造方法によ
    ってガラス基体上に低反射導電膜または低反射防眩導電
    膜を形成したガラス物品。
  9. 【請求項9】請求項3〜6いずれか1項の製造方法によ
    ってブラウン管表面に低反射導電膜または低反射防眩導
    電膜を形成したブラウン管。
JP4190093A 1992-06-24 1992-06-24 低屈折率膜、低反射膜、低反射導電膜及び低反射防眩導電膜 Withdrawn JPH0611602A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5851674A (en) * 1997-07-30 1998-12-22 Minnesota Mining And Manufacturing Company Antisoiling coatings for antireflective surfaces and methods of preparation
US6277485B1 (en) 1998-01-27 2001-08-21 3M Innovative Properties Company Antisoiling coatings for antireflective surfaces and methods of preparation
JP2009199001A (ja) * 2008-02-25 2009-09-03 Fujifilm Corp プリズムシート用積層フィルム、プリズムシート、及び表示装置

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