JP3484903B2 - 低抵抗膜形成用塗布液、低抵抗膜とその製造方法、及び低反射低抵抗膜とその製造方法 - Google Patents

低抵抗膜形成用塗布液、低抵抗膜とその製造方法、及び低反射低抵抗膜とその製造方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、ブラウン
管パネル等のガラス基体表面に塗布して電磁波シールド
能を有する低抵抗膜、さらに反射防止性を有する低反射
低抵抗膜を形成できる塗布液、これらの塗布液からなる
低抵抗膜、低反射低抵抗膜、及びそれらの膜の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ブラウン管は高電圧で作動するために、
起動時又は終了時にブラウン管表面に静電気が誘発され
る。この静電気により該表面に埃が付着し、表示画像の
コントラスト低下を引き起こしたり、直接手指が触れた
際に軽い電気ショックによる不快感を生じることが多
い。従来、上述の現象を防止するために、ブラウン管パ
ネル表面に帯電防止膜を付与する試みがかなりなされ、
例えば、ブラウン管パネル表面を350℃程度に加熱
し、CVD法により酸化スズ及び酸化インジウム等の導
電性酸化物層をパネル表面に設ける方法(特開昭63−
76247)が採用されてきた。
【0003】しかし、この方法では装置コストがかかる
ことに加え、ブラウン管表面を高温に加熱するためにブ
ラウン管内の蛍光体の脱落を生じたり、寸法精度が低下
したりする問題があった。また、上記導電層に用いる材
料としては酸化スズが一般的であるが、この場合には低
温処理では高性能な膜が得にくい欠点があった。
【0004】また、近年、電磁波ノイズによる電子機器
への電波障害が社会問題となり、それらを防止するため
に規格の作成や規制が行われている。電磁波ノイズにつ
いては、人体に関してCRT上の静電気チャージによる
皮膚癌の恐れ、低周波電界(ELF)による胎児への影
響、その他、X線、紫外線等による害が各国で問題視さ
れている。このような問題は、導電性塗膜をブラウン管
表面に介在させることにより、該導電性塗膜に電磁波が
当たり、塗膜内において渦電流を誘導して、この作用で
電磁波を反射することで解決できる。しかし、このよう
な性能を発揮するためには、導電性被膜が高い電界強度
に耐えうる良導電性である必要があり、それほどの良導
電性の膜を得ることはさらに困難であった。
【0005】一方、低抵抗膜(導電膜)の製造方法に関
し、例えば、基体に金属塩と還元剤との混合液を塗布し
て低抵抗膜を形成することが提案されている(特開平6
−310058)が、この方法では金属塩溶液の安定性
が乏しいために、該溶液と還元剤との混合後、直ちに混
合液を基体に塗布する必要があった。
【0006】また、低抵抗膜を形成するために、金属塩
と導電性酸化物微粒子とを含有する液、又は金属塩と金
属で表面が被覆された微粒子を含有する液が提案されて
いる(特開平7−258862)が、上記の導電性酸化
物微粒子は導電性が金属単体の場合よりも劣り、一方、
金属で表面が被覆された微粒子も金属と非金属粒子との
界面で接触抵抗が生じて膜の導電性が充分ではないとい
う課題があった。
【0007】また、上記と同様の目的で金属酸化物とP
d、Sn、Pt、Ag及びAuのうちの1種以上の金属
粒子を含む液を基体に塗布することが提案されている
(特開昭63−160140)が、この方法では金属微
粒子の粒径が0.01μm以下であり、金属粒子の分散
液の安定性が乏しい問題があった。
【0008】また、上記のように形成される低抵抗膜
は、従来より光学機器においてはいうまでもなく、民生
用機器、特にTV、コンピュータ端末の陰極線管(CR
T)パネル等に形成されるが、表示画像のコントラスト
やパネル面での外光の反射等の問題があり、これらの反
射光の防止に関して数多くの検討がなされてきた。
【0009】従来の反射防止方法は、例えば、ブラウン
管表面に防眩効果を持たるために表面に微細な凹凸を有
するSiO2 層を付着させたり(特開昭61−1189
31)、フッ酸により表面をエッチングして表面に凹凸
を設ける等の方法が採られてきた。
【0010】しかし、これらの方法は、外部光を散乱さ
せるノングレア処理と呼ばれ、本質的に低反射層を設け
る方法でなく、そのために反射率の低減には限界があ
り、また、ブラウン管等においては、解像度を低下させ
る原因ともなっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術が
有する前述の欠点を解消し、塗布液の状態で分散安定性
に優れており、ブラウン管フェイス面等のガラス基体上
に膜を形成する際、低温熱処理により、導電性に優れた
低抵抗膜を形成できる塗布液、該塗布液を用いた低抵抗
膜と低反射低抵抗膜及びそれらの膜の製造方法の提供を
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、平均一次粒径
が10nm超100nm以下のAg微粒子と、窒素原子
をチタン原子と酸素原子の合計量に対して0.3〜30
重量%含有するTiOx (1.0≦x<2.0)微粒子
(以下単に窒素原子含有酸化チタン微粒子という)とを
少なくとも含有してなることを特徴とする低抵抗膜形成
用塗布液(以下、本塗布液という)、低抵抗膜と低反射
低抵抗膜及びそれらの膜の製造方法を提供する。なお、
窒素原子の含有量は、窒素原子量×窒素原子数/(チタ
ン原子量×チタン原子数+酸素原子量×酸素原子数)で
表される。
【0013】本発明によれば、導電性及び耐候性に優れ
た高性能な低抵抗膜を形成でき、さらには反射防止効果
にも優れた低反射低抵抗膜を形成できる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明で用いるAg微粒子分散液
においては、Ag微粒子の平均一次粒径が10nm超1
00nm以下であることが必要である。Ag微粒子の平
均一次粒径が100nm超では、形成される膜において
可視光の散乱が増大し膜の透明度が著しく低下する。A
g微粒子の平均一次粒径が10nm以下では、塗布液中
でのAg微粒子の均一分散性及び分散安定性が損なわれ
る。
【0015】本発明で用いるAg微粒子を製造するため
のAg塩としては、硝酸銀、亜硝酸銀、シアン化銀等の
ように溶解度の高い種々のAg塩が使用でき、コストや
安全性の点から特には硝酸銀が好ましい。また、硝酸銀
は水等の溶媒にそのまま溶解して用いることが好まし
い。
【0016】硝酸銀等のAg化合物を還元してAg微粒
子を析出させうる還元性化合物としては特に限定され
ず、例えば、FeSO4 やSnSO4 等の卑金属の塩、
ホルマリン、ブドウ糖、ロッセル塩、酒石酸、チオ硫酸
ナトリウム、水素化ホウ素化合物、次亜リン酸塩等が挙
げられる。これらの化合物中で還元速度が比較的緩やか
なFeSO4 やSnSO4 等の卑金属を含む塩が好まし
い。特にFeSO4 は還元速度が緩やかで均一なAg微
粒子の分散液を作りやすいために好ましい。
【0017】また、Ag化合物溶液に上記のような還元
性化合物を混合する前に、Ag化合物溶液にAgイオン
と錯体を形成するか、又は生成したAg微粒子表面に吸
着していわゆる保護コロイドを形成する物質を添加する
と、得られるAg微粒子分散液中のAg微粒子の粒径が
均一となるために好ましい。
【0018】このような物質としては公知の種々の物質
が挙げられる。Agイオンと錯体を形成できる物質とし
ては、例えば、シュウ酸、クエン酸等のカルボン酸及び
その塩、アンモニア、トリエタノールアミン等が挙げら
れる。また、Ag微粒子の表面に吸着して保護コロイド
を形成できる物質として、例えば、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、アクリル樹脂等
の高分子材料が挙げられる。これらのうちではクエン酸
塩、特に、得られるAg微粒子の平均一次粒径の均一性
が優れるため、クエン酸ナトリウムの使用が特に好適で
ある。
【0019】本発明においては、前記Ag微粒子に加え
て、窒素原子含有酸化チタン微粒子を用いる。この窒素
原子含有酸化チタン微粒子は、酸化チタン微粒子又は水
酸化チタン微粒子を窒素ガス及び/又はアンモニアガス
の雰囲気中で加熱処理することによって得られる。加熱
処理温度は上記微粒子の粒径との関係により適宜定めら
れるが、好ましくは300〜850℃である。本発明に
おいて使用する窒素原子含有酸化チタン微粒子中の窒素
量は、窒素原子の量がチタン原子と酸素原子との合計に
対して0.3〜30重量%の範囲にある。0.3重量%
未満では、窒素原子含有酸化チタン微粒子が非常に不活
性であって、後述する酸素ラジカルの生成を抑制するこ
とが困難であり、形成される膜の耐候性が不充分であ
る。一方、窒素量が30重量%超では、窒素原子含有酸
化チタン微粒子が酸化されやすく、膜の耐酸化性が不充
分である。
【0020】上記窒素原子含有酸化チタン微粒子の平均
一次粒径は5〜100nmが好ましい。平均一次粒径が
100nm超では、形成される膜において可視光の散乱
が増大し膜の透明度が著しく低下する。平均一次粒径が
5nm未満では、本塗布液中での均一分散性が著しく損
なわれる。窒素原子含有酸化チタン微粒子の量は、Ag
微粒子に対して0.01〜80重量%が好ましく、特に
0.5〜40重量%が好ましい。
【0021】窒素原子含有酸化チタン微粒子の添加量が
0.01重量%未満では、膜が長時間紫外線に暴露され
た場合のAgの励起を抑制できず、80重量%超では、
膜の透光性が損なわれる。本発明における窒素原子含有
酸化チタン微粒子を分散する際には、分散媒体と微粒子
との接触を容易とするため、撹拌を行うことが好まし
い。この撹拌にはコロイドミル、ボールミル、サンドミ
ル、ホモミキサー等の市販の分散機又は粉砕機を用い
る。本発明において窒素原子含有酸化チタン微粒子分散
液及びAg微粒子分散液は、そのままで種々の溶媒で希
釈又は置換し、Ag微粒子に対する窒素原子含有酸化チ
タン微粒子の含有割合が前記の割合になるように両者の
分散液を混合して本塗布液となしうる。この場合に使用
する溶媒としては特に限定されず、水以外にも種々公知
の有機溶媒を使用できる。
【0022】有機溶媒としては、例えば、メタノール、
エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n
−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、
tert−ブタノール等のアルコール類、エチレングリ
コール等の多価アルコール類、エチルセロソルブ、メチ
ルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコー
ルメチルエーテル等のエーテル類、2,4−ペンタンジ
オン、ジアセトンアルコール等のケトン類、乳酸エチ
ル、乳酸メチル等のエステル類、N−メチルピロリドン
等のアミド類、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の
硫黄化合物が挙げられる。
【0023】本塗布液中のAg微粒子濃度は0.01〜
5重量%が好ましく、特に0.05〜2重量%が好まし
い。Ag微粒子濃度が5重量%超では、形成される膜の
透明性が著しく低下し、0.01重量%未満では、形成
される膜の抵抗が上昇するために好ましくない。また、
本塗布液に含まれる窒素原子含有酸化チタン微粒子の量
は、Ag微粒子に対して規定した前記の範囲の量が好ま
しい。
【0024】本塗布液中には、形成される膜の透過率等
の物性を変えるために、Sn、In、Sb、Zn、A
l、Ti、Si及びGaからなる群から選ばれる1種以
上の金属の化合物を添加してもよい。添加する化合物に
は特に限定はないが、SnをドープしたIn2 3 やS
bをドープしたSnO2 を用いると、形成される膜の抵
抗を上昇させずに透過率を制御できるために好ましい。
【0025】添加剤としてSiO2 、特にケイ酸エチル
等を加水分解して得られるSiO2ゾルを用いれば、本
塗布液の塗布適性が向上するために好ましい。添加剤と
してTiO2 を用いた場合も本塗布液の塗布適性及び形
成される膜の色調を制御できるために好ましい。これら
の添加剤は、微粒子又はアルコキシドの加水分解物の形
態で前述のAg微粒子分散液、窒素原子含有酸化チタン
微粒子又は両者の混合物に添加してもよく、また、超音
波分散機やサンドミル等の分散機により分散した液とし
て添加してもよい。さらに本塗布液の基体への濡れ性を
向上させるために、本塗布液に種々の界面活性剤を添加
してもよい。
【0026】本塗布液は、それ自体で基体上への塗布液
として供するために、本塗布液に低沸点溶媒を添加した
場合には、室温下の乾燥でも塗膜が得られるが、本塗布
液の溶媒として沸点が100〜250℃にある中〜高沸
点溶媒を用いる場合には、塗膜を室温乾燥しても上記溶
媒が塗膜中に残留するために加熱処理を行う。加熱温度
の上限は、基板として用いられるガラス、プラスチック
等の軟化点によって決定される。この点も考慮すると加
熱温度範囲は100〜500℃が好ましい。
【0027】本発明においては、以上のように形成され
た低抵抗膜上に、光の干渉作用を利用して低屈折率膜を
形成できる。例えば、基体がガラス(屈折率n=1.5
2)の場合、前記低抵抗膜の上に、低屈折率膜の屈折率
に対する低抵抗膜の屈折率の比の値が約1.23となる
ような低屈折率膜を形成することにより、形成された膜
の反射率を最も低減させうる。膜の反射率の低減には、
可視光領域において、特に555nmの反射率を低減す
ることが好ましいが、実用上は反射外観等を考慮し、適
宜決定することが好ましい。
【0028】このような2層からなる低反射低抵抗膜に
おける低屈折率膜としては、ケイ素化合物を含有する塗
布液を用いて形成することが、形成される膜の硬度等の
点から好ましいが、さらに屈折率の点からは低屈折率膜
形成用塗布液にMgF2 ゾルを含ませてもよい。
【0029】こうした低屈折率膜形成用のケイ素化合物
としては、Siアルコキシドを含む種々のものが使用で
き、好適な材料として、例えば、Si(OR)y ・R
4-y (yは3又は4であり、Rはアルキル基を示す)で
示されるSiアルコキシド又はその部分加水分解物を含
む液が挙げられる。例えば、シリコンエトキシド、シリ
コンメトキシド、シリコンイソプロポキシド、シリコン
ブトキシドのモノマー又は重合体が好ましく使用でき
る。
【0030】Siアルコキシドは、アルコール、エステ
ル、エーテル等に溶解しても使用でき、Siアルコキシ
ド溶液に塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、ギ酸、マレイン酸、
フッ酸、又はアンモニア水溶液を添加してSiアルコキ
シドを加水分解しても使用できる。また、前記Siアル
コキシドは溶媒に対して、30重量%以下の量で含まれ
ていることが好ましい。固形分量が多すぎると液の保存
安定性が悪くなる。
【0031】また、このSiアルコキシド溶液には、形
成される膜の強度向上のためにバインダとして、Zr、
Ti、Sn、Al等のアルコキシドや、これらの部分加
水分解物を添加して、ZrO2 、TiO2 、SnO2
びAl2 3 の1種以上の複合物をMgF2 やSiO2
と同時に析出させてもよい。さらにSiアルコキシド溶
液の基体に対する濡れ性を向上させるために該溶液に界
面活性剤を添加してもよい。添加される界面活性剤とし
ては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムやア
ルキルエーテル硫酸エステル等が挙げられる。
【0032】上記ケイ素化合物を含有する低屈折率膜形
成用塗布液に、Agのプラズマ共鳴吸収に起因するコロ
イド発色を抑制する目的で、硝酸銀、酢酸銀、硫酸銀、
クエン酸銀、酸化銀、酒石酸銀、乳酸銀、炭酸銀、銀グ
ルコン酸錯塩及び銀アンミン錯塩からなる群から選ばれ
る1種以上のAg塩を添加できる。Ag塩の添加量は5
〜1,000ppmの範囲が好ましい。
【0033】本塗布液は、多層干渉効果による低反射低
抵抗膜の製造に利用できる。反射防止性能を有する多層
の低屈折率膜の構成としては、反射防止をすべき光の波
長をλとして、基体側より、高屈折率層−低屈折率層を
光学厚みλ/2−λ/4、又はλ/4−λ/4で形成し
た2層の低屈折率膜、基体側より中屈折率層−高屈折率
層−低屈折率層を光学厚みλ/4−λ/2−λ/4で形
成した3層の低屈折率膜、基体側より低屈折率層−中屈
折率層−高屈折率層−低屈折率層を光学厚みλ/2−λ
/2−λ/2−λ/4で形成した4層の低屈折率膜等が
典型的な例として知られている。
【0034】本塗布液は、上記多層構成膜の中〜高屈折
率層の形成に使用でき、低屈折率膜形成用塗布液は、上
記多層構成膜の低屈折率層の形成に使用できる。本発明
の低抵抗膜又は低反射低抵抗膜を形成する基体として
は、ブラウン管パネル、複写機用ガラス板、計算機用パ
ネル、クリーンルーム用ガラス、CRT又はLCD等の
表示装置の前面板等の各種ガラス、プラスチック基板等
が挙げられる。
【0035】本塗布液の基体上への塗布方法としては、
スピンコート、ディップコート、スプレーコート等の方
法が好適に使用できる。また、スプレーコート法を用い
て表面に凹凸を形成し、形成される膜に防眩効果を付与
してもよく、また、その上にシリカ被膜等のハードコー
ト層を設けてもよい。さらには、本発明の低抵抗膜をス
ピンコート法又はスプレーコート法で形成し、その上に
Siアルコキシドを含む溶液をスプレーコートして、表
面に凹凸を有するシリカ被膜のノングレアコート層を設
けてもよい。
【0036】本塗布液と低屈折率膜形成用塗布液の基体
に対する塗布量(膜厚)は、被塗布基体の種類、被塗布
基体の使用目的等によって一概には規定されないが、本
塗布液の塗布量は一般的には硬化膜の厚みとして約5〜
150nmとなる範囲であり、低屈折率膜形成用塗布液
の塗布量は一般的には硬化膜の厚みとして約5〜150
nmとなる範囲が好適である。
【0037】形成される低抵抗膜の厚みが5nm未満で
は膜の導電性及び2層膜又は多層膜形成時の低反射性等
の点で不充分であり、形成される低抵抗膜の厚みが15
0nm超では膜の透過率及び2層膜形成時の低反射性等
の点で不充分である。また、形成される低屈折率膜の厚
みが5nm未満では膜の強度及び2層膜又は多層膜形成
時の低反射性等の点で不充分であり、形成される低屈折
率膜の厚みが150nm超では膜の外観及び低反射性等
の点で不充分である。なお、上記低抵抗膜及び低屈折率
膜の上下には、他の膜を介在させて多層構造の低反射低
抵抗膜ともなしうる。
【0038】本塗布液から形成される低抵抗膜は、長時
間紫外線照射されても表面抵抗の増加がなく優れた耐候
性を有する。良好な耐候性の発現機構は必ずしも明らか
ではないが、膜の紫外線照射時の電子スピン共鳴法によ
る酸素ラジカルの測定の結果より、窒素原子含有酸化チ
タン微粒子とAg微粒子よりなる膜は酸素ラジカル生成
量がきわめて少なく、酸素ラジカルに起因するAgの励
起状態への移行を抑制し、Ag塩の生成を防ぎ、低抵抗
膜の導電性の劣化を生じないと推定される。
【0039】本発明に対して従来のスパッタ膜等は、A
gの紫外線劣化を抑制するため、Ag膜をZnO膜等で
サンドイッチ状に挟む構造が必要であったが、本発明の
低抵抗膜はそのような膜構造にする必要がない。
【0040】
【実施例】次に実施例(例1〜8)及び比較例(例9〜
11)を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されない。以下の実施例及
び比較例において、得られたゾル中の粒子の平均一次粒
径は透過型電子顕微鏡によって測定した。また、得られ
た塗布液及び膜の評価方法は次の通りである。 1)導電性評価:ローレスタ抵抗測定器(三菱油化製)
により膜表面の面抵抗を測定した。 2)耐擦傷性:1kg荷重下で消しゴム(ライオン製5
0−50)で膜表面を50回往復後、その表面の傷の付
き具合を目視で判断した。評価基準は、○:傷が全く付
かない、△:傷が多少つく、×:一部に膜剥離が生じ
る、とした。 3)視感反射率:GAMMA分光反射率スペクトル測定
器により膜の400〜700nmでの視感反射率を測定
した。
【0041】4)視感透過率:日立製作所製スペクトロ
フォトメータU−3500により380〜780nmで
の視感透過率を測定した。 5)膜耐候性:センエンジニアリング製フォトドライク
リーナ(PL7−200)により254nmを主波長と
する紫外線を20時間照射した後での膜の面抵抗を測定
した。 6)塗布液の分散安定性:調整直後及び10℃で30日
保管後の塗布液中の平均凝集粒径(Ag微粒子と窒素原
子含有酸化チタン微粒子とからなる凝集粒子の平均粒
径)を大塚電子製レーザー回折式粒径測定装置LPA−
3100で測定した。
【0042】[例1] 「Ag微粒子分散液の調製」 (1)30重量%硫酸鉄水溶液20gに35重量%クエ
ン酸三ナトリウム水溶液35gを添加し、さらに12重
量%の硝酸銀水溶液25gを添加した後15分間撹拌し
た。 (2)上記(1)で得られた液を遠心分離により固液分
離した後、沈殿物に純水30gを添加して撹拌した。こ
の液に10分間超音波照射を施した後、30重量%クエ
ン酸三ナトリウム水溶液を30g添加した。
【0043】(3)上記工程(2)を4回繰り返した
後、遠心分離により固液分離した後、純水50gを添加
し、さらに20分間の超音波照射を施した。 (4)上記(3)で得られた液に、陽イオン交換樹脂を
添加し20分間撹拌した後、陽イオン交換樹脂を濾別
し、さらに陰イオン交換樹脂を添加して20分間撹拌し
た後、陰イオン交換樹脂を濾別し、Ag微粒子分散液を
得た。この分散液のAg微粒子の平均一次粒径は32n
mであり、その固形分濃度は5重量%であった(A1
液)。
【0044】「窒素原子含有酸化チタン微粒子分散液の
調製」 (5)窒素を3重量%含有するTiOx (1.0≦x<
2.0)微粒子15gをあらかじめpH3.5に調整し
た水溶液85g中に添加してサンドミルで4時間粉砕
し、90℃で1時間加熱した。なお、上記の窒素原子含
有酸化チタン微粒子は次のようにして調製した。アンモ
ニアでpHを9.5に一定に保った水溶液中に三塩化チ
タンを滴下し、水酸化チタンゾルを得た。このゾルを水
洗後、90℃で乾燥し、アンモニアガス10%、450
℃の雰囲気で2時間焼成を行い窒素を3重量%含有する
TiOxを得た。
【0045】(6)上記(5)で得られた液に、陽イオ
ン交換樹脂を添加し30分間撹拌した後、陽イオン交換
樹脂を濾別し、さらに陰イオン交換樹脂を添加して30
分間撹拌した後、陰イオン交換樹脂を濾別し、蒸留水で
濃度10重量%に調整し、平均一次粒径43nmの分散
液を得た。この分散液に水を添加して、固形分6.8重
量%となるように調整した(B1液)。 「低抵抗膜用塗布液の調製」 (7)(A1液)と(B1液)をAg:窒素含有TiO
x =10:1(重量比)となるように混合し、エタノー
ル及び水で希釈し、エタノール重量80%、固形分重量
0.35%となるように調整した(C1液)。塗布液中
のAg濃度は0.318重量%、窒素含有TiOx 濃度
は0.032重量%であった。
【0046】「ケイ素化合物含有液の調製」 (8)ケイ酸エチル50gをエタノール200gに溶解
し、撹拌下で濃硝酸1.5gと純水33gとの混合溶液
を滴下し、室温で2時間撹拌してSiO2 濃度4.9重
量%の液を得た(B液)。このB液を、プロピレングリ
コールモノメチルエーテル/イソプロパノール/ジアセ
トンアルコール=50:40:10(重量比)の混合溶
媒でSiO2 固形分が0.70重量%となるように希釈
した(D1液)。
【0047】「塗布及び硬化」 (9)C1液20gを、表面温度45℃に加温した14
インチ型ブラウン管パネル表面にスピンコート法で、硬
化時の膜厚が40nmになるように100rpm、60
秒間の条件で塗布した後、D1液20gをC1液の塗布
時と同一のスピンコート条件で硬化時の膜厚が60nm
になる塗布量で塗布した後、160℃で30分間加熱し
て低反射低抵抗膜を得た。
【0048】[例2〜8]塗布液の組成を表1に記載の
ように変更した以外は例1と同様にして塗布液を調製し
かつ低反射低抵抗膜を形成し、同様に評価した。なお、
重量比とは、Ag微粒子:窒素含有酸化チタン微粒子の
意であり、粒径とは、平均一次粒径(nm)の意であ
り、N含有量とは、窒素含有量(重量%)の意である。
【0049】[例9]A1液をエタノール及び水で希釈
し、エタノール重量80%、固形分重量0.35%とな
るように調整した(A2液)。塗布液中のAg濃度は
0.350重量%、窒素含有TiOx 濃度は0重量%で
あった。例1におけるC1液に代えてA2液を使用し、
他は例1と同様にして例9の膜を得た。
【0050】[例10]Ti(acac)2 (OPr)
2 をTiO2 換算固形分量で10重量%となるようにエ
タノールに溶解し、撹拌しながら硝酸酸性水溶液を添加
して加水分解を行った。なお、acacはアセチルアセ
トナト配位子、Prはイソプロピル基を示す。この液を
さらにエタノールで5.0重量%まで希釈した(B2
液)。(A1液)と(B2液)をAg:TiO2 =1
0:1(重量比)となるように混合し、エタノール及び
水で希釈し、エタノール重量80%、固形分重量0.3
5%となるように調整した(C2液)。塗布液中のAg
濃度は0.333重量%、窒素含有TiOx 濃度は0.
017重量%であった。例1におけるC1液に代えてC
2液を使用し、他は例1と同様にして例10の膜を得
た。
【0051】[例11] A1液10gに0.1%硝酸溶液0.1gを添加し、1
時間撹拌した後、高速遠心分離機により分級し、固形分
濃度0.6重量%の液を得た(A3液)。 A3液をエ
タノールで希釈し、エタノール重量46.7%、固形分
重量0.32%となるように調整した(A4液)。塗布
液中のAg濃度は0.320重量%、窒素含有TiOx
濃度は0重量%であった。例9におけるA2液に代えて
A4液を使用し、他は例9と同様にして例11の膜を得
た。
【0052】[評価結果」例1〜11で得られた各低抵
抗膜の物性を前記方法で測定した結果を表2に示す。な
お、表2において2E2は2×102 を意味し、他も同
様である。凝集粒径とは、平均凝集粒径の意であり、直
後及び30日後とは、それぞれ調整直後及び10℃で3
0日保管後の意である。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、従来技術の種々の欠点
を解消し、塗布液の状態で分散安定性に優れ、ブラウン
管フェイス面等のガラス基体上に膜を形成する際、低温
熱処理により、導電性及び耐候性に優れた低抵抗膜、さ
らには反射防止効果にも優れた低反射低抵抗膜を形成で
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河里 健 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社 中央研究所内 (72)発明者 森本 剛 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社 中央研究所内 (56)参考文献 特開 平7−89720(JP,A) 特開 平7−326308(JP,A) 特開 昭63−160140(JP,A) 特開 平6−310058(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 29/88

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均一次粒径が10nm超100nm以下
    のAg微粒子と、窒素原子をチタン原子と酸素原子の合
    計量に対して0.3〜30重量%含有するTiOx
    (1.0≦x<2.0)微粒子とを少なくとも含有して
    なることを特徴とする低抵抗膜形成用塗布液。
  2. 【請求項2】塗布液中の前記Ag微粒子の濃度が、0.
    01〜5重量%である請求項1に記載の低抵抗膜形成用
    塗布液。
  3. 【請求項3】前記TiOx 微粒子の量が、前記Ag微粒
    子に対して0.01〜80重量%である請求項1又は2
    に記載の低抵抗膜形成用塗布液。
  4. 【請求項4】さらにSn、In、Sb、Zn、Al、T
    i、Si及びGaからなる群から選ばれる1種以上の金
    属の化合物を含む請求項1、2又は3に記載の低抵抗膜
    形成用塗布液。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3又は4に記載の低抵抗膜
    形成用塗布液をガラス基体上に塗布してなることを特徴
    とする低抵抗膜。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の低抵抗膜上に、該低抵抗
    膜よりも低屈折率の膜が形成されてなることを特徴とす
    る低反射低抵抗膜。
  7. 【請求項7】基体上に、請求項1、2、3又は4に記載
    の低抵抗膜形成用塗布液を塗布することを特徴とする低
    抵抗膜の製造方法。
  8. 【請求項8】基体上に、請求項1、2、3又は4に記載
    の低抵抗膜形成用塗布液を塗布し、その上にケイ素化合
    物を少なくとも含有してなる低屈折率膜形成用塗布液を
    塗布することを特徴とする低反射低抵抗膜の製造方法。
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