JPH0718210A - 着色薄膜形成用塗布液、着色薄膜およびその製造方法 - Google Patents

着色薄膜形成用塗布液、着色薄膜およびその製造方法

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JPH0718210A
JPH0718210A JP6081631A JP8163194A JPH0718210A JP H0718210 A JPH0718210 A JP H0718210A JP 6081631 A JP6081631 A JP 6081631A JP 8163194 A JP8163194 A JP 8163194A JP H0718210 A JPH0718210 A JP H0718210A
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恭宏 真田
Takeshi Kawasato
健 河里
Kazuya Hiratsuka
和也 平塚
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Abstract

(57)【要約】 【構成】窒素を0. 1〜30wt%含有するTiOx
(1.0≦x<2.0)などの窒素を含有する金属酸化
物を含む着色薄膜形成用塗布液および該塗布液を用いた
着色薄膜およびその製造方法。 【効果】熱安定性、耐候性に優れ、特定の可視光波長に
吸収を生じないため、陰極線管に適用した場合、蛍光体
の発するスペクトルのバランスを崩すことなくコントラ
ストの向上を図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は陰極線管用パネル等に適
用される着色薄膜形成用塗布液、該塗布液を用いて形成
される着色薄膜、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】帯電防止膜、着色薄膜、着色帯電防止
膜、低反射帯電防止膜、着色低反射帯電防止膜のコーテ
ィング方法は従来より光学機器においてはいうまでもな
く、民生用機器特にTV、コンピュータ端末の陰極線管
(CRT)に関し多くの検討がなされてきた。
【0003】帯電防止に関しては、ブラウン管パネル表
面を350℃程度に加熱してCVD法により酸化スズお
よび酸化インジウム等の導電性酸化物層を設ける方法が
提案されている(たとえば特開昭63−76247)。
膜の着色に関しては、水溶性フタロシアニン化合物を用
いる方法が提案されている(特開平1−27566
4)。帯電防止性能をもつ着色薄膜については、メチル
バイオレットを用いた帯電防止膜の記述がある(特開平
1−251545)。低反射性に関しては、ブラウン管
表面に防眩効果をもたせるため表面に微細な凹凸を有す
るSiO2 層を付着させたり、フッ酸により表面をエッ
チングして凹凸を設ける等の方法が採られてきた(たと
えば特開昭61−118931号)。
【0004】しかし、これらの方法は、外部光を散乱さ
せるノングレア処理と呼ばれ、本質的に低反射層を設け
る方法ではないため、反射率の低減には限界があり、ま
たブラウン管等においては解像度を低下させる原因とも
なっていた。
【0005】低反射帯電防止膜については、イオンプレ
ーティング法による光学多層膜を設ける方法が記載され
ている(特開平3−93136)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述の方法のうち、C
VD法による帯電防止膜を付与させる手法は装置コスト
がかかることに加えてブラウン管表面を高温に加熱する
ためブラウン管内の蛍光体の脱落を生じたり、寸法精度
が低下する等の問題があった。またこの場合通常400
℃程度の高温を必要とし、低温で焼成した場合、充分低
抵抗な膜が得られない欠点があった。
【0007】また上記着色薄膜に水溶性フタロシアニン
化合物を用いる方法は、有機染料を用いるため耐熱性、
耐候性に乏しく特定波長に吸収をもつため可視光全波長
領域にわたっての均一な吸収を得ることが難しいという
欠点を有している。
【0008】上記メチルバイオレットを含む帯電防止膜
も同様な理由より耐熱性、耐候性に乏しく可視光全波長
領域にわたっての均一な吸収を得ることが難しい。
【0009】またイオンプレーティングによる方法は工
業的に安価とはいえず、また可視光波長領域にわたって
の均一な吸収を得られないため、陰極線管に成膜したと
きコントラストの向上も望めない。
【0010】本発明は従来技術が有していた前述の欠点
を解決し、低温熱処理が可能な着色薄膜、あるいは着色
帯電防止膜、着色低反射帯電防止膜およびそれらの製造
方法を新規に提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、窒素を含有す
る金属酸化物を含む着色薄膜形成用塗布液を提供する。
【0012】本発明はまた、窒素を含有する金属酸化物
を含み、かつ、380nmから700nmの波長領域に
おいて透過率の低下が生じることを特徴とする着色薄膜
を提供する。
【0013】本発明はまた、基体上に形成される多層膜
において、該多層膜のうちの少なくとも1層が、前記着
色薄膜であることを特徴とする多層膜を提供する。
【0014】本発明の着色薄膜はディスプレイ用途に供
されるガラス物品に好ましく用いられる。
【0015】ガラス物品としての陰極線管は近年コンピ
ュータの端末表示等に使用される場合高解像度の要求と
ともにハイコントラストの要求も高まりつつある。しか
しコントラストの向上を期してガラス自体の透過率を低
下させた場合、ディスプレイの大型化に伴ってフェイス
プレートの肉厚も厚くなっていることから、特に大型デ
ィスプレイでは透過率の著しい低下が問題となる。
【0016】本発明ではガラス自体の透過率を下げるこ
となくその表面に膜を形成しこの膜で光吸収を生じさせ
ることによりコントラストの向上を図る。したがって、
種々の肉厚をもつディスプレイ用ガラスパネルへの適用
がきわめて容易にできる。
【0017】陰極線管の発光スペクトルは複数のスペク
トルで構成されるが、発光スペクトルのバランスを崩さ
ずにコントラストの向上を図るには、特定の光吸収を持
つ着色薄膜よりも可視光領域にわたって均一の光吸収を
持つ着色薄膜が好ましい。
【0018】このような観点より鋭意研究を行った結
果、窒素を含有する金属酸化物(以下、窒素含有酸化物
という)を含む着色薄膜を構成することにより、可視光
領域、特に380nmから700nmの波長領域におい
て均一な光吸収を可能とし上記の問題点を解決できた。
【0019】前記金属酸化物の金属としては、特に限定
されないが、Ti、Cr、Zr、Hf、Al、Si、N
b、TaおよびVからなる群から選ばれる少なくとも1
種であることが好ましい。特に、窒素を含有するTiの
酸化物(以下、酸窒化チタンという)が好ましい。
【0020】酸窒化チタンの組成は限定されないが、窒
素を0. 1〜30wt%含有するTiOx (1.0≦x
<2.0)であることが好ましい。x<1では屈折率が
1.9以下となり好ましくなく、また、x<2.0でな
ければ好ましい導電性が得られない。
【0021】また窒素元素を酸化物中で安定化させるた
めに、短周期型周期表において示される3〜11族元
素、たとえば、V、Nb、Taなどの遷移金属元素を酸
窒化チタンに対して5. 0重量%以下添加するのも好ま
しい。
【0022】本発明で用いる酸窒化チタン粒子は還元処
理した酸化チタンを用いることが好ましく、還元処理に
はN2 ガス、NH3 ガス等を用いることができる。
【0023】本発明における窒素含有酸化物は、粒径が
5〜200μmであることが好ましい。ここでいう粒径
とは、粒子の平均1次粒径をいう。これよりも小さい粒
径の場合は、粒子の隠蔽力の点で着色性能が充分発現さ
れず、また、これよりも大きい粒径の場合、表面の凹凸
構造が大きくなり過ぎ、かつ、ヘーズが増加し好ましく
ない。
【0024】本発明に用いられるその他の窒素含有酸化
物としては特に限定されないが、窒素を0. 5〜25w
t%含有するCr23-x (0<x<3)、窒素を0.
5〜30重量%含有するZrOx (1. 0≦x<2)、
窒素を0. 1〜35重量%含有するHfOx (1. 0≦
x<2)、酸素を1〜40重量%含有するAlNx (0
<x<1)、酸素を1〜35重量%含有するSi3x
(0<x<1)、酸素を1〜28重量%含有するNbN
x (0<x<1)、TaNx (0<x<1)、VNx
(0<x<1)等が挙げられる。
【0025】窒素を0. 1〜30重量%含有するTiO
x (1≦x<2)に関しては、これよりも含有される窒
素量が少ないと、充分な着色度が得られず、かつこれよ
りも含有される量が多いと、赤みの色相が増加し、着色
薄膜に適用した場合均一な光の吸収が得られず好ましく
ない。
【0026】これらの窒素含有酸化物のうちでTi、C
rの窒素含有酸化物は黒色を呈しており、着色材として
好適に使用できる。Zr、Hf、V、Ta、Nbの窒素
含有酸化物は電気伝導率の点で導電成分、あるいは導電
補肋成分として優れている。Al、Siの窒素含有酸化
物は、硬度が高く、膜中での膜補強成分として好適に使
用できる。
【0027】さらに本発明ではこの着色薄膜にSn、I
n、Sb、Zn、Al、およびGaの群から選ばれる少
なくとも1種の金属の酸化物を含有させることによりデ
ィスプレイのオン、オフ時に生起する静電気を抑える帯
電防止性能も付与させ、埃等の付着を抑制することも可
能とした。
【0028】さらには上記着色帯電防止膜上に当該被膜
よりも低屈折率を有する膜を構成し、解像度を損なうこ
となく蛍光灯の映り込み等を抑制する低反射性能をも付
与することも可能とした。
【0029】膜厚は、強度、着色性等から適宜決定さ
れ、膜厚が厚過ぎると種々の特性より好ましくないこと
から、0.5μm以下がよい。
【0030】一般に、薄膜の光学的性能はその膜を構成
する屈折率と膜厚で決定される。ここで一定の屈折率n
S を有する基体上に屈折率nを有する薄膜を付着させ、
屈折率n0 の媒質中より波長λの光が入射した場合のエ
ネルギー反射率Rは光が膜中を通過する際の位相差をΔ
とするとΔ=4πnd/λ(d:膜厚)であり、Δ=
(2m+1)π、すなわち位相差Δが半波長の奇数倍の
とき、極小値をとり、このとき、数1となる。
【0031】
【数1】 R=((n2 −n0S )/(n2 +n0S ))
【0032】無反射条件を満たすには、数1において、
R=0とおき、数2が必要とされる。
【0033】
【数2】n=(nS1/2
【0034】数2を2層構成に拡張した場合、数3とな
る。ただし、n1 は媒質側層、n2は基体側層の屈折率
である。
【0035】
【数3】nS1 2=n2 20
【0036】ここでn0 =1(空気)、nS =1. 52
(ガラス)を数3に適用した場合、n2 /n1 =1.2
3となり、この場合、2層構成膜の最大の低反射性が得
られる。勿論n2 /n1 =1.23を満たさなくても、
2層膜の屈折率がこれに近い値をとれる場合、低反射性
が得られる。したがって、基体側に設ける高屈折率層と
媒質側に設ける低屈折率層は両者の屈折率比ができるだ
け1.23に近い値を選択するのが望ましい。
【0037】本発明において、所望の低反射膜を得るに
は、多層膜間の屈折率差と合わせて膜厚も重要な要素で
ある。
【0038】反射防止性能を有する多層の低反射膜の構
成としては、反射防止をしたい波長をλとして、基体側
より高屈折率層および低屈折率層を光学厚みλ/2およ
びλ/4で構成した低反射膜、基体側より中屈折率層、
高屈折率層および低屈折率層を光学厚みλ/4、λ/2
およびλ/4で順次形成した3層の低反射膜、基体側よ
り低屈折率層、中屈折率層、高屈折率層および低屈折率
層を光学厚みλ/4、λ/4、λ/2およびλ/4で順
次形成した4層の低反射膜等が典型的な例として知られ
ている。
【0039】本発明で用いる酸窒化チタン粒子は還元処
理した酸化チタンを用いる。還元処理にはN2 ガス、N
3 ガス等を使用できる。
【0040】酸窒化チタン自体導電性を有しているた
め、帯電防止膜を構成する場合、導電補助成分として機
能する。
【0041】酸窒化チタンの被膜中における含有割合に
ついては、着色薄膜の場合1〜90wt%が好ましく、
これ以下の場合、着色性能が充分でなくこれ以上の場合
は膜の強度が低下し好ましくない。
【0042】着色帯電防止膜、着色低反射帯電防止膜の
場合は、酸窒化チタンの被膜中における含有割合が1〜
80wt%であることが好ましい。酸窒化チタン量が少
なすぎると着色性能が充分でなく、また多すぎると帯電
防止能および膜の透過率が悪化し好ましくない。
【0043】本発明で用いる酸化物には、Sbをドープ
したSnO2 、ITO、AlをドープしたZnO、また
はGaをドープしたZnOなどを使用できる。これらの
酸化物は塗布液中に粒子として分散させて用いることも
でき、また溶液として用いて基体上で酸化物化させるこ
ともできる。
【0044】これらの粒子の分散媒、分散法も特に限定
されず、種々の溶媒および分散法が使用できる。好まし
くは、水あるいはアルコール等の有機溶媒中に粒子を添
加し、酸あるいはアルカリを添加しpHを調整し、コロ
イドボールミル、サンドミル、ホモジナイザー等の市販
の粉砕器で分散させて得ることができる。
【0045】この場合、分散中の粒子の平均粒径は30
0nm以下となっていることが好ましい。溶液を用いる
場合、キレート錯体のような有機化合物、硝酸塩のよう
な無機化合物を用い上記の粒子を分散した液と混合して
用いる。
【0046】溶液の基体への塗布方法は、スピンコート
法、ディップ法、スプレー法、ロールコーター法、メニ
スカスコーター法等、種々考えられるが、特にスピンコ
ート法は量産性、再現性に優れ、好ましく用いられる。
かかる方法によって10nm〜1μm程度の膜が形成可
能である。
【0047】また、着色低反射帯電防止膜において低屈
折率膜を構成する物質としてはケイ素化合物が屈折、膜
強度の点より好ましく用いられる。ケイ素化合物として
は、Si(OR)mn (m+n=4、m=1〜4、n
=0〜3、R=C1 〜C4 のアルキル基)で示される化
合物あるいは部分加水分解物を用いることが好ましい
が、ケイフッ化水素酸、ホウ酸を含む水溶液に二酸化ケ
イ素粉末を飽和させてなる溶液より析出させてできるケ
イ素化合物も使用できる。
【0048】Si(OR)mn で示される化合物ある
いは部分加水分解物の着色帯電防止膜上への塗布方法と
しては、前述した方法と同様に種々の方法が好ましく用
いられる。
【0049】本発明の着色薄膜は酸窒化チタンを含有す
るため、高屈折率を有し上記低屈折率膜との2層で構成
した場合前述の低反射性能が容易に発現される。
【0050】本発明の着色薄膜には膜強度を向上させる
ため、上記溶液に前記Si(OR)mn で示される化
合物(たとえば、シリコンエトキシド、シリコンメトキ
シド、シリコンイソプロポキシド、シリコンブトキシド
等)あるいは部分加水分解物を添加してもよい。
【0051】本発明において、着色薄膜を形成する基体
としは特に限定されるものではなく、目的に応じてソー
ダライムシリケートガラス、アルミノシリケートガラ
ス、ホウケイ酸塩ガラス、リチウムアルミノシリケート
ガラス、石英ガラス等のガラス、鋼玉等の単結晶、マグ
ネシア、サイアロン等の透光性セラミックス、ポリカー
ボネート等のプラスチックも使用できる。
【0052】
【作用】本発明の着色薄膜においては着色成分として窒
素を含有してなる酸化チタンを用いるので着色性能に関
して熱安定性、耐候性に優れている。
【0053】また、特定の可視光波長に吸収を生じない
ため陰極線管に適用した場合、陰極線管内の蛍光体の発
するスペクトルのバランスを崩すことなくコントラスト
の向上を図れる。
【0054】全可視光領域における均一な吸収に起因し
て低反射特性も向上する。
【0055】さらには窒素を含有してなる酸化チタン自
体も導電性を有しているため酸窒化チタンも帯電防止能
を発現させる成分として機能している。
【0056】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されない。得られ
た膜の評価結果は下記のように行った。
【0057】1)透過率評価:日立製作所製スペクトロ
フォトメータU−3500により380nm、550n
m、780nmの透過率を測定した。
【0058】2)ヘーズ評価:スガ試験機製直読ヘーズ
コンピュータにより膜自体のヘーズを測定した。
【0059】3)導電性評価:着色帯電防止膜、低反射
帯電防止膜について三菱油化製ハイレスタ抵抗測定器に
より相対湿度30%以下の雰囲気中で膜表面の表面抵抗
値を測定した。
【0060】4)耐擦傷性:1kg重の荷重下、消しゴ
ムで膜表面を50回往復後、その表面の傷の付きを目視
で判断した。評価基準は次の通りとした。○:傷が全く
付かない、△:傷が多少付く、×:多くの傷が付くか剥
離。
【0061】5)鉛筆硬度:1kg重の荷重下、鉛筆で
膜表面を走査し、その後目視により表面の傷の生じ始め
る鉛筆の硬度を膜の鉛筆硬度と判断した。
【0062】6)視感反射率:着色低反射帯電防止膜に
ついてGAMMA分光反射スペクトル測定器により膜の
380nm〜700nmの視感反射率を測定した。
【0063】実施例1 窒素を2wt%含有するTiOx (1.0≦x<2.
0)15gをあらかじめpH3.0に調整した水溶液8
5g 中に添加してサンドミルで4時間粉砕して90℃で
1時間加熱したのち、濃度10wt%に調整し、平均粒
径90nmのゾルを得た(A液)。
【0064】Si(OEt)4 のエタノール溶液(酸化
物換算で固形分20wt%)にSi(OEt)4 に対し
て水(pH3.0に調整した塩酸酸性水溶液)を8mo
l比で添加し、2時間撹拌した(B液)。
【0065】A液とB液を各酸化物換算で1.2wt%
となるようにエタノールで希釈した後、A液:B液=
2:3(重量比)となるように混合し、ブラウン管パネ
ル表面に100rpmの回転速度で60秒間塗布し、そ
の後160℃で30分間加熱し約100nmの厚さの膜
を得た。
【0066】実施例2 Sbが8mol%ドープされたSnO2 粉末(1次粒径
10nm)15gを水85g中に添加してサンドミルで
16時間粉砕して90℃で1時間加熱した後、濃度10
wt%に調整し、平均粒径50nmのゾルを得た(C
液)。
【0067】A液とB液とC液を各酸化物換算で1.2
wt%となるようにエタノールで希釈した後、A液:B
液:C液=3:2:5(重量比)となるように混合し、
ブラウン管パネル表面に100rpmの回転速度で60
秒間塗布し、その後160℃で30分間加熱し約90n
mの厚さの膜を得た。
【0068】実施例3 実施例2におけるSbが8mol%ドープされたSnO
2 粉末をITO粉末(Sn/In=10/90mol
比、1次粒径30nm) に変更し水85gをKOHであ
らかじめpH10.0に調整した水溶液に変更した以外
は実施例2と同様に行い約80nmの膜厚の膜を得た。
【0069】実施例4 実施例2におけるSbが8mol%ドープされたSnO
2 粉末をAlが10mol%ドープされたZnO粉末
(1次粒径20nm) に変更した以外は実施例2と同様
に行った。
【0070】実施例5 実施例4におけるAlが10mol%ドープされたZn
O粉末をGaが8mol%ドープされたZnO粉末(1
次粒径400Å) に変更した以外は実施例4と同様に行
った。
【0071】実施例6 実施例2において160℃、30分の加熱処理を60
℃、10分の加熱処理に変更し約100nmの厚さの膜
を得た。この膜上にB液を酸化物換算で0.9wt%に
エタノールで希釈した溶液を実施例2記載のスピンコー
ト法で塗布し160℃で30分加熱処理し着色低反射帯
電防止膜を得た。
【0072】実施例7 実施例6におけるSbが8mol%ドープされたSnO
2 粉末をITO粉末(Sn/In=10/90mol
比、1次粒径30nm) に変更し水85gをKOHであ
らかじめpH10.0に調整した水溶液に変更した以外
は実施例6と同様に行った。
【0073】実施例8 実施例6において基体側第1層を構成する塗布溶液の混
合比をA液:B液:C液=4:2:4(重量比)となる
ように変更した以外は実施例6と同様に行った。
【0074】実施例9 硝酸インジウムを酸化物換算で10wt%となるように
アセチルアセトンに溶解し130℃で1時間還流を行っ
た(D液)。塩化第一スズをアセチルアセトンに酸化物
換算で10wt%となるように溶解し135℃で2時間
加熱還流を行った(E液)。D液とE液を各酸化物換算
で1.2wt%となるようにエタノールで希釈した後、
D液:E液=85:15(重量比)となるように混合し
た(F液)。
【0075】実施例7におけるC液をF液に変更し2層
塗布後の焼成を370℃、6分に変更した以外は実施例
7と同様に行った。
【0076】比較例1 実施例1におけるA液をC液に変更した以外は実施例1
と同様に行った。
【0077】比較例2 銅フタロシアニンブルー0.01gをB液20gに添加
し酸化物換算で1.4wt%になるようにエタノールで
希釈しブラウン管パネル表面に100rpmの回転速度
で60秒間塗布しその後160℃で30分間加熱し膜を
得た。
【0078】比較例3 比較例2で得た膜上にB液を0.9wt%となるように
エタノールで希釈した後、ブラウン管パネル表面に10
0rpmの回転速度で60秒間塗布しその後160℃で
30分加熱した。
【0079】比較例4 実施例2におけるA液とB液とC液の混合比を、A液:
B液:C液=9.5:0.25:0.25(重量比)と
なるように混合した以外は実施例2と同様に行った。
【0080】実施例1〜9および比較例1〜4において
作成された膜の評価結果を表1に示す。
【0081】
【表1】
【0082】
【発明の効果】本発明の着色薄膜は、熱安定性、耐候性
に優れるとともに、特定の可視光波長に吸収を生じない
ため、陰極線管に適用した場合、陰極線管内の蛍光体の
発するスペクトルのバランスを崩すことなくコントラス
トの向上を図れる。
【0083】また、本発明において用いる窒素を含有し
てなる酸化チタンは導電性を有しているため、本発明の
着色薄膜は、帯電防止能も発現することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 1/11 5/22 8507−2K H01J 9/20 A 7250−5E (72)発明者 平塚 和也 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒素を含有する金属酸化物を含む着色薄膜
    形成用塗布液。
  2. 【請求項2】前記金属酸化物の金属は、Ti、Cr、Z
    r、Hf、Al、Si、Nb、TaおよびVからなる群
    から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請
    求項1記載の着色薄膜形成用塗布液。
  3. 【請求項3】前記金属酸化物の金属は、Tiであること
    を特徴とする請求項1記載の着色薄膜形成用塗布液。
  4. 【請求項4】前記窒素を含有する金属酸化物は、窒素を
    0. 1〜30wt%含有するTiOx (1.0≦x<
    2.0)であることを特徴とする請求項1記載の着色薄
    膜形成用塗布液。
  5. 【請求項5】前記塗布液は、Sn、In、Sb、Zn、
    AlおよびGaの群から選ばれる少なくとも1種の金属
    の化合物を含むことを特徴とする請求項1〜4いずれか
    1項記載の着色薄膜形成用塗布液。
  6. 【請求項6】基体表面に請求項1〜5いずれか1項記載
    の着色薄膜形成用塗布液を塗布した後、加熱および/ま
    たは紫外線照射し基体表面に着色薄膜を形成することを
    特徴とする着色薄膜の製造方法。
  7. 【請求項7】窒素を含有する金属酸化物を含み、かつ、
    380nmから700nmの波長領域において透過率の
    低下が生じることを特徴とする着色薄膜。
  8. 【請求項8】前記金属酸化物の金属は、Ti、Cr、Z
    r、Hf、Al、Si、Nb、TaおよびVからなる群
    から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請
    求項7記載の着色薄膜。
  9. 【請求項9】前記金属酸化物の金属は、Tiであること
    を特徴とする請求項7記載の着色薄膜。
  10. 【請求項10】前記窒素を含有する金属酸化物は、窒素
    を0. 1〜30wt%含有するTiOx (1.0≦x<
    2.0)であることを特徴とする請求項7記載の着色薄
    膜。
  11. 【請求項11】前記着色薄膜は、Sn、In、Sb、Z
    n、AlおよびGaの群から選ばれる少なくとも1種の
    金属の化合物を含むことを特徴とする請求項7〜10い
    ずれか1項記載の着色薄膜。
  12. 【請求項12】基体上に形成される多層膜において、該
    多層膜のうちの少なくとも1層が、請求項7〜11いず
    れか1項記載の着色薄膜であることを特徴とする多層
    膜。
  13. 【請求項13】前記多層膜は、基体側から、請求項7〜
    11いずれか1項記載の着色薄膜、その上に該着色薄膜
    よりも低屈折率を有する膜が順次形成されたものである
    ことを特徴とする多層膜。
  14. 【請求項14】請求項7〜11いずれか1項記載の着色
    薄膜、請求項12記載の多層膜、または請求項13記載
    の多層膜が形成されたことを特徴とするガラス物品。
  15. 【請求項15】請求項7〜11いずれか1項記載の着色
    薄膜、請求項12記載の多層膜、または請求項13記載
    の多層膜が形成されたことを特徴とする陰極線管。
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