JP3544687B2 - 塗布液、着色膜およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は陰極線管用パネル等に適用される塗布液とそれを用いた着色膜とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
帯電防止膜、着色膜、着色帯電防止膜、低反射帯電防止膜、着色低反射帯電防止膜のコーティング方法は従来より光学機器や、民生用機器、特にTV、コンピューター端末の陰極線管(CRT)に関し多くの検討がなされてきた。
【0003】
帯電防止に関しては、例えば特開昭63−76247号にはブラウン管パネル表面を350℃程度に加熱してCVD法により酸化錫および酸化インジウム等の導電性酸化物層を設ける方法が提案されている。
【0004】
膜の着色に関しては、特開平1−275664号に水溶性フタロシアニン化合物を用いる方法が提案されている。帯電防止性能をもつ着色膜については特開平1−251545号にメチルバイオレットを用いた帯電防止膜の記載がある。
【0005】
低反射性に関しては、例えば特開昭61−118931号記載の如くブラウン管表面に防眩効果をもたせるため表面に微細な凹凸を有するSiO2層を付着させたり、弗酸により表面をエッチングして凹凸を設ける等の方法が採られてきた。
しかし、これらの方法は、外部光を散乱させるノングレア処理と呼ばれ、本質的に低反射層を設ける方法ではないため、反射率の低減には限界があり、またブラウン管等においては解像度を低下させる原因ともなっていた。
【0006】
低反射帯電防止膜については特開平3−93136号にイオンプレーティング法による光学多層膜を設ける方法が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述の方法のうち、CVD法による帯電防止膜を付与させる手法は装置コストがかかることに加えてブラウン管表面を高温に加熱するためブラウン管内の蛍光体の脱落が生じたり、寸法精度が低下する等の問題があった。またこの場合通常400℃程度の高温を必要とし、低温で焼成した場合充分低抵抗な膜が得られない欠点がある。
【0008】
水溶性フタロシアニン化合物を用いる方法は、有機染料を用いるため耐熱性、耐候性に乏しく特定波長に吸収をもち、可視光全波長領域にわたって均一な吸収を得ることが難しいという欠点がある。
メチルバイオレットを含む帯電防止膜も同様な理由より耐熱性、耐候性に乏しく可視光全波長領域にわたって均一な吸収を得ることが難しい。
【0009】
イオンプレーティングによる方法は工業的に安価とはいえず、また可視光全波長領域にわたって均一な吸収を得られないため、陰極線管に成膜したときコントラストの向上も望めない。
【0010】
本発明は従来技術が有していた前述の欠点を解決し、低温熱処理が可能な着色膜形成用塗布液、該塗布液を用いた着色膜とその製造方法を新規に提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、酸窒化チタンとSi(OR)mR 4−m (mは1〜4の整数、Rは炭素数1〜4のアルキル基)で示される化合物(以下、特定ケイ素化合物という)またはその加水分解物とを含む着色膜形成用塗布液(以下、本塗布液という)を提供する。また、本発明は本塗布液を基体に塗布することにより得られたことを特徴とする380nm〜700nmの波長領域において透過率が低下した着色膜を提供する。
【0012】
本塗布液にはSn、In、Sb、Zn、AlおよびGaの群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含むことが好ましく、そのような塗布液を基体に塗布することにより380nm〜700nmの波長領域において透過率が低下し(すなわち着色しており)、かつ帯電防止能を有する着色帯電防止膜が得られる。
本発明によれば、基体上に形成される多層膜において、該多層膜のうちの少なくとも1層が、前記の着色帯電防止膜である多層着色帯電防止膜が提供される。
多層着色帯電防止膜は、基体側から、前記の着色帯電防止膜、その上に該着色帯電防止膜よりも低屈折率を有する膜が順次形成された、多層着色低反射帯電防止膜であることが好ましい。
【0013】
さらに、本発明は、基体表面に形成される着色膜の製造方法において、基体表面に本塗布液を塗布した後、加熱および/または紫外線照射することを特徴とする着色膜の製造方法を提供する。本塗布液には、前記したようにSn、In、Sb、Zn、AlおよびGaの群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含むことが好ましい。
【0014】
本発明の着色膜、着色帯電防止膜および多層着色低反射帯電防止膜は、ディスプレイ用途に供されるガラス物品に好ましく用いられる。ガラス物品としての陰極線管は近年コンピューターの端末表示等に使用される場合高解像度の要求とともにハイコントラストの要求も高まりつつある。しかしコントラストの向上を期してガラス基体自体の透過率を低下させた場合、ディスプレイの大型化に伴ってパネルの肉厚も厚くなり、かつ肉厚偏差を有することから、特に大型ディスプレイでは肉厚偏差に起因して面内の透過率に分布が生じる問題がある。
【0015】
本発明ではガラス基体自体の透過率を下げることなくその表面に膜を形成しこの膜で光吸収を生じさせることによりコントラストの向上を図る。したがって種々の肉厚をもつディスプレイ用ガラスパネルへの適用が容易となる。
陰極線管の発光スペクトルは複数のスペクトルで構成されるが、発光スペクトルのバランスを崩さずにコントラストの向上を図るには特定の光吸収を持つ着色膜よりも可視光全波長領域にわたって均一の光吸収を持つ着色膜が好ましい。
【0016】
このような観点より鋭意研究を行なった結果、酸窒化チタン粒子を含む着色膜を構成することにより、可視光全波長領域において均一な光吸収を可能とし上記の問題点を解決することができた。
【0017】
本発明における酸窒化チタンの組成は特に限定されないが、窒素を0. 1〜30wt%含有するTiOx (1.0≦x<2.0)であることが好ましい。また、窒素元素を酸化物中で安定化するために短周期型周期表において示される3A〜7A、8または1B族元素を酸窒化チタンに対して5. 0wt%以下添加することも好ましい。
【0018】
また、本発明では上記酸窒化チタン粒子に特定ケイ素化合物またはその加水分解物を加えるので、本塗布液中の酸窒化チタン粒子の安定性が向上し脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、アルコールエステル類、ケトンエステル類、エーテルアルコール類、ケトンエーテル類、エステルエーテル類のうちの1種または2種以上の混合物からなる有機溶剤で希釈した場合でも凝集沈殿を生じない。
本発明においては、特定ケイ素化合物の加水分解物がpH0.1〜6.0の酸性溶液を用いることにより得られたものであることが好ましい。
【0019】
本塗布液にSn、In、Sb、Zn、Al、およびGaの群から選ばれる少なくとも1種の酸化物を含有する塗布液を塗布・成膜することにより、ディスプレイのオン・オフ時に生起する静電気を抑える帯電防止性能を有し、埃等の付着を抑制できる、着色帯電防止膜が得られる。
さらには上記着色帯電防止膜上に当該被膜よりも低い屈折率を有する膜を形成することにより、解像度を損なうことなく蛍光灯の映り込み等を抑制する低反射性能をも付与できる。
【0020】
一般に、薄膜の光学的性能はその膜の屈折率と膜厚で決定される。一定の屈折率nS を有する基体上に屈折率nを有する薄膜を付着させ、屈折率n0 の媒質中より波長λの光が入射した場合のエネルギー反射率Rは、光が膜中を通過する際の位相差をΔとするとΔ=4πnd/λ(d:膜厚)であり、Δ=(2m+1)π、すなわち位相差Δが半波長の奇数倍のとき極小値をとり、このとき、
R=((n2 −n0 nS )/(n2 +n0 nS ))2 ・・・(1)
となる。
【0021】
無反射条件を満たすには、(1)式において、R=0とおき、
n=(n0 nS )1/2 ・・・・(2)
が必要とされる。
(2)式を2層構成に拡張した場合、
nS n1 2=n2 2n0 ・・・・(3)
となる。ただし、n1 は媒質側層、n2 は基体側層の屈折率である。
【0022】
ここでn0 =1(空気)、nS =1. 52(ガラス)を(3)式に適用した場合、n2 /n1 =1.23となり、この場合、2層構成膜の最大の低反射性が得られる。勿論n2 /n1 =1.23を満たさなくても、2層膜の屈折率がこれに近い値をとる場合、低反射性が得られる。したがって、基体側に設ける高屈折率層と媒質側に設ける低屈折率層は両者の屈折率比ができるだけ1.23に近い値をとるように選択するのが望ましい。
【0023】
本発明において、所望の低反射膜を得るには、多層膜間の屈折率差とともに膜厚も重要な要素である。反射防止性能を有する多層の低反射膜の構成としては、反射防止をしたい波長をλとして、基体側より高屈折率層および低屈折率層を光学厚さλ/2およびλ/4で構成した低反射膜、基体側より中屈折率層、高屈折率層および低屈折率層を光学厚さλ/4、λ/2およびλ/4で順次形成した3層の低反射膜、基体側より低屈折率層、中屈折率層、高屈折率層および低屈折率層を光学厚さλ/4、λ/4、λ/2およびλ/4で順次形成した4層の低反射膜等が典型的な例として知られている。
【0024】
本発明で用いる酸窒化チタン粒子は還元処理した酸化チタンを用いる。還元処理にはN2 ガス、NH3 ガス等を用いることができる。
【0025】
酸窒化チタン自体導電性を有しているため、帯電防止膜を構成する場合、導電補助成分として機能する。酸窒化チタンの被膜中における含有割合については、着色膜の場合1〜90wt%が好ましく、これに満たない場合は着色性能が充分でなく、これを超える場合は膜の強度が低下し好ましくない。
【0026】
着色帯電防止膜の場合は、酸窒化チタンの被膜中における含有割合が1〜80wt%であることが好ましい。酸窒化チタン量が少なすぎると着色性能が充分でなく、また多すぎると帯電防止能および膜の透過率が悪化し好ましくない。
また、特定ケイ素化合物の加水分解物の本塗布液中の含有量については、酸化物換算で全固形分に対して0.5〜65wt%が好ましい。これより少ないと本塗布液に有機溶媒を混合させた場合凝集が生じることがある。また、これよりも多いと着色性能および帯電防止能が悪化し好ましくない。
【0027】
本塗布液に添加する酸化物としては、SbをドープしたSnO2 、ITO、AlをドープしたZnO、またはGaをドープしたZnOなどを使用できる。これらの酸化物は導電性を有するので着色膜に導電性を付与でき、これによって帯電防止性能を付与できる。これら酸化物は、塗布液中に粒子として分散させて使用でき、また溶液として用いて基体上で酸化物化させることもできる。
【0028】
前記酸化物を本塗布液中に粒子として添加する場合、分散媒中の粒子の平均粒径は30nm以下であることが好ましい。溶液として用いる場合、キレート錯体のような有機化合物、硝酸塩のような無機化合物を用い、本塗布液と混合して用いることができる。
【0029】
本塗布液の基体への塗布方法は、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、ロールコーター法、メニスカスコーター法等、種々考えられるが、特にスピンコート法は量産性、再現性に優れ、好ましく用いられる。かかる方法によって10nm〜1μm程度の膜が形成できる。
【0030】
また、多層着色低反射帯電防止膜において低屈折率膜を構成する物質としては 屈折率、膜強度の点からケイ素化合物が好ましく用いられる。ケイ素化合物としては、特定ケイ素化合物またはその部分加水分解物を用いることが好ましい。ケイフッ化水素酸、ホウ酸を含む水溶液に二酸化ケイ素粉末を飽和させてなる溶液より析出させてできるケイ素化合物も使用できる。
特定ケイ素化合物またはその部分加水分解物の着色帯電防止膜上への塗布方法としては、前述した方法と同様に種々の方法が用いられる。
【0031】
本発明の着色膜は酸窒化チタンを含有するため高屈折率を有し、前記低屈折率膜との2層で構成した場合、低反射性能が容易に発現される。
【0032】
本発明において、着色膜、着色帯電防止膜または多層着色低反射帯電防止膜を形成する基体としては特に限定されず、目的に応じてソーダライムシリケートガラス、アルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、リチウムアルミノシリケートガラス、石英ガラス等のガラス、鋼玉等の単結晶、マグネシア、サイアロン等の透光性セラミックス、ポリカーボネート等のプラスチックも使用できる。
特に好ましい応用例として、前記の着色液、着色帯電防止膜または多層着色低反射帯電防止膜がパネル表面に形成された陰極線管が挙げられる。
【0033】
【作用】
本発明の着色膜においては着色成分として窒素を含有してなる酸化チタンを用いるので着色性能に関して熱安定性、耐候性に優れている。
また、特定の可視光波長に吸収を生じないため、陰極線管に適用した場合、陰極線管内の蛍光体の発するスペクトルのバランスを崩すことなくコントラストの向上を図ることができる。
【0034】
可視光全波長領域における均一な吸収に起因して低反射特性も向上する。さらには窒素を含有してなる酸化チタン自体も導電性を有しているため酸窒化チタンも帯電防止能を発現させる成分として機能する。
【0035】
また、上記酸窒化チタン粒子に特定ケイ素化合物またはその加水分解物を加えるので本塗布液中の酸窒化チタン粒子の安定性が向上し脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、アルコールエステル類、ケトンエステル類、エーテルアルコール類、ケトンエーテル類、エステルエーテル類のうちの1種または2種以上の混合物からなる有機溶剤で希釈した場合でも凝集沈殿を生じることがなく、広範な塗布条件に対応できる塗布液が得られる。
【0036】
【実施例】
以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
得られた液の評価結果は下記のように行った。
【0037】
1 )液中の粒子の分散安定性評価
大塚電子製レーザー粒径解析システムLPA−3100により液合成直後および5℃で4週間静置保存したのちの液中の粒子の平均粒径を測定した。
得られた膜の評価は下記のように行った。
2)透過率評価
日立製作所製スペクトロフォトメータU−3500により380nm、550nm、780nmの透過率を測定した。
3)ヘーズ評価
スガ試験機製直読ヘーズコンピュータにより膜自体のヘーズを測定した。
【0038】
4)導電性評価
着色帯電防止膜、多層着色低反射帯電防止膜について三菱油化製ハイレスタ抵抗測定器により相対湿度30%以下の雰囲気中で膜表面の表面抵抗値を測定した。
5)耐擦傷性
1kg重の荷重下、消しゴムで膜表面を50回往復後、その表面の傷の付きを目視で判断した。評価基準は以下の通りとした。
○:傷が全く付かない
△:傷が少し付く
×:多くの傷が付くか剥離
【0039】
6)鉛筆硬度
1kg重の荷重下、鉛筆で膜表面を走査し、その後目視により表面の傷の生じ始める鉛筆の硬度を膜の鉛筆硬度と判断した。
7)視感反射率
多層着色低反射帯電防止膜についてGAMMA分光反射スペクトル測定器により膜の380nm〜700nmの視感反射率を測定した。
【0040】
実施例1
酸窒化チタン(窒素含有量が10wt%でありかつバナジウムを1wt%含有する)15gをあらかじめpH3.0に調整した水溶液85g中に添加してサンドミルで4時間粉砕して90℃で1時間加熱したのち、濃度5wt%に調整しゾルを得た(A液)。
Si(OEt)4 のエタノール溶液(酸化物換算で固形分5wt%)に、Si(OEt)4 :水=1:8モル比となるようにpH2.8に調整した硝酸酸性水溶液を添加し、2時間80℃で加熱還流した(B液)。
A液とB液をA液:B液=2:3wt比となるように混合し酸化物換算で1.2wt%となるようにエタノールおよびブタノール(エタノール:ブタノール=3:2wt比)からなる混合有機溶媒で希釈し着色膜用コート液とした。
【0041】
実施例2
Sbが8mol%ドープされたSnO2 粉末(1次粒径10nm)15gを水85g中に添加してサンドミルで16時間粉砕して90℃で1時間加熱した後、濃度5wt%に調整しゾルを得た(C液)。
A液とB液とC液を各酸化物換算でA液:B液:C液=3:2:5wt比となるように混合し、エタノール、IPA、2−エトキシエタノール(エタノール:IPA:2−エトキシエタノール=4:5:1wt比)からなる混合有機溶媒で0.9wt%に希釈し着色帯電防止膜用コート液とした。
【0042】
実施例3
実施例2におけるSbが8mol%ドープされたSnO2 粉末をITO粉末(Sn/In=10/90mol比、1次粒径30nm) に変更し水85gをKOHであらかじめpH8.0に調整した水溶液に変更した以外は実施例2と同様に行った。
【0043】
実施例4
実施例2におけるSbが8mol%ドープされたSnO2 粉末をAlが10mol%ドープされたZnO粉末(1次粒径20nm) に変更した以外は実施例2と同様に行った。
【0044】
実施例5
実施例2におけるSbが8mol%ドープされたSnO 2 粉末をGaが8mol%ドープされたZnO粉末(1次粒径40nm) に変更した以外は実施例4と同様に行った。
【0045】
比較例1
実施例1におけるA液をエタノールおよびブタノール(エタノール:ブタノール=3:2wt比)からなる混合有機溶媒で希釈した。
【0046】
【0047】
比較例2
実施例2におけるA液とB液とC液の混合比を各酸化物換算でA液:B液:C液=5:0:5wt比と変更した以外は実施例2と同様に行った。
【0048】
実施例6
実施例1において得られたコート液をブラウン管パネル表面に150rpmの回転速度で60秒間塗布し、その後160℃で30分加熱して約90nmの膜を得た。
【0049】
比較例3
銅フタロシアニンブルー0.02gをB液40gに添加し酸化物換算で1.4wt%になるようにエタノールおよびブタノール(エタノール:ブタノール=3:2wt比)からなる混合有機溶媒で希釈しブラウン管パネル表面に100rpmの回転速度で60秒間塗布しその後160℃で30分間加熱し膜を得た。
【0050】
実施例7
実施例2において得られたコート液をブラウン管パネル表面に100rpmの回転速度で60秒間塗布し、その後160℃で30分加熱して約100nmの膜を得た。
【0051】
実施例8
実施例3において得られたコート液をブラウン管パネル表面に100rpmの回転速度で60秒間塗布し、その後254nmの波長を主波長とする紫外線を30分照射して約100nmの膜を得た。
【0052】
実施例9
実施例4において得られたコート液をブラウン管パネル表面に100rpmの回転速度で60秒間塗布し、その後365nmの波長を主波長とする紫外線を30分照射して約90nmの膜を得た。
【0053】
実施例10
実施例5において得られたコート液をブラウン管パネル表面に100rpmの回転速度で60秒間塗布し、その後370℃で10分加熱して約90nmの膜を得た。
【0054】
実施例11
実施例7において160℃、30分の加熱処理を60℃、10分の加熱処理に変更し約100nmの厚さの膜を得た。この膜の上にB液を酸化物換算で0.95wt%にエタノールおよびブタノール(エタノール:ブタノール=3:2wt比)からなる混合有機溶媒で希釈した溶液を実施例6記載のスピンコート法で塗布し160℃で30分加熱処理し着色低反射帯電防止膜を得た。
【0055】
実施例12
硝酸インジウムを酸化物換算で5wt%となるようにアセチルアセトンに溶解し130℃で1時間還流を行った(D液)。
塩化第一錫をアセチルアセトンに酸化物換算で5wt%となるように溶解し135℃で2時間加熱還流を行った(E液)。
D液とE液を各酸化物換算で1.2wt%となるようにエタノールで希釈した後、D液:E液=85:15wt比となるように混合した(F液)。
実施例11におけるC液をF液に変更し2層塗布後の焼成を370℃、6分に変更した以外は実施例11と同様に行った。
【0056】
比較例4
銅フタロシアニンブルー0.02gをエタノールおよびブタノール(エタノール:ブタノール=3:2wt比)からなる混合有機溶媒50gに添加した(G液)。
B液とC液を各酸化物換算でB液:C液=2:4wt比となるように混合し、エタノール、IPA、2−エトキシエタノール(エタノール:IPA:2−エトキシエタノール=4:5:1wt比)からなる混合有機溶媒で0.9wt%に希釈した(H液)。
【0057】
H液とG液をH液:G液=1:9wt比となるように混合しブラウン管パネル表面に100rpmの回転速度で60秒間塗布し、その後60℃で10分加熱して約90nmの膜を得た。この膜の上にB液を酸化物換算で0.95wt%にエタノールおよびブタノール(エタノール:ブタノール=3:2wt比)からなる混合有機溶媒で希釈し実施例6記載のスピンコート法で塗布し160℃で30分加熱処理した。
実施例1〜5および比較例1〜2において作成された塗布液の評価結果を表1に示す。実施例6および比較例3において作成された着色膜の評価結果を表2に示す。実施例7〜12および比較例4において作成された着色帯電防止膜(実施例7〜10)および多層着色低反射帯電防止膜(実施例11〜12および比較例4)の評価結果を表3に示す。なお、表中の「透過率の低下(%)」とは着色膜が形成されないブラウン管パネルの透過率を基準としたときの低下の割合である。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【発明の効果】
本発明の塗布液は長期安定性に優れ、本発明の着色膜は、熱安定性、耐候性に優れるとともに、特定の可視光波長に吸収を生じない。そのため陰極線管に適用した場合、陰極線管内の蛍光体の発するスペクトルのバランスを崩すことなくコントラストの向上を図ることができる。
また、本発明において用いる窒素を含有してなる酸化チタンは導電性を有しているため、本発明の着色膜は、帯電防止能も発現することができる。
Claims (6)
- 酸窒化チタン粒子とSi(OR)mR 4−m (mは1〜4の整数、Rは炭素数1〜4のアルキル基)で示される化合物またはその加水分解物とを含む着色膜形成用塗布液。
- 前記酸窒化チタンが窒素を0.1〜30wt%含有するTiOx (1.0≦x<2.0)である請求項1に記載の着色膜形成用塗布液。
- 請求項1または2に記載の着色膜形成用塗布液を基体に塗布することにより得られたことを特徴とする380nm〜700nmの波長領域において透過率が低下した着色膜。
- 請求項3に記載の着色膜が形成されてなるガラス物品。
- 請求項3に記載の着色膜がパネル表面に形成されてなる陰極線管。
- 基体表面に形成される着色膜の製造方法において、請求項1または2に記載の着色膜形成用塗布液を基体表面に塗布した後、加熱および/または紫外線照射することを特徴とする着色膜の製造方法。
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