JP2009199001A - プリズムシート用積層フィルム、プリズムシート、及び表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】易接着性及び輝度向上特性を得る。
【解決手段】プリズムシート15は、ポリエステルからなる支持体11と、支持体11の一方の面に形成される易接着層12と、支持体11の他方の面に形成される裏面層13と、易接着層12の上に形成されるプリズム層14とから構成される。易接着層12には、カルボジイミド構造個を複数有する化合物が含まれている。裏面層13は、波長が380nm〜780nmの光に対する平均反射率が3.5%以下である。易接着層12にカルボジイミド構造を複数個有する化合物を含有することで、プリズム層14に対する接着性が向上する。裏面層13の平均反射率を3.5%以下とすることで、輝度向上特性を得ることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、液晶ディスプレイのプリズムシート用部材として好適に用いられるプリズムシート用積層フィルム、プリズムシート、及び表示装置に関する。
ポリエステルフィルム、特に二軸配向ポリエステルフィルムは、優れた透明性、寸法安定性、耐薬品性、低吸湿性から各種の光学フィルムとして多く利用されている。例えば、液晶ディスプレイでは、プリズムシート、反射防止シート、光拡散シート、ハードコートシートなどのベースフィルムに用いられている。また、プラズマディスプレイでは、IR吸収シート、電磁波シールドシート、調色シート、反射防止シート、防眩シート、ハードコートシートなどのベースフィルムに用いられている。
液晶ディスプレイのプリズムシート用途では、ポリエステルフィルムの片面に、紫外線硬化性樹脂等により形成されるプリズム層が設けられる。このプリズム層はポリエステルフィルムとの接着性が要求される。一般に、ポリエステルフィルムの上に直接プリズム層を設けると良好な接着性が得られないため、ポリエステルフィルムの上に易接着層と呼ばれる塗布層を設けて、この上にプリズム層を塗設することが行われている。例えば特許文献1にはポリエステルをバインダとした易接着層が、特許文献2には、ポリエステルとウレタンをバインダとした易接着層が記載されている。
プリズム層と反対側は、裏面保護層やニュートンリング防止層等を設置することが可能である。しかしながら、保護層等の機能付与よりも、コスト削減に重点を置く観点から、通常は、プリズム層側の易接着層がそのまま裏面層として設置されていることが多い。また、コスト削減を最重視すると、易接着層等を設置せずに、ポリエステル支持体表面そのものを裏面とする方が有利である。しかしながら、この場合には、輝度特性の低下が発生するという問題がある。これは、2軸延伸ポリエステルフィルム支持体の特性として、延伸方向である面方向の屈折率が高く、高反射率特性を示すことに起因する。つまり、裏面から入射してくるバックライト光の透過率が低下してしまうからである。従って、薄層易接着層を裏面層としてそのまま利用しているのが現状であり、例えば、特許文献3では、低屈折易接着層を両面にコーティングし、比較的高い透過率および輝度特性を得るようにしている。
特開2001−294826号公報 特開2000−229395号公報 特開2007−55217号公報
しかしながら、特許文献3の場合には、易接着性をある程度確保する必要性から低屈折率化が不充分となり、十分な輝度向上特性が得られないという問題がある。また、低屈折率化のために易接着層の組成内容に制約が発生するため、多種多様なプリズム層樹脂に対して十分な易接着性を得ることが困難になるという問題がある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、多種多様なプリズム層に対して充分な接着性が得られるとともに、輝度向上特性も得られるようにしたプリズムシート用積層フィルム、プリズムシート、及び表示装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のプリズムシート用積層フィルムは、二軸延伸ポリエステルからなる支持体と、前記支持体の一方の面に設けられ、カルボジイミド構造を複数個有する化合物を含有する易接着層と、前記支持体の他方の面に設けられ、波長が380nm〜780nmの光に対する平均反射率が3.5%以下である裏面層とを有することを特徴とする。
前記裏面層は1又は複数の層からなり、前記1又は複数の層のうち空気と接する最外層の屈折率nが1.20〜1.51であり、前記最外層の膜厚が(550/(4n))±40nmの範囲内であることが好ましい。前記支持体を二軸延伸した後に、前記易接着層及び裏面層が設けられることが好ましい。
本発明のプリズムシートは、上記記載のプリズムシート用積層フィルムの前記易接着層にプリズム層を設けることを特徴とする。本発明の表示装置は、上記記載のプリズムシート用積層フィルムを搭載することを特徴とする。
本発明によれば、カルボジイミド構造を複数個有する化合物を含有する易接着層を支持体の一方の面に設けることで、多種多様なプリズム層に対して充分な接着性を得ることができるとともに、また、波長が380nm〜780nmの光に対する平均反射率が3.5%以下である裏面層を支持体の他方の面に設けることで、輝度向上特性も得ることができる。
図1に示すように、本発明のプリズムシート用積層フィルム10は、支持体11と、支持体11の一方の面に形成される易接着層12と、支持体11の他方の面に形成される裏面層13とから構成される。
図2に示すように、本発明のプリズムシート15は、図1に示すプリズムシート用積層フィルム10の易接着層12の上に、プリズム層14を形成することで、構成されている。
[支持体]
支持体11は、ポリエステルからなるポリエステル系基材フィルムである。ポリエステルとしては、特に制限はなく、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレートなどを用いることができる。これらの中でコストや機械的強度の観点からポリエチレンテレフタレートが好ましい。
支持体11は、機械的強度を向上させるために、延伸を行ったものであることが好ましい。特に二軸延伸したものが好ましい。延伸倍率には特に制限はないが1.5〜7倍が好ましく、より好ましくは2〜5倍程度である。特に縦横方向に同じ倍率で、例えば2〜5倍程度延伸することが好ましい。延伸倍率がこれより小さいと充分な機械的強度が得られず、逆に大きすぎると均一な厚みを得ることが難しくなる。
支持体11の厚みは20〜400μmが好ましく、より好ましくは35〜350μmであり、さらに好ましくは50〜250μm程度である。厚みが20μmより小さいものは腰がないため取り扱いにくく、厚みが400μmを超えるものは表示装置の小型化の妨げとなるだけでなくコスト上も不利となる。
[易接着層]
易接着層12は、支持体11との易接着性を重視した第一層12a、プリズム層14との易接着性を重視した第二層12bからなる二層構成とされる。易接着層12の膜厚(第一層12a及び第二層12bの総膜厚)は20〜300nmが好ましく、より好ましくは40〜200nm程度である。20nm未満ではプリズム層14との十分な接着性能が得られず、300nmを超えると光干渉による着色が問題となる。
第一層12aには、支持体11に対して親和性を有するポリエステル樹脂などのバインダが含まれる。ポリエステル樹脂とは主鎖にエステル結合を有するポリマーの総称であり、通常、ジカルボン酸とジオールの反応で得られる。ジカルボン酸としては例えばフマル酸、イタコン酸、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などがあり、ジオールとしては例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ヘキサントリオールなどがある。ポリエステル樹脂およびその原料については例えば「ポリエステル樹脂ハンドブック」(滝山栄一郎著、日刊工業新聞社、昭和63年発行)に記載されている。さらに好ましくは、ナフタレンジカルボン酸をジカルボン酸成分として使用したものがよい。ナフタレン環を含有することにより、塗工層としての屈折率の向上が可能で、二層構成時の光干渉による着色を軽減することができる。また、支持体11のオリゴマー析出を防止する効果が得られる。
第二層12bにはプリズム層14に対して親和性を有するバインダが含まれている。プリズム層14にはアクリル系の紫外線硬化樹脂が多く含まれるため、これに親和性のあるアクリル樹脂、さらにはポリウレタン樹脂を第二層12bのバインダとすることが好ましい。またアクリル樹脂とポリウレタン樹脂をブレンドしたものを第二層12bのバインダとすることが好ましい。
アクリル樹脂とはアクリル酸、メタクリル酸及びこれらの誘導体を成分とするポリマーである。具体的には、例えばアクリル酸、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、アクリルアミド、アクリロニトリル、ヒドロキシルアクリレートなどを主成分としてこれらと共重合可能なモノマー(例えばスチレン、ジビニルベンゼンなど)を共重合したポリマーである。
ポリウレタン樹脂とは主鎖にウレタン結合を有するポリマーの総称であり、通常ポリイソシアネートとポリオールの反応によって得られる。ポリイソシアネートとしては、TDI、MDI、NDI、TODI、HDI、IPDIなどがあり、ポリオールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ヘキサントリオールなどがある。
さらに、本発明のイソシアネートとしてはポリイソシアネートとポリオールの反応によって得られたポリウレタンポリマーに鎖延長処理をして分子量を増大させたポリマーも使用することができる。以上述べたポリイソシアネート、ポリオール及び、鎖延長処理については例えば「ポリウレタン樹脂ハンドブック」(岩田敬治編、日刊工業新聞社、昭和62年発行)に記載されている。
第一層12a及び第二層12bのバインダとしては、上記のポリマーを有機溶剤に溶解して用いてもよいし、水分散物を用いてもよい。また、環境負荷を抑えるために、水分散物を用いて水系塗布することが好ましい。水分散物としては下記のような市販ポリマーを用いてもよい。スーパフレックス830、460、870、420、420NS(第一工業製薬(株)製ポリウレタン)、ハイドランAP-40F、WLS-202、HW-140SF(大日本インキ化学工業(株)製ポリウレタン)、オレスターUD500、UD350(三井化学(株)製ポリウレタン)、ジュリマーET325、ET410、SEK301(日本純薬(株)製アクリル)、ボンコートR3380E、SFA-33(大日本インキ化学工業(株)製アクリル)、ネオクリルXK-12、XK-220(楠本化成(株)製アクリル)、ファインテックスES650、ES2200(大日本インキ化学工業(株)製ポリエステル)、バイロナールMD1400、MD1480(東洋紡(株)製ポリエステル)、プラスコートZ-221、Z-561、Z-730、RZ-142、Z-687(互応化学工業(株)製ポリエステル)。
第一層12a及び第二層12bのバインダとして用いるポリマーの分子量には特に制限はないが、通常重量平均分子量で2000から1000000程度のものが好ましい。重量平均分子量が2000未満のものは塗布層の強度が不充分になる場合があり、1000000を超えるものは塗布面状が悪い場合がある。
易接着層12(第一層12a及び第二層12b)には、分子内にカルボジイミド構造を複数個有する化合物(以下「カルボジイミド系化合物」と称する)が含まれる。カルボジイミド系化合物としては、分子内に複数のカルボジイミド基を有する化合物であれば、特に制限なく使用することができる。易接着層12にカルボジイミド系化合物を含有することで、ポリエステルフィルムのカルボキシル基末端との反応性に優れるのみならず、プリズム層14との易接着性が向上する。これは、易接着層12の弾性率低下によると推定される。
ポリカルボジイミドは、通常、有機ジイソシアネートの縮合反応により合成される。ここで分子内にカルボジイミド構造を複数有する化合物の合成に用いられる有機ジイソシアネートの有機基は特に限定されず、芳香族系、脂肪族系のいずれか、あるいはそれらの混合系も使用可能であるが、反応性の観点から脂肪族系が特に好ましい。
合成原料としては、有機イソシアネート、有機ジイソシアネート、有機トリイソシアネート等が使用される。有機イソシアネートの例としては、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート、及び、それらの混合物が使用可能である。
具体的には、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4−ジフェニルジメ
チルメタンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート等が用いられ、また、有機モノイソシアネートとしては、イソホロンイソシアネート、フェニルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ナフチルイソシアネート等が使用される。また、本発明に用いうるカルボジイミド系化合物は、例えば、カルボジライトV−02−L2、V−02、V−04(日清紡(株)製)などの市販品として入手可能である。
カルボジイミド系化合物は易接着層12のバインダに対して1〜200質量%の範囲で添加することが好ましく、5〜100質量%の範囲で添加することがより好ましい。添加量が1質量%より少ないと充分な易接着性が得られず、200質量%を超えると塗布面状が悪化する場合がある。
[裏面層]
裏面層13は、一又は複数の層から構成される。裏面層13が一層の場合はその層又は裏面層13が複数層の場合は空気と接する層(以下「最外層」という)が、反射防止の観点から、以下の特性を有していることが好ましい。裏面層13では、波長が380nm〜780nmの光に対する平均反射率が3.5%以下であることが好ましい。裏面層13の平均反射率を3.5%以下にすることで、十分な低反射性能を得ることができる。これに対して、裏面層13の平均反射率が3.5%を超える場合には、十分な低反射性能が得られない。
最外層の屈折率nは1.20〜1.51の範囲内にあることが好ましく、1.28〜1.50の範囲内にあることがより好ましい。最外層の屈折率nを前記範囲内にすることで、十分な低反射性能を得ることができる。これに対して、屈折率nを1.20未満にすることは技術的に困難である。一方、屈折率nが1.51を超える場合には十分な低反射性能が得られない。
最外層の膜厚は(550/(4n))±40nmの範囲内が好ましく、より好ましくは(550/(4n))±30nmの範囲内である。最外層の膜厚を前記範囲内にすることで、着色を生じさせることなく、十分な低反射性能を得ることができる。これに対して、最外層の膜厚が(550/(4n))+40nmを超える場合には、可視光領域(380nm〜780nm)において、十分な低反射性能が得られない上、顕著な着色が生じる。一方、最外層の膜厚が(550/(4n))−40nm未満の場合には、最外層の膜厚が(550/(4n))+40nmを超える場合と同様に、十分な低反射性能が得られない上、顕著な着色が生じる。
最外層のバインダとしては、低屈折率素材が好ましく、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂等が好適に用いることができる。また、上記樹脂の複合樹脂、例えば、コア・シェル構造をとった樹脂等も好適に用いることができる。
アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂は、易接着層12のバインダに使用することができるものが用いられるが、低屈折率化の観点から、芳香環、複素環構造を含まないものが好ましい。
ポリオレフィン樹脂とは、オレフィン由来の構成単位を50質量%以上含有する樹脂であり、例えばエチレン、プロピレン等のオレフィンの単独重合体や共重合体、エチレン、プロピレンを主成分とするオレフィンとその他のα−オレフィンとの共重合体、オレフィンとアクリル酸やマレイン酸等のカルボン酸含有モノマーの(多元)共重合体、これら重合体のカルボン酸含有モノマーないし、その無水物による変性物が挙げられる。具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン三元共重合体、エチレン、プロピレン、ブチレン等のオレフィンとアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等の不飽和モノカルボン酸類、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸、無水マレイン酸、無水フマル酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸無水物等の共重合体、またはこれらを用いてグラフト変性した樹脂が挙げられる。これらは公知の重合法、重合触媒、変性法により製造される樹脂である。また、ポリオレフィン樹脂は、例えば、ケミパールS−120、S75N、M200(三井化学(株)製)、ハイテックS−3121、S−3148(東邦化学(株)製)などの市販品として入手可能である。
易接着層12及び裏面層13には、必要に応じてマット剤、界面活性剤、滑り剤などを含有してもよい。
易接着層12及び裏面層13に含有させるマット剤としては、有機又は無機の微粒子のいずれでもよい。たとえばポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、シリコーン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などのポリマー微粒子やシリカ、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウムなどの無機微粒子を用いることができる。これらの中でポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、シリカはすべり性改良効果、コストの観点から好ましい。
マット剤の平均粒径は0.01〜12μmが好ましく、より好ましくは0.03〜9μmの範囲である。平均粒径が0.01μm未満になるとすべり性改良効果が不充分になり、12μmを超えると表示装置の表示品位の低下をきたす場合がある。また平均粒径の異なるマット剤を2種類以上用いることもできる。
マット剤の添加量は、平均粒径によっても異なるが、0.1〜30mg/mが好ましく、より好ましくは0.5〜20mg/mの範囲である。添加量が0.1mg/m以下ではすべり性改良効果が不充分になる場合があり、30mg/mを超えると表示装置の表示品位の低下をきたす場合がある。
易接着層12及び裏面層13に含有させる界面活性剤としては、公知のアニオン系、ノニオン系、カチオン系の界面活性剤を用いることができる。界面活性剤については例えば「界面活性剤便覧」(西 一郎、今井 怡知一郎、笠井 正蔵編 産業図書(株) 1960年発行)に記載されている。界面活性剤の添加量としては0.1〜30mg/mが好ましく、より好ましくは0.2〜10mg/mの範囲である。添加量が0.1mg/m未満であるとハジキが発生する場合があり、30mg/mを超えると面状が悪化する場合がある。
易接着層12及び裏面層13に用いることができる滑り剤としては、合成又は天然ワックス、シリコーン化合物、R-O-SOM(ただしRは置換又は無置換のアルキル基、アルキル基の炭素数は3から20の整数、Mは一価の金属原子を表す)。
すべり剤の具体例としてはセロゾール524、428、732-B、920、B-495、ハイドリンP-7、D-757、Z-7-30、E-366、F-115、D-336、D-337、ポリロンA、393、H-481、ハイミクロンG-110F、930、G-270(以上中京油脂(株)製)、ケミパールW100、W200、W300、W400、W500、W950(以上三井化学(株)製)などのワックス系、KF‐412、413、414、393、859、8002、6001、6002、857、410、910、851、X−22−162A、X−22−161A、X−22−162C、X−22−160AS、X−22−164B、X−22−164C、X−22−170B、X−22−800、X−22−819、X−22−820、X−22−821、(以上信越化学工業(株))などのシリコーン系、C16H33−O−SO3Na、C18H37−O−SO3Naなどの上記一般式で表される化合物などを挙げることができる。これらのすべり剤は0.1から50mg/mの範囲で添加することが好ましく、1〜20mg/mの範囲で添加することがより好ましい。添加量が少ないとすべり性が不充分になる場合があり、逆に多すぎると面状の悪化が起こる場合がある。
[プリズム層]
プリズム層14は液晶ディスプレイのバックライトユニットの輝度を向上させるために設けられるものであり、アクリル系の紫外線硬化樹脂などが用いられ、表面にはプリズム層パターンが形成されている。紫外線硬化樹脂の例としては、2,4−ジブロモフェニル(メタ)アクリレート、2,3,5−トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルペンタエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビズ(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル)プロパン、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)スルフォン、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)スルフォン、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル)スルフォン、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル)スルフォン、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジメチルフェニル)スルフォン、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)スルフィド、ビス(メタクロイルチオフェニル)スルフォイド、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)スルフィド、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル)スルフィド、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル)スルフィド、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジメチルフェニル)スルフィド、ジ((メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フォスフェート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フォスフェート等の多官能(メタ)アクリル化合物等が挙げられる。これらは、単独または2種以上を混合して使用することもできる。
[易接着層及び裏面層の塗設方法]
易接着層12及び裏面層13を支持体11に対して塗設する方法には特に制限はなく、例えば、バーコーター塗布、スライドコーター塗布などの公知の方法が用いられる。塗布溶媒も水、トルエン、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトンなど、及びこれらの混合系などの水系、有機溶剤系の塗布溶剤を用いることができる。これらのうちで水を塗布溶媒として用いる方法は、コスト及び製造の簡便さを考えると好ましい。
塗布は、横延伸後の支持体11の耳部の回収を可能にするため、二軸延伸した後に行う。易接着層12の第二層12bは、第一層12aと同時に塗布して乾燥してもよいし、第一層12aを塗布乾燥した後に塗布してもよい。また、裏面層13を二層構造にした場合にも、易接着層12と同様の塗布を行う。
なお、上記実施形態では、易接着層を第一層及び第二層の二層構造で構成したが、これに限らず、複数の層又は単層であってもよい。例えば、易接着層を単層で構成する場合、バインダとして、二層構成時の第一層のバインダ又は第二層のバインダのいずれか一方を用いてもよく、また、第一層のバインダと第二層のバインダをブレンドしたものを用いても良い。また、易接着層を単層で構成した場合であっても、上記実施形態で示したカルボジイミド系化合物、マット剤、界面活性剤、及び滑り剤などを含有させることが好ましい。
[実施例1]
以下の実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[支持体]
Ge化合物を触媒として重縮合した固有粘度0.66のポリエチレンテレフタレート(以下「PET」という)樹脂を含水率50ppm以下に乾燥させ、ヒータ温度が280〜300℃設定温度の押し出し機内で溶解させた。溶解させたPET樹脂をダイ部より静電印加されたチルロール上に吐出させ、非結晶ベースを得た。得られた非結晶ベースをベース走行方向に3.1倍に延伸後、幅方向に3.8倍延伸し、厚さ188μmのPET支持体を得た。
[易接着層]
上記PET支持体(屈折率1.66)の一方の面にコロナ放電処理を施し、下記組成からなる易接着層用第一層塗布液Xをバーコート法により支持体上に塗布した。塗布量を7.1cc/mとし、185℃で1分乾燥した。これにより、支持体上に易接着層の第一層を形成した。
[易接着層用第一層塗布液X]
ポリエステル樹脂バインダ 45.1質量部
(互応化学(株)製、プラスコート Z-687、固形分25%)
カルボジイミド構造を複数個有する化合物 15.8質量部
(日清紡(株)製、カルボジライトV-02-L2、固形分40%)
オキサゾリン化合物 7.0質量部
(日本触媒(株)製、エポクロスK2020E、固形分40%)
界面活性剤A 12.7質量部
(日本油脂(株)、ラピゾールB-90の1%水溶液、アニオン性)
界面活性剤B 15.5質量部(三洋化成工業(株)、ナロアクティー CL-95の1%水溶液、ノニオン性)
蒸留水 全体が1000質量部になるよう添加
易接着層の第一層の形成に引き続いて、第一層上にコロナ放電処理を施した。そして、下記組成からなる易接着層用第二層塗布液Yをバーコート法により第一層上に塗布した。塗布量を7.1cc/mとし、165℃で1分乾燥した。これにより、支持体上に易接着層の第二層を形成した。
[易接着層用第二層塗布液Y]
ポリウレタン樹脂バインダ 22.8質量部
(三井化学(株)製、オレスター UD-350、固形分38%)
アクリル樹脂バインダ 2.6質量部
(ダイセル化学工業(株)製、EM48D、固形分 27.5%)
カルボジイミド構造を複数個有する化合物 4.7質量部
(日清紡(株)製、カルボジライトV-02-L2、固形分40%)
界面活性剤A 12.7質量部
(日本油脂(株)製、ラピゾールB-90の1%水溶液、アニオン性)
界面活性剤B 15.5質量部
(三洋化成工業(株)製、ナロアクティーCL-95の1%水溶液、ノニオン性)
シリカ微粒子分散液 1.6質量部
(日本アエロジル(株)製、アエロジルOX-50の水分散物、固形分10%)
コロイダルシリカ 3.5質量部
(日産化学工業(株)製、スノーテックスXL、固形分40.5%)
すべり剤 1.6質量部(中京油脂(株)製、カルナバワックス分散物セロゾール524 固形分30%)
蒸留水 全体が1000質量部になるよう添加
[裏面層]
支持体の一方の面に易接着層を形成した後、その他方の面に下記組成からなる裏面層用塗布液Aをバーコート法により塗布した。塗布量を7.1cc/mとし、175℃で1分乾燥した。これにより、易接着層が形成された面とは反対側に、裏面層が形成された。
[裏面層用塗布液A]
アクリル樹脂バインダ 42.6質量部
(ダイセル化学工業(株)製、EM48D、固形分 27.5%)
カルボジイミド構造を複数個有する化合物 4.8質量部
(日清紡(株)製、カルボジライトV-02-L2、固形分40%)
界面活性剤A 15.8質量部
(日本油脂(株)、ラピゾールB-90の1%水溶液、アニオン性)
界面活性剤B 15.8質量部
(三洋化成工業(株)、ナロアクティー CL-95の1%水溶液、ノニオン性)
シリカ微粒子分散液 1.9質量部
(日本アエロジル(株)製、アエロジルOX-50の水分散物、固形分10%)
コロイダルシリカ 0.8質量部
(日産化学工業(株)製、スノーテックスXL、固形分40.5%)
すべり剤 1.9質量部
(中京油脂(株)製、カルナバワックス分散物セロゾール524 固形分30%)
蒸留水 全体が1000質量部になるよう添加
[プリズム層]
易接着層及び裏面層を支持体に形成した後、易接着層側に下記プリズム層塗工液をバーコート法により#24バーで塗工した。そして、60℃で3分乾燥を行った後に、プリズム層パターンを形成した金型をプリズム層塗工面に押し当て、支持体側からUV光(ウシオ電機(株)製メタルハライドランプUVL−1500M2)を2000mJ/cmの条件で照射し、樹脂を硬化させた。前記金型から支持体を引き剥がすことで、頂角90°、ピッチ50μm、高さが28μmのプリズム層を形成した。
[プリズム層塗工液]
下記[化1]に示す化合物 34.3質量部
下記[化2]に示す化合物 13.7質量部
下記[化3]に示す化合物 13.7質量部
下記[化4]に示す化合物 6.9質量部
下記[化5]に示す化合物 1.4質量部
メチルエチルケトン 15.0質量部
プロピレングリコールモノメチルアセテート 15.0質量部
Figure 2009199001
Figure 2009199001
Figure 2009199001
Figure 2009199001
Figure 2009199001
[実施例2]
実施例1と同様に、易接着層の第一層及び第二層をPET支持体の一方の面に形成した。その後、PET支持体の他方の面に対して、コロナ放電処理を施し、下記組成からなる裏面層用塗布液Bをバーコート法により塗布した。塗布量を7.1cc/mとし、185℃で1分乾燥した。これにより、易接着層が形成された面とは反対側に、裏面層の第一層が形成された。
[裏面層用塗布液B]
ポリエステル樹脂バインダ 58.0質量部
(互応化学(株)製、プラスコート Z-687、固形分25%)
カルボジイミド構造を複数個有する化合物 7.1質量部
(日清紡(株)製、カルボジライトV-02-L2、固形分40%)
界面活性剤A 12.7質量部
(日本油脂(株)、ラピゾールB-90の1%水溶液、アニオン性)
界面活性剤B 15.5質量部
(三洋化成工業(株)、ナロアクティー CL-95の1%水溶液、ノニオン性)
蒸留水 全体が1000質量部になるよう添加
次に、裏面層の第一層を形成した後に、その裏面層の第一層に対して、コロナ放電処理を行い、上記裏面層塗布液Aをバーコート法により塗布した。塗布量を7.1cc/mとし、165℃で1分乾燥した。これにより、裏面層の第一層上に裏面層の最外層を形成した。そして、易接着層、裏面層の第一層及び最外層を支持体に形成した後、実施例1と同様に、易接着層上にプリズム層を形成した。
[実施例3]
裏面層用塗布液Aに代えて、下記組成からなる裏面層塗布液Cを用いた以外は、実施例1と同様に各層を形成した。
[裏面層用塗布液C]
ポリオレフィン樹脂バインダ 42.3質量部
(三井化学(株)製、ケミパールS-120、固形分 27%)
エポキシ化合物 162.4質量部
(ナガセ化成(株)製、デナコールEX-614Bの1%水溶液)
界面活性剤A 11.0質量部
(日本油脂(株)、ラピゾールB-90の1%水溶液、アニオン性)
界面活性剤B 13.4質量部
(三洋化成工業(株)、ナロアクティー CL-95の1%水溶液、ノニオン性)
シリカ微粒子分散液 1.4質量部
(日本アエロジル(株)製、アエロジルOX-50の水分散物、固形分10%)
コロイダルシリカ 0.5質量部
(日産化学工業(株)製、スノーテックスXL、固形分40.5%)
すべり剤 1.4質量部
(中京油脂(株)製、カルナバワックス分散物セロゾール524 固形分30%)
蒸留水 全体が1000質量部になるよう添加
[実施例4]
裏面層用塗布液Aに代えて、裏面層用塗布液Cを用いた以外は、実施例2と同様に各層を形成した。
[比較例1]
実施例1と同様に、易接着層の第一層及び第二層をPET支持体の一方の面に形成した。その後、実施例1と同様に、易接着層上にプリズム層を形成したものの、上記実施例1〜4のように裏面層の形成は行わなかった。
[比較例2]
裏面層用塗布液Aに代えて、下記組成からなる裏面層塗布液Dを用いた以外は、実施例1と同様に各層を形成した。
[裏面層用塗布液D]
ポリエステル樹脂バインダ 49.1質量部
(互応化学(株)製、プラスコート Z-561、固形分25%)
カルボジイミド構造を複数個有する化合物 4.7質量部
(日清紡(株)製、カルボジライトV-02-L2、固形分40%)
界面活性剤A 12.7質量部
(日本油脂(株)、ラピゾールB-90の1%水溶液、アニオン性)
界面活性剤B 15.5質量部
(三洋化成工業(株)、ナロアクティー CL-95の1%水溶液、ノニオン性)
シリカ微粒子分散液 1.6質量部
(日本アエロジル(株)製、アエロジルOX-50の水分散物、固形分10%)
コロイダルシリカ 0.6質量部(日産化学工業(株)製、スノーテックスXL、固形分40.5%)
すべり剤 1.6質量部
(中京油脂(株)製、カルナバワックス分散物セロゾール524 固形分30%)
蒸留水 全体が1000質量部になるよう添加
[比較例3]
裏面層用塗布液Aに代えて、下記組成からなる裏面層塗布液Eを用いた以外は、実施例1と同様に各層を形成した。
[裏面層用塗布液E]
アクリル樹脂バインダ 19.8質量部
(ダイセル化学工業(株)製、EM48D、固形分 27.5%)
カルボジイミド構造を複数個有する化合物 2.7質量部
(日清紡(株)製、カルボジライトV-02-L2、固形分40%)
界面活性剤A 7.4質量部
(日本油脂(株)、ラピゾールB-90の1%水溶液、アニオン性)
界面活性剤B 9.0質量部
(三洋化成工業(株)、ナロアクティー CL-95の1%水溶液、ノニオン性)
シリカ微粒子分散液 0.9質量部
(日本アエロジル(株)製、アエロジルOX-50の水分散物、固形分10%)
コロイダルシリカ 0.4質量部
(日産化学工業(株)製、スノーテックスXL、固形分40.5%)
すべり剤 0.9質量部
(中京油脂(株)製、カルナバワックス分散物セロゾール524 固形分30%)
蒸留水 全体が1000質量部になるよう添加
[比較例4]
裏面層用塗布液Aに代えて、下記組成からなる裏面層塗布液Fを用いた以外は、実施例1と同様に各層を形成した。
[裏面層用塗布液F]
アクリル樹脂バインダ 67.2質量部
(ダイセル化学工業(株)製、EM48D、固形分 27.5%)
カルボジイミド構造を複数個有する化合物 9.3質量部
(日清紡(株)製、カルボジライトV-02-L2、固形分40%)
界面活性剤A 25.0質量部
(日本油脂(株)、ラピゾールB-90の1%水溶液、アニオン性)
界面活性剤B 30.6質量部(三洋化成工業(株)、ナロアクティー CL-95の1%水溶液、ノニオン性)
シリカ微粒子分散液 3.1質量部
(日本アエロジル(株)製、アエロジルOX-50の水分散物、固形分10%)
コロイダルシリカ 1.3質量部
(日産化学工業(株)製、スノーテックスXL、固形分40.5%)
すべり剤 3.1質量部
(中京油脂(株)製、カルナバワックス分散物セロゾール524 固形分30%)
蒸留水 全体が1000質量部になるよう添加
[評価]
上記実施例1〜4及び比較例1〜4で得られたプリズムシートについて、以下の評価を行った。
[易接着層及び裏面層の膜厚]
まず、裏面層がないプリズムシート用積層フィルム(比較例1で得られたフィルム)の膜厚を、透過型電子顕微鏡(JEM2010(日本電子(株)))により倍率200000倍で測定した。
裏面層が1層のみのプリズムシート用積層フィルム(実施例1、3、比較例2〜4で得られたフィルム)の膜厚を、前述と同様に、透過型電子顕微鏡で測定した。この測定で得られた膜厚から、前述の裏面層がないプリズムシート用積層フィルムの膜厚を差し引くことにより、裏面層の膜厚を求めた。
裏面層が2層のプリズムシート用積層フィルム(実施例2及び4で得られたフィルム)については、まず、裏面層の第一層を形成した後の膜厚を、前述と同様に、透過型電子顕微鏡で測定した。この測定で得られた膜厚から、前述の裏面層がないプリズムシート用積層フィルムの膜厚を差し引くことにより、裏面層の第一層の膜厚を求めた。次に、裏面層の最外層を形成した後の膜厚を、前述と同様に、透過型電子顕微鏡で測定した。この測定で得られた膜厚から、裏面層の第一層の膜厚を差し引くことにより、裏面層の最外層の膜厚を得た。
[塗工層の屈折率]
シリコンウエハ上に、裏面層用塗布液A〜Fを乾燥膜厚が3〜4μmになるように塗布し、105℃で10分乾燥した。この試料につきSPA−400(Sairon Technology,Inc.社製)を用いて、波長660nm、850nm、1310nm、1550nmでプリズムカプラ法にて屈折率測定を行った。これら屈折率、波長よりセルメイヤーの式から550nmの屈折率を求めた。
[裏面反射率]
裏面層を有するプリズムシート用積層フィルムに対して、易接着層側にマジックインキ(artline 油性マーカー補充インキKR−20クロ、shachihata(株)製)を塗工し、乾燥させて、500nmの光の透過率が1%以下となる前処理サンプルを作成した。そして、分光光度計(日本分光(株)製V−550)及び絶対反射率測定装置(日本分光(株)製ARV−474)を使用して、入射角5°、波長範囲380〜780nm、サンプリングピッチ1nm、スリット幅1nm、スキャン速度200nm/分、レスポンスMediumの条件で上記前処理サンプルの裏面層側の絶対反射率を測定するとともに、380〜780nmの絶対反射率の平均値を求めた。
[全光線透過率]
ヘイズメーター(NDH−2000、日本電色工業(株))を用い、JIS−K−7105に準じて、全光線透過率及びヘイズ値を測定した。
[輝度]
反射シート、冷陰極管、及び拡散板で構成される液晶テレビ用直下型バックライトユニットの拡散板の上に、プリズムシート用積層フィルムを載せ、色彩輝度計(BM−7、トプコンテクノハウス(株)製)を用いて、プリズム層側の正面輝度を測定した。プリズムシート用積層フィルムを載せないで測定した場合の輝度を100%とし、載せた場合の輝度上昇率を下記基準で評価した。
○:輝度上昇率が152%以上
△:輝度上昇率が150%以上152%未満
×:輝度上昇率が150%未満
[プリズム層との接着性]
プリズム層の表面に片刃カミソリを用いて縦、横それぞれ6本ずつのキズをつけて25個の桝目を形成した。なお、キズの幅は縦、横とも3mmであった。この上に、セロハンテープ(ニチバン(株)製405番、24mm幅)を貼り付けた上からケシゴムでこすって完全に付着させた。この後、90度方向に剥離して剥離した桝目を数え、剥離した桝目数に応じて下記ランク付けを行った。
Aランク:剥れなし
Bランク:剥離した桝目数が1未満
Cランク:剥離した桝目数が1以上3未満
Dランク:剥離した桝目数が3以上20未満
Eランク:剥離した桝目数が20以上
なお、プリズム形状を形成すると剥離用のセロハンテープとプリズム層との間の接着力が低下するため、充分な接着性を評価しにくい。そこで、強制条件としてプリズム形状を形成させずに接着性の評価を行っている。
[結果]
上記評価による結果を以下の表1に示す。
Figure 2009199001
表1に示すように、実施例1〜4では、裏面平均反射率を3.5%以下にすることにより、輝度上昇率が152%以上に向上した。
これに対して、比較例1では、裏面層が無いため、実施例1〜4の場合と比較して輝度向上特性が良くなかった。また、比較例3では、実施例1〜4と比較して膜厚が小さいため、輝度向上特性が良くなかった。また、比較例4では、実施例1〜4と比較して裏面最外層の膜厚が大きいため、輝度向上が良くなかった。また、比較例2では、実施例1〜4と比較して裏面最外層の屈折率が大きいため、輝度向上特性が良くなかった。
プリズムシート用積層フィルムの要部断面図である。 プリズムシートの要部断面図である。
符号の説明
10 プリズムシート用積層フィルム
11 支持体
12 易接着層
12a 第一層
12b 第二層
13 裏面層
14 プリズム層
15 プリズムシート

Claims (5)

  1. 二軸延伸ポリエステルからなる支持体と、
    前記支持体の一方の面に設けられ、カルボジイミド構造を複数個有する化合物を含有する易接着層と、
    前記支持体の他方の面に設けられ、波長が380nm〜780nmの光に対する平均反射率が3.5%以下である裏面層とを有することを特徴とするプリズムシート用積層フィルム。
  2. 前記裏面層は1又は複数の層からなり、前記1又は複数の層のうち空気と接する最外層の屈折率nが1.20〜1.51であり、前記最外層の膜厚が(550/(4n))±40nmの範囲内であることを特徴とする請求項1記載のプリズムシート用積層フィルム。
  3. 前記支持体を二軸延伸した後に、前記易接着層及び裏面層が設けられることを特徴とする請求項1または2記載のプリズムシート用積層フィルム。
  4. 請求項1ないし3いずれか1項記載のプリズムシート用積層フィルムの前記易接着層にプリズム層が設けられていることを特徴とするプリズムシート。
  5. 請求項1ないし3いずれか1項記載のプリズムシート用積層フィルムを搭載することを特徴とする表示装置。
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