JP2001055527A - 着色被膜およびその被膜形成法 - Google Patents
着色被膜およびその被膜形成法Info
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Abstract
シリカ系ガラス基板の反りを抑制し、被膜の光散乱、白
濁の発生を抑え、堅固な被膜を形成する。 【解決手段】 透明基板の少なくとも片面に形成した、
Si−アルコキシドを前駆体とするシリカおよびコロイダ
ルシリカからなるSiO2系ベースマトリックス中に、着色
性金属塩を前駆体とする着色金属酸化物を析出、分散さ
せた着色被膜であって、Si−アルコキシドにおけるSi
(Si-a)とコロイダルシリカにおけるSi(Si-c)の各Si
モル比 Si-c/Si-aが、0.4〜1.0であり、前記Siの総モ
ル数 T-Siと着色金属酸化物の金属の総モル数ΣMiとの
金属モル比 ΣMi/T-Siが、0.1〜2である着色被膜、お
よび該被膜の形成法。
Description
ーダ石灰シリカ系ガラス板に形成する着色被膜、および
その被膜形成法に関する。前記着色被膜を形成すること
により、美装性を与えたり、透明基板の可視光の透過を
適度に抑制したり、プライバシー性を付与したり、日射
や紫外線の透過を抑制したりするもので、該被膜形成基
板は、建築、構築物や車両等輸送機器の窓材や、表示装
置の窓材として好適に採用されるものである。
キシド)と、他の金属無機塩との混合溶液を用いて被膜
を形成することは公知であり、例えば特開昭62−158136
号公報には、導電膜付ガラス等におけるアルカリガラス
基板のアルカリ拡散を抑制する膜で、Si−アルコキシド
を出発原料とするシリカゾルと、リン化合物と、Al、C
r、Mo、Fe、またはSnの有機溶媒に可溶性の化合物(塩
化物、酢酸塩など)のいずれか1種以上を混合した溶液
を、基板に塗布、熱処理し、膜形成することが、或いは
特開昭63−124331号公報には、ブラウン管に防眩、帯電
防止膜を形成するうえで、Si−アルコキシド等を元とす
るシリカゾル溶液に、Fe、Co、Ni、Cu等のハロゲン化
物、硝酸塩、または硫酸塩のいずれか1種以上の化合物
を添加し、これをブラウン管にスプレー、熱処理するこ
とが開示されている。但しこれらは本発明が一目途とす
る着色美装性を付与したり、可視光、日射、紫外線等を
抑制したりすることとは異なる。
号公報には、Si−アルコキシドと、Cu、Mn、Crの少なく
とも3種の着色性金属塩、および溶媒を含み、前記着色
性金属塩の相互の金属モル%を特定範囲に調製した灰色
着色膜形成用塗装液、および前記着色膜形成用塗装液を
透明無着色基板に塗布、熱処理し、灰色着色塗膜を形成
することが開示されている。該公知例は可視光、日射等
の抑制を目途とするものであるが、開示される成分組成
においては透明基板、特にソーダ石灰シリカ系ガラス板
に被膜形成した場合、基板に反りを与え易い。
コロイダルシリカとを含む混合溶液を用いて被膜を形成
することに関しては、特開昭62− 17044号公報におい
て、光学素子用ガラス表面に、水又は有機溶媒で分散し
たコロイダルシリカに金属(Si、Al等)アルコレートを
混合し、加水分解・部分縮合したゾル溶液を塗布し熱処
理することにより、レーザーダメージに強く、耐摩耗性
の高いガラス質の反射防止膜を形成することが、また、
本出願人の出願にかかる特開平5− 32433号には、ガラ
ス基板に透明金属および透明金属化合物よりなる機能性
積層膜(電磁遮蔽膜、熱線反射膜等)を形成し、その外
面にコロイダルシリカ、オルガノアルコキシシランの部
分縮合物、アルコール−水溶媒を含む組成物を塗布、硬
化し、耐候耐久性、耐擦過性に優れる保護被膜を施すこ
とが、或いは、特開平8− 12943号公報には、オルガノ
アルコキシシランと、熱硬化性樹脂と、有機溶媒および
水と、平均粒径を特定した非水溶性の充填剤(シリカ)
からなり、金属、ガラス、セラミックス、プラスチック
ス等に耐アルカリ性、防食性、耐衝撃性等を付与するコ
ーティング用組成物が開示されている。これらは、本発
明における着色美装性を付与し、可視光透過率等を抑制
したりすることとは異なる。
るいはそれに基づくシリカゾルや、着色性金属塩を含む
塗装液を基板に塗布し、これを熱処理するに際して、前
記アルコキシ基構造におけるシラノール基、アルキル基
等を分解し、緻密なシリカを形成し、また着色性金属塩
を分解し着色金属酸化物結晶を析出、分散させ、従って
堅固な被膜を形成するうえでは 550℃以上、好適には 6
00℃以上の焼成温度を必要とする。
度1014.5ポイズ温度)510〜530℃程度の汎用されるソー
ダ石灰シリカ系ガラスをはじめ、多くのガラスは歪点が
550℃未満であり、焼成温度が歪点を越える程、軟化傾
向を生ずる。
を、前記透明基板に施し、その歪点を越える温度で焼成
した場合、前記塗装膜は焼成過程で収縮(体積が縮小)
し、軟化傾向にある透明基板は前記塗装膜の縮小に伴
い、塗装膜面側に反るという不具合が生ずる。本発明は
上記不具合を解消することを主たる目的とする。
なくとも片面に形成した、Si−アルコキシドを前駆体と
するシリカおよびコロイダルシリカからなるSiO2系ベー
スマトリックス中に、着色性金属塩を前駆体とする着色
金属酸化物を析出、分散させた着色被膜であって、Si−
アルコキシドにおけるSi(Si-a)とコロイダルシリカに
おけるSi(Si-c)の各Siモル比 Si-c/Si-aが、0.4〜1.
0であり、前記Siの総モル数 T-Siと着色金属酸化物の金
属の総モル数ΣMiとの金属モル比 ΣMi/T-Siが、0.1〜
2である着色被膜である。
リカ系ガラスである場合に好適に適用される。なお、上
記コロイダルシリカの平均粒径を10〜20nmの範囲とする
ことが望ましい。好適例として、上記被膜中に、CuOx、
MnOx、CrOx(xは夫々金属の+価数に応じた酸素O-2の数
である)の少なくとも3種の着色金属酸化物、またはそ
れらの複合酸化物を有するものが挙げられる。
る方法であって、着色被膜形成用塗装液を基板に塗布、
乾燥後、 550℃以上で焼成するに際して、前記着色被膜
形成用塗装液がSi−アルコキシドと、コロイダルシリカ
と、着色性金属塩と、溶媒とを含み、塗装液中の総Siモ
ル濃度を0.01〜1.0mol/ltr に調整することによる着色
被膜形成法である。
成基板においては、熱処理に際して基板の反りがなく、
また被膜にムラ、ヘーズ感ばなく、金属塩の選択により
各種所望の色調が得られ、可視光線透過率は広い範囲で
調整可能であるが、特に透過率が30%オーダーまたはそ
れ以下のものを得易く、従ってプライバシー保護性に優
れるものが得られ、相応して日射の透過、紫外線の透過
を抑制することができる。
水分解によるSiシリカゾルも含む)は、基板にガラス質
塗膜を形成するうえで、基板とよく密着し、着色性金属
塩を均一に分散し、また着色金属酸化物の微結晶を均一
に核生成・結晶成長させるうえで不可欠のものである。
Si−アルコキシドとしては、特に特定するものではない
が、原料入手が容易で比較的安価なもの、例えばテトラ
エトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルト
リメトキシシラン等が採用できる。なお、Siの一部を無
着色のB、Ca、Mg、P、Na等と置換することも本発明の
範疇である。
ものを使用することが好ましく、平均10nm以下では焼成
に際する被膜の収縮、それに基づく基板の反りを抑える
ことが困難になる傾向があり、他方、平均20nmを越える
と、シリカ粒による光散乱が目立つようになる。なお、
平均粒径10nmとは、例えば走査電子顕微鏡下で観察し
て、単純平均でサイズ10nmであり、大半の粒子がそのサ
イズの70%〜130%の間に分布することをいい、他の平
均粒径においても同様である。
ロイダルシリカにおけるSi(Si-c)の各Siモル比 Si-c
/Si-aは、0.4〜1.0の範囲とするもので、0.4未満では
上記シルカ粒径とも絡むが、基板の反りを抑制する作用
は小さく、他方1.0を越えるとシリカ粒による光散乱が
目立つようになり、また膜の脆化の傾向が伺える。
i)の総モル濃度は0.01〜1.0mol/ltrとするもので、0.
01mol 未満では十分な厚さの膜が得られずに膜が疎にな
りやすく、一方、1.0molを越えると成膜時に膜が厚くな
りすぎて膜にクラックが発生し易く、均質な膜が得られ
ない。好ましくは 0.05〜0.8mol/ltrとする。また、膜
厚としては、クラックが入らずに十分に目的とする機能
が果たせるように適宜設計すればよいが、焼成後の膜厚
が150nm〜600nmであることが望ましい。
で、水やアルコール溶媒の存在下前記Si−アルコキシド
液中に均一溶解しミクロ的に分散し得る硝酸塩、酢酸
塩、塩化物等を採用するのが望ましい。前記着色を与え
る金属としては、所望の着色を得るべく適宜のものを採
用するものであるが、好適な一例としてはCu塩、Mn塩、
Cr塩の少なくとも3種の着色性金属塩を前駆体とし、Cu
Ox、MnOx、CrOx(xは金属の価数により定まる)よりな
る着色金属酸化物、またはそれらの2種以上の複合酸化
物、例えばCuMnCrOxを析出させ、中性灰色系〜暗灰色系
着色被膜を形成するもので、該被膜付きガラスは可視光
の透過を抑制してプライバシー性を付与し、日射の透過
を抑制して断熱性を向上させ、特に車両用の窓材として
好適に採用できる。
数ΣMiとの金属モル比ΣMi/T-Siは、 0.1〜2とする。
金属モル比ΣMi/T-Siが 0.1未満ではシリカマトリック
スに対して着色性金属の量が少ないために可視光透過率
を適度に抑え、プライバシー性、日射遮蔽性を与えるう
えで不充分である。一方、上記金属モル比2を越えると
膜にヘーズが発生しやすく、良好な透視性が得られな
い。また、シリカを膜中に有することで膜全体の屈折率
を下げることができ、光の干渉によって生ずる膜の反射
や色を抑制するのに有効である。好ましくは 0.2〜1.7
とするのがよい。
水を主成分とする。ここで水は、Si−アルコキシドが数
々の中間生成物を経て、最終的に強固なガラス質膜を形
成する3次元網目構造の構造単位であるシロキサン結合
を作るための反応、つまり加水分解と縮合重合反応に不
可欠なものでもある。またそれらアルコール、水と相溶
性で、塗装液の粘度調整をするうえでのエチルセロソル
ブ、メチルセロソルブ等のセロソルブ類を適宜採用する
のが望ましい。なお、塗装液中の水/Si−アルコキシド
のモル比を10以上とすれば、塗装液を調製後、2週間以
上の長期間放置した後基板に塗装しても、焼付け後の塗
膜に濃淡ムラ、白濁(ヘーズ)が認められず、また、膜
品質が成膜環境の湿度に影響され難くなり、取扱が容易
となる。
石灰シリカ系ガラスの他にも、アルミノ石灰珪酸系ガラ
ス、ほう珪酸アルカリ系ガラス等のガラスに、ロールコ
ート法、浸漬法、フローコート法、スプレー法、スピン
コート法、バーコート法、フレキソ印刷等の塗布手段で
塗布したうえで、乾燥し、更に 550℃以上の温度で焼成
する必要がある。なお、塗布、乾燥後、 600℃以上の焼
成温度で曲げ処理、強化処理、合わせ曲げ処理等を兼ね
て膜形成することもでき、例えば自動車用窓ガラスとし
て好適に採用できる。
において、これらの膜のうち、少なくとも1層を前記着
色被膜によって形成せしめることもできる。
れる濃灰色膜付きガラス(可視光透過率30%前後)の例
を挙げて詳しく説明する。なお、各実施例において着色
性金属塩の種類、その量比を固定しているが、所望の色
調、濃度を得るうえで着色性金属塩の種類、量比は適宜
設定できることはいうまでもない。
をエタノール90gに溶解した後、42gの水と少量の硝酸
を加え、更に全量が 200gになるようにエタノールを添
加した。これを2時間攪拌して加水分解・脱水重合し
て、Si濃度が約1.4mol/ltrのアルコキシドベースのシ
リカゾル液を得た。 コロイダルシリカ液の作製:日産化学工業(株)製のコ
ロイダルシリカゾル液:商品記号IPA−ST(平均粒
径が10〜20nmの範囲内にある)を、Si濃度が約1.4mol/
ltrになるようにエタノールで希釈した。 塗装液の調製:アルコキシドベースシリカゾル液 12
4.4gに、希釈したコロイダルシリカゾル液62.2gを加
えて数分攪拌した。この溶液にCu(NO3)2・3H2O を16.9
g、Mn(NO3)2・6H2O を20.1g、Cr(NO3)3・9H2O を28.0g
を添加、溶解し、更にエタノールを加えて全量を400gと
し、1時間攪拌して各着色金属硝酸塩を溶解した塗装液
とした。各成分比率は以下のとおりである。
シリカのSi(Si-c)とのSiモル比 Si-c/Si-a; 0.5 総Si(T-Si)と総着色金属塩における金属(ΣMi)のモ
ル比 ΣMi/T-Si; 0.75 各着色金属塩の金属モル比; Cu:Mn:Cr=1:1:1
ーダ石灰シリカ系フロートガラス板を洗浄、乾燥させ、
裏面にマスキングテープを貼付けて成膜用基板とした。 成膜:基板を先に調整した塗装液に浸漬し、引上げ速
度6mm/sで引上げ、ディッピング膜を形成した。マス
キングテープを剥離除去した後、 350℃で10分加熱乾燥
し、更にトングスでガラスを鉛直に吊下したうえで、予
め 750℃に設定した加熱炉に移送し、3分間加熱後、冷
却して膜付けを完了した。なお、加熱に際しガラス温度
は 630℃に達した。得られた膜の膜厚は、約350nmであ
った。
可視光透過率、光散乱(ヘーズ値)、板の反り、加傷に
よる傷の有無について測定、観察した。 色調; 所望の濃灰色色調 可視光透過率; 分光透過率測定によるところの可視域
の平均透過率30.5% 光散乱(ヘーズ値); 分光透過率測定により得られた
ヘーズ値△H 0.6%(外観の目視観察においても白濁は
認められず、良好) 反り; 触針式表面粗さ測定器(小坂研究所製、商品名
サーブコーダSE−30H)にて測定、膜面側を凹面とす
る最大反り量0.10mmと軽微(許容できる) 耐加傷性; スチールウールを用い手操作により膜面を
擦過。傷や膜の剥離なし(被膜は堅固であり使用に耐え
得る)
コロイダルシリカのSi(Si-c)とのSiモル比 Si-c/Si-
aを 0.69とした以外は、全く実施例1と同様とした。各
成分比率は以下のとおりである。 塗装液中、総Siモル濃度; 約 0.65mol/ltr 総Si中、Si-c(コロイダルシリカ)/Si-a(アルコキシ
ド)のSiモル比; 0.69 総着色金属塩の金属(ΣMi)/総Si(T-Si) モル比;
0.75 各着色金属塩の金属モル比; Cu:Mn:Cr=1:1:1 (成膜)採用基板、塗布、熱処理条件は実施例1と全く
同様である。得られた膜の膜厚は、約370nmであった。 (各種試験)実施例1同様に各種測定、観察した。 色調; 所望の濃灰色色調 可視光透過率; 可視域の平均透過率 30.8% 光散乱(ヘーズ値); △H 0.6%(外観の目視観察に
おいても白濁は認められず、良好) 反り; 最大反り量0.09mmと軽微(許容できる) 耐加傷性; 実施例1と同一条件になる様留意し、スチ
ールウールで擦過。傷や膜の剥離なし(被膜は堅固であ
り使用に耐え得る)
コロイダルシリカのSi(Si-c)とのSiモル比 Si-c/Si-
aを 1.0とした以外は、全く実施例1と同様とした。各
成分比率は以下のとおりである。 塗装液中、総Siモル濃度; 約 0.65mol/ltr 総Si中、Si-c(コロイダルシリカ)/Si-a(アルコキシ
ド)のSiモル比; 1.0 総着色金属塩の金属(ΣMi)/総Si(T-Si) モル比;
0.75 各着色金属塩の金属モル比; Cu:Mn:Cr=1:1:1 (成膜)採用基板、塗布、熱処理条件は実施例1と全く
同様である。得られた膜の膜厚は、約400nmであった。 (各種試験)実施例1同様に各種測定、観察した。 色調; 所望の濃灰色色調 可視光透過率; 可視域の平均透過率 30.5% 光散乱(ヘーズ値); △H 0.7%(外観の目視観察に
おいても白濁は認められず、良好) 反り; 最大反り量0.08mmと軽微(許容できる) 耐加傷性; 実施例1と同一条件になる様留意し、スチ
ールウールで擦過。傷や膜の剥離なし(被膜は堅固であ
り使用に耐え得る)
た。 塗装液中、総Siモル濃度; 約 0.05mol/ltr 総Si中、Si-c(コロイダルシリカ)/Si-a(アルコキシ
ド)のSiモル比; 0.5 総着色金属塩の金属(ΣMi)/総Si(T-Si) モル比;
1.7 着色金属塩の金属モル比; Cu:Mn:Cr=1:1:1 (成膜)採用基板、成膜条件、熱処理条件は実施例1と
全く同様である。得られた膜の膜厚は、約450nmであっ
た。 (各種試験)実施例1同様に各種測定、観察した。 色調; 所望の濃灰色色調 可視光透過率; 可視域の平均透過率 39.5% 光散乱(ヘーズ値); △H 0.9%(外観の目視観察に
おいても白濁は認められず、良好) 反り; 最大反り量0.13mmと許容できる範囲であった。 耐加傷性; 実施例1と同一条件になる様留意し、スチ
ールウールで擦過。傷や膜の剥離なし(被膜は堅固であ
り使用に耐え得る)
た。 塗装液中、総Siモル濃度; 約 0.80mol/ltr 総Si中、Si-c(コロイダルシリカ)/Si-a(アルコキシ
ド)のSiモル比; 1.0 総着色金属塩の金属(ΣMi)/総Si(T-Si) モル比;
0.2 着色金属塩の金属モル比; Cu:Mn:Cr=1:1:1 (成膜)実施例1同様の片面を洗浄した基板に、スピン
コート法により350回転で30sec間塗膜形成した。熱処理
条件は実施例1と同様にした。得られた膜の膜厚は、約
210nmであった。 (各種試験)実施例1同様に各種測定、観察した。 色調; 所望の濃灰色色調 可視光透過率; 可視域の平均透過率 24.5% 光散乱(ヘーズ値); △H 0.4%(外観の目視観察に
おいても白濁は認められず、良好) 反り; 最大反り量0.05mmと許容できる範囲であった。 耐加傷性; 実施例1と同一条件になる様留意し、スチ
ールウールで擦過。傷や膜の剥離なし(被膜は堅固であ
り使用に耐え得る)
を使用し、コロイダルシリカは使用しなかった以外は、
実施例1と同様とした。各成分比率は以下のとおりであ
る。 塗装液中、総Siモル濃度; 約 0.65mol/ltr 総Si中、Si-c(コロイダルシリカ)/Si-a(アルコキシ
ド)のSiモル比; 0 総着色金属塩の金属(ΣMi)/総Si(T-Si) モル比;
0.75 各着色金属塩の金属モル比; Cu:Mn:Cr=1:1:1 (成膜)採用基板、塗布、熱処理条件は実施例1と全く
同様である。 得られた膜の膜厚は、約340nmであっ
た。 (各種試験)実施例1同様に各種測定、観察した。 色調; 所望の濃灰色色調 可視光透過率; 可視域の平均透過率 32.0% 光散乱(ヘーズ値); △H 0.2%(外観の目視観察に
おいても白濁は認められず、良好) 反り; 最大反り量0.37mm(不可、目視においても反り
が明確) 耐加傷性; 実施例1と同一条件になる様留意し、スチ
ールウールで擦過。傷や膜の剥離なし(被膜は堅固であ
り使用に耐え得る) なお、300mm□のソーダ石灰シリカ系フロートガラス板
に上記塗装液を塗布、熱処理し、得られた膜付きガラス
の反りを測定したところ、膜面側を凹面とする反り量が
約6mmであり、反りが顕著で製品として不適当である。
コロイダルシリカのSi(Si-c)とのSiモル比 Si-c/Si-
aを 0.20とした以外は、全く実施例1と同様とした。各
成分比率は以下のとおりである。 塗装液中、総Siモル濃度; 約 0.65mol/ltr 総Si中、Si-c(コロイダルシリカ)/Si-a(アルコキシ
ド)のSiモル比; 0.20 総着色金属塩の金属(ΣMi)/総Si(T-Si) モル比;
0.75 各着色金属塩の金属モル比; Cu:Mn:Cr=1:1:1 (成膜)採用基板、塗布、熱処理条件は実施例1と全く
同様である。得られた膜の膜厚は、約340nmであった。 (各種試験)実施例1同様に各種測定、観察した。 色調; 所望の濃灰色色調 可視光透過率; 可視域の平均透過率 31.8% 光散乱(ヘーズ値); △H 0.6%(外観の目視観察に
おいても白濁は認められず、良好) 反り; 最大反り量0.26mm(不可、目視においても反り
が明確) 耐加傷性; 実施例1と同一条件になる様留意し、スチ
ールウールで擦過。傷や膜の剥離なし(被膜は堅固であ
り使用に耐え得る)
コロイダルシリカのSi(Si-c)とのSiモル比 Si-c/Si-
aを 1.38とした以外は、全く実施例1と同様とした。各
成分比率は以下のとおりである。 塗装液中、総Siモル濃度; 約 0.65mol/ltr 総Si中、Si-c(コロイダルシリカ)/Si-a(アルコキシ
ド)のSiモル比; 1.38 総着色金属塩の金属(ΣMi)/総Si(T-Si) モル比;
0.75 各着色金属硝酸塩の金属モル比; Cu:Mn:Cr=1:1:
1 (成膜)採用基板、塗布、熱処理条件は実施例1と全く
同様である。得られた膜の膜厚は、約450nmであった。 (各種試験)実施例1同様に各種測定、観察した。 色調; 所望の濃灰色色調 可視光透過率; 可視域の平均透過率 29.4% 光散乱(ヘーズ値); △H 1.7%(外観観察において
僅かに白濁が認められる) 反り; 最大反り量0.06mmと軽微 耐加傷性; 実施例1と同一条件になる様留意し、スチ
ールウールで擦過。僅かに膜に傷が認められる(被膜は
稍弱い)
〜10μmのものを使用した以外は、比較例2と同じ組成
とした。各成分比率は以下のとおりである。 塗装液中、総Siモル濃度; 約 0.65mol/ltr 総Si中、Si-c(コロイダルシリカ)/Si-a(アルコキシ
ド)のSiモル比; 0.20 総着色金属塩の金属(ΣMi)/総Si(T-Si) モル比;
0.75 各着色金属塩の金属モル比; Cu:Mn:Cr=1:1:1 (成膜)採用基板、塗布、熱処理条件は実施例1と全く
同様である。膜厚は330nmであった。 (各種試験)実施例1同様に各種測定、観察した。 色調; 所望の濃灰色色調 可視光透過率; 可視域の平均透過率 28.0% 光散乱(ヘーズ値); △H 2.9%(外観観察において
白濁が認められ、使用上問題がある) 反り; 最大反り量0.18mm(不可) 耐加傷性; 実施例1と同一条件になる様留意し、スチ
ールウールで擦過。傷や膜の剥離なし(使用に耐え得
る)
〜60μmのものを使用した以外は、比較例3と同じ組成
とした。各成分比率は以下のとおりである。 塗装液中、総Siモル濃度; 約 0.65mol/ltr 総Si中、Si-c(コロイダルシリカ)/Si-a(アルコキシ
ド)のSiモル比; 1.38 総着色金属塩の金属(ΣMi)/総Si(T-Si) モル比;
0.75 各着色金属硝酸塩の金属モル比; Cu:Mn:Cr=1:1:
1 (成膜)採用基板、塗布、熱処理条件は実施例1と全く
同様である。膜厚は450nmであった。 (各種試験)実施例1同様に各種測定、観察した。 色調; 所望の濃灰色色調 可視光透過率; 可視域の平均透過率 28.0% 光散乱(ヘーズ値); △H 5.5%(外観観察において
白濁が明白) 反り; 最大反り量0.10mmと少なく使用に耐える 耐加傷性; 実施例1と同一条件になる様留意し、スチ
ールウールで擦過。傷が発生し、使用に耐え得ない 以上のとおり、比較例に示したものは、基板の反りが顕
著であり、または光散乱率が高く、あるいは耐加傷性に
おいて劣る。
カを適量混入することにより、塗装液の焼成に際する基
板、特にソーダ石灰シリカ系ガラス基板の反りを抑制す
ることができ、被膜の光散乱、白濁の発生も抑えられ、
被膜も堅固である。
Claims (2)
- 【請求項1】透明基板の少なくとも片面に形成した、Si
−アルコキシドを前駆体とするシリカおよびコロイダル
シリカからなるSiO2系ベースマトリックス中に、着色性
金属塩を前駆体とする着色金属酸化物を析出、分散させ
た着色被膜であって、Si−アルコキシドにおけるSi(Si
-a)とコロイダルシリカにおけるSi(Si-c)の各Siモル
比 Si-c/Si-aが、0.4〜1.0であり、前記Siの総モル数
T-Siと着色金属酸化物の金属の総モル数ΣMiとの金属モ
ル比 ΣMi/T-Siが、0.1〜2であることを特徴とする着
色被膜。 - 【請求項2】請求項1記載の着色被膜を形成する方法で
あって、着色被膜形成用塗装液を基板に塗布、乾燥後、
550℃以上で焼成するに際して、前記着色被膜形成用塗
装液がSi−アルコキシドと、コロイダルシリカと、着色
性金属塩と、溶媒とを含み、塗装液中の総Siモル濃度を
0.01〜1.0mol/ltr に調整したことを特徴とする着色被
膜形成法。
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-
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JP4624309B2 (ja) * | 2006-01-24 | 2011-02-02 | 三星モバイルディスプレイ株式會社 | 有機電界発光表示装置及びその製造方法 |
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CN104918897A (zh) * | 2013-01-15 | 2015-09-16 | 旭硝子株式会社 | 碱金属阻挡层形成用涂布液及物品 |
JPWO2014112526A1 (ja) * | 2013-01-15 | 2017-01-19 | 旭硝子株式会社 | アルカリバリア層形成用コート液及び物品 |
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