JP3135898B2 - 自己保持機能を持つスイッチング手段の主電流検出手段と自己保持機能を持つスイッチング回路 - Google Patents

自己保持機能を持つスイッチング手段の主電流検出手段と自己保持機能を持つスイッチング回路

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JP3135898B2 JP63305155A JP30515588A JP3135898B2 JP 3135898 B2 JP3135898 B2 JP 3135898B2 JP 63305155 A JP63305155 A JP 63305155A JP 30515588 A JP30515588 A JP 30515588A JP 3135898 B2 JP3135898 B2 JP 3135898B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 第1発明は従来の「自己保持機能を持つスイッチング
手段の主電流検出手段」と検出出力電流の向きを逆にす
ることができる「自己保持機能を持つスイッチング手段
の主電流検出手段」に関する。尚、主電流とは両主端子
間電流のことで、サイリスタで言えばアノード端子・カ
ソード端子間電流のことである。
どちらの主電流検出手段もカレント・ミラー回路を応
用しているが、両主電流検出手段は機能面で相補的な関
係に有り、互いに機能を補い合うことができるので、第
1発明の主電流検出手段が加わることによって従来の主
電流検出手段と合わせて主電流検出出力の仕方の選択肢
が増えて便利になる。
第2発明は第1発明の「自己保持機能を持つスイッチ
ング手段の主電流検出手段」中のスイッチング手段に電
圧駆動型の能動素子手段を接続して全体の主電流容量を
拡大した『自己保持機能を持つスイッチング回路』に関
する。
第3発明は「自己保持機能を持つスイッチング手段」
に「その主電流を検出する主電流検出手段」と電圧駆動
型能動素子手段を接続して全体の主電流容量を拡大した
『自己保持機能を持つスイッチング回路』に関する。
尚、自己保持機能を持つスイッチング手段としては例
えばサイリスタ、GTOサイリスタ、トライアック、サイ
リスタの等価回路などが有り、電圧駆動型の能動素子手
段としては例えばパワーMOS・FET、SIT(静電誘導型ト
ランジスタ)、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラ・トラン
ジスタ、Insulated Gate Bipolar Transistor)等が
有る。
第2、第3発明の各スイッチング回路を例えば直列イ
ンバータ回路を応用した点火回路、特に、内燃機関用点
火回路に使用することができる。
第1発明の背景技術 従来の「自己保持機能を持つスイッチング手段の主電
流検出手段」を第12図(a)〜(c)、第14図(a)〜
(c)に6つ示す。各主電流検出手段ではトランジスタ
1、2の接続体がサイリスタの等価回路もしくはサイリ
スタを構成し、その接続体の主電流の検出に第13図
(a)〜(c)、第15図(a)〜(c)に示す各カレン
ト・ミラー回路を利用している。
先行技術:実開昭55−44690号、特開昭58−50825号。
尚、第12図(a)〜(c)の各主電流検出手段と第14
図(a)〜(c)の各主電流検出手段は互いに電圧極性
あるいは電圧方向に関して対称的な関係に有り、第13図
(a)〜(c)の各カレント・ミラー回路と第15図
(a)〜(c)の各カレント・ミラー回路は互いに電圧
極性あるいは電圧方向に関して対称的な関係に有る。ま
た、第12図(a)〜(c)の各主電流検出手段と第13図
(a)〜(c)の各カレント・ミラー回路ではトランジ
スタ2、3の両エミッタ接合(ベース・エミッタ間PN接
合)が直接あるいは抵抗13あるいは抵抗9、13を介して
並列的に接続され、いずれの場合もトランジスタ2のベ
ース・エミッタ間電圧がトランジスタ3のベース・エミ
ッタ間電圧に影響を及ぼす。さらに、第14図(a)〜
(c)の各主電流検出手段と第15図(a)〜(c)の各
カレント・ミラー回路でもトランジスタ1、35の両エミ
ッタ接合が直接あるいは抵抗13あるいは抵抗9、13を介
して並列的に接続され、いずれの場合もトランジスタ1
のベース・エミッタ間電圧がトランジスタ35のベース・
エミッタ間電圧に影響を及ぼす。
例えば第12図(c)の主電流検出手段の動作は次の通
りである。トランジスタ1がオンの時そのエミッタ・ベ
ース間もそのエミッタ・コレクタ間も導通状態に有るか
ら、結局トランジスタ1のベース・コレクタ間もトラン
ジスタ2のコレクタ・ベース間も間接的に導通状態に有
る。ここで、その概略動作を簡単に説明するためにトラ
ンジスタ1のエミッタ・ベース間とエミッタ・コレクタ
間の両電圧降下がほぼ同じとするなら、トランジスタ2
のコレクタ・ベース間は間接的にほぼ短絡状態に有るこ
とになり、その等価サイリスタ(トランジスタ1、2の
接続体)は第13図(c)に示す「コレクタ・ベース間を
直結したトランジスタ2」と同じ様になり、ほぼダイオ
ードの様に作用する。従って、第12図(c)の主電流検
出手段が第13図(c)に示す、よく知られている従来の
カレント・ミラー回路と同様な動作をし、トランジスタ
2のベース・エミッタ間電圧がトランジスタ3のベース
・エミッタ間電圧に影響を及ぼし、トランジスタ3のコ
レクタ電流の大きさはその等価サイリスタの主電流の大
きさに対応することが分かる。
実際にはトランジスタ1のエミッタ・ベース間とエミ
ッタ・コレクタ間の両電圧降下がほぼ同じとは限らない
が、トランジスタ2のベース・エミッタ間電圧がトラン
ジスタ3のベース・エミッタ間電圧に影響を及ぼし、ト
ランジスタ3のコレクタ電流の大きさはその等価サイリ
スタの主電流の大きさに対応する。
これらの事は第12図(a)〜(b)、第14図(a)〜
(c)の各主電流検出手段でも同様でトランジスタ2の
ベース・エミッタ間電圧はトランジスタ3のベース・エ
ミッタ間電圧に影響を及ぼし、トランジスタ1のベース
・エミッタ間電圧はトランジスタ35のベース・エミッタ
間電圧に影響を及ぼしている。
しかしながら、第12図(c)に示す様にトランジスタ
2のベース側にトランジスタ3等を接続した「従来の主
電流検出手段」の場合、主電流検出の検出出力電流(ト
ランジスタ3のコレクタ電流)の方向が電流シンク(吸
込み)方向しか無く、その検出出力の仕方が限定されて
しまう。もし、トランジスタ2のベース側にトランジス
タ等を接続しても主電流検出の検出出力電流の方向が電
流ソース(吐出し)方向である「新規の主電流検出手
段」が有れば、主電流検出出力の仕方の選択肢が増えて
便利になる。しかも、従来と新規の両主電流検出手段は
機能面で相補的な関係に有り、互いに機能を補い合うこ
とができる。
この事は第14図(c)の主電流検出手段の場合につい
ても同様に言える。第14図(c)の「従来の主電流検出
手段」の場合、トランジスタ1のベース側にトランジス
タ35等を接続しているが、主電流検出の検出出力電流
(トランジスタ35のコレクタ電流)の方向が電流ソース
(吐出し)方向しか無く、その検出出力の仕方が限定さ
れてしまう。もし、トランジスタ1のベース側にトラン
ジスタ等を接続しても主電流検出の検出出力電流の方向
が電流シンク(吸込み)方向である「新規の主電流検出
手段」が有れば、主電流検出出力の仕方の選択肢が増え
て便利になる。しかも、従来と新規の両主電流検出手段
は機能面で相補的な関係に有り、互いに機能を補い合う
ことができる。
従って、『その検出出力電流の方向が従来と逆であ
る、自己保持機能を持うスイッチング手段の主電流検出
手段が望まれるのである。』 (第1発明が解決すべき問題点) そこで、第1発明は、『その検出出力電流の方向が従
来と逆である』自己保持機能を持つスイッチング手段の
主電流検出手段を提供することを目的としている。(第
1発明の目的) 第1発明の開示 即ち、第1発明は、 バイポーラ・モードの第1〜第3の能動素子手段が有っ
て、 前記第1の能動素子手段の駆動信号入力用に対を成す制
御電極と主電極を制御電極ce1と主電極me1aと呼び、そ
の残りの主電極を主電極me1bと呼び、前記第2の能動素
子手段の駆動信号入力用に対を成す制御電極と主電極を
制御電極ce2と主電極me2aと呼び、その残りの主電極を
主電極me2bと呼び、前記第3の能動素子手段の駆動信号
入力用に対を成す制御電極と主電極を制御電極ce3と主
電極me3aと呼び、その残りの主電極を主電極me3bと呼ぶ
としたときに、 そして制御電極ce1・主電極me1a間と制御電極ce3・主電
極me3a間の逆バイアス電圧極性は同じで、制御電極ce2
・主電極me2a間のそれとは反対であるとしたときに、 制御電極ce1と主電極me2bを接続し、主電極me1bと制御
電極ce2を接続して自己保持機能を持つスイッチング手
段を構成し、 制御電極ce2・主電極me2a間電圧が制御電極ce3・主電極
me3a間電圧に影響を及ぼす様に制御電極ce2・主電極me2
a間と制御電極ce3・主電極me3a間を両順方向を揃えて並
列的に接続した自己保持機能を持つスイッチング手段の
主電流検出手段である。
このことによって、「制御電極ce1・主電極me1a間と
制御電極ce2・主電極me2a間の逆バイアス電圧極性が逆
である前記第1、第2の能動素子手段の接続体」はサイ
リスタの等価回路あるいはサイリスタの様に自己保持機
能を持つ前記スイッチング手段を構成し、前記第1の能
動素子手段がオンのとき主電極me1a・制御電極ce1間も
主電極me1a・主電極me1b間も導通状態になるから、結
局、制御電極ce1・主電極me1b間も主電極me2b・制御電
極ce2間も間接的に導通状態になる。
そして、第12図(a)〜(c)や第14図(a)〜
(c)に示す従来の各主電流検出手段の場合と同様に制
御電極ce2・主電極me2a間電圧が制御電極ce3・主電極me
3a間電圧に影響を及ぼすので、前記第3の能動素子手段
が出力する検出出力電流の大きさは前記スイッチング手
段の主電流の大きさに対応する。
しかも、第12図(a)〜(c)や第14図(a)〜
(c)に示す従来の各主電流検出手段と違って制御電極
ce2・主電極me2a間と制御電極ce3・主電極me3a間の逆バ
イアス電圧極性は逆であるため、『その検出出力電流の
方向は従来と逆になる』という効果が第1発明に有る。
(第1発明の効果) 尚、第12図(a)〜(c)の各主電流検出手段ではト
ランジスタ2、3のベース逆バイアス電圧極性は同じで
あり、第14図(a)〜(c)の各主電流検出手段ではト
ランジスタ1、35のベース逆バイアス電圧極性は同じで
ある。
第1発明が請求項2記載の「自己保持機能を持つスイ
ッチング手段の主電流検出手段」に対応する場合、第12
図(c)や第14図(c)に示す従来の各主電流検出手段
と同様に「制御電極ce2・主電極me2a間と同項記載中の
第1の抵抗手段の直列回路」と「制御電極ce3・主電極m
e3a間と同項記載中の第2の抵抗手段の直列回路」が並
列接続されている。
第2、第3発明の背景技術 従来の「自己保持機能を持つスイッチング手段」など
を第16図〜第19図に示す。第16図のスイッチング手段で
はトランジスタ1、2が構成するサイリスタの等価回路
の主電流容量をトランジスタ80が拡大するので、全体の
主電流容量は大きくなる。
先行技術:特公昭56−5098号、特公昭56−26216号、 特開昭58−168329号、WO 88/01805号。
ここで、第16図のスイッチング手段においてバイポー
ラ型のトランジスタ80の代わりに第17図に示す様に電圧
駆動型のトランジスタ7等を使おうとすると、トランジ
スタ80のベース順バイアス電圧よりトランジスタ7のゲ
ート順バイアス電圧の方が大きい場合が多いので、『そ
のオン電圧が大きくなってしまう』という第1の問題点
が第17図のスイッチング手段に有る。
(第1の問題点) また、第18図に示す従来のスイッチング手段(参考:
特開昭62−100018号)では電圧駆動型のトランジスタ9
1、発光素子92、光電変換素子94及び抵抗95、96が「自
己保持型スイッチング手段」を構成し、トランジスタ91
等に並列接続された電圧駆動型のトランジスタ90がその
自己保持型スイッチング手段の主電流容量を拡大する。
発光素子93はトリガー用である。
しかしながら、トランジスタ91のオン抵抗がトランジ
スタ90のオン抵抗より大きい上に抵抗95と発光素子92が
トランジスタ91に直列接続されているため、「発光素子
92に充分な大きさの電流を流してトランジスタ91、90を
オン駆動し、自己保持状態を維持する」にはトランジス
タ90のドレイン・ソース間電圧はある程度大きくなけれ
ばならない。一方、トランジスタ90のオン抵抗は小さい
から、自己保持状態を維持するにはトランジスタ90のド
レイン・ソース間に大きな電流を流す必要が有り、『全
体の保持電流が大きくなってしまう』という第2の問題
点が第18図のスイッチング手段に有る。
(第2の問題点) 全体の保持電流が大きいと、自然消弧のとき、つま
り、その主電流(=両主端子mt15・mt16間電流)が減少
してその保持電流未満になって第18図のスイッチング手
段が自然にターン・オフするとき、その主電流がゼロに
ならないうちにそれがターン・オフしてしまう。その結
果、その主電流は減少途中で遮断されることになるの
で、スイッチング損失が増大したり、電流波形が乱れた
り、誘導負荷の場合サージ電圧が発生したりする。
しかも、トランジスタ90がその自己保持型スイッチン
グ手段の主電流容量を拡大する率を上げるために、トラ
ンジスタ90のオン抵抗をより小さくしてトランジスタ9
1、90のオン抵抗比を小さくすればする程、全体の保持
電流が大きくなってしまう。従って、『その主電流容量
の拡大率を上げれば上げる程、支障が出て来る』という
第3の問題点が第18図のスイッチング手段に有る。
(第3の問題点) この様な事になる原因は、結局トランジスタ91、90が
同時にオン・オフ駆動され、オン抵抗の小さいトランジ
スタ90が全体の主電流の大きさに関係無く常にその主電
流のほとんどを独占して、その自己保持型スイッチング
手段の自己保持動作を妨害することに有る。このため、
トランジスタ90のオン抵抗を小さくすればする程、その
妨害は強くなるから、全体の保持電流が大きくならない
と、その自己保持型スイッチング手段は自己保持状態を
維持できなくなる。
さらに、第18図のスイッチング手段ではその自己保持
型スイッチング手段は電圧駆動型能動素子手段(トラン
ジスタ91)等で構成されている必要が有り、第17図中に
示す等価サイリスタやサイリスタであってはいけなく、
使用できる自己保持型スイッチング手段が制限されてし
まう。また、その主電流容量拡大用の電圧駆動型能動素
子手段(トランジスタ90)は「その自己保持型スイッチ
ング手段を構成するのに使う電圧駆動型能動素子手段
(トランジスタ91)」と同じ種類でなければならなく、
使用できる主電流容量拡大用の電圧駆動型能動素子手段
が制限されてしまう。
従って、『使用できる自己保持型スイッチング手段や
主電流容量拡大用の電圧駆動型能動素子手段が制限され
てしまう』という第4の問題点が第18図のスイッチング
手段に有る。 (第4の問題点) 他の自己保持型スイッチング手段を使用できたり、主
電流容量拡大用の電圧駆動型能動素子手段を自由に選べ
たりすれば、使用できる自己保持型スイッチング手段や
主電流容量拡大用の電圧駆動型能動素子手段の選択肢が
増えて便利である。
それから、第18図のスイッチング手段の上記第2の問
題点を解決するために第19図のスイッチング手段(参
考:実開昭63−187424号)が考えられる。このスイッチ
ング手段ではトランジスタ91、電流検出用の抵抗99、電
圧検出手段97及びオアー回路98が「自己保持型スイッチ
ング手段」を構成し、トランジスタ91等に並列接続され
たトランジスタ90がその自己保持型スイッチング手段の
主電流容量を拡大する。オアー回路98はトリガー信号を
入力できる様にするために有る。それでも前述と同様
『使用できる自己保持型スイッチング手段や主電流容量
拡大用の電圧駆動型能動素子手段が制限されてしまう』
という第4の問題点が第19図のスイッチング手段にも有
る。 (第4の問題点) それに加えて『かなり微小な電圧を検出するかなり高
精度な電圧検出手段が必要である』という第5の問題点
が第19図のスイッチング手段に有る。
(第5の問題点) この第5の問題点はコスト・アップ要因にも結び付く
し、その検出電圧のかなりな微小さゆえに雑音の影響を
受け易くなって誤動作することにも結び付く。
参考: a)日経BP社が1986年7月28日出版の「日経エレクトロ
ニクス(No.400」の144〜145ページ。『電源などの電流
制限回路の損失を下げられる電流検出端子付きパワーMO
S・FET』 この様な電流検出方法はもともと大きな主電流を制限
するために考えられたので、比較する主電流の基準にな
る元の最大定格電流値などであって大きいが、それでも
微小電圧を検出する高精度な電圧検出手段が必要であ
る。それに対して第19図のスイッチング手段では比較す
る主電流の基準になる元は保持電流値であって上記最大
定格電流値などに比べてかなり小さいから、『かなり微
小な電圧を検出するかなり高精度な電圧検出手段97が必
要である。』 しかも、トランジスタ90がその自己保持型スイッチン
グ手段の主電流容量を拡大する率を上げるために、トラ
ンジスタ90のオン抵抗をより小さくしてトランジスタ9
1、90のオン抵抗比を小さくすればする程、つまり、ト
ランジスタ90のソース面積をより大きくしてトランジス
タ91、90のソース面積比を大きくすればする程、抵抗99
を流れる電流は小さくなる。このため、全体の保持電流
値を変えずにその主電流容量の拡大率を上げれば上げる
程、電圧検出手段97はより小さな電流(その全体の保持
電流値をその拡大率で割った値にほとんど同じ。)を検
出しなければならず、電圧検出手段97はさらにもっと高
精度でなければならない。従って、『その主電流容量の
拡大率を上げれば上げる程、支障が出て来る』という第
3の問題点が第19図のスイッチング手段にも有る。
(第3の問題点) この様な事になる原因は、結局トランジスタ90、91が
同時にオン・オフ駆動され、オン抵抗の小さいトランジ
スタ90が全体の主電流の大きさに関係無く常にその主電
流はほとんどを独占して、電圧検出手段97の電圧検出を
妨害することに有る。
そこで、第2発明は第1発明の「自己保持機能を持つ
スイッチング手段の主電流検出手段」を使って、 a)オン電圧が大きくならない、 b)全体の保持電流が大きくならない、 c)その主電流容量の拡大率を上げても何の支障も無
い、 d)使用できる自己保持型スイッチング手段の選択肢を
増やせる、 e)主電流容量拡大用の電圧駆動型能動素子手段が制限
されない、 f)かなり微小な電圧を検出するかなり高精度な電圧検
出手段を必要としない、 自己保持機能を持つスイッチング回路を提供することを
目的としている。
(第2発明の目的) そして、第3発明は、 a)オン電圧が大きくならない、 b)全体の保持電流が大きくならない、 c)その主電流容量の拡大率を上げても何の支障も無
い、 d)使用する自己保持型スイッチング手段や主電流容量
拡大用の電圧駆動型能動素子手段が制限されない、 e)かなり微小な電圧を検出するかなり高精度な電圧検
出手段を使用しなくても構成できる、 自己保持機能を持つスイッチング回路を提供することを
目的としている。
(第3発明の目的) 第2発明の開示 即ち、第2発明は、 前述した第1発明の自己保持機能を持つスイッチング手
段の主電流検出手段において、つまり、請求項1又は2
記載の自己保持機能を持つスイッチング手段の主電流検
出手段において、 「自己保持機能を持たない電圧駆動型の第4の能動素子
手段」が主電極me1a・主電極me2a間を流れようとする電
流をバイパスする様に前記第4の能動素子手段と前記ス
イッチング手段を並列的に接続し、 駆動電圧供給用の直流電源手段を持ち、主電極me3bの出
力電流に基づいて動作し、前記スイッチング手段がオフ
のとき前記第4の能動素子手段をオフ駆動し、前記スイ
ッチング手段の主電流が大きくなるのに対して前記スイ
ッチング手段の自己保持動作を優先した上で前記第4の
能動素子手段の主電流を大きくさせる方向に前記第4の
能動素子手段を駆動する駆動手段を設けた自己保持機能
を持つスイッチング回路である。
このことによって、前記スイッチング手段がオフのと
き前記駆動手段が前記第4の能動素子手段をオフ駆動す
るので、前記「スイッチング回路」はオフである。ま
た、前記スイッチング手段のターン・オンによって前記
「スイッチング回路」はターン・オンするが、前記「ス
イッチング回路」の主電流が前記スイッチング手段のラ
ッチング電流より大きくなると、前記「スイッチング回
路」は前記スイッチング手段を通じてラッチ・アップし
て自己保持状態に移行する。
その後、前記「スイッチング回路」の主電流が小さい
と、前記スイッチング手段の自己保持動作が優先される
ので、前記「スイッチング回路」の主電流は前記スイッ
チング手段を流れ、前記第4の能動素子手段はオフのま
まである。
しかし、前記スイッチング手段の自己保持動作が維持
されたまま前記「スイッチング回路」の主電流が大きく
なるに連れて次第に前記駆動手段が前記第4の能動素子
手段をオン方向へ駆動し始めるので、前記第4の能動素
子手段がバイパスする前記「スイッチング回路」の主電
流の量は次第に増えて行く。そして、前記「スイッチン
グ回路」の主電流がさらに大きくなると、ついには前記
駆動手段が前記第4の能動素子手段を完全にオン駆動す
るので、前記第4の能動素子手段は前記「スイッチング
回路」の主電流の大部分をバイパスする様になる。以上
の様にして前記第4の能動素子手段は全体の主電流容量
を拡大することができる。
尚、前述した「前記スイッチング手段の自己保持動作
を優先した上で」とは、具体的に言えば、「前記スイッ
チング手段が自分のラッチング電流や保持電流を確保し
て自己保持状態を維持した上で」という意味である。ま
た、前記直流電源手段はオン駆動電圧もしくはオフ駆動
電圧を供給する。
それから、第1に、前記駆動手段は前記第4の能動素
子手段に充分な大きさのオン駆動電圧を供給できるの
で、前記「スイッチング回路」の『オン電圧は大きくな
らない』という第1の効果が第2発明に有る。
(第2発明の第1の効果) ただし、前記第4の能動素子手段がノーマリィ・オン
型の場合、電圧ゼロによるオン駆動も含まれ、この時そ
のオン駆動電圧はゼロで、前記直流電源手段はオフ駆動
電圧を供給する。
第2に、前記「スイッチング回路」がオンのとき、前
述した通り前記第4の能動素子手段のオン方向への駆動
よりも前記スイッチング手段の自己保持動作が常に優先
され、先ず前記スイッチング手段が自分のラッチング電
流や保持電流を確保して自己保持状態を維持できる様に
前記駆動手段が前記第4の能動素子手段を駆動するの
で、『全体の保持電流が大きくならない』という第2の
効果が第2発明に有る。 (第2発明の第2の効果) 第3に、同じく前記スイッチング手段の自己保持動作
が常に優先され、前記「スイッチング回路」の主電流が
小さければこの主電流は前記第4の能動素子手段よりむ
しろ前記スイッチング手段に優先的に流れるし、その主
電流が大きければ前記第4の能動素子手段は前記スイッ
チング手段にとって余分な電流分をバイパスするだけだ
から、その主電流検出に支障は無い。
従って、その主電流容量の拡大率を上げてもその自己
保持動作もその主電流検出も影響を受けないから、『そ
の主電流容量の拡大率を上げても何の支障も無い』とい
う第3の効果が第2発明に有る。(第2発明の第3の効
果) 第4に、前記スイッチング手段はサイリスタの等価回
路あるいはサイリスタの様なもので、第18図や第19図の
各スイッチング手段の場合と違う自己保持型スイッチン
グ手段を全体のオン電圧を大きくせずに使用できるの
で、従来のと合わせて「使用できる自己保持型スイッチ
ング手段の種類」が増えて便利になる。
従って、『使用できる自己保持型スイッチング手段の
選択肢を増やせる』という第4の効果が第2発明に有
る。 (第2発明の第4の効果) 第5に、前記第4の能動素子手段は前記スイッチング
手段の種類に関係無く電圧駆動型能動素子手段なら何で
も使用できるため、『主電流容量拡大用の電圧駆動型能
動素子手段が制限されない』という第5の効果が第2発
明に有る。
(第2発明の第5の効果) 第6に、第19図のスイッチング手段の場合と違って、
上述通り第1発明の主電流検出手段が前記スイッチング
手段の主電流を検出するのを前記第4の能動素子手段は
妨害しないので、『かなり微小な電圧を検出するかなり
高精度な電圧検出手段を必要としない』という第6の効
果が第2発明に有る。
(第2発明の第6の効果) 尚、電圧駆動型の前記第4の能動素子手段としては例
えばパワーMOS・FET、「パワーMOS・FETとバイポーラ・
トランジスタをカスケード接続したBIMOS複合素子」、S
IT又はIGBTが有る。
第3発明の開示 そして、第3発明は、 自己保持機能を持つスイッチング手段と、 前記スイッチング手段の主電流を検出する主電流検出手
段と、 前記スイッチング手段の両主端子間を流れようとする電
流をバイパスする様に前記スイッチング手段と並列的に
接続される、自己保持機能を持たない電圧駆動型の能動
素子手段と、 駆動電圧供給用の直流電源手段を持ち、前記主電流検出
手段の出力信号に基づいて動作し、前記スイッチング手
段がオフのとき前記能動素子手段をオフ駆動し、前記ス
イッチング手段の主電流が大きくなるのに対して前記ス
イッチング手段の自己保持動作を優先した上で前記能動
素子手段の主電流を大きくさせる方向に前記能動素子手
段を駆動する駆動手段、 を有する自己保持機能を持つスイッチング回路である。
このことによって、前記スイッチング手段がオフのと
き前記駆動手段が前記能動素子手段をオフ駆動するの
で、前記「スイッチング回路」はオフである。また、前
記スイッチング手段のターン・オンによって前記「スイ
ッチング回路」はターン・オンするが、前記「スイッチ
ング回路」の主電流が前記スイッチング手段のラッチン
グ電流より大きくなると、前記「スイッチング回路」は
前記スイッチング手段を通じてラッチ・アップし、自己
保持状態に移行する。
その後、前記「スイッチング回路」の主電流が小さい
と、前記スイッチング手段の自己保持動作が優先される
ので、前記「スイッチング回路」の主電流は前記スイッ
チング手段を流れ、前記能動素子手段はオフのままであ
る。
しかし、前記スイッチング手段の自己保持動作が維持
されたまま前記「スイッチング回路」の主電流が大きく
なるに連れて次第に前記駆動手段が前記能動素子手段を
オン方向へ駆動し始めるので、前記能動素子手段がバイ
パスする前記「スイッチング回路」の主電流の量は次第
に増えて行く。そして、前記「スイッチング回路」の主
電流がさらに大きくなると、ついには前記駆動手段が前
記能動素子手段を完全にオン駆動するので、前記能動素
子手段は前記「スイッチング回路」の主電流の大部分を
バイパスする様になる。以上の様にして前記能動素子手
段は全体の主電流容量を拡大することができる。
尚、前述した「前記スイッチング手段の自己保持動作
を優先した上で」とは、具体的に言えば、「前記スイッ
チング手段が自分のラッチング電流や保持電流を確保し
て自己保持状態を維持した上で」という意味である。ま
た、前記直流電源手段はオン駆動電圧もしくはオフ駆動
電圧を供給する。
それから、第1に、前記駆動手段は前記能動素子手段
に充分な大きさのオン駆動電圧を供給できるので、前記
「スイッチング回路」の『オン電圧は大きくならない』
という第1の効果が第3発明に有る。
(第3発明の第1の効果) ただし、前記能動素子手段がノーマリィ・オン型の場
合、電圧ゼロによるオン駆動も含まれ、この時そのオン
駆動電圧はゼロで、前記直流電源手段はオフ駆動電圧を
供給する。
第2に、前記「スイッチング回路」がオンのとき、上
述した通り前記能動素子手段のオン方向への駆動よりも
前記スイッチング手段の自己保持動作が常に優先され、
先ず前記スイッチング手段が自分のラッチング電流や保
持電流を確保して自己保持状態を維持できる様に前記駆
動手段が前記能動素子手段を駆動するので、『全体の保
持電流が大きくならない』という第2の効果が第3発明
に有る。
(第3発明の第2の効果) 第3に、同じく前記スイッチング手段の自己保持動作
が常に優先され、前記「スイッチング回路」の主電流が
小さければこの主電流は前記能動素子手段よりもむしろ
前記スイッチング手段に優先的に流れるし、その主電流
が大きければ前記能動素子手段は前記スイッチング手段
にとって余分な電流分をバイパスするだけだから、その
主電流検出に支障は無い。
従って、その主電流容量の拡大率を上げてもその自己
保持動作もその主電流検出も影響を受けないから、『そ
の主電流容量の拡大率を上げても何の支障も無い』とい
う第3の効果が第3発明に有る。(第3発明の第3の効
果) 第4に、前記スイッチング手段は自己保持機能を持つ
ものなら何でも使用できるので、使用できる自己保持型
スイッチング手段は制限されない。また、前記能動素子
手段は前記スイッチング手段の種類に関係無く電圧駆動
型能動素子手段なら何でも使用できるので、使用できる
電圧駆動型能動素子手段は制限されない。従って、『使
用する自己保持型スイッチング手段や主電流容量拡大用
の電圧駆動型能動素子手段が制限されない』という第4
の効果が第3発明に有る。
(第3発明の第4の効果) 第5に、上述通り前記主電流検出手段が前記スイッチ
ング手段の主電流を検出するのを前記能動素子手段は妨
害しないので、『かなり微小な電圧を検出するかなり高
精度な電圧検出手段を使用しなくても構成できる』とい
う第5の効果が第3発明に有る。
(第3発明の第5の効果) 尚、電圧駆動型の前記第4の能動素子手段としては例
えばパワーMOS・FET、「パワーMOS・FETとバイポーラ・
トランジスタをカスケード接続したBIMOS複合素子」、S
IT又はIGBTが有る。
各発明を実施するための最良の形態 第1〜第3の各発明をより詳細に説明するために以下
添付図面に従ってこれらを説明する。第11図に示す第1
発明の「自己保持機能を持つスイッチング手段の主電流
検出手段」の実施例では以下の通りそれぞれが前述した
各構成要素に相当する。
a)トランジスタ1が前述した第1の能動素子手段に。
b)トランジスタ2が前述した第2の能動素子手段に。
c)トランジスタ35が前述した第3の能動素子手段に。
d)トランジスタ1のベース電極、エミッタ電極および
コレクタ電極それぞれが前述した制御電極ce1、主電極m
e1aおよび主電極me1bそれぞれに。
e)トランジスタ2のベース電極、エミッタ電極および
コレクタ電極それぞれが前述した制御電極ce2、主電極m
e2aおよび主電極me2bそれぞれに。
f)トランジスタ35のベース電極、エミッタ電極および
コレクタ電極それぞれが前述した制御電極ce3、主電極m
e3aおよび主電極me3bそれぞれに。
g)トランジスタ1、2の接続体が前述したスイッチン
グ手段に。
h)抵抗9が請求項2記載中の第1の抵抗手段に。
i)抵抗13が請求項2記載中の第2の抵抗手段に。
第11図に示す第1発明の実施例ではトランジスタ1、
35のベース逆バイアス電圧極性はプラスで同じで、マイ
ナスであるトランジスタ2のベース逆バイアス電圧極性
と反対であり、トランジスタ1、2の接続体がサイリス
タの等価回路を構成する。トランジスタ2、35の両エミ
ッタ接合(ベース・エミッタ間PN接合)は両順方向を揃
えて抵抗9、13を介して並列的に接続され、トランジス
タ2のベース・エミッタ間電圧はトランジスタ35のエミ
ッタ・ベース間電圧に影響を及ぼす。
その動作は次の通りである。トランジスタ1がオンの
ときトランジスタ1のエミッタ・ベース間もエミッタ・
コレクタ間も導通状態にあるから、結局、トランジスタ
1のベース・コレクタ間もトランジスタ2のコレクタ・
ベース間も間接的に導通状態にある。そして、第12図
(a)〜(c)に示す従来の各主電流検出手段の場合と
同様にトランジスタ2のベース・エミッタ間電圧がトラ
ンジスタ35のエミッタ・ベース間電圧に影響を及ぼすの
で、トランジスタ35が出力する検出出力電流(コレクタ
電流)の大きさはトランジスタ1、2が形成する等価サ
イリスタの主電流の大きさに対応する。
しかも、第12図(a)〜(c)に示す、トランジスタ
2、3の両ベース逆バイアス電圧極性が同じである従来
の各主電流検出手段と違ってトランジスタ2、35の両ベ
ース逆バイアス電圧極性は互いに逆であるため、『その
検出出力電流の方向は従来と逆になる』という効果が有
る。 (効果) この事は第1発明の主電流検出手段すべてに同様に言
うことができる。
第20図に示す第1発明の実施例は第11図の実施例と電
圧極性もしくは電圧方向に関して対称的な関係に有る
「自己保持機能を持つスイッチング手段の主電流検出手
段」である。トランジスタ2がオンのときトランジスタ
1のベース・コレクタ間は間接的に導通状態にあり、第
14図(a)〜(c)に示す従来の各主電流検出手段の場
合と同様にトランジスタ1のエミッタ・ベース間電圧が
トランジスタ3のベース・エミッタ間電圧に影響を及ぼ
すので、トランジスタ3が出力する検出出力電流(コレ
クタ電流)の大きさはトランジスタ1、2が形成する等
価サイリスタの主電流の大きさに対応する。
しかも、第14図(a)〜(c)に示す、トランジスタ
1、35の両ベース逆バイアス電圧極性が同じである従来
の各主電流検出手段と違ってトランジスタ1、3の両ベ
ース逆バイアス電圧極性は互いに逆であるため、『その
検出出力電流の方向は従来と逆になる』という効果が有
る。 (効果) 第1図に示す第3発明の実施例は第12図(c)に示す
従来の「自己保持機能を持つスイッチング手段の主電流
検出手段」を利用した「自己保持機能を持つスイッチン
グ回路」である。第1図の実施例では以下の通りそれぞ
れが前述した第3発明の各構成要素に相当する。
a)トランジスタ1、2の接続体が前述したスイッチン
グ手段に。
b)「トランジスタ1〜3と抵抗9、13が形成する主電
流検出手段」が前述した主電流検出手段に。
c)トランジスタ1、2の両エミッタ端子が前述したス
イッチング手段の両主端子に。
d)トランジスタ7が前述した能動素子手段に。
e)「電源線プラスVと本スイッチング回路の主端子mt
2の間に接続される直流電源(図示せず。)」が前述し
た駆動電圧供給用の直流電源手段に。
f)「上記直流電源、トランジスタ4〜6、ツェナー・
ダイオード17及び抵抗11、12、14〜16が形成するゲート
駆動回路」が前述した駆動手段に。
尚、mt1、mt2は第1図のスイッチング回路の両主端子
で、プラスVの大きさは主端子mt2を基準にした電圧の
大きさである。従って、主端子mt2を別の電源線に接続
する使い方が一般的であるが、勿論そうしなくても良
い。
また、トランジスタ1、2はサイリスタの等価回路を
形成し、抵抗8、10によってこの等価サイリスタの保持
電流の大きさを調整することができる。
さらに、その等価サイリスタの両主端子間とトランジ
スタ7の両主端子間(ドレイン端子・ソース端子間)は
抵抗9を介して並列接続されているが、その等価サイリ
スタと抵抗9の直列回路が第3発明の前述した(自己保
持型の)スイッチング手段に相当すると考えることもで
きる。
それから、第1図の実施例で使用している主電流検出
手段は第13図(c)のカレント・ミラー回路を応用した
第12図(c)に示す従来の「自己保持機能を持つスイッ
チング手段の主電流検出手段」と同じである。トランジ
スタ1がオンのとき、トランジスタ2のコレクタとベー
スは接続状態にある。ここで、抵抗10の電流が無視でき
る程小さくて、トランジスタ2、3の特性が揃っていれ
ば、「トランジスタ2のエミッタ電流の大きさと抵抗9
の値の積」は「トランジスタ3のコレクタ電流の大きさ
と抵抗13の値の積」と同じである。つまり、抵抗9、13
の両電圧は同じである。この場合、トランジスタ3のベ
ース電流はそのコレクタ電流に比べて非常に小さいの
で、トランジスタ3のエミッタ電流とコレクタ電流の大
きさは同じと見なしても実用的に支障は無い。
従って、例えば、抵抗9が30オームで、抵抗13が300
オームの場合、トランジスタ3のコレクタ電流の大きさ
はトランジスタ2のエミッタ電流の大きさの10分の1に
なる。この様な主電流検出手段の構成にすると、トラン
ジスタ1、2が形成するサイリスタの等価回路の主電流
を検出するのに「その構成が簡単になる」という利点が
この主電流検出手段に有る。
次に、第1図の実施例の動作を説明する。この実施例
をトリガーするにはトランジスタ1あるいは2のエミッ
タ接合(ベース・エミッタ間PN接合)にトリガー電流を
流せば良い。その等価サイリスタの自己保持動作がトラ
ンジスタ7のオン方向への駆動より優先されるため、第
1図に示す実施例のスイッチング回路の主電流の大きさ
が小さいと、その主電流はトランジスタ1、2を流れ、
トランジスタ7はオフのままである。しかし、その主電
流が大きくなるに連れて、次第にトランジスタ7がオン
側へ駆動されてトランジスタ7の抵抗値が小さくなり、
そして遂にはトランジスタ7がこの主電流の大部分をバ
イパスする様になる。
そのために、トランジスタ4〜6等がトランジスタ3
のコレクタ電流を電圧に変換してトランジスタ7を制御
するので、「『トランジスタ1、2が形成するサイリス
タの等価回路』単独の主電流」と「両主端子mt1・mt2間
の主電流」の各大きさに対応してトランジスタ7がバイ
パスする電流量が決まる。
それから、第1図の実施例のスイッチング回路を強制
的にターン・オフさせるには、トランジスタ1あるいは
2のベースとエミッタを短絡するか、トランジスタ2の
ベースと抵抗9の主端子mt2側の一端を短絡すれば良
い。従って、第1図の実施例のスイッチング回路はGTO
サイリスタの代わりとして使える。
以下に第1図に示す実施例の回路定数の一例を示す。
トランジスタ 1……2SA1154 2……2SC2721 3……2SC2002あるいは2SC2721 4、6……2SA953 5……2SC2002 以上、日本電気(株)製 7……2SK532 (株)東芝製 抵抗 8、10、11、14、16……1キロ・オーム 9……30オーム 12……100又は0オーム 13……300オーム 15……100オーム ツェナー・ダイオード17……RD10F 日本電気(株)製 第2図の実施例は第20図に示す第1発明の主電流検出
手段の実施例を利用した第2、第3発明共通の「自己保
持機能を持つスイッチング回路」の実施例である。第2
図の実施例で以下の通りそれぞれが前述した第2発明の
各構成要素に相当する。
a)トランジスタ2が前述した第1の能動素子手段に。
b)トランジスタ1が前述した第2の能動素子手段に。
c)トランジスタ3が前述した第3の能動素子手段に。
d)トランジスタ2のベース電極、エミッタ電極および
コレクタ電極それぞれが前述した制御電極ce1、主電極m
e1aおよび主電極me1bそれぞれに。
e)トランジスタ1のベース電極、エミッタ電極および
コレクタ電極それぞれが前述した制御電極ce2、主電極m
e2aおよび主電極me2bそれぞれに。
f)トランジスタ3のベース電極、エミッタ電極および
コレクタ電極それぞれが前述した制御電極ce3、主電極m
e3aおよび主電極me3bそれぞれに。
g)トランジスタ1、2の接続体が前述したスイッチン
グ手段に。
h)抵抗9が請求項2記載中の第1の抵抗手段に。
i)抵抗13が請求項2記載中の第2の抵抗手段に。
j)トランジスタ7が前述した第4の能動素子手段に。
k)「電源線プラスVと本スイッチング回路の主端子mt
3の間に接続される直流電源(図示せず。)」が前述し
た駆動電圧供給用の直流電源手段に。
l)「上記直流電源、トランジスタ4〜6、ツェナー・
ダイオード17及び抵抗11、12、14〜16が形成するゲート
駆動回路」が前述した駆動手段に。
そして、第2図の実施例で以下の通りそれぞれが前述
した第3発明の各構成要素に相当する。
a)トランジスタ1、2の接続体が前述したスイッチン
グ手段に。
b)「トランジスタ1〜3と抵抗9、13が形成する主電
流検出手段」が前述した主電流検出手段に。
c)トランジスタ1、2の両エミッタ端子が前述したス
イッチング手段の両主端子に。
d)トランジスタ7が前述した能動素子手段に。
e)「電源線プラスVと本スイッチング回路の主端子mt
3の間に接続される直流電源(図示せず。)」が前述し
た直流電源手段に。
f)Γ上記直流電源、トランジスタ4〜6、ツェナー・
ダイオード17及び抵抗11、12、14〜16が形成するゲート
駆動回路」が前述した駆動手段に。
それから、第2図中mt3、mt4は第2図のスイッチング
回路の両主端子である。プラスVの大きさは主端子mt3
を基準にした電圧の大きさである。従って、主端子mt3
を別の電源線に接続する使い方が一般的であるが、勿論
そうしなくても良い。
その様な駆動用電源の取り方をしたため、このゲート
回路は通常のそれと駆動電流の流れ方が異なる。トラン
ジスタ4がオンのとき、抵抗15の電流は、ツェナー・ダ
イオード17又は抵抗16、主端子mt4、両主端子mt4・mt3
間に接続される回路構成手段(図示せず。)及び主端子
mt3を経て流れるか、又は、ツェナー・ダイオード17又
は抵抗16とトランジスタ7内蔵のダイオードを経て主端
子mt3の方へ流れる。
尚、第2図の実施例に接続される主電源の電圧が高い
場合、後述する第4図のトランジスタ33の様にしてトラ
ンジスタ5のエミッタ電流を制限する手段を設けること
も考えられる。
また、第2図の実施例でもトランジスタ1、2がサイ
リスタの等価回路を形成し、その等価サイリスタの両主
端子間とトランジスタ7の両主端子間は抵抗9を介して
並列接続されているが、その等価サイリスタと抵抗9の
直列回路が第3発明の前述した(自己保持型の)スイッ
チング手段に相当すると考えることもできる。
さらに、第2図の実施例中の主電流検出手段もカレン
ト・ミラー回路を応用してトランジスタ1〜3と抵抗
9、13によって形成されているが、第1図の実施例中の
主電流検出手段と構成が違う。しかし、「トランジスタ
1のエミッタ接合と抵抗9の直列回路」と「トランジス
タ3のエミッタ接合と抵抗13の直列回路」が並列接続さ
れており、第2図の実施例中の主電流検出手段の動作は
第1図の実施例中の主電流検出手段の動作と同様であ
る。ただ、その用いるエミッタ接合と抵抗9、13の上下
の接続関係が入れ換わっただけである。そんな訳で、第
2図の実施例の動作は第1図の実施例の動作とほとんど
同じである。
第3図の実施例は、第1図の実施例においてトランジ
スタ1、2が形成するサイリスタの等価回路を本物のサ
イリスタ18で置き換えたスイッチング回路で、サイリス
タ18はGTOサイリスタでもトライアックでも構わない。
同様に、第2図の実施例においても「トランジスタ
1、2が形成するサイリスタの等価回路」を「マイナス
・ゲート(アノード側ゲート)のサイリスタ」あるいは
トライアックで置き換えることができる。
第4図の回路は第1図の実施例を用いた直流チョッパ
ー回路で、34はその負荷抵抗である。トランジスタ33が
有ると、これがトランジスタ1、2の電流を制限し、こ
れらを過電流から保護する。
トランジスタ21〜24とコンデンサ25、26等が無安定マ
ルチバイブレータを構成する。トランジスタ21、24の出
力電圧の立上りを鋭くするために、コレクタ接地したト
ランジスタ22、23がコンデンサ25、26の充電を引き受け
る。 (参考:CQ出版(株)、「続安定化電源回路の設
計」) 2つの抵抗27はその充電の際、トランジスタ21、24の
ベースに過電流が流れるのを防ぐ。そして、外部から入
力端子t1に入力されるオン・オフ信号に基づいて前記マ
ルチバイブレータの起動と動作停止を制御するスイッチ
が、トランジスタ20である。この入力側は2入力のオア
ー回路になっており、一方に上記オン・オフ信号が入
り、他方にトランジスタ24の出力電圧が入っている。
この様にすると、入力端子t1に入力されているオン・
オフ信号が任意の時に立ち下がっても、トランジスタ24
の出力電圧がハイ・レベルであれば、この無安定マルチ
バイブレータの動作はすぐに停止しない。この場合、こ
の出力電圧が立ち下がってからその動作は停止する。こ
のため、その動作が停止するときは必ずトランジスタ24
がオンのときである。
トランジスタ24がオンのとき、トランジスタ28もオン
だから、トランジスタ32がトランジスタ2、3を強制的
にオフに保ち、トランジスタ28がコンデンサ29を充電す
る。従って、このとき負荷抵抗34には電流は流れない。
トランジスタ24と共にトランジスタ28がターン・オフ
すると、トランジスタ32もターン・オフする。同時にコ
ンデンサ29の放電電流がトランジスタ30をターン・オン
させるので、トランジスタ31が第4図右側に示す第3発
明の「自己保持機能を持つスイッチング回路」をトリガ
ーし、ターン・オンさせる。その後、トランジスタ24が
再びターン・オンすると、トランジスタ32がその「自己
保持機能を持つスイッチング回路」を強制的にターン・
オフさせ、トランジスタ28がコンデンサ29を充電し始め
る。そんな訳で、その「自己保持機能を持つスイッチン
グ回路」のオン期間は、前記無安定マルチバイブレータ
を構成するコンデンサ25、26等の回路定数で決まる。
第5図の実施例は、第11図に示す第1発明の「自己保
持機能を持つスイッチング手段の主電流検出手段」の実
施例とSIT(静電誘導トランジスタ)等を用いて「トラ
ンジスタ1、2が形成するサイリスタの等価回路」の主
電流容量を拡大した第2、第3発明共通の「自己保持機
能を持つスイッチング回路」の実施例である。トランジ
スタ36はノーマリィ・オン型SITで、そのオン駆動電圧
はほぼゼロである。第5図の実施例では「トランジスタ
2のエミッタ接合(ベース・エミッタ間PN接合)と抵抗
9の直列回路」と「抵抗13とトランジスタ35のエミッタ
接合の直列回路」が並列接続されている。また、直流電
源37は前述した第2、第3発明の各構成要素である直流
電源手段に相当し、オフ駆動時トランジスタ36にオフ駆
動電圧を供給する。
第6図の実施例は、第12図(c)に示す従来の「自己
保持機能を持つスイッチング手段の主電流検出手段」と
IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等を用
いて等価サイリスタの主電流容量を拡大した第3発明の
「自己保持機能を持つスイッチング回路」の実施例であ
る。トランジスタ39はノーマリィ・オフ型IGBTではある
が、耐ノイズ性の面からそのオフ駆動時マイナスのゲー
ト逆バイアス電圧がトランジスタ39のゲートに印加され
る様になっている。この場合、直流電源37、38が前述し
た第3発明の構成要素である直流電源手段に相当し、オ
ン駆動時に直流電源38がトランジスタ39にオン駆動電圧
を供給し、オフ駆動時に直流電源37がトランジスタ39に
オフ駆動電圧を供給する。
第7図の実施例は「パワーMOS・FETとバイポーラ・ト
ランジスタをカスケード接続したBIMOS複合素子」を用
いた第3発明の「自己保持機能を持つスイッチング回
路」の実施例である。
第8図の実施例は、第6図の実施例を変形した第2、
第3発明共通の「自己保持機能を持つスイッチング回
路」の実施例で、第20図に示す第1発明の「自己保持機
能を持つスイッチング手段の主電流検出手段」の実施例
を利用している。第8図の実施例では直流電源38はトラ
ンジスタ39のソースにではなく、ドレインに接続されて
いる。トランジスタ4、5がオンならば、トランジスタ
39あるいはダイオード40が直流電源37、38を直列接続す
るので、トランジスタ39にはゲート順バイアス電圧が供
給される。一方、トランジスタ4、5がオフで、トラン
ジスタ6がオンならば、ダイオード40が直流電源37、38
を直列接続しようとしまいと、直流電源37がトランジス
タ6等を介してトランジスタ39のゲートにマイナスのゲ
ート逆バイアス電圧を印加する。この場合、直流電源3
7、38が前述した第2、第3発明の各構成要素である直
流電源手段に相当する。
第9図、第10図両図に示す実施例は、第1図、第2図
両図に示す「自己保持機能を持つスイッチング回路」の
実施例2つを応用した別の実施例2つ(スイッチング回
路SW1、SW2)と、直列インバータ回路を利用した点火回
路(特に内燃機関用とロケット・エンジン用)である。
尚、図中t2は点火信号を入力する入力端子、69は点火コ
イル(昇圧用変圧器)、73は点火用放電ギャップであ
る。符号s1〜s7に関して同じ符号を付した導線同士は接
続状態にある。
その点火方式について詳しく言えば、その内蔵コンデ
ンサの放電時だけしかスパークを発生することができな
いCDI(コンデンサ放電点火)方式に対して、この点火
方式は転流コンデンサ68の充電時と放電時にスパークを
発生することができ、多重スパークが可能である。そこ
で、この点火方式をCDI方式の名前に準じて、以後、CCD
I方式(又は、ダブルCDI方式。Capacitor Charge and
Discharge Ignition)、あるいは、コンデンサ充放
電点火方式と呼ぶことにする。
この点火回路は転流コンデンサ68の充電時と放電時に
スパークを発生することができるので、従来のCDI方式
あるいは電流しゃ断方式の点火回路の様に点火のための
準備動作(そのコンデンサの充電動作、あるいは、その
点火コイルの励磁動作。)を必要としない、という利点
がある。従って、この点火回路は内燃エンジンの高速回
転化に難無く対応することができる。
(第1の利点) 一方、直流電源70の電流容量が充分に大きければ数十
ミリ・セカンドのスパーク期間も可能だから、この猛烈
なスパークが厳寒時のエンジン始動に大いに役立つ。と
言うのは、この点火回路が転流コンデンサ68の充放電の
繰り返し回数によって、また、そのコンデンサ容量の大
きさを変えることによってそのスパーク期間とスパーク
・エネルギーを自由に設定することができる、からであ
る。
(第2の利点) 尚、前記コンデンサ容量の大きさによって前記スパー
ク・エネルギーを変えることができるのは、それによっ
てスパーク電流のピーク値が変わるからである。
また、逆に点火が容易なときにはそのスパーク・エネ
ルギーを絞って消費エネルギーを節約することもでき
る。
さらに、燃焼(光)センサーと組み合せ、このセンサ
ー信号をフィード・バックして、従来から制御されてい
る点火タイミングの他にそのスパーク期間とスパーク・
エネルギーを最適に調整することも可能である。
もちろん、この点火回路はアルコール・エンジン、ス
パーク・アシスト・ディーゼル・エンジン又はロケット
・エンジン等の点火にも役に立つ。
ここで、第9図、第10図両図に示す点火回路の仕組み
について述べる。この点火回路ではスイッチング回路SW
1、ダイオード60、61及びスイッチング回路SW2がアーム
対を構成している。トランジスタ54がトランジスタ2の
エミッタ電流を制限し、トランジスタ55がトランジスタ
101のエミッタ電流を制限する。スパーク発生時、点火
コイル69の2つのリーケージ・インダクタンスと転流コ
ンデンサ68が直列共振回路を形成する。ダイオード64、
65は転流コンデンサ68の振動電圧のピーク値を一定にす
る。このため、ダイオード62、63にはほとんど電流は流
れない。これらは点火動作に伴うサージ電圧対策であ
る。
ダイオード64、65の作用は次の通りである。スイッチ
ング回路SW2がターン・オンすると、直流電源70から転
流コンデンサ68、1次コイル69a、ダイオード61及びス
イッチング回路SW2を経て電流が流れる。スイッチング
回路SW2のオン期間中に転流コンデンサ68の電圧が直流
電源70の電圧と同じになると、それまで逆電圧のために
オフだったダイオード65がターン・オンするので、1次
コイル69aの電流はダイオード61、スイッチング回路SW2
及びダイオード65を経て流れる様になり、転流コンデン
サ68の電圧はもうそれ以上増えない。
一方、スイッチング回路SW1がターン・オンすると、
転流コンデンサ68からスイッチング回路SW1、ダイオー
ド60及び1次コイル69aを経て電流が流れる。スイッチ
ング回路SW1のオン期間中に転流コンデンサ68の電圧が
ゼロになると、それまで逆電圧のためにオフだったダイ
オード64がターン・オンするので、1次コイル69aの電
流はダイオード64、スイッチング回路SW1及びダイオー
ド60を流れる様になり、転流コンデンサ68の電圧はゼロ
のままとなる。この様にして転流コンデンサ68の電圧は
ゼロと直流電源70の電圧の間に制限され、そのピーク値
は一定となる。
それから、本発明者は第9図、第10図両図に示す点火
回路に本発明者が考え出した制御方式を用いている。こ
の点火回路ではスイッチング回路SW1のターン・オフが
スイッチング回路SW2のターン・オンの引き金(トリガ
ー)になり、スイッチング回路SW2のターン・オフがス
イッチング回路SW1のターン・オンの引き金になってい
る。(そこで、以後この制御方式のことをターン・オフ
・トリガー方式と呼ぶことにする。) そのために、スイッチング回路SW1のオン、オフをト
ランジスタ56等が検出し、スイッチング回路SW2のオ
ン、オフをトランジスタ53等が検出する。
ただし、このオン・オフ検出方法は「トランジスタ
1、2、4、5、7」、「トランジスタ101、102、10
7」それぞれがオフの時の漏れ電流の影響を受けるか
ら、できるだけこれらが小さいトランジスタを選ぶ必要
がある。また、温度などによってそれら漏れ電流が大き
くならない様に工夫する必要もある。さらに、ダイオー
ド58〜65はファースト・リカバリー型であることが望ま
しい。それから、ダイオード58の電流だけでスイッチン
グ回路SW1がオンしっ放しにならない様に、そして、ダ
イオード59の電流だけでスイッチング回路SW2がオンし
っ放しにならない様に、各ダイオード電流の大きさはス
イッチング回路SW1、SW2の各保持電流より小さくなけれ
ばならない。
さて、第9図、第10図両図に示す点火回路のトリガー
動作は次の様になる。入力端子t2に入力されている点火
信号が立ち上がると、スイッチンク回路SW1とトランジ
スタ56はオフだから、トランジスタ51がターン・オン
し、コンデンサ66の充電電流がトランジスタ52を一時的
にターン・オンさせる。その結果、トランジスタ57もオ
フだから、トランジスタ52がスイッチング回路SW2をト
リガーする。
スイッチング回路SW2のオン期間中トランジスタ53も
オンで、これが抵抗72を介してトランジスタ1のベース
電位を持ち上げることによりスイッチング回路SW1をし
っかりとオフに保つと同時に、コンデンサ67を充電す
る。
スイッチング回路SW2と共にトランジスタ53がターン
・オフすると、コンデンサ67の放電電流が抵抗71とトラ
ンジスタ1のエミッタ接合を通るから、スイッチング回
路SW1がトリガーされる。スイッチング回路SW1と共にト
ランジスタ56、57がオンのとき、トランジスタ57がしっ
かりとスイッチング回路SW2をオフに保つ。このとき、
前記点火信号がハイ・レベルであれば、トランジスタ56
がトランジスタ51をオフに保つので、コンデンサ66が放
電し、次のトリガー動作を準備する。
スイッチング回路SW1と共にトランジスタ56がターン
・オフするとき前記点火信号がハイ・レベルであれば、
再びトランジスタ51がターン・オンする。以後、同様に
同じ事が繰り返される。その繰返し動作は前記点火信号
がハイ・レベルである限り続き、第9図、第10図両図に
示す点火回路は発振する。この繰返し動作の間この点火
回路はスパークを連続的に発生する。しかし、トランジ
スタ56がターン・オフするとき前記点火信号がロー・レ
ベルであれば、トランジスタ51はオフのままで、その点
火回路はそのスパーク動作を停止する。
尚、点火コイル69について言えば、その2つのリーケ
ージ・インダクタンスに比べてその励磁(又は相互)イ
ンダクタンスが相当大きいことが望ましい。従って、点
火コイル69は磁気抵抗ができるだけ小さい閉磁路型の方
が良い。
また、点火コイル69と点火用放電ギャップ73は点火ノ
イズが引き起こす電波障害対策としてシールドした方が
良い。できれば、点火コイル69のリード線は貫通コンデ
ンサを介してそのシールド・ケースから引き出したい。
さらに、スイッチング電源の様に第9図、第10図両図
に示す点火回路の発振周波数を高めることにより点火コ
イル69を小型、軽量化することができる。
(第3の利点) 参考資料 a)1964年、ジョン・ウィリィ・アンド・サンズ社(Jo
hn Wiley & Sons,Inc.)出版の「プリンシプルズ・
オブ・インバータ・サーキッツ(Principles of Inve
rter Cir−cuits)」、訳本:1968年、コロナ社出版の
「インバータ回路」 b)1987年、オーム社出版の「最新パワー・デバイス活
用読本」。
先行技術 (1)主電流検出手段に関する先行技術: a)実開昭55−44690号 b)特開昭58−50825号 c)日経PB社が1986年7月28日出版の「日経エレクトロ
ニクス(No.400)」の144〜145ページ。『電源などの電
流制限回路の損失を下げられる電流検出端子付きパワー
MOS・FET』 (2)カレント・ミラー回路に関する先行技術: a)『トランジスタ技術 SPECIAL No.1 特集 個別
半導体素子活用法のすべて』の91ページ、CQ出版社が昭
和62年1月1日発行。
b)『トランジスタ技術 1988年11月号』の461ペー
ジ、CQ出版社が昭和63年11月1日発行。
(3)自己保持機能を持つスイッチング手段に関する先
行技術: a)特公昭55−37178号 b)特公昭56−5098号 c)特公昭56−26216号 d)特開昭52−50157号 e)特開昭55−138927〜8号 f)特開昭57−118438号 g)特開昭58−168329号 h)特開昭62−100018号 i)PCT/JP87/00612号(WO88/01805号) j)実開昭63−187424号 (4)点火装置に関する先行技術: a)特開昭52−104634号 b)特開昭54−3627号 c)特開昭57−168066号 d)特開昭59−54772号 e)特開昭62−5019 f)(特願昭61−013938号) g)特開昭62−217017号 h)特開昭62−228815号 i)特願昭62−120234号 (5)その他の先行技術: a)PCT/JP87/00053号(WO87/04575号) b)特願昭62−126875号 c)PCT/JP87/00595号(WO88/01804号) d)特願昭63−4820号
【図面の簡単な説明】 第1図は第3発明の「自己保持機能を持つスイッチング
回路」の1実施例を示す回路図である。 第2図は第1発明を利用した第2、第3発明共通の「自
己保持機能を持つスイッチング回路」の1実施例を示す
回路図である。 第3図は第3発明のΓ自己保持機能を持つスイッチング
回路」の1実施例を示す回路図である。 第4図は第1図の実施例を用いた直流チョッパー回路の
1例を示す回路図である。 第5図は第1発明を利用した第2、第3発明共通の「自
己保持機能を持つスイッチング回路」の1実施例を示す
回路図である。 第6図は第3発明の「自己保持機能を持つスイッチング
回路」の1実施例を示す回路図である。 第7図は第3発明の「自己保持機能を持つスイッチング
回路」の1実施例を示す回路図である。 第8図は第1発明を利用した第2、第3発明共通の「自
己保持機能を持つスイッチング回路」の1実施例を示す
回路図である。 第9図、第10図を組み合わせて両図で第1図、第2図の
両実施例を応用したスイッチング回路2つを用いた点火
回路の1例を示す回路図である。 第11図は第1発明の「自己保持機能を持つスイッチング
手段の主電流検出手段」の1実施例を示す回路図であ
る。 第12図(a)〜(c)は従来の「自己保持機能を持つス
イッチング手段の主電流検出手段」の3例を示す回路図
である。 第13図(a)〜(c)は従来のカレント・ミラー回路の
3例を示す回路図である。 第14図(a)〜(c)は従来の「自己保持機能を持つス
イッチング手段の主電流検出手段」の3例を示す回路図
である。 第15図(a)〜(c)は従来のカレント・ミラー回路の
3例を示す回路図である。 第16図は従来の「自己保持機能を持つスイッチング手
段」の1例を示す回路図である。 第17図は実施例ではなく第2、第3発明の効果を説明す
るために使用する「自己保持機能を持つスイッチング手
段」の1例を示す回路図である。 第18図は従来の「自己保持機能を持つスイッチング手
段」の1例を示す回路図である。 第19図は従来技術から容易に考えられる「自己保持機能
を持つスイッチング手段」の1例を示す回路図である。 第20図は第1発明の「自己保持機能を持つスイッチング
手段の主電流検出手段」の1実施例を示す回路図であ
る。 (符号の説明) mt1〜mt18……主端子 t1、t2……入力端子 34……負荷抵抗 36……トランジスタ(ノーマリィ・オン型SIT) 39……トランジスタ(ノーマリィ・オフ型IGBT) 68……転流コンデンサ 69……点火コイル 69a……1次コイル 73……点火用放電ギャップ 92、93……発光素子 94……光電変換素子 SW1、SW2……スイッチング回路 S1〜S7……接続状態にある導線同士を示す符号 97……電圧検出手段 98……オアー回路

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バイポーラ・モードの第1〜第3の能動素
    子手段が有って、 前記第1の能動素子手段の駆動信号入力用に対を成す制
    御電極と主電極を制御電極ce1と主電極me1aと呼び、そ
    の残りの主電極を主電極me1bと呼び、前記第2の能動素
    子手段の駆動信号入力用に対を成す制御電極と主電極を
    制御電極ce2と主電極me2aと呼び、その残りの主電極を
    主電極me2bと呼び、前記第3の能動素子手段の駆動信号
    入力用に対を成す制御電極と主電極を制御電極ce3と主
    電極me3aと呼び、その残りの主電極を主電極me3bと呼ぶ
    としたときに、 そして、制御電極ce1・主電極me1a間と制御電極ce3・主
    電極me3a間の逆バイアス電圧極性は同じで、制御電極ce
    2・主電極me2a間のそれとは反対であるとしたときに、 制御電極ce1と主電極me2bを接続し、主電極me1bと制御
    電極ce2を接続して自己保持機能を持つスイッチング手
    段を構成し、 制御電極ce2・主電極me2a間電圧が制御電極ce3・主電極
    me3a間電圧に影響を及ぼす様に制御電極ce2・主電極me2
    a間と制御電極ce3・主電極me3a間を両順方向を揃えて並
    列的に接続したことを特徴とする自己保持機能を持つス
    イッチング手段の主電流検出手段。
  2. 【請求項2】前述した並列的な接続として、 主電極me2aに第1の抵抗手段を接続しており、 主電極me3aに第2の抵抗手段を接続しており、 前記第1の抵抗手段の開放端と制御電極ce3を接続して
    おり、 前記第2の抵抗手段の開放端と制御電極ce2を接続して
    いることを特徴とする請求項1記載の自己保持機能を持
    つスイッチング手段の主電流検出手段。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の自己保持機能を持つ
    スイッチング手段の主電流検出手段において、 「自己保持機能を持たない電圧駆動型の第4の能動素子
    手段」が主電極me1a・主電極me2a間を流れようとする電
    流をバイパスする様に前記第4の能動素子手段と前記ス
    イッチング手段を並列的に接続し、 駆動電圧供給用の直流電源手段を持ち、主電極me3bの出
    力電流に基づいて動作し、前記スイッチング手段がオフ
    のとき前記第4の能動素子手段をオフ駆動し、前記スイ
    ッチング手段の主電流が大きくなるのに対して前記スイ
    ッチング手段の自己保持動作を優先した上で前記第4の
    能動素子手段の主電流を大きくさせる方向に前記第4の
    能動素子手段を駆動する駆動手段を設けたことを特徴と
    する自己保持機能を持つスイッチング回路。
  4. 【請求項4】自己保持機能を持つスイッチング手段と、 前記スイッチング手段の主電流を検出する主電流検出手
    段と、 前記スイッチング手段の両主端子間を流れようとする電
    流をバイパスする様に前記スイッチング手段と並列的に
    接続される、自己保持機能を持たない電圧駆動型の能動
    素子手段と、 駆動電圧供給用の直流電源手段を持ち、前記主電流検出
    手段の出力信号に基づいて動作し、前記スイッチング手
    段がオフのとき前記能動素子手段をオフ駆動し、前記ス
    イッチング手段の主電流が大きくなるのに対して前記ス
    イッチング手段の自己保持動作を優先した上で前記能動
    素子手段の主電流を大きくさせる方向に前記能動素子手
    段を駆動する駆動手段、 を有することを特徴とする自己保持機能を持つスイッチ
    ング回路。
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