JP3129651B2 - 接着剤および粘着剤 - Google Patents

接着剤および粘着剤

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JP3129651B2 JP08058046A JP5804696A JP3129651B2 JP 3129651 B2 JP3129651 B2 JP 3129651B2 JP 08058046 A JP08058046 A JP 08058046A JP 5804696 A JP5804696 A JP 5804696A JP 3129651 B2 JP3129651 B2 JP 3129651B2
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英次 金丸
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Kao Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天然ゴム系の接着
剤および粘着剤に関し、より詳しくは脱蛋白天然ゴムを
解重合した解重合天然ゴムを用いた接着剤および粘着剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】天然ゴムを解重合して得られる解重合天
然ゴムは、強力な粘着力と優れた架橋反応性とを有する
ことから、接着剤や粘着剤の用途に広く使用されてい
る。例えば、特開昭58−47068号公報には、解重
合天然ゴムラテックスの安定性の向上、乾燥皮膜のタッ
キネス、感圧接着力の向上を図った粘着剤組成物が開示
されている。
【0003】特開昭63−10747号公報には、解重
合した天然ゴムラテックスを基材とするテニスボールシ
ーム用接着剤が開示されている。この接着剤は、球状の
コアボールと平面状のメルトン(テニスボールの表皮を
形成するために瓢箪型に打ち抜かれたフェルト)と貼り
合わせてテニスボールを製造する際に、貼り合わせたメ
ルトンのシーム部(目地部)の接着に使用される。
【0004】特開平2−37376号公報には、解重合
した天然ゴムラテックスを基材とし、テニスボールのメ
ルトンとコアボールとの接着に使用する接着剤が開示さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の解重合
天然ゴムラテックスは褐色に着色している。そのため、
例えばテニスボールのシーム用接着剤として使用する場
合、シーム部は白色の鮮明さが要求されるため、接着剤
に酸化チタンなどの白色顔料を加えているが、それでも
シーム部の色がくすんで汚くなり、外観が悪く、商品価
値が低下するという問題がある。とくに、ラテックス状
態で白色顔料を混合した場合には、白色顔料の有する隠
蔽力が低下することから、外観がより一層悪くなるとい
う問題がある。また、褐色に着色した接着剤は無色透明
が要求されるような用途、例えばアルバム類の粘着剤等
には使用できない。
【0006】さらに、従来の解重合天然ゴムラテックス
には、天然ゴム特有の臭気があるため、使用者に不快感
を与えるおそれがある。例えばテニスボールの場合、ボ
ール内部からのガス漏れを防止するために、通常は加圧
缶にボールを缶詰にするが、使用時に缶をあけた際に、
天然ゴム特有の臭いがして、使用者に不快感を与えるこ
とが指摘されており、その改善が求められている。
【0007】加えて、解重合天然ゴムラテックスは、天
然ゴムに由来する蛋白質が原因となる即時性アレルギー
をひき起こすおそれがあるため、人体に接触する製品へ
の使用が制限される。本発明の目的は、接着性能が高
く、しかも天然ゴム特有の着色や臭気がなく、殆ど無色
透明に近く、かつ即時性アレルギーをひき起こすおそれ
のない接着剤および粘着剤を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、脱蛋白した天然
ゴムを解重合して得られる解重合天然ゴムは、高い接着
性能を有すると共に、天然ゴム特有の着色や臭気がな
く、しかも蛋白質が除去されているので即時性アレルギ
ーをひき起こすおそれもないという新たな事実を見いだ
し、本発明を完成するに到った。
【0009】すなわち、本発明の接着剤は、脱蛋白天然
ゴムを解重合して得られる解重合天然ゴムを基材とする
ことを特徴とする。また、本発明の粘着剤は、前記と同
じ脱蛋白天然ゴムを解重合して得られる解重合天然ゴム
と粘着性付与剤とを含有することを特徴とする。本発明
における脱蛋白天然ゴムは、窒素含有量が0.1重量%
以下で実質的に蛋白質を含有しないものであるのが好ま
しい。
【0010】また、前記脱蛋白天然ゴムを用いて得られ
る解重合天然ゴムは、数平均分子量が150,000以
下であるのが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明における解重合天然ゴムを
得るには、例えば脱蛋白天然ゴムラテックスにカルボニ
ル化合物を添加し、ラジカル発生剤の存在下で天然ゴム
を空気酸化する方法が挙げられる。この方法によれば、
高い反応効率で天然ゴムを解重合することができ、かつ
得られた解重合天然ゴムは液状で分子量分布が狭いた
め、これを加硫して得られるゴムは通常の加硫ゴムと異
ならない物理特性を有する。
【0012】ここで、カルボニル化合物は解重合された
天然ゴムの分子末端に結合して、再重合を抑制し、解重
合された天然ゴムを安定化させる作用があると推測され
る。なお、前記したラジカル発生剤は必ずしも必要では
なく、脱蛋白天然ゴムのラテックスにカルボニル化合物
を添加し、前記脱蛋白天然ゴムを空気酸化するだけでも
よい。しかし、脱蛋白天然ゴムの空気酸化をラジカル発
生剤の存在下で行うときは、解重合を速やかに高効率で
行うことができる。
【0013】上記方法に従って解重合を行うと、ゴム弾
性を損なう原因となる主鎖のエポキシ化、異性化等の副
反応を極めて低いレベルに押さえることができる。前記
空気酸化では、天然ゴムと空気との接触をできるだけ多
くするのが、得られる解重合天然ゴムの分子量分布を狭
くする上で望ましい。そのためには、例えば溶液を激し
く振盪する、溶液を激しく攪拌する、溶液に空気を激し
く吹き込むなどして、空気との接触を多くする。
【0014】出発原料として用いられる天然ゴムラテッ
クスとしては、例えば天然のゴムの木から得られるフィ
ールドラテックスのほかアンモニア処理ラテックス(例
えばハイアンモニアラテックス)などがいずれも使用可
能である。本発明における脱蛋白天然ゴムは、本発明者
らによって開発された方法(特開平6−56902号公
報)に基づいて製造することができる。この方法は、フ
ィールドラテックス、アンモニア処理ラテックスなどの
ラテックスに蛋白分解酵素を添加して蛋白質を分解させ
た後、界面活性剤によって繰り返し洗浄して精製するも
のである。洗浄には遠心分離法が好適に採用される。
【0015】精製して得られる脱蛋白天然ゴムは少なく
ともその窒素含有量が0.1重量%以下、好ましくは
0.05重量%以下、さらに好ましくは0.02%以下
で実質的に蛋白質が完全に除去されたものであることが
望ましい。ケールダール法によって決定される窒素含有
量が前記範囲の脱蛋白天然ゴムは、水溶性蛋白質だけで
はなく天然ゴム分子に結合した蛋白質も蛋白分解酵素等
により分解除去されたものである。特に好ましい脱蛋白
天然ゴムとしては、その生ゴムフィルムの赤外線吸収ス
ペクトルにおいて、3280cm-1に現れるポリペプチ
ドの吸収が検出できないレベルまで精製された天然ゴム
である。
【0016】天然ゴムの空気酸化を促進するためのラジ
カル発生剤としては、例えば過酸化物系ラジカル発生
剤、レドックス系ラジカル発生剤、アゾ系ラジカル発生
剤等が好適に用いられる。前記カルボニル化合物として
は、種々のアルデヒド類、ケトン類等があげられる。
【0017】脱蛋白天然ゴムラテックスは、ゴム固形分
濃度が1〜60重量%、好ましくは1〜40重量%、よ
り好ましくは1〜20重量%で酸化反応に供される。ラ
ジカル発生剤は上記天然ゴムラテックス中に溶解または
分散させて用いられる。ラジカル発生剤の添加量は、ゴ
ム固形分に対して0.05〜5重量%、好ましくは0.
1〜1重量%であるのが適当である。
【0018】なお、ラジカル発生剤の添加は必ず必要で
なく、ラジカル発生剤を添加しなくても、空気酸化によ
る解重合を行うことは可能である。しかし、反応を促進
させるために、上記天然ゴムラテックスと同様に、ラジ
カル発生剤を5重量%以下、好ましくは1重量%以下で
添加してもよい。脱蛋白天然ゴムラテックスに添加する
カルボニル化合物は、ゴム分に関係なくラテックス容量
に対して20容量%(V/V%)以下、好ましくは1〜
10容量%となるように添加するのが適当である。
【0019】空気酸化では、溶液を空気と均一に接触さ
せることが望ましい。空気との接触を均一にする手法は
特に限定されないが、例えば振盪フラスコ中で振盪させ
るほか、攪拌や空気を吹き込むバブリング等により容易
に行うことができる。空気酸化を進める温度は、通常、
室温〜100℃で行われるが、特に限定されるものでは
ない。反応は、通常1〜5時間程度で終了する。
【0020】反応後、反応生成物を反応液から分離し精
製する。例えば、反応後の反応液に塩溶液を適量添加し
凝固させた後、精製する。かくして得られる解重合天然
ゴムは、脱蛋白天然ゴムを解重合して得られた液状ゴム
であり、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による
数平均分子量が150,000以下、好ましくは15
0,000〜2,000、より好ましくは100,00
0〜2,000の範囲内にあるのがよい。また、得られ
る解重合天然ゴムはMw /Mn が4以下の狭い分子量分
布を有する。ここで、数平均分子量を150,000以
下としたのは、この範囲より高いものは加温しても液化
しにくいためである。
【0021】また、得られる解重合天然ゴムは、副反応
によって生成したエポキシ基が1分子鎖あたり1個以下
の割合であり、かつ天然ゴムと同じ高シス構造を維持し
ている。従って、これを架橋して得られるゴム製品は通
常の天然ゴムと変わらない物理特性を有する。得られた
解重合天然ゴムは、ラテックスの形態(固形分濃度20
〜60重量%)あるいはラテックスから乾燥した形態で
使用され、これに各種の添加剤を配合して接着剤を調製
する。解重合天然ゴムをラテックスの形態で使用する場
合、前述のように、これに白色顔料を混合すると白色顔
料の隠蔽力が低下する傾向にあるが、本発明で使用する
解重合天然ゴムは脱蛋白処理によって殆ど無色透明に近
いものであるので、例えばテニスボールのシーム部に使
用しても、隠蔽力の低下は殆ど影響せず、鮮明な白色の
シーム部を形成することができる。
【0022】このような添加剤としては、粘着付与剤、
加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、充填剤、老化防止
剤、増粘剤などがあげられる。このうち、加硫促進剤、
加硫促進助剤、充填剤、老化防止剤、増粘剤などは必要
に応じて配合すればよい。粘着付与剤としては、例えば
日本ゼオン社製の「QE6503B」、安原ケミカル社
製の「YSレジンPx−1150」などが使用可能であ
る。加硫剤としては硫黄が好適に使用されるが、テトラ
メチルチウラムジスルフィド、N,N′−ジチオビスモ
ルホリンなどの含イオウ化合物も使用可能である。加硫
促進剤としては、例えば2−メルカプトベンゾチアゾー
ル亜鉛塩、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛などが使用
可能である。加硫促進助剤としては、例えば酸化亜鉛、
ステアリン酸、オレイン酸、トリエタノールアミンなど
が使用可能である。
【0023】充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、
カオリン、クレー、硫酸バリウムなどがあげられる。老
化防止剤としては、例えば2,2′−メチレンビス(4
−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メ
チレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)
などが使用可能である。増粘剤としては、例えばカルボ
キシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポ
リエチレンオキシドなどが使用可能である。
【0024】これらの添加剤の配合量は全体で前記ゴム
基材100重量部(乾燥重量)に対して通常20〜60
重量部(乾燥重量)である。以上のようにして調製され
る接着剤の粘度は、通常3000〜70000cps
(20℃)〔BM型粘度計No.4ローター;12または
6rpm〕に調整するのが好ましい。
【0025】本発明の接着剤はその流動特性としてチキ
ソトロピー特性を示す。そのため、塗布に際しては、接
着剤を攪拌して接着剤の粘度を下げ、塗布効率を向上さ
せることができると共に、塗布後は速やかに増粘するた
め、接着剤が塗布物から垂れるなどの問題がなく、従っ
て接着物の寸法安定性も向上する。加えて、本発明の接
着剤は固形分濃度が35〜70重量%と通常の溶剤糊に
比べて高く、比較的高沸点の溶剤を使用しないため、乾
燥後に溶剤は殆ど残留せず、従って、接着部(例えばテ
ニスボールのシーム部)にポーラス部が発生するのを防
止できる。
【0026】また、本発明における粘着剤は、例えば粘
着シートや粘着テープなどに使用される。かかる粘着剤
は、解重合天然ゴムラテックス(固形分濃度:20〜6
0重量%)またはラテックスから乾燥した解重合天然ゴ
ムと粘着性付与剤とを混合し、これに各種の添加剤、例
えば加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、充填剤、老化
防止剤、増粘剤などが必要に応じて添加して調製され
る。
【0027】粘着付与剤としては、一般の粘着剤に使用
されているものがいずれも使用可能であり、例えば前記
したもののほか、変性ロジンエステル系、テルペン系、
クマロン−インデン系、石油樹脂系、フェノール系の粘
着化樹脂などが好適に使用される。これらはラテックス
または有機溶剤溶液の形態で配合してもよい。解重合天
然ゴムと粘着性付与剤との固形分重量比は30:70〜
80:20の範囲であるのが適当である。
【0028】また、粘着特性調節のために、天然ゴム、
合成樹脂または合成ゴムなどを配合してもよい。上記天
然ゴムとしては、特に前記したような脱蛋白天然ゴムを
使用するのが、着色や臭気の削減、アレルギー対策など
のうえから好ましい。その他の添加剤は前記接着剤で使
用のものと同じでよく、配合量も略同様でよい。
【0029】
【実施例】
参考例1 (解重合天然ゴムの製造)300mlのフラスコに、窒
素含有量が0.01重量%の脱蛋白天然ゴムラテックス
200mlを入れ、このラテックスに対してラジカル発
生剤として過硫酸カリウムを0.1重量%の割合で、ま
たプロピオンアルデヒドを1容量%の割合でそれぞれ添
加した後、リン酸水素ナトリウム水溶液でpH10でか
つ固形分濃度を約50重量%に調整した。ついで、50
℃の恒温振盪槽中で5時間振盪して空気酸化を行った。
その後、25℃に冷却して、解重合天然ゴムラテックス
Aを得た。このラテックスAはそのまま接着剤原料とし
て使用した。
【0030】なお、上記解重合天然ゴムラテックスに1
%塩化カルシウム水溶液を添加してゴム分を凝集させ、
乾燥した後、ヘキサンに溶解させ、メタノールを用いた
再沈澱法による精製を3回行い、乾燥して得られた解重
合天然ゴムは固有粘度2.8、GPCによる分子量は約
10万であった。 参考例2 (解重合天然ゴムの製造)過硫酸カリウムの添加量を
1.0重量%で、プロピオンアルデヒドの添加量を2容
量%としたほかは、参考例1と同様にして解重合天然ゴ
ムラテックスBを得た。このラテックスBはそのまま接
着剤原料として使用した。
【0031】得られた解重合天然ゴムの固有粘度は2.
2、GPCによる分子量は約5万であった。 実施例1 (テニスボールのメルトン−コアボール間の接着剤)参
考例1で得た解重合天然ゴムラテックスAを用いて、表
1に示す配合(単位:重量部)で接着剤を作製した。
【0032】 (成 分) (乾燥重量) (湿潤重量) 解重合ラテックスA 100 200 クイントンQE6503B (*1) 5 10 硫黄 2 4 加硫促進剤MZ(*2) 0.5 1 加硫促進剤EZ(*3) 0.5 1 亜鉛華1号 0.5 1 hi- メトローズ90SH-15000(*4) 1.3 21.7 合計 109.8 238.7 *1:合成テルペン樹脂エマルション( 日本ゼオン社製) *2:2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩 *3:ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛 *4:水溶性セルロース(信越化学社製) 得られた接着剤の固形分濃度および粘度(BM型粘度計
No.4ローター:6rpm)、接着剤乾燥後の接着力を
求めた。なお、接着剤乾燥後の接着力はJISZ 15
22に準じて求めた。それらの結果を表1に示す。
【0033】得られた接着剤を、常法により標準のテニ
スボール用コアボール(直径約6cm)の表面に塗布
し、水分を蒸発させて後、メルトンクロスを貼り合わせ
て、120℃で15分間プレス加硫し、テニスボールを
作製した。このテニスボールの物性(コア/メルトンク
ロス接着強度および外径)も表1に併せて示す。 比較例1 (テニスボールのメルトン−コアボール間の接着剤)脱
蛋白していない市販の解重合天然ゴムラテックス(葵ラ
バー社製)の189重量部(乾燥重量換算で実施例1と
同じ100重量部)を配合したほかは実施例1と同様に
して接着剤を作製した。この接着剤を使用して実施例1
と同様にしてテニスボールを作製した。比較例1の接着
剤およびテニスボールの物性を表1に併せて示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1から、実施例1の接着剤は比較例1と
殆ど同等の接着剤力を有することがわかる。しかし、実
施例1で得たテニスボールは、比較例1に比べてゴム特
有の臭気がないので、加圧缶をあけてボールを取り出す
ときの不快な臭気の問題が解消されると共に、メルトン
貼り合わせ工程における作業環境も良好であった。 実施例2 (テニスボールのメルトンシーム用接着剤)参考例1で
得た解重合天然ゴムラテックスAを用いて、下記の配合
(単位:重量部)にて、接着剤〔固形分:45.4%、
pH10.2、粘度20000cps(20℃)〕を作
製した。
【0036】 (成 分) (乾燥重量) (湿潤重量) 解重合ラテックスA 100 200 クイントンQE6503B (前出) 10 20 硫黄 1.5 3 加硫促進剤MZ(前出) 0.5 1 加硫促進剤EZ(前出) 0.5 1 亜鉛華1号 3 6 老化防止剤2246(*1) 1.5 3 酸化チタン 7 14 hi- メトローズ90SH-15000(前出) 1 16.7 *1:2,2′−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール) 裏糊を塗布したメルトンの複数枚を積み重ね、これを金
属製エンドプレートで挟んでメルトンの側面のみを露出
させた状態で、前記接着剤内に浸漬し、メルトンの側面
に接着剤を付着させ、乾燥させた。このメルトンをコア
ボール表面に貼り合わせてテニスボールを作製した。こ
のものは、物性の面では通常の溶剤糊を用いて作製した
テニスボールと殆ど変わらなかった。 比較例2 (テニスボールのメルトンシーム用接着剤)解重合天然
ゴムラテックスAに代えて、比較例1で用いたと同じ市
販の解重合天然ゴムラテックスを用いたほかは、実施例
2と同様にしてテニスボールを作製した。
【0037】このテニスボールを実施例2で得たテニス
ボールと比較すると、シーム部の色は比較例2のテニス
ボールでは汚いくすんだ白色であるのに対して、実施例
2のそれは鮮明な白色であった。 実施例3、5および比較例3 (粘着剤) 表2に示す配合組成からなる粘着剤組成物を調製し、3
0℃で24時間熟成させた。なお、比較例で用いた市
販解重合ラテックスは、比較例1で用いたと同じ脱蛋白
処理していない天然ゴムラテックスを原料としたもの
(葵ラバー社製)である。
【0038】
【表2】
【0039】*1:テトラメチルチウラムジスルフィド *2:ジメチルジチオカルバミン酸の亜鉛塩 *3:ポリアクリル酸ナトリウム(増粘剤) 上記の粘着剤をポリプロピレンフィルム(O−ppフィ
ルム)面に、乾燥後の厚さが60μmとなるように塗布
し、25℃で8時間放置して、粘着フィルムを得た。そ
して、この粘着剤の特性を評価した。その結果を表3に
示す。なお、タッキネスはJ.Dow法により求められ
る球転タッキネスである。支持力は、荷重1kgで60
分保持したときのずり落ちの距離で示した。粘着力はス
テンレス板との180度剥離の力で示した。
【0040】
【表3】
【0041】
【発明の効果】本発明の接着剤および粘着剤は、高い接
着性能を有すると共に、天然ゴム特有の着色や臭気がな
く、しかも即時性アレルギーをひき起こすおそれもない
ので、この接着剤を使用して得られるテニスボールなど
の商品の外観がわるくならず、商品価値を高めることが
できるという効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 000000918 花王株式会社 東京都中央区日本橋茅場町1丁目14番10 号 (72)発明者 田中 康之 東京都八王子市打越町1481−184 (72)発明者 榊 俊明 兵庫県加古川市尾上町養田1314番地の1 (72)発明者 越智 敦子 兵庫県西脇市堀町320の7 (72)発明者 林 正治 和歌山県和歌山市榎原133−5 (72)発明者 金丸 英次 東京都千代田区神田錦町3丁目19番地1 不二ラテックス株式会社内 (72)発明者 柴田 和彦 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電工株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−56902(JP,A) 特開 平6−329702(JP,A) 特開 平5−39222(JP,A) 特開 昭57−179266(JP,A) 特開 昭58−47068(JP,A) 特開 昭58−152075(JP,A) 特開 昭55−84378(JP,A) 特開 平7−238102(JP,A) 特開 平8−12814(JP,A) 特開 昭57−179265(JP,A) 特開 平8−81502(JP,A) 特開 平8−119859(JP,A) 特開 平8−277383(JP,A) 特開 平9−25468(JP,A) 特開 平9−136903(JP,A) 特開 平9−217048(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 1/00 - 201/10 C08L 1/00 - 101/16 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脱蛋白天然ゴムを空気酸化により解重合し
    て得られ、ゲル浸透クロマトグラフィーによる数平均分
    子量が150,000〜2,000である解重合天然ゴ
    ムを基材とする接着剤。
  2. 【請求項2】前記脱蛋白天然ゴムは、ケルダール法によ
    り決定される窒素含有量が0.1重量%以下である請求
    項1記載の接着剤。
  3. 【請求項3】前記数平均分子量が100,000〜2,
    000である請求項1記載の接着剤。
  4. 【請求項4】請求項1記載の解重合天然ゴムと粘着性付
    与剤とを含有する粘着剤。
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