JPH0539222A - 鎮痛抗炎症貼付剤 - Google Patents

鎮痛抗炎症貼付剤

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JPH0539222A
JPH0539222A JP21787791A JP21787791A JPH0539222A JP H0539222 A JPH0539222 A JP H0539222A JP 21787791 A JP21787791 A JP 21787791A JP 21787791 A JP21787791 A JP 21787791A JP H0539222 A JPH0539222 A JP H0539222A
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JP
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drug
natural rubber
ester
patch
medicine
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JP21787791A
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English (en)
Inventor
Yasuhiko Sasaki
康彦 佐々木
Yukihiro Matsumura
行博 松村
Yasumasa Uchikawa
安雅 内川
Masamichi Orihara
正通 折原
Hiroshi Arai
博 荒井
Michio Terasawa
道夫 寺澤
Kenji Ogawa
建志 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TOKUHON KK
Tokuhon Corp
Welfide Corp
Original Assignee
TOKUHON KK
Tokuhon Corp
Welfide Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 α,2−ジメチル−5H−〔1〕ベンゾピラ
ノ〔2,3−b〕ピリジン−7−酢酸またはそのエステ
ル、天然ゴム系粘着剤、粘着付与剤としてのロジンエス
テル樹脂、ポリテルペン樹脂、吸収促進助剤としてのチ
モールおよび1−メントールを配合してなる粘着剤層を
有する鎮痛抗炎症貼付剤。 【効果】 上記薬物が効率よく、かつ持続的に粘着剤
層から放出されて経皮吸収されるので、当該薬物の優れ
た薬効が持続的に得られる、当該貼付剤は粘着力にお
いて優れ、且つ安全性の高いものである、当該薬物が
粘着剤層中において安定に存在する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、非ステロイド抗炎症
薬としてα,2−ジメチル−5H−〔1〕ベンゾピラノ
〔2,3─b〕ピリジン−7−酢酸またはそのエステル
(特に、N,N−ジメチルカルバモイル−メチルエステ
ル)を含有する貼付剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、局所疾患部位の皮膚に鎮痛抗
炎症薬を直接投与する治療システムの手段として多種多
様の貼付剤が提案されている。例えば、特開昭55−1
33310号公報には不透過性プラスチックフィルム、
不織布に熱可塑性弾性体、軟化剤、粘着付与剤を用いて
製剤化した鎮痛抗炎症貼付剤が、特開昭59−2278
19号公報には、伸縮性不織布の片面に薬物非浸透性で
伸張性の高分子フィルムを融着一体化せしめた支持体上
のフィルム面に、メタアクリル酸アルキルエステルと分
子内にエーテル基を有するメタアクリル酸エステルと極
性モノマーの共重合体に非ステロイド鎮痛抗炎症薬を配
合した貼付剤が開示されている。
【0003】特開昭60−139615号公報、特開昭
60−158111号公報および特開昭60−2047
15号公報は、薬物不透過性の支持体上にベースポリマ
ーとしてポリテルペン樹脂、ロジングリセリンエステル
を配合したケトプロフェン、エトフェナメート含有貼付
剤が開示されている。特開昭62−252412号公報
には、多孔質微粒子状の担体に薬物を含浸させて、膏体
中に混合して製した貼付剤が、特開昭62−12611
9号公報には、溶解性、放出性向上のため有機酸を含有
した感圧性接着剤に、塩形態の非ステロイド系鎮痛抗炎
症薬を配合し柔軟な支持体上に展膏して製した貼付剤が
開示されている。
【0004】特開昭62−240613号公報および特
開昭62−240614号公報には、粘着剤層に薬物、
界面活性剤、脂肪酸エステルを含有する貼付剤が、特開
平1−40420号公報には、膏体の主基剤としてスチ
レン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を使用
し、粘着付与剤としてポリテルペン樹脂、テルペンフェ
ノール樹脂、石油系樹脂、軟化剤として流動パラフィ
ン、吸収促進ならびに溶解補助剤としてハッカ油を用い
て基剤を構成し、これにカルボキシル基を有する非ステ
ロイド系消炎鎮痛薬を配合した貼付剤が開示されてい
る。
【0005】特開平1−233212号公報および特開
平1−233213号公報には、粘着剤層中に薬物、レ
シチン、ソルビタン脂肪酸エステルおよび吸収促進剤を
含有した貼付剤が、特開平2−124821号公報およ
び特開平2−138220号公報には、C9 〜C22脂肪
族カルボン酸、C10〜C22脂肪族アルコールを含有する
ピロキシカム貼付剤がそれぞれ開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記いずれ
においても製剤評価上有用な貼付剤は得られておらず、
未だに医療の場で非ステロイド鎮痛抗炎症貼付剤は使用
されるに至っていないのが実情である。従って、薬物が
効率よく、かつ持続的に当該貼付剤から放出されて経皮
的に吸収され、優れた鎮痛抗炎症作用を示す非ステロイ
ド鎮痛抗炎症貼付剤の開発が待望されているのが実情で
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】ところで、上述した通り
従来の非ステロイド鎮痛抗炎症貼付剤の開発上の着眼点
は、以下の項目に集約できる。即ち、 薬物の放出に適した粘着剤層用の組成物を開発しよ
うとすること、 分子形態を変化させて薬物の溶解、放出、吸収を向
上させようとすること、 吸収促進剤の添加により、薬物の吸収率を向上させ
ようとすること、 薬物不透過性の支持体を用いることにより薬物の吸
収率を向上させようとすること、 である。
【0008】本発明者らは、上記従来の着眼点に拘泥さ
れることなく、長年月をかけて鎮痛抗炎症薬としての薬
物の選択、粘着剤層用の組成物の開発、スクリーニング
などを繰り返し実施してきたところ、α,2−ジメチル
−5H−〔1〕ベンゾピラノ〔2,3−b〕ピリジン−
7−酢酸またはそのエステルが、貼付剤とした場合にお
いても、経皮吸収性、薬効の持続性に優れること、粘着
剤層用の組成物の主基剤として天然ゴム系、特に脱蛋白
天然ゴム系のものを使用すれば、当該薬物が効率よく、
かつ持続的に粘着剤層から放出されて経皮吸収され、か
つ粘着力および安全性の高い貼付剤が得られることを見
いだした。
【0009】さらには、上記貼付剤において粘着付与剤
としてロジンエステル樹脂、ポリテルペン樹脂を選択す
ること、または/および前記薬物用の吸収促進剤として
チモールおよび1−メントールの併用を選択することに
よって前記薬物の粘着剤に対する溶解性、薬物の放出
性、薬物の経皮吸収性がさらに改善されることを見いだ
した。
【0010】本発明は前記の新知見に基づいて完成され
たものであり、α,2−ジメチル−5H−〔1〕ベンゾ
ピラノ〔2,3−b〕ピリジン−7−酢酸またはそのエ
ステル、および主たる基剤として天然ゴム系粘着剤を含
有する組成物よりなる粘着剤層を有する貼付剤を提供す
るものである。
【0011】本発明で使用されるα,2−ジメチル−5
H−〔1〕ベンゾピラノ〔2,3−b〕ピリジン−7−
酢酸のエステルは、経皮吸収されうるものであれば、特
に制限はなく、特に好ましいエステルとしては、例えば
N,N−ジメチルカルバモイル−メチルエステルが例示
される。本発明で使用される前記薬物は、特開昭64−
25782号公報に記載されている。本発明の貼付剤
は、通常支持体上に上記薬物を含有する粘着剤層を設け
た態様である。
【0012】支持体は、柔軟で薬物を透過しにくいもの
であれば特に限定されるものではない。かかる支持体と
しては、具体的には、例えば織布、不織布およびプラス
チックフィルム(ポリオレフィンフィルム、特にポリエ
チレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリビニルア
ルコールフィルム、塩化ビニルフィルム、、ポリアミド
フィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ウレ
タンならびにウレタンアロイフィルム、エチレンビニル
アセテートフィルム、ポリ塩化ビニリデン系無延伸多層
フィルム)、フォーム(アクリルまたはポリスチレンポ
リブタジエンとポリイソプレンポリマーのブレンドタイ
プ)、前記フィルムに金属を蒸着したもの、さらにこれ
らの2種以上を用いた積層シートなどが挙げられる。支
持体の厚みは約500μm以下、好ましくは5〜150
μmである。
【0013】粘着剤層は、上記主薬、さらには他の添加
剤(例えば、粘着付与剤、経皮吸収促進助剤、軟化剤な
ど)を保持、含有させるための層であり、天然ゴム系ポ
リマーを主たる基剤とするものであれば特に制限はな
い。特に、本発明においては脱蛋白した天然ゴム系のポ
リマーが好適である。けだし脱蛋白した天然ゴム系のポ
リマーは本発明で使用される薬物に対する放出性と経皮
吸収性に対して顕著な効果を示すと共に皮膚刺激性が極
めて少ないからである。
【0014】天然ゴム系のポリマーの配合量は、粘着剤
層用の組成物全量に対して、通常30〜60%重量、好
ましくは10〜50%重量である。なお、本発明の目的
を達成しえる限りにおいて、上記天然ゴム系の粘着剤に
加えて、他の粘着剤を配合してもよい。かかる粘着剤と
しては、たとえば天然ゴム系、合成ゴム系、アクリル
系、シリコーン系などの粘着剤が例示される。アクリル
系粘着剤としては、特に炭素数4〜18の脂肪族アルコ
ールと(メタ)アクリル酸とから得られる(メタ)アク
リル酸アルキルエステルの共重合体及び/又は上記(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルとその他の官能性モノ
マーとの共重合体が好適に用いられる。
【0015】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
としては、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、
アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸
2−エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、アクリ
ル酸デシル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸ラウリ
ル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イ
ソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリ
ル酸イソオクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸
イソデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステ
アリルなどがある。
【0016】合成ゴム系粘着剤としては、スチレン−イ
ソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、ブチルゴム、ポリイソブチレン、ポリ
ビニルエーテル、ポリウレタン、ポリブタジエンなどが
例示される。シリコーン樹脂系粘着剤としては、ポリオ
ルガノシロキサンなどのシリコーンゴムなどが例示され
る。
【0017】ところで本発明者らは、天然ゴム中に存在
するタンパク質(通常5%前後を含有)の一部は粘着剤
層用の組成物の製造工程中に熱と圧力を受けて分解し
て、アミン系物質に変化し、これが皮膚刺激性を有する
ことを見いだした。従って、当該アミン系物質ないしは
その源となるタンパク質を除去することができれば、従
来品にまさる安全性の高い貼付剤を作成することができ
るのではないかとの推定の下に種々研究を重ねて来たと
ころ、脱蛋白した天然ゴム系の粘着性剤を使用すれば、
安全性が高く、しかも一般的に薬物に対する放出性と経
皮吸収性に対して顕著な効果を示す粘着剤がえられるこ
とを見いだした。
【0018】従って、本発明においても当該脱蛋白した
天然ゴム系の粘着性材料を使用することが好ましい。こ
こに脱蛋白とは、蛋白を系外に除去することのみなら
ず、蛋白を分解して、予め皮膚を実質的に刺激しない物
質に分解しておくことをも包含する。
【0019】具体的な脱蛋白方法としては、たとえば蛋
白分解酵素による蛋白の分解が例示される。ここで使用
される蛋白分解酵素としては、上記目的を達成しえる限
り特に制限はなく、例えばパパイアの酵素(パパインな
ど)、スピラーゼが例示される。
【0020】蛋白分解酵素にて脱蛋白を行う場合、蛋白
分解酵素を粘着剤用の組成物全量に対して0.075〜
0.150%重量、好ましくは0.025〜0.125
%重量を配合することによって製造される。天然ゴムの
ラテックス採取後、遠心分離して60%濃縮ラテックス
とし、この時のpHを約9.5に調整した後、直ちに蛋
白分解酵素を配合することが好ましい。
【0021】本発明に関して、粘着剤層には、さらに粘
着付与剤を配合することが好ましい。粘着付与剤として
は、ロジン系樹脂、ポリテルペン系樹脂、テルペンフェ
ノール樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂など
が挙げられる。
【0022】ポリテルペン系樹脂としては、YS−レジ
ン(安原油脂製の非極性のポリテルペン系樹脂)、ピコ
ライト(ハーキュリーズ製)などが、テルペンフェノー
ル樹脂としてはYS−ポリスター(安原油脂製)、ピコ
フィン(ハーキュリーズ製)などが、石油系樹脂として
はクイントン(日本ゼオン製)、アルコン(荒川化学
製)、レガレッツ(ハーキュリーズ製)、エスコレッツ
(エクソン製)、ウイングタック(グッドイヤー製)な
どが、ロジンエステル樹脂としては水添ロジンエステル
樹脂(エステルガムHG:荒川化学製)が例示される。
本発明において、特に好ましい粘着付与剤としては、ロ
ジンエステル樹脂、ポリテルペン樹脂、特に好ましく
は、低沸点留分を除去精製した水添ロジンエステル樹脂
(エステルガムHG:荒川化学製)、また、非極性のポ
リテルペン系樹脂(YS−レジン:安原油脂製)などが
用いられる。
【0023】粘着付与剤の配合量は粘着剤層用の組成物
全量の30〜60重量%、好ましくは10〜50重量%
である。また、本発明で使用される薬物は、上記粘着剤
に対して極めて難溶性のため溶解・放出・吸収促進作用
を有する助剤(薬物の吸収促進助剤)を配合することが
好ましい。特に好適な吸収促進助剤としては、チモール
(融点:49〜51℃)、1−メントール(融点:42
〜44℃)が例示され、これらは併用することが好まし
い。その際チモール:1−メントールは1:1〜1:2
の割合であることが好ましい。吸収促進助剤の配合量は
粘着剤用の組成物全量の0.1〜20%重量、好ましく
は1〜10%重量である。
【0024】なお、当該チモールと1−メントールより
なる吸収促進助剤は、単に本発明に関する薬物のみなら
ず、あまねく薬物、例えばケトプロフェン、フルルビプ
ロフェン、インドメタシンなどに対しても吸収促進効果
を有するものである。粘着剤層には、さらに軟化剤とし
て、例えば流動パラフィン、シリコンオイルなどを配合
することもでき、また公知の老化防止剤、充填剤などを
製剤性能に影響を与えない程度に添加しても差し支えな
い。
【0025】本発明の天然ゴム系粘着剤を含有する粘着
剤層中に配合される薬物量は、通常70〜1500μg
/cm2 、就中100〜800μg/cm2 となるように調
整されることが好ましい。本発明の貼付剤は、粘着剤層
上をさらに離型紙などのライナーで被覆してもよい。
【0026】
【作用・効果】本発明は、薬物として特定のα,2−ジ
メチル−5H−〔1〕ベンゾピラノ〔2,3−b〕ピリ
ジン−7−酢酸またはそのエステルを選択し、粘着剤と
して天然ゴム系、特に脱蛋白天然ゴム系のものを選択し
てなる貼付剤であり、かかる選択によって次の如き効果
が得られる。
【0027】当該薬物が効率よく、かつ持続的に粘着
剤層から放出されて経皮吸収されるので、当該薬物の優
れた薬効が持続的に得られる。 当該貼付剤は粘着力において優れ、且つ安全性の高い
ものである。 当該薬物が粘着剤層中において安定に存在する。
【0028】さらに、粘着付与剤としてロジンエステル
樹脂、ポリテルペン樹脂を、前記薬物用の吸収促進剤と
してチモールおよび1−メントールの併用を選択するこ
とによって当該薬物の粘着剤への溶解性、薬物の放出
性、薬物の経皮吸収性がさらに改善されるという効果を
有する。
【0029】
【実施例】次に本願発明の実施例ならびに実験例に基づ
いて本発明をより詳細に説明する。
【0030】実施例1 脱蛋白天然ゴム40.5部に、軟化剤としてポリブテン
HV300(出光興産製)11.5部、粘着付与剤とし
てエステルガムHG(荒川化学製)25.0部と充填剤
として酸化亜鉛(堺化学製)8.0部を加圧下で加熱混
合し、ついで吸収促進助剤としてのチモールと1−メン
トールの等量混合液5.5部にN,N−ジメチルカルバ
モイル−メチル α,2−ジメチル−5H−〔1〕ベン
ゾピラノ〔2,3−b〕ピリジン−7−アセテート2.
5部を溶解させたものを加え均一になるまで混合して粘
着剤層用の組成物を製造した。この後、織布上に展膏
し、離型紙などのライナーで被覆した後、所望のサイズ
に裁断し、本発明の鎮痛抗炎症貼付剤とした。このもの
を試験に供したところ確実に、しかも持続的に薬物の放
出がみられ、薬物の生物学的利用率に優れ、薬効薬理も
その有用性を充分に裏付けるものであった。
【0031】実施例2 脱蛋白天然ゴム38.0部に、粘着付与剤としてYSレ
ジン(安原油脂製)35.0部を加圧下で加熱混合し、
ついで吸収促進助剤としてのチモールと1−メントール
の等量混合液5.5部にN,N−ジメチルカルバモイル
−メチル α,2−ジメチル−5H−〔1〕ベンゾピラ
ノ〔2,3−b〕ピリジン−7−アセテート2.5部を
溶解させたものを加え、均一になるまで混合して粘着剤
層用の組成物を製造した。この後、ウレタンアロイフィ
ルム上に展膏し、離型紙などのライナーで被覆した後、
所望のサイズに切断し、本願発明の鎮痛抗炎症貼付剤と
した。このものを試験に供したところ実施例1と同様で
あった。
【0032】比較例1 ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンブロック
コポリマーTR−1107(シェル化学製)35.0部
と流動パラフィン20.0部、貼着付与剤としてエステ
ルガムHG(荒川化学製)31.25部を加圧下で加熱
混合し、ついで吸収促進助剤として、チモールと1−メ
ントールの1:1.5の混合液9.25部に、N,N−
ジメチルカルバモイル−メチルα,2−ジメチル−5H
−〔1〕ベンゾピラノ〔2,3−b〕ピリジン−7−ア
セテート2.5部を溶解させたものを加え均一になるま
で混合して粘着剤層用の組成物を製造した。この後、不
織布上に展膏し、離型紙等のライナーで被覆した後、所
望のサイズに裁断し比較貼付剤とした。
【0033】比較例2 ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンブロック
コポリマーTR−1107(シェル化学製)34.5部
と流動パラフェン19.5部、粘着付与剤としてエステ
ルガムHG(荒川化学製)34.5部を加圧下で加熱混
合し、ついで吸収促進助剤として、チモールと1−メン
トールの等量混合液9部に、N,N−ジメチルカルバモ
イル−メチルα,2−ジメチル−5H−〔1〕ベンゾピ
ラノ〔2,3−b〕ピリジン−7−アセテート2,5部
を溶解させたものを加え均一になるまで混合して粘着剤
層用の組成物を製造した。この後、不織布上に展膏し、
離型紙等のライナーで被覆した後、所望のサイズに裁断
し比較貼付剤とした。
【0034】実験例1 実施例1および2ならびに比較例1および2で得られた
鎮痛抗炎症貼付剤を、家兎の背部に貼付して経皮吸収後
の血漿中の薬物濃度を下記の方法にて測定し、その測定
結果を表1から表4に示す。
【0035】(試験方法)日本白色系雄性家兎(体重約
3.0kg)を一群5羽とし、前日に除毛した各ウサギの
背部に試料片(7×10cm)を12時間貼付し、1,
2,4,6,8,10,12時間後および薬剤剥離後
2,12時間後にそれぞれ約2mlを採血し、血漿中から
薬物濃度を測定した。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】実験例2 ラット足蹠に実験例1で使用したのと同一の各製剤を貼
付した時のカラゲニン足浮腫の抑制効果を下記の方法に
よって測定し、その測定結果を表5に示す。
【0041】(試験方法)ウイスター系ラット(体重約
140g)を一群8匹とし、各ラットの右後肢容積を測
定後右後肢足蹠に試料片(3.0×3.5cm) を貼付
し、4 時間後に薬剤を剥離し、その足蹠皮下に直ちに
1.0%λ−カラゲニン生理食塩水溶液0.1mlを皮下
投与し、3時間後に足容積を測定し、先の値より浮腫率
を、さらにコントロール群(無処置)との差より抑制率
を求めた。
【0042】
【表5】
【0043】実験例3 ラット足蹠に実施例1で使用したのと同一の各製剤を貼
付し、その時のドライイーストの起炎剤による鎮痛効果
を下記の方法によって測定し、その測定した結果を表6
に示す。
【0044】(試験方法)ウイスター系ラット(体重1
30g)を一群8匹とし、右後肢の圧痛閾値をラット用
圧刺激鎮痛効果測定装置にて測定し、この後肢足蹠に実
験例2の方法で試料片(3.0×3.5cm)を貼付し、
4時間後に薬剤を剥離しこの足蹠皮下に直ちに10%ド
ライイースト水溶液0.1mlを皮下投与した。起炎剤投
与2時間後にRandall-Seritto 法にて圧痛閾値を測定し
た。次にコントロール群( 無処置)との比較により圧痛
閾値増加率を求めた。
【0045】
【表6】
【0046】以上の実験例1〜3に示した結果から明ら
かなように、本願発明の貼付剤は比較例よりも薬物の生
物学的利用率も高く、鎮痛抗炎症効果も強いことが確認
され、医療上において有用な薬剤であることを示唆する
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 47/10 E 7329−4C (72)発明者 折原 正通 埼玉県久喜市上町6−6 (72)発明者 荒井 博 群馬県邑楽郡板倉町下五箇1753−2 (72)発明者 寺澤 道夫 福岡県築上郡吉富町大字小祝955番地 吉 富製薬株式会社中央研究所内 (72)発明者 小川 建志 福岡県築上郡吉富町大字小祝955番地 吉 富製薬株式会社中央研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α,2−ジメチル−5H−〔1〕ベンゾ
    ピラノ〔2,3−b〕ピリジン−7−酢酸またはそのエ
    ステル、および主たる基剤として天然ゴム系粘着剤を含
    有する組成物よりなる粘着剤層を有する貼付剤。
  2. 【請求項2】 天然ゴム系粘着剤が脱蛋白天然ゴム系粘
    着剤である請求項1記載の貼付剤。
  3. 【請求項3】 粘着付与剤としてロジンエステル樹脂、
    ポリテルペン樹脂を含有してなる粘着剤層を有する請求
    項1または2記載の貼付剤。
  4. 【請求項4】 薬物の吸収促進助剤として、チモールお
    よび1−メントールを含有してなる粘着剤層を有する請
    求項1〜3のいずれかに記載の貼付剤。
  5. 【請求項5】 α,2−ジメチル−5H−〔1〕ベンゾ
    ピラノ〔2,3−b〕ピリジン−7−酢酸のエステルが
    N,N−ジメチルカルバモイル−メチルエステルである
    請求項1〜4記載のいずれかに記載の貼付剤。
  6. 【請求項6】 脱蛋白天然ゴムを主たる基剤として含有
    してなる貼付剤用の粘着剤。
  7. 【請求項7】 チモールおよび1−メントールを含有し
    てなる薬物用の経皮吸収促進助剤。
JP21787791A 1991-08-02 1991-08-02 鎮痛抗炎症貼付剤 Pending JPH0539222A (ja)

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JP21787791A JPH0539222A (ja) 1991-08-02 1991-08-02 鎮痛抗炎症貼付剤

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