JP2653592B2 - 非ステロイド系薬物高放出性テープ剤 - Google Patents

非ステロイド系薬物高放出性テープ剤

Info

Publication number
JP2653592B2
JP2653592B2 JP3320373A JP32037391A JP2653592B2 JP 2653592 B2 JP2653592 B2 JP 2653592B2 JP 3320373 A JP3320373 A JP 3320373A JP 32037391 A JP32037391 A JP 32037391A JP 2653592 B2 JP2653592 B2 JP 2653592B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
adhesive
weight
water
drug
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3320373A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05155762A (ja
Inventor
義弘 沢井
清則 永田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyukyu Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Kyukyu Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyukyu Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Kyukyu Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP3320373A priority Critical patent/JP2653592B2/ja
Publication of JPH05155762A publication Critical patent/JPH05155762A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2653592B2 publication Critical patent/JP2653592B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トリエチレングリコー
ルに対する溶解度が相対的に高い非ステロイド系薬物の
放出性の良好なテープ剤に関する。更に詳しくは、トリ
エチレングリコールに対する溶解度が相対的に高い非ス
テロイド系薬物、トリエチレングリコール及びテルペン
類の混合物並びに常温で感圧接着性を有しかつ吸水性を
有する粘着性基剤によって構成される薬物高放出性
ープ剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来非ステロイド系薬物を有効成分とす
るテープ剤としては多くのものが知られている。例えば
(1)インドメタシンを主剤とする、アクリル酸アルキ
ルエステルモノマーのホモポリマー或はアクリル酸アル
キルエステルと共重合可能な他のモノマーとからなる共
重合ポリマー、又はそれらと相容性を有するインドメタ
シン放出補助物質(多価アルコール)との混合物を、透
湿性を有する担持体上に密着してなる貼付剤(特公昭5
9−7688号)、(2)インドメタシンをアクリル酸
系モノマーとビニル系モノマー、例えば、酢酸ビニルと
の共重合体中に含有させ、それを担持体に直接或いは下
塗り部材を介して間接に形成した積層体からなる製剤
(特開昭61−277615号)、(3)粘着性基剤と
してアクリル系共重合物、ポリビニルエーテル化合物な
どを用い、インドメタシン或はジアゼパムとテルペン類
の少くとも1種、低級アルコール、グリコール類とから
なる組成物(特開昭63−225316号)、また、
(4)インドメタシンと浸透補助剤としてのグリチルレ
チン酸を、アクリル酸エステルとアクリル酸との共重合
体またはアクリル酸エステルと酢酸ビニル共重合体とか
らなる粘着剤に含有せしめ、必要により更に多価アルコ
ールを使用するもの(特公昭63−2533号)、更に
(5)主剤として非ステロイド消炎鎮痛剤、粘着性膏体
としてスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
体(以下SISと略記)、粘着性付与剤としてポリテル
ペン樹脂など、軟化剤として流動パラフィン、吸収促進
物質としてハッカ油(テルペン類)を使用し、支持体と
してプラスチックフィルム、織布や不織布を用いたもの
(特開昭64−40420号)等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(1)のものは皮膚を適度にむれさせてインドメタシン
の吸収促進をはかっているので、担持体の透湿性のコン
トロールが面倒であり、場合によっては皮膚のただれを
起こすおそれもあり、上記(2)のものはアクリル共重
合体の数平均分子量並びにそれと重量平均分子量との比
が一定でなければならず、その調整が繁雑であるし、ま
た主剤の利用率が高くないという欠点があり、上記
(3)のものは実際的な処方例は示されておらず、実用
的にどの程度有効なのか不明である。また、上記(4)
のものは担持体として非透湿性フィルムを使用してお
り、密封療法や肥厚又は角質化した患部への投与には適
しているものの、肥厚や角質化していない皮膚へ適用し
た場合、汗疹のおそれもあり、一般的なものとはいえな
い。更に上記(5)のものは基剤について粘着性付与剤
や軟化剤の添加が必須であるなどの難点がある。かかる
事情に鑑み、皮膚に対する副作用がなく、調製が簡単
で、しかも主剤の利用効率の高いテープ剤を提供するこ
とが本発明の課題である。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような技術水準下、
本出願人等は主剤の非ステロイド系薬物の放出性を高
め、安全性の高いテルペン類が有する薬物の経皮吸収促
進能を有効に発揮させ、経時的に安定で、安全性に優
れ、かつ投与コントロールが可能な経皮吸収システムの
系としてまとめうる製剤の開発を目的として鋭意研究し
たところ、多価アルコールであるトリエチレングリコー
ルが、テルペン類による経皮吸収促進能を、他の多価ア
ルコール類例えば繁用されるプロピレングリコールより
も高めるばかりでなく、プロピレングリコールなどより
も経時的安定性や安全性に優れており、この性質が、ト
リエチレングリコールに対する溶解度がプロピレングリ
コールなどの汎用グリコールに比較して相対的に高い薬
物に共通しており、かつ非水系は勿論経皮治療システム
(Transdermal TherapeuticS
ystem、以下TTSと略記)の製剤とするための含
水系においても有効なビヒクルであることを見出し、ト
リエチレングリコールに対する溶解度が相対的に高い薬
物とトリエチレングリコールと、テルペン類とを配合し
た経皮投与製剤を提案した(特開平5−201879号
公報)。本発明者等は更に研究を進めた結果、上記のよ
うな成分を、常温で感圧接着性を有しかつ吸水性を有す
る粘着性基剤と混合することにより、上記の目的を更に
十分に達成し得るテープ剤が得られることを見出し、本
発明に到達した。◇即ち、本発明はトリエチレングリコ
ールに対する溶解度が相対的に高い薬物と、トリエチレ
ングリコールとテルペン類並びに粘着剤に水溶性高分子
化合物を混合するか或いは粘着剤をエマルジョン化した
ものに水溶性高分子化合物を混合して得られる常温で感
圧接着性を有し、かつ吸水性を有する粘着性基剤とで構
成される経皮投与製剤に関する。以下、本発明のテープ
剤につき詳述する。
【0005】本発明において、トリエチレングリコール
に対する溶解度が相対的に高い非ステロイド系薬物とし
ては、プロピレングリコールや、1,3−ブチレングリ
コールに対する溶解度に比して、トリエチレングリコー
ルに対する溶解度が1.5倍以上、好ましくは2倍以上
のものを言う。なお、薬物はその治療目的が局所的であ
ると全身的であるとを問わない。具体的には、ダントロ
レンナトリウム、インドメタシン、ケトプロフェン、フ
ルルビプロフェン、ジクロフェナックナトリウム、硝酸
イソソルビッド、塩酸ニカルジピン、ニフェジピンなど
が挙げられるが、これらのものに限定されるものではな
い。なお、フマル酸ケトチフェン、アテノロール、塩酸
エペリゾンやメトプロロールのトリエチレングリコール
に対する溶解度はプロピレングリコールのそれよりも劣
っており、従ってTTS製剤化に不向きである。これら
の薬物は、この系の作用効果を損はない範囲内で他の薬
剤との合剤とすることを妨げるものではない。薬物の使
用量は膏体全量に対し、0.1〜10重量%、好ましく
は0.2〜5重量%である。
【0006】本発明においてテルペン類とは、トリエチ
レングリコールの系の中でトリエチレングリコールに対
する溶解度が相対的に高い薬物の経皮吸収促進能を示す
テルペン類であれば、特に制限はない。このような性質
を示すテルペン類としてはモノテルペンアルコール、セ
スキテルペンアルコール、酸素原子を含まない分子式
(C58n(式中nは1以上の整数)を有するテルペ
ンやこれらのテルペンを含む天然精油が挙げられる。モ
ノテルペンアルコールとしては、具体的には例えばシト
ロネロール、ゲラニオール、ネロール、リナロール、メ
ントール、テルピネオール、カルベオール、ツイルアル
コール、ピノカンフェオール、β−フェンチルアルコー
ル、シネオール、ジメチルオクタノール、ヒドロキシシ
トロネロール、テトラヒドロリナロール、ムゴール、ミ
ルセノールやこれらの光学異性体などの立体異性体が、
セスキテルペンアルコールとしては具体的には例えばフ
ァルネソール、ネロリドール、ランセオール、サンタロ
ール、イソプレゴール、ノポール、ボルニルメトキシシ
クロヘキサノール、ベチベノールやこれらの光学異性体
などの立体異性体が、酸素原子を含まない分子式(C5
8nを有するテルペンとしては、nが1の半テルペ
ン、nが2のテルペン、nが3のセスキテルペン、nが
4のジテルペン、nが5のセスターテルペン、nが6の
トリテルペン、nが8以上のポリテルペンなどが挙げら
れ、具体的には例えば非環式のミルセン、オシメン、単
環式のリモネン、テルピノレン、フェランドレン、テル
ピネン、シルベストレン、オスマン、二環式のツェン、
サビネン、カレン、α−ピネン、フェンチェン、カンフ
ェン、サンテン、更にC15以上のものとしてビサボレ
ン、ジンギベレン、クルクメン、カジネン、α−セリネ
ン、α−チャミグレン、カリオフィレン、サンタレン、
α−カンホレン、リミュエン、カウレン、フィロクラデ
ンなどが挙げられる。
【0007】また、天然精油としては、ベイ油、レモン
葉油、ホップ油、メボウキ油、ゴシュヒ果実油、橙皮
油、ミカン油、夏ミカン油、オレンジ油、ハッカ油、針
葉油、ショウノウ油、サンショウ油、コリアンダー油、
マニラ エレミ油、ジンジャグラス油、ユーカリ油、大
茴香油、ヘノポジ油、コエンドロ油、樟牛油、キンモク
セイ油、サビナ油、テレビン油、扁柏油、橙花油、シベ
リア針葉油、オガルカヤ油、吉草油、白檀油、マルバハ
ッカ精油、ミルラ精油、レモン油、ショウガ根茎精油、
ウコン精油、杉油、ヒノキ油、セレリー種子精油、タイ
ワンヒノキ油、五味子精油、チョウジ油、ケイ皮油、ゼ
ラニウム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ペッパー
油、イランイラン油、カナンガ油、シソ油、パチュリー
油、ベチバ油、スペアミント油、アニス油などが挙げら
れる。これらのテルペン類は単独であるいは混合して用
いてもよい。
【0008】これらのテルペン類の中でも、ハッカ油、
オレンジ油、テレビン油やl−メントールが特に優れて
おり、とりわけ従来テルペン類の中でも優れていると認
められているリモネンやそれを90%以上含んでいるオ
レンジ油よりもハッカ油やl−メントールが顕著に優れ
ており、これらのものが至適なものとして挙げられる。
テルペン類の使用量は、その種類によっても異なるが製
剤全体に対し0.1〜20重量%、特に0.5〜15重
量%が有利である。トリエチレングリコールの使用量は
薬物や他の基剤や溶媒などとの組合せによっても異なる
が、薬物を溶解して本発明の目的を達成する量であり、
製剤全体に対し0.2〜98重量%、とりわけできるだ
け少量でこの経皮投与製剤の系で薬物を溶解しうるのが
好ましく、0.2〜50重量%が好適である。
【0009】本発明でいう吸水性を有する粘着性基剤と
は、通常の粘着剤に水溶性高分子化合物を混合したも
の、或は粘着剤をエマルジョン化したものに、水溶性高
分子化合物を混合したものであって、水分を吸収する能
力を有するものをいう。粘着剤としては、アクリル系粘
着剤では、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重
合体で、アルキル基がメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ラ
ウリル基、ステアリル基等があり、また、酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、スチレン等との共重合体が挙げら
れる。合成ゴムではスチレン−ブタジエンゴム(SB
R)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(C
R)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−イソプレン
−スチレンブロックコポリマー(SIS)、エチレンプ
ロピレンゴム(EPM)・シリコーンゴム、ウレタンゴ
ム等が挙げられる。勿論、天然ゴム系粘着剤も使用可能
である。またこれらをエマルジョン化したものも使用さ
れる。前記アクリル系、合成ゴム系及び天然ゴム系粘着
剤は少なくとも1種以上で用いられ、その配合量は30
〜95重量%が好ましい。上記基剤に混合され得る水溶
性高分子化合物としては、デンプン、カルボキシメチル
デンプン、ジアルデヒドデンプン、デキストリン、アク
リル酸デンプン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニ
ルポリマー、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウ
ム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、カラギー
ナン等が挙げられ、その配合量は1〜10重量%が好ま
しい。更に粘着性基剤には例えば、ポリブテン、エステ
ルガム、ロジン、水添ロジン、テルペン系樹脂、石油系
樹脂等の粘着付与剤、ソルビタンモノオレエート、ソル
ビタンモノステアレート、ソルビタンモノラウレート、
グリセリンモノステアレート、ポリソルベート80等の
界面活性剤、流動パラフィン、グリセリン、イソプロピ
ルミリステートの如き高級脂肪酸エステル類、シリコ
ン、植物油等の軟化剤、ジブチルヒドロキシトルエン、
ブチルヒドロキシアニソール、グアヤコールエステル
類、ノルジヒドログアイアレチン酸、酢酸トコフェロー
ル等の抗酸化剤を所望により添加することもできる。
【0010】本発明のトリエチレングリコールは、吸収
促進を高める溶解剤として作用する外、それ自身保湿効
果を発揮するが、本発明の目的を損なわない範囲内で他
の多価アルコール例えばマンニトール、ソルビトール、
グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリンなどを保湿
剤として、また薬物を溶解する他の溶媒例えばインドメ
タシンにおいては、クロタミトン、ベンジルアルコー
ル、フェネチルアルコール、エタノール、イソプロパノ
ールやグリセリン類などを、ダントロレンナトリウムに
おいては、N−メチル−2−ピロリドン、エタノール、
イソプロパノール、ベンジルアルコール、フェネチルア
ルコール、マクロゴールや前記保湿剤としても作用する
グリセリン類などを加えることを妨げるものではない。
また、テルペン類が最も好ましい経皮吸収促進剤ではあ
るが、経皮吸収を相加または相乗的に促進するものであ
れば、他の経皮吸収促進剤を使用することは可能であ
る。そのような経皮吸収促進剤としてはジエチルセバケ
ート、アジピン酸ジイソプロピルなどの二塩基酸ジエス
テルやミリスチン酸イソプロピルなどの脂肪酸エステル
などが挙げられる。これらの基剤の使用量は、薬剤、ト
リエチレングリコール、テルペン類の使用量や基剤の種
類、本発明の作用効果を考慮して定められるが、製剤
(この場合膏体)全体に対し約30〜98重量%、好ま
しくは60〜95重量%である。
【0011】本発明テープ剤を製造するには、薬物、ト
リエチレングリコール、テルペン類、その他基剤の各成
分を均一に練合し、練合物を支持体に展延し、必要によ
り乾燥し、剥離フィルムを貼合し、適宜の大きさに裁断
し、包装する。均一な膏体の調製を容易にするため用い
られる薬剤、基剤、経皮吸収促進組成物の各成分の物理
化学的性状を考慮して、その添加練合順序を適宜設定
し、あるいは加温、超音波処理することは自由である。
テープ製剤をエマルジョン法で製造するに際して、粘着
成分のゴム類などは予めラテックスエマルジョンとして
調製し、添加練合することができる。展延は、製造され
た膏体を支持体あるいは剥離フィルムに適宜の温度を保
持するかあるいは加熱して所定の厚さに均一に塗布する
など常法に従って行なわれる。乾燥は、溶媒法、あるい
はエマルジョン法によってテープ製剤を製造する際に行
なわれ、溶媒あるいは水を揮散させる。次いで膏体を支
持体に展延したときはその膏体上に剥離フィルムを貼合
し、膏体を剥離フィルム上に展延したときは、展延膏体
上に支持体を貼合する。支持体はプラスチックフィル
ム、布、不織布などが用いられ、殊にネルや不織布が好
ましい。また、剥離フィルムは剥離処理を施したセロフ
ァンやポリエチレンフィルムなどのプラスチックフィル
ムが好適に用いられる。
【0012】
【作用】本発明の経皮投与製剤はトリエチレングリコー
ルに対する溶解度が相対的に高い非ステロイド系薬物、
トリエチレングリコール及びテルペン類の混合物並びに
粘着剤に水溶性高分子化合物を混合するか或いは粘着剤
をエマルジョン化したものに水溶性高分子化合物を混合
して得られる常温で感圧接着性を有しかつ吸水性を有す
る粘着性基剤と混合して得られるものであり、これによ
り経皮透過性に優れ、実用的TTSの製剤化を可能にす
ることができた。
【0013】試験例1 トリエチレングリコールに対する各薬物の溶解度試験 [試験方法] トリエチレングリコール(TEG)、ブチレングリコー
ル(BG)、プロピレングリコール(PG)を各々約5
ml採り、この液に各薬物を過剰となるように溶解させ
た(超音波分散及び加温処理)後、室温まで放冷し、過
剰量を析出させた。次に遠心分離処理を行い、更に上澄
液はフィルター濾過を行った。得られた濾液についてモ
ル吸光度法にて溶解度を算出した。 [結果] 溶解度(mg/ml)
【0014】
【表1】
【0015】表において、フマル酸ケトチフェン、アテ
ノロール、塩酸エペリゾン、メトプロロール以外のもの
がトリエチレングリコールに対する溶解度が相対的に高
い非ステロイド系薬物として用いることができる。
【0016】
【実施例】以下に実施例を示すが、本発明はこれに限定
されるものではない。 実施例 ケトプロフェン2.0重量%をトリエチレングリコール
5.0重量%及びクロタミトン3.0重量%に溶解しこ
の溶解液にハッカ油5.0重量%を添加し、これにポリ
ビニルアルコール2.0重量%を適量の水に溶解したも
の及びアクリル酸メチル・アクリル酸−2−エチルヘキ
シル共重合体樹脂エマルジョン(ニカゾールTS−6
0;日本カーバイド製)(固形分として)83.0重量
部に加えて混合し、これをライナー上に延展乾燥後、支
持体に展着することにより、本発明に係る高放出性非ス
テロイド系薬物テープ剤を調製した。
【0017】実施例 YSレジンPx35.0重量%、ポリブテン10.0重
量%、流動パラフィン4.0重量%を加温溶解し、これ
にジクロフェナックナトリウム1.0重量%、トリエチ
レングリコール10.0重量%に溶解し、この溶解液に
テレビン油5.0重量%を添加し、更にポリアクリル酸
ナトリウム2.5重量%を適量の水に溶解したものを加
えて混合し、次に天然ゴムラテックス(固形分として)
17.5重量%、SBRラテックス(固形分として)1
5.0重量%を加えて均一に混合し、これをライナー上
に延展乾燥後、支持体に展着することにより、本発明に
係る高放出性非ステロイド系薬物テープ剤を調製した。
【0018】実施例 石油系樹脂(クイントンB−170;日本ゼオン製)4
1.5重量%、ポリブテン9.0重量%、スチレン−イ
ソプレン−スチレンブロックコポリマー(カリフレック
スTR−1107;シェル化学製)30.0重量%を適
量のトルエンに加えて加温溶解し、これにポリソルベー
ト80 1.5重量%、ポリビニルピロリドン4.0重
量%を適量の水に溶解したものを加える。次に硝酸イソ
ソルビド1.0重量%、トリエチレングリコール5.0
重量%及びベンジルアルコール5.0重量%に溶解し、
この溶解液にl(エル)−メントール3.0重量%を添
加したものを加えて均一に混合し、これをライナー上に
延展し、トルエンを留去し、支持体に展着することによ
り本発明に係る高放出性非ステロイド系薬物テープ剤を
調製した。以下に、粘着性基剤として吸水性を有しない
ものを用いた結果、吸水性を有しないほかは、本発明と
同成分をもつ比較例1〜3及びエマルジョン化した粘着
剤を用いるが、水溶性高分子化合物を用いないで得られ
る吸水性を有する粘着性基剤であって、他の成分は本発
明と同一の比較例4〜5を示す。
【0019】比較例1 アミノアルキルメタクリレートコポリマー(オイドラギ
ットE;ローム&ハース製)69.0重量%、ポリブテ
ン8.0重量%及び流動パラフィン4.0重量%を適量
の酢酸エチルに溶解し、これにインドメタシン1.0重
量%をトリエチレングリコール10.0重量%及びクロ
タミトン3.0重量%に溶解しこの溶解液にl(エル)
−メントール5.0重量%を添加したものを加えて均一
に混合し、これをライナー上に延展し、酢酸エチルを留
去して支持体に展着し、テープ剤を調製した。
【0020】比較例2 YSレジンPx35.5重量%、ポリブテン10.4重
量%、流動パラフィン4.3重量%、天然ゴム18.2
重量%、SBR15.6重量%に適量のトルエンを加え
て加温溶解し、これにジクロフェナックナトリウム1.
0重量%、トリエチレングリコール10.0重量%に溶
解し、この溶解液にテレビン油5.0重量%を添加した
ものを加えて均一に混合し、これをライナー上に延展
し、トルエンを留去して、支持体に展着してテープ剤を
調製した。
【0021】比較例3 石油系樹脂(クイントンB−170;日本ゼオン製)4
4.0重量%、ポリブテン10.0重量%、スチレン−
イソプレン−スチレンブロックコポリマー(カリフレッ
クスTR−1107;シェル化学製)32.0重量%を
適量のトルエンに加えて加温溶解し、これに硝酸イソソ
ルビド1.0重量%、トリエチレングリコール5.0重
量%及びベンジルアルコール5.0重量%に溶解し、こ
の溶解液にl(エル)−メントール3.0重量%を添加
したものを加えて均一に混合し、これをライナー上に延
展し、トルエンを留去して、支持体に展着してテープ
を調製した。
【0022】比較例4 インドメタシン1.0重量%をトリエチレングリコール
10.0重量%及びクロタミトン3.0重量%に溶解し
この溶解液にl(エル)−メントール5.0重量%を添
加し、アクリル酸n−ブチル・メタアクリル酸共重合体
エマルジョン(プライマルN−580NF;日本アクリ
ル化学製)(固形分として)81.0重量%に加えて混
合し、これをライナー上に延展乾燥後、支持体に展着す
ることにより、非ステロイド系薬物テープ剤を調製し
た。
【0023】比較例5 テルペン系樹脂(YSレジンPx;安原油脂製)32.
6重量%、ポリブテン10.3重量%、流動パラフィン
4.3重量%を加温溶解し、これにニフェジピン1.0
重量%、トリエチレングリコール10.0重量%及びク
ロタミトン5.0重量%を溶解し、この溶解液にオレン
ジ油5.0重量%を添加したものを加えて混合し、次に
天然ゴムラテックス(固形分として)17.2重量%、
SBRラテックス(固形分として)14.6重量%を加
えて均一に混合し、これをライナー上に延展乾燥後、支
持体に展着することにより、非ステロイド系薬物テープ
剤を調製した。
【0024】以下に、本発明テープ剤、比較例1〜3
(吸水性を有しない粘着性基剤使用)及び比較例4(エ
マルジョン化した粘着剤を用いるが、水溶性高分子化合
物を用 いないで得られる吸水性を有する粘着性基剤使
用)につき、薬物放出試験を示す。試験例2 薬物放出
試験 実施例2、3、比較例1、2、3及びを用い、日局溶
出試験法第2法(パドル法)を準用し、37℃の生理食
塩水中に放出した各ステロイド量をHPLC法により測
定し、所定時間ごとの放出量を算出した。図1にその結
果を示す。試験例2より明らかな如く、本願発明に係る
テープ剤は比較例1〜4に比べ際立った放出性を示し、
本願発明の有用性を証明している。
【0025】
【効果】トリエチレングリコールに対する溶解度が相対
的に高い薬物の経皮透過性に優れ、体内吸収が良好であ
るため的確な投与コントロール下で的確な薬効を発現さ
せることができ、経皮治療システムにおける実用的な製
剤を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明及び比較例のテープ剤についての薬物放
出試験結果を示すグラフである。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トリエチレングリコールに対する溶解度が
    相対的に高い非ステロイド系薬物、トリエチレングリコ
    ール及びテルペン類の混合物並びに粘着剤に水溶性高分
    子化合物を混合するか或いは粘着剤をエマルジョン化し
    たものに水溶性高分子化合物を混合して得られる常温で
    感圧接着性を有しかつ吸水性を有する粘着性基剤によ
    って構成されることを特徴とする薬物高放出性テープ
    剤。
  2. 【請求項2】非ステロイド系薬物の配合割合が、0.1
    〜10.0重量%である請求項1記載のテープ剤。
  3. 【請求項3】非ステロイド系薬物が非ステロイド系消炎
    ・鎮痛剤である請求項1又は2記載のテープ剤。
  4. 【請求項4】粘着性基剤が、アクリル系粘着剤、天然ゴ
    ム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤からなる群より選ばれた
    少くとも1種に、水溶性高分子化合物を混合したもので
    ある請求項1記載のテープ剤。
  5. 【請求項5】粘着性基剤が、アクリル系粘着剤、天然ゴ
    ム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤からなる群より選ばれた
    少くとも1種をエマルジョン化したものに、水溶性高分
    子化合物を混合したものである請求項1記載のテープ
    剤。
  6. 【請求項6】テルペン類がハッカ油、メントール、オレ
    ンジ油、テレビン油である請求項1記載のテープ剤。
JP3320373A 1991-12-04 1991-12-04 非ステロイド系薬物高放出性テープ剤 Expired - Lifetime JP2653592B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3320373A JP2653592B2 (ja) 1991-12-04 1991-12-04 非ステロイド系薬物高放出性テープ剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3320373A JP2653592B2 (ja) 1991-12-04 1991-12-04 非ステロイド系薬物高放出性テープ剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05155762A JPH05155762A (ja) 1993-06-22
JP2653592B2 true JP2653592B2 (ja) 1997-09-17

Family

ID=18120752

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3320373A Expired - Lifetime JP2653592B2 (ja) 1991-12-04 1991-12-04 非ステロイド系薬物高放出性テープ剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2653592B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07109230A (ja) * 1993-10-07 1995-04-25 Kanebo Ltd 皮膚外用剤組成物
JPH07309755A (ja) * 1994-05-20 1995-11-28 Nichiban Co Ltd 抗真菌薬貼付剤
CA2448689C (en) * 2001-05-31 2009-09-01 Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc. Percutaneously absorbable patches
AU2003211297B2 (en) 2002-02-19 2007-12-06 Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc. Percutaneous absorption type plaster
JP2004269368A (ja) * 2003-03-05 2004-09-30 Ogawa & Co Ltd 冷感剤組成物および該冷感剤組成物を含有する冷感化粧料
JP4943643B2 (ja) * 2004-10-29 2012-05-30 テイカ製薬株式会社 経皮吸収製剤
EA201000990A1 (ru) * 2008-05-21 2011-06-30 ТЕЙКОКУ ФАРМА ЮЭсЭй, ИНК. Лечение дисменореи путем трансдермального введения нестероидных противовоспалительных лекарственных средств
JP5581534B2 (ja) * 2009-12-18 2014-09-03 アルケア株式会社 粘着剤、及び該粘着剤を用いた粘着シート、並びにこれらの製造方法
US11872320B2 (en) 2021-02-25 2024-01-16 Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc. Method for treating osteoarthritis

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3226940B2 (ja) * 1990-05-30 2001-11-12 山之内製薬株式会社 経皮投与製剤

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05155762A (ja) 1993-06-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4865958B2 (ja) 鎮痛抗炎症局所作用型の貼付剤
JP5475178B2 (ja) 貼付剤
JP4399044B2 (ja) 吸収促進剤及び該吸収促進剤を有してなる経皮吸収製剤
JPH1135458A (ja) ジクロフェナクナトリウム含有油性外用貼付製剤
WO2002032431A1 (fr) Compositions pour preparations externes
JPH04321624A (ja) 消炎鎮痛貼付剤
JPH1095729A (ja) 活性成分として非ステロイド性抗炎症薬を含有する経皮デリバリーシステムの組成物
JP5285279B2 (ja) 経皮吸収型製剤
JP2653592B2 (ja) 非ステロイド系薬物高放出性テープ剤
WO2017073516A1 (ja) 貼付剤
JPH10218793A (ja) 経皮吸収型消炎鎮痛用テープ剤及びその製造方法
JP5584379B2 (ja) 経皮吸収促進剤、及びそれを含む貼付剤
JP3226940B2 (ja) 経皮投与製剤
JP4354678B2 (ja) 貼付剤
JP2006016382A (ja) 貼付剤
JP6023358B2 (ja) S−フルルビプロフェンを含有する外用剤組成物
JP4157018B2 (ja) 消炎鎮痛貼付剤
JP4283507B2 (ja) 経皮投与用貼付剤
JP5085062B2 (ja) 経皮吸収貼付剤
US20050266063A1 (en) Adhesive patch
JPH10316560A (ja) 貼付剤
JP7222155B1 (ja) ジクロフェナクインドリノン体の生成を抑制する方法
JP7065940B2 (ja) メチルフェニデート含有貼付剤
JP2004115417A (ja) 粘着テープ型消炎鎮痛貼付剤
WO1993017710A1 (en) Pharmaceutical preparation for percutaneous administration

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19970507

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120523

Year of fee payment: 15

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120523

Year of fee payment: 15