JPH05155762A - 非ステロイド系薬物高放出性貼付剤 - Google Patents

非ステロイド系薬物高放出性貼付剤

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JPH05155762A
JPH05155762A JP32037391A JP32037391A JPH05155762A JP H05155762 A JPH05155762 A JP H05155762A JP 32037391 A JP32037391 A JP 32037391A JP 32037391 A JP32037391 A JP 32037391A JP H05155762 A JPH05155762 A JP H05155762A
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義弘 沢井
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KIYUUKIYUU YAKUHIN KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】皮膚に対する副作用がなく、調製が簡単で、し
かも主剤の利用効率の高い貼付剤を提供する。 【構成】トリエチレングリコールに対する溶解度が相対
的に高い非ステロイド系薬物、トリエチレングリコール
及びテルペン類の混合物、並びに常温で感圧接着性を有
しかつ吸水性を有する粘着性基剤、によって構成される
ことを特徴とする薬物高放出性貼付剤。 【効果】トリエチレングリコールに対する溶解度が相対
的に高い薬物の経皮透過性に優れ、体内吸収が良好であ
るため的確な投与コントロール下で的確な薬効を発現さ
せることができ、経皮治療システムにおける実用的な製
剤を提供するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トリエチレングリコー
ルに対する溶解度が相対的に高い非ステロイド系薬物の
放出性の良好な貼付剤に関する。更に詳しくは、トリエ
チレングリコールに対する溶解度が相対的に高い非ステ
ロイド系薬物、トリエチレングリコール及びテルペン類
の混合物並びに常温で感圧接着性を有しかつ吸水性を有
する粘着性基剤、によって構成される薬物高放出性貼付
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来非ステロイド系薬物を有効成分とす
る貼付剤としては多くのものが知られている。例えば
(1)インドメタシンを主剤とする、アクリル酸アルキ
ルエステルモノマーのホモポリマー或はアクリル酸アル
キルエステルと共重合可能な他のモノマーとからなる共
重合ポリマー、又はそれらと相容性を有するインドメタ
シン放出補助物質(多価アルコール)との混合物を、透
湿性を有する担持体上に密着してなる貼付剤(特公昭5
9−7688号)、(2)インドメタシンをアクリル酸
系モノマーとビニル系モノマー、例えば、酢酸ビニルと
の共重合体中に含有させ、それを担持体に直接或いは下
塗り部材を介して間接に形成した積層体からなる製剤
(特開昭61−277615号)、(3)粘着性基剤と
してアクリル系共重合物、ポリビニルエーテル化合物な
どを用い、インドメタシン或はジアゼパムとテルペン類
の少くとも1種、低級アルコール、グリコール類とから
なる組成物(特開昭63−225316号)、また、
(4)インドメタシンと浸透補助剤としてのグリチルレ
チン酸を、アクリル酸エステルとアクリル酸との共重合
体またはアクリル酸エステルと酢酸ビニル共重合体とか
らなる粘着剤に含有せしめ、必要により更に多価アルコ
ールを使用するもの(特公昭63−2533号)、更に
(5)主剤として非ステロイド消炎鎮痛剤、粘着性膏体
としてスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
体(以下SISと略記)、粘着性付与剤としてポリテル
ペン樹脂など、軟化剤として流動パラフィン、吸収促進
物質としてハッカ油(テルペン類)を使用し、支持体と
してプラスチックフィルム、織布や不織布を用いたもの
(特開昭64−40420号)等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(1)のものは皮膚を適度にむれさせてインドメタシン
の吸収促進をはかっているので、担持体の透湿性のコン
トロールが面倒であり、場合によっては皮膚のただれを
起こすおそれもあり、上記(2)のものはアクリル共重
合体の数平均分子量並びにそれと重量平均分子量との比
が一定でなければならず、その調整が繁雑であるし、ま
た主剤の利用率が高くないという欠点があり、上記
(3)のものは実際的な処方例は示されておらず、実用
的にどの程度有効なのか不明である。また、上記(4)
のものは担持体として非透湿性フィルムを使用してお
り、密封療法や肥厚又は角質化した患部への投与には適
しているものの、肥厚や角質化していない皮膚へ適用し
た場合、汗疹のおそれもあり、一般的なものとはいえな
い。更に上記(5)のものは基剤について粘着性付与剤
や軟化剤の添加が必須であるなどの難点がある。かかる
事情に鑑み、皮膚に対する副作用がなく、調製が簡単
で、しかも主剤の利用効率の高い貼付剤を提供すること
が本発明の課題である。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような技術水準下、
本発明者等は主剤の非ステロイド系薬物の放出性を高
め、安全性の高いテルペン類が有する薬物の経皮吸収促
進能を有効に発揮させ、経時的に安定で、安全性に優
れ、かつ投与コントロールが可能な経皮吸収システムの
系としてまとめうる製剤の開発を目的として鋭意研究し
たところ、多価アルコールであるトリエチレングリコー
ルが、テルペン類による経皮吸収促進能を、他の多価ア
ルコール類例えば繁用されるプロピレングリコールより
も高めるばかりでなく、プロピレングリコールなどより
も経時的安定性や安全性に優れており、この性質が、ト
リエチレングリコールに対する溶解度がプロピレングリ
コールなどの汎用グリコールに比較して相対的に高い薬
物に共通しており、かつ非水系は勿論経皮治療システム
(TransdermalTherapeuticSy
stem、以下TTSと略記)の製剤とするための含水
系においても有効なビヒクルであることを見出し、トリ
エチレングリコールに対する溶解度が相対的に高い薬物
とトリエチレングリコールと、テルペン類とを配合した
経皮投与製剤を提案した(特願平3−155743
号)。本発明者等は更に研究を進めた結果、上記のよう
な成分を、常温で感圧接着性を有しかつ吸水性を有する
粘着性基剤と混合することにより、上記の目的を更に十
分に達成し得る貼付剤が得られることを見出し、本発明
に到達した。即ち、本発明はトリエチレングリコールに
対する溶解度が相対的に高い薬物と、トリエチレングリ
コールとテルペン類並びに常温で感圧接着性を有し、か
つ吸水性を有する粘着性基剤とで構成される経皮投与製
剤に関する。
【0005】以下、本発明の貼付剤につき詳述する。
【0006】本発明において、トリエチレングリコール
に対する溶解度が相対的に高い非ステロイド系薬物とし
ては、プロピレングリコールや、1,3−ブチレングリ
コールに対する溶解度に比して、トリエチレングリコー
ルに対する溶解度が1.5倍以上、好ましくは2倍以上
のものを言う。なお、薬物はその治療目的が局所的であ
ると全身的であるとを問わない。具体的には、ダントロ
レンナトリウム、インドメタシン、ケトプロフェン、フ
ルルビプロフェン、ジクロフェナックナトリウム、硝酸
イソソルビッド、塩酸ニカルジピン、ニフェジピンなど
が挙げられるが、これらのものに限定されるものではな
い。なお、フマル酸ケトチフェン、アテノロール、塩酸
エペリゾンやメトプロロールのトリエチレングリコール
に対する溶解度はプロピレングリコールのそれよりも劣
っており、従ってTTS製剤化に不向きである。これら
の薬物は、この系の作用効果を損はない範囲内で他の薬
剤との合剤とすることを妨げるものではない。薬物の使
用量は膏体全量に対し、0.1〜10重量%、好ましく
は0.2〜5重量%である。
【0007】本発明においてテルペン類とは、トリエチ
レングリコールの系の中でトリエチレングリコールに対
する溶解度が相対的に高い薬物の経皮吸収促進能を示す
テルペン類であれば、特に制限はない。このような性質
を示すテルペン類としてはモノテルペンアルコール、セ
スキテルペンアルコール、酸素原子を含まない分子式
(C58n(式中nは1以上の整数)を有するテルペ
ンやこれらのテルペンを含む天然精油が挙げられる。モ
ノテルペンアルコールとしては、具体的には例えばシト
ロネロール、ゲラニオール、ネロール、リナロール、メ
ントール、テルピオール、カルベオール、ツイルアルコ
ール、ピノカンフェオール、β−フェンチルアルコー
ル、シネオール、ジメチルオクタノール、ヒドロキシシ
トロネロール、テトラヒドロリナロール、ムゴール、ミ
ルセノールやこれらの光学異性体などの立体異性体が、
セスキテルペンアルコールとしては具体的には例えばフ
ァルネソール、ネロリドール、ランセオール、サンタロ
ール、イソプレゴール、ノポール、ボルニルメトキシシ
クロヘキサノール、ペチペノールやこれらの光学異性体
などの立体異性体が、酸素原子を含まない分子式(C5
8nを有するテルペンとしては、nが1の半テルペ
ン、nが2のテルペン、nが3のセスキテルペン、nが
4のジテルペン、nが5のセスターテルペン、nが6の
トリテルペン、nが8以上のポリテルペンなどが挙げら
れ、具体的には例えば非環式のミルセン、オシメン、単
環式のリモネン、テルピノレン、フェランドレン、テル
ピネン、シルペストレン、オスマン、二環式のツェン、
サピネン、カレン、α−ピネン、フェンチェン、カンフ
ェル、サンテン、更にC15以上のものとしてピサポレ
ン、ジンギペレン、クルクメン、カジネン、α−セリネ
ン、α−チャミグレン、カンフィレン、サンタレン、α
−カンホレン、リミュエン、カウレン、フィログラデン
などが挙げられる。
【0008】また、天然精油としては、ベイ油、レモン
葉油、ホップ油、メボウキ油、ゴシュヒ果実油、橙皮
油、ミカン油、夏ミカン油、オレンジ油、ハッカ油、針
葉油、ショウノウ油、サンショウ油、コリアンダー油、
マニラ エレミ油、ジンジャグラス油、ユーカリ油、水
茴香油、ヘノボシ油、コエンドロ油、樟午油、キンモク
セイ油、サビナ油、テレビン油、扁柏油、橙花油、シベ
リア針葉油、オガルカヤ油、吉草油、白檀油、マルバハ
ッカ精油、ミルラ精油、レモン油、ショウガ根茎精油、
ウコン精油、杉油、ヒノキ油、セレリー種子精油、タイ
ワンヒノキ油、五味子精油、チョウジ油、ケイ皮油、ゼ
ラニウム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ペッパー
油、イランイラン油、カナンガ油、シソ油、パンチュリ
油、ベチバー油、スペアミント油、アニス油などが挙げ
られる。これらのテルペン類は単独であるいは混合して
用いてもよい。
【0009】これらのテルペン類の中でも、ハッカ油、
オレンジ油、テレビン油やl−メントールが特に優れて
おり、とりわけ従来テルペン類の中でも優れていると認
められているリモネンやそれを90%以上含んでいるオ
レンジ油よりもハッカ油やl−メントールが顕著に優れ
ており、これらのものが至適なものとして挙げられる。
テルペン類の使用量は、その種類によっても異なるが製
剤全体に対し0.1〜20重量%、特に0.5〜15重
量%が有利である。トリエチレングリコールの使用量は
薬物や他の基剤や溶媒などとの組合せによっても異なる
が、薬物を溶解して本発明の目的を達成する量であり、
製剤全体に対し0.2〜98重量%、とりわけできるだ
け少量でこの経皮投与製剤の系で薬物を溶解しうるのが
好ましく、貼付剤などでは0.2〜50重量%が好適で
ある。
【0010】本発明でいう吸水性を有する粘着性基剤と
は、通常の粘着性基剤に水溶性高分子を混合したもの、
或は通常の粘着性基剤をエマルジョン化したもの、又は
それに更に水溶性高分子を混合したものであって、水分
を吸収する能力を有するものをいう。粘着性基剤として
は、アクリル系粘着剤では、(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルの共重合体で、アルキル基がメチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、2−エチル
ヘキシル基、ラウリル基、ステアリル基等があり、ま
た、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン等との
共重合体が挙げられる。合成ゴムではスチレン−ブタジ
エンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、クロロプ
レンゴム(CR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン
−イソプレン−スチレンプロックポリマー(SIS)、
エチレンプロピレンゴム(EPM)・シリコーンゴム、
ウレタンゴム等が挙げられる。勿論、天然ゴム系粘着剤
も使用可能である。またこれらをエマルジョン化したも
のも使用される。前記アクリル系、合成ゴム系及び天然
ゴム系粘着剤は少なくとも1種以上で用いられ、その配
合量は30〜95重量%が好ましい。上記基剤に混合さ
れ得る水溶性高分子としては、デンプン、カルボキシメ
チルデンプン、ジアルデヒドデンプン、デキストリン、
アクリル酸デンプン、メチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシ
ビニルポリマー、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナト
リウム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、カラ
ギーナン等が挙げられ、その配合量は1〜10重量%が
好ましい。更に粘着性基剤には例えば、ポリブテン、エ
ステルガム、ロジン、水添ロジン、テルペン系樹脂、石
油系樹脂等の粘着付与剤、ソルビタンモノオレエート、
ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノラウレー
ト、グリセリンモノステアレート、ポリソルベート80
等の界面活性剤、流動パラフィン、グリセリン、イソプ
ロピルミリステートの如き高級脂肪酸エステル類、シリ
コン、植物油等の軟化剤、ジブチルヒドロキシトルエ
ン、ブチルヒドロキシアニソール、グアヤコールエステ
ル類、ノルジヒドログアイアレチン酸、酢酸トコフェノ
ール等の抗酸化剤を所望により添加することもできる。
【0011】本発明のトリエチレングリコールは、吸収
促進を高める溶解剤として作用する外、それ自身保湿効
果を発揮するが、本発明の目的を損なわない範囲内で他
の多価アルコール例えばマンニトール、ソルビトール、
グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリンなどを保湿
剤として、また薬物を溶解する他の溶媒例えばインドメ
タシンにおいては、クロタミトン、ベンジルアルコー
ル、フェネチルアルコール、エタノール、イソプロパノ
ールやグリセリン類などを、ダントロレンナトリウムに
おいては、N−メチル−2−ピロリドン、エタノール、
イソプロパノール、ベンジルアルコール、フェネチルア
ルコール、マクロゴールや前記保湿剤としても作用する
グリセリン類などを加えることを妨げるものではない。
また、テルペン類が最も好ましい経皮吸収促進剤ではあ
るが、経皮吸収を相加または相乗的に促進するものであ
れば、他の経皮吸収促進剤を使用することは可能であ
る。そのような経皮吸収促進剤としてはジエチルセバケ
ート、アジピン酸ジイソプロピルなどの二塩基酸ジエチ
ルやミリスチン酸イソプロピルなどの脂肪酸エステルな
どが挙げられる。これらの基剤の使用量は、薬剤、トリ
エチレングリコール、テルペン類の使用量や基剤の種
類、本発明の作用効果を考慮して定められるが、製剤
(この場合膏体)全体に対し約30〜98重量%、好ま
しくは60〜95重量%である。
【0012】本発明貼付剤を製造するには、薬物、トリ
エチレングリコール、テルペン類、その他基剤の各成分
を均一に練合し、練合物を支持体に展延し、必要により
乾燥し、剥離フィルムを貼合し、適宜の大きさに裁断
し、包装する。均一な膏体の調製を容易にするため用い
られる薬剤、基剤、経皮吸収促進組成物の各成分の物理
化学的性状を考慮して、その添加練合順序を適宜設定
し、あるいは加温、超音波処理することは自由である。
テープ製剤をエマルジョン法で製造するに際して、粘着
成分のゴム類などは予めラテックスエマルジョンとして
調製し、添加練合することができる。展延は、製造され
た膏体を支持体あるいは剥離フィルムに適宜の温度を保
持するかあるいは加熱して所定の厚さに均一に塗布する
など常法に従って行なわれる。乾燥は、溶媒法、あるい
はエマルジョン法によってテープ製剤を製造する際に行
なわれ、溶媒あるいは水を揮散させる。次いで膏体を支
持体に展延したときはその膏体上に剥離フィルムを貼合
し、膏体を剥離フィルム上に展延したときは、展延膏体
上に支持体を貼合する。支持体はプラスチックフィル
ム、布、不織布などが用いられ、殊にネルや不織布が好
ましい。また、剥離フィルムは剥離処理を施したセロフ
ァンやポリエチレンフィルムなどのプラスチックフィル
ムが好適に用いられる。
【0013】
【作用】本発明の経皮投与製剤はトリエチレングリコー
ルに対する溶解度が相対的に高い非ステロイド系薬物、
トリエチレングリコール及びテルペン類の混合物並びに
常温で感圧接着性を有しかつ吸水性を有する粘着性基剤
と混合して得られるものであり、これにより経皮透過性
に優れ、実用的TTSの製剤化を可能にすることができ
た。
【0014】試験例1 トリエチレングリコールに対する各薬物の溶解度試験 [試験方法]トリエチレングリコール(TEG)、ブチ
レングリコール(BG)、プロピレングリコール(P
G)を各々約5ml採り、この液に各薬物を過剰となる
ように溶解させた(超音波分散及び加温処理)後、室温
まで放冷し、過剰量を析出させた。次に遠心分離処理を
行い、更に上澄液はフィルター濾過を行った。得られた
濾液についてモル吸光度法にて溶解度を算出した。 [結果] 溶解度(mg/ml)
【0015】
【表1】
【0016】表において、フマル酸ケトチフェン、アテ
ノロール、塩酸エペリゾン、メトプロロール以外のもの
がトリエチレングリコールに対する溶解度が相対的に高
い非ステロイド系薬物として用いることができる。
【0017】
【実施例】以下に実施例を示すが、本発明はこれに限定
されるものではない。 実施例1 インドメタシン1.0重量%をトリエチレングリコール
10.0重量%及びクロタミトン3.0重量%に溶解し
この溶解液にl(エル)−メントール5.0重量%を添
加し、アクリル酸n−ブチル・メタアクリル酸共重合体
エマルジョン(プライマルN−580NF;日本アクリ
ル化学製)(固形分として)81.0重量%に加えて混
合し、これをライナー上に延展乾燥後、支持体に展着す
ることにより、本発明に係る高放出性非ステロイド系薬
物貼付剤を調製した。
【0018】実施例2 ケトプロフェン2.0重量%をトリエチレングリコール
5.0重量%及びクロタミトン3.0重量%に溶解しこ
の溶解液にハッカ油5.0重量%を添加し、これにポリ
ビニルアルコール2.0重量%を適量の水に溶解したも
の及びアクリル酸メチル・アクリル酸−2−エチルヘキ
シル共重合体樹脂エマルジョン(ニカゾールTS−6
0;日本カーバイド製)(固形分として)83.0重量
部に加えて混合し、これをライナー上に延展乾燥後、支
持体に展着することにより、本発明に係る高放出性非ス
テロイド系薬物貼付剤を調製した。
【0019】実施例3 テルペン系樹脂(YSレジンPx;安原油脂製)32.
6重量%、ポリブテン10.3重量%、流動パラフィン
4.3重量%を加温溶解し、これにニフェジピン1.0
重量%、トリエチレングリコール10.0重量%及びク
ロタミトン5.0重量%を溶解し、この溶解液にオレン
ジ油5.0重量%を添加したものを加えて混合し、次に
天然ゴムラテックス(固形分として)17.2重量%、
SBRラテックス(固形分として)14.6重量%を加
えて均一に混合し、これをライナー上に延展乾燥後、支
持体に展着することにより、本発明に係る高放出性非ス
テロイド系薬物貼付剤を調製した。
【0020】実施例4 YSレジンPx35.0重量%、ポリブテン10.0重
量%、流動パラフィン4.0重量%を加温溶解し、これ
にジクロフェナックナトリウム1.0重量%、トリエチ
レングリコール10.0重量%に溶解し、この溶解液に
テレビン油5.0重量%を添加し、更にポリアクリル酸
ナトリウム2.5重量%を適量の水に溶解したものを加
えて混合し、次に天然ゴムラテックス(固形分として)
17.5重量%、SBRラテックス(固形分として)1
5.0重量%を加えて均一に混合し、これをライナー上
に延展乾燥後、支持体に展着することにより、本発明に
係る高放出性非ステロイド系薬物貼付剤を調製した。
【0021】実施例5 石油系樹脂(クイントンB−170;日本ゼオン製)4
1.5重量%、ポリブテン9.0重量%、スチレン−イ
ソプレン−スチレンブロックポリマー(カリフレックス
TR−1107;シェル化学製)30.0重量%を適量
のトルエンに加えて加温溶解し、これにポリソルベート
80 1.5重量%、ポリビニルピロリドン4.0重量
%を適量の水に溶解したものを加える。次に硝酸イソソ
ルビド1.0重量%、トリエチレングリコール5.0重
量%及びベンジルアルコール5.0重量%に溶解し、こ
の溶解液にl(エル)−メントール3.0重量%を添加
したものを加えて均一に混合し、これをライナー上に延
展し、トルエンを留去し、支持体に展着することにより
本発明に係る高放出性非ステロイド系薬物貼付剤を調製
した。以下に、粘着性基剤として吸水性を有しないもの
を用いた結果、吸水性を有しないほかは、本発明と同成
分をもつ比較例を示す。
【0022】比較例1 アミノアルキルメタクリレートコポリマー(オイドラギ
ットE;ローム&ハース製)69.0重量%、ポリブテ
ン8.0重量%及び流動パラフィン4.0重量%を適量
の酢酸エチルに溶解し、これにインドメタシン1.0重
量%をトリエチレングリコール10.0重量%及びクロ
タミトン3.0重量%に溶解しこの溶解液にl(エル)
−メントール5.0重量%を添加したものを加えて均一
に混合し、これをライナー上に延展し、酢酸エチルを留
去して支持体に展着し、貼付剤を調製した。
【0023】比較例2 YSレジンPx35.5重量%、ポリブテン10.4重
量%、流動パラフィン4.3重量%、天然ゴム18.2
重量%、SBR15.6重量%に適量のトルエンを加え
て加温溶解し、これにジクロフェナックナトリウム1.
0重量%、トリエチレングリコール10.0重量%に溶
解し、この溶解液にテレビン油5.0重量%を添加した
ものを加えて均一に混合し、これをライナー上に延展
し、トルエンを留去して、支持体に展着して貼付剤を調
製した。
【0024】比較例3 石油系樹脂(クイントンB−170;日本ゼオン製)4
4.0重量%、ポリブテン10.0重量%、スチレン−
イソプレン−スチレンブロックポリマー(カリフレック
スTR−1107;シェル化学製)32.0重量%を適
量のトルエンに加えて加温溶解し、これに硝酸イソソル
ビド1.0重量%、トリエチレングリコール5.0重量
%及びベンジルアルコール5.0重量%に溶解し、この
溶解液にl(エル)−メントール3.0重量%を添加し
たものを加えて均一に混合し、これをライナー上に延展
し、トルエンを留去して、支持体に展着して貼付剤を調
製した。
【0025】以下に、本発明貼付剤及び比較例(吸水性
を有しない粘着性基剤使用)につき、薬物放出試験を示
す。 試験例2 薬物放出試験 実施例1,4,5及び比較例1,2,3を用い、日局溶
出試験法第2法(パドル法)を準用し、37℃の生理食
塩水中に放出した各ステロイド量をHPLC法により測
定し、所定時間ごとの放出量を算出した。図1にその結
果を示す。試験例2より明らかな如く、本願発明に係る
貼付剤は比較例に比べ際立った放出性を示し、本願発明
の有用性を証明している。
【0026】
【効果】トリエチレングリコールに対する溶解度が相対
的に高い薬物の経皮透過性に優れ、体内吸収が良好であ
るため的確な投与コントロール下で的確な薬効を発現さ
せることができ、経皮治療システムにおける実用的な製
剤を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明及び比較例の貼付剤についての薬物放出
試験結果を示すグラフである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トリエチレングリコールに対する溶解度が
    相対的に高い非ステロイド系薬物、トリエチレングリコ
    ール及びテルペン類の混合物並びに常温で感圧接着性を
    有しかつ吸水性を有する粘着性基剤、によって構成され
    ることを特徴とする薬物高放出性貼付剤。
  2. 【請求項2】 非ステロイド系薬物の配合割合が、0.
    1〜10.0重量%である請求項1記載の貼付剤。
  3. 【請求項3】 非ステロイド系薬物が非ステロイド系消
    炎・鎮痛剤である請求項1又は2記載の貼付剤。
  4. 【請求項4】 粘着性基剤が、アクリル系粘着剤、天然
    ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤からなる群より選ばれ
    た少くとも1種に、水溶性高分子化合物を混合したもの
    である請求項1記載の貼付剤。
  5. 【請求項5】 粘着性基剤が、アクリル系粘着剤、天然
    ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤からなる群より選ばれ
    た少くとも1種をエマルジョン化したものである請求項
    1記載の貼付剤。
  6. 【請求項6】 粘着性基剤が、アクリル系粘着剤、天然
    ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤からなる群より選ばれ
    た少くとも1種をエマルジョン化したものに、更に水溶
    性高分子化合物を混合したものである請求項1記載の貼
    付剤。
  7. 【請求項7】 テルペン類がハッカ油、メントール、オ
    レンジ油、テレビン油である請求項1記載の貼付剤。
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