JP3128474B2 - ガス機器の燃焼調整装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、点火時においてバー
ナの火力を点火の容易かつ安全なレベルに自動設定する
火力調整機構に関わる。

【０００２】

【従来の技術】テーブルこんろ等のガス機器では、バー
ナの点火および消火を行うための点・消火機構と、バー
ナの火力を増減させるための火力調整機構とが設けられ
ている。点・消火操作は、操作性の観点から点・消火ボ
タンなど点火摘みの前後方向の押し操作によりなされる
ものが多いが、摘みの回動操作によりなされるガス機器
も存在する。火力調整操作は、火力を弱→中→強または
この逆に連続的に調整するためスライド式の操作レバー
が設けられ、該操作レバーの前端に取付けられた火力調
整用の操作摘みを左右方向などにスライド操作してなさ
れる。

【０００３】ガス機器においては、放電火花等の点火源
で燃料ガスと燃焼用空気との混合気に着火させる直接
（ダイレクト）着火方式が採用されている。この直接着
火を円滑、確実に行うためには、バーナの火力は点火時
に中火力以上の火力に設定してあることが望ましい。ま
た、近年、大火力バーナの使用が要望されており、高齢
者や割烹着など袖のある衣服をまとっている使用者にと
って、点火時の火力が大きすぎると危険である。このた
め、従来より、点火操作に連動して、火力調整のための
操作レバーを点火に好適な中火力位置に強制的に自動設
定させる点火時の火力調整機構が多数提案されている。

【０００４】この種の点火時の火力調整機構は、点火操
作に連動して火力調整のための操作レバーを常に中火力
位置に移動させるための戻しレバーを備える。この戻し
レバーは、一つの支点を中心として回動し、一端に点火
操作により動かされる可動部材により付勢される力点を
有し、他端に前記火力調整のための操作レバーを駆動す
るための作用部を有する。この構成により、点火操作時
において操作レバーが中火力位置以外に設定されている
と、点火操作に連動して回動する戻しレバーの作用で操
作レバーは強制的かつ自動的にバーナの火力が中火力と
なる位置に戻され、円滑で穏やかな安全点火がなされ
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、コ
ンパクトに形成できるとともに、点火操作終了後は再点
火操作を行うための戻し操作に連動して戻しレバーが自
動的に基の位置に戻る点火時の火力調整機構を備えたガ
ス機器の燃焼調整装置の提供にある。なお、この発明に
おいて中火力とは、強火力と弱火力との間の点火に最も
好適な所定範囲の火力を意味する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明は、バーナの点
火および消火を行うための点・消火機構と、火力調整弁
ボディ内に回動弁体を配し、該回動弁体に取付けたニー
ドルピンを軸回りに回動させることにより弁開度を増減
させ、前記バーナの火力を強火力から弱火力まで調整す
る火力調整弁と、点火時における前記点・消火機構の動
作に連動して、前記ニードルピンを中火力位置に設定さ
せるための点火時の火力調整機構とを備えたガス機器の
燃焼調整装置において、前記点火時の火力調整機構は、
基部が支点により連結されるとともに先端部が開く方向
に付勢され、かつ中間に前記ニードルピンを挟むように
配された一対の作用腕を有する戻しレバーと、該戻しレ
バーの両作用腕の外側が摺接するとともに、前記一対の
作用腕に加わる開く方向の付勢力により前記一対の戻し
レバーを先端部方向に付勢するガイド部材と、一端が前
記戻しレバーの基部に連結され、他端が前記点・消火機
構の操作により往復動する往復動部材に連結された可撓
線体とからなる。

【０００７】請求項２に記載のガス機器の燃焼調整装置
は、前記戻しレバーは、基部が支点により回動自在に連
結されるとともに、バネにより先端部が開く方向に付勢
され、かつ中間に前記ニードルピンを挟むように配され
た一対の作用腕を有することを特徴とする。

【０００８】請求項３に記載のガス機器の燃焼調整装置
は、前記点火時の火力調整機構は、前記火力調整弁ボデ
ィの側壁に固着された基板に形成したことを特徴とす
る。請求項４に記載のガス機器の燃焼調整装置は、前記
ガイド部材は、前記ニードルピンの回動方向に対して直
交的にチューリップ型に配された一対のガイド壁である
ことを特徴とする。

【０００９】請求項５に記載のガス機器の燃焼調整装置
は、リンク機構は、前記点・消火機構の動作に連動して
滑動自在に取付けられた滑動板と、一端が該滑動板に連
結され、他端が前記戻しレバーの基部に連結されたワイ
ヤからなることを特徴とする。請求項６に記載のガス機
器の燃焼調整装置は、前記戻しレバーの移動方向と前記
滑動板の移動方向とは交差しており、前記ワイヤは、中
間支点により転向して前記戻しレバーと前記滑動板とを
連結していることを特徴とする。

【００１０】

【発明の作用】点火操作により往復動部材の往動により
可撓線体が緊張して戻しレバーを基部方向に引き、戻し
レバーをニードルピンから隔離方向に変位させて作用腕
の間隔を狭めてニードルピンを中間位置に変位させ、回
動弁体を強火力位置または弱火力位置から中火力方向に
変位させる。

【００１１】

【発明の効果】この発明では、蝶番状の戻しレバーとワ
イヤとを用いているため、コンパクトであるとともに、
移動方向の設計の自由度が大きい点火時の火力調整機構
が得られる。請求項２に記載の構成では、戻しレバーの
開閉操作力が適性に設定できる。請求項３〜６に記載の
構成では、構成が簡単で点火時の火力調整機構の組付性
に優れる。

【００１２】

【実施例】図１〜図４は、こんろバーナＢを点火または
消火させるための点・消火機構１００、バーナＢの火力
を強〜弱まで増減させるための火力増減機構２００、お
よび点火時の火力を適性に設定するための点火時の火力
調整機構３００を含む燃焼調整ユニットＵを示す。この
燃焼調整ユニットＵは、図６に示すテーブルこんろＴの
内部に装着される。

【００１３】テーブルこんろＴの前面には、点・消火機
構１００を作動させるための点・消火ボタン１０が、図
示しないスプリングにより前方に付勢されて前後方向に
揺動自在に取付けられている。点・消火ボタン１０の上
方には、火力増減機構２００を作動させるためのスライ
ド式操作摘み２０が、左右方向にスライド自在に設けら
れている。スライド式操作摘み２０のスライド位置は、
右端が弱火力、中間が中火力、左端が強火力となってい
る。

【００１４】点・消火機構１００は、内部に安全弁Ｓお
よびメイン弁Ｍ（図３参照）が設けられ、前後方向に水
平的に取付けられた筒状のバルブボディ１を備える。バ
ルブボディ１の前部（図示左部）の上面には火力増減機
構２００の火力調整弁ボディ２が縦に締結されている。
火力調整弁ボディ２は筒状を呈し、燃料ガス通路２１と
なっている内腔の上端部には火力調整弁Ｇが設けられて
いる。バルブボディ１の前端面には、点・消火ボタン１
０によって作動するスイッチ機構３が締結されている。

【００１５】火力調整弁ボディ２の上端には、火力調整
弁Ｇを動作させ、バーナＢの火力を調整するための操作
レバー４が左右方向に回動自在に取付けられている。操
作レバー４は、この実施例では、火力調整弁ボディ２の
上端部に締結された底無し箱状のブラケット４１の上壁
面に支点４２により回動自在に支持されている。操作レ
バー４の前端部には、スライド式操作摘み２０が固着さ
れている。

【００１６】スイッチ機構３は、ネジによってバルブボ
ディ１の前端面に締結され、断面略十字形のガイド面を
形成するガイド枠３１と、該ガイド枠３１内に前後動自
在に嵌め込まれた作動子３２とを備える。作動子３２
は、正面形状が略十字形となっており、棒状基部３３、
棒状基部３３から上方に突設された翼形のレバー作用部
３４、棒状基部３３から左右方向に突設されたマイクロ
スイッチ作動部３５を有する。

【００１７】作動子３２は、ガイド枠３１との間に介装
されたスプリング３７により前方（図示左方）に付勢さ
れている。ガイド枠３１の左側面には、マイクロスイッ
チ（図示せず）が取付けられ、マイクロスイッチ作動部
３５の変位に伴い開閉する。作動子３２は、図１に示す
突出位置（消火位置）から押し込まれると、図２に示す
押し込み位置（点火位置）に達する。この状態で押し込
みを開放すると、ハートカムまたは変形ハートカムによ
るプッシュ・プッシュ機構３０により図３に示す中間位
置（燃焼位置）に係止され、中間位置から再度押し込ま
れると元の突出位置（消火位置）に戻る。

【００１８】図３に示す如く、バルブボディ１の軸孔
は、後部（図示右部）に安全弁Ｓの電磁石１２が嵌着さ
れ、内部は燃料ガス流路１１となっている。バルブボデ
ィ１の前部（図示左部）には下方に開口した流入口１４
が設けられ、さらに前部には上方に開口し火力調整弁ボ
ディ２の燃料ガス通路２１に連通した流出口１５が形成
されている。

【００１９】燃料ガス流路１１内には、先端が作動子３
２の棒状基部３３の先端（図示右端）に当接した作動棒
５が、前後動自在に挿入されている。作動棒５は、スプ
リング５１によって前方向に付勢され、作動子３２に連
動して前後方向に変位する。

【００２０】燃料ガス流路１１の流出口１５が設けられ
た部分は径小に形成されて弁口１６となっており、作動
棒５に外嵌されスプリング５１が背設された鍔状メイン
弁体５２とともにメイン弁Ｍを形成している。メイン弁
Ｍと流入口１４との間には、絞り壁５４が形成され安全
弁Ｓの弁口５５となっている。作動棒５の後部には、安
全弁Ｓの鍔状安全弁体５６が安全弁スプリングとともに
外嵌され、作動棒５が前側（図示左側）に位置したとき
弁口５５を閉じる。

【００２１】火力調整弁ボディ２の燃料ガス通路２１の
上端部には、火力調整弁Ｇの回動弁体２２が摺動自在に
嵌め込まれている。回動弁体２２の弁穴はこんろバーナ
Ｂに燃料ガスを供給するためのガス流出口２Ａに連結し
ている。回動弁体２２は、上端部が火力調整弁ボディ２
の上部に露出しており、露出部には回動弁体２２を回動
させ弁開度を増減させるためのニードルピン２３が右方
向に回動軸と直交して取付けられている。

【００２２】ニードルピン２３は、箱状のブラケット４
１の右側壁に設けられカム溝として作用する傾斜スリッ
ト４０を通じて外部に突出している。傾斜スリット４０
は、ニードルピン２３の回動量を回動弁体２２の軸方向
の移動量に変換して火力調整弁Ｇの弁開度を増減させ
る。ニードルピン２３が図１に示す如く上端（前側端）
に設定されているとき火力調整弁Ｇの弁開度は最大とな
りバーナＢの火力は最強となる。ニードルピン２３が下
端（後側端）に設定されているとき火力調整弁Ｇの弁開
度は最小となりバーナＢの火力は最弱となる。

【００２３】点火時の火力調整機構３００は、火力調整
弁ボディ２の右側壁に固定ネジ６Ａ、６Ｂで固着された
縦長の基板６０の表面に設けられている。火力調整機構
３００は、基板６０の上部に設けられ後方に傾斜したチ
ューリップ型に配された一対のガイド６１、６２と、こ
れらガイド６１、６２の間に摺動自在に嵌め込まれてい
る蝶番状の戻しレバー６を有する。なお、一対のガイド
６１、６２は、一対の滑車であってもよい。

【００２４】蝶番状の戻しレバー６は、基部６３が支点
となって回動自在に連結された１対の作用腕６４、６５
と、これら作用腕６４、６５が開く方向に付勢する捩じ
りバネ６６とからなる。一対のガイド６１、６２は傾斜
スリット４０に直交する対称軸を有し、この基板６０の
一対のガイド６１、６２の中間には、対称軸方向の長円
穴６Ｃが形成されている。基部６３が支点を形成する支
点ピン６Ｐの一端は、長円穴６Ｃと摺動自在に嵌合して
おり、戻しレバー６の移動方向を規制している。

【００２５】基部６３が支点を形成する支点ピン６Ｐの
一端は、長円穴６Ｃと摺動自在に嵌合しており、戻しレ
バー６の移動方向を規制している。作用腕６４、６５
は、戻しレバー６の移動位置にかかわらずニードルピン
２３の先端部を挟むように取付けられている。捩じりバ
ネ６６は、中心の螺巻部が基部６３の支点に外嵌され、
両端部は作用腕６４、６５に形成した引っ掛け部６７、
６８は係合されている。

【００２６】作用腕６４、６５を開く方向に付勢する手
段は、板バネ、コイルバネであってもよい。戻しレバー
６と作動子３２とは、リンク機構７により連結されてい
る。リンク機構７は、基板６０の下部に傾斜して滑動自
在に取付けられた往復動部材である滑動板７１と、一端
が滑動板７１に連結され、他端が戻しレバー６の基部６
３に連結された可撓線体としてのワイヤ７２とからな
る。可撓線体としてチェーンを用いてもよい。

【００２７】滑動板７１には、前端にレバー作用部３４
の力点面７０が形成され、中間に長穴７３が開けられ、
基板６０に設けられたガイドピン７４および固定ネジ６
Ｂに外嵌されている。ワイヤ７２の一端は、基部６３の
支点ピン６Ｐの他端に引っ掛けられ、他端は滑動板７１
に後端に設けられた径大頭部付ピン７６に引っ掛けられ
ている。

【００２８】基板６０の中間部には、径大頭部付ピン７
６からなる中間支点７７が設けられており、ワイヤ７２
が引っ掛けられている。滑動板７１の移動方向は、幾分
上方に傾斜しており、戻しレバー６の移動方向とほぼ４
５度だけ偏向しており、ワイヤ７２は中間支点７７でほ
ぼ直角に転向している。

【００２９】中間支点７７は滑車であってもよく、この
場合は摩擦抵抗が低減できる。また、ワイヤ７２の転向
度合いは滑動板７１の移動方向と戻しレバー６の移動方
向との偏向度合いに応じて設定すればよく、移動方向が
同一または近接している場合は中間支点７７は不要であ
る。さらに、滑動板７１は、水平に回動自在に取付けら
れてもよく、棒、ブロックなど他の形状であってもよ
く、さらには支点周りに回動するレバーであってもよ
い。

【００３０】操作レバー４は、ブラケット４１の上壁面
に支点４２により回動自在に支持されたレバー基板４３
と、該レバー基板４３から前方に段４４を介して延長さ
れた前側延長部４５に連結されたレバー本体８と、レバ
ー基板４３とレバー本体８との間に設けられたスプリン
グジョイント８０とからなる。

【００３１】レバー基板４３の右側方（支点４２の右側
方）には、延長され略直角に下方に折り曲げられるとと
もに切込み溝が形成されたフォーク状部４６となってお
り、右側ニードルピン２３の先端に係合している。前側
延長部４５の前端からは逆Ｌ字形の爪４７、４７が下方
に突設されている。レバー本体８は、板金をプレス成形
して形成され、幅の狭い先端係止部８１、幅の広い中間
部８２、幅の狭い前端部８３からなる。

【００３２】スプリングジョイント８０は、レバー本体
の中間部８２の左端から上方に延設された支壁部、該支
壁部の前端から横方向に延設された腕部からなるスプリ
ング保持手段８４を有する。レバー基板４３の前側延長
部４５には矩形窓８５が形成され、レバー本体の中間部
８２には、内部にスプリングジョイント８０のジョイン
トスプリング８６の他端を支持するため、略直角に切り
起こされた切り起こし爪８７が形成されている。

【００３３】切り起こし爪８７は矩形窓８５を挿通して
上方に突き出しており、ジョイントスプリング８６の一
端が引っ掛けられている。ブラケット４１の前面壁に
は、段８８付の切り欠き８９が形成され、レバー本体の
前端部８３が差し込まれている。スプリングジョイント
８０は、スライド式操作摘み２０を持ち上げ（図２参
照）、レバー本体８を１０度程度傾斜させた場合にの
み、前端部８３が段８８の係合から外れて、操作レバー
４を中火力位置から弱火力位置へスライド可能としてい
る。

【００３４】操作レバー４が、図６に示す右端側の弱火
力位置に設定されているとき、右側ニードルピン２３は
下端位置（後端位置）に維持され、火力調整弁Ｇは回動
弁体２２が下端位置に設定されて小開度になっている。
操作レバー４が、図１に示す如く左端側の強火力位置に
設定されているとき、左側ニードルピン２３は上端位置
（後端位置）に維持され、火力調整弁Ｇは回動弁体２２
が上端位置に設定されて大開度になっている。

【００３５】つぎに、このガス機器の燃焼調整装置の作
用を説明する。スイッチ機構３の操作前には、安全弁Ｓ
およびメイン弁Ｍは閉弁している。点火時において、操
作レバー４が弱火力位置または強火力位置（図１参照）
に設定されているとき、点・消火ボタン１０を押すと、
作動子３２が押し込まれる。このとき、図２に示す如
く、棒状基部３３は作動棒５を押し込み、メイン弁Ｍお
よび安全弁Ｓを開き、マイクロスイッチ作動部３５はマ
イクロスイッチをオンしてバーナＢに付設したスパーカ
ーＰで火花放電を発生させる。

【００３６】この動作に連動して、図２に示す如く、レ
バー作用部３４が、滑動板７１の前端に当たり、滑動板
７１を後方に押す。これによりワイヤ７２が引っ張って
戻しレバー６の基部６３を斜め下向きに引っ張る。戻し
レバー６は、ガイド６１、６２間を滑動して斜め前方に
変位し、ニードルピン２３を上端位置または下端位置か
ら中間位置に移動させる。

【００３７】これにより、ニードルピン２３は下端位置
（後端位置）または上端位置（後端位置）から中位位置
まで変位し、火力調整弁Ｇは、大開度（上端位置）また
は小開度（下端位置）から、中火力位置である中間位置
（点火火力位置）に回動する。また、ニードルピン２３
の回動によりフォーク状部４６が駆動され、操作レバー
４も中火力位置に変位する。

【００３８】なお、この実施例では中火力位置が一点と
なっているが、中火力は一定の幅を有しており、操作レ
バー４が強火力位置に設定されているときは、中火力位
置の上位に変位し、操作レバー４が弱火力位置に設定さ
れているときは、中火力位置の下位に変位するようにし
てもよい。点火に適性な中火力範囲は幅を有するため、
このように中火力に一定の幅を持たせる構成は、中火力
が一点の場合に比較して操作性など実用性に優れる。

【００３９】このようにして、点火時においてバーナＢ
の火力は点火に適した中火力位置の火力に自動的に設定
され、点火が円滑になされる。点火されたバーナＢの火
炎によりバーナＢに付設された熱電対Ｎ（図１参照）の
起電力で安全弁Ｓの電磁石１２が磁化して安全弁Ｓおよ
びメイン弁Ｍが開弁状態に維持し、燃焼が持続する。

【００４０】点・消火ボタン１０の押し操作をやめ、開
放すると作動子３２は前方に戻り、プッシュ・プッシュ
機構３０により中間位置に係止される。戻しレバー６
は、捩じりバネ６６による作用腕６４、６５の拡開作用
によりガイド６１、６２間を斜め上方に滑動する。これ
によりワイヤ７２に引っ張られて滑動板７１は前方に戻
される。燃焼中に点・消火ボタン１０を押すと、プッシ
ュ・プッシュ機構３０が解除され、作動子３２は図１に
示す点火前の位置に復帰する。これによりメイン弁Ｍお
よび安全弁Ｓが閉じ、バーナＢの燃焼は停止する。

【００４１】図７は、点火時の火力調整機構の他の実施
例を示す。この実施例では、戻しレバー９は、中間部９
１が板バネとなっている略Ｖ字形の単一部材からなる。
中間部９１の中心には、ワイヤ７２の連結穴９２が設け
られ、ワイヤ７２の端部が貫通して連結されている。こ
の実施例では、戻しレバー９の構造が簡単で部品数の低
減が可能となる。

【００４２】上記実施例では、往復動部材として滑動板
７１を火力調整弁ボディ２に付設し、作動子３２で押す
構成を採用しているが、作動子３２を延長してその延長
端にワイヤ７２の端部を直接に連結してもよい。この場
合も部品数の低減が可能となる。

【００４３】また、スイッチ機構は、回動するダイヤル
式の摘みを有しており、回動によりワイヤ７２の端部を
巻き取る構成であってもよい。さらには、ダイヤル式摘
みの回動を軸方向の前後方法の往復動に変換する機構
と、前記滑動板７１との組み合わせを採用することも可
能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】ガス機器の燃焼調整装置の断面図である。

【図２】ガス機器の燃焼調整装置の断面図である。

【図３】ガス機器の燃焼調整装置の断面図である。

【図４】ガス機器の燃焼調整装置の要部の斜視図であ
る。

【図５】点火時の火力調整機構の正面図である。

【図６】テーブルこんろの斜視図である。

【図７】他の実施例にかかる点火時の火力調整機構の正
面図である。

【符号の説明】

１ バルブボディ ２ 火力調整弁ボディ ３ スイッチ機構 ４ 操作レバー ５ 作動棒 ６、９ 戻しレバー ７ リンク機構 ２２ 回動弁体 ２３ ニードルピン ６４ 作用腕 ６５ 作用腕 ７１ 滑動板（往復動部材） ７２ ワイヤ（可撓線体） １００ 点・消火機構 ２００ 火力増減機構 ３００ 点火時の火力調整機構 Ｂ こんろバーナ Ｇ 火力調整弁 Ｍ メイン弁 Ｓ 安全弁 Ｕ 燃焼調整ユニット

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F23N 5/26 F23N 5/22

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 バーナの点火および消火を行うための点
   ・消火機構と、火力調整弁ボディ内に回動弁体を配し、
   該回動弁体に取付けたニードルピンを軸回りに回動させ
   ることにより弁開度を増減させ、前記バーナの火力を強
   火力から弱火力まで調整する火力調整弁と、点火時にお
   ける前記点・消火機構の動作に連動して、前記ニードル
   ピンを中火力位置に設定させるための点火時の火力調整
   機構とを備えたガス機器の燃焼調整装置において、 前記点火時の火力調整機構は、基部が支点により連結さ
   れるとともに先端部が開く方向に付勢され、かつ中間に
   前記ニードルピンを挟むように配された一対の作用腕を
   有する戻しレバーと、該戻しレバーの両作用腕の外側が
   摺接するとともに、前記一対の作用腕に加わる開く方向
   の付勢力により前記一対の戻しレバーを先端部方向に付
   勢するガイド部材と、一端が前記戻しレバーの基部に連
   結され、他端が前記点・消火機構の操作により往復動す
   る往復動部材に連結された可撓線体とからなるガス機器
   の燃焼調整装置。
2. 【請求項２】 請求項１において、前記戻しレバーは、
   基部が支点により回動自在に連結されるとともに、バネ
   により先端部が開く方向に付勢され、かつ中間に前記ニ
   ードルピンを挟むように配された一対の作用腕を有する
   ことを特徴とするガス機器の燃焼調整装置。
3. 【請求項３】 請求項１において、前記点火時の火力調
   整機構は、前記火力調整弁ボディの側壁に固着された基
   板に形成したことを特徴とするガス機器の燃焼調整装
   置。
4. 【請求項４】 請求項３において、前記ガイド部材は、
   前記ニードルピンの回動方向に対して直交的にチューリ
   ップ型に配された一対のガイド壁であることを特徴とす
   るガス機器の燃焼調整装置。
5. 【請求項５】 請求項４において、リンク機構は、前記
   点・消火機構の動作に連動して滑動自在に取付けられた
   滑動板と、一端が該滑動板に連結され、他端が前記戻し
   レバーの基部に連結されたワイヤからなることを特徴と
   するガス機器の燃焼調整装置。
6. 【請求項６】 請求項５において、前記戻しレバーの移
   動方向と前記滑動板の移動方向とは交差しており、前記
   ワイヤは、中間支点により転向して前記戻しレバーと前
   記滑動板とを連結していることを特徴とするガス機器の
   燃焼調整装置。