JP3127255B2 - 合成皮革 - Google Patents
合成皮革Info
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Description
音防止に優れたシフトレバーブーツに使用するのに好適
な合成皮革に関する。
等の車両シート、ドア内張り、シフトレバーブーツ等に
使用されている。
に使用されているポリウレタン合成皮革は、例えば、自
動車のアイドリング時及び走行中の振動等により、合成
皮革同士、及び合成皮革と他の内装材が擦れ合うことに
よって異音が発生しやすい。この異音を防ぐため、従来
より合成皮革の表皮層表面に滑性を付与させる、例えば
シリコン系の成分で表面処理を行い、ポリウレタン表皮
層が擦れた際に発生する擦過音を防ぐ方法が採られてい
る。
する異音は、表皮層が擦れる際に発生する擦過音だけで
はなく、合成皮革同士、及び合成皮革と他の内装材がお
互いぶつかり合って発生するたたき音などの複合的なも
のであるので、単に合成皮革の表皮層表面に滑性を付与
し、擦過音を防ぐだけでは合成皮革の異音防止には不十
分なものであった。
生する擦過音及びたたき音等の複合的な異音を、恒久的
に防止できる合成皮革を提供することにある。
ために、本発明の合成皮革は、片面起毛布又は両面起毛
布からなる基布の起毛面側にポリウレタンからなる湿式
ミクロポーラス層又は乾式発泡層、ポリウレタン接着層
およびシリコン変性ポリウレタン表面層を順次積層した
ことを特徴とするものである。
ウレタンは、滑性に優れ、ポリウレタン接着層との接着
性がよいので長期に亘り表面層の滑性が持続される。し
たがって、合成皮革同士の擦れ合うことによる異音の発
生を長期に亘り防止できる。また、起毛面側にはポリウ
レタンからなる湿式ミクロポーラス層又は乾式発泡層が
形成されており、合成皮革の柔軟性、風合が向上し、表
面滑性の向上と相候って合成皮革同士のぶつかり合うと
きに生ずるたたき音の発生が防止される。
する。図1は本発明の合成皮革の一実施例を示す断面図
であって、基布1の起毛面側に湿式ミクロポーラス層2
(あるいはポリウレタン乾式発泡層)、ポリウレタン接
着層3、シリコン変性ポリウレタン表面層4が順次積層
されている。
の天然繊維、レーヨン、スフ、アセテート等の再生繊
維、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル
等の合成繊維等の単独又は各種混紡繊維を編成、織成或
いは交絡させた編布、織布、不織布等が用いられる。こ
の基布1は片面起毛布又は両面起毛布のいずれをも使用
することができるが、図では両面起毛布を例として示し
ている。
層2は、例えばポリウレタンの水溶性有機溶媒溶液を基
布1に塗布した後、これを水中に浸漬して水溶性有機溶
媒を除去し、ポリウレタンを凝固させることによって形
成され、微細な孔が多数形成された層を構成する。
リカーボネイト系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウ
レタン、ポリエステル系ポリウレタン、特にポリカーボ
ネイト系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、
更にはポリカーボネイト系ポリウレタンが好適であり、
耐加水分解性、耐熱劣化性等に優れている。
〜500μm程度が望ましい。湿式ミクロポーラス層2
の厚みが100μmよりも薄いと、実質的なポーラス層
2の形成が困難になると共に合成皮革に良好な風合を付
与することができない。一方、湿式ミクロポーラス層2
の厚みが500μmよりも厚くなると、弾性が大きくな
りすぎ、合成皮革の風合を損ねることになる。
ロポーラス層2とシリコン変性ポリウレタン層4との間
の接着上支障のないポリウレタンであれば使用可能であ
るが、100%モジュラスが10〜100kg/c
m2 、望ましくは20〜60kg/cm2 のものが好適
である。
ーボネイト系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタ
ン、ポリエステル系ポリウレタンが挙げられるが、耐加
水分解性、耐熱劣化性等の点から、ポリカーボネイト系
ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタンが好まし
い。
m程度、望ましくは20〜30μmが好適である。ま
た、ポリウレタン接着層3には、架橋剤、必要に応じて
架橋促進剤が添加される。これらの架橋剤、架橋促進剤
の量は湿式ミクロポーラス層2及びシリコン変性ポリウ
レタン4とに対する接着強度、得られる合成皮革の風合
等を考慮して任意に選定される。
するシリコン変性ポリウレタンとしては、ポリカーボネ
イト系シリコン変性ポリウレタン、ポリエーテル系シリ
コン変性ポリウレタン、ポリエステル系シリコン変性ポ
リウレタンが挙げられるが、耐加水分解性、耐熱劣化性
等の点から、ポリカーボネイト系シリコン変性ポリウレ
タン、ポリエーテル系シリコン変性ポリウレタンが望ま
しい。
としては、分子側鎖にオルガノポリシロキシル基を有す
るポリウレタンまたは分子側鎖に、末端がイソシアネー
ト基と非反応性の官能基で封止されたオルガノポリシロ
キシル基を有するポリウレタンからなる。
基で封止されたオルガノポリシロキシル基としては、例
えばトリアルキルシリル基又はトリアリールシリル基で
封止されたオルガノポリシロキシル基が挙げられる。
キルシロキシル基とポリアルキルアリールシロキシル基
がランダムあるいはブロック状に共重合したオルガノポ
リシロキシル基でもよい。
nは通常10〜1000、好ましくは20〜100であ
る。シリコン変性ポリウレタン表面層4を構成するシリ
コン変性ポリウレタンは、100%モジュラスが10〜
120kg/cm2 のものが好ましい。シリコン変性ポ
リウレタン表面層4の厚みは10〜100μmが望まし
く、特に20〜60μmが好ましい。
布1の起毛面にポリウレタンの親水性有機溶媒溶液を塗
布した後、これを水中に浸漬して溶媒を除去し、ポリウ
レタンを凝固させて所望の厚みの湿式ミクロポーラス層
2を形成する。
リコン変性ポリウレタンを塗布し、加熱乾燥して所望の
厚みのシリコン変性ポリウレタン表面層4を形成する。
次にこの表面層4の上にポリウレタンを塗布した後、加
熱乾燥し所望の厚みのポリウレタン接着層3を形成す
る。次にこの接着層3の面上に前記基布1の起毛面に形
成した湿式ミクロポーラス層2を向き合わせ、熱圧着し
て熟成させ、接着剤を反応固化させた後、離型紙を剥離
することによって目的とする合成皮革を得ることができ
る。
発泡させることによって得られるポリウレタン乾式発泡
層でもよく、この場合、ポリウレタン乾式発泡層の厚み
は、5〜1000μm程度、望ましくは100〜500
μm程度が望ましい。ポリウレタン乾式発泡層は架橋
剤、発泡剤、整泡剤等が添加され、これらの量は基布1
及びシリコン変性ポリウレタン4に対する接着強度、得
られる合成皮革の風合等を考慮して任意に選定される。
さらにポリウレタン乾式発泡層と基布1との接着強度が
必要な場合、発泡後に接着層を積層させ基布1と張り合
わせることも可能である。
されるポリウレタンとしては、ポリカーボネイト系ポリ
ウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリエステル
系ポリウレタンが挙げられるが、耐加水分解性、耐熱劣
化性等の点から、ポリカーボネイト系ポリウレタン、ポ
リエーテル系ポリウレタンが好ましい。
5kg/cm2 のポリカーボネイト系ポリウレタン(大
日本インキ化学工業(株)製:クリスボンMP−12
0)のジメチルホルムアミド溶液を溶液重量が1000
g/m2 になる様塗布し、水中で凝固、脱溶媒させ、脱
水後、120℃の熱風下で乾燥して表面平滑性に優れる
微多孔性組織からなる湿式ミクロポーラス層を形成し
た。
ラスが60kg/cm2 のシリコン変性ポリカーボネイ
ト系ポリウレタン(大日本インキ化学工業(株)製:ク
リスボンNY−333)を乾燥厚みが30μとなる様に
ナイフコーターにて塗布し、100℃で2分間熱風乾燥
し、シリコン変性ポリウレタン表皮層を形成する。
スが20kg/cm2 のポリカーボネイト系ポリウレタ
ンよりなるウレタン系2液接着剤(大日本インキ化学工
業(株)製:クリスボンTA−205)を乾燥厚みが3
0μとなる様ナイフコーターにて塗布し、100℃で2
分間熱風乾燥させてポリウレタン接着層を形成し、この
上面に前述の起毛布上に形成された湿式ミクロポーラス
層の面を向き合わせて100℃で熱圧着し、更に40℃
で48時間熟成して接着剤を反応固化させた後、離型紙
を剥離することにより、微多孔性組織を有する合成皮革
を得ることができた。
ーヨン混紡織布を使用する他は、実施例1と同様の構成
を有する合成皮革を同様の方法で得た。
ポリカーボネイト系ポリウレタン(大日精化工業(株)
製:レザミンUF1401)よりなる接着層へポリエス
テルトリコットを貼り合わせた後、130〜150℃の
温度で接着層を発泡させることによって得られる乾式発
泡層を有する他は、実施例1と同様の方法で合成皮革を
得た。
せずに、接着層へポリエステルトリコットを直接貼合わ
せる他は、実施例1と同様の方法で合成皮革を得た。
リエステル/レーヨン混紡織布を使用し、湿式ミクロポ
ーラス層を形成せずに直接基布を接着層へ貼合わせる他
は、実施例2と同様の方法で合成皮革を得た。
リエステル/レーヨン混紡織布を使用し、湿式ミクロポ
ーラス層を形成せずに直接基布を接着層へ貼合わせ、ま
た、表皮層に使用するポリウレタンを100%モジュラ
スが110kg/cm2 のポリカーボネイト系ポリウレ
タン(大日本インキ化学工業(株)製:クリスボンNY
−360)を使用する他は実施例2と同様な方法で合成
皮革を得た。
得られたそれぞれの合成皮革につき、静摩擦係数、動摩
擦係数、スティックースリップ範囲、曲げさ剛さ、たた
き音、実車モニターによる測定試験を行った。各方法及
び試験法は次の通りである。
よる。 スティックースリップ範囲 : (最大動摩擦係数−最
小動摩擦係数) 曲げさ剛さ : JIS L 1079(45°カンチ
レバ法)による
せ、音の発生の有無を確認する。 たたき音 : 合成皮革の表面を互いにたたき合わせ、
音の発生の有無を確認する。 実車モニター : 合成皮革でシフトレバーブーツを作
成し、実際に自動車に装着後、アイドリング状態で異音
の発生の有無を確認する。
皮革表面の滑性を付与するだけでは実車での異音防止は
不十分である。実車での異音防止には、合成皮革表面に
滑性を付与し、( スティックースリップ範囲0.2以
下)かつ、合成皮革の風合をよりソフトなものにし、
(曲けさ剛さ100以下)、好ましくは、合成皮革にさ
らにたたき音を吸収する湿式又は乾式の微多孔組織を有
することが望ましい。
面が擦れた際にも擦過音を発生しない優れた表面滑性を
有し、また、この表面滑性はくり返しの表面摩擦にも強
く、長期使用後も性能の低下はみられない。さらに合成
皮革の表面がぶつかり合って発生するたたき音に対して
も、得られた合成皮革はソフトな風合であり、かつ微多
孔性組織を有するため、吸音性があり、たたき音が発生
しにくい。
る。
発泡層) 3 ポリウレタン接着層 4 シリコン変性ポリウレタン表面層
Claims (4)
- 【請求項1】 片面起毛布又は両面起毛布からなる基布
の起毛面側にポリウレタンからなる湿式ミクロポーラス
層又は乾式発泡層、ポリウレタン接着層およびシリコン
変性ポリウレタン表面層を順次積層したことを特徴とす
る合成皮革。 - 【請求項2】 前記湿式ミクロポーラス層又は乾式発泡
層がポリカーボネイト系ポリウレタンからなることを特
徴とする請求項1の合成皮革。 - 【請求項3】 前記ポリウレタン接着層がポリカーボネ
イト系ポリウレタンからなることを特徴とする請求項1
の合成皮革。 - 【請求項4】 前記シリコン変性ポリウレタン表面層が
ポリカーボネイト系シリコン変性ポリウレタンからなる
ことを特徴とする請求項1の合成皮革。
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03350261A JP3127255B2 (ja) | 1991-12-09 | 1991-12-09 | 合成皮革 |
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JPH06184950A JPH06184950A (ja) | 1994-07-05 |
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ID=18409308
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03350261A Expired - Lifetime JP3127255B2 (ja) | 1991-12-09 | 1991-12-09 | 合成皮革 |
Country Status (1)
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-
1991
- 1991-12-09 JP JP03350261A patent/JP3127255B2/ja not_active Expired - Lifetime
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