JP3126839B2 - 液晶表示装置および液晶表示装置の製造方法 - Google Patents

液晶表示装置および液晶表示装置の製造方法

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JP3126839B2
JP3126839B2 JP05003683A JP368393A JP3126839B2 JP 3126839 B2 JP3126839 B2 JP 3126839B2 JP 05003683 A JP05003683 A JP 05003683A JP 368393 A JP368393 A JP 368393A JP 3126839 B2 JP3126839 B2 JP 3126839B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチックフィルム
からなる液晶表示装置および液晶表示装置の製造方法に
関し、詳しくは、このフィルム基板に電極取出し部を露
呈させるための切り欠き部を有する液晶表示装置および
該切り欠き部を形成するために基板の貼り合わせ前にプ
レカットと称するカッティングを行なうようにした液晶
表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から液晶表示装置としてガラス基板
を使用したものがあり、このものは上下のガラス基板を
重ね合わせた後、スクライブ法によって最終形状の液晶
表示装置をセル単位に分割することができるため、生産
性を向上させることができることから有用な技術として
多用されている。
【0003】そこで近時では、この方法をプラスチック
フィルム基板に適用している。すなわち、それぞれ透明
電極が印刷された一対のプラスチックフィルム基板をカ
ットして一対の基板用ワークを形成し、この基板用ワー
クをそれぞれ上下基板として使用する。次いで、上基板
用ワークに液晶表示装置の基板としての最終カットライ
ンを形成し、上基板用ワークに線状のハーフラインおよ
び液晶注入口を形成した後、下基板用ワークにシール材
を印刷するとともにギャップ材を散布する。次いで、上
下基板用ワークをシール材を介して重ね合わせた後、カ
ット刃によって最終カットラインに沿って両ワークを切
断する。このため、この最終ラインと上述したハーフラ
インととで囲まれた部分が、上基板用ワークから分断さ
れカット片が成形される。
【0004】そして、このカット片が分断されることに
より、下側基板に下側電極取出し部が露呈されるため、
液晶注入口から液晶を注入する作業を行なって液晶表示
素子の製造を完了する(例えば、特開昭60−8828
号公報、特開昭59−157616号公報および特開昭
60−35713号公報参照)。ところが、このような
ハーフカットによる液晶表示装置の製造方法にあって
は、上基板用ワークを単にハーフカットしているために
各工程間のフィルム基板の移動や各工程ステージ上での
基板吸着には有効であるが、上下基板用ワークを重ね合
わせた後ハーフカット片を除去する際に、電極部の断線
を引起こし易く、電極部を傷つ付けずにカット片を取り
除くことが非常に困難であった。したがって、このハー
フカット法は構想としては非常に良いが、液晶表示装置
として使用した場合には、不具合が発生してしまった。
【0005】また、ハーフカットをカット刃によって行
なっているが、このカット刃の刃先角度に限度があるた
め(通常30°が限度である)、刃先を鋭角にすると刃先
の刃こぼれ、変形等によって耐久性が著しく悪化してし
まうことになる。したがって、このような不具合を有す
るカット刃によってハーフカットを行なうと、ハーフカ
ット後の基板のハーフカットライン部は凸部の盛り上が
り変形を生じてしまい、基板の重ね合わせ工程でセルギ
ャップを維持することができないという不具合が発生し
てしまった。
【0006】このような不具合を解消するものとして、
例えば特開昭62−48032号公報に記載されたよう
なものがあり、図12のように示される。図12において、
1、2は内側に透明電極を有するプラスチックフィルム
からなり、それぞれX、Yの外径を有する上基板および
下基板であり、両基板1、2はその外周部にシール材3
を介して対向して貼り合わされている。この両基板1、
2およびシール材3により画成される封入室内には液晶
注入口から液晶が封入されることによりシール材で囲ま
れた液晶封入範囲(RW×fW)で表示エリアが形成され、
さらに、該表示エリアの外側に向かって一対の基板1、
2の透明電極と共にそれぞれFL、RLだけ延されて電
極取出し部1a、2aが形成されている。なお、図中4
は上述した液晶注入を行なうための液晶注入口をシール
するエンドシールである。
【0007】図13、14はこの液晶表示装置の製造方法を
示す図であり、図13、14において、5、6は基板用ワー
クであり、該ワーク5、6には液晶表示装置の基板とし
ての最終形状のカットライン7、8(X×Y)が形成さ
れ、このカットライン7、8は後述するプレカット(く
り抜き)を行なうために所定の配置代δを有して離隔し
ている。
【0008】この製造方法では、基板用ワーク5、6の
カットライン7、8上にカットライン7、8の長さより
も大きい長辺(X+2XP)、(Y+2YP)および電極取
出し部に相当する長さのFL、RLに所定の長さを加え
た短辺LR、LFを有するプレカット部9、10をプレス
等の打ち抜き金型によって形成する。次いで、このプレ
カットを行なった後、両基板用ワーク5、6を例えば下
基板用ワーク6に形成されたシール材13を介して貼り合
わせた後、カットライン7、8に沿ってカットすること
により、図12に示すような液晶表示装置を得ることがで
きる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の液晶表示装置の製造方法にあっては、基板用
ワーク5、6のカットライン7、8上にカットライン
7、8の長さよりも大きい長辺を有する(X+2XP)、
(Y+2YP)のプレカット部9、10を形成し、基板用ワ
ーク5、6を接合してカットライン7、8に沿ってカッ
トを行なった後、図12に示すように基板1、2の一方向
に延在する電極取り部1a、2aを形成していたため、
両基板1、2が貼り合わされたコーナー部aを除いた他
の3箇所のコーナー部b〜dが基板1、2の何れか1枚
だけとなってしまった。このため、基板1、2のコーナ
ー部b〜dの強度が弱くなってしまい、このコーナー部
b〜dに衝撃を受けたときに基板1、2の何れかが破損
してしまい、電極取出し部1a、2aを破壊して液晶表
示装置の品質を低下させてしまうという問題があった。
【0010】また、プレカット部9、10の長辺がカット
ライン7、8の長さよりも大きいため、大型の打ち抜き
金型が必要になってしまい、液晶表示装置の製造コスト
が増大してしまうという問題があった。これに加えて、
カットライン7、8が配置代δを有して離隔していたた
め、プレカット部分が大きくなってしまうばかりでな
く、配置代δの分だけ基板用ワーク5、6が無駄になっ
て同一基板用ワーク5、6から製品の取り数が少なくな
ってしまい、液晶表示装置の製造コストが増大してしま
うという問題があった。
【0011】一方、配置代δを設けずに、それぞれ基板
用ワークの5、6上にカットライン7、8を隣接して配
置した場合には、上側の基板用ワーク5の電極取出し部
は、LR=FL×(2X+2XP)となり、下側の基板用
ワーク6の電極取出し部は、LF=FL×(2Y+2Y
P)となるため、プレカットと基板の貼り合わせのずれ
によって図15または図16に示すようにそれぞれXXまた
はYYのずれを有する液晶表示装置が製造されてしま
う。このようにずれか発生してしまうと、ずれ部分で基
板1、2のコーナー部の基板1、2は重なり合わずに、
製品形状として不都合となってしまい、商品価値を損っ
てしまった。また、この落下等の衝撃を受けて破損し易
いコーナー部が基板1または基板2の何れか一方になっ
てしまい、品質が悪化してしまうという問題があった。
【0012】また、シール材3がはみ出し易くなり、カ
ットライン7、8の切断時に糸状の切り片が発生するば
かりでなく、その切り片がシール材3に付着することが
あり、品質が悪化してしまうという問題があった。これ
に加えて、プレカットが隣接する最終形状の基板に亘っ
て延在してしまうため、図14に示すものが、(X+2X
P)であるのに対して、(2X+2XP)と長辺になって
しまい、これに伴って非常に大型のプレカット用金型が
必要となって液晶表示装置の製造コストが増大してしま
うという問題が発生してしまった。
【0013】さらに、プレカットが隣接する最終形状の
基板に亘って延在してしまうため、基板5、6が撓み易
くなるばかりでなく、プレカット部分を除いた基板用ワ
ーク5、6の支持部分が少なくなってしまい、搬送が難
しくなってしまうという問題があった。したがって、従
来の基板の製造方法では配置代δを無くすことは実用上
困難であった。
【0014】そこで請求項1記載の発明は、一対のプラ
スチックフィルム基板を接続するシール材に加えて第1
および第2切り欠き部を除いた該基板の角部にもシール
材を形成することにより、両基板の角部(コーナー部)を
補強して強度を向上し、何からの衝撃を受けて角部が損
傷するのを防止して電極取出し部が損傷するのを防止す
ることができ、品質を向上させることができる液晶表示
装置を提供することを目的としている。
【0015】請求項2記載の発明は、最終形状の基板に
対応したカットラインが互いに隣接して配設された複数
枚の基板用ワークを準備し、該基板用ワークの電極取出
し部に対応した位置のカットライン上で、かつ、隣接す
る最終形状の基板に跨がって前記第1切り欠き部および
第2切り欠き部を合計したものに対応する面積を有する
長方形状のプレカットを行なうことにより、請求項1記
載の液晶表示装置を得ることができるとともに、同一基
板用ワークから多数の製品を取り出すことができること
に加えて、プレカットの面積を低減してプレカット用型
を小型化して製造コストを低減することができる液晶表
示素子の製造方法を提供すること、また、プレカットに
よって電極取り出部を露呈させるようにして、従来のよ
うにハーフカット法による電極部の破損を確実に防止す
ることができるとともに、カット刃の角度制限によって
ハーフカット後の基板の盛り上がり変形による基板のセ
ルギャップの不均一を防止することができ、品質の高い
液晶表示装置の製造方法を提供すること、およびプレカ
ットを基板用ワークの所定方向に亘って延在させないよ
うにして、基板用ワークの剛性を向上させることができ
るとともに基板用ワークの支持箇所を増大させるように
することができ、基板用ワークの搬送を容易に行なうこ
とができる液晶表示装置の製造方法を提供することを目
的としている。
【0016】請求項3記載の発明は、プレカット形状と
して、第1切り欠き部の短辺を3mm以下に形成するとと
もに第2切り欠き部の短辺を0、5mm以下になるように成
形し、第1あるいは第2切り欠き部の長辺を、電極のリ
ード部の幅をW、電極のリード部の数をn、電極のリー
ド部の幅とリード部間の距離との和をPとしたとき、
(P×n)−(P−W)+(2×W)以上、かつ基板の外径寸
法以下になるように形成することにより、プレカット用
型を小型化するようにして、製造コストを低減すること
ができるとともに、最終カットラインに沿って切断を行
なう際に基板に糸状の切り片が発生するのを防止して品
質の向上を図ることができる液晶表示装置の製造方法を
提供することを目的としている。
【0017】請求項4記載の発明は、プレカットを、板
状のブレードの両端部が接合されることにより略プレカ
ット形状に対応する略長方形状に形成されるとともに、
該ブレードの外周端部に沿って45°以下の角度の刃先を
有するブレード型によって行なうことにより、低コスト
かつ、プレカット形状に応じた最適な形状に容易に製造
されるブレード型を容易に得られるようにして、多品種
少量の液晶表示装置を容易に製造することができるとと
もに、ブレード型の刃先を容易に鋭角にして液晶表示装
置の切断時に基板にばりが発生するのを防止することが
でき、品質の高い液晶表示装置の製造方法を提供するこ
とを目的としている。
【0018】請求項5記載の発明は、プレカットを、先
端部に略プレカット形状に対応するとともに、刃先が一
体的に形成された成形ブレード型によって行なうことに
より、ブレード型のようにブレードの接合面を有しない
ようにして、接合部での切れ残りおよび該接合部から刃
先へのへたりによるカット不良を引起こすのを防止して
品質を向上させることができるとともに、液晶表示装置
の生産量、精度およびサイズ等によってプレカット工法
の選択範囲を広げることができる液晶表示装置の製造方
法を提供することを目的としている。
【0019】請求項6記載の発明は、第1および第2切
り欠き部の短辺を合計した長さRとしたとき、該短辺に
相当する部分の曲率半径が1/2×Rに形成されるととも
に、その両端部の接合箇所が電極取出し部と反対の面
で、かつ切断方向に沿って直線状に形成されたブレード
型を使用することにより、刃先の接合部による基板の切
れ残り、接合部から刃先へのへたりによるカット不良を
確実に防止することができるとともに、ブレードの両端
部の曲げ加工を容易に行なうようにして、プレカットの
短辺(長辺方向両端部)の距離が短い場合に容易に対応す
ることができる液晶表示装置の製造方法を提供すること
を目的としている。
【0020】請求項7記載の発明は、プレカットを、プ
レスによって打ち抜き加工することにより、プレカット
用型の耐久性を向上させるようにして、製造コストを低
減することができるとともに、液晶表示装置の生産量、
精度およびサイズ等によってプレカット工法の選択範囲
を広げることができる液晶表示装置の製造方法を提供す
ることを目的としている。
【0021】請求項8記載の発明は、板厚をtとしたと
きに、曲げ部分の形状が1/2×tに設定されるととも
に、その両端部の接合箇所が、電極取出し部と反対の面
で、かつ切断方向に沿って直線状あるいは電極取出し部
と反対の面で、かつ曲げ部分に対応する箇所に形成され
たブレード型を使用することにより、刃先の接合部によ
る基板の切れ残り、接合部から刃先へのへたりによるカ
ット不良を確実に防止することができるとともに、ブレ
ードの両端部の曲げ加工を容易に行なうことができ、プ
レカットの短辺(長辺方向両端部)の距離が長い場合に該
ブレードで容易に対応することができる低コストな液晶
表示装置の製造方法を提供することを目的としている。
【0022】請求項9記載の発明は、基板用ワークを、
ブレード型の刃先の硬度よりも小さい硬度を有する敷板
に載置してプレカットを行なうことにより、ブレード型
の刃先の耐久性を大幅に向上させることができ、製造コ
ストを低減することができる液晶表示装置の製造方法を
提供することを目的としている。請求項10記載の発明
は、プレカットを行なった後、刃先を基板用ワークから
離隔させる押し出し機構を有するブレード型を使用する
ことにより、プレカット時に基板用ワークにブレード型
の刃先が入り込むのを防止して、刃先から基板用ワーク
を除去する作業を無くすことができ、装置の製造をスム
ースに、かつ短時間で行なうことができる液晶表示装置
の製造方法を提供することを目的としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
上記課題を解決するために、内側に透明電極を有する一
対のプラスチックフィルム基板がその外周部にシール材
を介して対向して貼り合わされるとともに、該両基板お
よびシール材により画成される封入室内に液晶が封入さ
れることにより液晶封入範囲で表示エリアが形成され、
さらに、該表示エリアの外側に向かって前記一対の基板
の一方あるいは両方が透明電極と共に延在して電極取出
し部が形成された液晶表示装置において、前記電極取出
し部に対向する基板の一端側に第1切り欠き部が形成さ
れるとともに、該電極取出し部と反対側に位置する該基
板の他端側に第2切り欠き部が形成され、第1切り欠き
部は、その短辺が対向する電極取出し部より若干長く形
成されるとともに、その長辺が並列に配設された電極の
リード部の配設方向長さよりも若干長く、かつ、基板の
外径寸法よりも短く形成され、第2切り欠き部は、短辺
が第1切り欠き部の短辺よりも短く成形されるととも
に、長辺が第1切り欠き部の長辺と同じ長さに形成さ
れ、前記シール材に加えて第1および第2切り欠き部を
除いた基板の角部にもシール材が形成されることを特徴
としている。
【0024】請求項2記載の発明は、上記課題を解決す
るために、請求項1記載の液晶表示装置の製造方法にお
いて、プラスチックフィルムからなり、最終形状の基板
に対応したカットラインが互いに隣接して配設された複
数枚の基板用ワークを準備し、該基板用ワークの電極取
出し部に対応した位置のカットライン上で、かつ、隣接
する最終形状の基板に跨がって前記第1切り欠き部およ
び第2切り欠き部を合計したものに対応する面積を有す
る長方形状のプレカットを施し、次いで、複数枚の基板
用ワークをシール材を介して貼り合わせた後、前記カッ
トラインに沿って切断することにより前記電極取出し部
を露呈させて最終形状に形成するようにしたことを特徴
としている。
【0025】請求項3記載の発明は、上記課題を解決す
るために、前記プレカット形状は、第1切り欠き部の短
辺が3mm以下に形成されるとともに第2切り欠き部の短
辺が0、5mm以下になるように成形され、第1あるいは第
2切り欠き部の長辺が、電極のリード部の幅をW、電極
のリード部の数をn、電極のリード部の幅とリード部間
の距離との和をPとしたとき、(P×n)−(P−W)+
(2×W)以上、かつ基板の外径寸法以下になるように形
成されることを特徴としている。
【0026】請求項4記載の発明は、上記課題を解決す
るために、請求項2または3記載の液晶表示装置の製造
方法において、前記プレカットが、板状のブレードの両
端部が接合されることにより略プレカット形状に対応し
て略長方形状に形成されるとともに、該ブレードの外周
端部に沿って45°以下の角度の刃先を有するブレード型
によって行なわれることを特徴としている。
【0027】請求項5記載の発明は、上記課題を解決す
るために、請求項2または3記載の発明において、前記
プレカットが、先端部に略プレカット形状に対応すると
ともに、刃先が一体的に形成された成形ブレード型によ
って行なわれることを特徴としている。請求項6記載の
発明は、上記課題を解決するために、請求項4記載の液
晶表示装置の製造方法において、前記第1および第2切
り欠き部の短辺を合計した長さRとしたとき、該短辺に
相当する部分の曲率半径が1/2×Rに形成されるととも
に、その両端部の接合箇所が電極取出し部と反対の面
で、かつ切断方向に沿って直線状に形成されたブレード
型が使用されることを特徴としている。
【0028】請求項7記載の発明は、上記課題を解決す
るために、請求項2または3記載の液晶表示装置の製造
方法において、前記プレカットが、プレスによって打ち
抜き加工されることを特徴としている。請求項8記載の
発明は、上記課題を解決するために、板厚をtとしたと
きに、曲げ部分の形状が1/2×tに設定されるととも
に、その両端部の接合箇所が、電極取出し部と反対の面
で、かつ切断方向に沿って直線状あるいは電極取出し部
と反対の面で、かつ曲げ部分に対応する箇所に形成され
たブレード型が使用されることを特徴とする請求項4記
載の液晶表示装置の製造方法。
【0029】請求項9記載の発明は、上記課題を解決す
るために、請求項4記載の液晶表示装置の製造方法にお
いて、基板用ワークを、ブレード型の刃先の硬度よりも
小さい硬度を有する敷板に載置してプレカットを行なう
ことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。請求項10記
載の発明は、上記課題を解決するために、請求項4記載
の液晶表示装置の製造方法において、プレカットを行な
った後、刃先を基板用ワークから離隔させる押し出し機
構を有するブレード型を使用したことを特徴としてい
る。
【0030】
【作用】請求項1記載の発明では、一対のプラスチック
フィルム基板を接続するシール材に加えて第1および第
2切り欠き部を除いた該基板の角部にもシール材が形成
される。したがって、両基板の角部(コーナー部)が補強
されて強度が向上され、何からの衝撃を受けて角部が損
傷することが防止される。この結果、電極取出し部が損
傷することがなく、液晶表示装置の品質が向上する。
【0031】請求項2記載の発明では、最終形状の基板
に対応したカットラインが互いに隣接して配設された複
数枚の基板用ワークが準備され、該基板用ワークの電極
取出し部に対応した位置のカットライン上で、かつ、隣
接する最終形状の基板に跨がって前記第1切り欠き部お
よび第2切り欠き部を合計したものに対応する面積を有
する長方形状のプレカットを行なっている。
【0032】したがって、請求項1記載の液晶表示装置
が得られるとともに、同一基板用ワークから多数の製品
が取り出し可能になるとともに、プレカットの面積が低
減されてプレカット用型の小型化が図れる。この結果、
液晶表示装置の製造コストが低減される。また、プラス
チックフィルム基板の形態に依存しない多品種少量から
多量生産にまで対応したプレカットが可能になる。
【0033】また、プレカットによって電極取り出部が
露呈されるので、従来のようにハーフカット法による加
工方法と異なり、予め基板用ワークにプレカットを施し
た後に上下基板用ワークを重ね合わせて最終形状に切断
することができ、電極部の破損を確実に防止することが
できる。これに加えて、従来のようにカット刃の角度制
限によってハーフカット後の基板の盛り上がり変形によ
って基板のセルギャップが不均一になることがなく、液
晶表示装置の品質が向上する。
【0034】また、プレカット部を基板用ワークの所定
方向に亘って延在させないようにでき、基板用ワークの
剛性を向上させることができるとともに基板用ワークの
支持箇所を増大させることができ、基板用ワークの搬送
を容易に行なうことができる。請求項3記載の発明で
は、プレカット形状として、第1切り欠き部の短辺が3
mm以下に形成されるとともに第2切り欠き部の短辺が0、
5mm以下になるように成形され、第1あるいは第2切り
欠き部の長辺が、電極のリード部の幅をW、電極のリー
ド部の数をn、電極のリード部の幅とリード部間の距離
との和をPとしたとき、(P×n)−(P−W)+(2×W)
以上、かつ基板の外径寸法以下になるように形成され
る。
【0035】したがって、プレカット用型が小型化さ
れ、液晶表示装置の製造コストが低減される。また、基
板用ワークを貼り合わせたときにずれが発生した場合で
も、第2切り欠き部の短辺のずれ以下、すなわち、0、5m
m以下のずれであれば装置の見かけ上の形状はずれなし
のものと略同一のものが得られ、商品価値が損われるこ
とがない。また、最終カットラインに沿って切断を行な
う際に基板に糸状の切り片が発生することがなく、品質
の向上を図れる。
【0036】また、第1切り欠き部の短辺が3mm以下に
なるように形成されるとともに第2切り欠き部の短辺が
0、5mm以下になるように形成されるのは、第1切り欠き
部が電極取出し部を露呈させるための部分であるため、
上記数値に限定したのであり、また、第2切り欠き部は
本来0mmであるのが好ましいが、本製造方法に不可欠な
部分であるから上記数値限定したのである。何れにして
も共に携帯機器の表示デバイスととしてできるだけ小さ
くことが好ましいのである。
【0037】請求項4記載の発明では、プレカットが、
板状のブレードの両端部が接合されることにより略プレ
カット形状に対応する略長方形状に形成されるととも
に、該ブレードの外周端部に沿って45°以下の角度の刃
先を有するブレード型によって行なわれる。したがっ
て、低コストでかつ、プレカット形状に応じた最適な形
状のブレード型が容易に得られ、多品種少量の液晶表示
装置が容易に製造される。また、ブレード型の刃先が容
易に鋭角にされ液晶表示装置の切断時に基板にばりが発
生することが防止される。この結果、液晶表示装置の品
質が向上する。
【0038】請求項5記載の発明では、プレカットが、
先端部に略プレカット形状に対応するとともに、刃先が
一体的に形成された成形ブレード型によって行なわれ
る。したがって、ブレード型のようにブレードの接合面
を有しないようにして、接合部での切れ残りおよび該接
合部から刃先へのへたりあるいは損傷によるカット不良
が引起こらない。すなわち、ブレード型は1枚のブレー
ドを矩形状にするために必ず接合部があり、該接合部で
基板に切れ残り、接合部から刃先へのへたりあるいは損
傷によってカット不良を生じ易い。このため、接合部を
有さない成形ブレード型によってプレカットを行なうこ
とにより、このような不具合が発生せするのを防止して
液晶表示装置の品質を向上させることができる。また、
液晶表示装置の生産量、精度およびサイズ等によってプ
レカット工法の選択範囲が広げることができる。
【0039】請求項6記載の発明では、第1および第2
切り欠き部の短辺を合計した長さRとしたとき、該短辺
に相当する部分の曲率半径が1/2×Rに形成されるとと
もに、その両端部の接合箇所が電極取出し部と反対の面
で、かつ切断方向に沿って直線状に形成されたブレード
型が使用される。したがって、接合部が電極取出し部と
反対側の不要な部分に配設されることになり、刃先の接
合部による基板の切れ残り、接合部から刃先へのへたり
によるカット不良を確実に防止される。また、第1、2
切り欠き部の短辺に相当する部分の曲率半径が1/2×R
に形成されるので、ブレードの両端部の曲げ加工が容易
に行なわれ、プレカットの短辺(長辺方向両端部)の距離
が短い場合に容易に対応される。すなわち、通常ブレー
ドの曲げ部分はその板厚tとしたときに1/2×tが限界
であるので、上記短辺が小さくなると曲げに限界があ
る。このため、ブレードの短辺に相当する部分を所定の
曲率に曲げ加工することにより、プレカットの短辺の距
離が短い場合に容易に対応することができるのである。
【0040】請求項7記載の発明では、プレカットが、
プレスによって打ち抜き加工される。したがって、プレ
カット用型の耐久性が向上され、液晶表示装置の製造コ
ストが低減する。また、液晶表示装置の生産量、精度お
よびサイズ等によってプレカット工法の選択範囲を広げ
られる。請求項8記載の発明では、板厚がtとされたと
きに、曲げ部分の形状が1/2×tに設定されるととも
に、その両端部の接合箇所が電極取出し部と反対の面
で、かつ切断方向に沿って直線状あるいは電極取出し部
と反対の面で、かつ曲げ部分に対応する箇所に形成され
たブレード型が使用される。
【0041】したがって、刃先の接合部による基板の切
れ残り、接合部から刃先へのへたりによるカット不良が
確実に防止される。また、ブレードの両端部の曲げ加工
が容易に行なわれ、プレカットの短辺(長辺方向両端部)
の距離が長い場合に該ブレードで容易に対応される。こ
の結果、低コストなブレード型が使用されることによっ
て液晶表示装置の製造コストが低減される。
【0042】請求項9記載の発明では、基板用ワークが
ブレード型の刃先の硬度よりも小さい硬度を有する敷板
に載置されてプレカットが行なわれる。したがって、ブ
レード型の刃先の耐久性が大幅に向上され、液晶表示装
置の製造コストが低減される。請求項10記載の発明で
は、プレカットが行なわれた後、刃先を基板用ワークか
ら離隔させるための押し出し機構を有するブレード型が
使用される。したがって、プレカット時に基板用ワーク
にブレード型の刃先が入り込むことがなく、刃先から基
板用ワークを除去する作業が不要になる。この結果、液
晶表示装置の製造がスムースに、かつ短時間で行なわれ
る。
【0043】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
図1〜11は請求項1〜10記載の発明に係る液晶表示装置
および液晶表示装置の製造方法の一実施例を示す図であ
る。まず、構成を説明する。図1、2において、11、12
はそれぞれプラスチックフィルムからなる上基板および
下基板であり、両基板11、12はシール材13を介して貼り
合わされている。上基板11および下基板12は、例えば、
透明な低密度ポリエチレン、半透明な高密度ポリエチレ
ン、透明な軟質塩化ビニール、半透明な硬質塩化ビニー
ル、透明なポリエステルの何れかの材料から構成されて
おり、厚さが0、1〜0、5mm程度に形成されている。
【0044】また、上基板11には図2に示すように透明
電極としての複数のセグメント電極S1〜Sn(以下、単
に電極Sともいう)が形成されているとともに、下基板1
2には透明電極としての複数のコモン電極C1〜Cn(以
下、単に電極Cともいう)が形成されている。また、こ
の基板11、12内には図示しない液晶が封入されており、
この液晶は所定箇所に形成された液晶封入口から基板11
と12およびシール材13によって囲まれる空間部(封入室)
に封入されており、この封入口に相当する箇所はエンド
シール16によって密閉されている。そして、この液晶が
封入された箇所が所定の液晶封入エリアを構成してい
る。
【0045】また、基板11、12にはそれぞれ所定箇所に
延在し、後述する第1切り欠き部を通して露出する電極
取出し11a、12aが形成されており、この取出し部11
a、12aには電極S、Cのリード部SL、CLが延在
し、これら電極取出し部11a、12a上のリード部SL、
CL電極S、Cは外部の所定の装置に接続されるように
なっている。
【0046】一方、電極取出し部11aに対向する下基板
12の一端側には第1切り欠き部12bが形成されるととも
に、該電極取出し部11aと反対側に位置する該基板12の
他端側に第2切り欠き部12cが形成されている。第1切
り欠き部12bは、その短辺FLが対向する電極取出し部
11aより若干長く形成されるとともに、その長辺XPが
並列に配設された電極Sのリード部SLの配設方向長さ
よりも若干長く、かつ、基板12の外径寸法Xよりも短く
形成されている。
【0047】また、第2切り欠き部12cは、その短辺Y
Lが第1切り欠き部12bの短辺FLよりも短く、かつ第
1切り欠き部12bの長辺XPと同じ長さに形成されてい
る。また、電極取出し部12aに対向する上基板11の一端
側には第1切り欠き部11bが形成されるとともに、該電
極取出し部12aと反対側に位置する該基板11の他端側に
第2切り欠き部11cが形成されている。第1切り欠き部
11bは、その短辺RLが対向する電極取出し部12aより
若干長く形成されるとともに、その長辺YPが並列に配
設された電極Cのリード部CLの配設方向長さよりも若
干長く、かつ、基板12の外径寸法Yよりも短く形成され
ている。
【0048】また、第2切り欠き部11cは、その短辺X
Lが第1切り欠き部11bの短辺RLよりも短く、かつ第
1切り欠き部11bの長辺Yと同じ長さに形成されてい
る。このため、基板11、12の4隅にはそれぞれの基板部
分が残されており、この基板部分の間にはシール材17a
〜17dが介装されている。図3、4は上下基板11、12を
得るための基板用ワークを示す図である。
【0049】3、4において、21は上基板用ワーク、22
は下基板用ワークであり、これらワーク21、22には予め
電極S、Cが印刷されているとともに、それぞれ最終形
状の上下の基板11、12に対応したカットライン23、24が
互いに隣接して配設されている。そして、この基板用ワ
ーク21、22に電極取出し部11a、12aを露呈させるため
のプレカットを行なう。
【0050】すなわち、基板用ワーク21には、電極取出
し部12aに対応した位置のカットライン23上で、かつ、
隣接する最終形状の基板に跨がって第1切り欠き部11b
および第2切り欠き部11cを合計したものに対応する面
積を有する長方形状のプレカット25部を形成し、基板用
ワーク22には、電極取出し部11aに対応した位置のカッ
トライン24上で、かつ、隣接する最終形状の基板に跨が
って第1切り欠き部12bおよび第2切り欠き部12cを合
計したものに対応する面積を有する長方形状のプレカッ
ト26部を形成する。
【0051】具体的には、プレカット部25が、その短辺
LFを、第1切り欠き部11bの短辺RLが3mm以下にな
るように形成されるとともに第2切り欠き部11cの短辺
XLが0、5mm以下になるように成形され、長辺YPが、
第1あるいは第2切り欠き部11b、11cの長辺YPに相
当する長さ、電極のリード部CLの幅をCW(クレームの
Wに相当)、電極のリード部の数をn、電極のリード部
CLの幅CWとリード部CL間の距離との和をCP(クレ
ームのPに相当)としたとき、(CP×n)−(CP−CW)+
(2×CW)以上、かつ基板の外径寸法Y以下になるよう
に形成される。
【0052】一方、プレカット26部は、その短辺LR
が、第1切り欠き部12bの短辺FLが3mm以下になるよ
うに形成されるとともに第2切り欠き部12cの短辺YL
が0、5mm以下になるように成形され、長辺XPが、第1
あるいは第2切り欠き部12b、12cの長辺XPに相当す
る長さ、すなわち、電極のリード部の幅をSW(クレーム
のWに相当)、電極のリード部の数をn、電極のリード
部の幅SWとリード部SL間の距離との和をSP(クレー
ムのPに相当)としたとき、(SP×n)−(SP−SW)+
(2×SW)以上、かつ基板の外径寸法X以下になるよう
に形成される。
【0053】このように数値限定するのは、第1切り欠
き部11b、12bが電極取出し部11a、12aを露呈させる
ための部分であるため、上記数値に限定したのであり、
また、第2切り欠き部11c、12cは本来0mmであるのが
好ましいが、本製造方法に不可欠な部分であるから上記
数値限定したのである。何れにしても共に携帯機器の表
示デバイスととしてできるだけ小さくことが好ましい。
【0054】そして、以上のプレカット部25、26は、基
板用ワーク21、22の重ね合わせ前であればどの工程、例
えば、配向処理(ラビング処理)、シール材13のパターニ
ング前やセル化工程前(洗浄工程前)の何れに形成しても
良い。図5〜8はこのプレカット部24、25を形成するた
めの装置を示す図である。図5はプレカット装置31を示
す図であり、本装置31は、図中上下方向に移動可能な油
圧プレス上基板32、ブレード型33、ノックアウト材34、
敷板35および油圧プレス下基板36から構成されている。
【0055】ブレード型33は油圧プレス上基板32に固定
されており、それぞれ図6〜8に示す部材を組合せて構
成されている。図6に示すものは、図8に示すブレード
をプレカット用に構成した刃型37である。図8に示すよ
うに、38は外周部に刃先38aを有し、板厚t、高さHか
らなる板状のブレードであり、このブレード38をプレカ
ット部25、26に対応する長方形状に曲げ加工した後、両
端部を接合することにより、図6に示す幅(刃先間距離)
D、長さ(刃先間距離)Wの刃型37が形成されている。な
お、ブレード38としては板厚t:0、71mm、高さH:23、6mm
のものや、板厚t:0、45mm、高さH:10、5mmのものがあ
り、本実施例では前者のものを使用している。また、切
り刃形状としては両刃、片刃、二断刃等があり、刃先の
耐久性が高い両刃のものを使用することが好まく、刃角
度は切れ味の点からは鋭角の方が好ましいが、耐久性と
刃先加工を考慮すると30°が適当である。
【0056】また、刃型37の幅Dは、プレカット部25、
26の短辺LR、LFに相当し、5mm以下に設定されてお
り、長さWは長辺XP、YPに相当している。また、刃
型37の曲げ部分は、その板厚をtとしたときに1/2×t
になるように設定されており、その接合部37aは基板用
ワーク21、22の切断方向に沿って直線上になるように設
けられている。なお、このように設定するのは、ブレー
ド38を曲げ加工してプレカット部25、26の角部に相当す
る刃型37の曲げ部分を形成する際に、プレカット部25、
26の短辺LF、LRが短いと治具の強度が得られずに曲
げ加工が困難になるからである。
【0057】図7は刃型37が組込まれることにより、該
刃型37と共にブレード型を構成するブレード型基板39を
示す図であり、同図に示すようにブレード型基板39は、
プラスチック、合金あるいは金属等の何れかからなり、
板厚Tを有している。この板厚Tは、ブレード38のt:
0、71mm、高さH:23、6mmの場合には、18〜22mmに設定す
れば良く、本実施例では、20mmのものを使用した。因み
に板厚t:0、45mm、高さH:10、5mmの場合には、5〜9mm
に設定すれば良い。
【0058】また、ブレード型基板39の内部には刃型37
の大きさに応じた複数の溝部39aが形成されており、こ
の溝部39aには刃型37が圧入されるようになっている。
この溝部39aは、幅DKが刃型37の幅Dまたはプレカッ
ト部25、26の短辺LF、LRに相当する大きさに形成さ
れているとともに、長さWKが刃型の長さWまたはプレ
カット部25、26の長辺XP、YPに相当する大きさに形
成され、この溝部39aには刃型37の刃先38aが傷つ付け
られることなく、その刃先38aを残して圧入されてい
る。
【0059】また、図5に示すように、ノックアウト材
34は、ブレード型基板39の下面に固定されており、内部
に刃先38aを収容している。また、ノックアウト材34は
JISゴム硬度計Aスケール15°〜50度の範囲の硬度を
有しており、厚さがブレード型基板39からの刃先38aの
飛び出し量(すなわち、ブレード38の高さH−ブレード
型基板Tの板厚)よりも若干長くなるように形成されて
いる。
【0060】材質としては、特に、発泡材料またはゴム
等の軟質材が基板用ワーク21、22のプレカット時に処理
面を損傷することがないことから好まく、本実施例で
は、厚さ4mmで、かつ硬度35±5度のウレタン系発泡材
料を使用している。また、敷板35は、基板用ワーク21、
22を載置して、プレカット時の刃型38aの衝撃を衝撃を
受けるものであり、刃型37の耐久性、切れ味等を向上さ
せるために、平滑性、硬度、厚さ、厚さのばらつき、材
料コスト等を吟味して設計されている。
【0061】具体的には、硬度を刃先38aの硬度よりも
低い2mm以下のプラスチック板またはプラスチックフィ
ルムが好ましく、特に、プラスチック板としては、平滑
性、硬度、厚さのばらつき、材料コストおよび材料の安
定入手性等から塩化ビニールが最良である。因みにこの
塩化ビニール以外に検討した材料としては、ポリアセタ
ール(乳白色/白色強)、ボリプロピレン(灰乳白色)、
ポリエチレン(乳白色/白色中)があり、これらの材料は
製法にもよるが表面性(平滑性)が劣ってしまった。ま
た、ABS(象牙色)があり、これも製法にもよるが表面
性が普通であった。また、塩化ビニールと共に良好な材
料としては、ポリカーボネイト(青透明)、6Nナイロ
ン(乳白色/白色小)、アクリル(厚さ6mm/灰乳白色、
厚さ4mm/乳白色、厚さ2mm/半透明)があった。
【0062】以上説明したプレカット装置31および基板
用ワーク21、22に基づいて液晶表示装置の製造方法を説
明する。まず、予め、刃型37の接合部37aを電極取出し
部11a、12aと反対側の面となるようにブレード型33を
油圧プレス上基板32を取付ける。そして、基板用ワーク
21あるいは基板用ワーク22をその処理面を上向きになる
ようにして敷板35に載置し、油圧プレス上基板32を下降
させ、複数のプレカット部25、26のプレカットを行な
う。このとき、ノックアウト材34が基板用ワーク21また
は22はブレード型基板39の間で圧縮して、刃先38aがノ
ックアウト材34から突出するため、プレカットが容易に
行なわれる。また、このとき、基板用ワーク21または22
の処理面を上向きにして敷板35に載置しているため、処
理面を損傷するのを防止することができるとともに、プ
レカット時のばり方向を基板用ワーク21、22を重ねた時
に外側にすることができ、電極S、Cを損傷させずに重
ね合わせることができる。
【0063】プレカット後、油圧プレス上基板32の上昇
に伴って刃先38aが基板用ワーク21または22から離隔す
る。このとき、ノックアウト材34が元の状態に復帰して
刃先38を再び収容するため、基板用ワーク21または22を
押し出すような状態になるため、刃先38aを基板用ワー
ク21または22から容易に離隔させることができる。次い
で、両基板用ワーク21、22に配向処理を施した後、基板
用ワーク21、22の何れか一方にギャップ維持処理(ギャ
ップ材の散布)を行なう。次いで、基板用ワーク21、22
の他方にシール材13およびシール材17a〜17dの印刷を
行なう。このとき、シール材13の所定部分を切り欠い
て、あるいは印刷をしないようにして液晶注入口を形成
する。次いで、カットライン23、24を合わせ、プレカッ
ト部25、26によって電極取出し部11a、12aを露呈させ
るように両ワーク21、22の位置決めを行なう。この位置
決めは公知の用に基板用ワーク21、22の所定箇所に予め
基準孔を形成し、該基準孔に基づいて行なうようにす
る。
【0064】次いで、カットライン23、24に沿って両ワ
ーク21を切断する。次いで、シール部材13の印刷されて
いない液晶注入口から基板11、12およびシール材13で囲
まれた空間部に液晶を注入し、液晶封入口をエンドシー
ル16で密閉することにより、図1に示すような液晶表示
装置が得られる。このように本実施例では、上基板11お
よび下基板12を接続するシール材13に加えて第1切り欠
き部11b、12bおよび第2切り欠き部11c、12cを除い
た該基板11、12の角部にもシール材を17a〜17dを形成
しているため、両基板11、12の角部(コーナー部)を補強
して強度を向上させることができ、何からの衝撃を受け
て角部が損傷することを防止することができる。この結
果、電極取出し部11a、12aが損傷するのを防止するこ
とができ、液晶表示装置の品質を向上させることができ
る。
【0065】また、最終形状の基板に対応したカットラ
イン23、24が互いに隣接して配設された複数枚の基板用
ワーク21、22を準備し、該基板用ワーク21、22の電極取
出し部11a、12aに対応した位置のカットライン23、24
上で、かつ、隣接する最終形状の基板に跨がって第1切
り欠き部11b、12bおよび第2切り欠き部11c、12cを
合計したものに対応する面積を有する長方形状のプレカ
ット部25、26を成形しているため、同一基板用ワーク2
1、22から多数の製品の取り出しを行なうことができ、
液晶表示装置の製造コストを低減することができるとと
もに、プレカットの面積を低減してブレード型33の小型
化を図ることができる。この結果、液晶表示装置の製造
コストを低減することができる。
【0066】具体的には、従来、1枚の基板用ワークで
カットラインが4列×5段で20個しか取り出せなかった
ものが、本実施例では、5列×6段で30個取り出すこと
ができ、従来に比べ数にして1.5倍増加させることがで
きるとともに、コストにして1/3程度低減することがで
きた。また、従来、4列×5段で20個取り、列側外径カ
ットライン:8、段側外形カットライン:10であったのに
対し、本実施例では、5列×6段で30個取り、列側外径
カットライン:6、段側外形カットライン:7と装置のカ
ットラインを大幅に低減することができ、ブレード型33
を小型化して製作費を大幅にさせることができた。これ
に加えて、図13、14に示す従来のものはプレカットの大
きさがLR×(X+2XP)あるいはLF×(Y+2YP)
であったのに対して、図3、4に示すように(LR×X
P)あるいは(LF×YP)にすることができ、ブレード3
3を大幅に小型化することができる。
【0067】また、プラスチックフィルム基板の形態に
依存しない多品種少量から多量生産にまで対応したプレ
カットを可能にすることができた。また、プレカットに
よって電極取り出部11a、12aを露呈しているので、従
来のようにハーフカット法による加工方法と異なり、予
め基板用ワーク21、22にプレカットを施した後に上下基
板用ワーク21、22を重ね合わせて最終形状に切断するこ
とができ、電極取出し部11a、12aの破損を確実に防止
することができる。これに加えて、従来のようにカット
刃の角度制限によってハーフカット後の基板の盛り上が
り変形によって基板11、12のセルギャップが不均一にな
るのを防止することができ、液晶表示装置の品質を向上
させることができる。
【0068】また、カットライン23、24が配置代を有し
ていないので、プレカット部25、26を基板用ワーク21、
22の所定方向に亘って延在させないようにすることがで
き、基板用ワーク21、22の剛性を向上させることができ
るとともに基板用ワーク21、22の支持箇所を増大させる
ようにすることができ、基板用ワーク21、22の搬送を容
易に行なうことができる。
【0069】具体的には、配置代δを有していた従来の
ものは、この配置代δを無くした場合に、図13、14に示
すようにプレカットを(2X+2XP)と長くしなければ
ならず、プレカットがワーク用基板上で所定方向に延在
してしまうのに対して、本実施例では、図3または図4
に示すように(LR×XP)あるいは(LF×YP)と短く
することができるのである。
【0070】また、プレカット形状を、第1切り欠き部
11b、12bの短辺を3mm以下に形成するとともに第2切
り欠き部11c、12cの短辺を0、5mm以下になるように成
形し、第1切り欠き部11b、12bあるいは第2切り欠き
部11c、12cの長辺を、それぞれ(CP×n)−(CP−C
W)+(2×CW)以上、かつ基板の外径寸法Y以下になる
ように形成するとともに、(SP×n)−(SP−SW)+(2
×SW)以上、かつ基板の外径寸法X以下となるように形
成しているため、ブレード型33を小型化することがで
き、液晶表示装置の製造コストを低減することができ
る。
【0071】また、基板用ワーク21、22を貼り合わせた
ときにずれが発生した場合でも、第2切り欠き部11c、
12cの短辺XL、YLのずれ以下、すなわち、0、5mm以
下のずれであれば装置の見かけ上の形状はずれなしのも
のと略同一のものを得ることができ、商品価値が損われ
るのを防止することができる。また、最終カットライン
23、24に沿って切断を行なう際に基板11、12に糸状の切
り片が発生するのを防止することができ、品質の向上を
図ることができる。
【0072】これに対して、第2切り欠き部11c、12c
の短辺XL、YLを0、5mmに設計した場合には、プレカ
ット部25、26とカットライン23、24のずれが±0、2mm発
生したとして、製品形状の第2切り欠き部11c、12cの
短辺XL、YLは0、3〜0、7mmとなり、肝心の電極取出し
部11a、12a、すなわち、第1切り欠き部11b、12bの
短辺RL、FLの位置ずれは0、5±0、2mm程度となってし
まう。現実的には、ブレード型33による加工精度(位置
ずれ)は±0、1mm程度が限界である。また、この±0、2mm
のずれが発生すると0、2mm程度の糸状の切り片が発生し
てしまう。本実施例では、上述したようにこのような不
具合を防止することができる。
【0073】また、プレカットを、板状のブレード38の
両端部を接合することにより略プレカット部25、26に対
応する略長方形状に形成するとともに、該ブレード38の
外周端部に沿って45°以下の角度の刃先を有するブレー
ド型によって行なっているため、低コストでかつ、プレ
カット部25、26に応じた形状を容易に製造できるブレー
ド型33を容易に得ることができ、多品種少量の液晶表示
装置を容易に製造することができる。また、ブレード型
33の刃先38aを容易に鋭角にすることができ、液晶表示
装置の切断時に基板11、12にばりが発生するのを防止す
ることができる。この結果、液晶表示装置の品質を向上
させることができる。
【0074】また、板厚をtとしたときに、曲げ部分の
形状が1/2×tに設定されるとともに、その両端部の接
合部37aが電極取出し部11a、12aと反対の面で、かつ
切断方向に沿って直線状に設けられたブレード型33を使
用しているため、刃先38aの接合部37aによる基板11、
12の切れ残り、接合部37aから刃先38aへのへたりによ
るカット不良を確実に防止することができる。
【0075】また、ブレード38の両端部の曲げ加工を容
易に行なって刃型37を容易に製造することができる。こ
のため、プレカット部25、26の短辺LF、LRの距離が
長い場合に該刃型37で容易に対応さすることができる。
この結果、低コストなブレード型33を使用することによ
って液晶表示装置の製造コストを低減することができ
る。
【0076】また、基板用ワーク21、22をブレード型33
の刃先38aの硬度よりも小さい硬度を有する敷板35に載
置してプレカットを行なっているため、ブレード型33の
刃先38aの耐久性を大幅に向上させることができ、液晶
表示装置の製造コストを低減することができる。さら
に、プレカットを行なった後、刃先38を基板用ワーク2
1、22から離隔させるためのノックアウト材34を有する
ブレード型33を使用しているため、プレカット時に基板
用ワーク21、22にブレード型33の刃先38aが入り込むの
を防止することができ、刃先38aから基板用ワーク21、
22を除去する作業が不要になる。この結果、液晶表示装
置の製造をスムースに、かつ短時間で行なうことができ
る。
【0077】なお、本実施例では、接合部37aが電極取
出し部11a、12aと反対の面に配置された刃型37を使用
しているが、これに限らず接合部を刃型37の曲げ部分に
対応する箇所に形成されたブレード型を使用しても良
い。この場合、ブレードの曲げ箇所を3箇所にすること
ができ、刃型の製造を容易に行なうことができる。ま
た、押し出し機構としてノックアウト材34を使用してい
るが、これに限らず、刃型37近傍にコイルスプリングで
押圧されるピンを配設しても良く、あるいは刃型37近傍
に板ばねを配設しても上述したノックアウト材34と同様
の効果を得ることができるまた、本実施例では、長方形
状の刃型37を使用しているが、これに限らず、図9に示
すように、第1切り欠き部11b、12bおよび第2切り欠
き部11c、12cの短辺を合計した長さLF、LR(クレ
ームのRに相当)に相当する部分の曲率半径が1/2×Rに
形成された刃型41を有するブレード型を使用しても良
い。この場合には、その両端の接合部41aが電極取出し
部11a、12aと反対の面で、かつ切断方向に沿って直線
状に形成することが好ましい。
【0078】したがって、接合部41aを電極取出し部11
a、11bと反対側の不要な部分に配設することにより、
刃先41bの接合部41aによる基板11、12の切れ残り、接
合部41aから刃先41bへのへたりによるカット不良を確
実に防止することができる。また、曲率半径を1/2×R
に形成しているため、ブレードの両端部の曲げ加工を容
易に行なうことができ、プレカットの短辺(長辺方向両
端部)LF、LRの距離が短い場合に容易に対応するこ
とができる。すなわち、通常ブレードの曲げ部分はその
板厚をtとしたときに1/2×tが限界であるので、上記
短辺LF、LRが小さくなると曲げに限界がある。この
ため、ブレードの短辺に相当する部分を所定の曲率に曲
げ加工することにより、プレカットの短辺LF、LRの
距離が短い場合に容易に対応することができるのであ
る。
【0079】また、本実施例では、ブレード型33を使用
しているが、これに限らず図10に示すような成形刃42を
有する成形ブレード型を使用しても良い。すなわち、図
10に示すように幅Dm、紙面方向長さWmのブランク43
を、製作する成形刃42に対応するツール(刃物)を有する
NCフライス盤等の工作機械によって形成加工し、刃先
を硬化処理して刃先の間隔Dを有する成形刃42を形成す
る。なお、この後、刃先精度を確保するために研削等に
よって二次加工をしても良い。
【0080】このブランク43を図7に示すブレード型基
板39に圧入して成形ブレード型を構成することにより、
この形成ブレード型でプレカットを行なうのである。な
お、この場合には、ブレード型基板39の溝部39aは、D
K=Dm(但し、刃先間DはDmのセンター振分け、D=L
RまたはLF)、WK=Wm(但し、刃先間WはWmのセン
ター振分け、D=XPまたはYP)とする。
【0081】このような成形ブレード型を使用すれば、
ブレード型のようにブレードの接合部を有しないように
して、接合部での切れ残りおよび該接合部から刃先への
へたりあるいは損傷によるカット不良が引起こるの確実
に防止することができる。すなわち、ブレード型は1枚
のブレードを矩形状にするために必ず接合部があり、該
接合部で基板に切れ残り、接合部から刃先へのへたりあ
るいは損傷によってカット不良を生じ易い。このため、
接合部を有さない成形ブレード型によってプレカットを
行なうことにより、このような不具合が発生するのを防
止することができ、液晶表示装置の品質を向上させるこ
とができる。また、液晶表示装置の生産量、精度および
サイズ等によってプレカット工法の選択範囲を広げるこ
とができる。
【0082】また、その他に図11に示すようなプレスに
よって行なっても良い。図11に示すように、パンチプレ
ート51にはプレカット部24、25に対応する大きさを有す
る、すなわち、刃先間D×刃先間Wに相当する大きさを
有するパンチプレート52が取付けられている。また、ダ
イプレートに53にはD×Wの抜き代(クリアランス)を加
味した(基板用ワーク21、22の厚さの約5%)大きさ凹部
53aが形成されている。また、図示省略してあるが、パ
ンチプレート51とダイプレート53で位置ずれなくパンチ
52(凸部)とダイプレート53で構成されていることは言う
までもない。
【0083】なお、このプレスの場合、ブレード型に対
して高価になるが、型の耐久性においてはトムソン型の
20倍以上、、精度においては一桁以上向上する。具体的
には、耐久に関しては、ブレード型が2万ショットであ
るのに対して、プレス型は40万ショット以上になり、精
度に関しては、ブレード型約±0、2mmであるのに対し
て、プレス型約±0、1mmになる。
【0084】また、本実施例では、プレッカットを上述
したブレード型33等で行なっているが、これに限らず、
公知のレーザカット法あるいはウォータージェット法で
行なっても構わない。さらに、本実施例では、電極取出
し部を両基板11、12に形成しているが、何れか1つに形
成しても良い。
【0085】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、両基板の
角部(コーナー部)を補強して強度を向上させることがで
き、何からの衝撃を受けて両基板の角部が損傷するのを
防止することができる。この結果、電極取出し部が損傷
するのを防止することができ、液晶表示装置の品質を向
上させることができる。
【0086】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の液晶表示装置を容易に得ることができるとともに、
同一基板用ワークから多数の製品を取り出すことがで
き、プレカットの面積を低減してプレカット用型の小型
化を図ることができる。この結果、液晶表示装置の製造
コストを低減することができる。また、プラスチックフ
ィルム基板の形態に依存しない多品種少量から多量生産
にまで対応したプレカットを行なうことができる。
【0087】また、プレカットによって電極取り出部を
露呈しているので、従来のようにハーフカット法による
加工方法と異なり、予め基板用ワークにプレカットを施
した後に上下基板用ワークを重ね合わせて最終形状に切
断することができ、電極部の破損を確実に防止すること
ができる。これに加えて、従来のようにカット刃の角度
制限によってハーフカット後の基板の盛り上がり変形に
よって基板のセルギャップが不均一になるのを防止する
ことができ、液晶表示装置の品質を向上させることがで
きる。
【0088】また、プレカット部を基板用ワークの所定
方向に亘って延在させないようにでき、基板用ワークの
剛性を向上させることができるとともに基板用ワークの
支持箇所を増大させることができ、基板用ワークの搬送
を容易に行なうことができる。請求項3記載の発明によ
れば、プレカット刃を小型化することができ、液晶表示
装置の製造コストを低減することができる。また、基板
用ワークを貼り合わせたときにずれが発生した場合で
も、第2切り欠き部の短辺のずれ以下、すなわち、0、5m
m以下のずれであれば装置の見かけ上の形状はずれなし
のものと略同一のものを得ることができ、商品価値が損
われるのを防止することができる。また、最終カットラ
インに沿って切断を行なう際に基板に糸状の切り辺が発
生するのを防止することができ、品質の向上を図ること
ができる。
【0089】請求項4記載の発明によれば、低コストで
かつ、プレカット形状に応じた最適な形状のブレード型
を容易に得ることができ、多品種少量の液晶表示装置を
容易に製造することができる。また、ブレード型の刃先
を容易に鋭角にして液晶表示装置の切断時に基板にばり
が発生することを防止することができる。この結果、液
晶表示装置の品質を向上させることができる。
【0090】請求項5記載の発明によれば、ブレード型
のようにブレードの接合部を有しないようにして、接合
部での切れ残りおよび該接合部から刃先へのへたりある
いは損傷によるカット不良が引起こるのを防止すること
ができる。すなわち、ブレード型は1枚のブレードを矩
形状にするために必ず接合部があり、該接合部で基板に
切れ残り、接合部から刃先へのへたりあるいは損傷によ
ってカット不良を生じ易い。このため、接合部を有さな
い成形ブレード型によってプレカットを行なうことによ
り、このような不具合が発生するのを防止でき、液晶表
示装置の品質を向上させることができる。また、液晶表
示装置の生産量、精度およびサイズ等によってプレカッ
ト工法の選択範囲を広げることができる。
【0091】請求項6記載の発明によれば、接合部を電
極取出し部と反対側の不要な部分に配設することによ
り、刃先の接合部による基板の切れ残り、接合部から刃
先へのへたりによるカット不良を確実に防止することが
できる。また、第1、2切り欠き部の短辺に相当する部
分の曲率半径を1/2×Rに形成しているので、ブレード
の両端部の曲げ加工を容易に行なうことができ、プレカ
ットの短辺(長辺方向両端部)の距離が短い場合に容易に
対応することができる。すなわち、通常ブレードの曲げ
部分はその板圧をtとしたときに1/2×tが限界である
ので、上記短辺が小さくなると曲げに限界がある。この
ため、ブレードの短辺に相当する部分を所定の曲率に曲
げ加工することにより、プレカットの短辺(長辺方向両
端部)の距離が短い場合に容易に対応することができる
のである。
【0092】請求項7記載の発明によれば、プレカット
用型の耐久性を向上させることができ、液晶表示装置の
製造コストを低減することができる。また、液晶表示装
置の生産量、精度およびサイズ等によってプレカット工
法の選択範囲を広げることができる。請求項8記載の発
明によれば、刃先の接合部による基板の切れ残り、接合
部から刃先へのへたりによるカット不良を確実に防止す
ることができる。また、ブレードの両端部の曲げ加工を
容易に行なうことができ、プレカットの短辺(長辺方向
両端部)の距離が長い場合に該ブレードで容易に対応す
ることができる。この結果、低コストなブレード型を使
用することによって液晶表示装置の製造コストを低減す
ることができる。
【0093】請求項9記載の発明によれば、ブレード型
の刃先の耐久性を大幅に向上させることができ、液晶表
示装置の製造コストを低減することができる。請求項10
記載の発明によれば、プレカット時に基板用ワークにブ
レード型の刃先が入り込むことがなく、刃先から基板用
ワークを除去する作業を不要にすることができる。この
結果、液晶表示装置の製造をスムースに、かつ短時間で
行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶表示装置の製造方法によって
製造された液晶表示装置の一実施例を示すその構成図で
あり、(a)はその概略図、(b)は同図(a)のDーD方向
矢視断面図である。
【図2】一実施例の電極を配置関係を示したその液晶表
示装置の構成図である。
【図3】一実施例の上基板用ワークの構成図である。
【図4】一実施例の下基板用ワークの構成図である。
【図5】一実施例のブレード型を有するプレカット装置
の構成図である。
【図6】一実施例の刃型の構成図である。
【図7】一実施例のブレード型基板の構成図である。
【図8】一実施例のブレードの構成図であり、(a)はそ
の側面図、(b)はその正面図である。
【図9】ブレードの他の態様を示すその構成図である。
【図10】一実施例の成形ブレード型の構成を示す図であ
る。
【図11】一実施例のプレス型の構成図である。
【図12】従来の液晶表示装置の構成図であり、(a)はそ
の概略図、(b)は同図(a)のA−A方向矢視断面図であ
る。
【図13】従来の上基板用ワークの構成図である。
【図14】従来の下基板用ワークの構成図である。
【図15】従来の上下基板にずれが発生したときの液晶表
示装置の構成図であり、(a)はその概略図、(b)は同図
(a)のB−B方向矢視断面図である。
【図16】従来の上下基板にずれが発生したときの他の液
晶表示装置の構成図であり、(a)はその概略図、(b)は
同図(a)のC−C方向矢視断面図である。
【符号の説明】
11 上基板(プラスチックフィルム基板) 12 下基板(プラスチックフィルム基板) 13 シール材 17a〜17d シール材 21 上基板用ワーク 22 下基板用ワーク 23、24 カットライン 25、26 プレカット 33 ブレード型 34 ノックアウト材(押し出し機構) 35 敷板 37 刃型 37a 接合部 38 ブレード 38a 刃先 42b 刃先 S セグメント電極(透明電極) C コモン電極(透明電極)
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1333 500 G02F 1/13 101 G02F 1/1343 G02F 1/1345

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内側に透明電極を有する一対のプラスチッ
    クフィルム基板がその外周部にシール材を介して対向し
    て貼り合わされるとともに、該両基板およびシール材に
    より画成される封入室内に液晶が封入されることにより
    液晶封入範囲で表示エリアが形成され、さらに、該表示
    エリアの外側に向かって前記一対の基板の一方あるいは
    両方が透明電極と共に延在して電極取出し部が形成され
    た液晶表示装置において、前記電極取出し部に対向する
    基板の一端側に第1切り欠き部が形成されるとともに、
    該電極取出し部と反対側に位置する該基板の他端側に第
    2切り欠き部が形成され、第1切り欠き部は、その短辺
    が対向する電極取出し部より若干長く形成されるととも
    に、その長辺が並列に配設された電極のリード部の配設
    方向長さよりも若干長く、かつ、基板の外径寸法よりも
    短く形成され、第2切り欠き部は、短辺が第1切り欠き
    部の短辺よりも短く成形されるとともに、長辺が第1切
    り欠き部の長辺と同じ長さに形成され、前記シール材に
    加えて第1および第2切り欠き部を除いた基板の角部に
    もシール材が形成されることを特徴とする液晶表示装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の液晶表示装置の製造方法に
    おいて、プラスチックフィルムからなり、最終形状の基
    板に対応したカットラインが互いに隣接して配設された
    複数枚の基板用ワークを準備し、該基板用ワークの電極
    取出し部に対応した位置のカットライン上で、かつ、隣
    接する最終形状の基板に跨がって前記第1切り欠き部お
    よび第2切り欠き部を合計したものに対応する面積を有
    する長方形状のプレカットを施し、次いで、複数枚の基
    板用ワークをシール材を介して貼り合わせた後、前記カ
    ットラインに沿って切断することにより前記電極取出し
    部を露呈させて最終形状に形成するようにしたことを特
    徴とする液晶表示装置の製造方法。
  3. 【請求項3】前記プレカット形状は、第1切り欠き部の
    短辺が3mm以下に形成されるとともに第2切り欠き部の
    短辺が0、5mm以下になるように成形され、第1あるいは
    第2切り欠き部の長辺が、電極のリード部の幅をW、電
    極のリード部の数をn、電極のリード部の幅とリード部
    間の距離との和をPとしたとき、(P×n)−(P−W)+
    (2×W)以上、かつ基板の外径寸法以下になるように形
    成されることを特徴とする請求項2記載の液晶表示装置
    の製造方法。
  4. 【請求項4】前記プレカットが、板状のブレードの両端
    部が接合されることにより略プレカット形状に対応して
    略長方形状に形成されるとともに、該ブレードの外周端
    部に沿って45°以下の角度の刃先を有するブレード型に
    よって行なわれることを特徴とする請求項2または3記
    載の液晶表示装置の製造方法。
  5. 【請求項5】前記プレカットが、先端部に略プレカット
    形状に対応するとともに、刃先が一体的に形成された成
    形ブレード型によって行なわれることを特徴とする請求
    項2または3記載の液晶表示装置の製造方法。
  6. 【請求項6】前記第1および第2切り欠き部の短辺を合
    計した長さRとしたとき、該短辺に相当する部分の曲率
    半径が1/2×Rに形成されるとともに、その両端部の接
    合箇所が電極取出し部と反対の面で、かつ切断方向に沿
    って直線状に形成されたブレード型が使用されることを
    特徴とする請求項4記載の液晶表示装置の製造方法。
  7. 【請求項7】前記プレカットが、プレスによって打ち抜
    き加工されることを特徴とする請求項2または3記載の
    液晶表示装置の製造方法。
  8. 【請求項8】板厚をtとしたときに、曲げ部分の形状が
    1/2×tに設定されるとともに、その両端部の接合箇所
    が、電極取出し部と反対の面で、かつ切断方向に沿って
    直線状あるいは電極取出し部と反対の面で、かつ曲げ部
    分に対応する箇所に形成されたブレード型が使用される
    ことを特徴とする請求項4記載の液晶表示装置の製造方
    法。
  9. 【請求項9】基板用ワークを、ブレード型の刃先の硬度
    よりも小さい硬度を有する敷板に載置してプレカットを
    行なうことを特徴とする請求項4記載の液晶表示装置の
    製造方法。
  10. 【請求項10】プレカットを行なった後、刃先を基板用ワ
    ークから離隔させる押し出し機構を有するブレード型を
    使用したことを特徴とする請求項4記載の液晶表示装置
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101862328B1 (ko) * 2017-07-05 2018-05-29 이병한 가구용 장식판 및 그 장식판 제조방법

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