JP2000250000A - 液晶パネルの製造方法 - Google Patents

液晶パネルの製造方法

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JP2000250000A
JP2000250000A JP11055542A JP5554299A JP2000250000A JP 2000250000 A JP2000250000 A JP 2000250000A JP 11055542 A JP11055542 A JP 11055542A JP 5554299 A JP5554299 A JP 5554299A JP 2000250000 A JP2000250000 A JP 2000250000A
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glass
plate
thin
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Yoshikatsu Imazeki
佳克 今関
Shoji Hiuga
章二 日向
Shinji Fujisawa
信治 藤澤
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Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 搬送ラインにおける搬送性を向上させるとと
もに、薄板ガラスを損傷させることなく分断を容易かつ
確実に行うことのできる液晶パネルの製造方法を提供す
る。 【解決手段】 薄板ガラス11と搬送用ガラス板12を
スクライブ溝の外側で接着剤13で貼り合わせるととも
に薄板ガラス11と搬送用ガラス板12の中央で両者を
連結する接着剤でなるポイント接着部13Bを配置し
て、搬送ユニットU1を作る。同様に薄板ガラス11と
対向させる薄板ガラス14にも搬送用ガラス板15を組
み付けて搬送ユニットU2を作る。薄板ガラス11、1
4どうしをシール材17を介して対向するように貼り合
わせた後、スクライブ溝に対応する位置を加圧してスク
ライブ溝を分断する。分断後、ポイント接着部13B、
16Bを捩って分離させる。このような方法により、搬
送用ガラス板が薄板ガラスを損傷することなく、薄板ガ
ラスの分断を簡単に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶パネルの製造方
法に関し、さらに詳しくは薄いガラス板を液晶パネル用
基板として用いる液晶パネルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、液晶パネルは、一対のガラス基
板の間に、表示領域の回りを周回するように形成された
シール材を介して両ガラス基板どうしを貼り合わせ、両
ガラス基板によって挟まれシール材によって囲まれた領
域に液晶が封止されて、大略構成されている。このよう
な液晶パネルを製造するには、一方のガラス基板の他方
のガラス基板と対向する面に、電極形成や、配向膜の形
成、ならびにシール材の印刷を行う。また、他方のガラ
ス基板の一方のガラス基板と対向する面は、カラーフィ
ルタや電極などの形成や配向膜の形成、ならびにスペー
サの散布などを行う。そして、これらのガラス基板をパ
ネル貼り合わせ装置まで搬送して、両ガラス基板の貼り
合わせ、ギャップ成型、シール本硬化などを行ってい
る。その後、両ガラス基板の周縁部をスクライブ溝に沿
って分断した後、両ガラス基板によって挟まれシール材
によって囲まれた領域に液晶を封止して液晶パネルが製
造される。なお、ガラス基板が複数の液晶パネル形成領
域を含むマザーガラス基板(母基板)であったり短冊状
のガラス基板の場合は、液晶パネル形成領域の境界で両
ガラス基板を切断して単体の接合パネルを形成した後
に、両ガラス基板によって挟まれシール材によって囲ま
れた領域に液晶を封止して液晶パネルを製造する。
【0003】近年、携帯用情報機器などの小型化・軽量
化に伴い、液晶パネルの薄型化が益々進んでおり、ガラ
ス基板の厚さも0.3mm程度に薄くなっている。この
ように薄いガラス基板(以下、薄板ガラスという)はそ
の薄さに起因して撓み易く搬送・加工しにくいため、具
体的には、液晶パネルの製造に際しては図6〜図10に
示すような搬送工程、貼り合わせ工程、分断工程を備え
る。
【0004】すなわち、図6(A)に示すように、薄板
ガラス1Aと、厚さが比較的厚い、この薄板ガラス1A
と略同形状の搬送用ガラス板2Aと、を用意する。そし
て、これら薄板ガラス1Aと搬送用ガラス板2Aとを対
向配置させ、両者の周辺部どうしの間にこれらの周縁部
に沿って周回するように介在された接着剤3Aで両者を
貼り合わせる。なお、同図(A)に示すように、薄板ガ
ラス1Aと搬送用ガラス板2Aとは、所定の間隔を有す
るように設定されている。このように薄板ガラス1Aは
接着剤3Aにより搬送用ガラス板2Aに固定されること
により搬送性や組み付け性が向上し、既存の搬送ライン
で搬送を行うことができる。
【0005】次に、図6(B)に示すように薄板ガラス
1Aの表面に表示領域(画素形成領域)を取り囲むよう
にシール材4を印刷する。そして、シール材4を印刷し
た薄板ガラス1Aを図示しない貼り合わせ装置にセッテ
ィングする。図7は、この状態を示す平面図である。一
方、薄板ガラス1Aと搬送用ガラス板2Aとの組み付け
体と同様に、薄板ガラス1Bと搬送用ガラス板2Bとを
接着剤3Bで貼り合わせたものを用意し、薄板ガラス1
A、1Bどうしが対向するように図示しない貼り合わせ
装置にセッティングする。そして、図8に示すように、
薄板ガラス1A、1Bどうしをシール材4を介して貼り
合わせる。なお、この貼り合わせに先駆けて、両薄板ガ
ラス1A、1B間にスペーサ散布などが適宜行われる。
【0006】このようにして貼り合わされた薄板ガラス
1A、1Bは、セルギャップ成型された後、シール材4
の本硬化処理が施される。その後、図9(A)に示すよ
うに接着剤3A、3Bを剥離させて薄板ガラス1A、1
Bから搬送用ガラス板2A、2Bを取り払ったりまたは
図10に示すように接着剤3A、3Bが設けられた部位
の薄板ガラス1A、1Bを切断するなどして取り払う。
次いで、同図に示すように、薄板ガラス1A、1Bにお
ける表面にシール材4が形成された領域を取り囲んでい
るスクライブストリートに沿って、各薄板ガラス1A、
1Bの対向面とは反対側の面にハーフカット(スクライ
ビング)を行って、断面V字状のスクライブ溝5A、5
Bが形成する。
【0007】そして、セル基板ブレイクマシンにて、そ
れぞれの薄板ガラス1A、1Bの周縁部に図9(B)に
太い矢印で示す方向に圧力を加えて分断する。薄板ガラ
ス1Aをスクライブ溝5Aの部位で分断させるには、ス
クライブ溝5Aが形成された面の反対側の面(対向面)
側からスクライブ溝5Aに対応する位置を押圧して、断
面V字を開かせるような押圧力を加える 。逆に、薄板
ガラス1Bをスクライブ溝5Bの部位で分断するには、
薄板ガラス1Bのスクライブ溝5Bが形成された面と反
対側の面(対向面)側におけるスクライブ溝5Bに対応
する位置を押圧する。このように薄板ガラス1A、1B
を順次分断することにより所望の大きさの接合パネルを
製造することができる。なお、このようにして形成され
た接合パネルは、両薄板ガラス1A、1Bによって挟ま
れシール材4によって囲まれた領域に液晶が注入されて
液晶パネルとなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た液晶パネルの製造方法にあっては、薄板ガラス1A、
1Bどうしを接合させた後に、搬送用ガラス板2A、2
Bをこれら薄板ガラス1A、1Bから取り外す作業が必
要であり工程数が多くなるという問題点があった。ま
た、その取り外し作業自体が困難なものであった。すな
わち、搬送用ガラス板2A、2Bを薄板ガラス1A、1
Bから取り外すために、薄板ガラス1A、1Bから搬送
用ガラス板2A、2Bを引き剥がすように応力を加える
と、薄板ガラス1A、1Bとシール材4とが剥離した
り、薄板ガラス1A、1Bに割れが生じる、又は薄板ガ
ラス1A、1B上に形成された電極等に亀裂が入り断線
を生じさせるなどの問題が発生する。また、接着剤3
A、3Bを剥離するために溶剤を用いると、薄板ガラス
1A、1Bやシール材4に悪影響を与えるなどの問題が
ある。このため、接着剤3A、3Bを中間部で切断する
か、搬送用ガラス板2A、2Bを切断して取り除くこと
が必要となるが、このような場合にもやはり薄板ガラス
1A、1B側(及び両薄板ガラスを貼り合わせるシール
材4)へ応力がかかることは避けられないものであっ
た。また、ギャップの狭い薄板ガラス1A、1Bでは、
それぞれのスクライブ溝5A、5Bを対向する面と反対
側(外側)の面に形成することを余儀なくされるため、
分断するには図7(B)に示したように他方の薄板ガラ
ス1Bを押圧して一方の薄板ガラス1Aのスクライブ溝
5Aの裏面側を押圧する必要がある。このため、押圧治
具が他方の薄板ガラス1Bを押圧してこの薄板ガラス1
Bに悪影響を与えるという問題があった。また、同様に
他方の薄板ガラス1Bをスクライブ溝5Bで分断するに
は、薄板ガラス1Bのスクライブ溝5Bが形成された面
と反対の面側から押圧する必要があるため、押圧治具が
一方の薄板ガラス1Aの端縁部に接触して、薄板ガラス
1Aに悪影響を与える問題があった。
【0009】また、搬送用ガラス板2A、2Bを切断す
る場合は、切断された搬送用ガラス板2A、2Bの表面
や端縁部が薄板ガラス1A、1Bに接触することによ
り、薄板ガラス1A、1Bの表面を損傷するなどの問題
があった。さらに、接着剤3A、3Bが薄板ガラス1
A、1Bに付着した状態や、切断した搬送用ガラス2
A、2Bが付いている状態では、セル基板ブレイクマシ
ンでの押圧が不安定になるという問題がある。
【0010】本発明が解決しようとする課題は、搬送ラ
インにおける搬送(流動)性を向上させる搬送用ガラス
板を用いつつ、工程数を削減でき、しかも薄板ガラスを
損傷することなく分断を容易かつ確実に行うことのでき
る、液晶パネルの製造方法を得るには、どのような手段
を講じればよいかという点にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ため、本発明による液晶パネルの製造方法は、それぞれ
液晶パネル形成領域を含む、一対の薄板ガラスを、それ
ぞれ搬送用ガラス板に所定間隔を隔てて接着剤で貼り付
けてなる搬送ユニットを形成するとともに、一対の薄板
ガラスを、それぞれの液晶パネル形成領域どうしが所定
間隔を隔てて対向するように、液晶封止に用いられるシ
ール材を介して貼り合わせ、液晶パネル形成領域の外側
の薄板ガラスの周縁部に形成された薄板分断予定線と、
搬送用ガラス板に形成された薄板分断予定線に対応する
搬送板分断予定線と、でそれぞれ薄板ガラスおよび搬送
用ガラス板を分断する工程を備える、液晶パネルの製造
方法であって、接着剤は、薄板分断予定線および搬送板
分断予定線で囲まれる領域の外側と、薄板分断予定線お
よび搬送板分断予定線で囲まれる領域内の一箇所のポイ
ント接着部とに、配置されて、薄板ガラスと搬送用ガラ
ス板とを貼り付けるとともに、ポイント接着部は搬送用
ガラス板および薄板ガラスを分断した後に分離されるこ
とを特徴とする。
【0012】本発明のこのような構成によれば、搬送ラ
インに載せにくい薄板ガラスの搬送性を向上することが
でき、一対の薄板ガラスの貼り合わせ作業を容易にする
ことができる。すなわち、薄板ガラスを保持する搬送用
ガラス板が透明であれば一対の薄板ガラスどうしの位置
合わせを容易に行うことができる。また、搬送用ガラス
板と薄板ガラスとをそれぞれ分断した状態では、薄板分
断予定線および搬送板分断予定線で囲まれる領域内の一
箇所のポイント接着部で接着剤が介在されているため、
搬送用ガラス板が薄板ガラス面に摺り合わさることがな
く、薄板ガラスの表面が損傷されるのを防止することが
できる。また、本発明によれば、搬送用ガラス板および
薄板ガラスをスクライブ溝で分断した後に1箇所のポイ
ント接着部を分離するだけでよいため、搬送用ガラス板
を薄板ガラスから容易に取り外すことができる。
【0013】また、本発明では、一対の薄板ガラスの対
向予定面に薄板分断予定線に沿って予め薄板スクライブ
溝を形成するとともに、それぞの搬送ユニットに属する
搬送用ガラス板の薄板ガラスと対向する面に搬送板分断
予定線に沿って予め搬送板スクライブ溝を形成し、一対
の薄板ガラスどうしを対向させてシール材を介して貼り
合わせた後、それぞれの搬送ユニットに属する搬送用ガ
ラス板における搬送板スクライブ溝が形成された面と反
対側の面の搬送板スクライブ溝と対応する位置を押圧し
て、それぞれの搬送用ガラス板および薄板ガラスをスク
ライブ溝で分断させ、次いで搬送用ガラス板と薄板ガラ
スとを連結するポイント接着部の接着剤を捩って分離さ
せる手順とすることが好ましい。
【0014】このような構成の本発明によれば、予め薄
板ガラスの対向面に薄板スクライブ溝を形成し、同一搬
送ユニット内の搬送用ガラス板の薄板ガラスに対向する
面にも予め搬送板スクライブ溝を形成したことにより、
同一搬送ユニット内では薄板ガラスと搬送用ガラス板の
それぞれのスクライブ溝の垂直クラックの進行方向は同
一方向となる。このため、薄板ガラスどうしを対向させ
てシール材で貼り合わせた場合、これら薄板ガラスが属
する搬送ユニットどうしのスクライブ溝の割れ易い方向
は互いに逆向きとなる。そこで、一方の搬送ユニットの
搬送用ガラス板におけるスクライブ溝が形成された面と
反対側の面のスクライブ溝に対応する位置を押圧(加
圧)すれば、この一方の搬送ユニットを構成する搬送用
ガラス板および薄板ガラスのスクライブ溝は押し広げら
れる作用を受けて垂直クラックが進行して容易に分断さ
れる。このとき、他方の搬送ユニットの薄板ガラスおよ
び搬送用ガラス板のスクライブ溝は狭められる作用を受
けるが垂直クラックが進行しにくいため、分断は起こり
にくくなっている。その後、他方の搬送ユニットの搬送
用ガラス板のスクライブ溝が形成された面と搬送ユニッ
トの搬送用ガラス板および薄板ガラスはスクライブ溝が
押し広げられる作用を受けて、垂直クラックが進行して
分断を起こす。
【0015】このように、本発明によれば、一対の薄板
ガラスどうしの貼り合わせを行った後、分断工程の前に
搬送用ガラス板を薄板ガラスから剥がしたり切断する必
要がなくなるため、パーティクルの発生などを抑制でき
るとともに工程数を削減できる。また、組み付けられた
搬送ユニットどうしの分断され易い方向が互いに逆向き
となるため、液晶セルを構成する薄板ガラスどうしを引
き離す応力が加わらず、液晶セルに悪影響が及ぶのを抑
制することができる。さらに、搬送ユニットに属する搬
送用ガラス板と薄板ガラスとが分断された後は、搬送用
ガラス板と薄板ガラスとは1箇所のポイント接着部で接
着剤で連結されているが、搬送用ガラス板と薄板ガラス
とを相対的に回転させることで搬送用ガラス板が薄板ガ
ラスに接触することなく接着剤を捩って分離させること
ができる。このため、薄板ガラス表面が損傷されるのを
防止することができる。
【0016】また、本発明では、薄板ガラスが、複数の
液晶パネル形成領域を含むとともに、ポイント接着部が
液晶パネル形成領域どうしの間に位置するようにするこ
とが好ましい。このような構成の本発明によれば、接着
剤が配置されるポイント接着部が液晶パネル形成領域に
含まれないため、液晶パネル面に接着剤が付着すること
による液晶パネルへの悪影響を防止することができる。
【0017】さらに、本発明では、薄板スクライブ溝お
よび搬送板スクライブ溝が、それぞれ薄板ガラスおよび
搬送用ガラス板の表面における互いに平行な辺どうしに
亙って横断するように形成されていることが好ましい。
このような構成の本発明によれば、スクライブ溝を薄板
ガラスおよび搬送用ガラス板のそれぞれの表面における
互いに平行な辺どうしに亙って形成することでパネルの
分断を容易に行うことができる。すなわち、それぞれの
スクライブ溝が薄板ガラスおよび搬送用ガラス板を横断
するように直線状に形成されるため、押圧に伴う薄板ガ
ラスおよび搬送用ガラス板の撓み方向が均一になり、均
一な分断面を形成することができる。
【0018】本発明は、接着剤を、前記薄板スクライブ
溝および前記搬送板スクライブ溝に重ならないように配
置することが好ましい。このような構成の本発明によれ
ば、搬送用ガラス板および薄板ガラスの分断を行った際
に接着剤で分断が阻止されるのを防止できる。
【0019】また、本発明では、薄板ガラスの厚さが、
0.3mm以下の場合により有効となる。すなわち、板
厚が0.3mm以下の薄いガラス板は撓み易く、搬送ラ
インでの搬送性が著しく悪化するが、このような構成の
本発明によれば、搬送性が向上するとともに、分断工程
での取り扱い性を向上させるという効果を有する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る液晶パネルの
製造方法の詳細を図面に示す実施形態に基づいて説明す
る。なお、本発明はパッシブマトリクス液晶表示装置や
アクティブマトリクス液晶表示装置など各種の液晶パネ
ルに適用することができる。
【0021】図1〜図5は本発明の液晶パネルの製造方
法の実施形態を示している。図1(A)は搬送ユニット
の平面図、図1(B)は(A)のA−A断面図、図2
(A)は搬送ユニットどうしを貼り合わせた状態を示す
平面図、(B)は(A)のB−B断面図、図3(A)お
よび(B)は搬送ユニットの左右の各側端部における分
離工程を示す要部断面図、図4はポイント接着部の分離
工程を示す斜視図、図5(A)および(B)は搬送ユニ
ットの一側端部および他の側端部における分離工程を示
す要部断面図である。
【0022】まず、本実施形態では、例えば、図示しな
い電極、配向膜などが形成された、パネル形成領域PA
を複数(本実施形態では4つ)含み液晶パネルを構成す
る一方の基板とされる薄板ガラス11を用意する。な
お、この薄板ガラス11の厚さは、0.3mm以下であ
り、そのままでは湾曲し易いものである。図1(A)お
よび(B)に示すように、この薄板ガラス11において
図示しない電極や配向膜が形成されている側の表面Sに
は、周縁部近傍の分断予定される線(スクライブストリ
ート)に沿って、スクライバによりスクライブして薄板
スクライブ溝11A、11A、11B、11Bを薄板ガ
ラス11の4つ辺に平行をなすように形成する。すなわ
ち、同図に示すように、薄板スクライブ溝11Aどうし
は互いに平行をなし、かつ薄板スクライブ溝11Bどう
しも互いに平行をなし、薄板ガラス11の四隅では、薄
板スクライブ溝11Aと薄板スクライブ溝11Bとが交
差するように形成する。また、これら薄板スクライブ溝
11A、11Bは、図1(B)に示すように、断面略V
形状の溝である。ここで、これら薄板スクライブ溝11
A、11Bは、後工程で複数のパネル形成領域にそれぞ
れ形成されるシール材全体の平面方向外側に位置するよ
うに設定されている。
【0023】また、本実施形態では、液晶パネルを構成
する一方の基板とされる薄板ガラス11と、平面形状が
薄板ガラス11と略同形状(矩形状)の比較的厚い搬送
用ガラス板12を用意する。なお、この搬送用ガラス板
12の厚さは、薄板ガラス11を貼り合わせた際に、搬
送工程、貼り合わせ工程、ならびに分断工程において所
定の剛性や所望の可撓性を有し得る厚さであり、分断
(加圧ブレイク)し易さや、薄板ガラス11の厚さ、大
きさや、製造する液晶パネルのセルギャップなどに応じ
て適宜設定する。そして、この搬送用ガラス板12の一
方の表面には、上記した薄板ガラス11の表面Sの反対
側の面と対向して接着剤13によって所定間隔を隔てて
貼り合わせられる。この搬送用ガラス板12の一方の表
面(貼り合わされた対向面)上には、薄板ガラス11に
形成された薄板スクライブ溝11A、11A、11B、
11Bと平面的に重なる同じ位置となるように搬送板ス
クライブ溝12A、12A、12B、12Bを形成す
る。
【0024】次に、図1(B)に示すように、薄板ガラ
ス11と搬送用ガラス板12とを互いのスクライブ溝ど
うしが一致するように接着剤13を介して薄板ガラス1
1の表面Sの反対側の面と搬送用ガラス板12の一方の
表面とを所定間隔をなすように貼り合わせる。なお、こ
の接着剤13には、薄板ガラス11と搬送用ガラス板1
2とを所定の間隔に設定できるようにギャップ材を含む
ことが好ましい。また、接着剤13は、図1(A)およ
び(B)に示すように、スクライブ溝11A、12A、
11B、12Bより外側領域の端部(周縁部)に配置さ
れ、しかもスクライブ溝を横断(交差)しないように分
離して配置・形成する。すなわち、薄板スクライブ溝1
1Aと薄板スクライブ溝11B、ならびに搬送板スクラ
イブ溝12Aと搬送板スクライブ溝12Bとが交差する
四隅部分では、接着剤13Aを分離して配置する。ま
た、薄板ガラス11と搬送用ガラス板12のそれぞれの
スクライブ溝で囲まれる領域内の1箇所の、ポイント接
着部13Bで連結するように接着されている。このポイ
ント接着部13Bは、薄板ガラス11および搬送用ガラ
ス板12のそれぞれの略中央でかつ、パネル形成領域P
Aどうしの間に位置するように配置されている。このよ
うにして搬送用ガラス板12に薄板ガラス11が保持さ
れて、搬送ユニットU1が構成される。
【0025】以上、液晶パネルを構成する一方の薄板ガ
ラス11を備える搬送ユニットU1の作製方法について
説明したが、この一方の薄板ガラス11に対向・配置さ
れて液晶パネルを構成する他方の薄板ガラス14につい
てもこの作製方法を適用して図2(B)に示すように、
同様の搬送ユニットU2を作製する。なお、搬送ユニッ
トU2における薄板ガラス14には、薄板ガラス11と
対向させる表面S´に、薄板ガラス11側のスクライブ
溝11A、11A、11B、11Bと位置関係が同じに
なるように、スクライブ溝14A、14A、14B、1
4Bを形成する。また、この薄板ガラス14を接着剤1
6、16A、ポイント接着部16Bで保持する搬送用ガ
ラス板15には、薄板ガラス14に対向する表面に、薄
板ガラス14のスクライブ溝14A、14A、14B、
14Bと位置関係が同じになるように、スクライブ溝1
5A、15A、15B、15Bを形成する。すなわち、
この薄板ガラス14と搬送用ガラス板15との貼り合わ
せ構造は、薄板ガラス11と搬送用ガラス板12との貼
り合わせ構造と全く同様とする。また、薄板ガラス14
と搬送用ガラス板15とを貼り合わせる接着剤16の配
置位置も搬送ユニットU1と同様である。
【0026】次に、薄板ガラス11の表面S上の複数の
パネル形成領域PAのそれぞれにシール材17を例えば
印刷法により形成した後、各パネル形成領域PAの表面
S上にギャップ材(スペーサ)を散布する。しかる後に
搬送ユニットU1、U2を貼り合わせ装置まで搬送し
て、位置合わせを行ない、図2(A)および(B)に示
すように、所定間隔を隔てて薄板ガラス11の表面Sと
薄板ガラス14の表面S´とを対向させて貼り合わせ、
セルギャップ成型、シール本硬化(シール材17の硬化
・接着)などの処理を行う。なお、図2(A)に示す二
点鎖線SLは、スクライブストリートを示している。
【0027】その後、このように貼り合わせた搬送ユニ
ットU1、U2を分断ライン(図示省略する)まで搬送
し、図示しないブレイクマシンで分断を行う。ここで行
う分断方法は、図3(A)および(B)に示すように例
えば搬送用ガラス板12側を基台18の上に載置し、搬
送用ガラス板15の左右の搬送板スクライブ溝15A、
15Aに対応する部分に搬送用ガラス板15の外面(薄
板ガラス14が配置される側の面と反対側の面)側から
順次、加圧(図3中太い矢印で示す)を行って、搬送用
ガラス板15および薄板ガラス14のスクライブ溝15
A、14Aで分断を行う。その後、同様に搬送用ガラス
板15の前後の搬送板スクライブ溝(図示省略する)で
ある15B、14Bの外側部分に順次、加圧を行って搬
送用ガラス板15および薄板ガラス14の前後に位置す
るスクライブ溝15B、14Bで分断を行う。
【0028】このように周縁部で分断された薄板ガラス
14と搬送用ガラス板15は、ポイント接着部16Bの
みで連結された状態となっているため、搬送用ガラス板
15が落下したり、搬送用ガラス板15の表面や端縁部
が薄板ガラス14に擦り合わされることがない。この搬
送用ガラス板15を薄板ガラス14から取り外すには、
図4(a)、(b)に示すように、周縁部が分断された
搬送用ガラス板15を薄板ガラス14と略平行を保ちな
がらポイント接着部16Bを中心として回転させること
でこのポイント接着部16Bを分離(薄板ガラス11か
らの剥離または中間部での切断)させればよい。
【0029】その後、図5(A)および(B)に示すよ
うに、上記工程により分断された薄板ガラス14側を基
台18の上に載置して、搬送ユニットU1の搬送用ガラ
ス板12の左右の薄板スクライブ溝12A、12Aに対
応する位置の外面(薄板ガラス11が配置される側の面
と反対側の面)側から順次、加圧して、搬送用ガラス板
12および薄板ガラス11のスクライブ溝12A、11
Aで分断する。この分断工程においては、搬送用ガラス
板12および薄板ガラス11のスクライブ溝12A、1
1Aは、下向きになっているため垂直クラックが押し広
げられる作用を受けて分断される。このように分断され
た状態では、図5(B)に示すように、搬送用ガラス板
12は、薄板ガラス11に対してポイント接着部13B
のみで連結した状態となっている。このため、搬送用ガ
ラス板12が落下したり、搬送用ガラス板12の表面や
端縁部が薄板ガラス11に擦り合わされることがない。
この搬送用ガラス板12を薄板ガラス11から取り外す
には、図4に示した方法と同様に、周縁部が分断された
搬送用ガラス板12を薄板ガラス11と略平行を保ちな
がらポイント接着部13Bを中心として回転させること
でこのポイント接着部13Bを分離(薄板ガラス11か
らの剥離または中間部での切断)させればよい。このよ
うにして図5(B)に示すように、液晶を封止していな
い状態の液晶パネル(液晶セル)の複数(本実施形態で
は4つ)が薄板ガラス11、14で一体に結合されてい
る状態の集合体10を形成することができる。なお、こ
のような分断工程の後は、周知の方法を用いて各液晶セ
ル単位又は短冊(帯)状に分断し、それぞれのシール材
17の開口部17Aから液晶材料を注入(真空注入)・
封止することにより、図示しない液晶パネルを完成させ
ることができる。
【0030】本実施形態においては、薄板ガラス11、
14がそれぞれ搬送用ガラス板12、15と接着されて
搬送ユニットU1、U2を構成しているため、搬送用ガ
ラス板12、15の剛性を享受することができる。しか
も、薄板ガラス11、14は、これら搬送用ガラス板1
2、15で保護されるため、損傷を受けることなく円滑
に搬送(流動)ラインに沿って搬送することができる。
また、搬送用ガラス板12、15は、分断工程で押圧さ
れることにより、自動的に分断されるため、従来のよう
に、接着剤の剥離や切断、または搬送用ガラス板の切断
などの、薄板ガラスへの悪影響の多い作業を回避でき、
工程数を削減することができる。さらに、分断された搬
送用ガラス板12、15は、薄板ガラス11、14に対
してポイント接着部13B、16Bで連結されているた
め、搬送用ガラス板12、15が落下したし、搬送用ガ
ラス板12、15が薄板ガラス11、14の表面を損傷
することを防止することができる。そして、搬送用ガラ
ス板12、15を薄板ガラス11、14から取り外すに
は、搬送用ガラス板12、15をポイント接着部13
B、16Bを中心に回転させることで、ポイント接着部
13B、16Bを捩って分離させることができる。この
ため、分断後の搬送用ガラス板12、15を容易に取り
外すことができる。
【0031】以上、実施形態について説明したが、本発
明はこれに限定されるものではなく、構成の要旨に付随
する各種の変更が可能である。たとえば、上記した実施
形態においては、搬送用ガラス板を薄板ガラスと同程度
の大きさに設定したが、搬送用ガラス板を薄板ガラスよ
り大きければよい。また、上記した実施形態では、薄板
ガラスと搬送用ガラス板とを接着剤で貼り合わせたが、
この接着剤としては、薄板ガラスどうしを貼り合わせる
シール材を用いてもよい。さらに、上記した実施形態で
は、搬送用ガラスおよび薄板ガラスの周縁部の分断にお
いて左右前後をそれぞれの分断工程で行ったが左右や前
後の平行なスクライブ溝での分断をそれぞれ同時に行っ
てもよい。また、上記した実施形態では、ポイント接着
部を捩ることで分離させたが、このポイント接着部はパ
ネル形成領域から外れた位置に設けれているため、例え
ばレーザ光をスポット照射させることで分離させてもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明に係る液晶パネルの製造方法の
実施形態を示す搬送ユニットの平面図、(B)は(A)
のA−A断面図。
【図2】(A)は実施形態の搬送ユニットどうしを貼り
合わせた状態を示す平面図、(B)は(A)のB−B断
面図。
【図3】(A)および(B)は実施形態の分断工程を示
す要部断面図。
【図4】実施形態におけるポイント接着部の分離方法を
示す斜視図。
【図5】(A)および(B)は実施形態の分断工程を示
す要部断面図。
【図6】(A)および(B)は従来の液晶パネルの製造
方法を示す断面図。
【図7】図6(B)に示す構造の平面図。
【図8】従来の液晶パネルの製造方法を示す断面図。
【図9】(A)および(B)は従来の液晶パネルの製造
方法を示す断面図。
【図10】従来の液晶パネルの製造方法を示す断面図。
【符号の説明】
10 集合体(液晶パネル) 11、14 薄板ガラス 11A、11B、14A、14B 薄板スクライブ溝 12、15 搬送用ガラス板 12A、15A 搬送板スクライブ溝 13、16 接着剤 13B、16B ポイント接着部 17 シール材 18 基台 U1、U2 搬送ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤澤 信治 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2H088 EA02 FA07 FA10 FA17 FA18 HA01 MA20 2H090 JA09 JA13 JB02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ液晶パネル形成領域を含む、一
    対の薄板ガラスを、それぞれ搬送用ガラス板に対向する
    ように所定間隔を隔てて接着剤で貼り付けてなる搬送ユ
    ニットを形成するとともに、前記一対の薄板ガラスを、
    それぞれの前記液晶パネル形成領域どうしが所定間隔を
    隔てて対向するように、液晶封止に用いられるシール材
    を介して貼り合わせ、前記液晶パネル形成領域の外側の
    前記薄板ガラスの周縁部に形成された薄板分断予定線
    と、前記搬送用ガラス板に形成された前記薄板分断予定
    線に対応する搬送板分断予定線と、でそれぞれ薄板ガラ
    スおよび搬送用ガラス板を分断する工程を備える液晶パ
    ネルの製造方法であって、 前記接着剤は、前記薄板分断予定線および前記搬送板分
    断予定線で囲まれる領域の外側と、前記薄板分断予定線
    および前記搬送板分断予定線で囲まれる領域内の一箇所
    のポイント接着部とに、配置されて、前記薄板ガラスと
    前記搬送用ガラス板とを貼り付けるとともに、前記ポイ
    ント接着部は前記搬送用ガラス板および前記薄板ガラス
    を分断した後に分離されることを特徴とする液晶パネル
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記一対の薄板ガラスの対向予定面に前
    記薄板分断予定線に沿って予め薄板スクライブ溝を形成
    するとともに、それぞの前記搬送ユニットに属する前記
    搬送用ガラス板の前記薄板ガラスと対向する面に前記搬
    送板分断予定線に沿って予め搬送板スクライブ溝を形成
    し、 前記一対の薄板ガラスどうしを対向させて前記シール材
    を介して貼り合わせた後、それぞれの前記搬送ユニット
    に属する前記搬送用ガラス板における前記搬送板スクラ
    イブ溝が形成された面と反対側の面の当該搬送板スクラ
    イブ溝と対応する位置を押圧して、それぞれの前記搬送
    用ガラス板および前記薄板ガラスを前記スクライブ溝で
    分断させ、次いで前記搬送用ガラス板と前記薄板ガラス
    とを連結する前記ポイント接着部の接着剤を捩って分離
    させることを特徴とする請求項1記載の液晶パネルの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記薄板ガラスは、複数の液晶パネル形
    成領域を含むとともに、前記ポイント接着部は前記液晶
    パネル形成領域どうしの間に位置することを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の液晶パネルの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記薄板スクライブ溝および前記搬送板
    スクライブ溝は、前記薄板ガラスおよび前記搬送用ガラ
    ス板のそれぞれの所定表面における互いに平行な辺どう
    しに亙って横断するように形成されていることを特徴と
    する請求項2または請求項3に記載の液晶パネルの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 前記接着剤は、前記薄板スクライブ溝お
    よび前記搬送板スクライブ溝に重ならないことを特徴と
    する請求項4記載の液晶パネルの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記薄板ガラスの厚さは、0.3mm以
    下であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のい
    ずれかに記載の液晶パネルの製造方法。
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