JP3794272B2 - 液晶装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶装置の製造方法に係り、特に、相互に貼り合わされた一対の基板を分断する工程を有する製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、液晶装置は、一対の基板がシール材によって相互に貼り合わされ、シール材の内側に液晶が封入されたパネル構造を備えている。このパネル構造においては、一方の基板に、他方の基板の外形よりも張り出した基板張出部が設けられることが多く、この基板張出部の表面上には、シール材の内側の液晶封入領域から配線パターンが引き出されている。この基板張出部は、一方の基板のみに複数箇所形成される場合もあり、また、両方の基板にそれぞれ形成される場合もある。
【0003】
このような液晶装置を製造する場合には、一対の基板の外形を所望形状にするために基板を分断する基板分断工程が設けられる。この基板分断工程は、例えば、一方の基板に上記の基板張出部を設けるために他方の基板の一部を分断する場合や、複数の液晶封入領域を有するパネル体を液晶封入領域毎に分割する場合などにおいて実施される。
【0004】
上記のパネル体を分割する工程を有する液晶装置の製造方法の例としては、複数の液晶封入領域を包含した複合パネル体を形成してから、一対の基板をそれぞれ分断して単一の液晶封入領域のみを備えた単一パネル体に分割する図11に示す方法が知られている。
【0005】
この方法においては、まず、図11(a)に示すように、2枚の大判基板11と12とを図示しないシール材を介して相互に貼り合せ、大判パネル体10を形成する。次に、図11(b)に示すように、大判基板11,12の双方の表面上にスクライブ線17(けがき線、傷痕或いはスクライブ溝)を形成し、このスクライブ線17に沿って大判基板11,12に応力を加えてそれぞれを分断することによって、複数の液晶封入領域が長手方向に縦列配置された図11(c)に示す短冊状の短冊パネル13に分割する。この短冊パネル13に分割したときに、図示しないシール材の液晶注入口が短冊パネル13の端面部に露出するので、公知の方法で液晶注入口から液晶を注入した後、液晶注入口を封止材によって封鎖する。最後に、短冊パネル13の各基板の表面にスクライブ線18を形成し、このスクライブ線18に沿って応力を加えて図11(d)に示す単一の液晶封入領域を有する液晶パネル14を分割形成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の液晶装置の製造方法においては、例えば、図12(a)に示すように、シール材によって貼り合わされた第1基板110と第2基板120を有するパネル体において、スクライブ線111Sを形成して第2基板120側から応力を加えることにより第1基板110のA部分110Aを図12(b)に示すように分断除去し、これによって第2基板120に基板張出部121Tを形成してから、さらに第1基板110のB部分110Bを除去しようとする場合がある。
【0007】
この場合には、図12(b)に示すようにスクライブ線112Sを形成して、ゴムシートなどの上に第1基板110を下にした状態(すなわち図の姿勢とは逆さまの姿勢)でパネル体を載置し、第2基板120上から応力を加えて第1基板110をスクライブ線112Sに沿って破断させる。このとき、A部分110Aが除去されていることにより支えのない状態になっている基板張出部121Tは、下方(すなわち第1基板110側)に撓んだ状態となる。この状態で、第2基板120からスクライブ線112Sに沿って応力を加え、B部分110Bを分断、除去すると、第1基板110に対する応力バランスが崩れて、図12(c)に示すように、第1基板110の内側角部110pが欠けたり、基板厚さ方向に湾曲した破断面110Cが形成されたりするという問題点がある。
【0008】
特に、近年の液晶装置の高精細化やカラー化の進展に伴う画素数の増大によって、配線パターンの取り回しや基板張出部上に実装するICチップによる影響で基板張出部121T、122Tの張出量が増加する傾向にあるため、上記の問題点はこのような場合に特に深刻なものとなっている。
【0009】
そこで本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、液晶装置を構成する基板を分断する際に生ずる分断不良を低減できる製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の液晶装置の製造方法は、シール材を介して貼り合わされた第1基板及び第2基板と、前記シール材の内側に封入された液晶とを備え、前記第1基板には第1領域が形成され、前記第2基板には第2領域が形成され、前記第2領域は前記第1領域に対して少なくとも部分的に対向してなる複合パネル体から、前記複合パネル体に複数含まれる液晶パネルを分割整形する液晶装置の製造方法であって、前記液晶パネルは、前記第1領域に対向する前記第2基板の部分と、前記第2領域に隣接する前記第2基板の部分とを基板張出部として備えており、前記複合パネル体から、前記第1領域と前記第2領域とを相互に接続した状態で、前記第1基板を前記複合パネル体の長手方向に伸びる第1分断線に沿って分断することにより、前記第1領域を分断する第1分断工程と、前記第1領域と前記第2領域とを相互に接続した状態で、前記第2基板を前記第1分断線と交差する方向に伸びる第2分断線に沿って分断することにより、前記第2領域を分断する第2分断工程と、前記第2領域及び前記基板張出部に対向する前記第1基板の部分を除去する第3分断工程とを経て前記液晶パネルを分割形成することを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、第1領域と第2領域とが相互に接続されていることによって、第1分断工程と第2分断工程の一方を行う途中で、第1領域と第2領域の双方が液晶パネルから除去されるまでは、液晶パネルに第1領域と第2領域が保持された状態とすることができるので、第1領域と第2領域の一方が液晶パネルから除去されている状態で別の分断作業が行われることを避けることができるので、基板分断箇所の不良の発生を低減することができる。また、第1領域又は第2領域に対向する部分の表面を保護することができるので、当該表面上に配線パターンが形成されている場合には当該配線パターンの断線等を防止できる。
【0015】
本発明によれば、第1分断線と第2分断線とが相互に交差しているので、第1領域と第2領域の一方が既に除去されている状態で他方の領域或いは別の領域を分断しようとすると、特にスクライブ・ブレイク法を用いて基板を破断させる場合に、折り割り時における応力バランスが崩れ易くなるので破断不良が生じやすくなる。したがって、このような場合には本発明は非常に有効である。
【0016】
本発明において、前記液晶パネルは、前記第1領域に対向する前記第2基板の部分と、前記第2領域に隣接する前記第2基板の部分とを基板張出部(202T)として備えたものである。この場合には、第1領域を除去した後に、さらに第2領域と対向する部分を除去して基板張出部を露出させようとするときに、当該部分と液晶パネルとの分断部位に不良が発生する可能性が高いので、本発明を適用することが特に有効である。
【0018】
本発明において、前記第1分断工程及び前記第2分断工程を行った後に前記第3分断工程を行うことが好ましい。この方法によれば、第1分断工程と第2分断工程とが行われた時点でも上記部分(分離片106)が液晶パネルに対して接続された状態にあるので、当該部分に覆われた前記基板張出部を保護することができる。
【0021】
本発明において、前記液晶パネルの分割形成が完了する前(すなわち最後の分断作業が行われる時)まで前記第1領域若しくは前記第2領域によって前記液晶パネルの基板張出部(202T,401T,402T)が覆われた状態となる分断手順で分割を行うことが好ましい。
【0022】
本発明において、前記液晶パネルの分割形成が完了する前(すなわち最後の分断作業が行われる時)まで前記複合パネル体から分離片(105,106,107,305)が離反しない分断手順で分割を行うことが好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明に係る液晶装置の実施形態について詳細に説明する。
【0024】
[第1実施形態]
図1乃至図5を参照して、本発明に係る第1実施形態の液晶装置の製造方法について説明する。図1は第1実施形態の液晶装置を構成する製造工程中の短冊パネルの分断構造を示す斜視図、図2は分割後の液晶パネル及び分割片の外観を示す斜視図、図3は短冊パネルの部分断面図、図4は短冊パネルの分断手順を示す工程説明図(a)〜(c)、図5は完成した液晶パネルの外観を示す斜視図である。
【0025】
本実施形態においては、図11に示す従来方法と同様に大判基板11,12を貼りあわせて大判パネル10を形成し、次にこの大判パネル10を分割して図1に示す短冊パネル100を形成する。短冊パネル100は、長方形の第1基板101と、第2基板102とがシール材103を介して貼り合わされたものである。このシール材103によって画成された液晶封入領域Aは、短冊パネル100の長手方向に複数(図示例では4つ)縦列配置されている。
【0026】
上記大判パネル10から短冊パネル100が分割形成されると、減圧されたチャンバーの内部で、液晶注入口103aを液晶中に浸漬させるか、或いは、液晶注入口103aに液晶の液滴を滴下し、しかる後に、減圧を解除してシール材103の内部と外部との間に圧力差を生じさせ、当該圧力差を利用して液晶をシール材103の内部に注入する。その後、紫外線硬化樹脂等からなる封止材を液晶注入口103aに付着させ、硬化させることによって液晶注入口103aを閉鎖する。
【0027】
次に、公知のスクライブ・ブレイク法によって短冊パネル100を個々の液晶パネルに分割する。スクライブ・ブレイク法は、基板表面にスクライブ線を形成し、このスクライブ線に応力を加えることによって基板をスクライブ線に沿って破断させる方法である。
【0028】
短冊パネル100においては、第1基板101に対して図示2点鎖線で示す第1分断線101a,101b,101cが設定され、第2基板102に対して第2分割線102a,102bが設定される。これらの分割線は適宜に設計できるが本実施形態では全て直線である。ここで、第1分断線101aは、第1分断線101b,101c及び第2分断線102a,102bに対して直交する方向に伸びている。
【0029】
短冊パネル100の基板分割工程は、上記各分割線に沿ったスクライブ線を形成し、当該スクライブ線に沿って分断する基板分断工程を複数含むものである。いずれにしても、上記の5本の分割線に沿って分断が全て完了すれば、図2に示すように、第1基板201と第2基板102とからなる液晶パネル200が分割形成される。
【0030】
本実施形態においては、第1基板101と第2基板102との間に、上記シール材103と同時に同材質で形成されたスポット状の固着材104が配置されている。固着材104は、上記第1基板101における2つの第1分割線101a,101b,101cに囲まれた部分(図示斜線で示す第1領域101D)と、上記第2基板102における2つの第2分割線102a,102bの間の部分(図示斜線で示す第2領域102D)とを相互に固着するように配置されている。
【0031】
上記固着材104は、例えばシール材103がスクリーン印刷等の印刷法によって上記一対の大判基板11,12のいずれか一方の内面上に形成される場合には、その印刷パターンを変更するだけで容易に形成することができる。また、シール材103を精密ディスペンサにて基板上に塗布していく場合には、複数の液晶封入領域Aを取り囲むようにシール材料を配置していく途中で固着材104の部分にシール材料を滴下するようにすればよい。このようにすれば、固着材104を設けるための別途の工程が不要となり、製造コストの増大や生産性の低下を防止することができる。また、シール材103が熱硬化性樹脂などの硬化処理を必要とするものである場合には、シール材103と固着材104とを同一の硬化処理(例えば加熱処理)工程において硬化させることができる。
【0032】
なお、固着材104は、上記実施形態とは異なり、シール材103とは異なる材質で形成されていても構わない。例えば、光硬化性樹脂(紫外線硬化樹脂など)によって形成し、光照射によって硬化させたものであってもよい。また、その他の接着剤や粘着材を用いても構わない。
【0033】
本実施形態においては、上記の5つの分断線、すなわち第1分断線101a,101b,101c及び第2分断線102a,102bに沿って第1基板101及び第2基板102を分断することによって、図2に示す液晶パネル200を形成することができる。このとき、液晶パネル200から分離片105,106,107が分離される。分離片105は、上記固着材104によって相互に接続された帯状片105aと105bとによって構成されている。
【0034】
ここで、5つの分断線に沿った分断の順序は如何なる順序でも構わない。ただし、短冊パネル100の長手方向に伸びる第1分断線101aに沿った分断作業を一度で完了させようとすれば、第1分断線101aに沿った分断を、各液晶封入領域A毎の分割がなされる前に行う必要がある。すなわち、第1分断線101bと第2分断線102aの双方にて分断が行われる前に行うか、或いは、第1分断線101cと第2分断線102bの双方にて分断が行われる前に行う。
【0035】
また、上記5つの分断線に沿った分断が全て完了する前に分離片106,107をパネル相当部分から分離させず、液晶パネル200の後述する基板張出部202Tに相当する部分を露出させないようにするためには、上記第1分断線101cに沿った第1基板101の分断を最後に行う。
【0036】
上述の点を鑑みて、本実施形態では、図4(a)に示すように上記第1分割線101aに沿って第1基板101を分断した後に、図4(b)に示すように上記第1分断線101b、第2分断線102a,102bに沿って第1基板101,102をそれぞれ分断する。これら第1分断線101、第2分断線102a、第2分断線102bに関する3つの分断作業の順序は如何なる順序でも構わない。そして、最後に、上記第1分断線101cに沿って第1基板101を分断する。このようにすると、第1分割線101aに沿った分断作業を一度で済ませることができる。また、分割作業途中において分離片106,107がパネル構成部分から分離することがない。
【0037】
上記のようにして短冊パネル100から分割され、液晶パネル200が形成されると、図2に示すように、第2基板202が第1基板201よりも一回り大きく形成され、第2基板202には、第1基板201の外形よりも外側に張り出した基板張出部202Tが形成される。この基板張出部202Tは、長方形状に形成された液晶封入領域Aの隣接する2辺からL字状に張り出すように形成されている。
【0038】
上記基板張出部202Tの表面上には、図5に示すように、液晶封入領域A内から引き出された配線パターン202X,202Yが形成されている。これらの配線パターン202X,202Yは、第1基板201及び第2基板202の内面上に形成された図示しないITO等の透明導電体からなる電極パターンと一体に形成されたものである。また、基板張出部202Tの表面上における配線パターン202Xと対峙する基板外縁には、入力端子列202Zが形成されている。この入力端子列202Zも上記電極パターンや配線パターンと同時に同材質で形成されたものである。配線パターン202X,202Y及び入力端子列202Zには、液晶駆動回路等を内蔵したICチップ203が実装される。
【0039】
この実施形態においては、図1に示すように、第1基板101における第1分断線101aよりも外縁側の部分(帯状片105a及び分離片107に相当する部分、すなわち第1領域101D)と、第2基板102における第2分断線102aと102bとの間の部分(帯状片105bに相当する部分、すなわち第2領域102D)とが固着材104によって相互に固着されているので、例えば、第1分断線101aに沿って第1基板101を分断しても、第1領域101Dが短冊パネル100から離脱することがないので、固着材104を介してそのまま第2基板102に接続された状態になる。
【0040】
したがって、その後、第2分断線102a,102bに沿って第2基板102を分断しようとしたときに、第2基板102が部分的に(すなわち第1領域101Dに対向する部分において)第1基板101側に撓むことが防止される。その結果、第2分断線102a,102bに沿った分断作業時に第2基板102の破断面が分断線からずれて形成されたり、破断面が基板厚さ方向に湾曲したり、或いは、液晶パネルにおける第1基板201(図2及び図5参照)の角部(すなわち第1分断線101aと第1分断線101cとの交差する部分に対応する角部)が欠けたりすることを防止することができる。
【0041】
また、分離片107となるべき部分が第2基板102の表面上に残存することによって、液晶パネル200の基板張出部202T(図5参照)に相当する部分の表面が保護されていることとなるので、基板張出部202Tの表面上に形成されている配線パターン202Y(図5参照)に物が接触し、配線パターン202Yに断線が生ずるなどの事故を防止できる。
【0042】
また、本実施形態では、第1分断線101cに沿った第1基板101の分断を最後に行うことによって、分離片106となるべき部分も最後まで基板張出部202Tとなるべき部分の表面上に残存することとなるので、この部分においても上述と同様の効果が得られる。
【0043】
さらに、本実施形態では、分断作業時において上記分離片105,106,107となるべき部分が最後まで液晶パネル200となるべきパネル構成部分に対して接続された状態となっているため、作業性も向上し、効率的にパネルの分割作業を行うことが可能になる。
【0044】
[第2実施形態]
次に、図6乃至図10を参照して本発明に係る第2実施形態の液晶装置の製造方法について説明する。図6は第1実施形態の液晶装置を構成する製造工程中の短冊パネルの分断構造を示す斜視図、図7は分割後の液晶パネル及び分割片の外観を示す斜視図、図8は短冊パネルの部分断面図、図9は短冊パネルの分断手順を示す工程説明図(a)〜(c)、図10は完成した液晶パネルの外観を示す斜視図である。
【0045】
本実施形態においては、図11に示す従来方法と同様に大判基板11,12を貼りあわせて大判パネル10を形成し、次にこの大判パネル10を分割して図6に示す短冊パネル300を形成する。短冊パネル300は、長方形の第1基板301と、第2基板302とがシール材303を介して貼り合わされたものである。このシール材303によって画成された液晶封入領域Aは、短冊パネル300の長手方向に複数(図示例では4つ)縦列配置されている。
【0046】
上記大判パネル10から短冊パネル300が分割形成されると、減圧されたチャンバーの内部で、液晶注入口303を液晶中に浸漬させるか、或いは、液晶注入口303に液晶の液滴を滴下し、しかる後に、減圧を解除してシール材303の内部と外部との間に圧力差を生じさせ、当該圧力差を利用して液晶をシール材303の内部に注入する。その後、紫外線硬化樹脂等からなる封止材を液晶注入口303aに付着させ、硬化させることによって液晶注入口303aを閉鎖する。
【0047】
次に、上記と同様のスクライブ・ブレイク法によって短冊パネル300を個々の液晶パネルに分割する。短冊パネル300においては、第1基板301に対して図示2点鎖線で示す第1分断線301a,301bが設定され、第2基板302に対して第2分割線302a,302bが設定される。これらの分割線は適宜に設計できるが本実施形態では全て直線である。ここで、第2分断線302aは、第1分割線301a,301b及び第2分断線302bに対して直交する方向に伸びる。
【0048】
短冊パネル300の基板分割工程は、上記各分割線に沿ったスクライブ線を形成し、当該スクライブ線に沿って分断する基板分断工程を複数含むものである。いずれにしても、上記の3本の分割線に沿って分断が全て完了すれば、図7に示すように、第1基板401と第2基板402とからなる液晶パネル400が分割形成される。
【0049】
本実施形態においては、第1基板401と第2基板402との間に、上記シール材303と同時に同材質で形成されたスポット状の固着材304が配置されている。固着材304は、上記第1実施形態と同様のものであり、上記第1基板301における2つの第1分割線301a,301bの間の部分(第1領域301D)と、上記第2基板302における2つの第2分割線302a,302bの間の部分(第2領域302D)とを相互に固着するように配置されている。
【0050】
本実施形態においては、上記の4つの分断線、すなわち第1分断線301a,301b及び第2分断線302a,302bに沿って第1基板301及び第2基板302を分断することによって、図7に示す液晶パネル400を形成することができる。このとき、液晶パネル400から分離片305が分離される。分離片305は、上記固着材304によって相互に接続された帯状片305a(上記第1領域301Dが分離されたもの)と305b(上記第2領域302Dが分離されたもの)とによって構成されている。
【0051】
ここで、5つの分断線に沿った分断の順序は如何なる順序でも構わない。ただし、短冊パネル300の長手方向に伸びる第2分断線302aに沿った分断作業を一度で完了させようとすれば、第2分断線302aに沿った分断を、各液晶封入領域A毎の分割がなされる前に行う必要がある。すなわち、第1分断線301aと第2分断線302bの双方にて分断が行われる前に行う。
【0052】
また、短冊パネル300の分割作業中に最後まで分離片305がパネル構成部分から分離しないようにするには、第1分断線301a,301bのいずれかに沿った分断を最後に行う。さらに、短冊パネル300の分割作業中に最後まで各パネル構造部分が相互に分離されないようにするには、第1分断線301aと第2分断線302bのいずれか一方を最後に行う。
【0053】
上述の点を鑑みて、本実施形態では、図9(a)に示すように上記第2分割線302aに沿って第2基板302を分断した後に、図9(b)に示すように上記第1分断線301bに沿って第1基板301を分断する。そして、図9(c)に示すように、第2分断線302bに沿って第2基板302を分断し、最後に、上記第1分断線301aに沿って第1基板301を分断する。
【0054】
このようにすると、第2分割線302aに沿った分断作業を一度で済ませることができる。また、最後の分断作業まで短冊パネル300が分割されることがない。さらに、分割作業途中に分離片305がパネル構成部分から分離することがなく、基板張出部となる部分が最後まで保護される。ここで、短冊パネル300が途中で分割されてしまってもよく、分離片305が途中でパネル構成部分から離反しないようにするだけならば、第1分断線301aに沿った分断と、第1分断線301bに沿った分断の順序を入れ替えても構わない。
【0055】
上記のようにして短冊パネル300が分割され、形成された液晶パネル400は、図7に示すように、第1基板401が第2基板402の外形よりも外側に張り出した基板張出部401Tと、第2基板402が第1基板401の外形よりも外側に張り出した基板張出部402Tとを備えた形状に形成される。これらの基板張出部401T,402Tは、長方形状に形成された液晶封入領域Aの隣接する2辺からそれぞれ張り出すように形成されている。
【0056】
上記基板張出部401T,402Tの表面上には、図10に示すように、液晶封入領域A内から引き出された配線パターン401Y,402Xが形成されている。これらの配線パターン401Y,402Xは、第1基板401及び第2基板402の内面上に形成された図示しないITO等の透明導電体からなる電極パターンと一体に形成されたものである。この実施形態は、基板張出部401T,402Tの表面上の配線パターン401Y,402Xに対してフレキシブル基板やTAB基板等を接続するためのパネル構造を備えているが、第1実施形態のCOG(Chip On Glass)構造と同様に基板張出部401T,402T上に液晶駆動回路等を内蔵したICチップを実装したり、基板表面上に直接回路パターンを形成したりしても構わない。
【0057】
この実施形態においては、図6に示すように、第2領域302D(帯状片305bに相当する部分)と、第1領域301D(帯状片305aに相当する部分)とが固着材304によって相互に固着されているので、例えば、第2分断線302aに沿って第2基板302を分断しても、第2領域302Dが短冊パネル300から離脱することがないので、固着材304を介してそのまま第1基板301に接続された状態になる。
【0058】
したがって、その後、第1分断線301a,301bに沿って第1基板301を分断しようとしたときに、第1基板301が部分的に(すなわち第2領域302Dに対向する部分において)第2基板302側に撓むことが防止される。その結果、第1分断線301a,301bに沿った分断作業時に第1基板301の破断面が分断線からずれて形成されたり、破断面が基板厚さ方向に湾曲したりすることを防止することができる。
【0059】
また、本実施形態では、第1分断線301aと301bのいずれか一方に沿った第1基板301の分断を最後に行うことによって、液晶パネル400の基板張出部401T,402T(図7及び図10参照)に相当する部分の表面が第1領域301D及び第2領域302D(分離片305となるべき部分)によって最後まで保護されていることとなるので、基板張出部401T,402Tの表面上に形成されている配線パターン401Y、402X(図10参照)に物が接触し、断線が生ずるなどの事故を防止できる。また、この場合には、分断作業時において上記分離片305となるべき部分(第1領域301D及び第2領域302D)が最後まで液晶パネル400となるべきパネル構造部分に対して接続された状態となっているため、作業性も向上し、効率的にパネルの分割作業を行うことが可能になる。
【0060】
さらに、本実施形態では、第1分断線301aと第2分断線302bのいずれか一方に沿った分断を最後に行うことによって、最後の分断作業が完了するまで短冊パネル300の一体性が保持されたまま作業を行うことができるので、作業性が良好となり、製造効率を向上させることができる。
【0061】
尚、本発明の液晶装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0062】
例えば、上記実施形態はいずれも相互に直交する方向に伸びる形状の一対の帯状片となるべき部分(第1領域及び第2領域)を固着材が接続するように構成されているが、本発明はこのような態様に限らず、相互に平行に伸びる形状の帯状片を固着材が接続する場合であってもよい。
【0063】
また、上記実施形態はいずれも多数個取りの製造方法を用いているが、単独の液晶封入領域を有する液晶パネルを個々に製造する方法(例えば、数インチを越える表示領域を有する大型の液晶パネルにおいては、液晶パネルを個々に製造する場合がある。)において、基板外縁部を部分的に分断除去する工程(すなわち外形加工工程)に本発明を適用させても構わない。
【0064】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、基板分断箇所の不良の発生を低減することができる。また、第1領域又は第2領域に対向する部分の表面を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶装置の製造方法の第1実施形態に用いる短冊パネルの形状を示す概略斜視図である。
【図2】第1実施形態で分割形成された液晶パネル及び分離片を示す概略斜視図である。
【図3】第1実施形態の短冊パネルの一部を拡大して示す概略拡大断面図である。
【図4】第1実施形態の分断手順の一例を示す工程説明図(a)〜(c)である。
【図5】第1実施形態によって形成された液晶パネルの斜視図である。
【図6】本発明に係る液晶装置の製造方法の第2実施形態に用いる短冊パネルの形状を示す概略斜視図である。
【図7】第2実施形態で分割形成された液晶パネル及び分離片を示す概略斜視図である。
【図8】第2実施形態の短冊パネルの一部を拡大して示す概略拡大断面図である。
【図9】第2実施形態の分断手順の一例を示す工程説明図(a)〜(c)である。
【図10】第2実施形態によって形成された液晶パネルの斜視図である。
【図11】従来の液晶装置の製造方法の概略を示す工程説明図(a)〜(d)である。
【図12】従来の液晶パネルの分断方法を示す工程説明図(a)〜(c)である。
【符号の説明】
100,300 短冊パネル
101,301 第1基板
101D,301D 第1領域
101a,101b,101c,301a,301b 第1分断線
102,302 第2基板
102D,302D 第2領域
102a,102b,302a,302b 第2分断線
103,303 シール材
104,304 固着材
200,400 液晶パネル
201,401 第1基板
202,402 第2基板
202T、401T,402T 基板張出部
Claims (4)
- シール材を介して貼り合わされた第1基板及び第2基板と、前記シール材の内側に封入された液晶とを備え、前記第1基板には第1領域が形成され、前記第2基板には第2領域が形成され、前記第2領域は前記第1領域に対して少なくとも部分的に対向してなる複合パネル体から、前記複合パネル体に複数含まれる液晶パネルを分割整形する液晶装置の製造方法であって、
前記液晶パネルは、前記第1領域に対向する前記第2基板の部分と、前記第2領域に隣接する前記第2基板の部分とを基板張出部として備えており、
前記複合パネル体から、
前記第1領域と前記第2領域とを相互に接続した状態で、前記第1基板を前記複合パネル体の長手方向に伸びる第1分断線に沿って分断することにより、前記第1領域を分断する第1分断工程と、
前記第1領域と前記第2領域とを相互に接続した状態で、前記第2基板を前記第1分断線と交差する方向に伸びる第2分断線に沿って分断することにより、前記第2領域を分断する第2分断工程と、
前記第2領域及び前記基板張出部に対向する前記第1基板の部分を除去する第3分断工程と
を経て前記液晶パネルを分割形成することを特徴とする液晶装置の製造方法。 - 前記第1分断工程及び前記第2分断工程を行った後に前記第3分断工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の液晶装置の製造方法。
- 前記液晶パネルの分割形成が完了する前まで前記第1領域若しくは前記第2領域によって前記液晶パネルの基板張出部が覆われた状態となる分断手順で分割を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の液晶装置の製造方法。
- 前記液晶パネルの分割形成が完了する前まで前記複合パネル体から分離片が離反しない分断手順で分割を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の液晶装置の製造方法。
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