JP2001235733A - 液晶表示パネルの割断方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】各基板を厚み方向に向けた割断線に沿って正
確、且つ確実に割断することのできる液晶表示パネルの
割断方法を提供する。 【解決手段】第１または第２の基板１，２の割断すべき
箇所に沿ってスクライブライン４を形成する。液晶表示
パネルを、割断テーブル７上の高硬度弾性体１９と低硬
度弾性体１８との境界線部分または厚みの小さい第１の
弾性体２１と厚みの小さい第２の弾性体２２との境界線
部分にスクライブライン４を位置決めするとともに、下
方側に位置する基板１，２におけるスクライブライン４
に対し長辺側部分１ｂ，２ａが低硬度弾性体１８上また
は第１の弾性体２１上に対向し、且つ短辺側部分１ｃ，
２ｂが高硬度弾性体１９または第２の弾性体２２上に対
向するよう配置して設置する。液晶表示パネルにおける
スクライブライン４に対向する反対側の上面箇所をブレ
イクバー１０によって押圧する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、アレイ基板とカラ
ーフィルタ基板とが所定の間隙で相対向された配置で周
縁部をシール剤で接合されてなる液晶表示パネルを所定
の寸法に割断する方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、液晶を用いた表示装置は各分野に
広く使用されており、特に、薄膜トランジスタ（以下、
ＴＦＴという）を液晶セルのアクティブ素子として用い
た液晶表示装置は目覚ましい技術的進歩を遂げている。
図６は上述のような液晶表示装置の一部構成の側面図を
示す。この液晶表示装置は、所定の間隙を存して対向配
置されたアレイ基板１とカラーフィルタ基板２の各々の
周縁部がシール剤（図示せず）により互いに液密に貼り
合わされて液晶表示パネルが構成されており、アレイ基
板１とカラーフィルタ基板２との間の空間に液晶が封入
されて、液晶セルがマトリックス状に配設されている。
そして、アレイ基板１の上面における実装端子部１ａに
はＴＦＴを駆動するための電気部品３が実装されてい
る。アレイ基板１は、映像信号によってスイッチングさ
れるＴＦＴがガラス基板上にマトリックス状に形成され
ている。カラーフィルタ基板２は、液晶セルの動作制御
用の基準電圧を与えるための対向電極がガラス基板上に
形成されている。

【０００３】上記液晶表示パネルは、共に大きめのアレ
イ基板１とカラーフィルタ基板２とを所定の間隙を存し
て各々の周縁部をシール剤で貼り合わしたのちに、両基
板１，２間に形成された液晶封入空間に注入口（図示せ
ず）から液晶を封入する前工程において、品種別の所定
の寸法に割断される。この液晶表示パネルを割断するに
際しては、スクライブ／ブレイク工法が従来から用いら
れており、このスクライブ／ブレイク工法について図５
を参照しながら説明する。

【０００４】いま、カラーフィルタ基板２を割断する場
合には、そのカラーフィルタ基板２における割断すべき
箇所にスクライブライン４を形成したのち、このカラー
フィルタ基板２を下方に位置させた配置で液晶表示パネ
ルを割断テーブル７上に載置する。なお、割断テーブル
７上には、一般にゴムからなるブレイクシート８および
導電性シート付きＳＵＳ板９が重ね合わせた状態で設置
されており、割断すべきカラーフィルタ基板２は導電性
シート付きＳＵＳ板９上に載置されることになる。これ
は、カラーフィルタ基板２に形成されたトランジスタな
どの素子が割断時に発生する静電気によって破壊される
のを導電性シート付きＳＵＳ板９で防止するためであ
り、アレイ基板１の割断時も同様である。そして、カラ
ーフィルタ基板２の割断は、カラーフィルタ基板２にお
けるスクライブライン４に対向する反対側箇所をブレイ
クバー１０によってアレイ基板１を介し押圧することに
より行われる。

【０００５】つぎに、従来の液晶表示パネルの割断方法
の具体例について、その割断工程を工程順に示した図４
（ａ）〜（ｅ）を参照しながら説明する。先ず、（ａ）
の斜視図に示すように、液晶表示パネルをカラーフィル
タ基板２が下方に位置する配置で載置して、上方のアレ
イ基板１における割断すべき各箇所にそれぞれダイヤモ
ンドカッター１１を用いてスクライブライン４を形成す
る。つぎに、（ｂ）に示すように、液晶表示パネルを上
下反転させた状態として割断テーブル７の上面の導電性
シート付きＳＵＳ板９上に設置する。そして、アレイ基
板１における各スクライブライン４に対向する反対側箇
所をブレイクバー１０によってカラーフィルタ基板２を
介し押圧することにより、アレイ基板１は、各スクライ
ブライン４に沿って割断される。（ｂ）の２点鎖線は、
アレイ基板１における割断箇所を示す。

【０００６】続いて、（ｃ）に示すように、アレイ基板
１の割断工程において上方に位置しているカラーフィル
タ基板２における割断すべき各箇所にそれぞれ（ａ）に
示したダイヤモンドカッター１１を用いてスクライブラ
イン４を形成する。つぎに、（ｄ）に示すように、液晶
表示パネルを上下反転させた状態として割断テーブル７
の上面の導電性シート付きＳＵＳ板９上に設置する。そ
して、カラーフィルム基板２における各スクライブライ
ン４に対向する反対側箇所をブレイクバー１０によって
アレイ基板１を介し押圧することにより、カラーフィル
タ基板２は、各スクライブライン４に沿って割断され
る。（ｄ）の２点鎖線は、カラーフィルタ基板２におけ
る割断箇所を示す。

【０００７】上記割断工程を得ることにより、（ｅ）に
示すように、アレイ基板１およびカラーフィルタ基板２
が品種別に応じて設定された所定寸法にそれぞれ仕上げ
られてなる液晶表示パネルが得られる。一般に、液晶表
示パネルは、（ｅ）に示すように、アレイ基板１の実装
端子部１ａをカラーフィルタ基板２から１ｍｍ以上外方
に突出する形状に仕上げられるのが一般的であり、この
アレイ基板１の突出した実装端子部１ａには、図５に示
したようにＴＦＴを駆動するための電気部品３が実装さ
れる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】スクライブ／ブレイク
工法による従来の割断方法では、ブレイクバー１０によ
って押圧力を付与することにより、ゴムからなるブレイ
クシート８およびＳＵＳ板９が共に容易に変形して、ア
レイ基板１およびカラーフィルタ基板２を湾曲状に変形
させながらスクライブライン４に沿い割断するようにし
ている。しかしながら、アレイ基板１およびカラーフィ
ルタ基板２における割断箇所に形成したスクライブライ
ン４に対し両側辺部の各長さは大きく異なるのが一般的
であり、その短辺側部分はブレイクバー１０の押圧力を
受けても容易に変形せず、長辺側部分が逆に容易に変形
するので厚み方向に沿った所要の割断面通りに割断され
ず、割断面１２は傾斜形状となってしまい、所定の割断
位置よりも外方に突出する側面三角形状の突出部（一般
にスカートと称せられる）１３が生じてしまう。

【０００９】カラーフィルタ基板２の上記突出部１３の
突出量が規格値よりも大きくなった場合には、アレイ基
板１の実装端子部１ａ上に電気部品３を実装する際に、
図６に２点鎖線で示すように実装ツール１４または電気
部品３が突出部１３に当接してしまい、電気部品３の実
装不良、実装ツール１４の破損あるいはカラーフィルタ
基板２の割れや欠けの発生による不良といった不具合を
招く原因となる。特に、実装ツール１４が破損した場合
には、部品実装機の修理のために生産ロスを招くといっ
た重大な結果を引き起こす原因となる。

【００１０】そこで、従来では、実装端子部１ａの長さ
を突出部１３の発生を見込んで所定値よりも若干長い目
に設定することにより、上述のような不具合の発生を確
実に回避するように図っている。一方、液晶表示パネル
により構成される液晶表示装置では、周囲を取り囲む枠
状体を小さくする狭額縁化の要望が近年において益々強
くなる傾向にあるが、上述のように実装端子部１ａの長
さを所要値よりも長い目に設定することが狭額縁化を阻
害する要因になっている。

【００１１】そこで、本発明は、上記従来の課題に鑑み
てなされたもので、各基板を厚み方向に向けた割断線に
沿って正確、且つ確実に割断することのできる液晶表示
パネルの割断方法を提供することを目的とするものであ
る。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第１の発明は、液晶セルを駆動する複数のアクティ
ブ素子がマトリックス状に配設された第１の基板と、液
晶セルの動作制御用の対向電極が形成された第２の基板
とが、その間に液晶セル層を形成する所定の間隙を存し
て相対向され、且つ各々の周囲をシール剤で互い接合さ
れてなる液晶表示パネルを、液晶の封入前の状態におい
て所定寸法に割断する方法において、前記第１または第
２の基板の割断すべき箇所に沿ってスクライブラインを
形成する工程と、前記液晶表示パネルを、割断テーブル
上の高硬度弾性体と低硬度弾性体との境界線部分に前記
スクライブラインを位置決めするとともに、下方側に位
置する前記基板における前記スクライブラインに対し長
辺側部分が前記低硬度弾性体上に対向し、且つ短辺側部
分が前記高硬度弾性体上に対向するよう配置して設置す
る工程と、液晶表示パネルにおけるスクライブラインに
対向する反対側の上面箇所をブレイクバーによって押圧
する工程とを備えていることを特徴としている。

【００１３】この液晶表示パネルの割断方法では、基板
における変形させるのに比較的大きな押圧力を必要とす
るスクライブラインに対する短辺側部分に、高硬度弾性
体でで支持することによってブレイクバーの押圧力が効
率的に作用するよう図るとともに、比較的小さな押圧力
で容易に変形するスクライブラインに対する長辺側部分
に、低硬度弾性体で支持することによりブレイクバーの
押圧力を低硬度弾性体自体の変形により若干吸収して、
小さな押圧力が作用するよう図っている。これにより、
基板は、ブレイクバーにより所定の押圧力を受けたとき
に、スクライブラインに対する短辺側部分と長辺側部分
との各々の変形量が両弾性体の硬度差によってほぼ同じ
となり、スクライブラインに沿って厚み方向の割断線で
正確に割断される。

【００１４】第２の発明は、液晶セルを駆動する複数の
アクティブ素子がマトリックス状に配設された第１の基
板と、液晶セルの動作制御用の対向電極が形成された第
２の基板とが、その間に液晶セル層を形成する所定の間
隙を存して相対向され、且つ各々の周囲をシール剤で互
い接合されてなる液晶表示パネルを、液晶の封入前の状
態において所定寸法に割断する方法において、前記第１
または第２の基板の割断すべき箇所に沿ってスクライブ
ラインを形成する工程と、前記液晶表示パネルを、割断
テーブル上の厚みの小さい第１の弾性体と厚みの大きい
第２の弾性体との境界線部分に前記スクライブラインを
位置決めするとともに、下方側に位置する前記基板にお
ける前記スクライブラインに対し長辺側部分が前記第１
の弾性体上に対向し、且つ短辺側部分が前記第２の弾性
体上に対向するよう配置して設置する工程と、液晶表示
パネルにおけるスクライブラインに対向する反対側の上
面箇所をブレイクバーによって押圧する工程とを備えて
いることを特徴としている。

【００１５】この液晶表示パネルの割断方法では、基板
における変形させるのに比較的大きな押圧力を必要とす
るスクライブラインに対する短辺側部分に、厚みの大き
い第２の弾性体で支持することによってブレイクバーの
押圧力が効率的に作用するよう図るとともに、比較的小
さな押圧力で容易に変形するスクライブラインに対する
長辺側部分に、厚みの小さい第１の弾性体で支持するこ
とによりブレイクバーの押圧力を第１の弾性体自体の変
形により若干吸収して、小さな押圧力が作用するよう図
っている。これにより、基板は、ブレイクバーにより所
定の押圧力を受けたときに、スクライブラインに対する
短辺側部分と長辺側部分との各々の変形量が両弾性体の
厚みの差による弾力の相違によってほぼ同じとなり、ス
クライブラインに沿って厚み方向の割断線で正確に割断
される。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について図面を参照しつつ詳細に説明する。図１は本
発明の第１の実施の形態に係る液晶表示パネルの割断方
法を具現化した液晶表示パネルの割断手段を示す側面図
であり、同図において、図５と同一若しくは同等のもの
には同一の符号を付してある。図５に対する補足説明を
すると、アレイ基板１とカラーフィルタ基板２とは、所
定の間隙で相対向する配置として、各々の周端部をシー
ル剤により互いに貼り合わされており、アレイ基板１と
カラーフィルタ基板２との相対向面と矩形状のシール層
１７とで囲まれた空間内には、シール層１７に設けられ
注入口（図示せず）から液晶が封入される。但し、液晶
の封入は、液晶表示パネルを品種毎の所定の寸法に割断
されたのちに行われる。

【００１７】この液晶表示パネルの割断方法では、割断
テーブル７上に、従来の割断方法において用いていたも
のと同等の硬度、例えば硬度が60度程度の第１のゴムシ
ート１８を敷設するとともに、割断テーブル７上に第１
のゴムシート１８の未敷設部分を設けて、その未敷設部
分に、第１のゴムシート１８よりも高い硬度、例えば硬
度90度程度の第２のゴムシート１９を敷設し、これら両
ゴムシート１８，１９の上面に、従来と同様に導電性シ
ート付きＳＵＳ板９を載置する。そして、割断すべき液
晶表示パネルは、割断すべき箇所に形成したスクライブ
ライン４を、第１のゴムシート１８における第２のゴム
シート１９に対する境界線との隣接箇所に位置決めする
とともに、下方側に位置するカラーフィルタ基板２にお
けるスクライブライン４に対し長辺側部分２ａが第１の
ゴムシート１８上に対向し、且つ短辺側部分２ｂが第２
のゴムシート１９上に対向するよう配置して導電性シー
ト付きＳＵＳ板９上に載置する。

【００１８】液晶表示パネルを上記配置で載置したのち
に、液晶表示パネルにおけるスクライブライン４に対向
する反対側の上面箇所をブレイクバー１０によって押圧
する。これにより、スクライブライン４が形成されてい
るカラーフィルタ基板２は、スクライブライン４に沿っ
て割断される。このとき、カラーフィルタ基板２におけ
るスクライブライン４に対する短辺側部分２ｂは、これ
を変形させるのに長辺側部分２ａよりも大きな押圧力が
必要であり、長辺側部分２ａは逆に短辺側部分２ｂより
も小さな押圧力で容易に変形する。

【００１９】そこで、この割断手段では、カラーフィル
タ基板２の短辺側部分２ｂに、比較的高い硬度の第２の
ゴムシート１９で支持することによってブレイクバー１
０の押圧力が効率的に作用するよう図るとともに、カラ
ーフィルタ基板２の長辺側部分２ａに、比較的低い硬度
の第１のゴムシート１８で支持することによりブレイク
バー１０の押圧力を第１のゴムシート１８自体の変形に
より若干吸収して、小さな押圧力が作用するよう図って
いる。これにより、カラーフィルタ基板２は、ブレイク
バー１０により所定の押圧力を受けたときに、スクライ
ブライン４に対する短辺側部分２ｂと長辺側部分２ａと
の各々の変形量が両ゴムシート１８，１９の硬度差によ
ってほぼ同じとなり、スクライブライン４に沿って厚み
方向の割断線で正確に割断される。

【００２０】つぎに、上記第１の実施の形態に係る液晶
表示パネルの割断方法の具体例について、その割断工程
を工程順に示した図２（ａ）〜（ｅ）を参照しながら説
明する。先ず、（ａ）の斜視図に示すように、液晶表示
パネルをカラーフィルタ基板２が下方に位置する配置で
載置して、上方のアレイ基板１における割断すべき各箇
所にそれぞれダイヤモンドカッター１１を用いてスクラ
イブライン４を形成する。つぎに、（ｂ）に示すよう
に、液晶表示パネルを上下反転させた状態として割断テ
ーブルの上面の導電性シート付きＳＵＳ板９上に設置す
る。このとき、液晶表示パネルは、割断すべき箇所に形
成したスクライブライン４を、第１のゴムシート１８に
おける第２のゴムシート１９に対する境界線との隣接箇
所に位置決めするとともに、アレイ基板１におけるスク
ライブライン４に対し長辺側部分１ｂが第１のゴムシー
ト１８上に対向し、且つ短辺側部分１ｃが第２のゴムシ
ート１９上に対向するよう配置して導電性シート付きＳ
ＵＳ板９上に載置する。

【００２１】そして、アレイ基板１における各スクライ
ブライン４の反対側箇所をブレイクバー１０によってカ
ラーフィルタ基板２を介し押圧することにより、アレイ
基板１は、各スクライブライン４に沿って割断される。
（ｂ）の２点鎖線は、アレイ基板１における割断線を示
し、この割断線は、図１で説明したようにスクライブラ
イン４に沿い、且つアレイ基板１の厚み方向に正確に一
致するものとなる。

【００２２】続いて、（ｃ）に示すように、アレイ基板
１の割断工程において上方に位置しているカラーフィル
タ基板２における割断すべき各箇所にそれぞれ（ａ）に
示したダイヤモンドカッター１１を用いてスクライブラ
イン４を形成する。つぎに、（ｄ）に示すように、液晶
表示パネルを上下反転させた状態として割断テーブル７
の上面の導電性シート付きＳＵＳ板９上に設置する。こ
のとき、液晶表示パネルは、図示していないが（ｂ）の
場合とほぼ同様に、割断すべき箇所に形成したスクライ
ブライン４を、第１のゴムシート１８における第２のゴ
ムシート１９に対する境界線との隣接箇所に位置決めす
るとともに、カラーフィルタ基板２におけるスクライブ
ライン４に対し長辺側部分２ａが第１のゴムシート１８
上に対向し、且つ短辺側部分２ｂが第２のゴムシート１
９上に対向するよう配置して導電性シート付きＳＵＳ板
９上に載置する。

【００２３】そして、液晶表示パネルにおける各スクラ
イブライン４に対向する反対側箇所をブレイクバー１０
によってアレイ基板１を介し押圧することにより、カラ
ーフィルタ基板２は、各スクライブライン４に沿って割
断される。（ｄ）の２点鎖線は、カラーフィルタ基板２
における割断箇所を示し、この割断線は、図１で説明し
たようにスクライブライン４に沿い、且つカラーフィル
タ基板２の厚み方向に正確に一致するものとなる。

【００２４】上記割断工程を得ることにより、（ｅ）に
示すように、アレイ基板１およびカラーフィルタ基板２
が品種別に応じて設定された所定寸法にそれぞれ仕上げ
られてなる液晶表示パネルが得られる。この液晶表示パ
ネルは、カラーフィルタ基板２の割断面２０が厚み方向
にほぼ一致したものとなるから、カラーフィルタ基板２
には、従来の液晶表示パネルに発生していた突出部が存
在しない。これにより、アレイ基板１の実装端子部１ａ
を所要値に設定して割断しても、カラーフィルタ基板２
に突出部が存在しないことから、従来において発生して
いた電気部品３の実装不良、実装ツール１４の破損ある
いはカラーフィルタ基板２の割れや欠けといった不具合
を確実に防止することができるとともに、近年において
液晶表示装置に強く要望されている狭額縁化の達成が可
能な液晶表示パネルを得ることができる。

【００２５】図３は本発明の第２の実施の形態に係る液
晶表示パネルの割断方法を具現化した液晶表示パネルの
割断手段を示す側面図であり、同図において、図１と同
一若しくは同等のものには同一の符号を付してある。液
晶表示パネルの割断方法では、割断テーブル７上に、第
１のゴムシート２１を敷設するとともに、割断テーブル
７上に第１のゴムシート２１の未敷設部分を設けて、そ
の未敷設部分に、第１のゴムシート２１に対し僅かに厚
みの大きい第２のゴムシート２２を敷設する。この実施
の形成では、第２のゴムシート２２の厚みを、第１のゴ
ムシート２１の厚みに対し導電性シート付きＳＵＳ板９
の厚み分だけ大きく設定した場合を例示してあり、第１
のゴムシート２１の上面にのみ導電性シート付きＳＵＳ
板９が載置され、両ゴムシート２１，２２の上方部分が
導電性シート付きＳＵＳ板９を介して面一になるよう設
定されている。

【００２６】そして、割断すべき液晶表示パネルは、割
断すべき箇所に形成したスクライブライン４を、第１の
ゴムシート２１における第２のゴムシート２２に対する
境界線との隣接箇所に位置決めするとともに、下方側に
位置するカラーフィルタ基板２におけるスクライブライ
ン４に対し長辺側部分が第１のゴムシート２１上に、且
つ短辺側部分が第２のゴムシート２２上に対向するよう
配置して導電性シート付きＳＵＳ板９上および第２のゴ
ムシート２２上に載置する。

【００２７】液晶表示パネルを上記配置で載置したのち
に、この液晶表示パネルにおけるスクライブライン４に
対向する反対側の上面箇所をブレイクバー１０によって
押圧する。これにより、スクライブライン４が形成され
ているカラーフィルタ基板２は、スクライブライン４に
沿って割断される。このとき、厚みの小さい第１のゴム
シート２１は、カラーフィルタ基板２に対し第１の実施
の形態の低硬度の第１のゴムシート１８と同様に機能
し、且つ厚みの大きい第２のゴムシート２２は、カラー
フィルタ基板２に対し第１の実施の形態の高硬度の第２
のゴムシート１９と同様に機能する。

【００２８】すなわち、この割断手段では、カラーフィ
ルタ基板２の短辺側部分に、比較的厚みの大きい第２の
ゴムシート２２で支持することによってブレイクバー１
０の押圧力が効率的に作用するよう図るとともに、カラ
ーフィルタ基板２の長辺側部分に、比較的低い厚みの小
さい第１のゴムシート２１で支持することによりブレイ
クバー１０の押圧力を第１のゴムシート２１自体の変形
により若干吸収して、小さな押圧力が作用するよう図っ
ている。これにより、カラーフィルタ基板２は、ブレイ
クバー１０により所定の押圧力を受けたときに、スクラ
イブライン４に対する短辺側部分と長辺側部分との各々
の変形量が両ゴムシート２１，２２の厚みの差による弾
力の相違によってほぼ同じとなり、スクライブライン４
に沿って厚み方向の割断線で正確に割断される。なお、
この第２の実施の形態に係る液晶表示パネルの割断方法
の具体例は、第１の実施の形態の割断工程を工程順に示
した図２（ａ）〜（ｅ）とほぼ同じであるから、それを
図示しての説明を割愛する。

【００２９】

【発明の効果】以上のように本発明の液晶表示パネルの
割断方法によれは、基板における変形させるのに比較的
大きな押圧力を必要とするスクライブラインに対する短
辺側部分に、高硬度弾性体または厚みの大きなな弾性体
で支持することによってブレイクバーの押圧力が効率的
に作用するよう図るとともに、比較的小さな押圧力で容
易に変形するスクライブラインに対する長辺側部分に、
低硬度弾性体で支持することによりブレイクバーの押圧
力を低硬度弾性体自体の変形により若干吸収して、小さ
な押圧力が作用するよう図っているので、基板は、ブレ
イクバーにより所定の押圧力を受けたときに、スクライ
ブラインに対する短辺側部分と長辺側部分との各々の変
形量が両弾性体の硬度差によってほぼ同じとなり、スク
ライブラインに沿って厚み方向の割断線で正確に割断す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態に係る液晶表示パネ
ルの割断方法を具現化した液晶表示パネルの割断手段を
示す側面図

【図２】（ａ）〜（ｅ）は同上液晶表示パネルの割断方
法の具体的な割断工程を工程順に示した工程図

【図３】本発明の第２の実施の形態に係る液晶表示パネ
ルの割断方法を具現化した液晶表示パネルの割断手段を
示す側面図

【図４】（ａ）〜（ｅ）は従来の液晶表示パネルの割断
方法の具体的な割断工程を工程順に示した工程図

【図５】従来の液晶表示パネルの割断方法を示す側面図

【図６】同上割断方法により得られた液晶表示パネルを
用いた液晶表示装置を示す一部の側面図

【符号の説明】

１ アレイ基板（第１の基板） １ｂ，２ａ 長辺側部分 １ｃ，２ｂ 短辺側部分 ２ カラーフィルタ基板（第２の基板） ４ スクライブライン ７ 割断テーブル １０ ブレイクバー １８ 第１のゴムシート（低硬度弾性体） １９ 第２のゴムシート（高硬度弾性体） ２１ 第１のゴムシート ２２ 第２のゴムシート

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液晶セルを駆動する複数のアクティブ素
   子がマトリックス状に配設された第１の基板と、液晶セ
   ルの動作制御用の対向電極が形成された第２の基板と
   が、その間に液晶セル層を形成する所定の間隙を存して
   相対向され、且つ各々の周囲をシール剤で互い接合され
   てなる液晶表示パネルを、液晶の封入前の状態において
   所定寸法に割断する方法において、 前記第１または第２の基板の割断すべき箇所に沿ってス
   クライブラインを形成する工程と、 前記液晶表示パネルを、割断テーブル上の高硬度弾性体
   と低硬度弾性体との境界線部分に前記スクライブライン
   を位置決めするとともに、下方側に位置する前記基板に
   おける前記スクライブラインに対し長辺側部分が前記低
   硬度弾性体上に対向し、且つ短辺側部分が前記高硬度弾
   性体上に対向するよう配置して設置する工程と、 液晶表示パネルにおけるスクライブラインに対向する反
   対側の上面箇所をブレイクバーによって押圧する工程と
   を備えていることを特徴とする液晶表示パネルの割断方
   法。
2. 【請求項２】 液晶セルを駆動する複数のアクティブ素
   子がマトリックス状に配設された第１の基板と、液晶セ
   ルの動作制御用の対向電極が形成された第２の基板と
   が、その間に液晶セル層を形成する所定の間隙を存して
   相対向され、且つ各々の周囲をシール剤で互い接合され
   てなる液晶表示パネルを、液晶の封入前の状態において
   所定寸法に割断する方法において、 前記第１または第２の基板の割断すべき箇所に沿ってス
   クライブラインを形成する工程と、 前記液晶表示パネルを、割断テーブル上の厚みの小さい
   第１の弾性体と厚みの大きい第２の弾性体との境界線部
   分に前記スクライブラインを位置決めするとともに、下
   方側に位置する前記基板における前記スクライブライン
   に対し長辺側部分が前記第１の弾性体上に対向し、且つ
   短辺側部分が前記第２の弾性体上に対向するよう配置し
   て設置する工程と、 液晶表示パネルにおけるスクライブラインに対向する反
   対側の上面箇所をブレイクバーによって押圧する工程と
   を備えていることを特徴とする液晶表示パネルの割断方
   法。