JP3115366B2 - シリカ−チタニアガラスの製造方法 - Google Patents

シリカ−チタニアガラスの製造方法

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JP3115366B2 JP22148491A JP22148491A JP3115366B2 JP 3115366 B2 JP3115366 B2 JP 3115366B2 JP 22148491 A JP22148491 A JP 22148491A JP 22148491 A JP22148491 A JP 22148491A JP 3115366 B2 JP3115366 B2 JP 3115366B2
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
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    • C03B2201/40Doped silica-based glasses doped with metals, e.g. Ga, Sn, Sb, Pb or Bi doped with transition metals other than rare earth metals, e.g. Zr, Nb, Ta or Zn
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、構造用ガラスあるいは
複合材料のマトリックス相として有用な、高屈折率で、
機械的強度、透明性に優れる、大型のシリカ−チタニア
ガラスの製造が可能な方法に関する。
【0002】
【従来の技術】約10wt%以下のチタニアを含むシリ
カ−チタニアガラスは、低い熱膨脹係数を持つガラスと
してすでに知られており、精密光学用ガラスなどとして
用いられている。また10wt%を超えるチタニアを含
むシリカ−チタニアガラスは、高屈折率でかつ機械的強
度に優れるガラスとして期待されている。しかし、シリ
カ−チタニアガラスは融点が1550〜1800℃と高
いため、溶融法での作製においては、製造設備が高価な
上、エネルギー的に不利で、特殊なるつぼを使用しなけ
ればならず、得られる製品が高価となる。また作製中に
相分離を起こしやすい。
【0003】現在、シリカ−チタニアガラスを作製する
方法の1つとして、四塩化ケイ素(SiCl4)と四塩
化チタン(TiCl4)を原料としたフレームハイドロ
リシス法(米国特許第2326059号参照)が知られ
ている。この方法では、1750℃以上の高温で熱処理
をしなければならないので、やはり特殊な炉を用いる必
要がある。また、得られる製品は気泡を含みやすく、歩
留りも良好でない。
【0004】一方、シリコンアルコキシドとチタンアル
コキシドを加水分解してシリカ−チタニアゾル溶液を作
り、これをゲル化、乾燥、焼結するというゾル-ゲル法
によってシリカ−チタニアガラスを作製する方法も考案
されている。ゾル-ゲル法の長所は、溶融法やフレーム
ハイドロリシス法に比べてより低温の焼結によってガラ
スを作製できるということ、その結果ガラスの分相、結
晶化を低減することができること、溶液状態からの合成
法であるので純度や均一性に優れたガラスを製造できる
ことなどである。しかしゲル化後の湿潤ゲル体の乾燥工
程及び乾燥後の乾燥ゲル体の焼結工程において、亀裂を
生じやすく、大きなガラスを作製できないという問題点
がある。この問題点を解決するための方法として、次の
2つの方法が提案されている。一つは、ゲル化前の溶液
にN,N−ジメチルホルムアミドを添加する方法である
(特開平1−275447号公報参照)。他の一つは、
ゲル化前の溶液にシリカあるいはチタニアの微粉末を添
加する方法である(例えば、特開昭62−292626
号公報参照)。前者の方法は、表面張力が小さいN,N
−ジメチルホルムアミドを用いることによって乾燥時の
ゲル体内に発生する毛管力を低減して、亀裂を抑制しよ
うとするものである。後者の方法による亀裂抑制の効果
についてはよくわかっていないが、微粉末がゲル体の強
度を高める効果があると考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、筆者ら
は前述のN,N−ジメチルホルムアミドを添加する方法
を追試した結果、直径16mm以上の中型あるいは大型
のシリカ−チタニアガラスは得られなかった。
【0006】また微粉末を添加する方法によって、チタ
ニアが10wt%以下のシリカ−チタニアガラスを作製
した結果、溶液中で微粉末が凝集することが多いため、
微粉末が沈降して組成の不均一な箇所ができたり、焼結
後にポアが残留したりするため、得られたガラスの透明
性は不十分であった。さらにチタニアが10wt%を超
えるシリカ−チタニアガラスを作製した結果、透明なガ
ラスを作製することができなかった。これは、シリカ微
粒子あるいはチタニア微粒子を添加することで、ゲル体
の中でシリカとチタニアの濃度の不均一な箇所が生じた
ためである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するため鋭意努力した結果、これらを解決する
ガラスの製造方法を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、シリカ−チタニア複合微
粒子を含有するシリコンアルコキシド及びチタンアルコ
キシドの加水分解ゾル溶液(以下、複合微粒子含有ゾル
溶液という)を調製し、この混合ゾル溶液をゲル化し、
ついでこのゲルを乾燥したのち焼結することを特徴とす
るシリカ−チタニアガラスの製造方法に関する。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明におけるシリカ−チタニア複合微粒
子とは、単にシリカ微粒子とチタニア微粒子を混合した
ものではなく、シリコンアルコキシドとチタンアルコキ
シドを一部加水分解、重縮合したゾル溶液を塩基性触媒
を含む溶媒中に滴下して更に加水分解、重縮合して得ら
れるシリカ−チタニア複合微粒子、あるいはシリコンア
ルコキシドとチタンアルコキシドを加水分解したゾル溶
液をゲル化、乾燥、粉砕、必要ならばさらに焼成、粉
砕、分級を行って作製したシリカ−チタニア複合微粒子
などである。前者には、例えば、特開昭58−1104
14号で示されたような湿式法で合成されたシリカ−チ
タニア複合微粒子が挙げられる。
【0011】シリカ−チタニア複合微粒子の形状は特に
限定されないが、大きさは、平均粒径0.05〜1μm
のシリカ−チタニア複合微粒子が好適である。0.05
μmより小さい微粒子を用いたのでは、ゲル体の強度を
高くする効果が少なく、乾燥中に亀裂が発生しやすく、
大きなガラスを得にくい。また1μmよりも大きな微粒
子を用いた場合、焼結性が悪くなり、ガラスの透明性が
悪くなるので好ましくない。
【0012】本発明におけるシリコンアルコキシド及び
チタンアルコキシドの加水分解ゾル溶液(以下、加水分
解ゾル溶液という)とは、特に、沈澱物として肉眼では
観察されないような大きさのゾル粒子を含む透明な溶液
のことであり、シリコンアルコキシド及びチタンアルコ
キシドを所定の方法によって加水分解、縮重合を行い、
作製する。
【0013】該加水分解ゾル溶液を調製する場合、シリ
コンアルコキシド及びチタンアルコキシドを混合した
後、同時に加水分解する方法、あるいは一方を一部加水
分解した(以下、予備加水分解という)後、他方を添加
し、さらに加水分解する(以下、最終加水分解という)
方法などがある。後者の方法は、用いるシリコンアルコ
キシドとチタンアルコキシドの加水分解速度が大きく異
なり、加水分解時に沈澱を生じやすい場合に特に用いら
れる。
【0014】上記シリコンアルコキシドとしては種々あ
るが、工業的に入手しやすいものとして例えば、一般式
Si(OR)4 で示される化合物、またはそれらを部分
的に加水分解して得られる低縮合物あるいはそれらの混
合物が特に限定されずに使用される。該一般式中のRは
アルキル基で一般にはメチル基、エチル基、イソプロピ
ル基、ブチル基等の低級アルキル基が好適に使用され
る。これらのシリコンアルコキシドは市販品をそのま
ま、または蒸留精製して用いればよい。
【0015】上記チタンアルコキシドとしては、一般式
Ti(OR′)4(但し、R′はアルキル基)で表示さ
れる化合物、または上記一般式中の1つあるいは2つの
アルコキシド基(OR′)がカルボキシル基あるいはβ
−ジカルボニル基で置換された化合物あるいはそれらの
混合物が好ましい。具体的に上記チタンアルコキシドを
例示すると、Ti(O-isoC3H7)4、Ti(O-nC4H9)4、Ti(O-CH2
CH(C2H5)C4H9)4、Ti(O-C17H35)4、Ti(O-isoC3H7)2[CO(C
H3)CHCOCH3]2、Ti(O-nC4H9)2[OC2H4N(C2H4OH)2]2、Ti(O
H)2[OCH(CH3)COOH]2、Ti(OCH2CH(C2H5)CH(OH)C3H7)4、T
i(O-nC4H9)2(OCOC17H35)等の化合物である。
【0016】加水分解は、水の他に、必要ならばアルコ
ールなどの溶媒、酸あるいは塩基触媒の存在下で、攪拌
しながら行われる。このとき水浴中あるいは湯浴中で加
水分解を行うのが望ましい。触媒とアルコールなどの溶
媒は、必ずしも必要ではないが、触媒は加水分解、重縮
合の速度を速める効果、アルコールなどの溶媒は沈澱物
の発生を抑制し、より均一なゾル溶液を作製するという
効果がある。
【0017】触媒は、酸あるいは塩基性化合物をそのま
まか、あるいは水またはアルコールなどの溶媒に溶解さ
せた状態のもの(以下、それぞれ酸性触媒、塩基性触媒
という)を用いる。そのときの濃度については特に限定
しないが、濃度が濃い場合は加水分解、重縮合速度が速
くなる傾向がある。但し、濃度の濃い塩基性触媒を用い
ると、ゾル溶液中で沈澱物が生成する場合があるため、
塩基性触媒の濃度は1規定(水溶液での濃度換算)以下
が望ましい。
【0018】酸性触媒あるいは塩基性触媒の種類は特に
限定されないが、濃度の濃い触媒を用いる必要がある場
合には、焼結後にガラス中にほとんど残留しないような
元素から構成される触媒がよい。具体的には、酸性触媒
としては、塩酸などのハロゲン化水素、硝酸、硫酸、亜
硫酸、硫化水素、過塩素酸、過酸化水素、炭酸、蟻酸や
酢酸などのカルボン酸、構造式RCOOHのRを他元素
または置換基によって置換した置換カルボン酸、ベンゼ
ンスルホン酸などのスルホン酸など、塩基性触媒として
は、アンモニア水などのアンモニア性塩基、エチルアミ
ンやアニリンなどのアミン類などがあげられる。
【0019】加水分解時に用いるアルコールなどの溶媒
としては、均一なゾル溶液を作製するために、極性溶媒
あるいは水と相溶しやすい溶媒{非誘電率(20℃)が
10以上のもの}、またはそれらの混合物が望ましい。
非誘電率(20℃)が10より小さい溶媒を用いると、
シリカ−チタニア複合微粒子を添加したときに分散性が
悪くなる場合があるので、好ましくない。好適な溶媒を
具体的に例示すると、アルコールとしてはメタノール、
エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブタノール、イソブチルアルコールなど、その
他の溶媒としてはN,N−ジメチルアセトアミド、N,
N−ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、アセトンな
どである。これらの溶媒の量(モル数)は、焼結後のガ
ラス中に含まれるシリカ、チタニアの合計モル数に対し
て、0〜30倍の範囲が好んで用いられる。なぜなら
ば、それ以上の量になるとゾル溶液がゲル化しにくくな
るためである。
【0020】複合微粒子含有ゾル溶液を調製する場合、
シリカ−チタニア複合微粒子の添加形態については、特
に限定しないが、大きく分けると、シリカ−チタニア複
合微粒子をそのまま添加する方法と、溶媒に分散させた
状態のシリカ−チタニア複合微粒子を添加する方法の2
通りある。以下、前者を乾式添加法、後者を湿式添加法
とする。
【0021】平均粒径0.05〜0.25μmのシリカ
−チタニア複合微粒子を用いるときは、湿式添加法をと
るのが望ましい。なぜならば、そのような状態のシリカ
−チタニア複合微粒子を用いることによって、添加後の
シリカ−チタニア複合微粒子の分散性が非常によくな
り、乾燥後のゲル体の焼結性がよくなるからである。特
に、微粒子の粒径は異なるが特開昭58−110414
号で開示された湿式法と同様の方法で合成された平均粒
径0.05〜0.25μmのシリカ−チタニア複合微粒
子を用いる場合には、合成直後の該複合微粒子を回収し
て粉末状態としたものを添加するのではなく、溶媒置換
を行うことによって、一度も乾燥状態を経ずに適当な溶
媒中に分散させた状態のシリカ−チタニア複合微粒子を
添加する方がより好ましい。そのとき用いる溶媒として
は、該複合微粒子の分散性を悪くしないような前述の極
性溶媒あるいは水と相溶しやすい溶媒{非誘電率(20
℃)が10以上のもの}、またはそれらの混合物が望ま
しい。
【0022】一方、0.25μm〜1μmのシリカ−チタ
ニア複合微粒子を用いるときは、乾式添加法でもかまわ
ない。
【0023】また、シリカ−チタニア複合微粒子の添加
時期は、加水分解ゾル溶液がゲル化する前であれば特に
限定されず、加水分解を行う前の段階から、加水分解ゾ
ル溶液を調製した後の段階までのいずれかの時期に行わ
れる。例えば、加水分解を行う前の段階で添加する場合
は、シリコンアルコキシドあるいはチタンアルコキシド
にシリカ−チタニア複合微粒子を添加、分散させた後、
所定の加水分解を行う方法、あるいは水、触媒、アルコ
ールなどの溶媒をあらかじめ混合した溶液に該複合微粒
子を添加して分散させ、その後アルコキシドを混合し、
所定の加水分解を行う方法などがとられる。もちろん、
加水分解ゾル溶液調製時に、または調製後に添加しても
良い。
【0024】添加するシリカ−チタニア複合微粒子の量
(酸化物換算)は、特に限定されないが、望ましくは、
最終的に得られるシリカ−チタニアガラスの量(酸化物
換算)に対して10〜90wt%がよい。シリカ−チタ
ニア複合微粒子の量が10wt%よりも少ないと、添加
の効果が少なく、ゲル体の乾燥中に亀裂が入りやすい。
90wt%よりも多いと、複合微粒子を含むゾル溶液の
ゲル化に時間がかかる上、かえってゲル体の強度が低下
し、ゲル体に亀裂が発生しやすい。
【0025】シリカ−チタニア複合微粒子に含まれるシ
リカとチタニアの組成(酸化物換算)は、加水分解ゾル
溶液に含まれるシリカとチタニアの組成(酸化物換算)
に近い方がよい。なぜならば、乾燥後のゲル体に組成の
不均一な部分があると、焼結後に屈折率の分布が生じた
り、結晶性のチタニア(アナターゼあるいはルチル)が
多く晶出して、ガラスが不透明となるためである。ガラ
スの透明性を確保するためには、両者に含まれるチタニ
ア量(最終的なガラス組成物での酸化物換算)のずれ
が、加水分解ゾル溶液中に含まれるチタニア量(最終的
なガラス組成物での酸化物換算)に対して±10%以内
になっていることが望ましい。
【0026】複合微粒子含有ゾル溶液は、密閉容器中に
移し、30〜80℃の温度でゲル化させた後、通常、一
定期間熟成させる。ゲル化時及び熟成時は、昇温しなが
らあるいは一定温度で行う。熟成期間は特に限定されな
いが、少なくともゲル化した後のゲル体(以下、湿潤ゲ
ル体という)が収縮し始めるまで行った方がよい。具体
的には、5時間〜2週間が望ましい。
【0027】熟成後、容器を開放系にして、乾燥を開始
する。乾燥は、45〜200℃の温度範囲で行う。この
とき一定温度で乾燥を行ってもよいが、乾燥と同時に昇
温すると、乾燥期間が短縮される傾向がある。昇温速度
は、効率よく乾燥を行うため、あるいは乾燥時の亀裂を
防止するために、0.1℃/時〜10℃/時で行うのが
好ましい。
【0028】なお、ゲル化、熟成、乾燥は市販の換気式
オーブンを用いて行えばよい。
【0029】乾燥を終了したゲル体(以下、乾燥ゲル体
という)は、市販の電気炉を用いて、大気中または酸素
中、必要ならば真空中にて、1000℃〜1200℃の
温度で焼結を行う。真空中での焼結は、乾燥ゲル体中の
残留有機物が燃焼し終わる温度即ち500〜700℃ま
で大気中または酸素中での焼結を行った後に、行うのが
望ましい。真空度は10-2Torr以上がよい。
【0030】本発明によって作製されたシリカ−チタニ
アガラスは用途によっては必ずしも透明である必要はな
く、半透明であってもよい。例えば、本ガラスを歯科材
料用セラミックスなどの精密光学用ガラス以外の用途と
して用いる場合には、半透明であれば十分である。この
ような半透明性を持たせるためには、本ガラスの構造が
必ずしも100%ガラス状態である必要はなく、若干の
結晶相を晶出させてもよい。本発明におけるシリカ−チ
タニアガラスでは、チタニア含有量が5wt%を超える
ものでは、焼結温度が高い場合、若干のアナターゼある
いはルチルが晶出することがあるが、外観は透明あるい
は半透明である。
【0031】
【実施例】以下、実施例を示すが、何等これらに限定さ
れない。
【0032】実施例1〜9 まずシリカ−チタニア複合微粒子を以下の方法で作製し
ておく。
【0033】市販のテトラエトキシシラン41.66g
に0.1規定の希塩酸1.24mlとメタノール80.
0mlを加え、60℃で40分間攪拌し、予備加水分解
を行った後、35℃に冷却した。これにテトラn−ブト
キシチタン11.75gとイソプロピルアルコール8
0.0mlの混合溶液を加え、20分間攪拌した。以下
この溶液をゾル溶液(1)という。このゾル溶液(1)
を1.65ml/分の速度で、1500mlのメタノー
ルと300mlの28%アンモニア水との混合溶液(3
5℃)に攪拌下で滴下し、シリカ−チタニア複合微粒子
を作製した。ゾル溶液(1)の滴下後の混合溶液中に分
散したシリカ−チタニア複合微粒子にN,N−ジメチル
ホルムアミド(以下DMFという)を過剰に添加し、減
圧蒸留により溶媒置換を行い、シリカ−チタニア複合微
粒子が分散したDMF溶液を調製した。以下、この溶液
を複合微粒子分散DMF溶液という。同様の方法で複合
微粒子分散DMF溶液を3バッチ分、計186g作製し
た。これらの複合微粒子分散DMF溶液中に含まれるシ
リカ−チタニア複合微粒子の量は、23.8wt%であ
った。また作製したシリカ−チタニア複合微粒子は、S
EM観察から平均粒径約0.08μmのほぼ球状粒子で
あった。またX線回折分析から非晶質、蛍光X線分析か
らチタニア換算で18.8wt%含有のシリカ−チタニ
ア複合微粒子であった。
【0034】次に、テトラエトキシシラン93.75g
に0.1規定の希塩酸8.10mlとエタノール40.
5mlを加え、20℃で10分間攪拌し、予備加水分解
を行い、テトラn−ブトキシチタン26.47gを加
え、1時間攪拌した。以下この溶液をゾル溶液(2)と
いう。
【0035】上記複合微粒子分散DMF溶液とゾル溶液
(2)から表1に示した量をそれぞれとって混合し、3
0分間攪拌した。その後、さらに表1に示した量の0.
1規定の希塩酸をそれぞれ滴下し、1時間攪拌して最終
加水分解を行い、複合微粒子含有ゾル溶液を作製した。
以下、この溶液をゾル溶液(3)という。
【0036】表1に示した各ゾル溶液(3)を密閉性の
テフロン製容器(直径50mm)に入れ、45℃のオー
ブンに静置した。そして24時間で70℃まで昇温し、
70℃で24時間保持し、ゲル化及び熟成を行い、湿潤
ゲル体とした。その後、テフロン製容器のふたに穴を開
けて、湿潤ゲル体の乾燥を開始すると同時に、オーブン
の昇温を開始した。約8日間かけて200℃まで昇温
し、乾燥ゲル体を得た。表1中に示した9種類の乾燥ゲ
ル体を電気炉を用いて、約5日間かけて1100℃まで
昇温し、1時間焼結を行った。その結果、全て亀裂、発
泡の全くない直径約21mmの透明なシリカ−チタニア
ガラスが得られた。これらのシリカ−チタニアガラスの
X線回折分析を行った結果、いずれも若干のアナターゼ
が検出されたが、ほとんどが非晶質であった。また蛍光
X線分析から、得られたシリカ−チタニアガラスに含ま
れるチタニア量は、18.7wt%であった。
【0037】
【表1】
【0038】実施例10〜18 まずシリカ−チタニア複合微粒子を以下の方法で作製し
ておく。
【0039】市販のテトラエトキシシラン125.0g
に0.1規定の希塩酸3.73mlとメタノール24
0.0mlを加え、60℃で40分間攪拌し、予備加水
分解を行った後、35℃に冷却した。これにテトラn−
ブトキシチタン35.26gとイソプロピルアルコール
240.0mlの混合溶液を加え、20分間攪拌した。
以下この溶液をゾル溶液(4)という。このゾル溶液
(4)を2.00ml/分の速度で、1500mlのメ
タノールと300mlの28%アンモニア水との混合溶
液(35℃)に攪拌下で滴下し、シリカ−チタニア複合
微粒子を作製した。ゾル溶液(4)の滴下後の混合溶液
中に分散したシリカ−チタニア複合微粒子にDMFを過
剰に添加し、減圧蒸留により溶媒置換を行い、シリカ−
チタニア複合微粒子分散DMF溶液186gを調製し
た。複合微粒子分散DMF溶液中に含まれるシリカ−チ
タニア複合微粒子の量は、23.8wt%であった。ま
た作製したシリカ−チタニア複合微粒子は、SEM観察
から平均粒径約0.12μmのほぼ球状粒子であった。
またX線回折分析から非晶質、蛍光X線分析からチタニ
ア換算で18.8wt%含有のシリカ−チタニア複合微
粒子であった。
【0040】次に、テトラエトキシシラン93.75g
に0.1規定の希塩酸8.10mlとエタノール40.
5mlを加え、20℃で10分間攪拌し、予備加水分解
を行い、テトラn−ブトキシチタン26.47gを加
え、1時間攪拌した。以下この溶液をゾル溶液(5)と
いう。
【0041】上記複合微粒子分散DMF溶液とゾル溶液
(5)から表2に示した量をそれぞれとって混合し、3
0分間攪拌した。その後、さらに表2に示した量の0.
1規定の希塩酸をそれぞれ滴下し、1時間攪拌して最終
加水分解を行い、複合微粒子含有ゾル溶液を作製した。
以下、この溶液をゾル溶液(6)という。
【0042】表2に示した各ゾル溶液(6)を密閉性の
テフロン製容器(直径50mm)に入れ、45℃のオー
ブンに静置した。そして24時間で70℃まで昇温し、
70℃で24時間保持し、ゲル化及び熟成を行い、湿潤
ゲル体とした。その後、テフロン製容器のふたに穴を開
けて、湿潤ゲル体の乾燥を開始すると同時に、オーブン
の昇温を開始した。約8日間かけて200℃まで昇温
し、乾燥ゲル体を得た。表2中に示した9種類の乾燥ゲ
ル体を電気炉を用いて、約5日間かけて1100℃まで
昇温し、5時間焼結を行った。その結果、全て亀裂、発
泡の全くない直径約21mmの透明なシリカ−チタニア
ガラスが得られた。これらのシリカ−チタニアガラスの
X線回折分析を行った結果、いずれも若干のアナターゼ
が検出されたが、ほとんどが非晶質であった。また蛍光
X線分析から、得られたシリカ−チタニアガラスに含ま
れるチタニア量は、18.7wt%であった。
【0043】
【表2】
【0044】実施例19〜27 まずシリカ−チタニア複合微粒子を以下の方法で作製し
ておく。
【0045】市販のテトラエトキシシラン125.0g
に0.1規定の希塩酸10.80mlとメタノール24
0.0mlを加え、60℃で40分間攪拌し、予備加水
分解を行った後、35℃に冷却した。これにテトラn−
ブトキシチタン35.26gとイソプロピルアルコール
240.0mlの混合溶液を加え、20分間攪拌した。
以下この溶液をゾル溶液(7)という。このゾル溶液
(7)を2.00ml/分の速度で、1500mlのイ
ソプロピルアルコールと300mlの28%アンモニア
水との混合溶液(20℃)に攪拌下で滴下し、シリカ−
チタニア複合微粒子を作製した。ゾル溶液(7)の滴下
後の混合溶液中に分散したシリカ−チタニア複合微粒子
にDMFを過剰に添加し、減圧蒸留により溶媒置換を行
い、シリカ−チタニア複合微粒子分散DMF溶液186
gを調製した。複合微粒子分散DMF溶液中に含まれる
シリカ−チタニア複合微粒子の量は、23.8wt%で
あった。また作製したシリカ−チタニア複合微粒子は、
SEM観察から平均粒径約0.25μmのほぼ球状粒子
であった。またX線回折分析から非晶質、蛍光X線分析
からチタニア換算で18.8wt%含有のシリカ−チタ
ニア複合微粒子であった。
【0046】次に、テトラエトキシシラン93.75g
に0.1規定の希塩酸8.10mlとエタノール40.
5mlを加え、20℃で10分間攪拌し、予備加水分解
を行い、テトラn−ブトキシチタン26.47gを加
え、1時間攪拌した。以下この溶液をゾル溶液(8)と
いう。
【0047】複合微粒子分散DMF溶液とゾル溶液
(8)から表3に示した量をそれぞれとって混合し、3
0分間攪拌した。その後、さらに表3に示した量の0.
1規定の希塩酸をそれぞれ滴下し、1時間攪拌して最終
加水分解を行い、複合微粒子含有ゾル溶液を作製した。
以下、この溶液をゾル溶液(9)という。
【0048】表3に示した各ゾル溶液(9)を密閉性の
テフロン製容器(直径50mm)に入れ、45℃のオー
ブンに静置した。そして12時間で70℃まで昇温し、
70℃で36時間保持し、ゲル化及び熟成を行い、湿潤
ゲル体とした。その後、テフロン製容器のふたに穴を開
けて、湿潤ゲル体の乾燥を開始すると同時に、オーブン
の昇温を開始した。約8日間かけて200℃まで昇温
し、乾燥ゲル体を得た。表3中に示した9種類の乾燥ゲ
ル体を電気炉を用いて約5日間かけて1150℃まで昇
温し、3時間焼結を行った。その結果、全て亀裂、発泡
の全くない直径約22mmのほぼ透明なシリカ−チタニ
アガラスが得られた。これらのシリカ−チタニアガラス
のX線回折分析を行った結果、いずれも若干のアナター
ゼが検出されたが、ほとんどが非晶質であった。また蛍
光X線分析から、得られたシリカ−チタニアガラスに含
まれるチタニア量は、18.7wt%であった。
【0049】
【表3】
【0050】実施例28〜36 まずシリカ−チタニア複合微粒子を以下の方法で作製し
ておく。
【0051】市販のテトラエトキシシラン125.0g
に0.1規定の希塩酸3.73mlとメタノール24
0.0mlを加え、60℃で40分間攪拌し、予備加水
分解を行った後、35℃に冷却した。これにテトラn−
ブトキシチタン27.94gとイソプロピルアルコール
240.0mlの混合溶液を加え、20分間攪拌した。
以下この溶液をゾル溶液(10)という。このゾル溶液
(10)を2.00ml/分の速度で、1500mlの
メタノールと300mlの28%アンモニア水との混合
溶液(35℃)に攪拌下で滴下し、シリカ−チタニア複
合微粒子を作製した。ゾル溶液(10)の滴下後の混合
溶液中に分散したシリカ−チタニア複合微粒子にDMF
を過剰に添加し、減圧蒸留により溶媒置換を行い、シリ
カ−チタニア複合微粒子分散DMF溶液を調製した。同
様の方法で複合微粒子分散DMF溶液を3バッチ分、計
537gを作製した。これらの複合微粒子分散DMF溶
液中に含まれるシリカ−チタニア複合微粒子の量は、2
3.8wt%であった。また作製したシリカ−チタニア
複合微粒子は、SEM観察から平均粒径約0.12μm
のほぼ球状粒子であった。またX線回折分析から非晶
質、蛍光X線分析からチタニア換算で15.4wt%含
有のシリカ−チタニア複合微粒子であった。
【0052】次に、テトラエトキシシラン195.1g
に0.1規定の希塩酸16.86mlとエタノール8
4.29mlを加え、20℃で10分間攪拌し、予備加
水分解を行い、テトラn−ブトキシチタン43.61g
を加え、1時間攪拌した。以下この溶液をゾル溶液(1
1)という。
【0053】複合微粒子分散DMF溶液とゾル溶液(1
1)から表4に示した量をそれぞれとって混合し、30
分間攪拌した。その後、さらに表4に示した量の0.1
規定の希塩酸をそれぞれ滴下し、1時間攪拌して最終加
水分解を行い、複合微粒子含有ゾル溶液を作製した。以
下、この溶液をゾル溶液(12)という。
【0054】表4に示した各ゾル溶液(12)を密閉性
のテフロン製容器(直径80mm)に入れ、45℃のオ
ーブンに静置した。そして24時間で70℃まで昇温
し、70℃で24時間保持し、ゲル化及び熟成を行い、
湿潤ゲル体とした。その後、テフロン製容器のふたに穴
を開けて、湿潤ゲル体の乾燥を開始すると同時に、オー
ブンの昇温を開始した。約8日間かけて200℃まで昇
温し、乾燥ゲル体を得た。
【0055】表4中に示した9種類の乾燥ゲル体を電気
炉を用いて約5日間かけて1100℃まで昇温し、5時
間焼結を行った。その結果、全て亀裂、発泡の全くない
直径約34mmの透明なシリカ−チタニアガラスが得ら
れた。これらのシリカ−チタニアガラスのX線回折分析
を行った結果、いずれも若干のアナターゼが検出された
が、ほとんどが非晶質であった。また蛍光X線分析か
ら、得られたシリカ−チタニアガラスに含まれるチタニ
ア量は、15.4wt%であった。
【0056】
【表4】
【0057】実施例37〜43 まずシリカ−チタニア複合微粒子を以下の方法で作製し
ておく。
【0058】市販のテトラエトキシシラン250.0g
に0.1規定の希塩酸21.6mlとエタノール10
8.0mlを加え、20℃で10分間攪拌し、予備加水
分解を行った後、テトラn−ブトキシチタン55.88
gを加え、1時間攪拌した。これに0.1規定の希塩酸
187.8gを滴下した後、1時間攪拌して最終加水分
解を行い、ゾル溶液を作製した。以下、この溶液をゾル
溶液(13)という。このゾル溶液(13)を密閉性の
テフロン製容器に入れ、70℃のオーブンに24時間静
置し、ゲル化及び熟成を行い、湿潤ゲル体とした。その
後、テフロン製容器のふたに穴を開けて、湿潤ゲル体の
乾燥を開始すると同時に、オーブンの温度を24時間か
けて200℃まで昇温し、小片状の乾燥ゲル体を得た。
この乾燥ゲル体をボールミルで粉砕し、電気炉で600
℃、1時間焼成を行い、シリカ−チタニア複合微粒子を
作製した。作製したシリカ−チタニア複合微粒子は、X
線回折分析から非晶質であり、蛍光X線分析からチタニ
ア換算で15.4wt%のチタニアを含有していた。
【0059】このシリカ−チタニア複合微粒子をさらに
振動ボールミルで粉砕した後、遠心分離機を用いてDM
F中で湿式分級を行い、DMFに分散した平均粒径0.
5μmの不定形のシリカ−チタニア複合微粒子を得た。
以下、この溶液を複合微粒子分散DMF溶液という。複
合微粒子分散DMF溶液に含まれるシリカ−チタニア複
合微粒子の割合は、23.8wt%であった。
【0060】次に、テトラエトキシシラン97.55g
に0.1規定の希塩酸8.43mlとエタノール42.
1mlを加え、20℃で10分間攪拌し、予備加水分解
を行い、テトラn−ブトキシチタン21.80gを加
え、1時間攪拌した。以下この溶液をゾル溶液(14)
という。
【0061】表5に示した量の複合微粒子分散DMF溶
液とゾル溶液(14)をそれぞれとって混合し、30分
間攪拌した。その後、さらに表5に示した量の0.1規
定の希塩酸をそれぞれ滴下し、45℃の湯浴中で6時間
攪拌して最終加水分解を行い、複合微粒子含有ゾル溶液
を作製した。以下、この溶液をゾル溶液(15)とい
う。
【0062】表5に示した各ゾル溶液(15)を密閉性
のテフロン製容器(直径80mm)に入れ、45℃のオ
ーブンに静置した。そして12時間で70℃まで昇温
し、70℃で36時間保持し、ゲル化及び熟成を行い、
湿潤ゲル体とした。その後、テフロン製容器のふたに穴
を開けて、湿潤ゲル体の乾燥を開始すると同時に、オー
ブンの昇温を開始した。約8日間かけて200℃まで昇
温し、乾燥ゲル体を得た。
【0063】表5中に示した7種類の乾燥ゲル体を電気
炉を用いて約5日間かけて1150℃まで昇温し、10
時間焼結を行った。その結果、全て亀裂、発泡の全くな
い直径約36mmの半透明なシリカ−チタニアガラスが
得られた。これらのシリカ−チタニアガラスのX線回折
分析を行った結果、いずれも若干のアナターゼが検出さ
れたが、ほとんどが非晶質であった。また蛍光X線分析
から、得られたシリカ−チタニアガラスに含まれるチタ
ニア量は、15.4wt%であった。
【0064】
【表5】
【0065】比較例1 市販のテトラエトキシシラン49.94gに0.1規定
の希塩酸4.32mlとエタノール21.6mlを加
え、20℃の水浴中で10分間攪拌し、予備加水分解を
行い、テトラn−ブトキシチタン11.16gを加え、
1時間攪拌した。この溶液に0.1規定の希塩酸37.
51ml滴下し、1時間攪拌して最終加水分解を行っ
た。さらにこの溶液にDMFを39.85g加え、30
分間攪拌した。以下、この溶液をゾル溶液(16)とい
う。
【0066】次に、湯浴の温度を45℃に上昇させた
後、ゾル溶液(16)を密閉性のテフロン製容器(直径
80mm)に入れ、45℃のオーブンに静置した。そし
て24時間で70℃まで昇温し、70℃で24時間保持
し、ゲル化及び熟成を行い、湿潤ゲル体とした。その
後、テフロン製容器のふたに穴を開けて、湿潤ゲル体の
乾燥を開始すると同時に、オーブンの昇温を開始した。
約8日間かけて200℃まで昇温し、乾燥ゲル体を得
た。得られた乾燥ゲル体は、亀裂が入り、破砕したもの
であった。
【0067】この小片状の乾燥ゲル体を電気炉を用いて
約5日間かけて1100℃まで昇温し、1時間焼結を行
った。その結果、発泡のない小片状の透明なシリカ−チ
タニアガラスが得られた。これらのシリカ−チタニアガ
ラスのX線回折分析を行った結果、若干のアナターゼが
検出されたが、ほとんどが非晶質であった。また蛍光X
線分析から、得られたシリカ−チタニアガラスに含まれ
るチタニア量は、15.4wt%であった。
【0068】比較例2 市販のテトラエトキシシラン49.94gに0.1規定
の希塩酸4.32mlとエタノール21.6mlを加
え、20℃の水浴中で10分間攪拌し、予備加水分解を
行い、テトラn−ブトキシチタン11.16gを加え、
1時間攪拌した。この溶液に0.1規定の希塩酸37.
51ml滴下し、1時間攪拌して最終加水分解を行っ
た。以下、この溶液をゾル溶液(17)という。
【0069】ゾル溶液(17)に、平均粒径が0.05
μmの微粉末シリカ5.11gを超音波照射下で添加
し、さらに1時間攪拌した。以下、この溶液を微粉末シ
リカ分散ゾル溶液という。
【0070】次に、湯浴の温度を45℃に上昇させた
後、微粉末シリカ分散ゾル溶液を密閉性のテフロン製容
器(直径80mm)に入れ、45℃のオーブンに静置し
た。そして24時間で70℃まで昇温し、70℃で24
時間保持し、ゲル化及び熟成を行い、湿潤ゲル体とし
た。その後、テフロン製容器のふたに穴を開けて、湿潤
ゲル体の乾燥を開始すると同時に、オーブンの昇温を開
始した。約8日間かけて200℃まで昇温し、乾燥ゲル
体を得た。得られた乾燥ゲル体は、亀裂が入り、破砕し
たものであった。
【0071】この小片状の乾燥ゲル体を電気炉を用いて
約5日間かけて1100℃まで昇温し、1時間焼結を行
った。その結果、小片状の白色不透明のシリカ−チタニ
アガラスが得られた。これらのシリカ−チタニアガラス
のX線回折分析を行った結果、若干のアナターゼが検出
されたが、ほとんどが非晶質であった。また蛍光X線分
析から、得られたシリカ−チタニアガラスに含まれるチ
タニア量は、11.8wt%であった。
【0072】比較例3 市販のテトラエトキシシラン49.94gに0.1規定
の希塩酸4.32mlとエタノール21.6mlを加
え、20℃の水浴中で10分間攪拌し、予備加水分解を
行い、テトラn−ブトキシチタン11.16gを加え、
1時間攪拌した。この溶液に0.1規定の希塩酸37.
51ml滴下し、1時間攪拌して最終加水分解を行っ
た。以下、この溶液をゾル溶液(18)という。
【0073】DMF16.36gに比較例2で用いた微
粉末シリカ5.11gを超音波照射下に添加、攪拌して
分散させた溶液を作製し、これをゾル溶液(18)に添
加して、さらに1時間攪拌した。以下、この溶液を微粉
末シリカ分散ゾル溶液という。
【0074】次に、湯浴の温度を45℃に上昇させた
後、微粉末シリカ分散ゾル溶液を密閉性のテフロン製容
器(直径80mm)に入れ、45℃のオーブンに静置し
た。そして24時間で70℃まで昇温し、70℃で24
時間保持し、ゲル化及び熟成を行い、湿潤ゲル体とし
た。その後、テフロン製容器のふたに穴を開けて、湿潤
ゲル体の乾燥を開始すると同時に、オーブンの昇温を開
始した。約8日間かけて200℃まで昇温し、乾燥ゲル
体を得た。
【0075】得られた乾燥ゲル体を電気炉を用いて約5
日間かけて1100℃まで昇温し、1時間焼結を行っ
た。その結果、亀裂のない白色不透明のシリカ−チタニ
アガラスが得られた。これらのシリカ−チタニアガラス
のX線回折分析を行った結果、若干のアナターゼが検出
されたが、ほとんどが非晶質であった。また蛍光X線分
析から、得られたシリカ−チタニアガラスに含まれるチ
タニア量は、11.8wt%であった。
【0076】比較例4 市販のテトラエトキシシラン49.94gに0.1規定
の希塩酸4.32mlとエタノール21.6mlを加
え、20℃の水浴中で10分間攪拌し、予備加水分解を
行い、テトラn−ブトキシチタン11.16gを加え、
1時間攪拌した。この溶液に0.1規定の希塩酸37.
51ml滴下し、1時間攪拌して最終加水分解を行っ
た。以下、この溶液をゾル溶液(19)という。
【0077】ゾル溶液(19)に、平均粒径が0.1μ
mの微粉末チタニア5.11gを超音波照射下で添加
し、さらに1時間攪拌した。以下、この溶液を微粉末チ
タニア分散ゾル溶液という。
【0078】次に、湯浴の温度を45℃に上昇させた
後、微粉末チタニア分散ゾル溶液を密閉性のテフロン製
容器(直径80mm)に入れ、45℃のオーブンに静置
した。そして24時間で70℃まで昇温し、70℃で2
4時間保持し、ゲル化及び熟成を行い、湿潤ゲル体とし
た。その後、テフロン製容器のふたに穴を開けて、湿潤
ゲル体の乾燥を開始すると同時に、オーブンの昇温を開
始した。約8日間かけて200℃まで昇温し、乾燥ゲル
体を得た。得られた乾燥ゲル体は、亀裂が入り、破砕し
たものであった。
【0079】この小片状の乾燥ゲル体を電気炉を用いて
約5日間かけて1100℃まで昇温し、1時間焼結を行
った。その結果、小片状の白色不透明のシリカ−チタニ
アガラスが得られた。これらのシリカ−チタニアガラス
のX線回折分析を行った結果、アナターゼとルチルが検
出された。また蛍光X線分析から、得られたシリカ−チ
タニアガラスに含まれるチタニア量は、34.9wt%
であった。
【0080】比較例5 市販のテトラエトキシシラン49.94gに0.1規定
の希塩酸4.32mlとエタノール21.6mlを加
え、20℃の水浴中で10分間攪拌し、予備加水分解を
行い、テトラn−ブトキシチタン11.16gを加え、
1時間攪拌した。この溶液に0.1規定の希塩酸37.
51ml滴下し、1時間攪拌して最終加水分解を行っ
た。以下、この溶液をゾル溶液(20)という。
【0081】ゾル溶液(20)に、あらかじめ前出の微
粉末シリカ4.32gと微粉末チタニア0.79gを乳
鉢で混合した粉末を超音波照射下で添加し、さらに1時
間攪拌した。以下、この溶液を微粉末シリカ−チタニア
分散ゾル溶液という。
【0082】次に、湯浴の温度を45℃に上昇させた
後、微粉末シリカ−チタニア分散ゾル溶液を密閉性のテ
フロン製容器(直径80mm)に入れ、45℃のオーブ
ンに静置した。そして24時間で70℃まで昇温し、7
0℃で24時間保持し、ゲル化及び熟成を行い、湿潤ゲ
ル体とした。その後、テフロン製容器のふたに穴を開け
て、湿潤ゲル体の乾燥を開始すると同時に、オーブンの
昇温を開始した。約8日間かけて200℃まで昇温し、
乾燥ゲル体を得た。得られた乾燥ゲル体は、亀裂が入
り、破砕したものであった。
【0083】乾燥ゲル体を電気炉を用いて約5日間かけ
て1100℃まで昇温し、1時間焼結を行った。その結
果、小片状の白色不透明のシリカ−チタニアガラスが得
られた。これらのシリカ−チタニアガラスのX線回折分
析を行った結果、若干のアナターゼとルチルが検出され
た。また蛍光X線分析から、得られたシリカ−チタニア
ガラスに含まれるチタニア量は、15.4wt%であっ
た。
【0084】
【発明の効果】本発明の製造方法を用うれば、高屈折率
で、機械的強度、透明性に優れるシリカ−チタニアガラ
スを、エネルギ−的に有利なゾル−ゲル法で製造でき
る。特に、従来法では製造できなかったチタニアの含有
量が大きな、しかも大型のガラスを製造可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03B 8/02 C03B 19/12 C03C 1/00 - 14/00 C01B 33/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリカ−チタニア複合微粒子を含有する
    シリコンアルコキシド及びチタンアルコキシドの加水分
    解ゾル溶液を調製し、この混合ゾル溶液をゲル化し、つ
    いでこのゲルを乾燥したのち焼結することを特徴とする
    シリカ−チタニアガラスの製造方法。
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