JP4075193B2 - ニオブ含有合成石英ガラス粉及び石英ガラス成形体並びにそれらの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造分野、特に1000℃以上の高温で使用される半導体製造プロセスで使用される石英ガラス、或いは光ファイバーの製造等の製造に使用される石英ガラス製品の原料となる合成石英ガラス粉及び石英ガラス成形体に関する。詳しくは、ニオブを含有し、高温強度の向上した合成石英ガラス粉及び石英ガラス成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体製造分野に用いられる石英ガラスに関しては、純度が厳密に管理されている。この要求を満たす高純度のガラス原料用に天然に産する石英を精製、粉砕した天然石英粉が従来から使用されてきた。しかし、半導体の高集積化や歩留まり向上の要求によりさらに高純度の石英ガラス原料が求められている。このような純度が極めて高い石英ガラスとしては、四塩化珪素を原料とする気相法による方法があるが、多大のエネルギーを要し、効率が悪いなどの欠点がある。そこで、アルコキシシラン等の蒸留精製が可能な有機珪素化合物を原料とした液相反応によりシリカゲルとし、乾燥、焼成工程を経てガラスとする、いわゆるゾル−ゲル法により合成石英粉を製造して、石英ガラス原料とする方法がある。ゾル−ゲル法による石英ガラス粉は液相での反応であることから、効率よく生産することが可能である。
【0003】
しかしながら、ゾル−ゲル法を経由して製造した合成石英ガラス粉を原料として溶融した石英ガラス成形体は、高純度ではあるものの天然石英粉を原料とした溶融品に比較すると高温での強度が低い欠点を有している。合成石英ガラスの高温での強度を向上する方法として、天然石英粉中にも含まれているアルミニウムを微量添加する手法が公知である(特開昭61−236619号公報、特開平3−45530号公報)。合成石英ガラスにアルミニウムを微量添加する手段としては、天然石英粉と同様に石英粉にアルミニウム化合物を混合する方法が知られている(特開平7−81,971号公報)。また、本発明者らは、アルコキシシランの加水分解時にアルミニウムのキレート化合物を添加してゾル−ゲル反応を実施、粉砕、乾燥した後に加熱無孔化する方法を提案している(特開平10−287417、287418号公報)。この方法によれば、アルミニウムをシリカ中に均一に分散した石英ガラスが得られている。
【0004】
更に、ジルコニウムを5−10ppm添加する方法(特開昭63−310748号公報、3価元素のAl、Y、Laから1つを添加する方法(特開平6−219768号公報)も知られている。しかしながら、微量添加することにより高温での強度が向上する元素としてこの他の元素の提案はなく、高温強度を向上させる添加元素は多くない。
【0005】
一方、石英ガラスへのニオブ添加例としては、特開平5−262535号公報に天然石英ガラス粉を原料として二酸化ニオブを500−40000ppm含有した黒色石英ガラスが開示されている。しかしながら、これは分光光度計用セルや半導体用炉芯管等のために、光による熱伝導を100%カットし、かつ均熱効果があり、また熱処理時にも結晶化することがない黒色石英ガラスを提供するものであり、十分に黒色にするために多量の二酸化ニオブ(実施例では、酸化ニオブ濃度1.5重量%)を添加している。また、高温での強度向上を目的とするものではなく、実施例でも、耐熱性を示す1200℃での粘性値が、透明石英ガラスの5.38×1012に対し、2.75×1012と低くなっている。更にこの公報では、生成した五酸化ニオブを水素雰囲気下で二酸化ニオブに還元しており、石英ガラス中に五酸化ニオブを含有させることにより、性能を向上させるという発想は全くない。
【0006】
【発明の解決しようとする課題】
上記のように石英ガラスの高温強度を向上するためにアルミニウムを微量添加する方法が通常使用されているが、高温あるいは長時間での使用において、石英ガラスが結晶化して失透し、強度低下が顕著となる。また、クリストバライト結晶が剥がれ、その粒子が半導体製造プロセスにおいて問題となる等の欠点を有していた。従って、石英ガラスの高温強度を向上すると共に石英ガラスの結晶化を促進しない添加物を有する石英ガラスが課題となっていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは微量元素を添加した合成石英ガラス粉及びその製造方法に関して鋭意検討した結果、例えばアルコキシシランの加水分解などにより得られる超高純度石英ガラス原料に五酸化ニオブ(Nb2 O5 )を適量添加することにより、高温強度が向上することを新規に見出し、本発明に到達した。即ち、本発明はニオブを50−150ppm含有する合成石英ガラスであって、該ニオブが主として五酸化ニオブであることを特徴とする、ニオブを含有した合成石英ガラス粉及び合成石英ガラス成形体並びにそれらの製造方法に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の最大の特徴は、他の不純物元素をほとんど含有しない石英ガラスにニオブ化合物を微量添加した点にある。
本発明では五酸化ニオブを含有した石英ガラス粉を用いるが、この場合、実質的に二酸化ニオブを含有しない。すなわち、本発明のガラス粉を用いてガラスを製造した場合、製品は黒色化することなく、白色乃至黄色の透明なものとなる。ニオブの添加量としては、石英ガラスに対して10−2000ppmであり、好ましくは50−1000ppm、特に好ましくは50−150ppmである。添加量が多すぎても少なすぎても高温強度の向上が不十分となる傾向がある。本発明の石英ガラス成形体は、上記のようなニオブ含有石英ガラス粉を高温で溶融することにより得られる。溶融方法としては、電気溶融、アーク溶融、ベルヌーイ溶融法などが挙げられる。
【0009】
ニオブを含有した石英ガラス粉の製造方法としては、ケイ素アルコキシド原料のゾル−ゲル反応においてニオブ化合物を添加した後に焼成する方法、ゾル−ゲル反応により得られたシリカゲルにニオブ化合物を添加、焼成する方法、ゾル−ゲル反応で生成したシリカゲルを焼成した後に五酸化ニオブを添加する方法がある。また、四塩化珪素などの気相原料を熱分解することにより得られたシリカを粉状とした後にニオブ化合物を添加、焼成する方法、あるいは熱分解シリカにニオブ化合物を添加、焼成した後に粉砕して石英ガラス粉とする方法などがある。これらの中では、ゾル−ゲル反応を利用した製造方法が好ましく、特にニオブ含有量が多い場合などでは、ゾル−ゲル反応で生成したシリカゲルにニオブ化合物を添加する方法が好適である。
【0010】
以下では、ゾル−ゲル反応で生成したシリカゲルにニオブ化合物を添加する方法を詳細に述べる。本発明のニオブ化合物を含浸するシリカゲルは、一般的にシリカ源をゲル化することにより製造する。代表的にはアルコキシシランと水を反応させて加水分解、ゲル化、乾燥する方法が挙げられる。原料とするアルコキシシランとしては、合成石英ガラス粉中のカーボン残留を抑制する観点からは珪素に結合した基の全てが加水分解できる基が好ましい。また、塩素などのハロゲン化合物の残存も防止できる観点からテトラアルコキシシランが好ましい。特に価格を考慮した場合にはテトラメトキシシランが望ましい。
【0011】
上記のアルコキシランを水と反応させて加水分解、ゲル化、乾燥することにより高純度のシリカゲルとする。水の使用量は、アルコキシシラン中のアルコキシ基に対して1倍当量以上10倍当量以下から通常選択する。この反応では、水やアルコキシシランと相溶性があるアルコールなどの有機溶媒を混合しても良い。アルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどの低級脂肪族アルコールが代表例であり、反応系に添加することにより均一で安定に加水分解反応を進行させることができる。但し、加水分解反応の進行に伴いアルコキシシランに結合していたアルコキシ基がアルコールとして遊離するために、ゲル化前に反応系が均一な状態になる場合には、有機溶媒を添加しなくとも実質上支障なく反応を進行させることができる。
【0012】
高純度のシリカゲルを得るためには、上記の加水分解に使用する原料はすべて精製した高純度品を使用する。加水分解反応及びゲル化の条件は用いる原料やその組成により異なるが、通常20〜80℃の温度条件では20分から10時間程度である。加水分解物を常温で数時間放置することによりゲル化させることができるが、反応混合物を加熱すればゲル化時間を短縮することができる。このようにして得られたシリカゲルは、通常水分を70重量%以上含むウエットゲルである。
【0013】
得られたウエットゲルは粉砕により任意の粒子径に調整する。乾燥と焼成により収縮するので、それを考慮してウエットゲルの最適粒子径を決めることにより、所望の粒子径の最終製品を得ることができる。最終製品の粒子径範囲として、通常は50〜1000μmに調整する。
粉砕したウエットゲルの乾燥は、50〜200℃の温度で通常実施し、ウエットゲル中の遊離水及び遊離アルコール類を除去して乾燥ゲルとする。
【0014】
上記の乾燥ゲルにニオブ化合物を溶液中で含浸、乾燥することにより、ニオブを含浸した乾燥ゲルを製造する。ニオブ化合物としては、溶媒中に均一に溶解するニオブの無機塩やニオブアルコキシド及びその誘導体あるいはニオブ錯体を使用する。ニオブ塩としては、塩化ニオブやシュウ酸ニオブアンモニウムなどが挙げられる。これらの化合物はアルコールなどに溶解することも可能ではあるが、本発明では水に溶解することで充分である。また、ニオブアルコキシド及びその誘導体などの例としては、ニオブイソプロポキシドやブトキシド及びアルコキシ基の一部をアセチルアセテート基に置換した誘導体が挙げられる。これらの化合物は加水分解を防ぐためにアルコール等の溶媒に溶解することが好ましい。ニオブ錯体としては、アセチルアセトネート錯体などの酸素が配位した化合物が挙げられる。
【0015】
本発明においては、安価で取扱いが容易なニオブの無機塩を水に溶解した溶液が好適に使用することができる。
これらのニオブ化合物は、乾燥シリカゲルに対し、ニオブ重量ベースで通常10〜2000ppm、好ましくは50〜1000ppm、特に好ましくは50〜150ppm使用する。
【0016】
乾燥ゲルとニオブ化合物含有溶液の混合方法としては、乾燥ゲルに上記のニオブ化合物含有溶液を添加するか、ニオブ化合物含有溶液に乾燥ゲルを添加するか、あるいは同時に添加しながら混合する、いずれの方法も可能である。乾燥ゲルと溶液の固液比としては、乾燥ゲルの乾燥状態によっても変化するが、通常の常圧条件で含浸する場合には、乾燥ゲルが充分に溶液に浸る方が均一にニオブを添加することができる。溶液の量が乾燥ゲルが浸せきするよりも過剰になった場合でも、上澄みをデカンテーションあるいは濾過により分離することができる。
【0017】
また、乾燥ゲルを乾燥後、あるいは乾燥から引き続いて減圧の条件下でニオブ化合物含有溶液を全量乾燥ゲルに吸着させる手法をとることも可能である。この場合に添加する溶液量としては、乾燥ゲルがちょうど吸着する程度の溶液量がニオブ化合物をゲル粒子間で均一に添加する場合に好ましい。
乾燥ゲルとニオブ化合物を含有する溶液の混合は、いずれを添加する場合でも静置条件でも可能であるが、混合あるいは攪拌した条件の方が好ましい。
【0018】
乾燥ゲルはニオブ化合物を含有する溶液と混合したスラリーの状態で一定時間放置して、乾燥ゲル中に一部を吸着させると共に、ニオブ化合物の乾燥ゲル中の濃度を定常状態とする。放置時間としては、例えば室温付近では10分以上が好ましく、静置と攪拌のいずれの条件でもよい。
乾燥ゲルとニオブ化合物溶液の混合物は溶液が多い場合には、溶液を加熱により除去するか、デカンテーションや濾過により溶液を除去することにより溶液から分離する。溶液から加熱により分離する場合には、混合物を混合あるいは攪拌しながら除去する方が好ましく、例えばコニカルタイプの回転するような装置が好適に使用できる。デカンテーションや濾過により溶液を除去する場合には、必要に応じて使用した溶媒などで洗浄することもできる。このようにして得たゲルは通常50〜200℃で乾燥して、ドライゲルとする。
【0019】
以上のようにして製造したドライゲルは、最終的には1000〜1300℃の温度で焼成して無孔化し、合成石英ガラス粉とする。ドライゲル中に残存しているカーボン成分をゲルの細孔が閉じる前に充分に除去することが、合成石英ガラス粉を溶融する際に生成する泡を抑制するために重要である。このためには、アルコキシ基が脱離する300〜600℃の温度範囲において、酸素含有雰囲気中で加熱条件を精密に制御することが効果的である。最終的に得られる合成石英ガラス粉中のシラノール基濃度が低い方が高温強度が高いので好ましいことから、低シラノール濃度となるような条件で最終的に焼成する。その条件としては、例えば、雰囲気ガス中の露点が−20℃以下、好ましくは−40℃以下とすることを採用することができる。
【0020】
上記の乾燥・焼成工程において、ニオブ化合物は酸化され、主として最も安定な酸化物である五酸化ニオブ(Nb2 O5 )となる。
これらの石英ガラスは薄い黄色味を帯びた色調から黄色を呈しており、サン
プル中のニオブが主に5価の五酸化ニオブの状態にある。
この様にして得られたニオブ含有合成石英ガラス粉末を用いて溶融成形した石英ガラス成形体は、溶融時に生じた発泡が少なく、透明な石英ガラス部材となる。さらに、従来のニオブ無添加の合成石英ガラス部材と比較して高い耐熱性を有する。上述の方法によれば、ニオブ含有合成石英ガラス粉を工業的にも容易に安定して製造することが可能となる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
【0022】
実施例1
攪拌槽にテトラメトキシシランとこれに対して5倍量の水を仕込み、攪拌槽の温度を45℃として攪拌し、加水分解反応によってゲル化させ、ウエットゲルを得た。このウエットゲルを開口径900μmのナイロン網を通しながら粉砕し、200℃で10時間真空乾燥を行い、ドライゲル粉末とした。これを100〜500μmの範囲に分級、乾燥ゲルとした。
【0023】
上記の乾燥ゲルを150℃で1.5時間乾燥し、ドライボックス中で160gを秤量し、ナス型フラスコに入れた。これに、シュウ酸ニオブアンモニム水和物(Nb含有量20.5重量%)1.2gを水198.8gに溶解後、さらに10倍に希釈した液を130.2g添加した。溶液量は乾燥ゲルを充分に浸せきする量であった。得られた混合物を室温で24時間放置した後、ロータリーエバポレーター中にて150℃で1時間減圧下加熱した。この加熱処理により、スラリー状態から水が留去した結果、粉末が流動する状態となった。得られたゲルを石英製ルツボに入れ、電気炉中で乾燥空気流通下、室温から450℃まで毎時200℃の速度で昇温した後20時間保持し、さらに同じ速度で昇温後に1200℃で30時間保持した。以上のようにして、生成した石英ガラス中のニオブ含有量換算で100ppmの五酸化ニオブ含有石英ガラス粉を作製した。尚、得られた合成石英ガラス粉中に黒色粒子の生成は認められなかった。
【0024】
比較例1
シュウ酸ニオブアンモニム水和物(Nb含有量20.5重量%)0.6gを水199.4gに溶解した溶液130.2gを乾燥ゲルに添加した以外は、実施例1と同様にして石英ガラス中のニオブ含有量換算で500ppmの五酸化ニオブ含有石英ガラス粉を製造した。
【0025】
比較例2
シュウ酸ニオブアンモニム水和物(Nb含有量20.5重量%)1.2gを水198.8gに溶解した溶液130.2gを乾燥ゲルに添加した以外は、実施例1と同様にして石英ガラス中のニオブ含有量換算で1000ppmの五酸化ニオブ含有石英ガラス粉を製造した。
【0026】
試験例
実施例1及び比較例1、2で得られたニオブ含有合成石英ガラス粉115gを真空中1780℃で40分溶融して石英ガラスのインゴットを作製した。これから、石英ガラス片(4mm×40mm×1mm)を切り出した。石英ガラス片の色は、実施例1のガラス粉の場合が若干黄色味を帯びた透明、比較例1が薄い黄色の透明、比較例2が黄色の透明であったが、この色の状態からもサンプル中のNbは4価のものは実質的になく、石英ガラス片中においても5価の状態で存在することが確認された。
この石英ガラス片を30mmの間隔が空いた黒鉛製ブロック支持体に乗せて、窒素雰囲気下で加熱、9gの荷重を上からかけて1350℃での変位速度を測定することにより、高温粘度を測定した。第1表に実施例1及び比較例1、2のニオブ含有合成石英ガラス粉の真空溶融品の高温粘度測定結果を示した。
【0027】
比較例3
実施例1の分級後の乾燥シリカゲル200gを秤量し、石英ガラス製ルツボに入れた後に電気炉中で乾燥空気流通下、室温から450℃まで毎時200℃の速度昇温した後20時間加熱し、さらに同じ速度で昇温後に1200℃で30時間保持、焼成した。
得られた合成石英ガラス粉を実施例1と同様にして真空溶融、サンプル切り出しを行い、高温粘度を同条件で測定した。その結果も第1表に示したが、実施例1で得られたニオブ含有合成石英ガラス粉を真空溶融したガラスに比較して高温粘度が明らかに小さく、高温での強度が小さいことが判明した。
【0028】
【表1】
Nb含有量 高温粘度(×1010/poise )
実施例1 100ppm 4.4
比較例1 500ppm 1.7
比較例2 1000ppm 2.1
比較例3 無添加 1.5
【0029】
【発明の効果】
本発明により、高温強度が向上した高純度な石英ガラス及びその原料並びにこれらを工業的に容易で、かつ安定に製造することができる。
Claims (4)
- ニオブを50−150ppm含有する合成石英ガラス粉であって、該ニオブが主として五酸化ニオブであることを特徴とする、ニオブ含有合成石英ガラス粉。
- 粒子径が50〜1000μmであることを特徴とする請求項1記載の合成石英ガラス粉。
- 請求項1または請求項2に記載の合成石英ガラス粉から得られる石英ガラス成形体。
- アルコキシシランの加水分解、ゲル化後に粉砕したシリカゲルにニオブ化合物を含浸、乾燥、焼成することを特徴とするニオブ含有合成石英ガラス粉の製造方法。
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