JPH11236209A - シリカゲル、合成石英ガラス粉、石英ガラス成形体及びそれらの製造方法 - Google Patents

シリカゲル、合成石英ガラス粉、石英ガラス成形体及びそれらの製造方法

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JPH11236209A
JPH11236209A JP10043899A JP4389998A JPH11236209A JP H11236209 A JPH11236209 A JP H11236209A JP 10043899 A JP10043899 A JP 10043899A JP 4389998 A JP4389998 A JP 4389998A JP H11236209 A JPH11236209 A JP H11236209A
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silica gel
quartz glass
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specific surface
synthetic quartz
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JP10043899A
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Koji Shima
耕司 島
Yasushi Kinta
寧 鈞田
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B19/00Other methods of shaping glass
    • C03B19/10Forming beads
    • C03B19/1005Forming solid beads
    • C03B19/106Forming solid beads by chemical vapour deposition; by liquid phase reaction
    • C03B19/1065Forming solid beads by chemical vapour deposition; by liquid phase reaction by liquid phase reactions, e.g. by means of a gel phase
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温強度が高く、高品質の石英ガラス成形体
及びその原料となるシリカゲル、合成石英ガラス粉およ
びそれらの製造方法を提供する。 【解決手段】 アルコキシシシランを加水分解、ゲル化
及び乾燥して得られるシリカゲルであって、加熱による
比表面積変化が下記式(1)の関係を満足することを特
徴とするシリカゲル。 (S150 −S1000)/S150 ≦ 0.3 (1) S150 :150℃で乾燥後の比表面積(m2 /g) S1000:1000℃に加熱後の比表面積(m2 /g)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリカゲル、合成
石英ガラス粉、石英ガラス成形体及びその製造方法に関
する。詳しくは半導体製造分野、特に1000℃以上の
高温で使用される半導体製造プロセスで使用される石英
ガラス、或いは光ファイバーの製造等の製造に使用され
る石英ガラス製品の原料となるシリカゲル、合成石英ガ
ラス粉、石英ガラス成形体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体製造分野に用いられる石英
ガラスに関しては、純度が厳密に管理されている。この
要求を満たす高純度のガラス原料用に天然に産する石英
を精製、粉砕した天然石英粉が従来から使用されてき
た。しかし、半導体の高集積化や歩留まり向上の要求に
よりさらに高純度の石英ガラス原料が求められている。
このような純度が極めて高い石英ガラスとしては、四塩
化珪素を原料とする気相法による方法があるが、多大の
エネルギーを要し、効率が悪いなどの欠点がある。そこ
で、アルコキシシラン等の蒸留精製が可能な有機珪素化
合物を原料とした液相反応によりシリカゲルとし、乾
燥、焼成工程を経てガラスとする、いわゆるゾルーゲル
法により合成石英粉を製造して、石英ガラス原料とする
方法がある。ゾルーゲル法による石英ガラス粉は液相で
の反応であることから、効率よく生産することが可能で
ある。
【0003】
【発明の解決しようとする課題】しかしながら、アルコ
キシシランを加水分解して得られたシリカゲルを乾燥、
焼成、溶融した石英ガラスは、従来の天然石英粉を溶融
した石英ガラスと比較し、高純度ではあるが、この材料
が使用される1000℃以上の温度での高温強度が低
く、シリコン単結晶引き上げ用ルツボあるいは拡散炉の
炉心管とした場合に変形しやすいという問題点があっ
た。また、シリカゲルを焼成し合成石英ガラス粉とする
過程において、未反応のアルコキシ基に由来するカーボ
ンが残留し、残留カーボンが焼成後も粒子中に閉じ込め
られて、個数が少ないながらも黒色粒子が発生すること
が確認された。さらに、黒色粒子まで成長しないまで
も、合成石英ガラス粉を溶融する際に発泡の原因とな
り、石英ガラス成形体の品質を損ねることが判明した。
従って、高温強度が高く、黒色粒子の生成や残留カーボ
ン濃度が少ない合成石英粉をいかにして得るかが課題で
あった。
【0004】ゾルーゲル法によるシリカゲルあるいはシ
リカガラスに関しては、多数の研究例がある(例えば、
アグネ承風社発行,作花済男著「ゾルーゲル法の科
学」)。また、ゾルーゲル法により直接に製造する石英
ガラス成形体が提案されている。しかしながら、上記の
ような合成石英ガラス粉を高温強度や品質を含めて工業
的に製造したものは少ない。例えば、アルミニウム等を
含有させることにより、高温強度向上を図ったもの(特
開平7−81971など)があるが、不純物を増加させ
るため、用途によっては好ましくない。また、アンモニ
アなどの塩基性触媒の存在下にゾルーゲル反応を実施す
ることが知られている。しかし、工業的に生産性が高
い、アルコキシシランの濃度が高い系においては発熱の
問題があり、塩基性触媒の存在下でのゾルーゲル反応が
必ずしも有利ではない。ゾルーゲル反応を工業的に有利
な無触媒などの条件で実施する場合には、上記のような
残留カーボンの問題がある。本出願人は残留カーボンの
問題に対して、既に乾燥ゲルを洗浄する方法(特開平5
−246708号公報)あるいはシリカゲルを合成石英
ガラス粉に焼成する工程でのいくつかの方法(特開平8
−208217号公報,特開平9−86919号公報な
ど)を提案している。しかしながら、さらに品質が優れ
た合成石英ガラス粉を工業的に製造することが課題とな
っている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく鋭意検討した結果、乾燥及び焼成過程にお
ける特定温度範囲における比表面積の変化率がある一定
値以下であるシリカゲルを経由した合成石英粉を溶融し
て得られる合成石英ガラス成形体は、高温強度が向上
し、変形を抑制するという予想外の効果があることを見
い出した。さらに、上記シリカゲルは、アルコキシシラ
ンを加水分解、ゲル化後の固体状態で塩基性溶液で処理
する簡便な方法により製造できることを見出し、本発明
を完成した。
【0006】即ち、本発明の要旨は、アルコキシシシラ
ンを加水分解、ゲル化及び乾燥して得られるシリカゲル
であって、加熱による比表面積変化が下記式(1)の関
係を満足することを特徴とするシリカゲル、
【0007】
【数2】 (S150 −S1000)/S150 ≦ 0.3 (1) S150 :150℃で乾燥後の比表面積(m2 /g) S1000:1000℃に加熱後の比表面積(m2 /g)
【0008】、これを焼成して得られる合成石英ガラス
粉、及び該ガラス粉を溶融成形して得られる石英ガラス
成形体に存する。他の要旨は、アルコキシシランを加水
分解、ゲル化して得られたシリカゲルを塩基性溶液で処
理し、更に乾燥することを特徴とする上記に記載のシリ
カゲルの製造方法に存する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の第1の特徴はアルコキシシランを加水分解、ゲ
ル化及び乾燥して得られるシリカゲルの、焼成過程の加
熱による特定温度範囲における比表面積の変化率がある
一定値以下、具体的には下記式(1)の関係を満足する
ものである。
【0010】
【数3】 (S150 −S1000)/S150 ≦ 0.3 (1) S150 :150℃で乾燥後の比表面積(m2 /g) S1000:1000℃に加熱後の比表面積(m2 /g)
【0011】尚、シリカゲルの比表面積は、液体窒素温
度における窒素吸着量から、Brunauer、Eme
tt and Tellerの理論(J.Amer.C
hem.Soc.,60,309(1938))により
求められる。乾燥シリカゲルの比表面積を測定する際に
は、空気中の水分等が吸着していると正確な測定ができ
ないため、測定直前に150℃程度で恒量となるまで乾
燥する必要がある。
【0012】従って、より具体的には、S150 は、15
0℃で恒量まで乾燥後の比表面積である。一方、S1000
は、1000℃に昇温後、保持時間を置かずに炉の中で
放冷したシリカゲルの比表面積である。但し、より高温
では、比表面積が昇温速度、保持時間の影響を受けるた
め、具体的には、S1000は、600℃以上の昇温温度を
200℃/時とし、1000℃での保持時間を0とす
る。上記式(1)は、150℃〜1000℃の温度範囲
における比表面積の変化率が0.3以下であるシリカゲ
ルを表している。式(1)を満足するシリカゲルは、焼
成温度域における緻密化が進みにくく、多孔質の状態を
保つため、カーボンの除去が容易である。従って、上記
式(1)を満足するシリカゲルを焼成して得られる合成
石英粉及びこれを溶融、成形して得られる石英ガラス成
形体は、カーボン残留量が少なく、従来品以上の高品質
であり、成形体の高温強度に優れる。次に本発明のシリ
カゲル、合成石英ガラス粉及び石英ガラス成形体の製造
方法について説明する。本発明のシリカゲルは、一般的
にシリカ源をゲル化することにより製造され、具体的に
はアルコキシシランと水を反応させて加水分解、ゲル化
及び乾燥する方法が挙げられる。原料とするアルコキシ
シランとしては、合成石英ガラス粉中のカーボン残留を
抑制する観点からは珪素に結合した基の全てが加水分解
できる基が好ましい。また、塩素などのハロゲン化合物
の残存も防止できる観点からテトラアルコキシシランが
好ましい。特に価格を考慮した場合にはテトラメトキシ
シランが望ましい。
【0013】上記のアルコキシランを水と反応させて加
水分解、ゲル化、乾燥することにより高純度のシリカゲ
ルとする。水の使用量は、アルコキシシラン中のアルコ
キシ基に対して1倍当量以上10倍当量以下から通常選
択する。この反応では、水やアルコキシシランと相溶性
があるアルコールなどの有機溶媒を混合しても良い。ア
ルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロ
パノールなどの低級脂肪族アルコールが代表例であり、
反応系に添加することにより均一で安定に加水分解反応
を進行させることができる。但し、加水分解反応の進行
に伴いアルコキシシランに結合していたアルコキシ基が
アルコールとして遊離するために、ゲル化前に反応系が
均一な状態になる場合には、有機溶媒を添加しなくとも
実質上支障なく反応を進行させることができる。
【0014】高純度のシリカゲルを得るためには、上記
の加水分解に使用する原料はすべて精製した高純度品を
使用する。加水分解反応及びゲル化の条件は用いる原料
やその組成により異なるが、通常20〜80℃の温度条
件では20分から10時間程度である。加水分解物を常
温で数時間放置することによりゲル化させることができ
るが、反応混合物を加熱すればゲル化時間を短縮するこ
とができる。このようにして得られたシリカゲルは、通
常水分を70重量%以上含むウエットゲルである。
【0015】得られたウエットゲルは通常、粉砕により
任意の粒子径に調整する。乾燥と焼成により収縮するの
で、それを考慮してウエットゲルの最適粒子径を決める
ことにより、所望の粒子径の合成石英ガラス粉を得るこ
とができる。合成石英ガラス粉の粒子径範囲として、通
常は50〜1000μmに調整する。粉砕したウエット
ゲルを一旦乾燥する場合では、通常50〜200℃の温
度で実施し、ウエットゲル中の遊離水及び遊離アルコー
ル類を除去して乾燥ゲルとする。さらに乾燥ゲルを40
0℃程度までの温度で加熱処理しておくことも可能であ
る。
【0016】特に本発明では、上記のウエットゲル、そ
れを乾燥した乾燥ゲルあるいはさらに加熱処理したシリ
カゲル(以下ではシリカゲル等と称する)を塩基性溶
液、より具体的にはアンモニア溶液または塩基性有機化
合物の溶液で処理することにより、前記式(1)を満た
すシリカゲルを有利に製造できる。ここで処理とは、シ
リカゲル等を例えば混合、撹拌等の手段により塩基性溶
液と十分に接触せしめ、シリカゲル中の残留アルコキシ
基を除去する操作をいう。塩基性溶液としてはアンモニ
ア水溶液や塩基性有機化合物の溶液が挙げられる。シリ
カゲル等は、ゲル化後粉砕処理したものが、塩基性溶液
での処理により本発明のシリカゲルを取得する上で有利
である。アンモニア溶液としては、電子材料用グレード
などの超高純度の溶液が合成石英ガラス中の金属不純物
を低下させる為に好ましい。また、アンモニア濃度につ
いては、通常0.01〜30重量%、好ましくは0.1
〜28重量%の範囲のものが用いられるが、この場合、
市販されている28重量%のもの或いはそれを純水で希
釈したものを用いるのが便利である。なお、本発明にお
いては1重量%以下の非常に希薄な濃度のものも効果が
大きい。本発明においては1%以下の非常に希薄な濃度
においても効果が大きい。また、高純度アンモニアガス
を純水中あるいは他のアルコールなどの有機溶媒中に吹
き込むことで調製したアンモニア溶液を使用することが
できる。塩基性有機化合物としては、窒素を含有したア
ルキルアミン類やピリジンが代表例であり、これを水又
は極性のある有機溶媒中に希釈したものが使用できる。
アルキルアミン類としては、モノ/ジ/トリメチルアミ
ン等が好適である。本発明においては塩基性有機化合物
の濃度が希薄でも効果があることから、これらがシリカ
中に残留してカーボン源となる可能性は少ない。本発明
においては、安価で取扱いが容易なアンモニア水溶液を
好適に使用することができる。
【0017】シリカゲル等とアンモニア溶液または塩基
性有機化合物の溶液(以下、塩基性溶液と称する)との
混合処理方法としては、シリカゲル等に上記の塩基性溶
液を添加するか、塩基性溶液にシリカゲル等を添加する
か、あるいは同時に添加しながら混合する、いずれの方
法も可能である。シリカゲル等と塩基性溶液の固液比と
しては、シリカゲル等の乾燥状態によっても変化する
が、通常の常圧条件で含浸する場合には、シリカゲル等
が充分に溶液に浸る方が粒子間を均一に処理することが
できる。また、溶液の量がシリカゲル等を浸漬するより
も過剰になり過ぎた場合には、塩基性溶液の処理費用が
かさむ。従って、シリカゲル等が充分に含浸する溶液量
からその溶液量の5倍程度以下の範囲が好ましい。
【0018】シリカゲル等と塩基性溶液との処理は、い
ずれを添加する場合でも静置条件でも可能であるが、混
合あるいは攪拌した条件の方が好ましい。シリカゲル等
を塩基性溶液と混合したスラリーの状態で一定時間放置
することにより、シリカゲル等中に一部を吸着させると
共に、シリカゲル等に残留しているアルコキシ基を反応
により脱離させる。また、シリカゲル等のシリカの一部
を塩基性溶液中に溶解、再析出させることにより、シリ
カゲル等の構造を整えるものと考えられる。処理温度は
室温から溶液の沸点程度が一般的に選択できるが、特に
加熱しない室温の条件でも充分な処理効果が得られる。
また、シリカゲル等の状態及び使用する塩基性溶液の濃
度によっては、混合の際にいくらかの発熱が観察され
る。処理時間は処理温度によっても異なるが、例えば室
温付近では10分以上が好ましく,静置と攪拌のいずれ
の条件でもよい。
【0019】シリカゲル等と塩基性溶液の混合物は溶液
が多い場合には、溶液を加熱により除去するか、デカン
テーションや濾過によって溶液から分離する。溶液から
加熱により分離する場合には、混合物を混合あるいは攪
拌しながら除去する方が好ましく、例えばコニカルタイ
プの回転するような装置が好適に使用できる。また、本
発明の粒子径範囲ではデカンテーションや濾過を容易に
実施することができる。この場合には、必要に応じて使
用した溶媒などで洗浄することができる。このようにし
て得たゲルは通常50〜200℃で乾燥することによ
り、前記式(1)を満たす乾燥シリカゲルが得られる。
【0020】シリカゲルは通常数百m2 /gの比表面積
を持つ多孔体であるが、加熱焼成により緻密化が進み、
比表面積が減少し、1100℃〜1300℃で無孔化
し、合成石英ガラス粉とする。尚、乾燥シリカゲル中に
残存している未反応のアルコキシ基等に起因するカーボ
ン成分をゲルの細孔が閉じる前に充分に除去すること
が、合成石英ガラス粉を溶融する際に生成する泡を抑制
するために重要である。このためにシリカゲルの加熱焼
成に於ては、アルコキシ基が脱離する300〜700℃
の温度範囲において、酸素含有雰囲気中で加熱条件を精
密に制御することが効果的である。加熱には電気炉等を
用い、通常、10℃/h〜1000℃/h、好ましく
は、100℃/h〜300℃/hで昇温する。昇温速度
が遅いと、昇温に長時間を要し生産性が低下する。ま
た、昇温速度が速いと未反応のアルコキシ基等に由来す
るカーボンが残留しやすくなる。残留カーボンを低減す
るため、300℃〜700℃の間で一旦昇温を停止し、
一定温度の保持時間を入れても良い。
【0021】本発明では、上記の条件を満足するシリカ
ゲルを最終的に、通常1100〜1300℃の温度で焼
成して無孔化し、比表面積1m2 /g以下の合成石英ガ
ラス粉とする。最終的に得られる合成石英ガラス粉中の
シラノール基濃度が低い方が高温強度が高く好ましいこ
とから、低シラノール濃度となるような条件で最終的に
焼成する。その条件としては、例えば、雰囲気ガス中の
露点がー20℃以下、好ましくは−40℃以下を採用す
ることができる。
【0022】上記の合成石英ガラス粉は、公知の方法に
より溶融成形して、石英ガラス成形体とする。成形方法
は、成形体の用途に応じて適宜選択すれば良く、例えば
用途がルツボであればアークメルト法、IC用治具であ
れば、酸水素炎によるベルヌーイ法でインゴットに一旦
成形する方法や、炭素製の鋳型を用いて真空下で加熱溶
融するフュージョン法等が挙げられる。
【0023】本発明の石英ガラス成形体は、高温強度が
向上し、高温での変形が少ない。また、溶融時に生じた
発泡が少なく、透明な石英ガラス部材となる。さらに、
上述の方法によれば、合成石英ガラス粉を工業的に容易
にかつ安定に製造することが可能となる。
【0024】本発明のシリカゲルを経由して得られた合
成石英ガラス粉は、溶融成形してシリコン単結晶引き上
げ用ルツボ、拡散炉のチューブや治具等の半導体製造用
石英ガラス部材、光ファイバー等の光通信、光学分野の
ガラス製品を得るに際し、高温強度が高く、泡の少ない
良質なガラス成形体とするための原料として好適に使用
することができる。
【0025】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明する。尚,本実施例中の濃度は、特に断らない限り、
重量基準である。 (実施例1)攪拌槽にテトラメトキシシランとこれに対
して5倍量の水を仕込み、攪拌槽の温度を45℃として
攪拌し、加水分解反応によってゲル化させ、ウエットゲ
ルを得た。このウエットゲルを開口径900μmのナイ
ロン網を通しながら粉砕し、200℃で10時間真空乾
燥を行い、乾燥シリカゲル粉とし、これを100〜50
0μmの範囲に分級した。
【0026】上記の乾燥シリカゲル100gに高純度ア
ンモニア水を100倍に希釈した水溶液80gを添加し
た。溶液量は乾燥ゲルを充分に浸漬する量であった。得
られた混合物を室温で24時間静置した。上澄液をデカ
ンテーションで除去した後、250mlの純水を入れて
デカンテーションにより除去する操作を2回繰り返して
洗浄した。このゲルを120℃で2時間乾燥した後、1
50℃で2.5時間真空乾燥し、放冷し、乾燥シリカゲ
ルを得た。該乾燥シリカゲルを電気炉中で乾燥空気流通
下、室温から450℃まで毎時200℃の速度で昇温し
た後20時間保持し、さらに同じ速度で昇温後に120
0℃で30時間保持した。得られた合成石英ガラス粉中
に黒色粒子の生成は認められなかった。
【0027】(実施例2)高純度アンモニア水を10倍
に希釈した水溶液を用いた以外は実施例1と同様の方法
で合成石英ガラス粉を製造した。
【0028】(比較例1)高純度アンモニア水溶液のか
わりに純水を80g使用した以外は実施例1と同様な方
法で合成石英ガラス粉を製造した。
【0029】(実施例3)実施例1と同様にして、テト
ラメトキシシランの加水分解、ゲル化、粉砕したゲルを
製造した後、さらに水洗、乾燥を実施した。この乾燥ゲ
ル100gに高純度アンモニア水を100倍に希釈した
水溶液80gを添加した。これ以降は実施例1と同様に
して合成石英ガラス粉を合成した。
【0030】(実施例4)高純度アンモニア水を10倍
に希釈した水溶液を用いた以外は実施例3と同様の方法
で合成石英ガラス粉を製造した。
【0031】(比較例2)高純度アンモニア水溶液のか
わりに純水を80g使用した以外は実施例3と同様の方
法で合成石英ガラス粉を製造した。
【0032】実施例1〜4及び比較例1〜2に於て、1
50℃で2.5時間真空乾燥、放冷後の乾燥シリカゲル
の比表面積を測定した。また、これらの乾燥シリカゲル
を200℃/時で1000℃まで昇温し、保持時間を0
として放冷したサンプルの比表面積も測定、以上の結果
を第1表に示した。比較例に比べて実施例では、150
℃での乾燥後と、1000℃への加熱後の比表面積の変
化が小さい。このことは、炭素成分の脱離が容易なた
め、焼成時間を短縮できることを示唆している。
【0033】
【表1】
【0034】(実施例5)実施例2の合成石英ガラス粉
115gを真空中1780℃で40分溶融して石英ガラ
スのインゴットを作製した。これから、石英ガラス片
(4mm×40mm×1mm)を切り出した。この石英
ガラス片を4mm×40mmの面を水平面として支点間
の距離が30mmの黒鉛製ブロック支持体に乗せて、ア
ルゴン雰囲気下で加熱、1450℃で1時間保持した後
の石英ガラス片のたわみ量を測定した。たわみ量は黒鉛
支持部分とガラス片の中央の最もたわんだ部分の垂直方
向の距離を測った所、1.7mmであった。なお、この
量が小さいほど、ガラスの高温強度が高い。 (比較例3)比較例1の合成石英ガラス粉を実施例5と
同様にして真空溶融、サンプル切り出しを行い、高温で
のたわみ量を同条件で測定した。その結果、たわみ量は
2.2mmであった。すなわち、150℃で乾燥後と、
1000℃に加熱後の比表面積変化率が小さいシリカゲ
ルを経由して得られた合成石英ガラス成形体は、比表面
積変化率が大きいシリカゲルを経由して得られた成形体
よりも高温強度が高いことが判明した。
【0035】
【発明の効果】本発明は、高温強度が高く、高品質の石
英ガラス成形体及びその原料となるシリカゲル、合成石
英ガラス粉およびそれらの製造方法を提供する。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルコキシシシランを加水分解、ゲル化
    及び乾燥して得られるシリカゲルであって、加熱による
    比表面積変化が下記式(1)の関係を満足することを特
    徴とするシリカゲル。 【数1】 (S150 −S1000)/S150 ≦ 0.3 (1) S150 :150℃で乾燥後の比表面積(m2 /g) S1000:1000℃に加熱後の比表面積(m2 /g)
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシリカゲルを焼成して得
    られる合成石英ガラス粉。
  3. 【請求項3】 請求項2の合成石英ガラス粉を溶融、成
    形して得られる石英ガラス成形体。
  4. 【請求項4】 アルコキシシランを加水分解、ゲル化し
    て得られたシリカゲルを塩基性溶液で処理し、更に乾燥
    することを特徴とする請求項1に記載のシリカゲルの製
    造方法。
  5. 【請求項5】 アルコキシシランを加水分解、ゲル化し
    て得られたシリカゲルを塩基性溶液で処理した後に乾
    燥、焼成することを特徴とする請求項2に記載の合成石
    英ガラス粉の製造方法。
  6. 【請求項6】 アルコキシシランを加水分解、ゲル化し
    て得られたシリカゲルを塩基性溶液で処理した後に乾
    燥、焼成することにより得られた合成石英ガラス粉を溶
    融、成形することを特徴とする請求項3記載の石英ガラ
    ス成形体の製造方法。
  7. 【請求項7】 塩基性溶液がアンモニア水溶液であるこ
    とを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 シリカゲルが、ゲル化後に粉砕したもの
    であることを特徴とする請求項5または請求項7のいず
    れかに記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012236738A (ja) * 2011-05-11 2012-12-06 Tosoh Corp 高純度シリカ粉末の製造方法

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