JP3114090B2 - 物干しハンガ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、洗濯物を吊下げ
る複数のクリップを備えた物干しハンガの改良に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】洗濯物を吊下げる複数のクリップを備え
た枠体と、この枠体を物干し竿等の長尺体に引っ掛け、
吊下げるフックとを備えた物干しハンガが汎用されてい
る。

【０００３】かかるハンガは、一般に、フックを物干し
竿に引っ掛けた場合に、かかるハンガを構成する枠体
が、当該枠体により囲まれた面を略水平にして物干し竿
に支持されるように、フックと枠体とを複数の鎖で連結
して構成してある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のハンガ
は、前記フックが一つであり、このフックを中心にして
のみ枠体が吊下げられるため、前記フックへの洗濯物の
挟持、吊下げ作業にあたり、枠体の一方側から洗濯物を
吊下げ始めるとこの一方側に枠体が傾き、かかる作業を
なし難くしたり、この一方側に吊下げられた洗濯物の下
端が床面に接したりして汚れる不都合があった。また、
風等に煽られると、前記フックを中心に枠体が大きく傾
き、あるいは回動する等して、同様に吊下げられた洗濯
物が床面に接したり、洗濯スペース周囲の壁面に接して
汚れる不都合があった。

【０００５】また、従来のハンガにあっては、前記フッ
クを物干し竿に引っ掛けた際に枠体が水平に支持される
ようにバランスさせると共に、前記鎖と枠体との連設箇
所に過大な力が加わらないようにするため、フックと枠
体とを連絡させる鎖をある程度長くせざるをえず、フッ
クから枠体までの間に一定の間隔を必要としていた。床
面から物干し竿までの高さを大きく確保できない場合に
は、かかるフックから枠体までの間隔によって、吊下げ
られた洗濯物が床面に下端をより接しさせ易くするた
め、長寸の洗濯物を単純に吊下げることができず、使用
者に格別の配慮を払うことを余儀なくさせていた。

【０００６】特に近年では、集合住宅など物干しスペー
スを広く確保できない建築物が少なくなく、また、ベラ
ンダのフェンス、腰壁などに隠される位置に物干し竿な
どが配されるような物干し設備が備えられるケースも多
くなってきており、物干しスペース周囲の壁面、床面な
どに洗濯物ができるだけ接しないように、この種のハン
ガを利用できるようにすることが望まれていた。

【０００７】そこで、この発明は、かかる従来の技術の
不都合を解消すること、特に、洗濯物を吊下げ易く、ま
た、吊下げられた洗濯物を物干しスペース周囲の壁面、
床面などに接触させ難いようにした、物干しハンガの提
供を目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項１記載の発明にあっては、物干しハンガを、
物干し竿Ｌ’等の長尺体Ｌへの引っ掛け手段２と、洗濯
物を挟持する複数のクリップ３、３…を有する枠体１と
を備えたハンガであって、前記引っ掛け手段２が、少な
くとも、前記枠体１における向き合った位置にそれぞれ
設けてあり、この向き合った位置にある引っ掛け手段２
を前記長尺体Ｌにそれぞれ引っ掛けて、前記枠体１によ
り囲まれる面を略水平とするように当該長尺体Ｌに吊下
げられる構成としてあり、しかも、前記引っ掛け手段２
が、長尺体Ｌを側方から受け入れ、当該長尺体Ｌに引っ
掛けられる湾曲部２１を備え、且つこの湾曲部２１にお
ける前記長尺体Ｌの下側に位置される端部２２をもって
枠体１に組み付けたフック２０としてある構成とした。

【０００９】また、請求項２記載の発明にあっては、請
求項１記載の物干しハンガにおけるフック２０が、当該
フック２０の枠体１への組み付け側の端部２２におい
て、少なくとも、当該枠体１により囲まれた面に対し当
該フック２０の湾曲部２１により囲まれた面を略直交さ
せる起立位置Ｕから、当該枠体１により囲まれた面と当
該フック２０の湾曲部２１により囲まれた面を略平行に
させる倒伏位置Ｄまで、当該枠体１に回動可能に組み付
けてあると共に、枠体１が前記倒伏位置Ｄにあるフック
２０を収める空所１１を備えている構成とした。

【００１０】さらに、請求項３記載の発明にあっては、
請求項２記載の物干しハンガにおける枠体１が、同一の
直線上に回動軸を位置させる一対のヒンジ部１２、１２
により、この一対のヒンジ部１２、１２を中心に回動可
能に連結された一対の枠構成材１０、１０より構成して
あるものとした。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、この発明の典型的な実施の
形態について、説明する。

【００１２】（第一の実施の形態） 先ず、物干しハンガを、物干し竿Ｌ’等の長尺体Ｌへの
引っ掛け手段２と、洗濯物を挟持する複数のクリップ
３、３…を有する枠体１とを備えたハンガであって、前
記引っ掛け手段２が、少なくとも、前記枠体１における
向き合った位置にそれぞれ設けてあり、この向き合った
位置にある引っ掛け手段２を前記長尺体Ｌにそれぞれ引
っ掛けて、前記枠体１により囲まれる面を略水平とする
ように当該長尺体Ｌに吊下げられる構成とすることが、
この発明の最良の実施の形態の一つとされる。

【００１３】かかる構成によれば、枠体１を長尺体Ｌに
対し、向き合った位置にそれぞれ設けられた引っ掛け手
段２により、少なくとも二か所で吊下げることができ、
前記枠体１により囲まれる面が常時略水平となるように
しておくことができる。この結果、枠体１を枠体１の中
央に設けた一つの引っ掛け手段２により長尺体Ｌに吊下
げた場合に比べ、枠体１のどの位置に前記クリップ３に
より洗濯物を吊下げても枠体１が大きく傾くことがな
く、枠体１への洗濯物の吊下げを容易になすことができ
る。また、吊下げられた洗濯物が枠体１の傾動によりそ
の下端側を床面等に接しさせて、洗濯物を汚す事態を減
少させることができる。

【００１４】また、風に煽られる等しても、長尺体Ｌに
対する枠体１の吊下げ位置が変ることがなく、物干しス
ペース周囲の壁面等に洗濯物が予期せず接し、洗濯物を
汚す事態を減少させることができる。

【００１５】（第二の実施の形態） 次いで、前記第一の実施の形態にかかるハンガを構成す
る引っ掛け手段２が、長尺体Ｌを側方から受け入れ、当
該長尺体Ｌに引っ掛けられる湾曲部２１を備えると共
に、この湾曲部２１における前記長尺体Ｌの下側に位置
される端部２２をもって枠体１に組み付けたフック２０
としてある構成とすることが、この発明の最良の実施の
形態の一つとされる。

【００１６】かかる構成によれば、フック２０における
長尺体Ｌの上面２１ａに接する箇所と、当該フック２０
における枠体１との組み付け側の端部２２が枠体１と接
する箇所との間の寸法を、可能な限り小さくすることが
できる。かかる寸法をこのように小さくしても、フック
２０は枠体１の向き合った位置にそれぞれ設けてあり、
長尺体Ｌにそれぞれのフック２０を引っ掛けることによ
り、枠体１により囲まれる面を略水平に安定に位置させ
ることができる。この結果、長尺体Ｌの直下に位置され
る床面からの長尺体Ｌの設置高さが大きく確保できない
場合であっても、枠体１に吊下げられた洗濯物の下端が
床面にできるだけ接しないようにすることができる。

【００１７】（第三の実施の形態） 次いで、前記第二の実施の形態にかかるハンガを構成す
るフック２０が、当該フック２０の枠体１への組み付け
側の端部２２において、少なくとも、当該枠体１により
囲まれた面に対し当該フック２０の湾曲部２１により囲
まれた面を略直交させる起立位置Ｕから、当該枠体１に
より囲まれた面と当該フック２０の湾曲部２１により囲
まれた面を略平行にさせる倒伏位置Ｄまで、当該枠体１
に回動可能に組み付けてあると共に、枠体１が前記倒伏
位置Ｄにあるフック２０を収める空所１１を備えている
構成とすることが、この発明の最良の実施の形態の一つ
とされる。

【００１８】かかる構成によれば、前記フック２０を起
立位置Ｕまで回動させることにより、前記長尺体Ｌへの
枠体１を吊下げをなすことができると共に、ハンガ収納
時には、前記フック２０を倒伏位置Ｄまで回動させて、
前記空所１１に収めることにより、かかる収納にあたり
フック２０が邪魔にならないようにすることができる。

【００１９】（第四の実施の形態） 次いで、前記第三の実施の形態にかかるハンガを構成す
る枠体１が、同一の直線上に回動軸を位置させる一対の
ヒンジ部１２、１２により、この一対のヒンジ部１２、
１２を中心に回動可能に連結された一対の枠構成材１
０、１０より構成してあるものとすることが、この発明
の最良の実施の形態の一つとされる。

【００２０】かかる構成によれば、前記ヒンジ部を中心
に一対の枠構成材１０、１０の一方が他方に重ね合わさ
れるように、枠体１を折り畳むことができ、前記フック
２０の倒伏位置Ｄへの回動と前記空所１１への収め入れ
とも相まって、ハンガをより収納し易くすることができ
る。

【００２１】（より具体的な実施の形態） 次いで、図１ないし図３に示されるより具体的な実施の
形態について、説明する。

【００２２】ここで図１は、ハンガの構成と使用状態と
を理解し易いように、長尺体Ｌ、ここでは物干し竿Ｌ’
を仮想線で表すと共に、ハンガを斜視の状態で表して示
している。また、図２は、物干し竿Ｌ’に吊下げられた
ハンガを縦断面の状態で表して示しており、併せて、引
っ掛け手段２、ここではフック２０の倒伏位置Ｄに回動
された状態を当該フック２０の輪郭を仮想線で表して示
している。さらに、図３は、枠体１をヒンジ部を中心に
折り畳んだ状態を、ハンガを縦断面の状態として示して
いる。（なお、以上の各図においては、枠体１に備えら
れる複数のクリップ３、３…の一部のみを表し、その余
のクリップ３を省略して示している。）

【００２３】図１ないし図３に示されるハンガは、一対
の枠構成材１０、１０を連結して構成される略長方形の
外郭形状を備えた枠体１に対して、洗濯物を挟持、吊下
げる複数の鰐口クリップ３０、３０…と、かかる枠体１
を長尺体Ｌに吊下げる一対のフック２０、２０とを備え
付けて構成してある。

【００２４】前記枠体１は、当該枠体１の幅方向に沿っ
た枠部１０ａと、この幅方向に沿った枠部１０ａの両端
からこの枠部１０ａに略直交する向きに同一方向に突き
出す、当該枠体１の長さ方向に沿った枠部１０ｂとを有
する一組の枠構成材１０、１０を、この一組の枠構成材
１０、１０における長さ方向に沿った一対の枠部１０
ｂ、１０ｂの一方の端部同士をヒンジ部１２により、ま
た、この一組の枠構成材１０、１０における長さ方向に
沿った一対の枠部１０ｂ、１０ｂの他方の端部同士をヒ
ンジ部１２により、それぞれ連結して構成してある。

【００２５】より具体的には、かかるヒンジ部１２は、
枠体１における幅方向に沿った回動軸１２ａと、この回
動軸１２ａの軸穴１２ｂ’を備え、かつ、前記枠構成材
１０における長さ方向に沿った枠部１０ｂの端部に設け
られた軸受部１２ｂとより構成してある。かかるヒンジ
部１２を構成する一方の枠構成材１０における軸受部１
２ｂと他方の枠構成材１０における軸受部１２ｂとには
それぞれ、枠体１における上側において、当該枠体１の
各枠部１０ａ、１０ｂが略同一の面上に位置される展開
状態において、相互に突き当たる位置決め突部１２ｂ”
が設けてある。したがって、かかる位置決め突部１２
ｂ”の側を上側にして前記長尺体Ｌに吊下げられた枠体
１の前記展開状態は、安定的に維持され、前記一対の枠
構成材１０、１０は、かかる展開状態より、前記ヒンジ
部１２を中心に枠体１の下側に向けてのみ回動可能とさ
れる。

【００２６】前記鰐口クリップ３０は、洗濯物の挟持側
の端部と反対の側の端部に一端を取り付けた鎖３１をも
って、前記枠体１の各枠部１０ａ、１０ｂおよび各枠部
１０ａ、１０ｂ間を連結する補強フレーム１３に吊下げ
状に取り付けてある。

【００２７】前記フック２０は、前記枠体１における幅
方向に沿った向き合った枠部１０ａにおいてそれぞれ、
当該枠部１０ａの長さ方向略中程の位置に設けてある。

【００２８】かかるフック２０は、長尺体Ｌを側方から
受け入れ、当該長尺体Ｌに引っ掛けられる湾曲部２１を
備え、かつ、このフック２０を当該長尺体Ｌに引っ掛け
た際に当該長尺体Ｌの下側に位置される前記湾曲部２１
の端部２２に、かかるフック２０の起立位置Ｕにおいて
鉛直方向に沿う前記枠体１への組み付け部２３を備えて
いる。

【００２９】かかるフック２０の組み付け部２３が一体
に設けられる前記枠体１における幅方向に沿った枠部１
０ａの中央部は、両端部に当該枠部１０ａの長さ方向に
沿った軸突起１０ａ”を回動可能に嵌め入れて、この軸
突起１０ａ”を中心に回動できるようにされた回動枠部
１０ａ’としてある。

【００３０】これにより、前記フック２０は、少なくと
も湾曲部２１により囲まれた面を、前記枠体１により囲
まれる面に略直交させる起立位置Ｕから、前記枠体１に
より囲まれる面に略平行にさせる倒伏位置Ｄまで、前記
回動枠部１０ａ’を前記軸突起１０ａ”を中心に回動さ
せて、倒伏操作可能とされる。

【００３１】また、一対のフック２０は、前記起立位置
Ｕにおいて、長尺体Ｌを受け入れる開放側２１ｂが同じ
側に向けられるように設けてある。

【００３２】前記枠体１の内側には、前記倒伏位置Ｄま
で回動されたフック２０が収まる空所１１が設けてあ
る。この実施の形態にあっては、枠体１の厚さ寸法に対
して、フック２０の厚さ寸法が小さくなるように構成し
てあり、倒伏位置Ｄまで回動され空所１１に収められた
フック２０は、枠体１の上下縁からもその一部を突き出
すことがない。

【００３３】

【発明の効果】この発明にかかる物干しハンガによれ
ば、枠体１を長尺体Ｌに対し、向き合った位置にそれぞ
れ設けられた引っ掛け手段２により、少なくとも二か所
で吊下げることができ、前記枠体１により囲まれる面が
常時略水平となるようにしておくことができる。この結
果、枠体１を枠体１の中央に設けた一つの引っ掛け手段
２により長尺体Ｌに吊下げた場合に比べ、枠体１のどの
位置に前記クリップにより洗濯物を吊下げても枠体１が
大きく傾くことがなく、枠体１への洗濯物の吊下げを容
易になすことができる。また、吊下げられた洗濯物が枠
体１の傾動によりその下端側を床面等に接しさせて、洗
濯物を汚す事態を減少させることができる。

【００３４】また、風に煽られる等しても、長尺体Ｌに
対する枠体１の吊下げ位置が変ることがなく、物干しス
ペース周囲の壁面等に洗濯物が予期せず接し、洗濯物を
汚す事態を減少させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】物干しハンガの使用状態を示す斜視図

【図２】物干しハンガの縦断面図（展開状態）

【図３】物干しハンガの縦断面図（折畳状態）

【符号の説明】

Ｌ 長尺体 Ｌ’ 物干し竿 １ 枠体 ２ 引っ掛け手段 ３ クリップ

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 物干し竿等の長尺体への引っ掛け手段
   と、洗濯物を挟持する複数のクリップを有する枠体とを
   備えたハンガであって、 前記引っ掛け手段が、少なくとも、前記枠体における向
   き合った位置にそれぞれ設けてあり、この向き合った位
   置にある引っ掛け手段を前記長尺体にそれぞれ引っ掛け
   て、前記枠体により囲まれる面を略水平とするように当
   該長尺体に吊下げられる構成としてあり、 しかも、この引っ掛け手段が、前記長尺体を側方から受
   け入れて当該長尺体に引っ掛けられる湾曲部を備え、且
   つこの湾曲部における前記長尺体の下側に位置される端
   部をもって枠体に組み付けたフックとしてあることを特
   徴とする物干しハンガ。
2. 【請求項２】 フックが、当該フックの枠体への組み付
   け側の端部において、少なくとも、当該枠体により囲ま
   れた面に対し当該フックの湾曲部により囲まれた面を略
   直交させる起立位置から、当該枠体により囲まれた面と
   当該フックの湾曲部により囲まれた面を略平行にさせる
   倒伏位置まで、当該枠体に回動可能に組み付けてあると
   共に、 枠体が前記倒伏位置にあるフックを収める空所を備えて
   いることを特徴とする請求項１記載の物干しハンガ。
3. 【請求項３】 枠体が、同一の直線上に回動軸を位置さ
   せる一対のヒンジ部により、この一対のヒンジ部を中心
   に回動可能に連結された一対の枠構成材より構成してあ
   ることを特徴とする請求項２記載の物干しハンガ。