JP3113509B2 - コンバイン - Google Patents

コンバイン

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JP3113509B2
JP3113509B2 JP06144195A JP14419594A JP3113509B2 JP 3113509 B2 JP3113509 B2 JP 3113509B2 JP 06144195 A JP06144195 A JP 06144195A JP 14419594 A JP14419594 A JP 14419594A JP 3113509 B2 JP3113509 B2 JP 3113509B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、扱室から漏下する選別
処理物の量を検出する処理物量検出手段の情報に基づい
て、その選別処理物量が多いほど選別装置の処理能力が
大きくなるように、前記選別装置の処理能力変更手段を
調節作動させる選別制御と、負荷検出手段によって検出
されるエンジン負荷が目標負荷範囲に維持されるよう
に、車速変速用の変速装置を変速操作する車速制御とを
実行する制御手段が設けられたコンバインに関する。
【0002】
【従来の技術】上記コンバインでは、選別制御におい
て、処理物量検出手段として例えば扱室から選別装置の
揺動選別板上に漏下した選別処理物層の層厚を検出する
層厚センサを用い、その検出層厚つまり処理物量が多い
ほど、例えば揺動選別板における処理物の漏下開度(例
えば、チャフシーブの開度)を大きくする等して選別装
置の処理能力が大きくなるように、その処理能力変更手
段としての開度変更手段(チャフシーブの開度変更用の
モータ等)を調節作動させる制御を行い、同時に、車速
制御において、例えばエンジン回転数の基準回転数から
の低下量として求めたエンジン負荷が目標負荷範囲に維
持される、つまりエンジン回転数が目標回転数に維持さ
れるように、エンジン回転数が目標回転数より低下すれ
ば車速変速用の変速装置を減速操作する一方、エンジン
回転数が目標回転数より高くなれば増速操作する制御を
行なうことになる。そして、従来では、選別制御と車速
制御とが、単に独立して実行されるようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来で
は、車速制御により車速が速くなり過ぎて、揺動選別板
上の選別処理物量(層厚)が過大になり、選別装置の処
理能力がその上限値まで大きく(具体的には、上記チャ
フシーブ開度を上限開度にする)調節されても不足する
場合がある。このような状態では、揺動選別板で漏下さ
れずに機外に放出される3番ロスの増加や、2番還元量
が増えすぎることによる穀粒の損傷等を発生させ、最悪
の場合には選別装置において処理物の詰まりを発生させ
て刈取作業ができなくなるおそれがある。もちろん、こ
のような状況では、脱穀負荷の増大によりエンジン回転
数が目標回転数より低下する結果、前記変速装置が減速
操作されて刈取穀稈量が減少されることになり、選別装
置において処理物の詰りを発生することは極力回避され
るものとなる。
【0004】しかしながら、車速の減速操作によって刈
取穀稈量が減少して選別処理物が適正な量になり、選別
処理物量の過大状態がいったん解消されても、同一の圃
場条件の下では再び車速が速くなり過ぎて選別処理物量
が過大になる可能性が大であり、その場合には、同様な
減速操作が繰り返されることになる。そして、上記減速
操作してから刈取穀稈量の減少を経て選別処理物が適正
な量になるまでの間は、選別処理物量の過大状態が継続
して適正な選別処理が行われないので、選別処理物量の
過大状態を頻発させることは好ましいものではない。従
って、選別処理物量の過大状態に対して単純な減速操作
を行うだけでは必ずしも充分な対策とはなっていなかっ
た。
【0005】尚、従来、上限車速をボリューム等の手段
にて所定値に手動設定し、その上限車速を超えない状態
で車速制御を行っているが、この場合の上限車速は、選
別装置の処理能力とは無関係に、作業者が例えば地面の
凹凸や湿田等の圃場条件から刈取走行可能と判断した最
高車速値として設定され、これによって、走行時のエン
ジン出力の極端な低下やエンスト等の発生を回避して前
記負荷に応じた車速制御を円滑に行うようにするための
ものであった。
【0006】本発明は、上記実情に鑑みて為されたもの
であって、その目的は、前記従来技術の不具合を解消さ
せるべく、上記選別処理物量の過大状態を発生させない
ような上限車速条件の下で車速制御を実行するととも
に、刈取走行中の作業行程において走行位置が行程終端
に近い場合には、不必要な上限車速条件の変更を回避し
て作業能率の向上を図ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のコンバインは、
扱室から漏下する選別処理物の量を検出する処理物量検
出手段の情報に基づいて、その選別処理物量が多いほど
選別装置の処理能力が大きくなるように、前記選別装置
の処理能力変更手段を調節作動させる選別制御と、負荷
検出手段によって検出されるエンジン負荷が目標負荷範
囲に維持されるように、車速変速用の変速装置を変速操
作する車速制御とを実行する制御手段が設けられたもの
であって、その第1の特徴構成は、刈取作業地内に設定
された作業行程における刈取走行距離を検出する刈取走
行距離検出手段と、車速検出手段によって検出される検
出車速の最大値を設定上限車速として記憶する最大車速
記憶手段とが設けられ、前記制御手段は、前記最大車速
記憶手段の情報に基づいて、前記検出車速が前記設定上
限車速を超えない状態で前記車速制御を実行するととも
に、前記選別処理物量が前記選別装置の処理能力の上限
値を超えた場合に前記設定上限車速を設定量低速の車速
値に補正する補正処理を実行し、且つ、前記刈取走行距
離検出手段の情報に基づいて、前記作業行程における予
定刈取走行距離に対する残りの刈取走行距離が設定距離
よりも短い場合にはその作業行程における前記補正処理
を停止するように構成されている点にある。
【0008】第2の特徴構成は、前記作業行程が、その
行程長手方向に交差する方向に並置された複数の作業行
程で構成され、前記制御手段は、前記複数の作業行程の
うちの現在の作業行程よりも前の作業行程における前記
刈取走行距離検出手段の検出情報に基づいて、現在の作
業行程における予定刈取走行距離を設定するように構成
されている点にある。
【0009】第3の特徴構成は、刈取装置の茎稈導入経
路に導入される茎稈に対する刈取形式が機体進行方向に
条列を形成するように並ぶ条刈り形式か、その条刈り形
式以外の他の刈取形式であるかを検出する刈取形式検出
手段が設けられ、前記制御手段は、前記刈取形式検出手
段の情報に基づいて、前記刈取作業地に対して条刈り形
式で刈取作業を行っている場合にのみ、前記作業行程に
おける予定刈取走行距離の設定を行うように構成されて
いる点にある。
【0010】第4の特徴構成は、前記処理物量検出手段
が、前記選別装置の揺動選別板の上に存在する前記選別
処理物の層厚を検出する層厚検出手段で構成され、前記
処理能力変更手段が、前記選別装置の揺動選別板におけ
る漏下開度を変更する開度変更手段で構成され、前記制
御手段は、前記開度変更手段がその開度変更範囲の上限
開度位置まで操作された状態で、前記層厚検出手段によ
る前記選別処理物の検出層厚が選別能力限界判別用の設
定層厚値を超える状態が設定時間以上継続したときに、
前記選別処理物量が前記選別装置の処理能力の上限値を
超えたと判別するように構成されている点にある。
【0011】
【作用】本発明の第1の特徴構成によれば、扱室から漏
下する選別処理物量が多いほど選別装置の処理能力が大
きくなるように選別装置の処理能力を調節しながら、刈
取作業地内に設定された作業行程を刈取走行していると
きに、選別処理物量が選別装置の処理能力の上限値を超
えていない場合には、それまでの検出車速の最大値が設
定上限車速として設定される。一方、選別処理物量が選
別装置の処理能力の上限値を超えた場合には、上記作業
行程における予定刈取走行距離に対する、それまでに刈
取走行した距離即ち検出された刈取走行距離の差から求
めた残りの刈取走行距離が設定距離よりも長い場合に
は、上記設定上限車速が所定量低速の車速値に補正され
るが、上記予定刈取走行距離に対する残りの刈取走行距
離が設定距離よりも短い場合には、上記設定上限車速の
低速側への補正は行わない。そして、車速が上記各設定
上限車速を超えない状態で、エンジン負荷を目標負荷範
囲に維持するように車速変速用の変速装置を変速操作す
る車速制御が行われる。
【0012】又、第2の特徴構成によれば、刈取作業地
内に行程長手方向に交差する方向に並置された複数の作
業行程のうちの現在の作業行程における予定刈取走行距
離が、現在の作業行程より前の作業行程における刈取走
行距離の検出情報に基づいて、例えば、上記複数の作業
行程の行程長さが略同一ならばその前の作業行程での検
出刈取走行距離にて、あるいは、上記複数の作業行程の
行程長さが少しずつ異なるならば前の作業行程での検出
刈取走行距離から所定距離増減した距離等にて夫々設定
される。そして、選別処理物量が選別装置の処理能力の
上限値を超えた場合に、上記設定した予定刈取走行距離
に対する残りの刈取走行距離が設定距離よりも長い場合
に、上記設定上限車速の低速側への補正が行われる一
方、上記設定した予定刈取走行距離に対する残りの刈取
走行距離が設定距離よりも短い場合には、上記設定上限
車速の低速側への補正は行わない。
【0013】又、第3の特徴構成によれば、刈取装置の
茎稈導入経路に導入される茎稈に対する刈取形式が機体
進行方向に条列を形成するように並ぶ条刈り形式で、刈
取作業地内に設定された作業行程を刈取走行している場
合にのみ、選別処理物量が選別装置の処理能力の上限値
を超えたときに、その作業行程における予定刈取走行距
離に対する残りの刈取走行距離が設定距離よりも長い場
合に、上記設定上限車速が所定量低速側に補正される。
刈取形式が上記条刈り形式以外の他の形式の場合には、
選別処理物量が選別装置の処理能力の上限値を超えたと
きに、上記予定刈取走行距離に対する残りの刈取走行距
離が設定距離よりも長い場合であっても、上記設定上限
車速の低速側への補正は行わない。
【0014】又、第4の特徴構成によれば、揺動選別板
上の選別処理物の層厚が厚いほど揺動選別板における漏
下開度を大きくする開度調節条件において、揺動選別板
の漏下開度がその開度変更範囲の上限開度まで操作され
ている状態で、選別処理物の層厚が選別能力限界判別用
の設定層厚値を超える状態が設定時間以上継続すると、
選別処理物量が選別装置の処理能力の上限値を超えたと
判別され、そのとき、その作業行程における予定刈取走
行距離に対する残りの刈取走行距離が設定距離よりも長
い場合に、前記設定上限車速が所定量低速側に補正され
る一方、上記予定刈取走行距離に対する残りの刈取走行
距離が設定距離よりも短い場合には、上記設定上限車速
の低速側への補正は行わない。
【0015】
【発明の効果】本発明の第1の特徴構成によれば、選別
処理物量が選別装置の処理能力の上限値を超えた場合に
は、車速制御における上限車速を低速側に変更して、こ
の低速側に変更された上限車速の制限の下で車速制御を
行うので、従来のように単純に変速装置を減速操作する
構成では再び車速が速くなり過ぎて選別処理物量の過大
状態が再発する虞があるが、その不都合が回避され、も
って、揺動選別板で漏下されずに機外に放出される3番
ロスの増加や、2番還元量の増え過ぎによる損傷穀粒の
増加等の選別作業の不具合発生が適切に防止できる。し
かも、刈取作業地内に設定された作業行程における予定
刈取走行距離に対する残りの刈取走行距離が設定距離よ
りも短い場合、即ち、現在の走行位置がその作業行程の
終端部に近い場合には、選別処理物量が選別処理能力の
上限値を超えていてもその後の選別処理物量の増加は短
時間で終了するものであるため、上記上限車速の低速値
への変更を行わずに、そのままの車速条件で刈取走行し
てその作業行程の刈取作業を行うことにより、作業能率
の向上が実現される。
【0016】又、第2の特徴構成によれば、刈取作業地
内に行程長手方向に交差する方向に並置された複数の作
業行程のうちの現在の作業行程における予定刈取走行距
離が、現在の作業行程より前の作業行程における刈取走
行距離の検出情報に基づいて設定されるので、例えば、
上記複数の作業行程夫々の予定刈取走行距離を予め作業
地の情報等に基づいて所定距離に設定し、その予定刈取
走行距離を基準にして残りの刈取走行距離を判別するも
のでは、実際の作業地の条件が作業地の情報と異なる等
の場合には適正な予定刈取走行距離の設定がなされず、
設定された予定刈取走行距離が適正な予定刈取走行距離
よりも短い場合には、作業行程の後半部分において本来
行うべき選別処理物量が選別処理能力の上限値を超えた
ときの上記上限車速の低速値への補正がなされない一方
で、設定された予定刈取走行距離が適正な予定刈取走行
距離よりも長い場合には、作業行程の終端近くで不必要
な上記上限車速の低速値への補正がなされる不具合があ
るのに対して、本発明では、実際の作業地の条件に基づ
いて適正な予定刈取走行距離を設定して上記不具合の発
生を回避でき、もって、上記第1の特徴構成を実施する
際の好適な手段が得られる。
【0017】又、第3の特徴構成によれば、刈取装置の
茎稈導入経路に導入される茎稈に対する刈取形式が機体
進行方向に条列を形成するように並ぶ条刈り形式で作業
行程を刈取走行している場合にのみ、選別処理物量が選
別装置の処理能力の上限値を超えた場合に、残りの刈取
走行距離が設定距離よりも長いことを条件で上記設定上
限車速の低速側への補正がなされるので、刈取形式が上
記条刈り形式以外の他の形式例えば横刈り形式等の場合
には、条刈り形式と比べて現在の作業行程と前の行程と
の間の刈取条件の差が大きいことから、前の行程での検
出刈取走行距離の情報に基づく現在行程での予定刈取走
行距離の設定を行わないようにすることにより、誤った
予定刈取走行距離を設定することが適切に回避され、も
って、上記第1又は第2の特徴構成を実施する際の好適
な手段が得られる。
【0018】又、第4の特徴構成によれば、揺動選別板
上の選別処理物層の層厚を層厚センサ等の比較的簡便な
センサからなる層厚検出手段にて検出して、選別処理物
量を良好に検出できるとともに、選別装置の揺動選別板
における漏下開度を変更するモータ等の開度変更手段に
て、選別装置の処理能力を適切に調節することができ、
同時に、その揺動選別板の漏下開度及び選別処理物層の
層厚検出値の情報に基づいて、選別処理物量が選別装置
の処理能力の上限値を超えたことが適切に判別でき、も
って、上記第1、第2又は第3の特徴構成を実施する際
の好適な手段が得られる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2〜図4に示すように、コンバインは、左右一
対のクローラ走行装置1、脱穀装置2、操縦部3、刈取
装置4等を備える。
【0020】刈取装置4の先端部に、複数個の分草具5
A,5B,5C,5Dが機体横幅方向に間隔を隔てて支
持フレーム39によって支持された状態で設けられ、そ
れら各分草具5A,5B,5C,5Dの間に、複数の茎
稈導入用の経路L1,L2,L3が形成されている。そ
して、各経路L1,L2,L3に導入された茎稈を引き
起こす引き起こし装置6と、引き起こされた茎稈の株元
を切断する刈り刃7と、刈取茎稈を機体後方上方側に向
けて係止搬送して脱穀装置2のフィードチェーン16の
始端部に渡すための補助搬送装置8及びその後方の縦搬
送装置9とが、その順序で分草具5A,5B,5C,5
Dの後方側に順次並ぶ状態で設けられている。尚、前記
経路L1,L2,L3のうちの最も既刈り側の経路L3
の横幅は、同時に2列分の茎稈を導入できるように他の
経路L1,L2の横幅よりも大に形成され、又、縦搬送
装置9の始端部には、刈取穀稈の有無を検出するため
に、刈取穀稈が有るときにオンし、無いときにオフする
スイッチからなる株元センサS4が設けられている。
【0021】刈取装置4には、各経路L1,L2,L3
に導入される茎稈の経路端部からの横間隔を検出する複
数個の操向制御用センサS8a,S8b,S8cが、最
未刈り側の経路L1内に導入される茎稈と経路既刈り側
端部との横間隔を検出する第1センサS8aと、真ん中
の経路L2内に導入される茎稈と経路未刈り側端部との
横間隔を検出する第2センサS8bと、最既刈り側の経
路L3内に導入される茎稈と経路既刈り側端部との横間
隔を検出する第3センサS8cとから構成されて設けら
れている。
【0022】前記複数個の操向制御用センサS8a,S
8b,S8cの構成について説明すれば、略同一構成に
なるものであって、図5に示すように、先端部が分草具
5B,5Dの後方側位置で枢支され且つ機体後方側に揺
動自在なセンサバー50が、機体前後方向に所定距離
(条刈りのときの距離H1=17cm程度、横刈りのと
きの距離H2=30cm程度)を隔てて列状に並ぶ茎稈
側に復帰付勢された状態で設けられ、そのセンサバー5
0が茎稈との接触によって機体後方側に揺動した角度を
検出するポテンショメータRpが設けられている。つま
り、走行に伴って、分草具5A,5B,5C,5Dの間
に導入される茎稈の株元がセンサバー50に接当して、
センサバー50が揺動支点から茎稈接当位置に応じた揺
動角で機体後方側に回動し、前記ポテンショメータRp
は、センサバー50の揺動角を検出して、機体進行方向
に並ぶ茎稈に対する各センサの取付位置すなわち茎稈導
入経路の端部からの横方向間隔が小になるほど大となる
電圧En(ここで、n=1,2,3であって各操向制御
用センサS8a,S8b,S8cの電圧を示す)を出力
する。
【0023】脱穀装置2は、図6に示すように、扱胴1
5を収納する扱室A、刈取装置4から供給される穀稈を
扱室Aに供給搬送するフィードチェーン16、排塵用の
横断流ファン17、脱穀後の処理物を選別するための選
別装置Bを備える。選別装置Bは、トウミ18、揺動選
別板19、選別後の処理物を回収するための一番物回収
部(以下、一番口という)20及び二番物回収部(以
下、二番口という)21を備えている。
【0024】フィードチェーン16の上部には、図7に
示すように、搬送される穀稈を下方に押圧してフィード
チェーン16とで挟持する機構が設けられている。即
ち、枢支軸Pにて搬送方向に連結された複数の押圧部材
16a,16bがコイルバネ16cにて各別に弾性付勢
されている。そして前から一番目の押圧部材16aと二
番目の押圧部材16bとの枢支軸Pの上方への変位を検
出するポテンショメータS1が設けられており、このポ
テンショメータ(以下、稈厚センサという)S1によっ
てフィードチェーン16と押圧部材16a,16bとの
間に挟持される穀稈の厚さが検出される。ここで、フィ
ードチェーン16の搬送速度はほぼ一定に保たれてお
り、稈厚センサS1の検出値は扱室Aへの穀稈供給量に
比例する。
【0025】フィードチェーン16にて扱室Aに供給搬
送される穀稈は扱胴15の回転により脱穀される。扱室
Aの下部には受網22が設けられ、脱穀後の処理物のう
ち単粒化した穀粒は受網22から揺動選別板19に漏下
する。受網22から漏下できなかった処理物は受網22
の後端部より揺動選別板19に落下する。
【0026】揺動選別板19は、トウミ18の上方に位
置するグレンパン23、その後方に位置するチャフシー
ブ24、その下方に位置するグレンシーブ25等からな
り、一定周期の揺動により処理物を後方に移送しながら
比重選別する。一番口20及び二番口21は、それぞれ
スクリューコンベアを備え、チャフシーブ24及びグレ
ンシーブ25から漏下した穀粒は一番口20から回収さ
れてタンク等に貯溜される。チャフシーブ24の後端や
グレンシーブ25の後端から落下した穀粒と藁屑との混
合物は二番口21から回収されて揺動選別板19に還元
される。
【0027】チャフシーブ24は、図8に示すように、
複数の板状部材24aが所定間隔毎に前後方向に並設さ
れたものである。各板状部材24aは左右軸芯周りに回
動自在に左右の側板に枢着され、下端部がリンク24b
にて枢支連結されている。従って、リンク24bを前後
方向に移動操作すると、各板状部材24aが同時に回動
し、各板状部材24aの隣接間隔tが変化する。この間
隔tが揺動選別板19における漏下開度(以下、チャフ
開度という)に相当し、このチャフ開度の変更は、シー
ブモータM1を正逆方向に回転駆動することによって行
われる。そのシーブモータM1の回転動作はギヤ式の連
係機構26、揺動アーム27、ワイヤ28によってリン
ク24bの前後移動動作に変換されて、上記の如くチャ
フ開度が変更される。以上より、シーブモータM1に
て、揺動選別板19における漏下開度を変更する開度変
更手段が構成される。尚、揺動アーム27の回動角度か
らチャフ開度を検出するためのポテンショメータ式のチ
ャフ開度センサS2が設けられている。
【0028】トウミ18は、選別風を発生するためのも
のであり、その風力は図6に示すように、トウミケース
カバー18aの開度を変えることによって行われる。つ
まり、開度を大きくするほど風力(以下、トウミ風力と
いう)が小さくなる。トウミ風力の変更は、図9に示す
ように、トウミモータM2によって行われる。トウミモ
ータM2は、連係機構30、揺動アーム31、リンク3
2,33を介してトウミケースカバー18aを開閉操作
する。尚、揺動アーム31の回転角度からトウミ風力を
検出するためのポテンショメータ式のトウミ風力センサ
S3が設けられている。
【0029】上記揺動選別板19の構成において、シー
ブモータM1を駆動してチャフ開度を大きくするほど、
チャフシーブ24において下方側に漏下する穀粒量が増
加して、選別装置Bの処理能力が大きくなる。このと
き、一番口20にて回収される穀粒に藁屑が混入するの
を防止すべく、漏下穀粒量の増加に応じてトウミ風力が
大きくなるようにトウミモータM2を駆動する。以上よ
り、選別装置Bの処理能力変更手段が、前記シーブモー
タM1及びトウミモータM2にて構成されることにな
る。
【0030】又、図6及び図10に示すように、チャフ
シーブ24の上の選別処理物(穀粒等)の層厚を検出す
る層厚センサS5が、揺動選別板19の左右の側板の上
辺に架設されたロッド40に取り付けられている。層厚
センサS5は、横軸芯周りに揺動自在に垂下された板状
部材T1,T2と、その板状部材T1,T2の後方(処
理物の搬送方向)への回動角度Iを抵抗値に変換するポ
テンショメータPMからなる。処理物の層厚が小さいと
きは板状部材T1が処理物に接当して後方へ回動し、層
厚が大きくなると板状部材T2が処理物に接当して後方
へ回動するように構成されている。
【0031】上記構成により、選別処理物の量が多くな
ってその層厚が大きくなるほどセンサバーT1,T2の
回動角度Iが大きくなるので、ポテンショメータPMの
抵抗値から処理物の層厚即ち処理物量を検出することが
できる。従って、揺動選別板19(実際はチャフシーブ
24)の上に存在する選別処理物の層厚を検出する層厚
検出手段が、上記層厚センサS5によって構成されると
ともに、扱室Aから漏下する選別処理物の量を検出する
処理物量検出手段が、上記層厚検出手段(即ち層厚セン
サS5)にて構成されることになる。又、図10のIm
axは、選別処理物量が選別装置Bの処理能力の上限値
を超えたか否かを判別するための選別能力限界判別用の
設定層厚値(実際はその層厚値のときの回動角度)を示
す。
【0032】動力伝達系は図3に示すように構成されて
いる。エンジンEの動力は、脱穀クラッチ10を介して
脱穀装置2に伝達されると共に、走行クラッチ11及び
車速変速用の変速装置としての油圧式の無段変速装置1
2を介して、左右一対のクローラ走行装置1のミッショ
ンケース13に伝達され、刈取装置4には、ミッション
ケース13から刈取クラッチ14を介して動力が伝達さ
れる。ミッションケース13には、クローラ走行装置1
に対する駆動力の伝達を左右で各別に入り切り操作する
ための操向用クラッチ34L,34R、それを入り切り
操作する操向用油圧シリンダ35L,35R、及びこの
油圧シリンダ35L,35Rへの作動油の供給を制御す
るための電磁操作式の操向用制御弁36L,36Rが設
けられ、駆動力を切り操作したクローラ走行装置1の側
を旋回中心として旋回するようになっている。又、クロ
ーラ走行装置1への駆動軸の回転数を検出する回転数セ
ンサS6が設けられ、この回転数情報に基づいて車速並
びに走行距離が検出されるので、回転数センサS6が車
速検出手段並びに走行距離検出手段として機能する。エ
ンジンEには、その回転数を検出するエンジン回転数セ
ンサS7が設けられ、又、脱穀装置2が動作中か否かを
検出するために、脱穀クラッチ10の入切状態を検出す
る脱穀スイッチSW1が設けられている。
【0033】前記無段変速装置12は、可変容量型の油
圧ポンプと定容量型油圧モータからなる静油圧トランス
ミッションであって、油圧ポンプ内の可変斜板の角度を
変えることにより吐出量と方向を変化させて、油圧モー
タ出力軸の回転数と回転方向を変化させる。そして、上
記油圧ポンプ内の可変斜板の角度を変えるための電動式
の車速変更用モータM3(図1参照)が設けられ、その
車速変更用モータM3を正逆転駆動することで、車速が
増減速される。
【0034】図1に示すように、マイクロコンピュータ
等で構成される制御手段Hが設けられ、この制御手段H
には、前述の脱穀スイッチSW1、稈厚センサS1、チ
ャフ開度センサS2、トウミ風力センサS3、株元セン
サS4、層厚センサS5、回転数センサS6、エンジン
回転数センサS7、及び、操向制御用センサS8a,S
8b,S8cの各検出情報が入力されている。一方、制
御手段Hからは、前述のシーブモータM1、トウミモー
タM2、車速変更用モータM3、及び、操向用制御弁3
6L,36Rに対する各駆動信号が出力されている。
【0035】又、前記操縦部3の操縦パネルには、圃場
面の凹凸や湿田状態等の圃場条件等に応じて判断した車
速の上限値(以下、補助車速上限値V2と呼ぶ)を人為
的に設定する上限車速設定ボリュームVRと、自動車速
制御を実行するか否かを設定するための車速オートスイ
ッチSW2と、刈取作物の種類を稲、麦、大豆の中から
選択して切り換える作物切換スイッチSW3と、操縦を
手動運転と自動運転とに切り換えるための手動自動切換
スイッチSW4とが設けられ、これらの各情報も制御手
段Hに入力されている。そして、上限車速設定ボリュー
ムVRによって、車速の上限値V2が0.3m/sから
2.0m/sの範囲で設定される。又、上記作物切換ス
イッチSW3にて切り換えられた作物種類に応じて、層
厚センサS5における前記選別能力限界判別用の設定層
厚値Imaxが、稲、麦、大豆の順で大きくなるように
変更設定される。
【0036】前記エンジン回転数センサS7と制御手段
Hを利用して、エンジンEの負荷(エンジン負荷)Lを
検出する負荷検出手段S7,Hが構成される。つまり、
刈取・脱穀作業中において、エンジンEに対する負荷の
増大に応じてエンジン回転数が低下するので、エンジン
回転数の低下量からエンジン負荷を求める。具体的に
は、車速が0.1m/s未満のときのエンジン回転数の
最大値を基準回転数Rとして記憶しておき、その基準回
転数Rと現在のエンジン回転数rとの差R−rをエンジ
ン負荷Lとして算出する。
【0037】前記制御手段Hは、自動運転時には、前記
操向制御用センサS8a,S8b,S8cの検出情報に
基づいて操向位置が適正状態になるように操向制御す
る。つまり、条刈り時においては、第1センサS8aと
第2センサS8bの2つのセンサー情報に基づいて、分
草具4Bの両側の茎稈がその分草具4Bから等間隔の位
置で共に両センサーバー50に接当する状態を適正操向
状態とする一方、横刈り時においては、第3センサS8
cのセンサー情報に基づいて、茎稈が最既刈り側の分草
具4Dから所定間隔で位置する状態を適正操向状態とし
て維持するように制御される。尚、図示しないが、手動
運転時に車速を変速するための手動変速レバーと、前記
操向用クラッチ34L,34Rを手動で入り切りするた
めの手動操向レバーとが前記操縦部3に設けられてい
る。
【0038】ところで、茎稈は機体前後方向に所定距離
H1,H2を隔てる状態で植え付けられていることか
ら、センサーバー50に茎稈が断続して接当することに
なり、前記ポテンショメータRpからの信号レベルは断
続的に変化する。そこで、制御手段Hは、図11に示す
ように、ポテンショメータRpの出力信号を上記断続変
化の周期よりも十分に短い間隔でサンプリングするよう
に、上記所定距離H1,H2よりも十分に短い距離に設
定された所定走行距離Δh毎に、ポテンショメータRp
からの電圧Enをサンプリングするように構成されてい
る。図中、(イ)は条刈りの場合、(ロ)は横刈りの場
合の信号波形を夫々示す。
【0039】そして、前記制御手段Hを利用して、前記
刈取装置4の茎稈導入用の経路L1,L2,L3に導入
される茎稈に対する刈取形式が機体進行方向に条列を形
成するように並ぶ条刈り形式か、その条刈り形式以外の
他の刈取形式(横刈り形式)であるかを検出する刈取形
式検出手段101が構成されている。具体的には、前記
操向制御用センサS8a,S8b,S8cにて検出され
る茎稈の各センサーの位置を基準とする茎稈通過検出情
報と、前記回転数センサS6による走行距離検出情報と
に基づいて茎稈の機体進行方向における間隔が検出さ
れ、次に、その茎稈の間隔が、設定間隔例えば条刈り及
び横刈り両刈取形式における前記所定距離H1,H2の
中間に相当する間隔((H1+H2)/2=23.5c
m程度)よりも小さい場合は条刈り形式と判別し、設定
間隔よりも大きい場合は横刈り形式と判別する。実際に
は、検出精度を向上させるために、茎稈の間隔が条刈り
時の距離H1に近いとき(H1−αとH1+αの間の値
のとき、ここでα=2〜3cmに設定する)条刈り形式
と判別し、横刈り時の距離H2に近いとき(H2−αと
H2+αの間の値のとき)横刈り形式と判別する。
【0040】前記制御手段Hは、扱室Aから漏下する選
別処理物の量を検出する前記層厚センサS5の情報に基
づいて、その選別処理物量が多いほど選別装置Bの処理
能力が大きくなるように、選別装置Bの処理能力変更手
段(シーブモータM1及びトウミモータM2)を調節作
動させる選別制御と、前記負荷検出手段S7,Hによっ
て検出されるエンジン負荷Lが目標負荷範囲に維持され
るように、つまり、エンジン回転数rが目標回転数に維
持されるように、前記無段変速装置12を変速操作する
車速制御とを実行するように構成されている。尚、上記
選別制御を行うのに、制御手段Hは、記憶されている関
係テーブルに基づいて、層厚センサS5の検出値に対応
するチャフ開度及びトウミ風力の目標値を求め、各目標
値とチャフ開度センサS2又はトウミ風力センサS3の
検出値との偏差をゼロにするように制御する。
【0041】又、前記制御手段Hを利用して、前記回転
数センサS6によって検出される検出車速の最大値を設
定上限車速として記憶する最大車速記憶手段100が構
成されている。具体的には、記憶用のメモリー内の値と
して保持される。そして、制御手段Hは、前記最大車速
記憶手段100の情報に基づいて前記検出車速が前記設
定上限車速V1を超えない状態で、又、前記検出車速が
前記上限車速設定ボリュームVRで設定された補助車速
上限値V2を超えない状態で前記車速制御を実行すると
ともに、前記選別処理物量が前記選別装置Bの処理能力
の上限値を超えた場合に前記設定上限車速V1を設定量
低速の車速値に補正する補正処理を実行するように構成
されている。
【0042】具体的には、制御手段Hは、前記シーブモ
ータM1がその開度変更範囲の上限開度位置まで操作さ
れている状態で、前記層厚センサS5による前記選別処
理物の検出層厚が選別能力限界判別用の設定層厚値Im
axを超える状態が設定時間(例えば2秒)以上継続し
たときに、前記選別処理物量が前記選別装置Bの処理能
力の上限値を超えたと判別するように構成されている。
一方、制御手段Hは、前記シーブモータM1がその開度
変更範囲の上限開度よりも小さい開度位置に操作されて
いるとき、及び、前記層厚センサS5の層厚検出値が前
記選別能力限界判別用の設定層厚値Imaxよりも小さ
い層厚値であるときに、前記設定上限車速V1を設定量
高速の車速値に補正する。
【0043】又、前記制御手段Hを利用して、刈取作業
地内に設定された作業行程における刈取走行距離を検出
する刈取走行距離検出手段102が構成されている。具
体的には、前記株元センサS4がオンしてからの走行距
離を前記回転数センサS6の検出情報から算出し、その
走行距離を刈取走行距離とする。そして、前記制御手段
Hは、前記刈取走行距離検出手段102の情報に基づい
て、前記作業行程における予定刈取走行距離に対する残
りの刈取走行距離が設定距離よりも短い場合にはその作
業行程における前記補正処理を停止するように構成され
ている。前記作業行程は、図12に示すような矩形状の
刈取作業地K内に、その行程長手方向に交差する方向
(図の左右方向)に並置された複数の作業行程k1,k
2,k3で構成され、制御手段Hは、上記複数の作業行
程k1,k2,k3のうちの現在の作業行程より前の作
業行程における前記刈取走行距離検出手段102の検出
情報に基づいて、現在の作業行程における予定刈取走行
距離を設定するとともに、前記刈取形式検出手段101
の情報に基づいて、刈取作業地に対して条刈り形式で刈
取作業を行っている場合にのみ、前記作業行程における
予定刈取走行距離の設定を行うように構成されている。
【0044】具体的には、図12に示すように、制御手
段Hは、前記複数の作業行程k1,k2,k3を作業地
Kの一端側(図の左端側)から順番に、走行方向を反対
にして往復走行しながら各作業行程k1,k2,k3の
長手方向に沿って条刈り形式で刈取作業する場合に、現
在の作業行程よりも1つ前の行程における前記刈取走行
距離、即ち、前の行程において株元センサS4がオンし
てからオフするまでに走行した距離(この情報は、制御
手段H内に記憶されている)を、現在の作業行程におけ
る予定刈取走行距離として設定する。尚、図12では、
行程k1が行程k2の前の行程になり、行程k2が行程
k3の前の行程になる。
【0045】次に、図13〜図18に示すフローチャー
トに基づいて、制御手段Hによる脱穀及び車速複合制御
の流れを説明する。メインフロー(図13)では、先
ず、各種制御パラメータを初期設定する初期化処理を行
った後、株元センサS4がオフ状態からオン状態に変化
して刈取作業の開始が確認されると、刈取形式の検出が
済んでいるか否かを調べ、済んでいなければ刈取形式検
出処理(図14)を実行する。一方、刈取形式の検出が
済んでいれば、手動自動切換スイッチSW4の状態から
手動運転か自動運転かを判断する。そして、通常、運転
初期は手動運転側であり、その手動運転では、運転者は
茎稈列に沿うように手動で操向及び変速操作を行い、茎
稈列に対して機体操向位置が適正になった時点で手動自
動切換スイッチSW4を自動運転側に切り換える。その
自動運転側への切り換えが確認されると、更に脱穀スイ
ッチSW1がオン状態であることを確認した後、データ
処理、脱穀制御、車速制御、及び、操向制御の各処理を
行う。
【0046】刈取形式検出処理(図14)では、所定走
行距離Δhを走行するごとに各操向制御用センサS8
a,S8b,S8cのポテンショメータRpからの電圧
En(n=1,2,3)及び走行距離データをサンプリ
ングし、このサンプリングを距離H1を走行するまで繰
り返す。そして、距離H1を走行したことが確認される
と、この間の上記電圧Enについての複数個のデータの
うちの最大値を各操向制御用センサS8a,S8b,S
8c毎に求め、更に、これらの最大値が一定値以上であ
れば、各最大値のときの各走行距離データをdn(n=
1,2,3)として記憶し、一定値以上でなければ、上
記dn値の記憶は行わない。
【0047】次に、上記求めた今回のdn値と前回求め
たdn値との差つまり走行距離の間隔Δhの値がH1−
αとH1+αの間の値であるときは、条刈カウンタを+
1加算し、上記間隔Δhの値がH2−αとH2+αの間
の値であるときは、横刈カウンタを+1加算する。一
方、上記間隔Δhの値が上記以外のときは、条刈カウン
タ及び横刈カウンタを−1減算する。但し、カウンタ値
をマイナスにはしない。尚、条刈カウンタ及び横刈カウ
ンタは、夫々各操向制御用センサS8a,S8b,S8
cごとに用意されて合計6個設けられている。そして、
3個の条刈カウンタのうちの少なくとも1個のカウンタ
が、あるいは、3個の横刈カウンタのうちの少なくとも
1個のカウンタが予め設定された数N(例えば3〜5程
度)以上になったら、夫々刈取形式を条刈り形式あるい
は横刈り形式と判別する。
【0048】データ処理(図15〜図16)では、株元
センサS4がオン状態(刈取作業中)のときには、先
ず、チャフ開度を調べ、チャフ開度が全開状態(シーブ
モータM1が開度変更範囲の上限開度位置まで操作され
ている状態)であれば、層厚センサS5の層厚検出値I
が前記選別能力限界判別用の設定層厚値Imax以上か
どうかを調べる。層厚検出値Iが設定層厚値Imax以
上の場合には、その状態が2秒以上継続したときだけ減
速フラグをセットする。一方、上記チャフ開度が全開状
態でない(シーブモータM1が開度変更範囲の上限開度
よりも小さい開度位置に操作されている)とき、及び、
層厚検出値Iが設定層厚値Imax未満の状態が2秒以
上継続したときには、増速フラグをセットする。
【0049】次に、現在の車速値を、それまでの検出車
速の最大値を記憶しているメモリーMAXSPD内の値
と比較し、その値より現在の検出車速値が大きいときだ
け、現在の車速値を検出車速の最大値として上記メモリ
ーMAXSPDに更新記憶させる。
【0050】尚、株元センサS4がオフ状態からオン状
態に変化してそのオン状態で走行した距離が、前記回転
数センサS6の検出情報に基づいて刈取走行距離として
算出され、1つの作業行程での刈取走行が終了して、株
元センサS4がオン状態からオフ状態に変化したときの
上記算出された刈取走行距離が、刈取形式が条刈りの場
合に、次の行程における予定刈取走行距離としてメモリ
ー内に記憶される。
【0051】次に、所定タイマー時間(例えば15秒)
に設定された減速タイマーのタイマー時間が経過してい
るかどうかを調べる。尚、この減速タイマーは、車速制
御においてエンジン負荷の増大に基づく無段変速装置1
2の減速操作がなされたとき(このことは車速制御用減
速フラグのセット状態から確認される)、及び、後述の
ように設定上限車速の変更設定がなされたときにスター
トされる。これにより、エンジン負荷の増大に基づく減
速操作後の所定時間(例えば15秒間)、前記設定上限
車速V1についての補正処理が停止されることになる。
【0052】上記減速タイマーのタイマー時間の経過が
確認されると、刈取形式が条刈り形式かどうかを調べ、
刈取形式が条刈り形式であるときにのみ、以下の処理を
行う。先ず、前述のように記憶された現在の行程におけ
る予定刈取走行距離から、回転数センサS6の検出情報
に基づいて算出される検出刈取走行距離を引いて、現在
の行程における予定刈取走行距離に対する残りの刈取走
行距離を求め、その残りの刈取走行距離が設定距離以上
である場合に、設定上限車速V1の補正処理を行う。つ
まり、減速フラグがセット状態であれば、前記メモリー
MAXSPDに記憶されているそれまでの検出車速の最
大値よりも0.1m/s低速の車速値を設定上限車速V
1としてから、減速フラグをリセットし、減速フラグが
リセット状態で増速フラグがセット状態であれば、現在
の設定上限車速V1より0.1m/s高速の車速値を設
定上限車速V1としてから、増速フラグをリセットし、
夫々、上記増速フラグ及び減速フラグのリセット後に、
減速タイマーをスタートさせる。又、減速フラグ及び増
速フラグが共にリセット状態のとき、及び、上記残りの
刈取走行距離が設定距離よりも短い場合には、設定上限
車速V1の変更は行わない。尚、設定上限車速V1は、
運転初期には大きな車速値を設定して、設定上限車速V
1による車速制限を受けないようにしている。
【0053】脱穀制御(図17)では、先ず、株元セン
サS4がオン状態である等の起動条件が成立しているこ
とを確認してから、層厚センサS5の層厚検出値を入手
する。そして、チャフ開度及びトウミ風力が、上記層厚
検出値に対応するチャフ開度及びトウミ風力の目標値に
なるように、シーブモータM1及びトウミモータM2を
自動調節する。
【0054】車速制御(図18)では、車速オートスイ
ッチSW2がオン、車速が0.1m/s以上、及び、株
元センサS4がオンしていることで起動条件の成立を確
認すると、現在の車速と前記設定上限車速V1及び補助
車速上限値V2とを比較し、そのいずれかよりも高速で
あれば、両方よりも低速になるまで減速操作する。次
に、現在のエンジン回転数rと予め記憶した基準回転数
Rとの差であるエンジン負荷Lを求め、その負荷Lが目
標負荷範囲(目標回転数)にあるかどうかを調べる。負
荷Lが目標負荷範囲よりも大きい場合には、所定量減速
操作し、負荷Lが目標負荷範囲よりも小さい場合には、
現在の車速が前記設定上限車速V1及び補助車速上限値
V2のいずれかよりも低速であるときだけ、所定量増速
操作し、負荷Lが目標負荷範囲即ち不感帯内にあるとき
には、変速操作は行わない。
【0055】[別実施例]以下、別実施例を列記する。
上記実施例では、現在の作業行程より1つ前の作業行程
における刈取走行距離の検出情報に基づいて、現在の作
業行程における予定刈取走行距離を設定しているが、現
在の作業行程より前の行程としては、上述の1つ前の行
程に限らず、作業地に対する走行方法の状況等に応じて
適宜設定できる。例えば、図19に示すように、矩形状
の刈取作業地K内に並置された複数の作業行程k1,k
2,k3,k4のうちの作業地両端側(図19の左右両
端側)の作業行程を、交互に走行方向を反対にしながら
各作業行程k1,k2,k3,k4の長手方向に沿って
条刈り形式で刈取作業する場合には、現在の作業行程よ
りも2つ前の行程における刈取走行距離の検出情報に基
づいて、現在の作業行程における予定刈取走行距離を設
定するように構成してもよい。図19では、行程k1、
行程k2、行程k3、行程k4の順で図の矢印で示す方
向に走行することになり、行程k3あるいは行程k4を
現在の作業行程とすれば、行程k3に隣接する行程k1
あるいは行程k4に隣接する行程k2が夫々2つ前の行
程になる。
【0056】又、上記実施例では、複数の作業行程の行
程長さがほぼ同じであるために、前の行程(1つ前等)
における検出刈取走行距離の値をそのまま現在の作業行
程における予定刈取走行距離としているが、例えば、複
数の作業行程の行程長さが少しずつ異なるような条件の
場合には、前の行程(1つ前等)における検出刈取走行
距離の値を少し増減した値を現在の作業行程における予
定刈取走行距離とすることができる。又、予定刈取走行
距離の設定を、上記実施例のように、現在の作業行程よ
り前の作業行程における刈取走行距離の検出情報に基づ
いて行うのではなく、例えば、刈取作業地の形状・寸法
が予め正確に判っているような場合には、その情報に基
づいて、各作業行程における予定刈取走行距離を設定す
るようにすることも可能であり、特に、作業地内に単一
の作業行程を設定する場合に好適な構成となる。
【0057】又、上記実施例では、制御を極力良好に行
うために、上記予定刈取走行距離の設定を、条刈り形式
の場合にだけ行うようにしているが、条刈り形式以外の
他の形式のときに行ってもよい。
【0058】刈取走行距離検出手段102としては、上
記実施例に示すように、株元センサS4や、クローラ走
行装置1への駆動軸の回転数を検出する回転数センサS
6等にて構成するものに限らない。例えば、上記株元セ
ンサS4に代えて、操向制御用センサS8a,S8b,
S8cを用いたり、上記回転数センサS6に代えて、無
段変速装置12からミッションケース13への入力軸の
回転数を検出するセンサを用いる等、種々の具体構成が
可能である。
【0059】刈取形式検出手段101は、上記実施例に
示すものに限らず、種々の具体構成が可能である。
【0060】扱室Aから漏下する選別処理物の量を検出
する処理物量検出手段は、上記実施例のような層厚検出
手段(層厚センサS5)に限らず、例えば、扱室Aから
揺動選別板19上に漏下する処理物をテレビカメラ等の
撮像手段で撮像し、その画像情報を処理して処理物量を
検出することもできる。又、層厚検出手段も、上記実施
例のような接触式の層厚センサS5以外に、透過型の光
センサや、超音波センサ等の非接触式のセンサを利用す
る等、種々の手段で構成できる。
【0061】上記実施例では、選別装置Bの処理能力変
更手段M1,M2を、シーブモータM1及びトウミモー
タM2にて構成したが、これに限るものではなく、例え
ば、トウミモータM2を所定回転位置に固定した状態
で、シーブモータM1だけを正逆方向に回転駆動させる
ようにしてもよい。
【0062】揺動選別板19において処理物を漏下開度
を変えながら漏下させる手段は、上記実施例のようなチ
ャフシーブに限らず、例えば、網状又はスリット状の開
口部をスライドグレンパンといわれる遮蔽板で遮蔽し、
スライドグレンパンをスライドさせてその開口部の遮蔽
面積つまり開度を変えるように構成してもよく、この場
合、開度変更手段は、上記実施例のシーブモータM1で
はなく、スライドグレンパンをスライドさせるためのモ
ータ等で構成される。
【0063】負荷検出手段S7,Hは、上記実施例のよ
うに、エンジン回転数センサS7と制御手段Hを利用し
て構成するものに限らない。
【0064】車速変速用の変速装置は、上記実施例のよ
うに、静油圧トランスミッションを用いた無段変速装置
12に限らない。
【0065】車速検出手段は、上記実施例のように、ク
ローラ走行装置1の駆動輪の回転数を検出する回転数セ
ンサS6に限らず、例えば、前記無段変速装置12から
ミッションケース13への入力軸の回転数を検出するセ
ンサでもよい。
【0066】本発明は、上記実施例のようなコンバイン
(自脱型コンバイン)に限らず、普通型コンバイン等の
他のコンバインに適用することもできる。
【0067】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るコンバインの制御構成の
ブロック図
【図2】自脱型コンバインの側面図
【図3】動力伝達機構の模式図
【図4】コンバインの前部概略平面図
【図5】操向制御用センサの概略平面図
【図6】脱穀装置の側面透視図
【図7】フィードチェーンと稈厚センサを示す図
【図8】チャフシーブとその開度変更手段を示す図
【図9】トウミとその風力変更手段を示す図
【図10】層厚センサの構造を示す側面図
【図11】茎稈位置検出信号のサンプリング及び刈取形
式検出動作の説明図
【図12】ティーチング補正処理を説明するための作業
地の平面図
【図13】制御作動のフローチャート
【図14】制御作動のフローチャート
【図15】制御作動のフローチャート
【図16】制御作動のフローチャート
【図17】制御作動のフローチャート
【図18】制御作動のフローチャート
【図19】別実施例のティーチング補正処理を説明する
ための作業地の平面図
【符号の説明】
A 扱室 S5 処理物量検出手段 S5 層厚検出手段 B 選別装置 M1,M2 処理能力変更手段 M1 開度変更手段 S7,H 負荷検出手段 12 変速装置 H 制御手段 102 刈取走行距離検出手段 S6 車速検出手段 100 最大車速記憶手段 19 揺動選別板 4 刈取装置 101 刈取形式検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01D 69/00 A01F 12/32

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 扱室(A)から漏下する選別処理物の量
    を検出する処理物量検出手段(S5)の情報に基づい
    て、その選別処理物量が多いほど選別装置(B)の処理
    能力が大きくなるように、前記選別装置(B)の処理能
    力変更手段(M1,M2)を調節作動させる選別制御
    と、 負荷検出手段(S7,H)によって検出されるエンジン
    負荷が目標負荷範囲に維持されるように、車速変速用の
    変速装置(12)を変速操作する車速制御とを実行する
    制御手段(H)が設けられたコンバインであって、 刈取作業地内に設定された作業行程における刈取走行距
    離を検出する刈取走行距離検出手段(102)と、車速
    検出手段(S6)によって検出される検出車速の最大値
    を設定上限車速として記憶する最大車速記憶手段(10
    0)とが設けられ、 前記制御手段(H)は、前記最大車速記憶手段(10
    0)の情報に基づいて、前記検出車速が前記設定上限車
    速を超えない状態で前記車速制御を実行するとともに、
    前記選別処理物量が前記選別装置(B)の処理能力の上
    限値を超えた場合に前記設定上限車速を設定量低速の車
    速値に補正する補正処理を実行し、 且つ、前記刈取走行距離検出手段(102)の情報に基
    づいて、前記作業行程における予定刈取走行距離に対す
    る残りの刈取走行距離が設定距離よりも短い場合にはそ
    の作業行程における前記補正処理を停止するように構成
    されているコンバイン。
  2. 【請求項2】 前記作業行程が、その行程長手方向に交
    差する方向に並置された複数の作業行程で構成され、 前記制御手段(H)は、前記複数の作業行程のうちの現
    在の作業行程よりも前の作業行程における前記刈取走行
    距離検出手段(102)の検出情報に基づいて、現在の
    作業行程における予定刈取走行距離を設定するように構
    成されている請求項1記載のコンバイン。
  3. 【請求項3】 刈取装置(4)の茎稈導入経路に導入さ
    れる茎稈に対する刈取形式が機体進行方向に条列を形成
    するように並ぶ条刈り形式か、その条刈り形式以外の他
    の刈取形式であるかを検出する刈取形式検出手段(10
    1)が設けられ、 前記制御手段(H)は、前記刈取形式検出手段(10
    1)の情報に基づいて、前記刈取作業地に対して条刈り
    形式で刈取作業を行っている場合にのみ、前記作業行程
    における予定刈取走行距離の設定を行うように構成され
    ている請求項1又は2記載のコンバイン。
  4. 【請求項4】 前記処理物量検出手段(S5)が、前記
    選別装置(B)の揺動選別板(19)の上に存在する前
    記選別処理物の層厚を検出する層厚検出手段(S5)で
    構成され、前記処理能力変更手段(M1,M2)が、前
    記選別装置(B)の揺動選別板(19)における漏下開
    度を変更する開度変更手段(M1)で構成され、 前記制御手段(H)は、前記開度変更手段(M1)がそ
    の開度変更範囲の上限開度位置まで操作された状態で、
    前記層厚検出手段(S5)による前記選別処理物の検出
    層厚が選別能力限界判別用の設定層厚値を超える状態が
    設定時間以上継続したときに、前記選別処理物量が前記
    選別装置(B)の処理能力の上限値を超えたと判別する
    ように構成されている請求項1、2又は3記載のコンバ
    イン。
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