JP3111607B2 - ポリブチレンテレフタレート共重合体の製造法 - Google Patents

ポリブチレンテレフタレート共重合体の製造法

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JP3111607B2 JP04062428A JP6242892A JP3111607B2 JP 3111607 B2 JP3111607 B2 JP 3111607B2 JP 04062428 A JP04062428 A JP 04062428A JP 6242892 A JP6242892 A JP 6242892A JP 3111607 B2 JP3111607 B2 JP 3111607B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テレフタル酸(以下、
TPAという)と1,4−ブタンジオール(以下、BG
という)および分子量400〜6000のポリオール類
からなるポリブチレンテレフタレート(以下、PBTと
いう)共重合体の製造法に関する。さらに具体的には、
直接重合法により工業的に、かつ経済的に有利なPBT
共重合体の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】PBTをハードセグメントにし、ポリオ
ール類をソフトセグメントとするPBT共重合体は、従
来の天然ゴム、合成ゴムに代わる新しい熱可塑性エラス
トマーとして近年有望視されている。かかるPBT共重
合体は、射出成形や押出成形のような従来の熱可塑性プ
ラスチックの成形法で経済的に成形でき、さらに優れた
ゴム弾性、耐熱性、耐薬品性など多くの特長を有するた
め、柔軟・弾性素材として広く使用されている。
【0003】このPBT共重合体の製造法としては、T
PAを原料とするいわゆる直接重合法と、テレフタル酸
ジメチルを原料とするいわゆるエステル交換重合法とが
知られているが、原料コスト面および副生THFの回収
再利用が容易な面などから、前者の直接重合法が経済的
に有利である。直接バッチ重合法でPBT共重合体を製
造する際の具体例としては、TPAを主としたジカルボ
ン酸成分、BGを主としたジオール成分およびポリオー
ル類をエステル化缶に仕込みエステル化反応させ、つい
で得られたエステル化反応生成物を重縮合缶に移行して
重縮合反応せしめる方法が知られている。また、特公昭
53−19637号公報あるいは特開昭61−1639
28号公報には、エステル化反応を減圧下で行なうこと
で、常圧下に比べ反応時間の短縮化及び反応温度の低温
化ができ、反応時に副生するテトラヒドロフラン(以
下、THFという)を減少させ、ジカルボン酸成分に対
するBGのモル比を低下できる方法が提案されている。
しかしながら、上記の方法によりPBT共重合体を製造
した場合、エステル化反応において、反応系内に激しい
泡立ちが生じるという問題があった。特に減圧下では、
より激しく泡立ちが生じ、エステル化缶上部の精留塔を
通じての留出ラインまで吹き上り、ついには反応内容物
が留出してしまうトラブルが起きるという問題があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した従来技術の問題点であるエステル化反応中の発泡ト
ラブルを解消し、かつ、副生THFの少ないPBT共重
合体の製造法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、テレフタル酸、1,4−ブタンジオールおよび数平
均分子量400〜6000のポリオール類からなるポリ
ブチレンテレフタレート共重合体を製造するに際し、ま
ずテレフタル酸を主とするジカルボン酸成分と、1,4
−ブタンジオールを主とするジオール成分を減圧下でエ
ステル化反応させた後、該エステル化反応生成物とポリ
オール類を混合し、重縮合反応させることを特徴とする
ポリブチレンテレフタレート共重合体の製造法、によっ
て達成できる。
【0006】以下、本発明の製造法についてさらに詳細
に説明する。本発明において重要なことは、減圧下でエ
ステル化反応させ、かつ、エステル化反応時には共重合
成分のポリオール類を共存させないことであり、次いで
エステル化反応終了後、反応系にポリオール類を添加
し、重縮合反応させることである。
【0007】具体例を挙げると、まずエステル化缶にお
いてテレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と
1,4−ブタンジオールを主成分とするジオール成分を
減圧下でエステル化反応させる。エステル化反応が終了
した後、重縮合反応開始前にエステル化缶内にポリオー
ル類を添加する方法、重縮合缶内に予めポリオール類を
仕込んでおきそこへエステル化反応生成物を添加する方
法、あるいは、ポリオール類の重合缶への仕込みと同時
にエステル化反応生成物を重合缶へ移行する方法等によ
り、エステル化反応生成物とポリオール類との混合を行
ない、重縮合反応させるのである。一方、エステル化反
応において、反応中に共重合成分のポリオール類を反応
系内に共存させると、反応系内は激しい泡立ちが生じ
る。特に減圧下のエステル化反応で特に激しく発泡し、
エステル化缶の留出ラインに反応内容物が流出するなど
のトラブルが発生し、該PBT共重合体を安定して製造
することができなくなる。本発明者らの検討では、ポリ
オール類がエステル化反応系において0.1重量%以上
存在すると、発泡を生じることがわかった。したがっ
て、前バッチの残渣等に含有されているポリオール類が
反応系において0.1重量%以上存在するという場合に
も、発泡を生じることとなる。そのため、ポリオール類
を重合缶に予め仕込んでおき、そこへエステル化反応生
成物を添加する方法、あるいは、ポリオール類の重合缶
への仕込みと同時にエステル化反応生成物を重合缶に移
行する方法が、操作性、製造コストの面から好ましい。
【0008】本発明において、TPAを主とするジカル
ボン酸成分とは、全酸成分に対しTPAを50モル%以
上含有するものであって、TPA単独で用いるか、また
はTPA以外のジカルボン酸として、イソフタル酸、フ
タル酸、2,6−ナフタリンジカルボン酸、1,5−ナ
フタリンジカルボン酸、1,2−ビス(フエノキシ)エ
タンp,p′−ジカルボン酸、ジフエニルp,p′−ジ
カルボン酸などの芳香族ジカルボン酸を用いることがで
き、中でもイソフタル酸が好ましく用いられる。また、
コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘ
キサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボ
ン酸などの脂肪族ジカルボン酸または脂環族ジカルボン
酸を用いることもできる。さらにまた、p−(β−ヒド
ロキシエトキシ)安息香酸、p−オキシメチル安息香酸
などのオキシカルボン酸、トリメリト酸、トリメシン
酸、ピロメリト酸などの3官能以上の多価カルボン酸を
少量用いることもできる。
【0009】本発明においてジオール成分とは、分子量
250未満のジオール成分をいう。BGを主とするジオ
ール成分とは、BGが少なくとも70モル%含有するも
のであり、BG単独で用いるか、またはBG以外のジオ
ール成分として、エチレングリコール、1,3−プロパ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコールおよび1,4−シク
ロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコールなど
の分子量250未満のジオール化合物を30モル%未満
で用いることができる。
【0010】本発明においてポリオール類とは、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコールおよびこれらの共重合体である
ポリアルキレングリコール系、さらにビスフェノールA
のポリオキシアルキレン付加物、脂肪族系ポリエステル
ポリオール、シリコーン系ポリオールであって、特にポ
リアルキレングリコール系のポリテトラメチレングリコ
ールおよびテトラメチレンオキシド単位を主成分とする
ポリアルキレングリコール共重合体が用いられる。これ
らポリオール類は数平均分子量が400〜6000であ
り、400未満では該PBT共重合体のブロックネスが
低下し、ポリマ融点が低下するなどの好ましくない影響
が現われる。一方、数平均分子量が6000を越える
と、相溶性が悪くなって相分離した不透明の生成ポリマ
になりやすく好ましくない。
【0011】本発明における上記のポリオール類/ジカ
ルボン酸の繰返し単位(すなわち、ソフトセグメント単
位)の全ポリマに対する重量%は、ポリマに要求される
特性、特に弾性、硬さなどの要請に応じて適宜選択でき
るが、通常は2〜85重量%であり、このPBT共重合
体組成において本発明は好ましく適用できる。
【0012】次に、本発明の実施態様に基づいて、さら
に具体的に説明する。まず、TPAを主とするジカルボ
ン酸成分、BGを主とするジオール成分およびエステル
化触媒をエステル化缶に仕込み、反応系を減圧下として
撹拌しながら150℃付近から220℃〜240℃くら
いまで徐々に昇温し、生成する水およびTHFを精留塔
を通して系外へ留出させながらエステル化反応を行な
う。
【0013】TPAを主とするジカルボン酸成分に対す
るBGを主とするジオール成分の全仕込みモル比は、エ
ステル化反応速度及びTHFの副生などの観点から、
1.1〜2.2が好ましく、特に1.15〜2.0が好
ましい。
【0014】また、BGの仕込みをエステル化反応開始
時とエステル化反応中に分割して添加すると、副生する
THFをより低減させることができるので好ましい。エ
ステル化反応中に追加するBGの添加方法としては、反
応開始直後から連続的に添加する方法、反応途中の任意
の段階で一括して添加する方法、何回かに分けて添加す
る方法などの方法を採用することができる。その際、エ
ステル化反応開始時に添加されるBG量は、スラリー流
動性及びTHFの副生などの観点から、TPAを主とす
るジカルボン酸に対して0.4〜1.3モルが好まし
く、0.6〜1.2モルであればより好ましい。エステ
ル化反応途中で追加添加するBGの添加量は、TPAを
主とするジカルボン酸成分に対するBGモル比として、
通常、0.1〜1.0モルの範囲、より好ましくは0.
2〜0.8モルの範囲で適宜設定される。
【0015】本発明におけるエステル化反応温度は、1
60〜240℃の範囲で行なうのが好ましく、エステル
化反応の開始時から完結するまでの間、一定温度で行な
ってもよく、反応を開始してから随時温度を上昇させる
方法でもよい。また、エステル化反応は、反応が完結す
るまで100〜700mmHgの減圧度の範囲で行われる。
その際、弱減圧状態でエステル化反応を開始し、反応の
途中からBGが反応系外に留去させないようにコントロ
ールしながら減圧度を高める方法は、BGの分解を抑制
することができ、一層有効である。ここでいうエステル
化反応の完結とは、反応率97%以上に到達した時点を
いう。反応率は、反応留出液中の水の量から求められ
る。
【0016】本発明のエステル化反応においては、従来
公知のチタン化合物および/またはスズ化合物のエステ
ル化触媒が用いられる。チタン化合物の具体例として
は、テトラアルキルチタネート、テトラアルキルチタネ
ートとアルキレングリコールとの反応生成物、テトラア
ルキルチタネートの部分加水分解物、チタニウムヘキサ
アルコオキサイドの金属塩、チタンのカルボン酸塩、チ
タニル化合物などが挙げられる。また、スズ化合物の具
体例としては、モノn−ブチル−モノヒドロキシスズオ
キサイド、モノn−ブチルスズトリアセテート、モノn
−ブチルスズモノオクチレート、モノn−ブチルスズモ
ノアセテートなどのモノアルキルスズ化合物、ジn−ブ
チルスズオキサイド、ジn−ブチルスズジアセテート、
ジフェニルスズオキサイド、ジフェニルスズジアセテー
ト、ジn−ブチルスズジオクチレートなどのジアルキル
(またはジアリール)スズ化合物などが挙げられる。エ
ステル化触媒の添加量は、エステル化反応の反応性及び
異物生成などの観点から、生成ポリマに対して0.01
〜0.5重量%が好ましく、特に0.03〜0.2重量
%が好ましい。
【0017】エステル化反応時間は、触媒種、触媒量、
反応温度、減圧度またはBGの仕込みモル比などにより
異なるが、一般には2〜7時間程度である。ついで、該
エステル化反応生成物と数平均分子量400〜6000
のポリオール類を混合する。混合する方法は、重縮合反
応開始前にエステル化缶内にポリオール類を添加する方
法、重縮合缶内に予めポリオール類を仕込んでおきそこ
へエステル化反応生成物を添加する方法、あるいは、ポ
リオール類の重合缶への仕込みと同時にエステル化反応
生成物を重合缶へ移行する方法等が挙げられる。この後
1mmHg以下の高真空度まで徐々に減圧にし、230〜2
50℃で数時間重縮合反応せしめて所望の高重合度PB
T共重合体を製造する。
【0018】なお、重縮合反応開始時に必要に応じて重
縮合触媒、安定剤、顔料、難燃化剤、結晶核剤、その他
改質剤などを添加することもできる。かかる重縮合触媒
としては、エステル化触媒として例示されたチタン化合
物が一般に用いられる。また、安定剤としては、従来公
知のヒンダードフェノール系酸化防止剤、アミン系酸化
防止剤、リン系着色防止剤、ベンゾフェノン系耐光剤、
ベンゾトリアゾール系耐光剤などを用いることができ
る。なお、本発明で好ましく用いられるヒンダードフェ
ノール系酸化防止剤としては、次の化合物((I)〜
(VII))が例示される。
【0019】
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてさらに具体的
に説明する。実施例において、部とは重量部をいう。ま
た、エステル化反応における留出液中のTHF濃度は、
ガスクロマトグラフィー分析で求めた値である。
【0021】実施例1 まず、TPA633.0部、BG量308.9部(BG
/TPAのモル比0.9)およびテトラブチルチタネー
ト0.5部、モノn−ブチル−モノヒドロキシスズオキ
サイド0.2部を精留塔、撹拌機を有するエステル化缶
に仕込み、160℃、500mmHgの減圧下でエステル化
反応を開始した。その後、徐々に昇温するとともに、さ
らにBG205.9部(BG/TPAのモル比0.6)
を連続的に追加添加しながら、反応途中から減圧度を3
00mmHgに変更した。反応を開始してから3時間40分
後(この時の反応系内温度;240℃)に透明な反応生
成物を得、反応を終了させた。この時の反応率は、9
8.5%であり、反応留出液201部中のTHF量は2
6.2重量%であった。エステル化反応終了後、重縮合
触媒としてテトラブチルチタネート2.0部、安定剤と
して“IRGANOX”1010(日本チバ・ガイギー
社製)0.8部をエステル化缶に添加し、一方、数平均
分子量1000のポリテトラメチレングリコール17
7.0部を重縮合缶に仕込んだ後、上記のエステル化反
応生成物をエステル化缶から重縮合缶へ移行した。そし
て、重縮合缶内の反応系を撹拌混合させながら、常圧か
ら1mmHg以下の高真空度まで1時間かけて徐々に減圧系
にし、同時に245℃に昇温して、245℃,1mmHg以
下の条件下で3時間30分重縮合せしめ、強靭で弾性の
ある高重合度PBT共重合体を得た。
【0022】実施例2 BG514.8部(BG/TPAのモル比1.5)をエ
ステル化缶に初めから仕込んだ(一括添加)他は、実施
例1と同様にして、各成分をエステル化缶に仕込み、1
60℃、450mmHgの減圧下にてエステル化反応を開始
した。その後、減圧度を一定に保ち、徐々に昇温しなが
ら反応を続け、反応開始から3時間50分後(この時の
反応系内温度;240℃)に透明な反応生成物を得、反
応を終了させた。この時の反応率は、97.8%であ
り、反応留出液212部中のTHF量は29.3重量%
であった。エステル化反応終了後、実施例1と同じよう
に重縮合触媒、安定剤をエステル化缶に添加し、さらに
数平均分子量1000のポリテトラメチレングリコール
を重縮合缶に仕込んだ後、エステル化反応生成物をエス
テル化缶から重縮合缶へ移行した。次いで、実施例1と
同じ条件で重縮合反応を行ない、目的とした高重合度P
BT共重合体を得た。
【0023】比較実施例1 実施例2と同じポリマ組成を用いたが、数平均分子量1
000のポリテトラメチレングリコールを初めからエス
テル化缶に仕込み、TPA、BG及びポリテトラメチレ
ングリコールを共存させてエステル化反応させた他は、
実施例2と同様にして減圧下でエステル化反応を実施し
た。ところが、エステル化反応中に激しい発泡が生じ、
反応内容物が精留塔を抜けて留出ラインまで流出してし
まうというトラブルが起こった。即座に反応を中断し
た。
【0024】比較実施例2 TPA633.0部、BG量652.1部(BG/TP
Aのモル比1.9)およびテトラブチルチタネート0.
5部、モノn−ブチル−モノヒドロキシスズオキサイド
0.2部を精留塔、撹拌機を有するエステル化缶に仕込
み、160℃、常圧下でエステル化反応を開始した。そ
の後、常圧のまま徐々に昇温しながら反応を続け、反応
開始温度から4時間後、(この時の反応系内温度;24
0℃)に透明な反応生成物を得、反応を終了させた。こ
の時の反応率は、98.0%であり、反応留出液273
部中のTHF量は40.6重量%であった。この結果か
ら、エステル化反応を減圧下でなく、常圧下で行なう
と、THF副生量が多くなることがわかる。
【0025】比較実施例3 BG量を実施例1と同量にした他、比較実施例2と同
様、常圧下で、TPA633.0部、BG量514.8
部(BG/TPAのモル比1.5)およびテトラブチル
チタネート0.5部、モノn−ブチル−モノヒドロキシ
スズオキサイド0.2部を精留塔、撹拌機を有するエス
テル化缶に仕込み、160℃、常圧下でエステル化反応
を開始した。その後、常圧のまま徐々に昇温しながら反
応を続けたところ、反応開始から4時間30分過ぎても
透明な反応生成物が得られず、反応を中断した(この時
の反応系内温度;240℃)。この時の反応率は、9
2.8%であり、反応留出液241部中のTHF量は3
7.7重量%であった。この結果から、減圧下でのエス
テル化反応時と同じ(実施例1と同等の)BGモル比
で、常圧下のエステル化反応を行なうと、反応を完結さ
せることができないことがわかる。
【0026】実施例3 TPA619.2部、BG453.2部(BG/TPA
のモル比1.4)及びテトラブチルチタネート0.6
部、モノn−ブチル−モノヒドロキシスズオキサイド
0.3部を実施例2と同様にエステル化缶に仕込み、1
60℃、400mmHgの減圧下にてエステル化反応を開始
した。その後、減圧度を一定に保ち、徐々に昇温しなが
ら反応を続け、反応開始から3時間35分後(この時の
反応系内温度;240℃)に透明な反応生成物を得、反
応を終了させた。この時の反応率は、98.8%であ
り、反応留出液205部中のTHF量は28.2重量%
であった。エステル化反応終了後、重縮合触媒のテトラ
ブチルチタネート2.0部、安定剤の“IONOX”3
30(シェル化学社製)1.0部をエステル化缶に添加
し、一方、数平均分子量2000のエチレンオキサイド
でキャッピングしたポリ(プロピレンオキサイド)グリ
コール187.8部を重縮合缶に仕込んだ後、上記のエ
ステル化反応生成物をエステル化缶から重縮合缶へ移行
した。次いで、実施例1と同条件下で重縮合反応を4時
間実施し、強靭で弾性のある高重合度PBT共重合体を
得た。
【0027】実施例4 エステル化反応を実施例3と同様に行ない、3時間40
分後に透明な反応生成物を得、反応を終了させた。この
時の反応率は、98.6%であり、反応留出液203部
中のTHF量は27.8重量%であった。エステル化反
応終了後、ポリオール類として数平均分子量2000の
ビスフェノールAにエチレンオキサイド46モル付加し
た化合物を187.8部を重縮合缶に仕込んだ他は、実
施例3と同様に重縮合反応を行ない、4時間後に強靭で
弾性のある高重合度PBT共重合体を得た。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、エステル化反応におけ
るBG分解ロスの減少、副生THFの抑制を達成するこ
とができ、かつ、減圧下エステル化反応においてポリオ
ール類添加に起因して発生する泡立ち、反応内容物の留
出ラインへの流出などというトラブルを解消することが
できるので、PBT共重合体を低コストで高安定性にて
製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テレフタル酸、1,4−ブタンジオールお
    よび数平均分子量400〜6000のポリオール類から
    なるポリブチレンテレフタレート共重合体を製造するに
    際し、まずテレフタル酸を主とするジカルボン酸成分
    と、1,4−ブタンジオールを主とするジオール成分を
    減圧下でエステル化反応させた後、該エステル化反応生
    成物とポリオール類を混合し、重縮合反応させることを
    特徴とするポリブチレンテレフタレート共重合体の製造
    法。
JP04062428A 1992-03-18 1992-03-18 ポリブチレンテレフタレート共重合体の製造法 Expired - Lifetime JP3111607B2 (ja)

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