JP3110465B2 - 水分発生用反応炉と水分発生用反応炉の温度制御方法及び白金コーティング触媒層の形成方法 - Google Patents

水分発生用反応炉と水分発生用反応炉の温度制御方法及び白金コーティング触媒層の形成方法

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JP3110465B2 JP09527482A JP52748297A JP3110465B2 JP 3110465 B2 JP3110465 B2 JP 3110465B2 JP 09527482 A JP09527482 A JP 09527482A JP 52748297 A JP52748297 A JP 52748297A JP 3110465 B2 JP3110465 B2 JP 3110465B2
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忠弘 大見
義和 田辺
雄久 新田
幸司 川田
信一 池田
明弘 森本
圭志 平尾
裕司 唐土
幸男 皆見
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    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、主として半導体製造施設に於いて利用され
るものである。より具体的には、プロセスチャンバーを
用いて所謂水分酸化法(若しくはスチーム酸化法)によ
りシリコンの酸化膜付けを行なう際の水分の供給に利用
されるものである。
背景技術 例えば、半導体の製造に於ける水分酸化法によるシリ
コンの酸化膜付けには、超高純度の水分を必要とする。
そのため、従来のシリコンの酸化膜付けに於いては、
図52に示すように、石英50の中で水素ガスH2と酸素ガス
O2を燃焼させ、両ガスの燃焼により発生した水分を半導
体製造装置へ送り、Siウエハの表面に酸化膜を形成する
ようにした方法が多く用いられている。
尚、図32に於いて、51は水素ガスノズル、52は水素ガ
スノズル51の先端近傍に保持した着火用のSiチップ、53
はSiチップ52を加熱する加熱用ランプである。また、石
英炉内部の水素ガスノズル51の先端近傍は、燃焼による
火炎のための約1800℃〜2000℃の高温になっている。更
に、石英炉50内へ供給される酸素ガスO2の量は、水素ガ
スH2を完全に燃焼させると共に安全性を確保するため、
水素ガスH2の1/2倍を越える量に設定されており、各ガ
スO2、H2の流量は数/minとなっている。
上記図52の方法は、発生した水分そのものが高純度で
あるうえ、数/minの水分を即時に発生させることが可
能であり、優れた実用的効用を奏するものである。
しかし、上記図52の方法では、水分を極微量発生させ
る目的で水素ガスH2や酸素ガスO2の供給を絞った場合
に、燃焼が簡単に停止してしまい、発生水分量の減少方
向の制御が著しく困難となり、水分と酸素との比(水分
/酸素)の制御範囲が狭いと云う問題がある。
また、燃焼が停止して炎が消えると、生ガスが直接反
応管へ送られてしまうため、爆発の危険を防止するイン
ターロック機構が必要不可欠になると云う難点がある。
更に、ガス流量を絞ると炎がノズルの近傍で生じるた
め、石英ノズルを構成するSiO2等が揮発する。その結
果、これ等の揮発物が炉内雰囲気(H2O+O2)内へ混入
することにより、半導体製造装置への供給ガス(H2O+O
2)が汚損され、高性能半導体の製造には使用できない
と云う問題がある。
一方、図52のような燃焼炉型水分発生装置の難点を解
決するものとして、本願発明者は先きに図53の如き装置
を用いる水分発生方法を開発し、特開平6−115903号と
してこれを公開している。
即ち、この水分発生方法は、先ず水素H2と酸素O2とイ
ナートガスArを混合して混合ガスCを形成し、当該混合
ガスCを水素及び酸素をラジカル化し得る触媒作用を有
する材料で形成した反応管54内へ導入すると共に、当該
反応管54を加熱することにより混合ガスC内の水素と酸
素を反応させて水分を発生させるものである。
上記特開平6−115903号の水分発生方法は、ppbオー
ダーの低濃度からパーセントオーダーの高濃度までの高
純度の水を含む混合ガスを得ることができると共に、応
答性にも優れ、保守管理も容易性であって高い効用を有
するものである。
しかし、この図53の如き装置を用いる水分発生方法に
も解決すべき多くの問題が残されている。
先ず第1の点は、水素と酸素とアルゴンの混合ガスC
を反応管54内へ導入してるため、水素と酸素のみを供給
した場合に比較して反応性が悪化し、その結果反応炉が
大型化すると云う点である。特に、酸化還元力を調整す
るため水分に水素や不活性ガスが、また、SiとSiO2の界
面特性をよくするため水分にN2O等が夫々添加されるこ
とがあり、この様な場合には、前記反応炉が大型化する
とガス消費量の増加を招くことになり、経済性等の点で
重大な問題となってくる。
また、水素と酸素が完全に反応を終えたとしても発生
ガスが水分とアルゴンの混合ガスとなり、高純度の水分
のみ若しくは水分と酸素の混合ガスを取り出すことがで
きないと云う難点もある。
第2の問題は、水分発生の応答性と反応性の問題であ
る。触媒作用を有する材料としてステンレス管を利用
し、その配管表面の触媒作用を利用するようにしている
ため、単位表面積当りの反応ガス量を多く設定すること
ができない。
その結果、多量の水分発生量例えば1/min程度の水
分量を必要とする場合には、反応管54のものが著しく大
形化すると共に、水分発生までに時間がかかり過ぎると
云う問題がある。
第3の問題は安全性の点である。水分発生装置の安全
性を高めるため、特開平6−115903号の発明では反応管
54の加熱温度を50〜500℃の間に調整すると共に、反応
管54の全体を均一に同一温度に加熱するようにしてい
る。
しかし、反応管54内に於ける水素と酸素の反応は、そ
の相当部分が反応管54の入口側に近い部分に於いて完了
されるため、反応管54の温度は、混合ガスの入口側ほど
反応熱によって高温となる。
その結果、例えば反応管54の加熱温度を約500℃程度
の高温に設定した場合には、反応管入口側の温度は約60
0℃近傍になることがあり、アルゴン混合ガスであって
も、アルゴン混合量が少ない場合には水素ガスへの着火
を引き起こすという危険がある。
また、反応管54の温度を下降させた場合には、反応ガ
スが増加すると云う問題がある。
発明の開示 本発明は、従前の半導体製造装置用の水分発生方法や
水分発生装置に於ける上述の如き問題、即ち石英炉を
用いた燃焼炉方式に於いては、発生水分の小流量域に於
ける流量調整が困難なうえ、発生した水分が汚損され易
く高純度水が得られないこと、アルゴン混合ガスを高
温加熱したステンレス鋼管製の反応管内へ導入する水分
発生方法にあっては、水又は水と酸素の混合ガスが得ら
れないこと、反応炉が大型化して装置の小型化を図り
難いうえ、応答性が悪いこと、反応炉の加熱温度を高
めて反応製及び応答性を高めた場合には、反応炉の入口
側温度が上昇し過ぎて爆発を起こす危険性が高いこと等
の問題を解決せんとするものであり、水分発生装置の大
幅な小型化が図れ、しかもより高い反応性と応答性の下
で1/minを越える流量の高純度水や高純度水と酸素と
の混合ガスを安全に安定して得ることができるようにし
た水分発生用反応炉と水分発生用反応炉の温度制御方法
と水分発生用反応炉の白金コーティング触媒層の形成方
法を提供せんとするものである。
即ち、請求項1の水分発生用反応炉は、入口と水・水
分ガス出口を備えた耐熱材料製の反応炉本体と、前記反
応炉本体の内壁面に設けた白金コーティング皮膜とから
形成され、入口から供給した水素と酸素を前記白金コー
ティング皮膜に接触させてその反応性を活性化させ、水
素と酸素から水を発生させるようにした水分発生用反応
炉に於いて、前記反応炉本体を耐熱金属とすると共に、
白金コーティング皮膜を、反応炉本体の内壁面上に形成
した非金属材より成るバリヤー皮膜の上にメッキ工法、
スパッター工法、蒸着工法、クラッド工法、イオンプレ
ーティング工法又はホットプレス工法の何れかにより形
成した厚さ10オングストローム〜0.5ミリメートルの皮
膜としたことを発明の基本構成とするものである。
また、請求項2の水分発生用反応炉は、入口と水・水
分ガス出口を備えた耐熱材料製の反応炉本体と、前記反
応炉本体の内部空間内に設けたガス拡散用部材と、前記
反応炉本体の内壁面に設けた白金コーティング皮膜とか
ら形成され、入口から供給した水素と酸素をガス拡散用
部材により拡散したあと白金コーティング皮膜に接触さ
せてその反応性を活性化させ、水素と酸素から水を発生
させるようにした水分発生用反応炉に於いて、前記反応
炉本体を耐熱金属とすると共に、白金コーティング皮膜
を、反応炉本体の内壁面上に形成した非金属材より成る
バリヤー皮膜の上にメッキ工法、スパッター工法、蒸着
工法、クラッド工法、イオンプレーティング工法又はホ
ットプレス工法の何れかにより形成した厚さ10オングス
トローム〜0.5ミリメートルの皮膜としたことを発明の
基本構成とするものである。
本発明の水分発生用反応炉の温度制御方法は、ケーシ
ング内に水素若しくは酸素の反応性を活性化し得る触媒
を備えると共に、高温下で水素と酸素を反応させて水分
を発生させる水分発生用反応炉に於いて、前記水分発生
用反応炉内の反応中の水素と酸素の上流側の温度を下流
側の温度よりも低い温度に保持することを発明の基本構
成とするものである。
本発明の水分発生用反応炉の白金コーティング触媒層
の形成方法は、入口・水分ガス出口を備えた金属製反応
炉本体の内壁面に形成した白金コーティング皮膜を触媒
として、入口から供給した水素と酸素を前記白金コーテ
ィング皮膜に接触させてその反応性を活性化させること
により、水素と酸素から水を発生させるようにした水分
発生用反応炉に於いて、前記金属製反応炉本体の内壁面
に表面処理を施してこれを清浄にしたあと、反応炉本体
の内壁面に酸化物や窒化物の非金属材から成るバリヤー
皮膜を形成し、その後前記バリヤー皮膜の上に白金コー
ティング皮膜を形成することを発明の基本構成とするも
のである。
本発明の水分発生用反応炉の温度制御方法は、ケーシ
ング内に水素若しくは酸素の反応性を活性化し得る触媒
を備えると共に、高温下で水素と酸素を反応させて水分
を発生させる水分発生用反応炉に於いて、前記水分発生
用反応炉内の反応中の水素と酸素の上流側の温度を下流
側の温度よりも低い温度に保持することを発明の基本構
成とするものである。
本発明の水分発生用反応炉の白金コーティング触媒の
形成方法は、入口と水・水分ガス出口を備えた金属製反
応炉本体の内壁面に形成した白金コーテンィグ皮膜を触
媒とし、入口から供給した水素と酸素を前記白金コーテ
ィング皮膜に接触させてその反応性を活化させることに
より、水素と酸素から水を発生させるようにした水分発
生用反応炉に於いて、前記金属製反応炉本体の内壁面に
表面処理を施してこれを清浄にしたあと、反応炉本体の
内壁面に酸化物や窒化物の非金属材から成るバリヤー皮
膜を形成し、その後前記バリヤー皮膜の上に白金コーテ
ィング皮膜を形成することを発明の基本構成とするもの
である。
水素と酸素はほぼ2:1の割合で混合され、反応炉内で
高温の触媒材表面へ接触することにより、触媒材の触媒
作用によって水素と酸素がラジカル化されて直接に反応
をし、水が生成される。
生成された水は蒸気となって反応炉の出口側より導出
され、その後適宜量のO2やN2、Ar等が混合されると共に
加熱され、半導体製造装置へ供給されて行く。
水素と酸素の反応はその大部分が反応炉のガス入口側
近傍で行われているため、本発明の前記第1及び第2の
水分発生用反応炉では、反応炉の入口側は反応熱によっ
てより多く加熱され、温度上昇が激しくなる。そのた
め、反応炉の入口側の触媒作用を弱めたり、ガスの供給
位置を反応炉の長手方向に分散させたり、或いは入口側
のヒータ温度を下降させたりし、これによって反応炉入
口側の温度上昇が防止されている。
これに対して、本発明の前記第3及び第4の水分発生
用反応炉では、水素と酸素の反応が反応炉本体の内部全
域でほぼ均等に行なわれるため、反応炉本体の全体の温
度がほぼ均一に上昇する。
また、本発明の白金コーティング触媒層の形成方法を
適用した水分発生用反応炉では、反応炉本体の内壁面に
形成されたバリヤー皮膜が本体を形成する金属の成分が
白金コーティング皮膜内へ拡散するのを防止する。その
ため、白金コーティング皮膜内に形成される金属酸化物
の量が大幅に減少し、これによって白金の高触媒性能が
長期に亘って安定に保持される。
図面の簡単な説明 図1は本発明の第1又は第2の成分発生用反応炉を用
いた水分発生装置の実施態様を示す系統図である。
図2は第1の水分発生用反応炉の第1実施例を示す断
面概要図である。
図3は第1の水分発生用反応炉の第2実施例を示すも
のである。
図4は第1の水分発生用反応炉の第3実施例を示すも
のである。
図5は第1の水分発生用反応炉のガス噴出機構の断面
概要図である。
図6は図5のイ−イ視図である。
図7は第1の水分発生用反応炉の第4実施例を示すも
のである。
図8は第1の水分発生用反応炉の第5実施例を示すも
のである。
図9は第1の水分発生用反応炉の第6実施例を示すも
のである。
図10は第1の水分発生用反応炉の第7実施例を示すも
のである。
図11は第1水分発生用反応炉の第8実施例を示すもの
である。
図12は第1の水分発生用反応炉の第9実施例を示すも
のである。
図13は第1の水分発生用反応炉の第10実施例を示すも
のである。
図14は本発明の基礎データを得るための試験装置の全
体系統図である。
図15は反応炉温度と水分発生の関係を示すグラフであ
る(試験1)。
図16は反応炉温度と水分発生の関係を示すグラフであ
る(試験1)。
図17は反応炉温度と水分発生の関係を示すグラフであ
る(試験1)。
図18は反応炉温度と水分発生の関係を示すグラフであ
る(試験1)。
図19は混合ガス流量と残留O2の関係を示すグラフであ
る(試験1)。
図20はニッケルフィルターを用いた場合の反応炉温度
と水分発生の関係を示すグラフである(試験3)。
図21はニッケルフィルターの場合の混合ガス流量と残
留O2の関係を示す線図である(試験2)。
図22はニッケルリボンを用いた場合の反応炉温度と水
分発生の関係を示すグラフである(試験3)。
図23はニッケルリボンの場合の混合ガス流量と残留O2
の関係を示す線図である(試験3)。
図24は時間と水分発生の関係(応答性)を示すグラフ
である(ガス停止後)(試験4)。
図25は時間と水分発生の関係(応答性)を示すグラフ
である(H2アニール後)(試験4)。
図26は時間と水分発生の関係(応答性)を示すグラフ
である(O2アニール青)(試験4)。
図27は着火温度検出装置の説明図である。
図28は着火温度を示すグラフである(試験5)。
図29は着火温度を示すグラフである(試験5)。
図30は着火温度を示すグラフである(試験5)。
図31は着火温度を示すグラフである(試験5)。
図32は着火温度を示すグラフである(試験5)。
図33は着火温度を示すグラフである(試験5)。
図34は白金箔を触媒材とした試験用反応炉の縦断面図
である。
図35図34のイ−イ視断面図である。
図36は白金メッキ付きニッケル薄板を触媒材とした試
験用反応炉の縦断面図である。
図37は図36のイ−イ視断面図である。
図38は本発明の第3及び第4の水分発生用反応炉の第
1実施例を示す縦断面図である。
図39は図38の平面図である。
図40は第1実施例の反応炉各部の温度を示す線図であ
る。
図41は第1実施例の反応炉1に於ける水分発生反応率
の経時変化を示す線図である。
図42は第1実施例の水分発生の応答性を示す線図であ
る。
図43は本発明の第3及び第4の水分発生用反応炉の第
2実施例を示す縦断面概要図である。
図44は本発明の第3及び第4の水分発生用反応炉の第
3実施例を示す縦断面概要図である。
図45は本発明の第3及び第4の水分発生用反応炉を用
いた水分発生装置の説明図である。
図46は従前の白金コーティング皮膜を形成した水分発
生炉に於ける水分発生反応率の経時変化を示すものであ
る。
図47は従前の反応炉に於ける使用後の白金コーティン
グ皮膜表面のXPS分析結果を示すものである。
図48は従前の反応炉に於ける使用後の他の白金コーテ
ィング皮膜表面のXPS分析結果を示すものである。
図49は本発明の白金コーティング触媒層の形成方法を
実施した本発明の第4の水分発生用反応炉の縦断面図で
ある。
図50は図49の反応炉本体の部分拡大断面図である。
図51は本発明により白金コーティング触媒層を形成し
た水分発生炉に於ける水分発生反応率の経時変化を示す
ものである。
図52は公知の燃焼管型水分発生装置の説明図である。
図53は先願に係る触媒反応型水分発生装置の概要図で
ある。
発明を実施するための最良の形態 (水分発生方法及び第1及び第2の水分発生用反応炉並
びに温度制御方法) 図1は第1及び第2の水分発生用反応炉を用いた水分発
生装置のシステム概要図であり、図1に於いてH2は水素
ガス、O2は酸素ガス、Arはパージ用のアルゴンガス、MF
C1〜MFC4はマスフローコントローラ、V1〜V4はバルブ、
TC1〜TC4は温度測定用熱電対、1は反応炉、2a〜2dはチ
ェッキバルブ、3はヒータ、4はO2・H2混合物、5はO2
・水混合部、5aはヒータ、6は半導体製造装置である。
前記反応炉1へ供給される水素ガスH2と酸素ガスO2
2:1、3:1又は4:3に設定されており、後述する試験例1
からも明らかなように、H2リッチの方が反応温度が低く
なって水分が発生し易くなる。
尚、図1では反応ガスを水素リッチの状態にしている
が、逆に酸素リッチな状態の反応ガスとしてもよいこと
は勿論である。
また、図1では、水素と酸素をガス状で反応炉1へ供
給するようにしているが、液化水素と液化酸素を供給す
ることも可能である。
更に、図1では水素と酸素を混合部4で予混合したう
え反応炉1へ供給しているが、水素ガスと酸素ガスを夫
々単独で反応炉1内へ供給し、反応炉1内で混合するよ
うにしてもよい。
加えて、図1では混合物4で形成した水素ガスと酸素
ガスの混合ガスをそのまま反応炉1へ供給するようにし
ているが、反応炉1の手前の導入部に予熱部Hを設け、
混合ガスの予熱を行なうようにしてもよい。混合ガスの
予熱部をガス導入部に持たせることで、温度または流量
に余裕のない条件下にあっても、未反応ガスの発生を有
効に防止することが可能となる。
(第1実施例) 前記反応炉1は図2(第1実施例)に示す如く耐熱・
耐食性Ni合金(ハステロイ)製ケーシング1a内へ複数本
のニッケルパイプ1bを収納したものであり、図2では内
径34.6mmφのハステロイ製管1aの内部へ、内径1/4イン
チφ、長さ100mmのニッケルパイプ1bを4〜6本収納
し、混合ガスを往復流として流すことにより、ニッケル
パイプ1bの内外面の両方を水素若しくは酸素の反応性を
活性化するための触媒として活用するようにしている。
また、反応炉1への入口ガス圧は1.1〜1.05kg/cm2
選定されており、且つ流量はO2=500cc/min、H2=1000c
c/minに選定されており、1000cc/minの水分が生成され
る。
前記反応炉のケーシング1aの外壁面にはヒータ3が巻
装されており、該ヒータ3によって反応炉1の混合ガス
入口側が約200〜500℃に、また、出口側が約600℃以下
に保持されている。
尚、反応炉1内のニッケル触媒の温度は、後述する各
試験例からも明らかなように、入口側温度を200〜500℃
に、また出口側温度を水蒸気が結露しない範囲で且つ60
0℃以下に制御するのが望ましい。
何故なら、試験例2からも明らかなように、H2とO2
混合ガス75cc/minの約68%(反応管Niパイプ・内径1/4
インチ×2mを450℃に保った場合)は入口側から20cm以
内の所で、また混合ガス750cc/minの約29%(反応管Ni
パイプ・内径1/4インチ×20mを450℃に保った場合)が
入口側から20cm以内の所で夫々反応を完了し、この間で
多量の反応熱(2H2+O2→2H2O+136.6kcal)が放出さ
れ、これによってニッケルパイプ1b(触媒材料)が過熱
されるからである。
尚、第1実施例では触媒材料としてニッケルパイプ1b
のみを使用しているが、H2とO2が最初に流入するパイプ
1b′を反応性の低い材料で形成し、逆に折り返したH2
O2が流入するパイプ1bを高反応性の材料で形成すること
により、混合ガス上流側に於ける加熱を防止するように
してもよい。
また、第1実施例ではH2とO2が最初に流入するパイプ
1b′と折り返したH2とO2が流入するパイプ1bを同数とし
ているが、前者の本数を後者の本数よりも少なくするこ
とにより、混合ガス上流側に於ける加熱を防止するよう
にしてもよい。
更に、第1実施例では反応炉1内で生成された水をそ
のまま半導体製造装置(図示省略)へ供給するようにし
ているが、反応炉1のガス入口側に予熱部(図示省略)
を設けた場合には、反応炉1の出口側から取り出した生
成水を前記予熱部の熱を利用して再加熱したあと、半導
体製造装置へ供給するようにしてもよい。
前記触媒材料としては後述する試験例3に示す如くNi
フィルターやNiリボンを用いることも可能であり(第2
の水分発生用反応炉)、また、ハステロイや白金、Pd、
ステンレス鋼等の使用も可能である。
また、触媒の形状としては、粒状の触媒を詰めたカラ
ムやパウダーや繊維の焼結体(フィルターエレメン
ト)、薄板を積層した積層体、ハニカム体、メッシュ
体、スポンジ体やフィン体に形成することができ、これ
等の一又は二以上をケーシング1a内へ適宜に組み込み配
設し、水素及び酸素が接触しつつ流れる流通路を形成す
るようにしてもよい(第2の水分発生用反応炉)。
更に、触媒の形状としては、表面が前記触媒材料で覆
われたパイプ、粒体、焼結体、薄板積層体、ハニカム
体、メッシュ体、スポンジ体又はフィン体でもよい(第
2の水分発生用反応炉)。
本発明の第1の水分発生用反応炉1の水分発生の応答
性は後述する試験例4に示す如く、H2とO2が全量反応す
る条件の温度及びガス流量にある程度の余裕を持たせる
ことにより、実用上必要とする水分発生の応答性(約40
〜50秒程度)を十分に達成することが出来る。
また、反応管の内表面をH2で還元或いはO2で酸化して
も(アニール温度500℃)、水分発生の応答性には影響
が全く無く、反応管の水分発生の反応性の変化は全く起
こらない。
更に、反応炉1の安全性についてであるが、後述の試
験例5に示す如く、H2とO2の混合比が3:1、2:1、4:3の
何れの場合に於いても、ガスの着火温度は約620℃であ
り、且つ610℃に於いてはガスの着火は全く見られな
い。
尚、本発明では反応炉1内のガス温度を最高値で600
℃以下になるように制御しているため、ガスの着火即ち
ガスの爆発の恐れは全くなく、特に混合ガスの反応熱を
考慮して反応炉1のガス入口側の温度を約200〜500℃近
傍に制御することにより、反応炉1の各部分の温度が確
実に600℃以下に保持され、前記着火による爆発は完全
に防止されることになる。
前記O2ガスとH2ガスとのガス混合部4は、通常のパイ
プ内ガス混合方式が採用されており、特別なガス混合機
構は全く用いていない。
尚、混合箱(図示省略)を用いて酸素ガスO2内へH2
スを旋回流として放出し、両者を均一に混合する様な構
成のガス混合機構をガス混合部4として用いてもよいこ
とは勿論である。
また、混合部4内若しくはその下流側にガスの予熱部
を設けるようにしてもよい。
前記O2・水混合部5は反応炉1の出口側近傍に設けら
れており、ヒータ5aが設けられている。
即ち、反応炉1から噴出する水分に酸素ガスO2が混合
され、H2OとO2との混合ガスは、管壁へのH2Oの結露を防
ぐためにヒータ5aにより約120℃以上の温度に加熱され
たあと、半導体製造装置6へ供給されて行く。
尚、図1の反応炉1では、水分にO2を混合している
が、希釈ガスとしてはO2の他に、酸化還元力を調整する
ためのH2や不活性ガス、或いはSiとSiO2の界面特性を良
くするためのN2O等が用いられることもある。
また、図1の反応炉1では、反応炉1内へ供給するガ
スを水素と酸素のみにしているため、従前の水素と酸素
とアルゴン等の混合ガス(希釈ガス)を供給する場合に
比較して反応性が向上し、それだけ反応炉1を小形化で
きると云う利点がある。
表1は、本発明の第1の水分発生用反応炉1から発生
せしめた水分中の不純物をフレームレス原子吸光分析法
で分析した結果を示すものである。
即ち、発生した水分をPFAチューブ内で結露させて補
集し、Cr、Fe、Niの3成分をフレーム原子吸光分析法で
分析した。その結果、3成分全てのメタルはng/mlのオ
ーダー以下の低い値となっている。
表1 表2 前記、表2は、第1の水分発生用反応炉で使用したニ
ッケルパイプの化学成分を示すものであり、三菱マテリ
アル株式会社製のNiシームレスパイプが使用されてい
る。
また、発生した水分中のパーティクル汚染を防止する
ためには、反応炉の触媒材表面もしくは前後配管系を含
むケーシングの接ガス面の全部もしくは一部を鏡面仕上
げとするのが望ましい。接ガス面を鏡面仕上げすること
によって、発生した水分中のパーティクルが約1/3以下
に減少することが確認されている。
尚、前記メタル汚染を防止するためには、反応炉の前
後配管系を含むケーシングの全部もしくは一部を、耐熱
金属もしくは耐蝕金属とする方法が有効な方法である。
例えば、ステンレスで作ったケーシングでは、100時間
使用した後に発生させた水分中のメタルコンタミが2倍
になったが、ニッケル基合金の耐熱金属であるハステロ
イで作ったケーシングでは、100時間使用した後でも発
生させた水分中のメタルコンタミレベルは殆んど変わら
ないと云うことが確認されている。また、鉄・クロム・
アルミ合金である耐熱金属で作製したケーシングを用い
たテストでも、上記ハステロイ製のケーシングの場合と
同様の効果が得られている。
更に、反応炉の前後配管系を含むケーシング接ガス面
の全部もしくは一部に、耐酸化性または耐還元性もしく
は耐腐蝕性の保護膜、または前記保護膜と同等の性能を
有する表面処理を施す方法も、メタルコンタミネーショ
ンを減少させると云う点で有効な方法であることが確認
されている。例えば、内表面処理をしなかったステンレ
スで作ったケーシングは、100時間使用した後に発生さ
せた水分中のメタルコンタミが2倍になったが、内表面
をクロム酸化膜でおおったステンレスで作ったケーシン
グでは、100時間使用した後でも、発生させた水分中の
メタルコンタミレベルは殆んど変わらなかったことが確
認されている。
(第2実施例) 図3は、本発明の第1の水分発生用反応炉1の第2実
施例を示すものである。本第2実施例では、複数本のNi
パイプ1bを端板1cに固定することによりアッセンブリ7
が形成されており、当該アッセンブリ7がハウジング1a
内に収納されている。また、アッセンブリ7の外周には
ヒータ3が巻回されており、ヒータ3の温度調整により
反応炉1の入口側の温度が約200〜500℃に、また出口側
の温度が約600℃以下に保持されている。
(第3実施例) 図4は反応炉1の第3実施例を示すものであり、反応
炉1の触媒アッセンブリ7を構成する触媒管の上流側が
ステンレス鋼管1b′により、また下流側がニッケル管1b
により形成されている。
第3実施例のように触媒管の反応性を上流側を低く且
つ下流側を高く選定することにより、O2とH2との反応熱
の発生量が下流側で増加することにより、上流側に於け
る加熱状態の発生が有効に防止される。
尚、前記図3乃至図4の反応炉1に於いては、ガス供
給管からケーシング1aの前室1d内へ直接に反応ガス(O2
+H2)を噴出するようにしているが、触媒管への反応ガ
スの流入を均一にするためには、図5及び図6に示す如
きガス噴出機構Gをケーシング1aの前室1dに配設し、該
ガス噴出機構Gのノズル孔から噴出したガスをケーシン
グ内壁面へ衝突させ、均一な運動エネルギーを有するガ
スの流れとするのが望ましい。
(第4実施例) 図7は反応炉1の第4実施例を示すものであり、反応
性の異なる三種のアッセンブリ7を直列状に組み合せた
ものである。
即ち、入口側に反応性の低いユニット8aを使用し、出
口側に反応性の高いユニット8cを使用することにより、
反応熱の分布を長さ方向に均一化して反応炉1の部分的
な過熱を防止するようにしたものである。
尚、各反応炉ユニット8a、8b、8cに夫々ヒータ(図示
省略)が設けられていることは勿論である。
(第5実施例) 図8は反応炉1の第5実施例を示すものであり、触媒
管1bの本数及び長さを変えて、混合ガス入口側の反応性
を低く、また、出口側の反応性を高くし、反応熱の分布
を反応炉1の長さ方向に均一化するようにしたものであ
る。
尚、図8に於いてヒータは省略されている。
(第6実施例) 図9は反応炉1の第6実施例を示すものであり、H2
O2の混合ガスの入口側と、水分の出口側とを同じ側に配
設し、発生した水分によって入口側を冷却することによ
り入口側が高温度に加熱されるのを防止する構造として
いる。
(第7実施例) 図10は反応炉の第7実施例を示すものである。
当該実施例では触媒管1b若しくはケーシング1aに複数
の分岐管9a、9b、9cを設け、触媒管1b(又はケーシング
1a)の入口側からO2ガス(例えば500cc/min)とH2ガス
の一部(例えば250cc/minを供給すると共に、各分岐管9
a、9b、9cから残りのH2を供給(例えば250cc/min)する
ものである。
このように、H2ガスの供給位置を分散させることによ
り、触媒管1b(又はケーシング1a)の入口側の反応熱に
よる過熱を防止せんとするものである。
(第8実施例) 図11は反応炉1の第8実施例を示すものであり、複数
本の触媒管1bを並設することにより反応炉1の触媒アッ
センブリ7を形成すると共に、各触媒管の入口側を夫々
離隔させるようにしたものである。
混合ガスは、例えば触媒管1b1の入口からO2・200cc/m
in、H2・400cc/minの流量で、また、各触媒管1b2、1
b3、1b4の入口からO2・200cc/min、H2・100cc/minの流
量で供給される。
これにより、反応熱の発生が分散され、反応炉1の温
度制御が容易となる。
(第9実施例) 図12は反応炉1の第9実施例を示すものであり、二本
(又は二本以上)の触媒管1b1、1b2を並設すると共に、
各触媒管1b1、1b2内へ夫々逆方向から混合ガスを供給す
るようにしたものである。
当該実施例では入口側の反応熱が出口側の混合ガスの
反応促進用に活用されることにより、省エネルギーを図
れると共に触媒管入口側の過熱を防止することができ
る。
(第10実施例) 図13は反応炉1の第10実施例を示すものであり、ケー
シング1aとニッケルチューブ1bとの間にN2やAr、CO2
の熱媒ガスを流し、入口側の反応熱を出口側へ移送し
て、これを出口側の反応促進用に利用するものである。
尚、ヒータ3はニッケルチューブ1b(触媒管1b)の外
側へ巻回するようにしてもよい。
図14は、本発明の創作に必要として基礎データを得る
ために用いた実験装置の系統図を示すものである。
尚、図14に於いて、MFC1〜4はマスフローコントロー
ラ、R.Pは真空ポンプ、Tはタンクである。また、反応
炉1として内径1/4インチ、長さ2mのニッケルパイプ
(内表面積273cm3)を使用している。
(試験例1) H2とO2の混合比と反応温度の関係を前記図14の実験装
置を用いて試験した。
図15〜図18からも明らかなように、H2リッチな混合ガ
スとした方が、反応温度が低下し、水分が発生し易くな
ることが判る。
また、図19からも明らかなように、当該試験装置の反
応炉の場合、500℃の温度下に於いて75cc/min以上の混
合ガス流量になると、未反応のO2が増加することにな
る。
尚、曲線AはH2O、曲線BはH2、曲線CはO2を夫々示
すものである。
(試験例2) ニッケルチューブ(内径1/4インチ、長さ2m、内表面
積273cm2)を450℃に保ち、入口側より2H2+O2=75cc/m
inの混合ガスを供給し、チューブ内の残留O2を検出する
ことにより反応量を調査した。
その結果、入口側より20cmの点に於いて約68%のO2
びH2が反応を完了していることが判明した。
同様に、長さ20mのニッケルチューブ(内径1/4イン
チ)内へ2H2+O2=750cc/minの流量で混合ガスを供給し
た場合、入口側から20cmの点で約29%のO2とH2の反応が
完了していることが判明した。
当該試験の結果から、反応炉1に於いては、ニッケル
パイプの入口側近傍に於いてH2とO2の反応の大部分が完
了し、従って反応熱も入口側近傍に於いて多量に発生す
ることが判る。
(試験例3) ニッケル繊維の焼結体から成るオールメタルフィルタ
ー及びニッケルリボン(0.3厚さ×20幅×1000長さmm)
を用いて、水発生試験を行った(第2の水分発生用反応
炉)。
図20及び図21はニッケルフィルターを用いた場合の、
また、図22及び図23はニッケルリボンを用いた場合の試
験結果を示すものである。
図20及び図22からも明らかなように、前記ニッケルチ
ューブを用いた場合(図15)に比較して、これと同等又
はこれ以上の水分発生を夫々行うことができる。
従って、ニッケルチューブに代えてニッケルリボンや
ニッケルフィルターを触媒材として利用することも可能
である。
(試験例4) ニッケルチューブを500℃、混合ガス流量25cc/minと
して水分生成の応答性をテストした(図24)。図24から
も明らかなように、混合ガスの供給を停止したあと、再
度混合ガスを供給した場合、約40〜60秒後には水分発生
量が一定値となり、優れた応答性を示すことになる。
また、ニッケルチューブ内をH2雰囲気下でアニール
(500℃)したあと(図25)及びQ2雰囲気下でアニール
(500℃)したあと(図26)に於いても、60〜80秒後に
は一定の水分発生量を得ることができた。
(試験例5) H2とO2の混合比とガス着火温度との関係を試験により
確認した。
図27は着火温度検出試験装置の概要を示すものであ
る。これを用いて、ニッケルチューブ内へ供給するO2
びH2の混合比を変え、着火温度を調査した。
図28乃至図33からも明らかなように、H2とO2の混合比
が3:1、2:1、4:3の場合、610℃では着火しないが620℃
では着火することが判明した。
従って、爆発防止の点から安全性を考慮して、反応炉
1の最高温度はほぼ600℃とするのが望ましい。
本発明の水分発生方法及び第1及び第2の水分発生用
反応炉では、酸素と水素のみを直接に反応炉内へ供給す
る構成としているため、高純度の水又は高純度の水と酸
素との混合ガスを取り出すことができると共に、従前の
希釈ガスを供給する場合に比較し点反応性が高いため、
反応炉の一層の小型化が可能となるうえ、公知のアルゴ
ン混合ガスを取り出す方法に比較して、安全性の点でも
優るとも劣ることがない。
また、パイプや焼結体、薄板積層体、ハニカム体、メ
ッシュ体、スポンジ体若しくはフィン状体を触媒材とし
て利用し、且つその内外両表面の触媒作用を活用するよ
うにしているため、公知のこの種の水分生成装置に比較
して装置の大幅な小形化が図れると共に、水分発生量の
増加が可能となる。
更に、本発明の温度制御方法では、反応炉の入口側と
出口側の反応性(触媒作用の度合)や反応炉の長手方向
の反応量の分布を変えることにより、反応炉の入口側近
傍で大量の反応熱が発生するのを防止して、入口側近傍
の過度な温度上昇を防止している。これにより、反応炉
の部分的な温度上昇が防止され、安全性が著しく向上す
る。
加えて、本発明の温度制御方法では、反応炉の入口側
近傍のガス温度を200〜500℃に、また出口側近傍のガス
温度を約600℃以下に保持するようにしているため、爆
発等を生ずる虞れは全くなく、しかも高い応答性でもっ
て所要量の高純度水を生成することができる。
(第3及び第4の水分発生用反応炉) 図34〜図45は第3及び第4の水分発生用反応炉の他の
実施例を示すものである。
水素若しくは酸素の反応性を活性化し得る金属触媒材
としては白金、ニッケル<ステンレス等が存在し、その
中でも白金は触媒性に優れている。
しかし、白金は高価なために経済性の点に難点があ
り、特に図2や図3の如き反応炉で反応管を白金製とし
た場合には、反応炉の製造コストが高騰し過ぎると云う
問題がある。
そのため、図2や図3の反応炉では、反応管をニッケ
ル管やステンレス管としたり、或いはニッケル管やステ
ンレス管に白金メッキを施したものを反応管として使用
する方法が採用されているが、ニッケル管やステンレス
管を反応管とした場合には、反応単位表面積当りの水分
発生量が少ないため、1/min以上の生成水を得るため
には反応炉が相当大形になると云う難点がある。
例えば、1/4″×280mm×19本のニッケルパイプの並列
組み合せから成る反応管(ニッケル表面積約1800cm2
反応管内容積約300cm3、1/4″直管約13m分を2本直列に
接続し(1/4″直管約26m分)、これを用いて500℃の温
度下で100cc/minのH2と56cc/minのO2を流した場合、使
用可能な水分発生量の上限は約100cc/min(Max)程度に
なることが実証されている。
しかし、現実の半導体製造装置に於いては、通常1
/min以上の水分発生量を要求されるため、当該水分生成
量を確保するためには相当大形の反応炉を必要とするこ
とになる。
また、ニッケル管を反応管とした場合には、反応管外
表面の酸化腐食の問題が起生する。
例えば、1/4″×200mmのニッケル反応管へ50cc/minの
H2と27.5cc/minのO2を供給し、500℃の温度下で5時間
水分を発生させると、約90%の水分発生反応の反応率が
得られるものの、ニッケル反応管の外表面に0.5μm程
度の厚さの酸化スケールを生ずることがSEM観察により
確認されている。
一方、ニッケル反応管の温度を350℃に低下させる
と、前記反応管外表面に於ける酸化スケールの生成は殆
んど無視できる程度にまで減少するが、水分発生反応の
反応率の方が逆に約90%から50〜60%にまで低下し、そ
の結果、水分発生量が著しく減少することになる。
このように、反応管をニッケル管とした場合には、酸
化スケールの発生の点から反応温度の上限が約350℃に
制限されることになり、その結果水分発生量の減少によ
ってより一層反応炉の大形化を招くことになる。
尚、ニッケル製反応管の表面に酸化スケールが形成さ
れても、水分発生率の方は温度の上昇と共に高くなるこ
とが確認されている。しかし、反応管の表面に酸化スケ
ールが生ずると、発生した水分の汚損を引き起すことに
なり、従って反応管の反応温度は前述の通り約350℃(M
ax)以下に保持しなければならなくなる。
上記したように、水分発生用反応炉の小形化を図りつ
つ発生水量の増加を可能にするためには、低温度下に於
ける触媒活性がニッケル等に比較して相当に高い白金を
コーティング層やメッキ層の形で触媒として使用するこ
とが、必須の要件となる。
そこで、白金の触媒活性をより詳しく調査するため図
34及び図35の如き反応管を製作して水分発生試験を行な
った。
即ち、図34及び図35に於いてEはハステロイ製パイプ
(1/4″、全長200mm)、Hはヒータ、Tは温度計、Ptは
白金箔触媒(厚さ0.05mm、横幅5mm、長さ100mm)であ
り、白金の表面積は10cm2である。
そして、上記反応管にガス入口側から表2の割合で
H2、O2及びN2ガスを流し、反応管出口に於ける反応率と
ガス上流側温度T1、ガス下流側温度T2を夫々測定した。
尚、表3に於いて、※1は通ガス直後の値、※2は通
ガス直後自己発熱により温度が上昇し、反応が安定した
時点の値を夫々示すものである。
表3 上記各試験の結果から、白金がニッケルに比較して
極めて高い触媒活性を有すること、ガスを流すと室温
下であっても僅かに反応が起こり、その反応熱による温
度上昇により外部加熱が無くとも約90%を越える反応率
が得られること、N2ガス等で希釈しないでガスを流す
と室温下でも着火する場合があること、反応はその大
部分がPt箔の先端部(ガス入口側)で起こり、相当の高
温になること、Pt箔の先端部表面が加熱により変化す
る(SEMによる観察結果)こと等が判明した。
次に、本願発明者等は白金コーティング層の触媒活性
を調査するため、図36及び図37に示す如く、Ni薄板(厚
さ0.1mm、幅5mm、長さ50mm、表面積約10cm2)の両外表
面にイオンスパッタ装置を用いて厚さ300〜400Åの白金
コーティング皮膜を形成すると共に、当該Ptコーティン
グをしたNi薄板2枚を長さ約200mmの1/4″のハステロイ
製パイプ内へ挿入した構成の反応管を用い、当該反応管
の一端からその内方へ、50cc/minのH2と50cc/minのO2
200cc/minのN2とを供給して、水発生試験を行った。
次の表4はその試験の結果を示すものである。
尚、表4に於いて、※1は通ガス直後の値、※2は通
ガス直後自己発熱により温度が上昇し、反応が安定した
時点の時、※3は連続通ガステストに於いて白金コーテ
ィング層に劣化現象が現われた直後の値、※4は劣化現
象が現われてから数十分後の値を夫々示すものである。
表4 当該試験の結果から白金コーティングをしたNi薄板
においても、白金箔と同程度の高触媒活性が得られるこ
と、O2リッチの条件下でもほぼ100%の反応率が得ら
れること、希釈ガスがない場合には、室温下でも混合
ガス(H2+O2)に着火すること、急激な温度上昇によ
り、前記PtコーティングしたNi薄板が触媒活性を突然喪
失することがあること、等が確認できた。
尚、前記PtコーティングをしたNi薄板が突然触媒活性
を喪失するに至った原因としては、反応熱によるNi薄板
の温度上昇により下地の金属(Ni)がPtコーティング膜
内へ拡散し、これが酸化雰囲気によりPtコーティング膜
内で酸化されるためであることが、触媒活性を喪失後の
Ptコーティング膜の表面分析により確認されている。そ
の結果、Ni薄板の表面に白金コーティング皮膜を形成し
た場合には、上述の如く触媒活性を喪失する虞れがある
ため、反応炉としての安定性の点に問題が残されてい
る。
(第1実施例) 以下、図面に基づいて本発明の前記第3及び第4の水
分発生用反応炉の第1実施例を説明する。
図38及び図39は第3及び第4の水分発生用反応炉の第
1実施例を示すものであり、反応炉としての第11実施例
に該当するものである。図38及び図39に於いて、10は反
応炉、11aは炉本体、12、13は炉本体部材(フラン
ジ)、14は白金コーティング皮膜、15は原料ガスの入
口、16は水・水分ガスの出口、17はガスケット、18はク
ランプ、19はヒータ、20は熱電対である。
前記反応炉10は、2個の炉本体部材(フランジ)、1
2、13をガスケット17を介して対向させ、所定の間隔を
保持した状態でクランプ18により気密に締付け固定する
ことにより形成されており、炉本体部材(フランジ)1
2、13は耐熱性金属材であるステンレス鋼(SUS304)を
用いて形成されている。尚、反応炉本体1aは、耐熱性材
料であれば非金属材例えば石英やセラミック等により形
成することも可能である。
また、前記白金コーティング皮膜14は一方の炉本体部
材(フランジ)13の内表面にイオンスパッター工法を用
いて均一な厚みに形成されており、その皮膜厚さは100
〜500Å程度に選定されている。
更に、入口15及び水・水分ガス出口16は、白金コーテ
ィング皮膜14を設けないほうの炉本体部材(フランジ)
12に穿設されている。
前記ガスケット17にはアルミニウム製のガスケットが
使用されており、またヒータ19には面状の電気ヒータが
使用されている。
尚、第1実施例では一方の炉本体部材13の内表面のみ
に白金コーティング皮膜14を形成すると共に、皮膜14を
形成していない方の炉本体部材12に入口15及び水・水分
ガス出口16を設けるようにしているが、両炉本体部材1
2、13な内表面に白金コーティング皮膜4を形成して
も、或いは両フランジに入口15及び水・水分ガス出口16
を夫々設けるようにしてもよい。
また、本第1実施例では反応炉10を2枚の炉本体部材
(フランジ)12、13を組み合わせることにより形成して
いるが、反応炉10を円筒形や角筒形に形成し、その内表
面に白金コーティング皮膜14を設ける構成としてもよ
い。
更に、本第1実施例に於いては、白金コーティング皮
膜14をイオンスパッタリング工法により形成している
が、メッキ工法や蒸着工法、イオンプレーティング工
法、クラッド工法、ホットプレス工法或いはこれ等の工
法を適宜に組み合せ使用することによって皮膜を形成す
るようにしてもよく、また、皮膜14を担持する反応炉本
体の金属素材も、ステンレス鋼以外の鋼材例えばニッケ
ルやモリブデン等の合金鋼としてもよい。
加えて、本第1実施例に於いては、反応炉本体を形成
する金属素材の表面上へ直接にイオンスパッタリング工
法により白金コーティング皮膜14を形成するようにして
いるが、金属素材の外表面に非金属材から成るバリヤー
皮膜を先に形成し、このバリヤー皮膜の上に白金コーテ
ィング皮膜を形成するようにしてもよい。
上記非金属材から成るバリヤー皮膜を介設することに
より、反応炉本体を形成する素材金属が高温下で白金コ
ーティング皮膜内へ拡散するのが有効に防止され、その
結果、拡散した金属が白金コーティング皮膜内で酸化さ
れることにより起こるコーティング皮膜の触媒活性の劣
化が、有効に防止されることになる。
前記バリヤー皮膜を形成する非金属材としては、TiN
やTiC、TiCN、TiAlN、Al2O3等が、白金コーティング皮
膜の触媒活性の劣化を防止する上で望ましいことが試験
により確認されている。
また、バリヤー皮膜の厚さは0.5〜2.0μm程度で十分
であり、且つバリヤー皮膜の形成方法は如何なる方法で
あってもよく、イオンプレーティング法や蒸着法が最適
である。
例えば、金属素材をステンレス鋼(SUS304)とし、そ
の上にイオンプレーティング工法により平均厚さ1.5μ
mのTiNのバリヤー皮膜を形成したあと、バリヤー皮膜
の上に蒸着法により厚さ約0.5μmの白金コーテーィン
グ皮膜を形成した場合、水分反応率の経時変化がバリヤ
ー皮膜のない場合に比較して著しく減少することが、水
分反応率の経時変化試験の結果から確認されている。
(試験例6) 試験のために、炉本体部材(フランジ)12、13の有効
内径70mmφ、両フランジ12、13間のスペース距離4mm、P
tコーティング皮膜面積38.5cm2、皮膜厚さ約250Å、内
容積約16.8cm3の反応炉を形成し、ガス入口15から反応
炉10の内部へ表1の如き流量のH2及びO2を供給し、各部
の温度及び反応率を測定した。
尚、本試験例6では皮膜厚さを約250Åとしている
が、試験の結果皮膜厚さ約が約10Å程度以上あれば、所
定の反応率(約98%以上)を得られることが確認されて
いる。また、クラッド工法やホットプレス工法の場合に
は、比較的厚い皮膜の形成が可能であるが、経済性の点
から皮膜厚さの上限は0.5mm位いに選定される。
表5 表5は、前記第1実施例の反応炉を用いた試験例6の
試験条件とその試験結果を示すものである。
また、図40は、前記表5の試験NO1、試験NO2及び試験
NO3に於ける各温度測定部の温度変化を示すものであ
る。
即ち、a、b、cは炉本体部材(フランジ)12(白金
コーティング皮膜なし)に取付けた3個の熱電対20a、2
0b、20cの温度変化を示すものであり、NO1試験の結果は
a1、b1、c1で、NO2試験の結果はa2、b2、c2で、NO3試験
の結果はa3、b3、c3で夫々示されている。
また、d、e、fは炉本体部材(フランジ)13(白金
コーティング皮膜付)に取付けた3個の熱電対の温度変
化を示すものであり、d1、e1、f1はON1試験の結果、
d2、e2、f2はNO2試験の結果、d3、e3、f3はNO3試験の結
果を夫々示すものである。
更に、gは反応炉10の下流側配管の温度を、hはH2
O2の混合部に於けるガス温度を夫々示すものであり、こ
れら両温度g、hはNO1試験、NO2試験、NO3試験を通し
て殆ど変化しないという結果になっている。
図40からも明らかなように、表5のON1試験(H250cc/
min、O250cc/min、反応炉温度120℃に調整)に於いて
は、Ptコーティング皮膜4を設けた炉本体部材(フラン
ジ)12のガス入口側部の温度d1が発生した反応熱により
約10℃上昇しており、反応率は99.55%であった。
また、NO2試験(H2250cc/min、O2250cc/min反応炉120
℃温調で試験を開始し、途中でヒータ9をoffにする)
では、炉本体部材(フランジ)13のガス入口側部の温度
d2が約100℃上昇しており且つその他の部分の温度も反
応熱のために最初の温調温度120℃を越えており、反応
率は99.75%であった。
更に、NO3試験(H2:480cc/min、O2:480cc/min、反応
炉を120℃の温調下で試験を開始し、途中でヒータ19をo
ffにする)に於いては、炉本体部材(フランジ)3のガ
ス入口側部の温度が350を越え、反応率は99.58%であっ
た。
しかし、NO1試験〜NO3試験を通してH2とO2の混合部の
ガス温度hは室温のままであり、従ってH2とO2とが着火
により反応しているのではないことが判る。
図41は、反応炉10を長時間使用したときの経過時間と
反応率の関係を示すのであり、曲線CはH2:O2=480cc/m
in:480cc/minで使用した場合の反応率を示すものであ
る。
H2:O2=480cc/min:480cc/minで使用した場合、18hr使
用した後でも反応率の低下はほとんど見られないことが
判る。
また、図42は、反応炉温度を約400℃に保持し且つ100
時間に亘る長時間使用をした時の経過時間と水分発生反
応率の関係を示すものであって、曲線AはH2:O2=1000c
c/min:1000cc/min、曲線BはH2:O2=1000cc/min:500cc/
min、曲線CはH2:O2=1500cc/min:500cc/minの場合を夫
々示すものである。
図42からも明らかなように、原料ガスが所謂酸素過剰
ガス(H2/O2<1/2)の場合であっても或いは所謂水素過
剰ガス(H2/O2>1/2)の場合であっても、水分発生反応
率は常にほぼ99%位いの値に保持されており、100時間
の長期使用後でも反応性に劣化を生じないことが確認さ
れている。
(第2実施例) 図43は本発明の第3及び第4の水分発生用反応炉の第
2実施例に係る反応炉の縦断面図を示すものであり、反
応炉としての第12実施例に相当するものである。図43で
は、反応炉21を短円筒形に形成すると共にその内部に混
合ガスの拡散部材28を配設することにより、白金コーテ
ィング皮膜32へ均等にガスを接触させ、これによって白
金コーティング皮膜32及びその担持部材の局所的な温度
上昇を防止する構成としたものである。
即ち、図43に於いて、21は反応炉、22、23は炉本体部
材、24はガス供給用継手、25は水・水分ガス取出用継
手、26はフィルタフランジ、27は反応炉取付け用ボル
ト、28はガス拡散用部材、29a、29bは反射板、30はフィ
ルタ、31はフィルター押え、32は白金コーティング皮膜
であり、反応炉21は二個のステンレス鋼製炉本体部材2
2、23を気密状に連結することにより、短円筒形に形成
されている。
前記一方の炉本体部材22は、内部に底面が平面状の窪
部22aが設けられており、その後端面に設けたガス供給
用継手24のガス通路24aが窪部22a内へ連通されている。
また、他方の炉本体部材23は、内部に底面が球面状の
窪部23aが設けられており、その後端面水・水分ガス取
出用継手25の水・水分ガス通路25aが窪部23a内へ連通さ
れている。
更に、前記両炉本体部材22、23の前端面にはフランジ
体22b、23bが夫々形成されており、フィルタフランジ26
を介して両フランジ体22b、23bを気密状に溶接固定する
ことにより、反応炉21が構成されている。
尚、本第2実施例では両フランジ体22b、22bを溶接に
より固着する構成としているか、両フランジ体22b、23b
をガスケット(図示省略)を介設してクランプ(図示省
略)等により解離自在に組付け固着する構成としてもよ
い。
前記ガス拡散用部材28は反射板29とフィルタ30等から
形成されており、図43に示す如く炉本体部材22の窪部22
a内に配設されている。
即ち、反射板29aは全面が開放された有底の円筒状を
呈しており、炉本体部材22の底面の原料ガス入口と対向
する位置に固定されている。同様に、反射板29bは炉本
体部材23の底面の水・水分ガス出口と対向する位置に固
定されている。
ガス供給用継手のガス通路24aを通して反射板29a内へ
噴射されたガスは、反射板底面29cへ衝突したあと、外
周壁29dに設けた透孔29eを通して矢印方向に噴射され、
窪部22a内で拡散されることによりフィルター30のほぼ
全面を均等に通過し、炉本体部材23の窪部23a内へ入
る。
また、窪部23a内へ噴射されたガスは、白金コーティ
ング皮膜32の全面に亘って均等に衝突接触し、これによ
り所謂触媒活性化されることになる。
更に、窪部23a内に形成された水・水分ガスは、反射
板29bの透孔29eを通して水・水分ガス通路25aへ導出さ
れて行く。
尚、図43では水行・水分ガス出口と対向する位置にも
反射板29bを設けるようにしているが、当該反射板29bは
省略することも可能である。ただし、当該反射板29bを
設けることにより、水分発生反応率を約0.5〜2.0%向上
させることが可能となり、特に水素リッチな反応ガスの
時には、反射板29bが顕著な効用を奏することが確認さ
れている。
前記フィルター30としては平均2μmのメッシュを有
するステンレス鋼製フィルタが使用されており、また、
白金コーティング皮膜22には厚さ約1μmのメッキ層が
使用されている。
又、本第2実施例においては炉本体部材22、23の底面
を球面状としているが、これを平面状の底面に形成する
ようにしてもよい。
更に、反射板29aの深さ寸法を図43の点線で示すよう
に大きくし、フィルター30の中心部を透過するガス量を
押えるようにすることも可能である。
加えて、本第2実施例においては、フィルター30とし
てディスク型で且つその全面をガス透過部としたフィル
ターを使用しているが、これに替えて、ディスク型であ
って且つその外周面部のみをフィルター部(ガス透過
部)とした構成のフィルター30を用いるようにしてもよ
い。当該構成のフィルターとすることにより、反射板29
a、29bの省略が可能となる。
前記ガス拡散用部材28を反応炉21内に設けることによ
り、白金コーティング皮膜32が反応熱によって局部的に
加熱されることが皆無となり、白金コーティング皮膜32
のほぼ全域を約500゜位いの温度に保持した状態で水分
発生を行なうことができ、高い水分発生反射率と応答性
の下に、安全にしかも継続して所定量の水発生を行える
ことが実証されている。
図44は本発明の第3及び第4水分発生用反応炉の第3
実施例を示すものであり水分発生用反応炉の第13実施例
に相当するものである。図44では、反応炉34を構成する
炉本体部材34a内へ円錐筒状のフィルター35を挿着する
と共に、炉本体部材34aの内周面のほぼ全域に白金コー
ティング皮膜36を形成するようにしたものである。
前記図44の如き形態の反応炉33に於いても、図43の場
合と同様に白金コーティング皮膜36の局部的な過熱を起
すことなく、高反応率と高応答性の下で安定した所定量
(約11/min以上)の水発生を行なえることが実証されて
いる。
尚、図44のフィルター35に於いて、フィルター35の水
・水分ガス出口と対向する中央の底部分をガスの非透過
部とすることにより、未反応ガス量をより少なくするこ
とが可能となり、水分発生反応率の向上が可能となる。
図45は、本発明の第3及び第4の水分発生用反応炉を
用いた水分発生装置のシステム概要図であり、図45に於
いてH2は水素ガス、O2は酸素ガス、N2はパージ用の窒素
ガス、MFC1〜MFC5はマスフローコントローラ、V1〜V5
バルブ、TC1〜T6は温度測定用熱電対、CV1〜CV5はチェ
ッキバルブ、F1〜F3はフィルター、37a、37bはガス予熱
コイル、38はO2・H2混合部、39はO2・水混合部、40は半
導体製造装置である。
前記反応炉33へ供給される水素ガスH2と酸素ガスO2
2:1又は2:2に設定されており、通常はO2リッチの混合ガ
スが反応炉1へ供給される。
また、前記O2及びH2の供給ガス圧は1.1〜1.05kg/cm2
程度に、流量はO2=1000cc/min、H2=1000cc/min程度に
夫々選定されており、1000cc/minの水分が生成される。
前記ガス予熱コイル37a・37bは混合ガス又はO2ガスを
約200℃以下の任意の温度に加熱するためのものである
か、混合ガスが常温の場合には、通常ガス予熱コイル37
aの方は非作動の状態に置かれている。
また、反応炉33は加熱用ヒータ及び必要に応じて冷却
装置を備えており、反応炉33の作動運転中その温度が反
応熱によって500℃を越えないように、O2及びH2の供給
量(水分生成量)を調整するか若しくは冷却装置を作動
させるかの方法により、温度コントロールされている。
更に、反応炉33の出口側近傍に設けた酸素・水混合部
39内に於ける酸素・水混合体の温度は、管壁へのH2Oの
結露を防止するために常時約120℃程度に保持されてお
り、必要に応じてヒータが備えられている。
尚、本水分発生装置では反応ガスを酸素リッチの状態
にしているが、図42の曲線Cに示す如く、水素リッチな
状態の反応ガスとしてもよいことは勿論である。例え
ば、シリコン酸化膜(SiO2)の形成等に於いては、還元
性ガスの方がより高品質の皮膜が得られるからである。
また、図45では、水素と酸素をガス状で反応炉33へ供
給するようにしているが、液化水素と液化酸素を供給す
ることも可能である。
更に、図45の水分発生装置では、水素と酸素を混合部
28で予混合したうえ反応炉33へ供給しているが、水素ガ
スと酸素ガスを夫々単独で反応炉1内へ供給し、反応炉
1内で混合するようにしてもよい。
加えて、水分発生装置では水分にO2を混合している
が、希釈ガスとしてはO2の他に、酸化還元力を調整する
ためのH2や不活性ガス、或いはSiとSiO2の界面特性を良
くするためのN2O等が用いられることもある。
前記図45の水分発生装置を用い、O21000cc/min、H210
00cc/minのガスを供給して1000cc/minの水分を約20時間
連続的に発生させると共に、この時の発生水分の不純物
や反応炉のPtコーティング皮膜の劣化状態を検査した。
尚、前記発生水分中の不純物はフレームレス原子吸光
分析法により分析したが、不純物成分は何れもng/ml以
下のオーダであって、問題になるような不純物成分は見
当らなかった。
また、Ptコーティング皮膜はSEM観察により検査をし
たが、部分的に表面変色を起している箇所が見られるも
のの、Ptコーティング皮膜の剥離や大幅な酸化変質等は
全く見られなかった。
更に、反応率の方も、前記図41に示したように経時と
共に若干低下する傾向にあるものの、約95%以上の値に
保持されるため、O2過剰条件でも実用的な水分発生量の
確保が可能なことが実証できた。
本発明の第3及び第4の水分発生用反応炉では、反応
炉を構成する炉本体の内壁外表面に白金コーティング皮
膜を形成し、これにO2及びH2ガスを接触させることによ
りこれ等を活性化させる構成としている。
その結果、従前の白金箔や白金製パイプ、白金メッキ
付ニッケル管等を触媒材として利用する反応炉に比較し
て白金使用量が少なくなるうえ、反応炉そのものの構造
も簡素化でき、反応炉の製造コストの削減を図れると共
に、従前のニッケル等を反応材とする反応炉に比較し
て、炉本体の大幅な小形化が可能となる。
また、炉本体にガスの拡散装置を設けているため、触
媒材である白金コーティング皮膜が局所的に加熱される
ことが皆無となる。
その結果、白金コーティング皮膜の剥離や酸化による
表面の変質等が有効に防止され、高反応率及び高応答性
の下で、安定した水分発生を連続的に行なうことができ
る。
更に、ガス拡散用部材を形成するフィルターには逆火
防止機能が具備されており、例えば、反応炉内へ大気圧
下でH2:O2=2:1の混合ガスを充満させ、下流側(二次
側)に於いて混合ガスに点火をしても上流側(一次側)
へ火炎が伝播することはない。
その結果、ガス拡散用部材としてフィルターを使用し
た場合には、反応炉の防爆性が大幅に向上する。
上述の通り、本発明の第3及び第4の水分発生装置用
反応炉は、白金の高触媒特性を活用することにより、混
合ガスの予熱等を必要とすることなしに直接これを炉本
体内へ供給することができると共に、酸素過剰又は水素
過剰混合ガスであっても比較的コンパクトな炉本体でも
って安全に、1000cc/min以上の実用可能な水分発生量を
容易に得ることができる。
(水分発生用反応炉の白金コーティング触媒層の形成方
法) 前記図43の水分発生用反応炉は、(イ)白金箔や白金
製パイプ、白金メッキ付ニッケル管等を触媒材とする反
応炉に比較して白金の使用量が減少すると共に反応炉の
構造も簡単になり、反応炉の製造コストの引下げが図れ
ること、(ロ)白金の高触媒特性を活用することによ
り、混合ガスの予熱等を行なうことなしにこれを直接に
反応炉内へ供給することができるうえ、、酸素過剰又は
水素過剰混合ガスであっても比較的コンパクトな反応炉
でもって、安全に1/min以上の実用上必要とする量の
水分発生を行なえること等の優れた効用を有するもので
ある。
しかし、金属地金の上に白金コーティング皮膜を直接
に形成した場合には、水分発生が長時間に亘った場合
に、白金コーティング皮膜が突然に触媒活性を喪失する
ことが、ときどき発生する。
即ち、H2とO2の供給により、室温下に於いても混合ガ
ス(H2+O2)反応せしめて水分発生を行なうことができ
るものの、水分発生が長時間連続的に行なわれると、白
金コーティング皮膜が突然に触媒活性を喪失した状態に
なることがある。
図46は、前記図38の構造の水分発生用反応炉を用いて
これに下記の(A)及び(B)の方法によって白金コー
ティング皮膜を形成し、これを長時間連続的に使用した
際に触媒活性の喪失を生じた時の触媒活性の喪失状態を
示すものである。
(A):反応器を形成するステンレス鋼の内表面を研磨
・洗浄処理して不働態膜を除去したあと、厚さ約0.1μ
m位いのNi皮膜をメッキ方式により形成し、このNi皮膜
の上に厚さ約0.3μmの白金コーティング皮膜をメッキ
により形成したもの。
(B):反応器を形成するステンレス鋼の内表面を研磨
・洗浄処理して不働態膜を除去したあと、厚さ約0.1μ
mのAu皮膜をメッキ方式により形成し、このAu皮膜上に
厚さ1μmの白金コーティング皮膜をメッキにより形成
したもの。
図46に於いて、曲線A1は試料Aを温度300℃に於いて
使用した場合のH2とO2の反応率の経時変化を示すもので
あり、曲線A2は試料Aの温度を300℃から120℃に下降さ
せた場合の反応率の経時変化を示すものである。
同様に、図46に於いて、曲線B1は試料Bを400℃に於
いて使用した場合のH2とO2の反応率の経時変化を示すも
のであり、また曲線B2は試料Bの温度を400℃から120℃
に下降させた場合の反応率の経時変化を示すものであ
る。
尚、反応器の外形寸法及び反応器へ供給するH2及びO2
量等の試験条件は、各試験に於いて同一に保持されてい
る。
図46からも明らかなように、試料Aに於いては300℃
の温度下で使用した場合、当初約98%であった反応率が
5時間使用後には約70%位いにまで低下する(曲線
A1)。
また、温度を300℃から120℃に下降せしめた状態で反
応率の測定をすると、曲線A2のように反応率の低下がよ
り拡大された形で表わされることになり、当初約98%で
あった反応率が、5時間後には約28%にまで低下する
(曲線A2)。
同様に試料Bに於いては、400℃で使用した場合、当
初約98%であった反応率が2時間使用後には約93%にま
で低下し(曲線B1)、温度を400℃から120℃まで下降さ
せると反応率は約38%であった(曲線B2)。
また、本願発明者は、上述の様な白金コーティング皮
膜の触媒活性の低下(即ち、反応率の低下)の原因を調
査するため、前記試料A(0.1μmNi+0.3μmPt)と試料
B(0.1μmAu+1μmPt)について、夫々400℃の温度で
3時間、同じO2及びH2の供給条件下で水分発生を行なっ
たあと、ステンレス鋼内表面のXPS分析を行なった。
図47は試料Aの外表面のXPS分析結果を、また図48は
試料Bの外表面のXPS分析結果を夫々示すものである。
前記図47及び図48に於いて、その横軸は夫々エッチン
グ時間で表わされており、エッチング時間1分は約60〜
70オングストロームの皮膜厚さに相当する。
図48からも明らかなように、試料Bの場合には、3時
間使用後のステンレス鋼表面のコーティング皮膜の表層
部にはFeとOが多く存在し、Ptの存在量は極く僅か(約
5%)になっている。即ち、コーティング皮膜の外表層
部はFeO等の酸化鉄によって占められ、Pt成分が少なく
なっているために反応率の低下を来たしていることが判
る。
同様に、図47からも明らかなように、試料Aの場合に
は、3時間使用後のステンレス鋼内表面のコーティング
皮膜の表層部はNi及びOで占められており、Pt成分は殆
んど零の状態になっていることが判る。
即ち、上記図47及び図48の結果から、水分発生時の反
応熱による下地のステンレス鋼やNi皮膜の温度上昇によ
り、下地金属からNiやFeが白金コーティング皮膜内へ拡
散し、これが酸化雰囲気により白金コーティング皮膜内
で酸化されることが、白金コーティング皮膜がその触媒
活性を喪失する大きな原因になっていることが判る。
また、図47及び図48の試験結果から、ステンレス鋼の
表面に形成する下地皮膜(バリヤー皮膜)としては、Ni
やFe成分を含まず、白金コーティング皮膜内で酸化物を
生成する恐れのない材質のものが最適であることが判
る。
そこで、本願発明者は、ステンレス鋼と白金コーティ
ング皮膜の間に介在させるバリヤー皮膜を熱による金属
拡散の阻止機能の高い材質の皮膜とすることにより、高
温下に於いても長期に亘って白金コーティング皮膜の高
い触媒活性を維持し得ることを着想した。
また、本願発明者は、上記着想に基づいて、ステンレ
ス鋼製水分発生用反応炉の内表面に様々な材質のバリヤ
ー皮膜と白金コーティング皮膜の組合せからなる白金コ
ーティング触媒層を形成すると共に、各白金コーティン
グ触媒層を用いた水分発生試験を実施し、その水分発生
反応率(触媒活性)の経時変化を調査した。
本発明の水分発生用反応炉の白金コーティング触媒層
の形成方法の発明は、上記の調査結果を基にして創作さ
れたものである。
(白金コーティング触媒層の形成方法の実施例) 図49は本発明の白金コーティング触媒層の形成方法を
適用した水分発生用反応炉の縦断図であり、図49に於い
て、21は反応炉、22、23は反応炉本体、24はガス供給用
継手、25は水・水分ガス取出用継手、26はフィルターフ
ランジ、27は反応炉取付け用ボルト、28はガス拡散用部
材、29a、29bは反射板、30はフィルター、31はフィルタ
ー押え、34は白金コーティング触媒層であり、反応炉1
は二個のステンレス鋼(SUS316L)製炉本体22、23を気
密状に連結することにより、短円筒形に形成されてい
る。
尚、図49の水分発生用反応炉の構造は、前記図43で説
明した本発明の第4の水分発生用反応炉の場合と全く同
一であるため、その詳細な説明は省略する。
前記図49の水分発生用反応炉に於いて、白金コーティ
ング触媒層41はSUS316L製の炉本体23の内表面の全域に
形成されており、図50に示す如く炉本体23の内表面にTi
N製のバリヤー皮膜42を形成したあと、当該バリヤー皮
膜42の上に白金コーティグ皮膜43が形成されており、前
記バリヤー皮膜42と白金コーティング皮膜43とによって
本発明に係る白金コーティング触媒層43が構成されてい
る。
尚、前記白金コーティング皮膜43の厚さは0.1μm〜
3μm位いが適当であり、本実施態様に於いては約1μ
mの厚さの白金コーティング皮膜43が形成されている。
また、バリヤー皮膜42の厚さは0.1μm〜5μm程度
が最適であり、図50では約2μmの厚さのTiN製のバリ
ヤー皮膜が形成されている。
(白金コーティング触媒層の形成方法の具体例) 白金コーティング触媒層41の形成に際しては、先ず所
定の形状に加工形成した炉本体部材23の窪部内表面に適
宜の表面処理を施し、ステンレス鋼表面に自然形成され
ている各種金属の酸化膜や不働態膜を除去する。尚、こ
の表面処理の方法は如何なる方法であってもよい。
窪部23a内表面の表面処理が終ると、次にTiNによるバ
リヤー皮膜42の形成を行なう。尚、本実施態様に於いて
はイオンプレーティング工法により厚さ約2μmのTiN
製バリヤー皮膜42を形成している。
前記バリヤー皮膜42の材質としてはTiNの外にTiC、Ti
CN、TiAlN等を使用することが可能である。
また、バリヤー皮膜42の厚さは前述の通り0.1μm〜
5μm程度が適当である。何故なら、厚さが0.1μm以
下であると、バリヤー機能が十分に発揮されず、また逆
に、厚さが5μmを越えるとバリヤー皮膜42そのものの
形成に手数がかかるうえ、5μm以上の厚さとしても、
地金であるステンレス鋼からの金属類の拡散阻止機能が
ほとんど変化せず、しかも加熱時の膨張差等が原因とな
ってバリヤー皮膜42の剥離等を生ずる虞れがあるからで
ある。
更に、バリヤー皮膜42の形成方法としては、前記イオ
ンプレーティング工法以外に、イオンスパッタリング法
や真空蒸着法等のPVD法や化学蒸着法(CVD法)、ホット
プレス法、溶射法等を溶いることも可能である。
前記バリヤー皮膜42の形成が終わると、引き続きその
上に白金コーティング皮膜43の形成を行なう。本実施例
に於いては、イオンプレーティング工法により厚さ約1
μmの白金コーティング皮膜43を形成している。
前記白金コーティング皮膜43の厚さは前述の通り0.1
μm〜3μm程度が適当である。何故なら、厚さが0.1
μm以下の場合には、長期に亘って触媒活性を発揮する
ことが困難となり、また逆に、厚さが3μm以上になる
と、白金コーティング皮膜43の形成費が高騰するうえ、
3μm以上の厚さにしても触媒活性度やその保持期間に
ほとんど差がなく、しかも加熱時に膨張差等によって剥
離を生ずる虞れがあるからである。
また、白金コーティング皮膜43の形成方法は、イオン
プレーティング工法以外にイオンスパッタリング法、真
空蒸着法、化学蒸着法、ホットプレス法等が使用可能で
あり、更に、バリヤー皮膜42がTiN等の導電性のある物
質の時にはメッキ法も使用可能である。
図51は、本発明の方法により白金コーティング触媒層
41を形成した水分発生炉に於ける水分反応率の経時変化
を示すものである。
先ず、図49の反応炉1の炉本体23の窪部23aに化学洗
浄剤を用いて表面処理を施し、その後バリヤー皮膜42と
して厚さ約2μmのTiN皮膜をイオンプレーティング法
により形成し、更にその上に、イオンプレーティング法
により厚さ約1μmの白金コーティング皮膜43をした。
そして、前記TiNのバリヤー皮膜42と白金コーティング
皮膜43とから成る白金コーティング触媒層41を備えた水
分発生炉を用い、その内部へ500cc/minのH2と500cc/min
のO2を流すことにより、400℃の温度下で延10時間の水
分発生試験を行なった。
即ち、400℃の温度下に於ける水分発生開始直後
(T=0Hrの時点)に温度を120℃まで下降させ、この状
態下で第1回目の水分発生反射率の測定を行ない、そ
の後引き続き400℃の温度に戻して1時間水分発生を行
ない(T=1Hrの時点)、この時点で温度を再度120℃ま
で下降させて第2回目の水分発生反応率の測定を行な
い、更に、400℃の温度に戻して2時間の水分発生を
行ったあと(T=3Hrの時点)、温度を120℃まで下降さ
せて第3回目の水分発生反応率を測定し、その後400
℃の温度に戻して7時間の水分発生を行ない(T=10Hr
の時点)、この時点で温度を120℃まで下降させて第4
回目の水分発生反応率を測定した。
尚、温度を120℃に下降せしめた場合の水分発生試験
では、水分発生炉の内部へ50cc/minのO2と50cc/minのH2
を流して、水分発生率の測定を行なった。
図51の軸線Aは上記〜の温度を120℃に下降せし
めて測定した水分発生反応率を示すものである。
尚、温度を400℃から一旦120℃まで下降させた状態で
水分発生用反応率を測定しているのは、前記図46からも
明らかなように、低温度下に於けるほど水分発生反応率
の劣化による変化が大きく表われるからである。
また、前記水分発生反応率は発生水分の実測値と供給
したO2及びH2量の実測値から算出したものである。
図51の曲線Bは、同じ形状の炉本体23の窪部23aにイ
オンプレーティング工法により厚さ2μmのNiのバリヤ
ー皮膜を形成したあと、その上にイオンプレーティング
工法により厚さ約1μmの白金コーティング皮膜43を形
成した反応炉21を用い、前記曲線Aの場合と全く同じ条
件下で水分発生反応率を測定した結果を示すものであ
る。
図51の曲線Aと曲線Bの対比からも明らかなように、
TiNのバリヤー皮膜42を設けた場合(曲線A)には、白
金コーティング触媒層41の触媒活性を長時間に亘ってほ
ぼ一定の高触媒活性に保持することができる。
尚、上記図51の曲線Aは、厚さ2μmのTiNのバリヤ
ー皮膜42を設けた場合の水分発生反応率の経時変化を示
すものであるが、厚さ2μmのTiAlN、TiC、TiCN及びAl
2O3の各バリヤー皮膜を設けた場合についても前記図51
の曲線Aの場合と同じ条件で水分発生反応率の経時変化
を測定した。その結果、上記何れのバリヤー皮膜の場合
でも、水分発生反応率の経時変化はTiNのバリヤー皮膜
の場合とほぼ同じであって、水分発生反応率の低下は全
く見られなかった。
また、上記の通りAl2O3のバリヤー皮膜の場合でも水
分発生反応率の経時変化が十分に防止されることからし
て、これ以外の酸化物や窒化物例えばCr2O3やSiO2、CrN
等のバリヤー皮膜であっても、TiNのバリヤー皮膜の場
合と同様に水分発生反応率の経時変化を有効に防止でき
ると想定される。
表6は、本発明を適用した図49の水分発生反応炉(図
51の曲線Aの測定時に使用したもの)を用い、400℃の
温度下で延10時間水分発生を行なった時点に於ける発生
水分中の微量元素の分析を行った結果を示すものであ
る。
表6 尚、上記微量元素の分析は、Fe・Cr及びNiについては
黒鉛炉加熱−原子吸光分析法(偏光Zeeman原子吸光光度
計・株式会社日立製)により行ない、またPtについて
は、ICP質量分析法(ICP質量分析装置・セイコー電子株
式会社製)により行なったものである。
表6からも明らかなように、発生水分中の微量元素は
何れも極く僅かである。また、測定系に存在するPtは白
金コーティング皮膜43の部分のみであることから、白金
コーティング皮膜43からは水分中へ殆んどPtが溶出しな
いと云うことが判る。
本発明の白金コーティング触媒層の形成方法では、水
分発生用反応炉の内壁面を浄化処理したあとその上にTi
N等のバリヤー皮膜を形成し、その後バリヤー皮膜の上
に白金コーティング皮膜を形成する構成としている。
その結果、反応炉本体が約400℃位いの高温度に加熱
された場合でも、前記TiN等のバリヤー皮膜によって、
本体を形成する地金の金属成分が白金コーティング皮膜
内へ拡散するのがほぼ完全に防止されることになり、白
金コーティング皮膜内に於ける金属酸化物の形成量が大
幅に減少し、Ptの高触媒性能が長期に亘って安定に保持
される。
また、ステンレス鋼製炉本体の表面に白金コーティン
グ触媒層41を高能率で且つより少ない白金使用量でもっ
て経済的に形成することができると共に、反応炉の水分
発生反応率を長期に亘ってほぼ一定値に保持することが
でき、しかも発生水分がPtの溶出によって汚染されるこ
ともない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田辺 義和 東京都青梅市今井2326番地 株式会社日 立製作所 デバイス開発センター内 (72)発明者 新田 雄久 東京都青梅市今井2326番地 株式会社日 立製作所 デバイス開発センター内 (72)発明者 川田 幸司 大阪府大阪市西区立売堀2丁目3番2号 株式会社フジキン内 (72)発明者 池田 信一 大阪府大阪市西区立売堀2丁目3番2号 株式会社フジキン内 (72)発明者 森本 明弘 大阪府大阪市西区立売堀2丁目3番2号 株式会社フジキン内 (72)発明者 平尾 圭志 大阪府大阪市西区立売堀2丁目3番2号 株式会社フジキン内 (72)発明者 唐土 裕司 大阪府大阪市西区立売堀2丁目3番2号 株式会社フジキン内 (72)発明者 皆見 幸男 大阪府大阪市西区立売堀2丁目3番2号 株式会社フジキン内 (56)参考文献 特開 昭55−41805(JP,A) 特開 昭57−82102(JP,A) 特開 昭58−19599(JP,A) 特開 平6−115903(JP,A) 特開 昭55−3820(JP,A) 特開 昭57−49895(JP,A) 実開 昭63−85630(JP,U) 実開 平5−19746(JP,U) 米国特許3857927(US,A) 米国特許4119706(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 5/00

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入口と水・水分ガス出口を備えた金属製の
    反応炉本体と、前記反応炉本体の内壁面に設けた白金コ
    ーティング皮膜とから形成され、入口から供給した水素
    と酸素を前記白金コーティング皮膜に接触させてその反
    応性を活性化させ、水素と酸素から水を発生させるよう
    にした水分発生用反応炉に於いて、前記反応炉本体を耐
    熱金属とすると共に、白金コーティング皮膜を、反応炉
    本体の内壁面上に形成した非金属材より成るバリヤー皮
    膜の上にメッキ工法、スパッター工法、蒸着工法、クラ
    ッド工法、イオンプレーティング工法又はホットプレス
    工法の何れかにより形成した厚さ10オングストローム〜
    0.5ミリメートルの皮膜としたことを特徴とする水分発
    生用反応炉。
  2. 【請求項2】入口と水・水分ガス出口を備えた耐熱材料
    製の反応炉本体と,前記反応炉本体の内部空間内に設け
    たガス拡散用部材と,前記反応炉本体の内壁面に設けた
    白金コーティング皮膜とから形成され、入口から供給し
    た水素と酸素をガス拡散用部材により拡散したあと白金
    コーティング皮膜に接触させてその反応性を活性化さ
    せ、水素と酸素から水を発生させるようにした水分発生
    用反応炉に於いて、反応炉本体を耐熱金属とすると共
    に、白金コーティング皮膜を、反応炉本体の内壁面上に
    形成した非金属材より成るバリヤー皮膜の上にメッキ工
    法、スパッター工法、蒸着工法、クラッド工法、イオン
    プレーティング工法又はホットプレス工法の何れかによ
    り形成した厚さ10オングストローム〜0.5ミリメートル
    の皮膜としたことを特徴とする水分発生用反応炉。
  3. 【請求項3】反応炉本体内へ供給するガスを、酸素と水
    素の比H2/O2が、H2/O2<1/2である酸素過剰ガス若しく
    はH2/O2>1/2である水素過剰ガスとした請求項1又は請
    求項2に記載の水分発生用反応炉。
  4. 【請求項4】ガス拡散用部材を、入口と対向状に配置し
    た反射板と当該反射板の下流側に設けたフィルタ若しく
    は入口と対向状に配置した反射板と当該反射板の下流側
    に設けたフィルタと水・水分ガス出口と対向状に配置し
    た反射板とから構成した請求項2に記載の水分発生用反
    応炉。
  5. 【請求項5】ガス拡散用部材を、入口と対向状に配設し
    たフィルタより成る円筒体、円錐体又はディスク体とし
    た請求項2に記載の水分発生用反応炉。
  6. 【請求項6】ガス拡散用部材を、入口と対向状に配設し
    た外周部分にフィルタ部を有するディスク体とした請求
    項2に記載の水分発生用反応炉。
  7. 【請求項7】バリヤー皮膜をTiN、TiC、TiCN、TiAlNの
    何れかから形成したバリヤー皮膜とした請求項1又は請
    求項2に記載の水分発生用反応炉。
  8. 【請求項8】ケーシング内に水素若しくは酸素の反応性
    を活性化し得る触媒を備えると共に、高温下で水素と酸
    素を反応させて水分を発生させる水分発生用反応炉に於
    いて、前記水分発生用反応炉の内部の反応中の水素と酸
    素の上流側の温度を、下流側の温度よりも低い温度に保
    持することを特徴とする水分発生用反応炉の温度制御方
    法。
  9. 【請求項9】反応中の水素と酸素の上流側の温度を200
    ℃〜500℃に、また下流側の温度を約600℃以下に保持す
    るようにした請求項8に記載の水分発生用反応炉の温度
    制御方法。
  10. 【請求項10】ケーシング内に水素若しくは酸素の反応
    性を活性化し得る触媒を備えると共に、高温下で水素と
    酸素を反応させて水分を発生させる水分発生用反応炉に
    於いて、ケーシング内に配設した触媒と混合ガスとの接
    触面積を、ケーシング内の反応ガスの下流側に比較して
    上流側の方を小さくし、水素と酸素の反応量を少なくす
    ることによりケーシング内の反応ガス上流側に於ける温
    度上昇を防止するようにした水分発生用反応炉の温度制
    御方法。
  11. 【請求項11】ケーシング内に水素若しくは酸素の反応
    性を活性化し得る触媒を備えると共に、高温下で水素と
    酸素を反応させて水分を発生させる水分発生用反応炉に
    於いて、ケーシング内に配設した触媒の触媒作用を、ケ
    ーシング内の反応ガスの下流側に比較して上流側の方を
    小さくし、酸素と水素の反応量を少なくすることによ
    り、ケーシング内の反応ガス上流側に於ける温度上昇を
    防止するようにした水分発生用反応炉の温度制御方法。
  12. 【請求項12】ケーシング内に水素若しくは酸素の反応
    性を活性化し得る触媒を備えると共に、高温下で水素と
    酸素を反応させて水分を発生させる水分発生用反応炉に
    於いて、ケーシング内に配設した触媒に接触させるガス
    の供給位置を分散させ、ケーシング内の反応ガス上流側
    に於ける酸素と水素の反応量を少なくすることにより、
    ケーシング内の反応ガス上流側に於ける温度上昇を防止
    するようにした水分発生用反応炉の温度制御方法。
  13. 【請求項13】入口・水分ガス出口を備えた金属製反応
    炉本体の内壁面に形成した白金コーティング皮膜を触媒
    とし、入口から供給した水素と酸素を前記白金コーティ
    ング皮膜に接触させてその反応性を活化させることによ
    り、水素と酸素から水を発生させるようにした水分発生
    用反応炉において、前記金属製反応炉本体の内壁面に表
    面処理を施してこれを清浄にしたあと、反応炉本体の内
    壁面に酸化物や窒化物の非金属材から成るバリヤー皮膜
    を形成し、その後前記バリヤー皮膜の上に白金コーティ
    ング皮膜を形成することを特徴とする水分発生用反応炉
    の白金コーティング触媒層の形成方法。
  14. 【請求項14】バリヤー皮膜をTiN、TiC、TiCN、TiAl
    N、Al2O3、Cr2O3、SiO2、CrNの中の何れかから成るバリ
    ヤー皮膜とした請求項13に記載の水分発生用反応炉の白
    金コーティング触媒層の形成方法。
  15. 【請求項15】反応炉本体をステンレス鋼製の反応炉本
    体とすると共に、バリヤー皮膜をTiNから成るバリヤー
    皮膜とするようにした請求項14に記載の水分発生用反応
    炉の白金コーティング触媒層の形成方法。
  16. 【請求項16】バリヤー皮膜の厚さを0.1〜5μmとす
    ると共にイオンプレーティング工法又はスパッター工法
    によりバリヤー皮膜を形成するようにした請求項13、請
    求項14又は請求項15に記載の水分発生用反応炉の白金コ
    ーティング触媒層の形成方法。
  17. 【請求項17】白金コーティング皮膜の厚さを0.1〜3
    μmとすると共に、イオンプレーティング工法又はスパ
    ッター工法により白金コーティング皮膜を形成するよう
    にした請求項13、請求項14、請求項15又は請求項16に記
    載の水分発生用反応炉の白金コーティング触媒層の形成
    方法。
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