JP3109964B2 - ワイヤソー装置 - Google Patents

ワイヤソー装置

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JP3109964B2
JP3109964B2 JP24976694A JP24976694A JP3109964B2 JP 3109964 B2 JP3109964 B2 JP 3109964B2 JP 24976694 A JP24976694 A JP 24976694A JP 24976694 A JP24976694 A JP 24976694A JP 3109964 B2 JP3109964 B2 JP 3109964B2
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康彦 森山
均 大沢
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば半導体材料、
磁性材料、セラミック等の脆性材料をワイヤにより切断
するワイヤソー装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のワイヤソー装置は、複数の加工
用ローラ間にワイヤが多数回巻掛けられる。そして、そ
の加工用ローラの回転によりワイヤが走行され、その走
行中のワイヤとワークとが接触されるとともに、その接
触部に砥粒を含むスラリーが供給されて、ワークがワイ
ヤによりウェハー状にスライスされる。
【0003】そして、従来の装置においては、ワークと
ワイヤとが接触していることを作業者が目視確認してか
ら切断開始が行われる。また、切断終了に際しては、作
業者がワイヤの撓みによる切断残しがないかを目視によ
り確認を行って、手動でワークを引き上げたり、また、
一部では引き上げ動作ボタンを押して一定時間経過後に
再びワーク引き上げ完了を目視確認したりした後に、装
置運転停止ボタンを押して装置を停止していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
ワイヤソー装置においては、切断の開始及び終了に際し
て、目視確認等の手動作業を必要とするため、人手がか
かって作業の自動化を行い得ず、作業効率が悪いもので
あった。しかも、切断の開始及び終了を目視確認に依存
すれば、当然、その確認の確実度が低く、作業ミスの原
因になるおそれもあった。
【0005】この発明の目的は、作業効率を向上できる
とともに、その作業を正確に行うことができるワイヤソ
ー装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明では、ワークに対する切断
開始可能な状態を検出する第1の検出手段と、ワークの
切断完了後にワイヤとワークとの離脱を検出する第3の
検出手段とを備えた。
【0007】請求項2に記載の発明では、請求項1にお
いて、第1の検出手段は、ワイヤ及びワーク支持部を含
み、ワイヤがワークに接触したときに通電される。
【0008】請求項3に記載の発明では、請求項1また
は2において、第1の検出手段による検出に基づいて、
ワークに対する切断開始が行われるように制御する制御
手段を備えた。請求項4に記載の発明では、請求項1に
おいて、さらに切断完了状態を検出する第2の検出手段
を備えた。
【0009】請求項5に記載の発明では、請求項4に
いて、第2の検出手段は、ワイヤ及びワーク支持部を含
み、ワイヤがワーク支持部に接触したときに通電され
る。
【0010】請求項6に記載の発明では、請求項5にお
いて、第2の検出手段は、ワーク支持部に埋設された電
極を含む。請求項7に記載の発明では、請求項4〜6の
いずれかにおいて、第2の検出手段による検出に基づい
て切断終了が行われるように制御する制御手段を備え
【0011】
【作用】請求項1においては、ワークに対する切断を開
始可能な状態が検出されるため、それらの状態の確認を
目視に依存することが不要になる。また、ワークの切断
完了後にワイヤとワークとの離脱が検出される。
【0012】請求項2においては、ワイヤとワークとの
接触により、ワークに対する切断を開始可能な状態が検
出される。
【0013】請求項3においては、ワークに対する切断
を開始可能な状態が検出されると、切断作業が自動的に
開始される。請求項4においては、ワークに対する切断
完了状態が検出されるため、その状態の確認を目視に依
存することが不要になる。
【0014】請求項5においては、ワイヤとワーク支持
部との接触により、切断完了状態が検出される。請求項
6においては、ワイヤと電極との接触により、切断完了
状態が検出される。請求項7においては、ワークに対す
る切断完了状態が検出されると切断作業が自動的に終了
する
【0015】
【実施例】以下、この発明の一実施例を、図面に基づい
て詳細に説明する。図1及び図2に示すように、切断機
構1は装置フレーム2上に装設されている。この切断機
構1は平行に延びる加工用駆動ローラ3及び加工用被動
ローラ4を備え、それらの外周には環状溝3a,4aが
所定ピッチで形成されている。
【0016】鋼線よりなる1本の切断用ワイヤ5は前記
加工用ローラ3,4の各環状溝3a,4a間に螺旋状に
連続的に巻回されている。ワイヤ走行用モータ6は装置
フレーム2上に配設され、このモータ6により加工用駆
動ローラ3が直接回転されるとともに、多数張設された
ワイヤ5の走行にともない加工用被動ローラ4が回転さ
れる。そして、加工用ローラ3の回転によって、ワイヤ
5が一方向または双方向に所定の走行速度で走行され
る。
【0017】ワーク支持機構9は前記切断機構1の上方
において、フレーム2に上下動可能に支持され、その下
部にはワーク10がセットされる。位置検出用のエンコ
ーダを備えたワーク昇降用モータ11はフレーム2上に
配設され、このモータ11により図示しないボールスク
リュー等を介してワーク支持機構9が上下動される。そ
して、装置の運転時には、ワイヤ5が切断機構1の加工
用ローラ3,4間で走行されながら、ワーク支持機構9
が切断機構1に向かって下降される。この時、図示しな
いスラリ供給機構によりワイヤ5上へ砥粒を含むスラリ
が供給されるとともに、そのワイヤ5に対しワーク10
が押し付けられ、ラッピング作用によってワーク10が
スライス加工される。
【0018】図1〜図3に示すように、リール機構12
は前記フレーム2上に装設され、ワイヤ5を繰り出すた
めの繰出しリール13と、ワイヤ6を巻き取るための巻
取りリール14とを備えている。回転方向及び回転速度
を変更可能なサーボモータよりなる一対のリール回転用
モータ15,16はフレーム2に配設され、それらのモ
ータ軸にはカップリング17及び連結軸18を介して各
リール13,14が連結されている。トラバース機構1
9はリール機構12に隣接してフレーム2上に装設さ
れ、繰出しリール13からのワイヤ5の繰出し及び巻取
りリール14へのワイヤ5の巻取りをトラバースしなが
ら案内する。
【0019】そして、前記リール機構12の両リール1
3,14の回転により、繰出しリール13から切断機構
1へワイヤ5が繰り出されるとともに、加工後のワイヤ
5が巻取りリール14に巻き取られる。また、繰出しリ
ール13上のワイヤ5が、切断機構1を経て巻取りリー
ル14にすべて巻き取られたとき、両リール回転用モー
タ15,16の回転方向が切り換えられて、両リール1
3,14の繰出し機能及び巻取り機能が反転される。
【0020】図1、図2、図4及び図5に示すように、
ワイヤ張力付与機構20は前記リール機構12と切断機
構1との間に配設されている。この張力付与機構20は
フレーム2の前面に回動軸23を介して一定ストローク
にて回動可能に支持された一対のダンサアーム21,2
2を備え、それらの先端にはガイドローラ24及びウェ
イト25がそれぞれ取り付けられている。エンコーダよ
りなる一対のセンサ26,27は各ダンサアーム21,
22の回動軸23に連結され、ダンサアーム21,22
の回動位置に応じて検出信号を出力する。ストッパ28
はフレーム2の前面に突設され、このストッパ28との
係合により、各ダンサアーム21,22の最下位置が規
制される。リミットスイッチ45はフレーム2に支持さ
れ、ダンサアーム21,22が最下端に位置したときに
それを検出し、装置運転を停止させる。
【0021】ワイヤガイド機構29は切断機構1に近接
して配置され、ワイヤ5を案内するための複数のガイド
ローラ30を備えている。そして、切断機構1の加工用
ローラ3,4間に巻回されたワイヤ5の両端が、このワ
イヤガイド機構29のガイドローラ30及びフレーム2
上のガイドローラ31を介して、ワイヤ張力付与機構2
0のガイドローラ24に掛装されている。そして、ワイ
ヤ張力付与機構20の両ダンサアーム21,22がウェ
イト25にて下方へ付勢されることにより、加工用ロー
ラ3,4間のワイヤ5に所定の張力が付与される。
【0022】ワイヤ張力低減機構32は前記リール機構
12とワイヤ張力付与機構20との間に配設されてい
る。この張力低減機構32は一対の回転ローラ33を備
え、それらの外周にはワイヤ5が接触されている。そし
て、両回転ローラ33が図示しない制御手段によって適
宜回転されることにより、ワイヤ張力付与機構20から
リール機構12の各リール13,14側へ波及するワイ
ヤ5の張力が低減される。
【0023】次に、前記ワーク支持機構9に対するワー
ク10の取付構成について詳述する。図6及び図7に示
すように、ワーク支持機構9は導電材よりなるサドル3
4を備え、その下面にはガラス等よりなる絶縁板35及
びワーク支持部としてのカーボン等の導電材よりなる支
持板36を介して、導電材よりなるワーク10が接着固
定されている。
【0024】雌型端子37は前記支持板36に埋設さ
れ、この雌型端子37にねじを介して係脱可能に対応す
るように、サドル34の外面には雄型端子38が電線3
9を介して接続されている。そして、装置の運転開始に
おいて、ワーク10を加工用ローラ3,4間のワイヤ5
と近接対応する位置に自動セットする際に、雄型端子3
8が雌型端子37にねじ込まれて、ワーク10及び支持
板36がサドル34に対して電気接続される。
【0025】電極としての導電材よりなる検出棒40は
合成樹脂等の絶縁層41により被覆した状態で、前記支
持板36の中央下部に埋設され、その絶縁層41がワー
ク10の外周面に接合されている。検出棒40は加工用
ローラ3,4間のワイヤ5の配列方向に延びている。雌
型端子42は検出棒40の端面に形成され、この雌型端
子42とねじを介して係脱可能に対応するように、サド
ル34の端面には雄型端子43が電線44を介して接続
されている。雄型端子43を雌型端子42にねじ込むこ
とにより、検出棒40がサドル34に対して電気接続さ
れる。
【0026】次に、前記のように構成されたワイヤソー
装置の主要部の制御装置について説明する。図2及び図
9に示すように、制御装置51は前記フレーム2の近傍
に配設され、その内部には中央処理装置(CPU)52
及びメモリ53が実装されている。このCPU52は装
置全体の動作を統括するとともに、タイマ機能を有して
いる。メモリ53は装置の動作を制御するためのプログ
ラムを記憶するとともに、各種の入力データや検出デー
タを一時的に記憶する。
【0027】操作盤54は制御装置51の前部に配置さ
れ、その上面にはタッチパネル機能を有するディスプレ
イ55が装備されている。そして、このディスプレイ5
5には、例えば図10に示すような初期モニタ画面56
等の各種のモニタ画面が、作業モード等に応じて随時表
示される。また、このモニタ画面56上には、作業状態
やワイヤ経路等を示す線図57、作業モードを選択する
ための複数のスイッチ部58、運転モード等を表示する
ための複数の表示部59等が設けられている。そして、
このモニタ画面56上のスイッチ部58をタッチするこ
とによって、任意の作業モードを選択することができ
る。
【0028】この実施例においては、前記CPU52に
より制御手段が構成されている。またCPU52,ワイ
ヤ5及びワーク10等により第1の検出手段が、CPU
52,ワイヤ5,支持板36及び検出棒40等により第
2の検出手段が、CPU52により第3の検出手段がそ
れぞれ構成されている。
【0029】次に、前記のように構成されたワイヤソー
装置について動作を説明する。まず、装置運転の停止時
における動作を、図11のフローチャートに従って説明
する。さて、ディスプレイ55上のスイッチ部58の操
作、あるいはプログラムされた自動停止指示によりCP
U52に運転の停止指令が入力されると(ステップS
1)、ワイヤ5を緩める方向にリール用モータ15,1
6がゆっくりと回転され、これによりダンサアーム2
1,22は図4に示す最下位置P2に向かってゆっくり
と回動される(ステップS2)。
【0030】そして、ダンサアーム21,22が最下位
置P2の手前(数mm上方)の所定位置まで回動された
とき、センサ26,27からの検出信号に基づき、リー
ル用モータ15,16が停止されて、リール用モータ1
5,16がサーボロック状態に制動保持される(ステッ
プS3〜S4)。従って、ダンサアーム21,22が前
記所定位置で停止される。なお、センサ26,27の出
力は常時CPU52に入力され、ダンサアーム21,2
2の位置が常時検出されている。従って、運転停止指令
に基づいてCPU52は最下位置P2の手前までのダン
サアーム21,22の回動量を演算して、その演算結果
に基づいてリール用モータ15,16の回転を制御す
る。
【0031】この時点でタイマの計時動作がスタートさ
れ、所定時間(1〜2秒)サーボロック状態が維持され
る(ステップS5)。従って、仮にダンサアーム21,
22に停止にともなう振動が発生していても、その所定
時間の停止により収束される。そして、タイマがタイム
アップすると、リール用モータ15,16がサーボロッ
ク状態から解放されて、フリーの状態になる(ステップ
S6〜S7)。それにより、ワイヤ5がリール13,1
4上から繰り出し可能になり、ダンサアーム21,22
は最下位置P2の手前の位置から、最下位置P2に向か
って僅かに回動されて、ストッパ28により停止され
る。(ステップS8)。
【0032】このため、装置運転の停止時に、リール1
3,14の惰性回転により、リール13,14上からワ
イヤ5が余分に繰り出されることはなく、ワイヤ5に余
分な弛みが生じるおそれを防止することができる。従っ
て、次に装置の運転を開始する際に、ワイヤ5をガイド
ローラ30,31等から外れることなく、円滑に給送す
ることができるとともに、ワイヤ5の余分な弛みに起因
するワイヤ切断事故を防止できる。また、この装置の運
転開始時には、ワイヤ5に余分な弛みが生じていないた
め、リール13,14上にワイヤ5を所定量巻き取るこ
とにより、ダンサアーム20,21を中立位置P1に直
ちに復帰回動させることができて、装置の運転を自動で
開始することができる。
【0033】次に、装置の運転開始時におけるワーク1
0の自動セット動作を説明する。まず、作業者はディス
プレイ55のスイッチ部58の操作により、ワーク10
の上下寸法を含むワーク10の大きさを入力する。この
大きさのデータは制御装置51のメモリ53に記憶され
る。そして、ディスプレイ55上のスイッチ部58の操
作により、ワーク10の自動セットモードが選択される
と、図12のルーチンが開始される。そこで、図6に示
すように、予め接続されている雄型端子38と雌型端子
37を介して、ワーク10、支持板36とサドル34の
電気接続を確認する(ステップS1〜S2)。
【0034】この状態で、ワーク10のセット確認動作
が完了し、自動開始操作により、ワーク昇降用モータ1
1によりワーク支持機構9が下方に早送り移動され、ワ
ーク10が加工用ローラ3,4間のワイヤ5に向かって
下降される(ステップS3)。そして、メモリ53内に
格納されたワークの大きさを示すデータに基づいて、ワ
ーク10がワイヤ5の直上位置(1mm程度)に達する
と(ステップS4)、ワーク10の早送りが予め設定さ
れた切削送りに切換えられる(ステップS5)。
【0035】そして、ワーク10が加工用ローラ3,4
間のワイヤ5に接触すると、すなわちワーク10に対す
る切断加工が可能な状態になると、図示しない端子を介
してワイヤ5に流れる検出電流が、ワーク10から支持
板36、ケーブル39、サドル34及びフレーム2に流
れて、全体として閉回路が形成され、それによりこの接
触が検出される(ステップS6)。そして、その時のワ
ーク10位置が加工開始ゼロ位置としてメモリ53に設
定され、ワイヤ5の走行が開始される(ステップS
7)。
【0036】従って、ワーク10の寸法データを入力
し、ワーク10の自動セットモードを選択するのみで、
ワーク10を自動動作にて加工用ローラ3,4間のワイ
ヤ5と近接対応する位置へ、迅速かつ正確にセットする
ことができる。そして、このワーク10のセット状態
で、ワーク10を早送りから切削送り速度にて下降さ
せ、その後ワイヤ5を走行させてただちに切削運転を開
始することができる。以上のように目視確認に依存する
ことなく、自動的に切断加工を開始できる。
【0037】次に、加工終了時におけるワイヤ5からの
ワーク10の離脱動作を、図13のフローチャートに従
って説明する。ディスプレイ55上のスイッチ部58に
より、ワーク10の自動加工モードを選択した場合に、
前述のように、ワーク昇降用モータ11によりワーク支
持機構9が下方へ切削送りされて、ワーク10が下降
し、接触したワイヤ5が走行されて、ワーク10の加工
が開始される(ステップS1〜S2)。
【0038】そして、加工用ローラ3,4間のワイヤ5
に対し、スラリが供給されながらワーク10が押し付け
られて、そのワーク10がスライス加工される。その
後、図8に示すようにワーク10の加工が終了し、ワイ
ヤ5が被覆層41を切断して検出棒40に達すると、ワ
イヤ5に流れる検出電流が、検出棒40からケーブル4
4、サドル34及びフレーム2に流れて、全体として閉
回路が形成され、この接触が検出される(ステップS
3)。すると、モータ,11等の駆動が停止されて、
切断加工動作が停止される(ステップS4)。
【0039】そして、前記の停止状態において、ディス
プレイ55上のスイッチ部58の操作により、ワイヤ5
からのワーク10の離脱が指示されると、ワイヤ走行用
モータによりワイヤ5が低速で走行されながら、ワー
ク昇降用モータ11の逆転によりワーク10がゆっくり
と上昇送りされる(ステップS5〜S6)。これによ
り、ワーク10が加工用ローラ3,4間のワイヤ5から
抜き取られ、ワーク10が最上位置に達したときに、ワ
ーク昇降用モータ11の位置検出用エンコーダとCPU
52によりその状態が検出され、ワーク10の抜き取り
動作が終了する(ステップS7)。
【0040】従って、ワーク10の自動加工モードで
は、目視に依存することなく、切断の完了が検出されワ
ーク10の離脱動作を自動的に行うことができる。この
実施例においては、図2及び図10に示すように、操作
盤54上にタッチパネル機能を有するディスプレイ55
が装備され、このディスプレイ55のスイッチ部58に
より、各種の動作モードの選択や動作指示を行うように
なっている。従って、タッチパネル機能を有しないディ
スプレイとキーボード等の操作部とを有する装置に比較
して、配置スペースを小さくできるとともに、構成を簡
単にすることができる。
【0041】なお、この発明は、例えば次のように構成
を変更して具体化してもよい。 (1)図13のステップS4における電流検出動作にお
いて、端部のワイヤ5が検出棒40に接触したとき、タ
イマの計時動作をスタートさせ、その時点から所定時間
経過して、全てのスライス片が切り出されたとき、タイ
マをタイムアップさせ、それにより切断完了と判断する
ように構成すること。 (2)ワイヤ張力付与機構20の構成を前記実施例とは
異なる構成にすること。例えば、ガイドローラ24が直
線的に移動する構成にすること。 (3)前記実施例とは逆に加工用ローラ3,4が昇降動
作を行うように構成すること。
【0042】請求項以外に、前記実施例から把握される
技術的思想を以下に述べる。 (1)複数の加工用ローラ3,4間に1本のワイヤ5を
螺旋状に巻き付け、それらのローラ3,4の回転にとも
ないワイヤ5を走行させることによりワーク10を切断
するようにしたワイヤソー装置において、ワーク10の
支持部36に電極40を設け、ワイヤ5がワーク切断し
た後に電極40に接することにより、切断終了を判断す
る制御手段52を設けたワイヤソー装置。
【0043】このように構成すれば、切断終了を自動的
に認識でき、切りすぎや、切断完了前の装置停止を防止
できる。 (2)加工用ローラ3,4とワイヤ5のリール13,1
4との間にウェイト25を有する張力付与機構20を設
け、その張力付与機構20のウェイト25により、加工
用ローラ3,4間のワイヤ5に所定の張力を付与するよ
うに構成したワイヤソー装置において、前記張力付与機
構20の張力付与方向及びそのその逆方向における位置
を検出するセンサ26,27と、そのセンサ26,27
からの検出信号に基づいてリール用モータ15,16の
回転を制御する制御装置51とを備え、その制御装置5
1は、装置運転の停止時にワイヤ5を緩める方向にリー
ル用モータ15,16を回転させ、張力付与機構20が
移動ストロークの最下位置の直上位置まで移動されたと
き、センサ26,27からの検出信号に基づきリール用
モータ15,16の回転を停止させてその状態に制動保
持し、所定時間経過後にリール用モータの15,16制
動を解放して、張力付与機構20の最下位置への移動を
許容するように制御するワイヤソー装置。
【0044】以上のように構成すれば、装置運転の停止
時に、リール上からワイヤが余分に繰り出されて弛みが
生じるのを防止することができる。従って、装置の運転
開始時に、ワイヤをガイドローラから外れることなく円
滑に給送することができるとともに、ワイヤ切断事故を
防止できる。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、以下のような効果を発揮する。請求項1において
は、ワークに対する切断を開始可能な状態が検出される
ため、その状態の確認を目視に依存することが不要にな
り、切断作業を効率よく、しかも加工ミスが生じること
なく行うことができる。また、ワークの切断完了後にワ
イヤとワークとの離脱が検出される。
【0046】請求項2においては、ワイヤとワークとの
接触により、ワークに対する切断を開始可能な状態が検
出され、ワークが加工開始位置に配置されたことを確実
に検出できる。
【0047】請求項3においては、ワークに対する切断
を開始可能な状態が検出されると、切断作業が自動的に
開始される。請求項4においては、ワークに対する切断
完了状態が検出されるため、その状態の確認を目視に依
存することが不要になり、切断作業を効率よく、しかも
加工ミスが生じることなく行うことができる。
【0048】請求項5及び6においては、ワイヤとワー
ク支持部との接触により、切断完了状態が確実に検出さ
れる。請求項7においては、ワークに対する切断完了状
態が検出されると切断作業が自動的に終了する
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明のワイヤソー装置の一実施例を示す
正面図。
【図2】 そのワイヤソー装置の平面図。
【図3】 リール機構を拡大して示す部分破断側面図。
【図4】 ワイヤ張力付与機構を拡大して示す部分正面
図。
【図5】 図4のV−V線における部分断面図。
【図6】 サドルに対するワークの取付構成を拡大して
示す部分断面図。
【図7】 図6の VII− VII線における部分拡大断面
図。
【図8】 ワークの加工終了時の切り込み状態を示す部
分断面図。
【図9】 ワイヤソー装置の主要部の制御回路を示すブ
ロック図。
【図10】 操作盤上のタッチパネルの初期モニタ画面
を示す平面図。
【図11】 加工終了時のリール用モータの動作を示す
フローチャート。
【図12】 ワークの自動セット動作を示すフローチャ
ート。
【図13】 加工終了後のワークの抜き取り動作を示す
フローチャート。
【符号の説明】
3…加工用駆動ローラ、4…加工用被動ローラ、5…切
断用ワイヤ(第1,第2の検出手段を構成する)、10
…ワーク(第1の検出手段を構成する)、36…第2の
検出手段を構成するワーク支持部としての支持板、40
…電極としての検出棒、51…制御装置、52…制御手
段,第1〜第3の検出手段を構成するCPU。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−68267(JP,A) 特開 昭47−40593(JP,A) 特開 平1−271159(JP,A) 特開 昭61−117060(JP,A) 特開 平2−39430(JP,A) 実開 平1−143344(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24B 27/06 B28D 5/04 B28D 1/08

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の加工用ローラ間に1本のワイヤを
    螺旋状に巻き付け、加工用ローラの回転によりワイヤを
    走行させるとともに、その状態でワイヤとワークとの間
    に切削送りを付与してワークに対して切断加工を施すよ
    うにしたワイヤソー装置において、 ワークに対する切断開始可能な状態を検出する第1の検
    出手段と、ワークの切断完了後にワイヤとワークとの離
    脱を検出する第3の検出手段とを備えたワイヤソー装
    置。
  2. 【請求項2】 第1の検出手段は、ワイヤ及びワーク支
    持部を含み、ワイヤがワークに接触したときに通電され
    る請求項1に記載のワイヤソー装置。
  3. 【請求項3】 第1の検出手段による検出に基づいて、
    ワークに対する切断開始が行われるように制御する制御
    手段を備えた請求項1または2に記載のワイヤソー装
    置。
  4. 【請求項4】 さらに切断完了状態を検出する第2の検
    出手段を備えた請求項1に記載のワイヤソー装置。
  5. 【請求項5】 第2の検出手段は、ワイヤ及びワーク支
    持部を含み、ワイヤがワーク支持部に接触したときに通
    電される請求項4に記載のワイヤソー装置。
  6. 【請求項6】 第2の検出手段は、ワーク支持部に埋設
    された電極を含む請求項5に記載のワイヤソー装置。
  7. 【請求項7】 第2の検出手段による検出に基づいて切
    断終了が行われるように制御する制御手段を備えた請求
    項4〜6のいずれかに記載のワイヤソー装置
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