JP3109314B2 - マグネットロール及びその製造方法 - Google Patents

マグネットロール及びその製造方法

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JP3109314B2
JP3109314B2 JP3753293A JP3753293A JP3109314B2 JP 3109314 B2 JP3109314 B2 JP 3109314B2 JP 3753293 A JP3753293 A JP 3753293A JP 3753293 A JP3753293 A JP 3753293A JP 3109314 B2 JP3109314 B2 JP 3109314B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、ファクシミリ
及びレーザープリンター等の電子写真現像装置において
磁気ブラシ現像装置を構成するための多極着磁マグネッ
トロール及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真現像装置では、マグネ
ットロールの外周に非磁性体の円筒(スリーブ)を同芯
に設けて該スリーブの外周に磁性トナーを吸着する磁気
ブラシを感光ドラムに対面して配設する方式が採用され
ている。
【0003】従来、マグネットロールを用いた磁気ブラ
シ現像方式は、マグネットロールの外周に配された非磁
性体スリーブの表面に磁性トナーを吸引し、潜像が形成
された感光ドラム表面に磁性トナーを付着させながら現
像することは知られている。
【0004】その磁気ブラシ現像方法に用いられるマグ
ネットロールは、その表面外周部の円周方向にはN極と
S極を交互に形成し、軸方向には帯状に均一に磁化され
ており、従って相対的に回転するスリーブの表面上の磁
性トナーは該磁力の方向に逆らって軸方向に移動したり
することは生じない。即ち、磁性トナーはスリーブの円
周方向にのみ搬送力を受けるようにマグネットロールの
軸方向に沿った帯状の磁化領域が均一に磁化されてい
る。尚、このような磁極パターンに着磁する装置は、本
出願人も各種提案している。
【0005】しかし、このような磁化パターン構造を有
するマグネットロールでは、逆に何らかの外部的要因に
より、一度スリーブ表面の磁性トナー層にむらが生じる
と、トナーボックスから新たに十分量の磁性トナーが供
給されるまでは、そのむらは決して均一化されることは
ない。また、磁性トナーを磁気ブラシの軸方向に移動さ
せる機能がないと、同一画像を連続して現像する時など
使用条件によって部分的に磁性トナーを多く消費される
と、部分的に磁性トナー不足を生じて濃度の分布が不均
一となり、均一な濃度の画像が得られない原因となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、このような問
題を解決し、磁性トナーの搬送が均一になるようなマグ
ネットロールを開発するため種々の実験を重ねた結果本
発明に至った。即ち、本発明が前述の状況に鑑み、解決
しようとするところは、磁極の表面磁束密度が十分大き
く且つ磁性トナーを軸方向に移動させる作用に優れたマ
グネットロール及びその製造方法を提供する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題解
決のために、円柱状磁性体の周面上に、軸方向に連続し
た帯状の磁極を配し且つ円周方向には交互に異極を配し
てなる磁気ブラシ現像装置用のマグネットロールであっ
て、軸方向の表面磁束密度が等間隔に不均一であるマグ
ネットロールを構成した。
【0008】また、この場合、円周方向に連続する異極
磁極間の境界を略波形に設定してなること、軸方向に連
続した帯状の磁極を、面積が大きく且つ表面磁束密度が
高い主磁極部と面積が小さく且つ表面磁束密度が低い副
磁極部とを交互に連続形成してなることがより好まし
い。
【0009】そして、その製造方法については、軸方向
に平行であり且つ円周方向に交互に異極となる櫛歯状ヨ
ーク芯を有するとともに、各ヨーク芯の起磁力が軸方向
に略均一である軸方向着磁ヨークによって、円柱状磁性
体の周面上に多極着磁した後、円周方向に平行であり且
つ軸方向に交互に異極となる複数のヨーク芯を有すると
ともに、各ヨーク芯の起磁力が円周方向に略均一である
円周方向着磁ヨークによって、前記円柱状磁性体の周面
上に多重着磁してなるマグネットロールの製造方法を提
供する。
【0010】また、円周方向に平行であり且つ軸方向に
交互に異極となる複数のヨーク芯を有するとともに、各
ヨーク芯の起磁力が円周方向に略均一である円周方向着
磁ヨークによって、前記円柱状磁性体の周面上に多極着
磁した後、軸方向に平行であり且つ円周方向に交互に異
極となる櫛歯状ヨーク芯を有するとともに、各ヨーク芯
の起磁力が軸方向に略均一である軸方向着磁ヨークによ
って、円柱状磁性体の周面上に多重着磁してなるマグネ
ットロールの製造方法を提供する。
【0011】ここで、前記軸方向着磁ヨークの起磁力
を、前記円周方向着磁ヨークの起磁力より大きく設定し
てなることが好ましい。
【0012】また、磁場中成形によって円柱状磁性体の
成形と同時にその周面上に、軸方向に連続するととも
に、表面磁束密度が略均一な帯状の磁極を着磁形成し且
つ円周方向には交互に異極を着磁形成した後、円周方向
に平行であり且つ軸方向に交互に異極となる複数のヨー
ク芯を有するとともに、各ヨーク芯の起磁力が円周方向
に略均一である円周方向着磁ヨークによって、前記円柱
状磁性体の周面上に多重着磁してなるマグネットロール
の製造方法を提供する。
【0013】更に、軸方向に平行であり且つ円周方向に
交互に異極となる櫛歯状ヨーク芯を有するとともに、各
ヨーク芯の起磁力が軸方向に等間隔に不均一である軸方
向着磁ヨークによって、円柱状磁性体の周面上に多極着
磁してなるマグネットロールの製造方法を提供する。
【0014】
【作用】以上の如き内容からなる本発明のマグネットロ
ールは、その外周に配された非磁性体スリーブの表面
に、該マグネットロールの磁極の磁気吸引力によって磁
性トナーを吸着し、マグネットロールに対してスリーブ
が相対的回転することによって磁性トナーを搬送し、潜
像が形成された感光ドラム表面に磁性トナーを付着させ
ながら現像する磁気ブラシ現像装置に使用するものであ
るが、マグネットロールの周面上に軸方向の表面磁束密
度が等間隔に不均一である磁極を形成したことにより、
スリーブの表面上で磁性トナーが、マグネットロールと
該スリーブとの相対的回転に伴って軸方向左右に揺動し
ながら感光ドラム側へ搬送されるのである。従って、何
らかの外部的要因によりスリーブ表面上の磁性トナー層
に不均一が生じたとしても、その磁性トナーの軸方向左
右の揺動により磁性トナー層は均一化されるのである。
また、磁性トナーをスリーブ表面上で軸方向左右に揺動
させることにより、磁性トナーの帯電性も向上するので
ある。
【0015】
【実施例】次に添付図面に示した実施例に基づき更に本
発明の詳細を説明する。図1は本発明のマグネットロー
ル1の代表的実施例を示している。このマグネットロー
ル1は、円筒状のボンド磁石等の磁性体にシャフトを全
長にわたって貫設するか若しくは円柱状の磁性体の両端
にシャフトを固定する等によって、磁性体2の両端にシ
ャフト3が突出形成された外観形状を有している。
【0016】そして、前記磁性体2の周面上に、軸方向
に連続した帯状の磁極4,…を配し且つ円周方向には交
互に異極、即ちN極とS極を配するとともに、各磁極4
の軸方向の表面磁束密度を等間隔に不均一に設定してい
る。具体的には、隣接するN極とS極の境界5を略波形
に形成して、軸方向に連続した帯状の磁極4を、面積が
大きく且つ表面磁束密度が高い主磁極部6と、面積が小
さく且つ表面磁束密度が低い副磁極部7とを交互に連続
形成し、更に円周方向にはN極の主磁極部6とS極の副
磁極部7が交互に形成されるとともに、N極の副磁極部
7とS極の主磁極部6が交互に形成され、各磁極4,…
の主磁極部6と副磁極部7は相互に相補的に入り組んだ
磁極パターンとなしている。
【0017】次に、前述のような磁極パターンを有する
マグネットロール1を製造する方法を説明する。
【0018】(第1製造方法)先ず、通常の方法によっ
て、図2及び図3に示すような中央部に円柱状の磁性体
2を有し、その両端に同芯状にシャフト3,3を突設し
た形状のロール体10を製造する。
【0019】次に、軸方向に平行であり且つ円周方向に
交互に異極となる櫛歯状ヨーク芯を有するとともに、各
ヨーク芯の起磁力が軸方向に略均一である図示しない公
知の軸方向着磁ヨークによって、円柱状磁性体2の周面
上に多極着磁する。この状態の磁極パターンは、従来の
マグネットロールと同じものである。即ち、図2及び図
4に示すように、軸方向に連続した短冊状の磁極4が、
円周方向に多数平行に形成された磁気パターンが形成さ
れ、円周方向の磁極4,…はN極とS極とを交互に配設
したものである。尚、図4は、図2の磁性体2の部分を
展開して示したものであり、図中X,Xは連続してい
る。
【0020】最後に、図5に示すように、軸方向と直角
に交わるように等間隔で多極に多重着磁する。即ち、図
5の展開図において円周方向に連続した短冊状にN極と
S極が交互に現れるように磁化し、軸方向と円周方向と
で同極が交叉する部分では表面磁束密度が高くなり、他
方、異極が交叉する部分では表面磁束密度が低くなる。
しかし、軸方向に平行な前記磁極4の磁力が消磁された
り、逆極にならない程度に円周方向の着磁の磁力を設定
する。
【0021】こうして、製造されたマグネットロール1
の磁極パターンは、図1及び図6の展開図に示したよう
に、軸方向に連続した磁極4に、面積が大きく且つ表面
磁束密度が高い主磁極部6(N1 又はS1 で示す)と、
面積が小さく且つ表面磁束密度が低い副磁極部7(N2
又はS2 で示す)とが交互に連続形成される。更に、円
周方向にはN極の主磁極部6(N1 )とS極の副磁極部
7(S2 )が交互に形成されるとともに、N極の副磁極
部7(N2 )とS極の主磁極部6(S1 )が交互に形成
され、各磁極4,…の主磁極部6と副磁極部7は相互に
相補的に入り組んだ磁極パターンとなる。また、隣接す
るN極とS極の境界5は、略波形に形成される。
【0022】図7は、図6のN極の中心におけるA−
A′線の表面磁束密度の分布を示したものであり、軸方
向の表面磁束密度が等間隔に不均一になっている。ま
た、図8は、同じく図6のN極とS極の境界部分におけ
るB−B′線の表面磁束密度の分布を示したものであ
り、軸方向の表面磁束密度が等間隔に不均一であるとと
もに、極性が等間隔に変化している。また、図9は同じ
く図6のC−C′線の表面磁束密度の分布を示したもの
である。
【0023】ここで、軸方向と直角に交わるように着磁
するための着磁ヨークの一例を図10に示す。本実施例
の円周方向着磁ヨーク20は、二つ割りした分割着磁ヨ
ーク21,22の互いの接合面側に、前記ロール体10
の磁性体2の部分を収容する半円筒状の着磁面23,2
4をそれぞれ形成し、各着磁面23,24には円周方向
に平行であり且つ軸方向に交互に異極となる複数のヨー
ク芯25,26を有するとともに、各ヨーク芯25,2
6の起磁力が円周方向に略均一となしたものである。前
記ヨーク芯25,…又はヨーク芯26,…は、隣接する
ヨーク芯の間に円周方向に沿った凹溝27を形成し、該
凹溝27内に九十九折り状に電線28を埋設して固定
し、この電線28に電流を流すことにより軸方向に交互
にN極とS極が現れるように設定している。この円周方
向着磁ヨーク20に装着する前のロール体10には、そ
の磁性体2の周面上に、円周方向に等間隔ピッチで多極
の磁極4,…が着磁形成されている。そして、このロー
ル体10に円周方向に多重着磁した際に、軸方向に連続
した磁極4が消磁されたり、また逆極にならないよう
に、前述の軸方向着磁ヨークのヨーク芯が発生する起磁
力を、当該円周方向着磁ヨーク20の電線28とヨーク
芯25,26で構成する電磁石が発生する起磁力より大
きく設定するのである。尚、ヨーク芯そのものを永久磁
石で形成することも可能である。
【0024】(第2製造方法)本製造方法は、前述の第
1製造方法において、軸方向着磁ヨークによってロール
体10の軸方向に着磁する工程と、前記円周方向着磁ヨ
ーク20によって円周方向に着磁する工程の順序を逆に
したものである。即ち、先ず円周方向着磁ヨーク20に
よって、ロール体10の磁性体2の周面上に、円周方向
には平行であり、軸方向には等間隔に異極を交互に着磁
形成した後、従来の軸方向着磁ヨークによってロール体
10の磁性体2の周面上に、軸方向に平行であり、円周
方向には等間隔に異極を交互に着磁形成するのである。
この場合も前記同様に、軸方向着磁ヨークの起磁力を、
円周方向着磁ヨーク20の起磁力より大きく設定する。
従って、軸方向着磁ヨークによって着磁した場合、同極
が交叉する部分では表面磁束密度が高くなり、他方、異
極が交叉する部分では消磁された後、逆極に着磁されそ
の表面磁束密度が低くなり、前記図6に示したものと同
様な磁極パターンが形成される。
【0025】(第3製造方法)本製造方法は、前述の第
1製造方法において、ロール体10を製造する際に、磁
場中で成形してその磁性体2の周面上に等間隔ピッチで
軸方向に平行な磁極4,…を同時に形成するものであ
る。従って、前述の軸方向着磁ヨークによる軸方向着磁
工程を省略することができる。この磁場配向成形方法
は、本出願人によっても各種提案されているが、例えば
磁場配向ダイを用いてロール体10を押出し形成する方
法がある。
【0026】(第4製造方法)本製造方法は、軸方向に
平行であり且つ円周方向に交互に異極となる櫛歯状ヨー
ク芯を有するとともに、各ヨーク芯の起磁力が軸方向に
等間隔に不均一である軸方向着磁ヨークによって、円柱
状磁性体の周面上に多極着磁するものである。ここで、
起磁力が軸方向に等間隔に不均一であるヨーク芯の構造
としては、軸方向に透磁率が大きい部分と小さい部分を
交互に配する構造や、第1製造方法で使用する軸方向着
磁ヨークの各ヨーク芯に、軸方向に沿って等間隔に永久
磁石を埋設して起磁力を調節する構造等が採用される。
【0027】このようにして製造された図1のマグネッ
トロール1は、図11に示すようにその外周に相対的回
転可能に非磁性体製の円筒からなるスリーブ30を外装
して、磁気ブラシ現像装置を構成するのである。即ち、
両端が円盤状のフランジ31,32で閉止されたスリー
ブ30内に、マグネットロール1を内挿し、磁性体2の
両端のシャフト3a,3bを、それぞれ前記フランジ3
1,32に軸受33,34にて回転自在に支持するとと
もに、一方のシャフト3aは一方のフランジ31に貫通
状態で軸支し、他方のシャフト3bは他方のフランジ3
2の内部に非貫通状態で軸支するとともに、該フランジ
32の外部には3bと同芯となして軸部35を突設して
構成している。そして、前記シャフト3aと軸部35と
をトナーボックスの側壁等に軸支し、スリーブ30とマ
グネットロール1を互いに回転できるようになしてい
る。通常はマグネットロール1を固定し、スリーブ30
を図示しない回転駆動手段にて回転させるようにしてい
る。
【0028】次に、図12及び図13に基づき本発明の
磁性トナーの軸方向の搬送プロセスを簡単に説明する。
図示しないトナーボックスからマグネットロール1の磁
気吸引力によってスリーブ30の表面に磁性トナー40
が吸着し、該スリーブ30の回転に伴って円周方向に搬
送し、図示しないドクターブレードによってその層厚は
所定の厚みに均一化した後、図示しない感光ドラムに形
成された静電潜像に磁性トナー40を引き渡し、残った
不用な磁性トナー40は同様に搬送されてトナーボック
スに回収する。ここで、この円周方向の磁性トナー40
の搬送は、マグネットロール1の磁性体2に形成された
軸方向に平行であり、円周方向に異極を交互に配した多
極の磁極4,…によって行われる。
【0029】ところで、今、図12に示したように何ら
かの外部的要因によりスリーブ30の表面の磁性トナー
40,…の正常層41に不均一が生じて、図示したよう
に部分的に欠損部42が生じたとする。前記スリーブ3
0の表面に吸着された磁性トナー40は、マグネットロ
ール1の磁極4によって磁化され、スリーブ30の回転
に伴ってマグネットロール1の円周方向に交互に形成さ
れたN極とS極によって、その磁化の方向が逆転する
が、N極とS極の境界5を通過する瞬間には直前の磁極
4(図12の例ではS極)による残留磁化が生じている
ため、直後の磁極4(図13の例ではN極)に吸引され
て逆極に磁化されるまでの間に若干移動する。この移動
方向は、通常は円周方向のみであるが、本発明のように
磁極4を軸方向に不均一に形成している場合には、表面
磁束密度のより高い部分に吸引されて軸方向にも移動し
て前記欠損部42を周囲の正常層41の磁性トナー40
によって埋め、磁性トナー40の濃度を軸方向に均一化
するのである。図13中における黒丸が軸方向に移動し
て欠損部42を埋めた磁性トナーを示している。尚、通
常の状態における正常層41はの層厚は十分に厚いの
で、軸方向に多少移動してもその部分に新たな欠損部が
生じることはない。
【0030】更に、本発明ではN極とS極の境界5を略
波形に設定しているため、該境界5の近傍における軸方
向の表面磁束密度の変化が大きいばかりでなく、軸方向
に異極部分が交互に形成されているので、磁性トナー4
0の軸方向の移動が素早く行われるのである。
【0031】このように、スリーブ30の表面に吸着さ
れた磁性トナー40,…は、該スリーブ30の回転に伴
って軸方向左右に揺動しながら円周方向に搬送されるの
で、磁性トナー40,…の正常層41に欠損部42が生
じたとしても、軸方向左右に揺動する周囲の磁性トナー
40,…によって埋められてその層厚が均一化されるの
である。
【0032】
【発明の効果】以上にしてなる本発明のマグネットロー
ルは、磁性体の周面上に軸方向の表面磁束密度が等間隔
に不均一である磁極を形成したことにより、スリーブの
表面上に吸着された磁性トナーが、マグネットロールと
該スリーブとの相対的回転に伴って軸方向左右に揺動し
ながら感光ドラム側へ搬送するので、何らかの外部的要
因によりスリーブ表面上の磁性トナー層に不均一が生じ
たとしても、その磁性トナーの軸方向左右の揺動により
磁性トナー層を均一化することができ、もって濃度にむ
らがない高品質の画像が得られる。また、磁性トナーを
スリーブ表面上で軸方向左右に揺動させることにより、
磁性トナーの帯電性も向上し、より高画質化に寄与する
ものである。
【0033】更に、円周方向に連続する異極磁極間の境
界を略波形に設定することにより、また軸方向に連続し
た帯状の磁極を、面積が大きく且つ表面磁束密度が高い
主磁極部と面積が小さく且つ表面磁束密度が低い副磁極
部とを交互に連続形成してなることにより、磁性トナー
の軸方向左右の揺動が素早くなり更に高画質化において
優れている。
【0034】また、マグネットロールの製造方法におい
ては、軸方向着磁ヨークと円周方向着磁ヨークによる多
重着磁によって、従来の着磁技術を利用して磁性体の周
面上に軸方向の表面磁束密度が等間隔に不均一である磁
極を極めて容易に形成することができる。
【0035】そして、磁場中成形によって円柱状磁性体
の成形と同時にその周面上に軸方向の磁極を多極着磁し
た後、円周方向着磁ヨークによって多重着磁することに
より、製造工程の省略化が可能となり、安価に製造でき
るのである。
【0036】更に、軸方向に平行であり且つ円周方向に
交互に異極となる櫛歯状ヨーク芯を有するとともに、各
ヨーク芯の起磁力が軸方向に等間隔に不均一である軸方
向着磁ヨークによって、円柱状磁性体の周面上に多極着
磁してなることにより、1工程の着磁作業によって磁性
体の周面上に軸方向の表面磁束密度が等間隔に不均一で
ある磁極を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマグネットロールの一部省略斜視図で
ある。
【図2】本発明のマグネットロールの製造過程で作られ
るロール体の一部省略斜視図である。
【図3】同じく側面図である。
【図4】図2の磁性体部分の表面展開図である。
【図5】円周方向に多重着磁した磁性体部分の概念的な
表面展開図である。
【図6】多重着磁後の磁性体部分の表面展開図である。
【図7】図6のA−A′線の表面磁束密度の分布図であ
る。
【図8】図6のB−B′線の表面磁束密度の分布図であ
る。
【図9】図6のC−C′線の表面磁束密度の分布図であ
る。
【図10】円周方向着磁ヨークを示す簡略斜視図である。
【図11】マグネットロールの外周にスリーブを装着した
状態の簡略断面図である。
【図12】スリーブの表面上の磁性トナー層に欠損部が生
じた状態を概念的に示した要部断面図である。
【図13】図12の欠損部が周囲の磁性トナーによって埋
まった状態を概念的に示した要部断面図である。
【符号の説明】
1 マグネットロール 2 磁性体 3,3a,3b シャフト 4 磁極 5 境界 6,N1 ,S1 主磁極部 7,N2 ,S2 副磁極部 10 ロール体 20 円周方向着磁ヨーク 21,22 分割着磁ヨーク 23,24 着磁面 25,26 ヨーク芯 27 凹溝 28 電線 30 スリーブ 31,32 フランジ 33,34 軸受 35 軸部 40 磁性トナー 41 正常層 42 欠損部

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円柱状磁性体の周面上に、軸方向に連続
    した帯状の磁極を配し且つ円周方向には交互に異極を配
    してなる磁気ブラシ現像装置用のマグネットロールであ
    って、軸方向の表面磁束密度が等間隔に不均一であるこ
    とを特徴とするマグネットロール。
  2. 【請求項2】 円周方向に連続する異極磁極間の境界を
    略波形に設定してなる請求項1記載のマグネットロー
    ル。
  3. 【請求項3】 軸方向に連続した帯状の磁極を、面積が
    大きく且つ表面磁束密度が高い主磁極部と面積が小さく
    且つ表面磁束密度が低い副磁極部とを交互に連続形成し
    てなる請求項1又は2記載のマグネットロール。
  4. 【請求項4】 軸方向に平行であり且つ円周方向に交互
    に異極となる櫛歯状ヨーク芯を有するとともに、各ヨー
    ク芯の起磁力が軸方向に略均一である軸方向着磁ヨーク
    によって、円柱状磁性体の周面上に多極着磁した後、円
    周方向に平行であり且つ軸方向に交互に異極となる複数
    のヨーク芯を有するとともに、各ヨーク芯の起磁力が円
    周方向に略均一である円周方向着磁ヨークによって、前
    記円柱状磁性体の周面上に多重着磁してなることを特徴
    とするマグネットロールの製造方法。
  5. 【請求項5】 円周方向に平行であり且つ軸方向に交互
    に異極となる複数のヨーク芯を有するとともに、各ヨー
    ク芯の起磁力が円周方向に略均一である円周方向着磁ヨ
    ークによって、前記円柱状磁性体の周面上に多極着磁し
    た後、軸方向に平行であり且つ円周方向に交互に異極と
    なる櫛歯状ヨーク芯を有するとともに、各ヨーク芯の起
    磁力が軸方向に略均一である軸方向着磁ヨークによっ
    て、円柱状磁性体の周面上に多重着磁してなることを特
    徴とするマグネットロールの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記軸方向着磁ヨークの起磁力を、前記
    円周方向着磁ヨークの起磁力より大きく設定してなる請
    求項4又は5記載のマグネットロールの製造方法。
  7. 【請求項7】 磁場中成形によって円柱状磁性体の成形
    と同時にその周面上に、軸方向に連続するとともに、表
    面磁束密度が略均一な帯状の磁極を着磁形成し且つ円周
    方向には交互に異極を着磁形成した後、円周方向に平行
    であり且つ軸方向に交互に異極となる複数のヨーク芯を
    有するとともに、各ヨーク芯の起磁力が円周方向に略均
    一である円周方向着磁ヨークによって、前記円柱状磁性
    体の周面上に多重着磁してなることを特徴とするマグネ
    ットロールの製造方法。
  8. 【請求項8】 軸方向に平行であり且つ円周方向に交互
    に異極となる櫛歯状ヨーク芯を有するとともに、各ヨー
    ク芯の起磁力が軸方向に等間隔に不均一である軸方向着
    磁ヨークによって、円柱状磁性体の周面上に多極着磁し
    てなることを特徴とするマグネットロールの製造方法。
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