JPS6237237Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電子写真複写機等における現像装置や
クリーニング装置に用いられる電子写真用永久磁
石ロールに関する。

電子写真複写機においては現像剤として鉄粉等
の磁性キヤリア粒子と着色樹脂粉末である非磁性
トナー粒子との混合粉体である二成分系現像剤や
一成分系の磁性トナー等の磁性現像剤が使用さ
れ、この磁性現像剤を非磁性円筒形スリーブの内
部に複数個の磁極を有する永久磁石部材を設けて
なる永久磁石ロール上に吸着搬送せしめて磁気ブ
ラシを形成し、この磁気ブラシで静電潜像面を摺
擦して現像が行なわれている。しかして、例えば
二成分系現像剤を用いる場合は、現像中トナーの
みが消費されるため新しいトナーが順次補給され
るが軸方向に十分な混合がなされないと現像ムラ
が生じてしまう。また一成分系の磁性トナーを用
いる場合にも現像装置の構造によつてはこのよう
な現像剤の軸方向への混合が必要となる。そこで
このような現像剤の軸方向への混合を行なうため
に、羽根車やスクリユーなどの機械的混合手段を
用いるかわりに、複数個の磁極を螺旋状に形成し
てなる永久磁石ロールを用いてなる磁気ブラシ現
像装置が実公昭53−29463号や実公昭55−10995号
等により知られている。ところで、従来の永久磁
石ロールは、例えば第１図に示すように両端に側
板４，４′を装着した非磁性円筒形スリーブ１内
に永久磁石２を保持してなる軸３を軸受５を介し
て支持されているが、永久磁石２はその全長にわ
たつて軸３に対して螺旋状に傾斜して複数個の磁
極を有するように形成されている。なお第１図に
おいて、スリーブ１および／又は永久磁石は側板
４′に突出して設けた軸３′および／又は軸３を回
転することにより回転できる。従つてこの永久磁
石ロールを例えば第２図に示すように、相隣る磁
極が軸方向に対してそれぞれ反対方向に傾斜する
ように組合せて配置し、軸３ａ，３ｂを回転させ
て永久磁石２ａ，２ｂをそれぞれ図示矢印方向に
回転させた場合現像剤（図示せず）はスリーブ１
ａ，１ｂ上を図示矢印方向に搬送される。しかし
ながら、永久磁石ロール上を図示矢印方向に搬送
された現像剤はその端部に至ると、その部分にお
ける円周方向の搬送力が弱いため端部に溜りが生
じて、永久磁石ロール間の現像剤の移動がうまく
行なえないという問題が生じていた。

本考案の目的は、上述の従来の永久磁石ロール
の問題点を排除して現像剤の軸方向への搬送を良
好に行なえ端部における非所望な現像剤溜りの形
成を防止した永久磁石ロールを提供することであ
る。

以下本考案の詳細を図面により説明する。第３
図は本考案の永久磁石ロールの一実施例を示す断
面図、第４図は第３図の永久磁石ロールを２本組
合わせた例を示す断面図である。なお第３図およ
び第４図において同一部分は同一の参照符号で示
す。まず第３図において、本考案の永久磁石ロー
ルは、永久磁石２′の少なくとも現像剤搬送方向
側端部を除いた部分は軸に対して傾斜して螺旋状
に着磁してなる複数個の磁極を有しており、永久
磁石２′の片端部は軸と平行に着磁してなる複数
個の磁極を有している。次に第４図において、永
久磁石２′ａを図示矢印方向に回転させると現像
剤は図示矢印方向に搬送されるが、現像剤が平行
着磁部に至ると現像剤は円周方向に自転しながら
搬送されてある一定の所に溜ることはない。よつ
て端部に搬送された現像剤は直ちに隣りの永久磁
石ロールのスリーブ上に移動し図示矢印方向に回
転する永久磁石２′ｂにより図示矢印方向に搬送
され、端部に至ると上記と同様にして再び永久磁
石ロールに移動する。このように本考案の磁石ロ
ールによれば、従来の螺旋状の磁極を有する永久
磁石ロールにおいて生じていた端部の非所望な現
像溜りの形成を防止することができる。この場合
片端部の直線着磁部の磁力を中央螺旋着磁部の磁
力よりも大とすると、より効果的である。

なお本考案の永久磁石ロールは磁気ブラシ現像
装置における磁気ブラシ形成手段のみならず撹拌
混合手段やクリーニング装置等に使用できまた一
本でもあるいは２本以上組合せて使用してもよ
い。

なお本考案の永久磁石ロールにおいて、永久磁
石としてブロツク状のものを用いてこれらを軸の
回りに固着したり、シート状の永久磁石を螺旋状
に巻回するなどによつても得られるが、一体の円
筒上永久磁石を用いこれに瞬間一体着磁を施した
ものが製造上ならびに特性上有利である。

又、以上の説明ではトナー搬送方向の片端部の
み軸に平行な磁極を有する場合を示したが、第５
図に示す如く永久磁石２″ａ，２″ｂの両端部が平
行磁極であつても、同様の効果がえられる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の永久磁石ロールの縦断面図、第
２図は第１図の永久磁石ロールを用いた例を示す
図、第３図は本考案の永久磁石ロールの縦断面
図、第４図は第３図の永久磁石ロールを組合せた
例を示す概略断面図、第５図は本考案の他の実施
例を示す概略断面図である。 １，１ａ，１ｂ：非磁性円筒形スリーブ、
２′，２′ａ，２′ｂ，２″ａ，２″ｂ：永久磁石。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 非磁性材料からなる円筒形スリーブの内部に、
   互いに平行に伸びた複数個の磁極を螺旋状に形成
   してなる永久磁石部材を設け、前記円筒形スリー
   ブと前記永久磁石部材との相対的回転により前記
   円筒形スリーブ上に磁性現像剤を吸着搬送せしめ
   るように構成した電子写真用永久磁石ロールにお
   いて、前記永久磁石部材の少なくとも一方の端部
   に円周方向に所定間隔をおいて軸に平行に複数個
   の磁極を設け、当該磁極の磁力を前記螺旋状に形
   成した磁極の磁力よりも大としたことを特徴とす
   る電子写真用永久磁石ロール。