JP3092427B2 - 現像装置 - Google Patents

現像装置

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JP3092427B2
JP3092427B2 JP34932093A JP34932093A JP3092427B2 JP 3092427 B2 JP3092427 B2 JP 3092427B2 JP 34932093 A JP34932093 A JP 34932093A JP 34932093 A JP34932093 A JP 34932093A JP 3092427 B2 JP3092427 B2 JP 3092427B2
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  • Magnetic Brush Developing In Electrophotography (AREA)
  • Dry Development In Electrophotography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真法を利用する複
写機、プリンターなどの現像装置に係り、特に充分な濃
度で高画質の画像を得ることができる現像装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の電子写真装置や静電記録装置にお
いて、非磁性トナー及び磁性キャリアからなる二成分現
像剤を用い、静電潜像保持体上の潜像を可視化する方法
がよく知られている。この方法は、現像ロール上に磁性
キャリアが穂状に連なった磁気ブラシを形成し、現像ロ
ールの表面のスリーブを回転させることにより、静電潜
像保持体と対向する位置に磁気ブラシを移動させ、非磁
性トナーを静電潜像保持体上の潜像に転移させるもので
ある。
【0003】このような現像装置で用いられる現像ロー
ルとしては、図6に示されるようなものが一般的であ
り、磁石ロール61とそれに対して回転可能なスリーブ
60とで主要部が構成される。磁石ロール61は、例え
ばハードフェライトのような粉末の強磁性体を燒結する
ことにより、もしくは強磁性体の粉末材料と結合材料と
の混合物を円筒状に成形することにより得られ、その外
周面には軸方向に一様な磁極が円周方向に複数個設けら
れている。また、磁石ロール61の中心部には支持軸が
固着され、この支持軸の両端部は現像装置のハウジンク
に固定支持される。一方、スリーブ60はアルミ合金も
しくはステンレス鋼など非磁性材料を中空円筒状に形成
したものであり、上記支持軸に回転自在に装着された支
持部材によって支持され、回転駆動される。
【0004】このような構成により、磁石ロール61が
持つ磁気的な作用でスリーブ60の外周面に二成分現像
剤が吸着され、磁気ブラシが形成される。スリーブ60
が回転駆動されることにより上記磁気ブラシが現像領域
に搬送され、スリーブ60と静電潜像保持体20との間
に生じている電界内で非磁性トナーが静電潜像保持体2
0に転移して現像が行なわれる。この時、スリーブ60
上の磁気ブラシは、図7に示すように、現像ロール内の
磁石ロール61のS極、N極によって生じる磁力線に沿
ってスリーブ60上に形成される。この図では静電潜像
保持体20と対向する磁極部のみの磁力線の分布を示し
たが、他も同様の分布を持っている。磁界は磁極の中心
位置で最も強く、、その両側では隣り合う異極性の磁極
に向かって磁力線が伸びるため、スリーブ60上の磁気
ブラシ63の穂立ちは、図7に示されるように、磁極の
中心位置が最も高く、磁極と磁極の中間が最も低く形成
される。従って通常は穂立ちの最も高い部分、またはそ
の近傍で現像を行う様に磁石ロール61の磁極が配置さ
れている。
【0005】上記の様な現像工程において、現像される
画像の濃度を高くするためには現像ロールを高速で回転
させる方法、現像ロールと静電潜像保持体の間隔を狭く
する方法、現像領域を広くする方法などが挙げられる。
これらの方法のうち、現像ロールを高速で回転させる方
法では、トナーの飛散による機内汚れが生じやすいとい
う問題点があり、現像ロールと静電潜像保持体の間隔を
狭くする方法では、現像剤が圧力を受けて固化し易いと
いう不都合がある。一方、現像領域を広くする方法では
このような派生する不都合が少ないという利点がある。
【0006】現像領域を広くする具体的な方法として
は、現像ロールを複数本用いる方法、磁極の幅を広げる
方法などもあるが、装置を大型化することなく、装置の
製造コストも極力アップさせない方法として、現像領域
内で磁界の強さが複数のピークを有するように現像ロー
ル内に磁極を設ける方法がある。これは、現像ロール内
の静電潜像保持体と対向する位置に二つの磁石を、磁極
の向きを同じにして平行に間隔を置いて配置したり、特
公昭62−55149号公報に開示されているように現
像領域に配置された磁石に少なくとも一つの窪みを設け
ることなどによって具体化されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな従来の、現像領域内に複数の磁界のピークを設ける
方法には、次のような問題点がある。二つの磁石を平行
に配設する場合には、磁石を所定位置に固定するのに手
間がかかり、コストアップにつながったり、また二つの
磁石の間の空隙には本来意図する磁界と逆向きの磁界が
発生し、これによって本来現像されるべきでない部分に
トナーが付着してしまい、鮮明な画像が得られなくな
る。
【0008】また特公昭62−55149号公報に開示
されている手段では、磁石ロールに窪みを設けた位置
で、スリーブ表面での磁界強度が急激に変化する。つま
り、スリーブの周面に沿って磁界強度の勾配が大きくな
り、このためスリーブ上に形成された磁気ブラシは急激
に攪乱されてトナーの飛散が生じ易いという問題点があ
る。また、窪みの寸法や形状により磁界の強度分布が大
きく変化し、このため所定の強度分布が得られるように
窪みをつけるのに高精度の加工技術が必要となり、加工
コストが増大してしまうという問題もある。
【0009】本発明は上記の様な問題点を鑑みてなされ
たものであり、その目的は現像領域を広くすることによ
り、画像濃度を高くすることが可能であるとともに、製
造が簡単な現像装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明は、 静電潜像保持体と対向するように設け
られ、円周方向に回転駆動される中空円筒上のスリーブ
と、このスリーブの内側に固定支持された円筒状の磁石
ロールとを備え、 前記スリーブ上に、非磁性トナーと
磁性キャリアとを含む二成分現像剤の磁気ブラシを形成
し、前記スリーブの回転により静電潜像保持体と対向す
る現像領域に前記二成分現像剤を搬送して静電潜像保持
体上の潜像を可視化する現像装置において、 前記磁
石ロールの前記静電潜像保持体と対向する位置に、複数
の磁石ブロックが周面に沿ってS極とN極とが交互に並
ぶように配列され、前記複数の磁石ブロックの間には磁
性体片が介挿されているものとする。
【0011】上記複数の磁石ブロックは、磁石ロールの
軸線方向にほぼ全幅にわたって設けられたものであり、
磁力の強さや周方向の幅は適宜に設定することができ
る。上記磁性体片は、各磁石ブロックの間に密接するよ
うに介挿されるのが望ましく、周方向の幅は適宜に設定
することができる。
【0012】
【作用】上記のような構成の現像装置によれば、磁石ロ
ールの静電潜像保持体と対向する位置に、周面に沿って
S極とN極とが交互に並ぶように配列された複数の磁石
ブロックと、該磁石ブロックの間に介挿される磁性体片
とを有しており、現像領域での磁界強度の分布は、図2
に示すように、異なる極性の磁石ブロックが交互に配列
された各々の位置に対応して、それぞれのピークを持っ
た形となる。
【0013】このとき磁力線はN極とS極とを結ぶ形状
となるが、隣り合う2つの磁石ブロック間に磁性体片を
介挿することによって図3に示すように磁極位置の法線
方向に強い磁界が発生する。すなわち、対向して配置さ
れた静電潜像保持体に向かって磁力線が分布する。同じ
磁石ブロックの配置で磁石ブロック間に何も介挿しない
場合と比較すると、図4に示すように磁石ブロック1
2、12間が空間14となっている場合では隣り合う磁
極間で強い磁界が発生するが、磁力線は磁石ロールの周
面方向に分布し、対向する静電潜像保持体に向かう磁界
が弱くなる。これは、図5に示すように2つの磁石1
2、12の間に磁性体片13が介挿されると、磁性の向
きが磁石と磁性体片との境界面で急に変化するのではな
く、磁石の内部から徐々に変化し、隣り合う磁石の内部
にかけて連続的に方向が変わることによるものと考えら
れ、このような磁石の性質により、磁極間の法線方向す
なわち静電潜像保持体に向かう方向に強い磁界が分布す
る。
【0014】したがってスリーブ上に形成された磁気ブ
ラシは図3に示すような静電潜像保持体に向かう磁力線
に沿って立ち上がり、この穂の立ち上がった部分からト
ナーが静電潜像保持体に転移し、現像が行われる。これ
により、現像領域で現像に適した強度を有する磁界を広
範囲で形成して現像領域を長くすることができ、簡単な
構造で充分な画像濃度を得ることができる。さらに、埋
め込む磁石ブロックの磁力と該磁石ブロックの幅、又は
介挿される磁性体片の幅を調整することで、磁界の強さ
と複数のピークのそれぞれの位置とを自由に設定するこ
とができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて説明す
る。図1は、本発明の一実施例である現像装置を示す概
略構成図である。この現像装置1は、表面に帯電電位の
差による静電潜像を形成することができる静電潜像保持
体20と対向して設けられており、ハウジング2内に、
静電潜像保持体20に近接して対向し表面に現像剤を吸
着して搬送することができる円筒状の現像ロール15
と、現像ロール15上の現像剤量を規制する現像剤規制
部材3と、前記現像ロール15に現像剤を供給するパド
ル4とを有している。また、ハウジング2内には、前記
現像ロール15の軸方向に沿って第1の攪拌室7と、第
2の攪拌室8とが設けられており、第1の攪拌室7内及
び第2の攪拌室8内にはそれぞれ現像剤を攪拌しながら
搬送する第1のオーガー5及び第2のオーガー6が備え
られている。上記静電潜像保持体20は、表面に高分子
化合物からなる感光体(opc感光体)を有しており、
一旦一様に帯電させ画像部分を露光して静電潜像を形成
できるものである。
【0016】上記現像ロール15は、周方向に複数の磁
極を有する磁石ロール11と、この周囲で回転自在に支
持された非磁性の中空円筒状のスリーブ10とからなる
ものである。上記磁石ロール11は、粉状のフェライト
を含む樹脂からなる円筒部11aと、この円筒部11a
の静電潜像保持体20と対向する位置に周方向に並設さ
れた2個の磁石ブロック12,12と、該磁石ブロック
12,12の間に介挿される板状の磁性体片13とから
なるものであり、軸線方向に均一な断面および磁力を有
する。上記磁石ブロック12,12は、磁石ロール11
の周面に沿ってS極とN極とが並ぶように配列され、こ
の間に磁性体片13が介挿されて現像磁極となってい
る。また、上記円筒部11aには、円筒状の外周面に、
軸方向に一様な磁極が円周方向に複数個着磁されてい
る。上記磁石ブロック12,12は、粉状のフェライト
を燒結して形成されたものであり、強い磁力を得るため
に磁気的に異方性の材料が用いられている。上記磁性体
片13には、スチール,SUS430などの磁性材料が
用いられている。上記円筒部11aには、磁気的に等方
性の材料が用いられており、上記フェライトを含む樹脂
のほか、粉状のフェライトを燒結したものを用いてもよ
い。
【0017】上記磁石ロール11は、上記円筒部11a
の隣接する磁極間で形成される磁界によって磁性キャリ
アとトナーを混合した二成分現像剤の磁気ブラシをスリ
ーブ10の表面に形成するようになっており、スリーブ
10は回転することにより、上記磁気ブラシを現像領域
に搬送できるようになっている。このような現像ロール
15は静電潜像保持体20と近接して配置され、互いの
表面の近接した部分が現像領域となる。
【0018】上記現像剤規制部材3は、一端がスリーブ
10の表面に近接する様に突き出して取りつけられてお
り、スリーブ10の表面に吸着されている現像剤量を規
制し均一な現像剤の層を形成するものである。上記第1
の攪拌室7は、現像ロール15に面する位置において現
像ロール15とほぼ平行に設けられており、第1のオー
ガー5及びパドル4の回転によって現像剤を現像ロール
15に供給することができるようになっている。第2の
攪拌室8は第1の攪拌室7と現像ロール軸方向の両端部
で連通しており、第2のオーガー6は第1のオーガー5
と逆方向に現像剤を搬送するものである。
【0019】上記のような現像装置では、現像剤が第1
の攪拌室7及び第2の攪拌室8内を循環するように搬送
され、磁性キャリアとトナーとが充分に攪拌される。こ
れにより、トナーに十分な電荷が付与され、現像ロール
15の表面に供給される。現像ロール15に供給された
現像剤は、磁石ロール11の磁界により、スリーブ10
上で磁気ブラシを形成する。この磁気ブラシはスリーブ
10の回転により搬送され、現像剤規制部材3によって
現像剤量が規制された後、現像領域へ送られる。現像領
域では画像部に対してはトナーが静電潜像保持体20に
転移し、現像が行われる。
【0020】本実施例において、磁石ロール11の静電
潜像保持体20と対向する位置は、2個の磁石ブロック
12,12とその間に挟まれる磁性体片13とから構成
されており、現像領域における磁界強度の分布は各磁石
ブロック上でそれぞれピークを持つことになる。すなわ
ち、従来から用いられている円筒形状の磁石ロールの磁
極での磁界強度分布は図2中の破線Aで示されるように
ひとつのピークを持つものであるのに対し、本実施例で
は、磁界強度の分布が2つの異なる極性の磁石ブロック
上で図2中の実線Bで示されるような二つのピークを持
った形となる。したがって、現像装置内に現像ロールを
2本並べたときと同様な効果が得られ、現像装置を大型
化することなく、またコストを上昇させることなく現像
領域を長くすることができ、且つ現像時間も長くするこ
とができる。
【0021】また、本実施例では、埋め込む磁石ブロッ
ク12,12同士の間に磁性体片13を挟む構成として
いるので、磁性体片13を挟まないで磁石ブロック同士
を単純に並べたとき、非磁性材料からなる板状片を挟ん
だとき、或は何も挟まないで間隙を空けたとき(図4参
照)に比較すると、図3に示すような、スリーブ10表
面に対して垂直方向に立ち上がった磁力線が形成され
る。従って、現像ロール15と静電潜像保持体20との
対向位置で、現像に適した強度を有する磁界を従来のも
のより広範囲で形成することができ、現像ロール15上
に形成される磁気ブラシと静電潜像保持体20との接触
幅が広くなり、現像領域を長くすることができる。
【0022】なお、本実施例では、現像領域で現像ロー
ル上の磁気ブラシが静電潜像保持体と接触する方式の現
像装置が示されているが、非接触現像方式の現像装置に
おいても、上記現像ロールを用いることにより同様の効
果を得ることができる。また、本実施例では、ドラム状
の静電潜像保持体20を用いて説明しているが、上記の
ような現像装置は、ドラム状の静電潜像保持体に限らず
ベルト状のものにも使用することができることは言うま
でもない。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る現像
装置では、現像ロールの静電潜像保持体と対向する位置
に、周面に沿ってS極とN極とが交互に配列された磁石
ブロックと、該磁石ブロックの間に介挿される磁性体片
とを備えており、該複数の磁石ブロックに対応して磁界
強度分布が複数のピークを形成する。このため、現像に
適した強度を有する磁界を広範囲で形成することがで
き、現像領域を長くすることができる。また、現像領域
に発生させる磁界の強度および分布を望ましいものに容
易に設定することができる。従って、製作コストを上昇
させることなく充分な現像濃度を確保することができ、
高速の複写機、プリンター等においても、かぶりや現像
ムラなどの無い優れた画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である現像装置の構成を示す
概略断面図である。
【図2】図1に示す現像装置において、異なる極性の磁
石ブロックとその間に介挿される磁性体片部分における
磁界強度の分布を示す拡大図である。
【図3】図1に示す現像装置の静電潜像保持体との対向
部分を示す拡大図およびこの対向部分における磁力線の
分布を示す図である。
【図4】図1に示す現像装置の作用を示すために用い
た、比較例である現像装置の部分構成図である。
【図5】図1に示す現像装置において、異なる極性の磁
石ブロックとその間に介挿される磁性体片部分における
磁力線の分布を示す拡大図である。
【図6】従来の現像装置の現像領域における磁力線の分
布を示す図である。
【図7】従来の現像装置の現像領域に形成される磁気ブ
ラシの形成状態を示す図である。
【符号の説明】
1 現像装置 2 ハウジング 3 現像剤規制部材 4 パドル 5 第1のオーガー 6 第2のオーガー 7 第1の攪拌室 8 第2の攪拌室 10 スリーブ 11 磁石ロール 12 磁石ブロック 13 磁性体片 14 空隙 15 現像ロール 20 静電潜像保持体

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静電潜像保持体と対向するように設け
    られ、円周方向に回転駆動される中空円筒上のスリーブ
    と、このスリーブの内側に固定支持された円筒状の磁石
    ロールとを備え、 前記スリーブ上に、非磁性トナーと磁性キャリアとを含
    む二成分現像剤の磁気ブラシを形成し、前記スリーブの
    回転により静電潜像保持体と対向する現像領域に前記二
    成分現像剤を搬送して静電潜像保持体上の潜像を可視化
    する現像装置において、 前記磁石ロールの前記静電潜像保持体と対向する位置
    に、複数の磁石ブロックが周面に沿ってS極とN極とが
    交互に並ぶように配列され、前記複数の磁石ブロックの
    間には磁性体片が介挿されていることを特徴とする現像
    装置。
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