JP3002380B2 - 現像装置及び現像ロール - Google Patents

現像装置及び現像ロール

Info

Publication number
JP3002380B2
JP3002380B2 JP6-75457A JP7545794A JP3002380B2 JP 3002380 B2 JP3002380 B2 JP 3002380B2 JP 7545794 A JP7545794 A JP 7545794A JP 3002380 B2 JP3002380 B2 JP 3002380B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roll
magnet
latent image
developing
electrostatic latent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP6-75457A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07261555A (ja
Inventor
隆 渕脇
佳和 岡本
隆治 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Metals Ltd
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Hitachi Metals Ltd
Fujifilm Business Innovation Corp
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd, Hitachi Metals Ltd, Fujifilm Business Innovation Corp filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP6-75457A priority Critical patent/JP3002380B2/ja
Priority to US08/531,068 priority patent/US5529628A/en
Priority to EP95114887A priority patent/EP0764890A1/en
Priority claimed from EP95114887A external-priority patent/EP0764890A1/en
Publication of JPH07261555A publication Critical patent/JPH07261555A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3002380B2 publication Critical patent/JP3002380B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真法を利用する複
写機、プリンターなどの現像装置及びこれに用いられる
現像ロールに係り、特に充分な濃度で高画質の画像を得
ることができる現像装置及び現像ロールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電子写真装置や静電記録装置にお
いて、非磁性トナー及び磁性キャリアからなる二成分現
像剤を用い、静電潜像保持体上の潜像を可視化する方法
がよく知られている。この方法は、現像ロール上に磁性
キャリアが穂状に連なった磁気ブラシを形成し、現像ロ
ールの表面のスリーブを回転させることにより、静電潜
像保持体と対向する位置に磁気ブラシを移動させ、非磁
性トナーを静電潜像保持体上の潜像に転移させるもので
ある。
【0003】このような現像装置で用いられる現像ロー
ルとしては、図9に示されるようなものが一般的であ
り、磁石ロール61とそれに対して回転可能なスリーブ
60とで主要部が構成される。磁石ロール61は、例え
ばハードフェライトのような粉末の強磁性体を燒結する
ことにより、もしくは強磁性体の粉末材料と結合材料と
の混合物を円筒状に成形することにより得られ、その外
周面には軸方向に一様な磁極が円周方向に複数個設けら
れている。また、磁石ロール61の中心部には支持軸が
固着され、この支持軸の両端部は現像装置のハウジンク
に固定支持される。一方、スリーブ60はアルミ合金も
しくはステンレス鋼など非磁性材料を中空円筒状に形成
したものであり、上記支持軸に回転自在に装着された支
持部材によって支持され、回転駆動される。
【0004】このような構成により、磁石ロール61が
持つ磁気的な作用でスリーブ60の外周面に二成分現像
剤が吸着され、磁気ブラシが形成される。スリーブ60
が回転駆動されることにより上記磁気ブラシが現像領域
に搬送され、スリーブ60と静電潜像保持体40との間
に生じている電界内で非磁性トナーが静電潜像保持体4
0に転移して現像が行なわれる。
【0005】この時、スリーブ60上の磁気ブラシは、
図10に示すように、現像ロール内の磁石ロール61の
S極、N極によって生じる磁力線に沿ってスリーブ60
上に形成される。この図では静電潜像保持体40と対向
する磁極部のみの磁力線の分布を示したが、他も同様の
分布を持っている。磁界は磁極の中心位置で最も強く、
その両側では隣り合う異極性の磁極に向かって磁力線が
伸びるため、スリーブ60上の磁気ブラシ63の穂立ち
は、図10に示されるように、磁極の中心位置が最も高
く、磁極と磁極の中間が最も低く形成される。従って通
常は穂立ちの最も高い部分、またはその近傍で現像を行
う様に磁石ロール61の磁極が配置されている。
【0006】上記の様な現像工程において、現像される
画像の濃度を高くするためには現像ロールを高速で回転
させる方法、現像ロールと静電潜像保持体の間隔を狭く
する方法、現像領域を広くする方法などが挙げられる。
これらの方法のうち、現像ロールを高速で回転させる方
法では、トナーの飛散による機内汚れが生じやすいとい
う問題点があり、現像ロールと静電潜像保持体の間隔を
狭くする方法では、現像剤が圧力を受けて固化し易く、
静電潜像保持体を傷つけてしまうという不都合がある。
また、現像領域を広くする具体的な方法としては、例え
ば現像ロールを複数本用いる方法、磁極の幅を広げる方
法などがあるが、現像ロールを複数本用いる方法では、
装置が大型化するとともに装置の製造コストが増大する
という問題点がある。一方、磁極の幅を広げる方法で
は、装置の大型化を防止することはできるが、磁束密度
が大きくなって現像剤が大きなブラシ状に付着してしま
い、静電潜像保持体から圧力を受けて現像剤が固化し易
くなるという問題点がある。
【0007】そのため、現像剤の固化を防止するととも
に、装置の大型化も防止することができる方法として、
現像領域内で磁界の強さが複数のピークを有するように
現像ロール内に磁極を設ける方法が提案されている。こ
れは、現像ロール内の静電潜像保持体と対向する位置に
二つの磁石を、磁極の向きを同じにして平行に間隔を置
いて配置したり、或は特公昭62−55149号公報又
は特開平3−291680号公報に開示されているよう
に、現像領域に配置された磁石の静電潜像保持体と対向
する側に、少なくとも一つの窪みを設けることなどによ
って具体化されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな従来の、現像領域内に複数の磁界のピークを設ける
方法には、次のような問題点がある。二つの磁石を平行
に配設する場合には、磁石を所定位置に固定するのに手
間がかかり、コストアップにつながったり、また二つの
磁石の間の空隙には本来意図する磁界と逆向きの磁界が
発生し、これによって本来現像されるべきでない部分に
トナーが付着してしまい、鮮明な画像が得られなくな
る。
【0009】また特公昭62−55149号公報、特開
平3−291680号公報に開示されている手段では、
静電潜像保持体と対向するように磁石に窪みを設けた位
置で、スリーブ表面での磁界強度が急激に変化する。つ
まり、スリーブの周面に沿って磁界強度の勾配が大きく
なり、このためスリーブ上に形成された磁気ブラシは急
激に撹乱されてトナーの飛散が生じ易いという問題点が
ある。また、窪みの寸法や形状により磁界の強度分布が
大きく変化し、このため所定の強度分布が得られるよう
に窪みをつけるのに高精度の加工技術が必要となり、加
工コストが増大してしまうという問題もある。
【0010】本発明は上記の様な問題点を鑑みてなされ
たものであり、その目的は、現像領域を広くすることに
より画像濃度を高くすることが可能であるとともに、高
精度の加工技術の必要がなく製造が容易な現像装置及び
現像ロールを提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明は、 静電潜像保持体と対向するように設け
られ、円周方向に回転駆動される中空円筒状のスリーブ
と、このスリーブの内側に固定支持された円筒状の磁石
ロールとからなる現像ロールを備え、前記スリーブ上に
二成分現像剤の磁気ブラシを形成し、前記スリーブの回
転により静電潜像保持体と対向する現像領域に二成分現
像剤を搬送して静電潜像保持体上の潜像を可視化する現
像装置において、 前記磁石ロールは、 磁石材料か
らなるほぼ円筒状のロール基部と、 該ロール基部の前
記静電潜像保持体と対向する位置に埋め込まれ、前記ロ
ール基部を形成する材料より強く磁化される材料からな
る強磁化ブロックとを有し、 該強磁化ブロックは、該
磁石ロールの軸線方向に均等でほぼ「凹」の字状の断面
を有し、該断面の凹部を有する側を該磁石ロールの中心
軸側に向けて埋め込まれ、 該強磁化ブロックと該ロー
ル基部とを一体化した後に着磁することによって、該強
磁化ブロック全体が単一の極性に磁化されているものと
する。
【0012】上記現像装置において、上記強磁化ブロッ
クの断面における凹部内に空洞を有するものとすること
ができる。また、上記強磁化ブロックの断面における凹
部内に上記ロール基部の一部が介挿されているような構
造とすることもでき、最適な磁界強度分布を有するよう
に適宜な構造を設定できる。
【0013】上記強磁化ブロックは、磁石ロールの軸線
方向にほぼ全幅にわたって設けられたものであり、磁力
の強さや周方向の幅は適宜に設定することができる。ま
た、上記磁石ブロックの凹部は、該磁石ブロックの軸線
方向にほぼ全幅にわたって設けられたものであり、凹部
の形状、寸法等は現像装置で求められる磁界強度の分布
に応じて適宜に設定が可能である。
【0014】上記強磁化ブロックは、強く磁化される材
料からなるものであり、磁化率の高い強磁性体であって
もよいし、粉状の強磁性体を結合材等とともに固化した
ものでもよい。また、上記ロール基部は、強磁化ブロッ
クを構成する磁石材料に比べて磁化率の低い磁石材料か
らなるものである。そのため、例えば上記ロール基部は
等方性フェライト磁石で形成され、前記強磁化ブロック
は異方性フェライト磁石で形成されていることが望まし
い。
【0015】また、請求項4に記載の発明は、 静電潜
像保持体と対向するように設けられ、円周方向に回転駆
動される中空円筒状のスリーブと、このスリーブの内側
に固定支持された円筒状の磁石ロールとからなり、前記
スリーブ上に二成分現像剤の磁気ブラシを形成し、前記
スリーブの回転により静電潜像保持体と対向する現像領
域に二成分現像剤を搬送する現像ロールにおいて、 前
記磁石ロールは、 磁石材料からなるほぼ円筒状のロー
ル基部と、 該ロール基部の前記静電潜像保持体と対向
する位置に埋め込まれ、前記ロール基部を形成する材料
より強く磁化される材料からなる強磁化ブロックとを有
し、 該強磁化ブロックは、該磁石ロールの軸線方向に
均等でほぼ「凹」の字状の断面を有し、該断面の凹部を
有する側を該磁石ロールの中心軸側に向けて埋め込ま
れ、 該強磁化ブロックと該ロール基部とを一体化した
後に着磁することによって、該強磁化ブロック全体が単
一の極性に磁化されているものとする。
【0016】
【作用】本発明に係る現像装置は、磁石ロールの静電潜
像保持体と対向する位置の周方向に強磁化ブロックが配
設され、該強磁化ブロックの軸線方向に均等な断面を有
する凹部が形成されるとともに、この凹部が磁石ロール
を構成するロール基部の中心軸側に向けて埋め込まれて
いる。この強磁化ブロックはロール基部を形成する材料
より強く磁化される材料からなり、かつ単一の極性に磁
化されているので、スリーブ表面で形成される磁界強度
分布は、例えば図2の実線Bで示される様に、強磁化ブ
ロックの凹部の両側の部分(半径方向に長い部分)付近
で複数のピークを形成する。このため磁界強度の大きな
部分に吸着したブラシ状の現像剤(磁気ブラシ)が静電
潜像保持体に対して幅広く接触するので、磁界強度のピ
ークが単一の場合(図2中に破線Aで示す)に比べて現
像領域を長くすることできる。また、磁界強度のピーク
とピークの間に磁界の弱い部分があるため、ここで一時
的に磁気ブラシが撹乱される。したがって、すでに現像
で穂先付近に付着したトナーを消費した磁気ブラシも磁
性キャリアの連鎖が組み替えられ、磁気ブラシの根元付
近にあるトナーも現像に寄与することになって十分な画
像濃度が得られる。
【0017】また、図4に示すように、磁石ロールの中
心軸側に向けて凹部を設けた場合は、磁石ロールの周面
に向けて設けた場合に比べて、凹部の深さや形状等によ
って、磁界強度のピークと谷の部分との差等、磁界強度
の分布が急激に変わることがなくなる。したがって、凹
部の深さ、形状等の加工のための高精度な技術が必要で
なくなり、加工の工程を簡略化してコストを低減でき
る。
【0018】また、強磁化ブロックの凹部内にこれより
も磁化率の低いロール基部の一部を介挿するか、或は凹
部内を空洞にするか等その構造を適宜に設定することに
より、最適な強度分布を有する磁界を容易に得ることが
できる。
【0019】また、請求項4に記載の現像ロールを用い
て、静電潜像保持体上の潜像を現像することによって、
上記と同様に作用して、十分な画像濃度が得られる。そ
して、この現像ロールを低コストで製作することができ
る。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて説明す
る。図1は、本発明の一実施例である現像装置を示す概
略構成図である。この現像装置1は、表面に帯電電位の
差による静電潜像を形成することができる静電潜像保持
体40と対向して設けられており、ハウジング2内に、
静電潜像保持体40に近接して対向し表面に現像剤を吸
着して搬送することができる円筒状の現像ロール15
と、この現像ロール15上の現像剤量を規制する現像剤
規制部材3と、前記現像ロール15に現像剤を供給する
パドル4とを有している。また、ハウジング2内には、
前記現像ロール15の軸方向に沿って第1の撹拌室7
と、第2の撹拌室8とが設けられており、第1の撹拌室
7内及び第2の撹拌室8内にはそれぞれ現像剤を撹拌し
ながら搬送する第1のオーガー5及び第2のオーガー6
が備えられている。
【0021】上記静電潜像保持体40は、表面に高分子
化合物からなる感光体(opc感光体)を有しており、
一旦一様に帯電させ画像部分を露光して静電潜像を形成
できるものである。
【0022】上記現像ロール15は、周方向に複数の磁
極を有する円筒状の磁石ロール11と、この周囲で回転
自在に支持された非磁性の中空円筒状のスリーブ10と
からなるものである。上記スリーブ10は、SUS30
4からなり、外形が24.5mmに設定されており、こ
の内部に外形22mmの磁石ロール11が配設されてい
る。また、上記磁石ロール11は、粉状のフェライトを
燒結してなるロール基部11aと、このロール基部11
aの静電潜像保持体40と対向する位置に軸線方向のほ
ぼ全幅にわたって配設された磁石ブロック12(強磁化
ブロック)と、前記ロール基部11aを支持するシャフ
ト13とからなるものである。
【0023】上記磁石ブロック12には、磁石ロール1
1の軸線方向にほぼ均一な形状及び寸法を有する凹部1
2aが設けられており、この凹部12aが磁石ロール1
1の中心軸側に向くように上記ロール基部11aに埋め
込まれている。上記凹部12a内にはロール基部11a
の一部11bが凸状になって嵌め入れられており、この
磁石ブロック12及びその周辺部が単一の磁極に磁化さ
れて現像磁極となっている。また、上記ロール基部11
aには上記現像磁極の他に、軸線方向に一様な磁極(図
示せず)が円周方向に複数個着磁されている。
【0024】上記磁石ブロック12は、粉状のフェライ
トを燒結したものであり、強い磁力を得るために磁気的
に異方性の材料で形成されている。本実施例では、異方
性フェライト磁石(日立金属株式会社製YBM−2B)
が用いられ、周方向の長さが7mm、半径方向の長さが
5mm、軸方向の長さが220mm、凹部12aの周方
向の幅が4mmに設定されている。上記ロール基部11
aは、磁気的に等方性の材料で形成されており、上記粉
状のフェライトを燒結したもののほか、フェライトを含
む樹脂を用いてもよい。本実施例では、等方性フェライ
ト磁石(日立金属株式会社製YBM−3)が用いられ、
外形が22mm、内径が10mm、軸線方向の長さが2
20mmに設定されている。上記シャフト13はSUS
304により形成されており、外形が10mm、軸方向
の長さが350mmに設定されている。
【0025】上記磁石ロール11は、上記ロール基部1
1aの隣接する磁極間で形成される磁界によって磁性キ
ャリアとトナーを混合した二成分現像剤の磁気ブラシを
スリーブ10の表面に形成するようになっており、スリ
ーブ10は回転することにより、上記磁気ブラシを現像
領域に搬送できるようになっている。このような現像ロ
ール15は静電潜像保持体40と近接して配置され、互
いの表面の近接した部分が現像領域となる。
【0026】上記現像剤規制部材3は、一端がスリーブ
10の表面に近接する様に突き出して取りつけられてお
り、スリーブ10の表面に吸着されている現像剤量を規
制し均一な現像剤の層を形成するものである。
【0027】上記第1の撹拌室7は、現像ロール15に
面する位置において現像ロール15とほぼ平行に設けら
れており、第1のオーガー5及びパドル4の回転によっ
て現像剤を現像ロール15に供給することができるよう
になっている。第2の撹拌室8は第1の撹拌室7と現像
ロール軸方向の両端部で連通しており、第2のオーガー
6は第1のオーガー5と逆方向に現像剤を搬送するもの
である。
【0028】上記のような現像装置では、現像剤が第1
の撹拌室7及び第2の撹拌室8内を循環するように搬送
され、磁性キャリアとトナーとが充分に撹拌される。こ
れにより、トナーに十分な電荷が付与され、現像ロール
15の表面に供給される。現像ロール15に供給された
現像剤は、磁石ロール11の磁界により、スリーブ10
上で磁気ブラシを形成する。この磁気ブラシはスリーブ
10の回転により搬送され、現像剤規制部材3によって
現像剤量が規制された後、現像領域へ送られる。現像領
域では画像部に対してはトナーが静電潜像保持体40に
転移し、現像が行われる。
【0029】本実施例において、磁石ロール11の静電
潜像保持体40と対向する位置では、磁石ブロック12
の凹部12aが中心軸側に向けて配設されるとともに、
この凹部12a内には磁化率の低いロール基部11の一
部が嵌め入れられており、現像領域における磁界強度の
分布は、凹部12aの両側の磁石ブロックが半径方向に
長い部分付近でそれぞれピークを持つことになる。すな
わち、従来から用いられている円筒形状の磁石ロールの
磁極での磁界強度分布は図2中の破線Aで示されるよう
にひとつのピークを持つものであるのに対し、本実施例
では、磁界強度の分布が磁石ブロックの凹部12aの両
端部上で図2中の実線Bで示されるような二つのピーク
を持った形となる。従って、現像ロール15が静電潜像
保持体40と対向する位置では図3(a)に示されるよ
うな磁力線が形成され、現像に適した強度を有する磁界
を従来のものより広範囲で形成させることが可能とな
る。その結果、図3(b)に示すような磁気ブラシが形
成され、磁気ブラシと静電潜像保持体との接触幅が広く
なり現像領域を長くすることができる。
【0030】また、現像領域内で磁界強度分布は二つの
大きなピークを持つ一方で、その中央部では磁界の弱い
部分がある。本実施例では磁界強度はピーク部で120
0G、二つのピーク間の谷部で900Gとなっており、
この谷部から両側のピーク側に向けて磁界の勾配が生じ
ている。したがって、スリーブ10上の磁気ブラシがこ
の磁界の谷部を通過する時に一時的に崩れ[図3(b)
中に符号Cで示す部分]、すでに現像で穂先付近に付着
したトナーを消費した磁気ブラシが、一時的に撹乱され
る。このため、穂先付近以外に付着しているトナーも現
像に寄与することが可能となり、画像濃度は一層向上す
る。
【0031】図4は、本実施例の現像ロール15におけ
る磁束密度と、磁石ロールの周面に窪みを設けた従来の
現像ロール(特公昭62−55149号公報に示すも
の)における磁束密度とを比較して示したものである。
図における記号□,■はピーク部の磁束密度、記号○,
●はピーク部とこのピーク部間の谷部との磁束密度の差
を示している。この図において、本実施例の現像ロール
15では、従来の現像ロールに比べて凹部の深さが多少
変化しても、ピーク部と谷部との磁束密度の差は急激に
は変動しないことが確認される。つまり、従来の現像ロ
ールでは窪みの寸法により磁界の強度分布が大きく変化
するので、所定の強度分布を得るためには窪みの形成に
高精度の加工技術を要するのに対し、本実施例の現像ロ
ールでは、凹部の寸法が多少変動しても磁界の強度分布
への影響が少なく、加工のコストを大幅に低減させるこ
とができる。
【0032】次に上記現像装置1の製造方法の一例につ
いて説明する。まず予めフェライトを燒結し、所定の形
状の凹部12aを加工した磁石ブロック12を形成す
る。一方、粉状のフェライト及び結合材の混合材を燒結
することによりほぼ円筒状のロール基部11aを成形
し、このロール基部11aの周面に予め磁石ブロック1
2の凹部12a側の形状に合わせて、軸線方向に溝及び
溝内の凸部11bを形成しておく。このロール基部11
aの溝に磁石ブロック12を装着して固定し、表面に凹
凸のない円筒状の磁性ロールを形成する。
【0033】その後、図5(a)に示すようにほぼ円筒
状の磁性ロールの周面外側から複数の着磁翼51を接近
させ、磁性ロールの周方向に沿って複数の磁極が軸線方
向に一様に形成されるように着磁する。このとき磁石ブ
ロック12が設けられた位置では、図5(b)に示すよ
うに、磁石ブロック12とこの磁石ブロックの凹部12
aの周辺とが一つの磁極を形成するように同一極性(本
実施例ではN極)に磁化する。このように磁化される
と、磁石ブロック12とその周辺のロール基部11aと
では磁石ブロック12の方が強く磁化される材質である
ために、磁石ブロックの凹部12aの両側の部分(半径
方向に長い部分)上で磁界強度が2つのピークを有す
る。従って、このような磁石ロール11を中空円筒状の
スリーブ内に配置すると、図2の実線Bのような磁界強
度の分布を現像ロール表面のスリーブ10上に形成する
ことができる。
【0034】このような現像ロールを現像装置のハウジ
ング内に配設し、現像装置を組み立てる。なお、現像装
置を製造するためのその他の工程は従来の方法を用いる
ことができる。上記のような現像装置の製造方法では、
磁石ブロック12の大きさ(縦、横のそれぞれの長
さ)、凹部12aの寸法、さらに凹部12a内に嵌め入
れられる磁石ブロック12より磁化されにくい材料の種
類を変えることにより二つのピークの高さ、二つのピー
クの幅、落ち込みの大きさを自由に設定することができ
る。
【0035】また、上記現像装置1の製造方法の他の例
として、予め凹部12aを形成した磁石ブロック12を
ほぼ円筒状の型内の所定の位置に配置し、型内のその他
の部分に粉状フェライトを含む未硬化の樹脂を充填して
円筒状に一体成形する。その後この樹脂が硬化する前
に、型の周面外側から上記と同様に方法によって複数の
磁極を着磁し、所定の磁石ロール11を形成することも
できる。
【0036】次に本発明の他の実施例について図6を用
いて説明する。この現像装置21では、上記図1に示す
現像装置1の磁石ロール11に代えて、磁石ブロック3
2の凹部32a内にロール基部31aの一部を嵌め入れ
ずに空洞34を設けた磁石ロール31が配設されてい
る。そして、この磁石ロール31及びその周辺部が単一
の極性に磁化されている。なお、この磁石ブロック32
の材質、及び形状、上記ロール基部31aの材質は上記
図1に示す現像装置1と同じである。また、この現像装
置21の他の構成も上記現像装置1と同じである。
【0037】この現像装置21では、磁石ブロックの凹
部32a内に空洞34が形成されているので、該空洞3
4のある位置で磁界強度が小さくなり、磁界強度の分布
は2つのピークを持つことになる。即ち図7に示すよう
な磁力線が形成され、これに対応した磁気ブラシが形成
されるので、上記図1に示す現像装置1と同様に、磁気
ブラシと静電潜像保持体との接触幅を広くして現像領域
を長くすることができる。また、二つのピーク間の勾配
は、上記現像装置1に比べて若干急になるが、緩やかな
勾配で、強くて最適な磁界強度分布を容易に得ることが
できる。また、上記と同様、凹部32aの形成のために
高精度の加工技術を必要とせず、加工のコストを低減す
ることができる。
【0038】次に上記現像装置21の製造方法について
説明する。本実施例においては、まずフェライトを燒結
して、所定の形状の凹部32aを有する磁石ブロック3
2を形成する。一方、粉状のフェライト及び結合材の混
合材を燒結することによりほぼ円筒状のロール基部31
aを形成し、このロール基部31aの周面に予め磁石ブ
ロック32の周方向の幅に合わせて軸線方向の溝を形成
しておく。このロール基部31aの溝に磁石ブロック3
2の凹部32a側を嵌め込み、凹部32a内に空洞34
を有する円筒状のロールを形成する。その後、図1に示
す現像装置の製造方法と同様の方法で複数の磁極を着磁
して、磁石ブロック32と空洞34の周辺部が同一極性
に磁化された磁石ロール31を形成する。
【0039】このような現像装置の製造方法において
も、磁石ブロック32の大きさ(縦、横のそれぞれの長
さ)、凹部32aの寸法及び空洞34の大きさを適切に
設定することにより、二つのピークの高さ、二つのピー
クの幅、落ち込みの大きさを自由に設定することができ
る。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る現像
装置では、磁石ロールの静電潜像保持体と対向する位置
の周方向に強磁化ブロックが配設され、この強磁化ブロ
ックに中心軸側に向けて凹部が形成されているので、現
像ロールの静電潜像保持体と対向する位置では、磁極が
形成する磁界強度分布が複数のピークを形成する。この
ため現像領域を長くすることができ、またピークとピー
クの間で磁気ブラシが撹乱および再形成されることによ
り、現像濃度を高くすることが可能となる。また、強磁
化ブロックの凹部内を空洞とするか、或はここに介挿さ
れる材料を適宜に選択することにより、現像領域におけ
る磁界強度のピークの大きさや間隔なども容易に調節で
きるため、これらの現像装置はコストを上げることなく
製造できる。また、強磁化ブロックに凹部を設けるため
に高精度の加工技術を用いる必要がなくなり、所定の強
度分布を有する磁界を低コストで容易に得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である現像装置を示す概略構
成図である。
【図2】上記図1に示す現像装置の現像領域における磁
界強度の分布を示す図である。
【図3】上記図1に示す現像装置の現像領域における磁
力線の分布および磁気ブラシの形成状態を示す図であ
る。
【図4】前記図1に示す現像装置の現像領域における磁
束密度の分布と磁石ブロックの溝の深さとの関係を、従
来の現像装置と比較した図である。
【図5】上記図1に示す現像装置の製造工程において、
磁石ロールに着磁する状態を示す図である。
【図6】本発明の他の実施例である現像装置を示す概略
構成図である。
【図7】上記図6に示す現像装置の現像領域における磁
力線の分布状態を示す図である。
【図8】従来の現像装置であって現像領域で磁界強度が
二つのピークを有するものの磁界強度の分布を示す図で
ある。
【図9】従来の現像装置の現像領域における磁力線の分
布を示す図である。
【図10】従来の現像装置の現像領域に形成される磁気
ブラシの形成状態を示す図である。
【符号の説明】
1,21 現像装置 2,22 ハウジング 3,23 現像剤規制部材 4,24 パドル 5,25 第1のオーガー 6,26 第2のオーガー 7,27 第1の攪拌室 8,28 第2の攪拌室 10,30 スリーブ 11,31 磁石ロール 11a,31a ロール基部 12,32 磁石ブロック(強磁化ブロック) 12a,32a 凹部 13,33 シャフト 34 空洞 15,35 現像ロール 40 静電潜像保持体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 隆治 群馬県富岡市宇田250−10 群馬電子株 式会社内 (56)参考文献 特開 平2−222109(JP,A) 特開 平4−225381(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/08 - 15/09 H01F 7/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静電潜像保持体と対向するように設け
    られ、円周方向に回転駆動される中空円筒状のスリーブ
    と、このスリーブの内側に固定支持された円筒状の磁石
    ロールとからなる現像ロールを備え、前記スリーブ上に
    二成分現像剤の磁気ブラシを形成し、前記スリーブの回
    転により静電潜像保持体と対向する現像領域に二成分現
    像剤を搬送して静電潜像保持体上の潜像を可視化する現
    像装置において、 前記磁石ロールは、 磁石材料からなるほぼ円筒状のロール基部と、 該ロール基部の前記静電潜像保持体と対向する位置に埋
    め込まれ、前記ロール基部を形成する材料より強く磁化
    される材料からなる強磁化ブロックとを有し、 該強磁化ブロックは、該磁石ロールの軸線方向に均等で
    ほぼ「凹」の字状の断面を有し、該断面の凹部を有する
    側を該磁石ロールの中心軸側に向けて埋め込まれ、該強磁化ブロックと該ロール基部とを一体化した後に着
    磁することによって、該強磁化ブロック全体が単一の極
    性に磁化されている ことを特徴とする現像装置。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載の現像装置におい
    て、 前記強磁化ブロックの断面における凹部内に空洞を有す
    ることを特徴とする現像装置。
  3. 【請求項3】 前記請求項1又は請求項2に記載の現
    像装置において、 前記ロール基部は、等方性フェライト磁石で形成され、
    前記強磁化ブロックは異方性フェライト磁石で形成され
    ていることを特徴とする現像装置。
  4. 【請求項4】 静電潜像保持体と対向するように設け
    られ、円周方向に回転駆動される中空円筒状のスリーブ
    と、このスリーブの内側に固定支持された円筒状の磁石
    ロールとからなり、前記スリーブ上に二成分現像剤の磁
    気ブラシを形成し、前記スリーブの回転により静電潜像
    保持体と対向する現像領域に二成分現 像剤を搬送する現
    像ロールにおいて、 前記磁石ロールは、 磁石材料からなるほぼ円筒状のロール基部と、 該ロール基部の前記静電潜像保持体と対向する位置に埋
    め込まれ、前記ロール基部を形成する材料より強く磁化
    される材料からなる強磁化ブロックとを有し、 該強磁化ブロックは、該磁石ロールの軸線方向に均等で
    ほぼ「凹」の字状の断面を有し、該断面の凹部を有する
    側を該磁石ロールの中心軸側に向けて埋め込まれ、 該強磁化ブロックと該ロール基部とを一体化した後に着
    磁することによって、該強磁化ブロック全体が単一の極
    性に磁化されていることを特徴とする現像ロール。
JP6-75457A 1994-03-23 1994-03-23 現像装置及び現像ロール Expired - Lifetime JP3002380B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6-75457A JP3002380B2 (ja) 1994-03-23 現像装置及び現像ロール
US08/531,068 US5529628A (en) 1994-03-23 1995-09-20 Developing unit
EP95114887A EP0764890A1 (en) 1994-03-23 1995-09-21 Developing unit

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6-75457A JP3002380B2 (ja) 1994-03-23 現像装置及び現像ロール
EP95114887A EP0764890A1 (en) 1994-03-23 1995-09-21 Developing unit

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07261555A JPH07261555A (ja) 1995-10-13
JP3002380B2 true JP3002380B2 (ja) 2000-01-24

Family

ID=

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS59193474A (ja) 現像装置
JP3989180B2 (ja) 現像ローラ及びその製造方法、現像装置並びに画像形成装置
JP4157797B2 (ja) 現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
US4168481A (en) Core assembly for magnetizing columnar permanent magnet for use in an electrostatic developing apparatus
JP3002380B2 (ja) 現像装置及び現像ロール
US5529628A (en) Developing unit
JP2007078940A (ja) 現像ローラ、現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP3092415B2 (ja) 現像装置
CN101226365B (zh) 用于显影剂载体的磁性辊及其制造方法、显影剂盒、显影装置、处理盒和图像形成设备
JP3092427B2 (ja) 現像装置
JP3109314B2 (ja) マグネットロール及びその製造方法
JP4698069B2 (ja) 現像装置、磁石ローラ、画像形成方法、画像形成装置、プロセスカートリッジ
JPH0720716A (ja) 現像装置およびその製造方法
JPS5926369Y2 (ja) 静電気録用磁石ロ−ル
JP3397416B2 (ja) 現像装置
JPH0644082Y2 (ja) マグネットロ−ル
JP4109935B2 (ja) 現像装置及び画像形成装置
JP3840415B2 (ja) 現像ローラの製造方法及び現像ローラ並びに画像形成装置
JPH0324574A (ja) 現像装置
JPH08339124A (ja) マグネットロール
JP3270663B2 (ja) 現像装置
JP2000298399A (ja) マグネットロール
JP2553340Y2 (ja) マグネットロール
JPH10142947A (ja) マグネットロール
JPS6237237Y2 (ja)