JP3108972U - 自動工具交換装置の過負荷吸収構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】
自動工具交換装置の出力軸にかかる軸方向の過負荷を吸収し、部品の破損を防止する。
【解決手段】
自動工具交換装置の出力軸14には、カム機構による往復移動を可能とするためのシフトリング32が設けられており、その溝40には、カム機構のカムフォロア64が収容ないし係合される。シフトリング32は、出力軸14の軸方向に2分割され、その両側には、それぞれ一対の皿バネ42A,42Bと、44A,44Bが設けられる。分割体32Aと32Bの間には、初期荷重を付与するロックナット34が設けられる。工具ホルダ70をスピンドル側から抜き差しする際に、タイミングのずれ等により出力軸14の軸方向に所定値以上の負荷がかかると、カムフォロア64によって押圧される側の分割体32A又は32Bが、皿バネ42A,42B又は44A,44Bの圧縮にともなって軸方向に移動し、衝撃を吸収する。
【選択図】図3
自動工具交換装置の出力軸にかかる軸方向の過負荷を吸収し、部品の破損を防止する。
【解決手段】
自動工具交換装置の出力軸14には、カム機構による往復移動を可能とするためのシフトリング32が設けられており、その溝40には、カム機構のカムフォロア64が収容ないし係合される。シフトリング32は、出力軸14の軸方向に2分割され、その両側には、それぞれ一対の皿バネ42A,42Bと、44A,44Bが設けられる。分割体32Aと32Bの間には、初期荷重を付与するロックナット34が設けられる。工具ホルダ70をスピンドル側から抜き差しする際に、タイミングのずれ等により出力軸14の軸方向に所定値以上の負荷がかかると、カムフォロア64によって押圧される側の分割体32A又は32Bが、皿バネ42A,42B又は44A,44Bの圧縮にともなって軸方向に移動し、衝撃を吸収する。
【選択図】図3
Description
本考案は、切削工具などの交換を自動的に行う自動工具交換装置(オート・ツール・チャンジャー:ATC)の過負荷吸収構造に関するものである。
多種類の工具(ドリルなど)を自動的に交換する自動工具交換装置(Auto Tool Changer:ATC)としては、例えば、図6に一例を示すように、カム機構を利用したものがある。図6(A)は自動工具交換装置の全体構造を示す図,図6(B)は交換用アームの動作を示す平面図,図6(C)は、本体ケース内のカム機構を示す図である。図6に示すように、自動工具交換装置100は、ケース102内に回転可能かつ昇降可能に支持された出力軸104を備えており、該出力軸104の先端(図示の例では下端側)には、工具(工具ホルダ)110Aや110Bを保持する保持部108A,108Bが形成された交換用アーム106が固定されている。また、前記出力軸104には、図6(C)に示すように、全周にわたって溝122が形成されたシフトリング120が、前記出力軸104に形成された段差104Aに当接するように装着されており、ナット124によって位置が固定されている。更に、前記出力軸104の上端側外周部には、タレット112と、該タレット112の外周面に一定間隔で複数突設されたカムフォロア114が設けられている。
このほか、前記ケース102内には、外周縁に多数の歯が形成されたウォームホイール130と、該ウォームホイール130の裏面に設けられており、前記カムフォロア114と係合する溝を備えたローラギヤカム(図示せず)、前記ウォームホイール130の歯と係合するウォームギヤ136を備えた入力軸134が設けられている。なお、前記入力軸134の先端(図示の例では上端)は、回転モータ138の回転軸に接続されている。また、前記ウォームホイール130の側面には、レバー140に設けられたカムフォロア142を収納するカム溝132が形成されている。なお、前記レバー140の先端に設けられた他のカムフォロア144は、前記シフトリング120の溝122に少なくとも一部が収容可能,あるいは、係合可能となっている。そして、前記回転モータ138を駆動すると、入力軸134,ウォームギヤ136を介してウォームホイール130とともに、ローラギヤカムが回転する。すると、ローラギヤカムと係合するカムフォロア114によって出力軸104が間欠回転し、ウォームホイール130の回転により支点141を回転中心として揺動するレバー140によって、出力軸104が昇降移動する。前記出力軸104の昇降及び回転により、交換用アーム106が回転・昇降し、工具110Aや110Bの交換が可能となる。このようなカム機構を利用した自動工具交換装置としては、例えば、以下の特許文献1に記載の技術がある。
実開昭64−1830号公報
近年は、工作機械の稼働率を上げるために、上述した自動工具交換装置による交換速度も高速になっている。しかしながら、交換速度が上がると、交換用アーム106の回転(旋回)や昇降のタイミングと、工具110Aや110Bを受けるスピンドル側でのクランプ・アンクランプ状態のタイミングとのずれ等により、内部の構造部品に過負荷がかかって破損し、使用不可能になることが多い。例えば、スピンドル側で工具をクランプした状態のまま工具を引き抜いたり、逆に、受け入れ状態(アンクランプ状態)になっていないスピンドル側に工具を挿入したりするような場合に、シフトリング120とカムフォロア144の間に軸方向の過負荷がかかってしまい、破損の原因となる。
本考案は、以上の点に着目したもので、その目的は、自動工具交換装置において、出力軸の軸方向に過負荷がかかった場合でも、内部構造部品の破損を防止することができる過負荷吸収構造を提供することである。
前記目的を達成するため、本考案は、工具の保持部を有する交換用アームを一端側に備えた出力軸と、該出力軸を回転させる回転手段と、前記出力軸を軸方向に往復移動させる往復移動手段とを備えた自動工具交換装置の過負荷吸収構造であって、前記出力軸の軸方向に分割可能な一対の分割体よりなり、前記出力軸の外周面の係合部と固定手段との間に装着されるとともに、前記往復移動手段の一部と係合して前記出力軸を軸方向に往復させるための溝が全周に形成されたリング体,前記係合部と、前記分割体の一方との間に配置される第1の付勢手段,前記分割体の他方と、前記固定手段との間に配置される第2の付勢手段,を備えるとともに、前記分割体が、前記第1又は第2の付勢手段の形状変化に応じて、前記出力軸の外周面上を、軸方向に移動可能であることを特徴とする。
主要な形態の一つは、前記一対の分割体の間に設けられており、該分割体に初期荷重を付与する初期荷重付与手段,を備えたことを特徴とする。
他の考案は、工具の保持部を有する交換用アームを一端側に備えた出力軸と、該出力軸を回転させる第1のカム機構と、前記出力軸を軸方向に往復移動させる第2のカム機構とを備えた自動工具交換装置の過負荷吸収構造であって、前記出力軸の軸方向に分割可能な一対の分割体よりなり、前記出力軸の外周面の係合部と固定用の第1のナット手段との間に装着されるとともに、前記第2のカム機構の一部と係合して前記出力軸を軸方向に往復させるための溝が全周に形成されたリング体,前記係合部と、前記分割体の一方との間に配置される第1の付勢手段,前記分割体の他方と、前記第1のナット手段との間に配置される第2の付勢手段,前記一対の分割体の間に設けられており、該分割体に初期荷重を付与する第2のナット手段,を備えており、前記第1及び第2の付勢手段の形状変化に応じて、前記分割体が、前記出力軸の外周面上を、軸方向に移動可能であることを特徴とする。本考案の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
本考案は、自動工具交換装置において、出力軸に装着されるリング体を軸方向に分割し、一方の分割体と出力軸の係合部との間に第1の付勢手段を配置し、他方の分割体と固定手段との間に第2の付勢手段を配置し、プリロードを加えた状態で使用する。これにより、クランプ/アンクランプ状態のタイミングのずれ等によって出力軸の軸方向に所定の値以上に負荷がかかった場合でも、第1又は第2の付勢手段の形状変化に応じて分割体が軸方向にスライドするため、衝撃が吸収されて内部構造部品の破損の回避が可能となる。また、分割体同士の間に、初期荷重付与手段を設けることにより、両側からのバネ力(付勢力)による不安定領域をなくすことができるとともに、2方向の荷重・ストロークを各々異なった値で設定することも可能となる。
以下、本考案を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
最初に、図1〜図4を参照しながら、本考案の実施例1を説明する。図1(A)は、本実施例の自動工具交換装置の全体構造を示す斜視図,図1(B)は、前記(A)を#A−#A線に沿って切断し矢印方向に見た断面図である。図2は、本実施例の過負荷吸収構造を示す分解斜視図である。図3は、前記過負荷保護構造の断面図であり、(A)は過負荷がかからない状態を示す図,(B)及び(C)は過負荷がかかった状態を示す図,(D)及び(E)は他の例を示す図である。図4は、本実施例の作用を示す図,図5は、工具交換時の抜き差し状態例を示す断面図である。
図1及び図2に示すように、自動工具交換装置10は、本体ケース12内に回転可能かつ昇降可能に支持されるとともに、底面の貫通部12Aを貫通する出力軸14を備えており、該出力軸14の先端(図示の例では下端側)には、工具ホルダ70や70Aを保持する保持部18A及び18Bが両端側に形成された交換用アーム16が固定されている。前記工具ホルダ70は、シャンク72に対してチャック75が着脱可能となっており、該チャック75に任意の工具(ドリルなど)76が取り付けられて利用される。前記シャンク72には、前記交換用アーム16の保持部18A及び18Bと係合する溝74が全周に形成されており、前記保持部18A及び18Bを工具ホルダ70の溝74に対して水平方向から当接させることにより、工具ホルダ70を保持したまま回転や昇降が可能となっている。他の工具ホルダ70Aの構造は、基本的には、前記工具ホルダ70と同様である。
図1(B)及び図3に示すように、前記出力軸14には、全周にわたって溝40が形成されたシフトリング32が、該出力軸14に形成された段差14Aの近傍に装着され、調整ナット46により固定されている。前記シフトリング32は、図2及び図3に示すように、出力軸14の軸方向に二つに分割可能となっている。一方の分割体32Aと前記段差14Aの間には、該段差14Aに係合する一対の皿バネ42A及び42Bが設けられており、他方の分割体32Bと前記調整ナット46の間には、他の一対の皿バネ44A及び44Bが設けられている。更に、前記分割体32A及び32Bの間には、初期荷重を付与して過負荷の値を設定するためのロックナット34が設けられている。該ロックナット34には、外周面から前記出力軸14に当接するように、該出力軸14と略直交する方向から固定用のボルト36が螺合されている。前記調整ナット46についても同様に、外周面から出力軸14に当接するように、固定用のボルト48が螺合されている。前記ロックナット34及び調整ナット46の周面には、これらを回転させための溝35及び47が適宜間隔で設けられている。なお、前記出力軸14の外周面には、前記ロックナット34や調整ナット46が装着される部分にネジ山14Bが形成されている。
このような構成のシフトリング32の溝40には、後述するように、前記出力軸14を軸方向に往復移動させるためのカム機構のカムフォロア64の一部が収容ないし係合可能となっている。そして、該カムフォロア64によって軸方向に過負荷がかかった場合に、負荷のかかった方向に応じて、図3(B)又は(C)に示すように、前記皿バネ42A及び42B,あるいは、皿バネ44A及び44B側のいずれかが圧縮され、分割体32A又は32Bを軸方向に移動させることが可能となる。前記皿バネ42A,42B,44A,44Bは、例えば、100キロ以上の負荷がかかった場合に圧縮されるようにするなど、通常の運転時には圧縮されず、所定の値以上の負荷がかかった場合のみ圧縮されるものが利用される。このように分割体32A又は32Bを移動可能とすることにより、シフトリング32にかかる過負荷を軸方向に吸収させ、破損などを防止することができる。移動した分割体32A又は32Bは、皿バネ42A,42B,44A,44Bの形状の復元に応じて元に戻るが、この際に、これら分割体32A及び32Bの間に、ロックナット34が設けられているため、位置がずれることなく、所定の位置に戻ることができる。また、前記出力軸14の上端側外周部には、タレット26と、該タレット26の外周面に一定間隔で複数突設されたカムフォロア24が設けられている。
更に、前記本体ケース12内には、外周縁に多数の歯が形成されたウォームホイール50,該ウォームホイール50の裏面に設けられており、前記カムフォロア24と係合する溝を備えたローラギヤカム(図示せず),前記ウォームホイール50の歯と係合するウォームギヤ56を備えた入力軸54が設けられている。前記入力軸54の先端(図示の例では上端)は、本体ケース12の上方に設けられた回転モータ58の回転軸に接続されている。また、前記ウォームホイール50の側端面には、レバー60に設けられたカムフォロア62を収納するカム溝52が形成されている。なお、前記レバー60の先端に設けられた他のカムフォロア64は、前記シフトリング32の溝40に少なくとも一部が収納ないし係合可能となっている。そして、前記回転モータ58を駆動すると、入力軸54,ウォームギヤ56を介して、ウォームホイール50とともに図示しないローラギヤカムが回転する。すると、ローラギヤカムと係合するカムフォロア24によって出力軸14が間欠回転し、ウォームホイール50の回転にともなって支点61を回転中心として揺動するレバー60のカムフォロア64とシフトリング32の溝40との係合によって、出力軸14が軸方向に往復移動する。このようなカム機構を利用した出力軸14の回転(ないし旋回)運動及び往復移動の機構については公知技術である。
以上のような構成の自動工具交換装置10の交換用アーム106の近傍には、該交換用アーム106を挟んだ位置に、工具ホルダ70をクランプして回転させるスピンドル(主軸)20と、交換用の工具ホルダ70Aを保持する工具マガジン(図示せず)が配置される。本実施例では、図1に示すように、図面の手前がスピンドル20側、奥が図示しない工具マガジン側となっている。なお、工具マガジンには、前記交換用の工具ホルダ70Aのほか、多数の工具ホルダ(図示せず)が保持されている。図5に示すように、前記スピンドル20に設けられたテーパ孔21の内側には、抜き差しされる工具ホルダ70(ないし70A)のシャンク72の先端に設けられたプルスタッド78をクランプする把持部22が設けられている。
次に、図3〜図5も参照しながら、本実施例の作用を説明する。まず、図4(A-1)及び(A-2)に示すように、工具ホルダ70(工具76)の使用中は、交換用アーム16は、スピンドル20側にクランプされた工具ホルダ70と係合しない位置にある。そして、前記交換用アーム16を挟んで前記工具ホルダ70と対向する位置PAに、交換用工具ホルダ70Aが、図示しない工具マガジンから移送され、工具ホルダ70と70Aが交換可能な状態となる。次に、回転モータ58の駆動によってカムフォロア24が作動し、出力軸14が図4(A-2)に矢印F4aで示す方向に約90°回転して、保持部18A,18Bのそれぞれに工具ホルダ70及び70Aが保持される。更に、レバー60の作動によって、出力軸14が図4(B-1)に矢印で示すように下降すると、図4(B-2)に示すように交換用アーム16に保持されたままの工具ホルダ70が、スピンドル20から抜き取られる。
そして、完全に工具ホルダ70が抜き取られたら、図4(C-1)及び(C-2)に示すように引き続き矢印F4a方向に回転し、図4(D-1)及び(D-2)で示すように、交換用工具ホルダ70Aをスピンドル20側へ移送する。交換用工具ホルダ70Aが、交換可能な所定の位置まで送られてきたら、図4(E-1)に示すように出力軸14が上昇し、交換用工具ホルダ70Aがスピンドル20に差し込まれる。交換用工具ホルダ70Aが完全に差し込まれたら、図4(E-2)に示すように、交換用アーム16が図に矢印F4bで示す方向,すなわち、図4(A)〜(D)までの回転方向と反転する方向に約90°回転し、図4(F-1)及び(F-2)で示す待機位置に戻る。そして、取り外された工具ホルダ70の代わりに、他の図示しない交換用工具ホルダが、次回の交換に備えて所定の待機位置PAに移送される。
以上のような交換過程において、スピンドル20側では、テーパ孔21に差し込まれる工具ホルダ70の先端に設けられたプルスタッド78を、前記テーパ21内に設けられた把持部22でクランプ・アンクランプしている。ところで、工具ホルダ70の交換に要する時間は、例えば、0.8秒程度と非常に高速である。このため、わずかでも、抜き差しのタイミングがずれると、出力軸14に設けられたシフトリング32と、カム機構のレバー60の先端のカムフォロア64との間に過負荷がかかることになる。特に、上述した背景技術のように、シフトリングを一体物として形成してしまうと、シフトリングにかかる衝撃は非常に大きなものとなり、破損の原因となる。しかしながら、本実施例では、シフトリング32を出力軸14の軸方向に2分割する構成とし、更に、皿バネ42A,42B,44A,44Bを設けているため、シフトリング32にかかる衝撃を軸方向に吸収させることができる。
より具体的に説明すると、工具ホルダ70(ないし70A)をスピンドル20側から引き抜く際(図4(B-1)及び(B-2)参照)、タイミングがずれると、図5(A)に示すように、工具ホルダ70をクランプしたまま引き抜くことになり、レバー60のカムフォロア64によって、シフトリング32の上側の分割体32Bに過負荷がかかる。この場合、本実施例では、図3(B)に示すように、皿バネ44A及び44Bが出力軸14の軸方向に圧縮され、分割体32B自体が軸方向上側に移動する。すなわち、分割体32Bとロックナット34の間に隙間が生じるようになり、過負荷が吸収される。一方、工具ホルダ70(70A)をスピンドル20側へ差し込む際(図4(E-1)及び(E-2)参照)、タイミングがずれると、図5(B)に示すように、スピンドル20側の把持部22が受け入れ状態ではないまま,すなわち、把持部22がクランプ状態のところに、工具ホルダ70(70A)を差し込むことになり、レバー60のカムフォロア64によって、シフトリング32の下側の分割体32Aに過負荷がかかる。このような場合でも、本実施例によれば、図3(C)に示すように、皿バネ42A及び42Bが出力軸14の軸方向に圧縮され、分割体32A自体が軸方向下側に移動する。すなわち、分割体32Aとロックナット34の間に隙間が生じることになり、過負荷が吸収される。
前記図3(B)又は図3(C)の状態にある分割体32A又は32Bは、工具ホルダ70ないし70Aが正常なクランプ状態・アンクランプ状態になると、皿バネ42A,42B,44A,44Bの形状復元に応じて元の位置に戻る。この際、前記分割体32A及び32Bの間に、初期荷重を付与するためのロックナット34を設けているため、分割体32A及び32Bは、自動的に過負荷がかからない場合の最適な位置に戻る。
このように、実施例1によれば、次のような効果がある。
(1)自動工具交換装置10において、出力軸14に装着されるシフトリング32を前記出力軸14の軸方向に分割し、一方の分割体32Aと出力軸14の段差14Aとの間に一対の皿バネ42A及び42Bを配置し、他方の分割体32Bと調整ナット46との間に他の一対の皿バネ44A及び44Bを配置し、プリロードを加えた状態で使用する。これにより、クランプ/アンクランプ状態のタイミングのずれ等によって、出力軸14の軸方向に過負荷がかかった場合でも、シフトリング32の両側で衝撃が吸収され、内部の構造部品の破損の回避が可能となる。
(2)前記分割体32A及び32Bの間に、初期荷重を付与するためのロックナット34を設けることとしたので、シフトリング32の位置決めを行って両側からのバネ力(付勢力)による不安定領域を解消するとともに、2方向の荷重・ストロークを各々異なった値で設定することが可能となる。
(1)自動工具交換装置10において、出力軸14に装着されるシフトリング32を前記出力軸14の軸方向に分割し、一方の分割体32Aと出力軸14の段差14Aとの間に一対の皿バネ42A及び42Bを配置し、他方の分割体32Bと調整ナット46との間に他の一対の皿バネ44A及び44Bを配置し、プリロードを加えた状態で使用する。これにより、クランプ/アンクランプ状態のタイミングのずれ等によって、出力軸14の軸方向に過負荷がかかった場合でも、シフトリング32の両側で衝撃が吸収され、内部の構造部品の破損の回避が可能となる。
(2)前記分割体32A及び32Bの間に、初期荷重を付与するためのロックナット34を設けることとしたので、シフトリング32の位置決めを行って両側からのバネ力(付勢力)による不安定領域を解消するとともに、2方向の荷重・ストロークを各々異なった値で設定することが可能となる。
なお、本考案は、上述した実施例に限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例で示した形状・大きさは一例であり、必要に応じて適宜変更してよい。
(2)前記実施例では、シフトリング32の分割体32A及び32Bの両側に、それぞれ一対の皿バネ42A及び42Bと、44A及び44Bを設けることとしたが、これも一例であり、必要に応じて適宜増減してよい。例えば、図3(D)に示すように、両側に一つの皿バネ42Aと44Aのみを設けるようにしてもよいし、図3(E)に示すように、両側にそれぞれ3つずつの皿バネ42A〜42Cや44A〜44Cを設けるようにしてもよい。また、これら皿バネの圧縮によって分割体32Aや32Bがストローク可能となる領域も、必要に応じて適宜変更してよい。
(3)前記実施例では、出力軸14の段差14Aに皿バネ42A,42Bを係合させることとしたが、これも一例であり、段差14Aの代わりに、ナットを装着して、皿バネ42A,42Bを係合させるようにしてよい。
(4)前記実施例では、付勢手段として皿バネを利用することとしたが、他の公知の各種の付勢手段を利用することを妨げるものではない。例えば、コイルバネや硬質ウレタンなど、過負荷を吸収することができるものであれば、本考案の付勢手段として適用してよい。
(5)前記作用も一例であり、同様の効果を奏するように適宜変更してよい。
(6)前記工具ホルダ70,70Aに取り付けられる工具76も一例であり、公知の各種の工具が装着可能である。
(7)前記実施例に示す出力軸14の回転(旋回)機構および往復機構も一例であり、公知の各種の機構を適用してよい。
(1)前記実施例で示した形状・大きさは一例であり、必要に応じて適宜変更してよい。
(2)前記実施例では、シフトリング32の分割体32A及び32Bの両側に、それぞれ一対の皿バネ42A及び42Bと、44A及び44Bを設けることとしたが、これも一例であり、必要に応じて適宜増減してよい。例えば、図3(D)に示すように、両側に一つの皿バネ42Aと44Aのみを設けるようにしてもよいし、図3(E)に示すように、両側にそれぞれ3つずつの皿バネ42A〜42Cや44A〜44Cを設けるようにしてもよい。また、これら皿バネの圧縮によって分割体32Aや32Bがストローク可能となる領域も、必要に応じて適宜変更してよい。
(3)前記実施例では、出力軸14の段差14Aに皿バネ42A,42Bを係合させることとしたが、これも一例であり、段差14Aの代わりに、ナットを装着して、皿バネ42A,42Bを係合させるようにしてよい。
(4)前記実施例では、付勢手段として皿バネを利用することとしたが、他の公知の各種の付勢手段を利用することを妨げるものではない。例えば、コイルバネや硬質ウレタンなど、過負荷を吸収することができるものであれば、本考案の付勢手段として適用してよい。
(5)前記作用も一例であり、同様の効果を奏するように適宜変更してよい。
(6)前記工具ホルダ70,70Aに取り付けられる工具76も一例であり、公知の各種の工具が装着可能である。
(7)前記実施例に示す出力軸14の回転(旋回)機構および往復機構も一例であり、公知の各種の機構を適用してよい。
本考案によれば、回転および往復移動する出力軸に装着されるリング体を分割し、該分割したリング体の両側に設けた付勢手段によって、出力軸の軸方向にかかる過負荷を吸収することとしたので、自動工具交換装置の過負荷吸収構造の用途に適用できる。特に、高速で工具を交換する場合の過負荷吸収構造として好適である。
10:自動工具交換装置
12:本体ケース
12A:貫通部
14:出力軸
14A:段差
14B:ネジ山
16:交換用アーム
18A,18B:保持部
20:主軸
21:テーパ孔
22:クランプ
24:カムフォロア
26:タレット
30:過負荷保護機構
32:シフトリング
32A,32B:分割体
34:ロックナット
35:溝
36:ボルト
40:溝
42A〜42C,44A〜44C:皿バネ
46:調整ナット
47:溝
48:ボルト
50:ウォームホイール
52:カム溝
54:入力軸
56:ウォームギヤ
58:回転モータ
60:レバー
61:支点
62,64:カムフォロア
70,70A,70B:工具ホルダ
72:シャンク
74:溝
75:チャック
76:工具
78:プルスタッド
100:自動工具交換装置
102:ケース
104:出力軸
104A:段差
106:交換用アーム
108A,108B:保持部
110A,110B:工具ホルダ
112:タレット
114:カムフォロア
120:シフトリング
122:溝
124:ナット
130:ウォームホイール
132:カム溝
134:入力軸
136:ウォームギヤ
138:回転モータ
140:レバー
141:支点
142,144:カムフォロア
12:本体ケース
12A:貫通部
14:出力軸
14A:段差
14B:ネジ山
16:交換用アーム
18A,18B:保持部
20:主軸
21:テーパ孔
22:クランプ
24:カムフォロア
26:タレット
30:過負荷保護機構
32:シフトリング
32A,32B:分割体
34:ロックナット
35:溝
36:ボルト
40:溝
42A〜42C,44A〜44C:皿バネ
46:調整ナット
47:溝
48:ボルト
50:ウォームホイール
52:カム溝
54:入力軸
56:ウォームギヤ
58:回転モータ
60:レバー
61:支点
62,64:カムフォロア
70,70A,70B:工具ホルダ
72:シャンク
74:溝
75:チャック
76:工具
78:プルスタッド
100:自動工具交換装置
102:ケース
104:出力軸
104A:段差
106:交換用アーム
108A,108B:保持部
110A,110B:工具ホルダ
112:タレット
114:カムフォロア
120:シフトリング
122:溝
124:ナット
130:ウォームホイール
132:カム溝
134:入力軸
136:ウォームギヤ
138:回転モータ
140:レバー
141:支点
142,144:カムフォロア
Claims (3)
- 工具の保持部を有する交換用アームを一端側に備えた出力軸と、該出力軸を回転させる回転手段と、前記出力軸を軸方向に往復移動させる往復移動手段とを備えた自動工具交換装置の過負荷吸収構造であって、
前記出力軸の軸方向に分割可能な一対の分割体よりなり、前記出力軸の外周面の係合部と固定手段との間に装着されるとともに、前記往復移動手段の一部と係合して前記出力軸を軸方向に往復させるための溝が全周に形成されたリング体,
前記係合部と、前記分割体の一方との間に配置される第1の付勢手段,
前記分割体の他方と、前記固定手段との間に配置される第2の付勢手段,
を備えるとともに、
前記分割体が、前記第1又は第2の付勢手段の形状変化に応じて、前記出力軸の外周面上を、軸方向に移動可能であることを特徴とする自動工具交換装置の過負荷吸収構造。 - 前記一対の分割体の間に設けられており、該分割体に初期荷重を付与する初期荷重付与手段,
を備えたことを特徴とする請求項1記載の自動工具交換装置の過負荷吸収構造。 - 工具の保持部を有する交換用アームを一端側に備えた出力軸と、該出力軸を回転させる第1のカム機構と、前記出力軸を軸方向に往復移動させる第2のカム機構とを備えた自動工具交換装置の過負荷吸収構造であって、
前記出力軸の軸方向に分割可能な一対の分割体よりなり、前記出力軸の外周面の係合部と固定用の第1のナット手段との間に装着されるとともに、前記第2のカム機構の一部と係合して前記出力軸を軸方向に往復させるための溝が全周に形成されたリング体,
前記係合部と、前記分割体の一方との間に配置される第1の付勢手段,
前記分割体の他方と、前記第1のナット手段との間に配置される第2の付勢手段,
前記一対の分割体の間に設けられており、該分割体に初期荷重を付与する第2のナット手段,
を備えており、
前記第1及び第2の付勢手段の形状変化に応じて、前記分割体が、前記出力軸の外周面上を、軸方向に移動可能であることを特徴とする自動工具交換装置の過負荷吸収構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004006906U JP3108972U (ja) | 2004-11-25 | 2004-11-25 | 自動工具交換装置の過負荷吸収構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004006906U JP3108972U (ja) | 2004-11-25 | 2004-11-25 | 自動工具交換装置の過負荷吸収構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3108972U true JP3108972U (ja) | 2005-04-28 |
Family
ID=43271628
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004006906U Expired - Lifetime JP3108972U (ja) | 2004-11-25 | 2004-11-25 | 自動工具交換装置の過負荷吸収構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3108972U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016020022A (ja) * | 2014-07-15 | 2016-02-04 | イノサーブ エフエー インク.Innoserv Fa Inc. | 工具機のサーボ駆動アンクランプシステム |
CN111590098A (zh) * | 2020-06-23 | 2020-08-28 | 常州亘源数控设备有限公司 | 全电力矩伺服刀塔 |
-
2004
- 2004-11-25 JP JP2004006906U patent/JP3108972U/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016020022A (ja) * | 2014-07-15 | 2016-02-04 | イノサーブ エフエー インク.Innoserv Fa Inc. | 工具機のサーボ駆動アンクランプシステム |
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