JP3107639B2 - アセチルアミノメチルシクロヘキサンカルボン酸エステルアミドヒドロラーゼおよびその製造方法 - Google Patents

アセチルアミノメチルシクロヘキサンカルボン酸エステルアミドヒドロラーゼおよびその製造方法

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JP3107639B2
JP3107639B2 JP04077577A JP7757792A JP3107639B2 JP 3107639 B2 JP3107639 B2 JP 3107639B2 JP 04077577 A JP04077577 A JP 04077577A JP 7757792 A JP7757792 A JP 7757792A JP 3107639 B2 JP3107639 B2 JP 3107639B2
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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアセチルアミノメチルシ
クロヘキサンカルボン酸エステルアミドヒドロラーゼに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】アセチルアミノメチルシクロヘキサンカ
ルボン酸エステルアミドヒドロラーゼは、アセチルアミ
ノメチルシクロヘキサンカルボン酸(カルボキシエチ
ル)フェニルエステル(以下Ac−CCPエステルと略
称する)を加水分解して、アミノメチルシクロヘキサン
カルボン酸(カルボキシエチル)フェニルエステル(以
下CCPエステルと略称する)を生成する酵素である。
【0003】従来、Ac−CCPエステルに作用するア
ミド ヒドロラーゼに関する知見はほとんどなく、工業
的に利用できる技術が確立されていない。またAc−C
CPエステルからCCPエステルを有機化学的に得よう
とする際には、Ac−CCPエステルのエステル部分が
加水分解され、分離精製が煩雑である上、収率が低いと
いう問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】上記の背景から、A
c−CCPエステルに作用しCCPエステルを生成する
酵素、 アセチルアミノメチルシクロヘキサンカルボン
酸エステルアミドヒドロラーゼを見い出すことが望まれ
ていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる従
来の欠点を解決すべく鋭意研究した結果、Ac−CCP
エステルに作用しCCPエステルを生成する酵素、アセ
チルアミノメチルシクロヘキサンカルボン酸エステルア
ミドヒドロラーゼを微生物中に見出し、かつまたアルカ
リゲネス属、シュードモナス属、フザリウム属またはキ
ャディダ属に属する微生物がアセチルアミノメチルシク
ロヘキサンカルボン酸エステルアミドヒドロラーゼを多
く産生することを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0006】即ち、本発明は以下の理化学的性質を有す
るアセチルアミノメチルシクロヘキサンカルボン酸エス
テルアミドヒドロラーゼを提供するものであり、他の発
明は、アルカリゲネス属、シュードモナス属、フザリウ
ム属またはキャンディダ属に属し、アセチルアミノメチ
ルシクロヘキサンカルボン酸エステルアミドヒドロラー
ゼ生産能を有する微生物を培養し、培養物からアセチル
アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸エステルアミド
ヒドロラーゼを採取することを特徴とする、該理化学的
性質を有するアセチルアミノメチルシクロヘキサンカル
ボン酸エステルアミドヒドロラーゼの製造方法である。
【0007】本発明のアセチルアミノメチルシクロヘキ
サンカルボン酸エステルアミドヒドロラーゼは、以下の
理化学的性質を有する。
【0008】(1)作用 Ac−CCPエステルに作用して、アミド結合を加水分
解し、CCPエステルを生成する。
【0009】(2)基質特異性:トランス−4−アセチ
ルアミノメチルシクロヘキサンカルボン酸−4’−
(2”−カルボキシエチル)フェニルエステル(以下A
c−AMCCPエステルと略称する)、アセチルプトレ
ッシン等に作用する。
【0010】(3)至適pH: pH 8.5〜10.0 (4)pH安定性:30℃で1時間保存した時、pH
6.0〜10.0において90%以上の残存活性を有す
る。(5)分子量:115,000±5,000(ゲル濾過
法で測定)
【0011】また、本発明のアセチルアミノメチルシク
ロヘキサンカルボン酸エステルアミドヒドロラーゼが有
するその他の理化学的性質は以下の通りである。
【0012】1.至適温度:pH 9.5、30分間の
反応において、55〜60℃である。
【0013】2.温度安定性:pH 9.5、1時間の
処理条件下において、40℃までの温度で90%以上の
残存活性を有する。
【0014】本発明におけるアセチルアミノメチルシク
ロヘキサンカルボン酸エステルアミドヒドロラーゼの酵
素活性測定方法及び酵素活性の表示方法は以下の通りで
ある。
【0015】(活性測定法)10mMのAc−AMCC
Pエステルを含む0.1Mリン酸緩衝液(pH7.5)
50μLとアセチルアミノメチルシクロヘキサンカルボ
ン酸エステルアミドヒドロラーゼを含有する被検体50
μLを混合し、37℃で1時間反応させた後、10%ト
リクロロ酢酸50μL加え0℃下で15分間放置し、次
いで1Mリン酸水素二ナトリウム50μL、水200μ
Lを加える。この溶液に下記試薬(a)および(b)を
それぞれ300μLずつ加えて混合し、100℃で15
分間反応させ、冷却した後さらに試薬(c)を1mL加
えて混合し、570nmの吸光度を測定する。予めトラ
ンス−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸−
4’−(2”−カルボキシエチル)フェニルエステル
(以下AMCCPエステルと略称する)を用いて作成し
た検量線より、生成したAMCCPエステルを定量し、
酵素活性を算出する。
【0016】(試薬) (a) 10mMシアン化カリウムおよび4M酢酸緩衝
液(pH5.1)の1:50混合液 (b) 3%ニンヒドリンのメトキシエタノール溶液 (c) 50%2−プロパノール水溶液 酵素活性値は1分間当り1μmoleのAMCCPエス
テルを生成させる酵素量を1ユニット(μmole/m
in)として表示する。
【0017】本発明で使用するAc−CCPエステルま
たはその塩は、一般式(I)で示される化合物である。
【0018】
【化1】
【0019】(式中Mは水素原子、アンモニウム基また
は金属原子である) 上記一般式(I)中Mで示される金属原子は、Ac−C
CPエステルの塩を形成する金属原子が特に限定されず
選びうるが、特にナトリウム、カリウム等のアルカリ金
属の原子が好適である。
【0020】本発明のアセチルアミノメチルシクロヘキ
サンカルボン酸エステルアミドヒドロラーゼは、該アセ
チルアミノメチルシクロヘキサンカルボン酸エステルア
ミドヒドロラーゼの生産能のある微生物の培養物から採
取することができる。 その微生物としては、アルカリ
ゲネス属、シュードモナス属、フザリウム属またはキャ
ンディダ属に属し、アセチルアミノメチルシクロヘキサ
ンカルボン酸エステルアミドヒドロラーゼの生産能を有
するものであれば既存の菌株、自然界から新たに分離さ
れた菌株、およびこれらの変異株のいずれでも使用する
ことができる。さらに、これらのアルカリゲネス属、シ
ュードモナス属、フザリウム属またはキャンディダ属に
属し、アセチルアミノメチルシクロヘキサンカルボン酸
エステルアミドヒドロラーゼの生産能を有する微生物か
らアセチルアミノメチルシクロヘキサンカルボン酸エス
テルアミドヒドロラーゼをコードする遺伝子を単離し、
その遺伝子を同属あるいは他の属に属する微生物内にて
発現させるように導入して得られるアセチルアミノメチ
ルシクロヘキサンカルボン酸エステルアミドヒドロラー
ゼ生産菌も使用することができる。
【0021】本発明のアセチルアミノメチルシクロヘキ
サンカルボン酸エステルアミドヒドロラーゼの製造方法
は、アセチルアミノメチルシクロヘキサンカルボン酸エ
ステルアミドヒドロラーゼの生産能のあるアルカリゲネ
ス属、シュードモナス属、フザリウム属またはキャンデ
ィダ属に属する微生物の培養物からアセチルアミノメチ
ルシクロヘキサンカルボン酸エステルアミドヒドロラー
ゼを採取する方法であるが、アルカリゲネス属、シュー
ドモナス属、フザリウム属またはキャンディダ属に属す
る微生物の菌株としては、例えばアルカリゲネス・フェ
カリス(Alcaligenes faecalisI
FO 14479)、シュードモナス・ソラナシアルム
(Pseudomonas solanacearum
IFO 3509)、フザリウム・オキシスポラム
(Fusarium oxysporum IFO 7
190)、キャンディダ・ギラモンジ(Candida
guillermondii IFO0454 )等
が挙げられる。
【0022】上記の各微生物を培養するにあたって使用
する培地としては公知のものが使用される。例えばグル
コース、糖蜜、可溶性でんぷん等の炭素源、肉エキス、
酵母エキス、ポリペプトン等の窒素源、およびリン酸第
一カリウム、リン酸第二カリウム、塩化ナトリウム、硫
酸マグネシウム等の無機塩類を含有するものであれば特
に限定されないが、これらの成分の他にAc−CCPエ
ステルやアセチルプトレッシン等のアセトアミド化合物
を含有させることが該酵素の生産性を高める上において
有利である。
【0023】本発明のアセチルアミノメチルシクロヘキ
サンカルボン酸エステルアミドヒドロラーゼを生産する
生産菌を培養する際の培養条件としては、通気攪拌条件
下で培養温度が15〜40℃の範囲、好ましくは20〜
35℃の範囲で培養する方法が好適である。培養時のp
H条件は、pH5.0〜9.0の範囲で、好ましくはp
H6.0〜8.0の範囲が適当である。培養時間は、特
に限定されないが酵素の生産性等の経済性を考慮すると
増殖の後期に達する時間から休止状態に入ってから10
〜30時間以内の範囲が適当である。
【0024】培養によって得られた培養物から培養液と
菌体とを分離する方法としては、従来から行われている
遠心分離法や濾過等の方法が使用できるが、遠心分離法
が好適である。
【0025】本発明のアセチルアミノメチルシクロヘキ
サンカルボン酸エステルアミドヒドロラーゼの分離精製
は、次のようにして行うことができる。
【0026】菌体内に蓄積された該酵素を菌体から抽出
する方法としては、従来から行われている超音波による
菌体破砕、あるいはガラス・ビーズと共に回転させるダ
イノミル細胞破砕機による菌体破砕、またはリゾチーム
等の酵素やトルエン等の有機溶媒による細胞膜の破壊等
の方法が挙げられる。これらの中から適当な方法を選択
して菌体から酵素の抽出を行うことにより、酵素を採取
することができる。
【0027】これらの方法で抽出された粗酵素液からア
セチルアミノメチルシクロヘキサンカルボン酸エステル
アミドヒドロラーゼをさらに精製する必要がある場合に
は、通常実施されている一般的な酵素の精製手段である
硫酸アンモニウム沈澱法、イオン交換カラムクロマトグ
ラフィー法、ゲル濾過法、ヒドロキシアパタイトカラム
クロマトグラフィー法、アフィニティーカラムクロマト
グラフィー法、調製用電気泳動法等の方法を適宜組み合
わせるか、あるいは繰り返すことによって精製を行うこ
とができる。
【0028】
【効果】本発明のアセチルアミノメチルシクロヘキサン
カルボン酸エステルアミドヒドロラーゼは、Ac−CC
Pエステルに作用して、CCPエステルを生成する。従
って本発明のアセチルアミノメチルシクロヘキサンカル
ボン酸エステルアミドヒドロラーゼを用いることによ
り、胃炎、胃潰瘍治療剤および抗プラスミン剤としてす
ぐれた作用を有するトランス−4−アミノメチルシクロ
ヘキサンカルボン酸−4′−(2″−カルボキシエチ
ル)フェニルエステルおよびその塩の製造を、トランス
−4−アセチルアミノメチルシクロヘキサンカルボン酸
−4′−(2″−カルボキシエチル)フェニルエステル
またはその塩を原料として、生化学的方法により温和な
条件で行うことができる。
【0029】本発明のアセチルアミノメチルシクロヘキ
サンカルボン酸エステルアミドヒドロラーゼは、アセチ
ルポリアミンに作用してポリアミンを生成するため、ア
セチルポリアミンの遊離化および定量に利用できる。
【0030】また本発明は、アルカリゲネス属、シュー
ドモナス属、フザリウム属またはキャンディダ属に属
し、アセチルアミノメチルシクロヘキサンカルボン酸エ
ステルアミドヒドロラーゼ生産能を有する微生物を培養
し、その培養物からアセチルアミノメチルシクロヘキサ
ンカルボン酸エステルアミドヒドロラーゼを採取するこ
とを特徴とするアセチルアミノメチルシクロヘキサンカ
ルボン酸エステルアミドヒドロラーゼの製造方法であ
る。本発明により、Ac−CCPエステルに作用するア
ミドヒドロラーゼを工業的に製造できる技術を提供す
る。
【0031】以下、実施例により本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【0032】
【実施例】
実施例1 0.5%ポリペプトン、0.01%酵母エキス、0.3
%ジアセチルプトレッシン、0.1%食塩、0.05%
リン酸第一カリウム、0.15%リン酸第二カリウム、
0.02%消泡剤から成る培地(pH7.0)0.5
Lを2Lの三角フラスコに入れ、120℃で20分間オ
ートクレーブした後、28℃以下でこの培地にシュード
モナス・ソラナシアルム(Pseudomonas s
olanacearum IFO 3509)を植菌し
た。28℃で48時間振とう培養を行った後この培養液
を、予め上記と同様の組成を有する培地20Lを仕込み
減菌しておいたジャー・ファーメンターに加えて本培養
を行った。培養条件は28℃、攪拌回転数100rp
m、通気20L/minで、48時間培養の後、培養液
を遠心分離にかけて菌体を採取した。得られた菌体の8
0g(湿菌体重量)を10mMリン酸緩衝液(pH7.
5)800mLに懸濁し、その懸濁液を超音波破砕機に
より菌体破砕を行った。その破砕液を遠心分離機を使用
して遠心分離し、上清液を得た。この上清液中のアセチ
ルアミノメチルシクロヘキサンカルボン酸エステルアミ
ドヒドロラーゼの総活性は320ユニット、比活性は
0.028ユニット/mg−タンパクであった。
【0033】この上清液を、予め10mMのリン酸緩衝
液(pH7.5)で平衡化した1.2Lのジエチルアミ
ノエチルーセルロース(以下DEAE−セルロースと略
記する)のカラムに通し酵素を吸着させた。カラムを同
様のリン酸緩衝液で洗浄した後、食塩の直線濃度勾配に
よりアセチルアミノメチルシクロヘキサンカルボン酸エ
ステルアミドヒドロラーゼを溶出させた。 この溶出液
を、1.8LのセファクリルS−300(ファルマシア
社製)を充填したカラムに通し、ゲル濾過を行い活性画
分を集めた。
【0034】この溶出液を、再度50mLのDEAE−
セルロースのカラムに通し吸着させ、食塩の直線濃度勾
配により、アセチルアミノメチルシクロヘキサンカルボ
ン酸エステルアミドヒドロラーゼを溶出させた。 この
溶出液を、21.5mmx600mmのTSK−250
(高速液体クロマトグラフィー以下(HPLCと略記す
る)用、東ソー社製)のカラムを通してゲル濾過を行
い、活性画分を集めた。さらに7.5mmx100mm
のトーネン フルオロアパタイト(HPLC用、東燃社
製)カラムを通して活性画分を集め、透析により脱塩し
限外濾過により濃縮した。この様ににして得られた酵素
の総活性は、17.2ユニット、比活性は19.9ユニ
ット/mg−タンパクで、得られた酵素の純度をドデシ
ル硫酸ナトリウム存在下、および非存在下でのポリアク
リルアミドゲル電気泳動によって調べた結果、両者共に
一本のバンドのみが観察され、純粋なアセチルアミノメ
チルシクロヘキサンカルボン酸エステルアミドヒドロラ
ーゼであることが確認された。
【0035】次に、こうして得られた精製酵素を10m
Mリン酸緩衝液(pH7.5)により適当に希釈して調
整した酵素標品を用いて本酵素の、基質特異性、至適p
H、pH安定性、至適温度および温度安定性を調べた。
【0036】(基質特異性)酵素標品5μLを含んだ
0.1Mグリシン−水酸化ナトリウム緩衝液(pH9.
5)0.1mL(基質が、アセチルグリシン、アセチル
−L−グルタミン酸、Nα−アセチル−L−リジン、N
ε−アセチル−L−リジンの場合は0.1M炭酸緩衝液
を使用)と表1に示した各基質の10mM水溶液0.1
mLを混合し、30゜Cで30分間反応させた。20%
トリクロロ酢酸0.1mLを添加して反応を停止させた
後、1Mリン酸水素二ナトリウム0.2mL、水0.3
mLを加えて中和した。この溶液中の生成物をHPLC
により定量し、酵素活性を算出した。これらの基質に対
する作用の強さを、それぞれAc−AMCCPエステル
に対する作用を100%とした相対活性値として表1に
示す。
【0037】
【表1】
【0038】(至適pH)10mMAc−AMCCPエス
テル溶液0.1mL、酵素標品0.05mLおよび0.
2Mの各種緩衝液(pH5.5、6.0、6.6:クエ
ン酸緩衝液、pH6.1、7.1、8.0:リン酸緩衝
液、pH7.6、8.2、8.7、9.2:トリス塩緩
衝液、pH8.4、8.8、9.3、9.7、10.
5、12.2、12.9:グリシン−水酸化ナトリウム
緩衝液)0.05mLを混合し、30℃で30分間反応
させた。20%トリクロロ酢酸0.1mLを添加して反
応を停止させた後、1Mリン酸水素二ナトリウム0.2
mL、水0.3mLを加えて中和した。この溶液中の生
成AMCCPエステルをHPLCにより定量し、酵素活
性を算出した。以上の操作の後、最高の酵素活性値を1
00%とした相対活性を算出し、表2に示した。表2よ
り、本酵素の至適pHは8.5〜10.0の範囲にある
ことがわかる。
【0039】
【表2】
【0040】(pH 安定性)0.1Mの各種緩衝液(p
H4.5、5.0、5.5、6.0、6.6:クエン酸
緩衝液、pH6.1、6.6、7.1、8.0:リン酸
緩衝液、pH7.6、8.2、8.7、9.2:トリイ
塩緩衝液、pH8.4、8.8、9.3、9.9、1
0.5、12.2、12.9:グリシン−水酸化ナトリ
ウム緩衝液)0.1mLと酵素標品0.1mLを混合
し、30℃で1時間放置した後、各溶液0.05mLと
0.1Mグリシン−水酸化ナトリウム緩衝液(pH9.
5)0.45mLを混合した。この酵素溶液0.1mL
とAc−AMCCPエステル溶液0.1mLを混合し
て、30℃で30分間反応させた。20%トリクロロ酢
酸0.1mLを添加して反応を停止させた後、1Mリン
酸水素二ナトリウム0.2mL、水0.3mLを加えて
中和した。この溶液中の生成AMCCPエステルをHP
LCにより定量し、酵素活性を算出した。以上の操作の
後、最高の酵素活性値を100%とした相対活性を算出
し、表3に示した。。表3より、本酵素はpH5.5〜
10.2の範囲において90%以上の残存活性を有して
いる。
【0041】
【表3】
【0042】(至適温度)10mMAc−AMCCPエ
ステル溶液0.1mL、酵素標品0.05mLおよび
0.2mMグリシン−水酸化ナトリウム緩衝液(pH
9.5)0.05mLを混合し、21、30、37、4
0、43、47、50、55、60、65、70、7
5、80、85゜Cの各温度で30分間反応させた。各
反応溶液に20%トリクロロ酢酸0.1mLを添加して
反応を停止させた後、1Mリン酸水素二ナトリウム0.
2mL、水0.3mLを加えて中和した。この溶液中の
生成AMCCPエステルをHPLCにより定量し、酵素
活性を算出した。以上の操作の後、最高の酵素活性値を
100%とした相対活性を算出し、表4に示す。表4よ
り、本酵素の至適温度は55〜60℃ の範囲にあるこ
とがわかる。
【0043】
【表4】
【0044】(温度安定性)酵素標品0.1mLと0.
1Mグリシン−水酸化ナトリウム緩衝液(pH9.5)
0.1mLを混合して、4、30、37、50、55、
60、65、70、77℃の各温度で1時間放置した。
この酵素溶液を0.1Mグリシン−水酸化ナトリウム緩
衝液(pH9.5)で10倍に希釈した希釈液0.1m
Lと10mMAc−AMCCPエステル溶液0.1mL
を混合し、30゜Cで30分間反応させた。各反応溶液
に20%トリクロロ酢酸0.1mLを添加して反応を停
止させた後、1Mリン酸水素二ナトリウム0.2mL、
水0.3mLを加えて中和した。この溶液中の生成AM
CCPエステルをHPLCにより定量し、酵素活性を算
出した。以上の操作の後、最高の酵素活性値を100%
とした相対活性を算出し、表5に示した。表5より、本
酵素は40℃までの温度において90%以上の残存活性
を有している。
【0045】
【表5】
【0046】実施例2〜4 0.5%ポリペプトン、0.02%酵母エキス、0.1
%食塩、0.4%ジアセチルプトレッシン、0.05%
リン酸第一カリウム、0.15%リン酸第二カリウムか
ら成る培地(pH7.0)各10mLを大型試験管に分
注し、120゜Cで15分間オートクレーブしたもの
に、表6に示す各種微生物を斜面培養から、一白金耳接
種した。28℃で48〜96時間振とう培養を行った
後、各培養液をを遠心分離機にかけて菌体を採取した。
得られた菌体を10mMリン酸緩衝液(pH7.5)5
mLに懸濁し、その懸濁液を超音波破砕機にかけて菌体
破砕を行った。その破砕液を遠心分離機により遠心分離
し、粗酵素抽出液を得た。各粗酵素抽出液0.125m
Lに、0.2Mリン酸緩衝液(pH7.5)0.125
mLおよび10mMAc−AMCCPエステル水溶液
0.25mLを加えて30℃で3時間反応させた。50
%トリクロロ酢酸0.05mLを添加して反応を停止さ
せた後、0.5M酢酸ナトリウム0.5mL、水0.4
5mLを加えて中和させた。この溶液中の生成AMCC
Pエステルを高速液体クロマトグラフィーにより定量し
た結果を表6に示した。表中の生成AMCCPエステル
は、30℃、3時間の反応で、0.125mLの粗酵素
抽出液の作用により生成したAMCCPエステル量であ
り、培地1mL当りの活性とは、粗酵素抽出液の酵素活
性を元の培養液1mL当りに換算したものである。
【0047】
【表6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12R 1:77 1:72) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 9/80 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の理化学的性質を有するアセチルア
    ミノメチルシクロヘキサンカルボン酸エステルアミドヒ
    ドロラーゼ (1)作用:アセチルアミノメチルシクロヘキサンカル
    ボン酸(カルボキシエチル)フェニルエステルを加水分
    解して、アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸(カル
    ボキシエチル)フェニルエステルを生成する。 (2)基質特異性:トランス−4−アセチルアミノメチ
    ルシクロヘキサンカルボン酸−4’−(2”−カルボキ
    シエチル)フェニルエステル、アセチルプトレッシン等
    に作用する。 (3)至適pH: pH 8.5〜10.0 (4)pH安定性:30℃で1時間保存した時、pH
    6.0〜10.0において90%以上の残存活性を有す
    る。(5)分子量:115,000±5,000(ゲル濾過
    法で測定)
  2. 【請求項2】 アルカリゲネス属、シュードモナス属、
    フザリウム属またはキャンディダ属に属し、アセチルア
    ミノメチルシクロヘキサンカルボン酸エステルアミドヒ
    ドロラーゼ生産能を有する微生物を培養し、培養物から
    アセチルアミノメチルシクロヘキサンカルボン酸エステ
    ルアミドヒドロラーゼを採取することを特徴とする、
    求項1に記載のアセチルアミノメチルシクロヘキサンカ
    ルボン酸エステルアミドヒドロラーゼの製造方法。
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