JP2868906B2 - ジアセチルポリアミンアミドヒドロラーゼ - Google Patents

ジアセチルポリアミンアミドヒドロラーゼ

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JP2868906B2 JP2414070A JP41407090A JP2868906B2 JP 2868906 B2 JP2868906 B2 JP 2868906B2 JP 2414070 A JP2414070 A JP 2414070A JP 41407090 A JP41407090 A JP 41407090A JP 2868906 B2 JP2868906 B2 JP 2868906B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はジアセチルポリアミンア
ミドヒドロラーゼに関するものである。本発明による酵
素、ジアセチルポリアミンアミドヒドロラーゼは、医農
薬合成中間体として有用なモノアセチルポリアミンの合
成や、生体試料中のジアセチルポリアミンの定量等に使
用される。
【0002】
【従来の技術】ジアセチルポリアミンアミドヒドロラー
ゼはジアセチルポリアミンを加水分解してモノアセチル
ポリアミンを生成する酵素で、例えば次の反応を触媒す
る。 ジアセチルプトレッシン + H2O → モノアセチルプトレッシン + CH3COOH 従来、ジアセチルポリアミンに作用するアミドヒドロラ
ーゼに関する知見はほとんどなく、工業的に利用できる
技術が確立されていない。また、ジアセチルポリアミン
から有機化学的にモノアセチルポリアミンを得ようとす
る際には、遊離ポリアミンが大量に副成し、分離精製操
作が煩雑である上、収率が低いという問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の背景から、ジア
セチルポリアミンに作用し、モノアセチルポリアミンを
生成する酵素、ジアセチルポリアミンアミドヒドロラー
ゼを見い出すことが望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決すべく鋭意研究した結果、ジアセチルポリアミ
ンに作用しモノアセチルポリアミンを生成する酵素、ジ
アセチルポリアミンアミドヒドロラーゼを、微生物中に
見出し本発明を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明は以下の理化学的性質を有す
るジアセチルポリアミンアミドヒドロラーゼを提供する
ものである。 (1)作用 ジアセチルポリアミンに作用して、アミド結合を加水分
解し、モノアセチルポリアミンを生成する。反応式を例
示すると次の通りである。 CH3CO-NH-(CH2)4-NH-COCH3 + H2O → シ゛アセチルフ゜トレッシン CH3CO-NH-(CH2)4-NH2 + CH3COOH モノアセチルフ゜トレッシン (2)基質特異性 ジアセチル-1,2-ジアミノエタン、ジアセチルプトレッ
シン、ジアセチルカダベリン等ジアセチルポリアミンに
対して作用する。これらのジアセチルポリアミンに対す
る作用の強さを、それぞれジアセチルプトレッシンに対
する作用を100とした相対活性値で表1に示す。
【0006】
【0007】(3)至適pH : pH 7.0〜8.0 (図1に示
す) (4)pH安定性 : 30℃で30分間保存したとき、pH 5.5
〜11.3において90%以上の残存活性を有する。(図2に
示す)
【0008】(5)至適温度:pH7.5、15分間の反応に
おいて37〜42℃である。(図3に示す) (6)温度安定性:pH7.5、30分間の処理条件下におい
て、32℃までの温度で90%以上の残存活性を有する。ま
た、55℃、30分間の処理で完全に失活する。(図4に示
す) (7)分子量:110,000±5,000。(ゲル濾過法で測定)
また、本発明のジアセチルポリアミンアミドヒドロラー
ゼが有するその他の理化学的性質は以下の通りである。 1.サブユニットの分子量:60,000±5,000(SDS-ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動法で測定) 2.サブユニットの数:2個 3.Km値:ジアセチルプトレッシンを基質として、pH7.
5、37℃の条件下で求めたプトレッシンに対するKm値は
3.3mMである。 4.阻害剤:種々の試薬及び金属イオンの濃度1mMでの
本発明の酵素に対する影響を表2に示す。パラクロロメ
ルクリ安息香酸、フェニルメタンスルホン酸フロリド、
硝酸銀により強く阻害される。
【0009】 ────────────────────
【0010】本発明におけるジアセチルポリアミンアミ
ドヒドロラーゼの酵素活性測定方法及び酵素活性の表示
方法は以下の通りである。
【0011】20mMのジアセチルプトレッシン 1mlと、ア
シルポリアミンアミドヒドロラーゼ(特公昭59-7435)
6.8 ユニット、プトレッシンオキシダーゼ 0.28 ユニッ
ト、パーオキシダーゼ 0.9 ユニット、 2,4-ジクロロ
フェノール 0.75mg、4-アミノアンチピリン 0.06mg を
含む 0.1M トリス塩酸緩衝液(pH 8.0)1.0ml とジアセ
チルポリアミンアミドヒドロラーゼを含有する被検体 5
0μl を混合し、30℃で 1時間反応させた後、510nm に
おける吸光度を測定することによって行われる。
【0012】酵素活性値は、1分間当り 1μmole のモノ
アセチルプトレッシンを生成させる酵素量を 1ユニット
(μmole/min)として表示する。
【0013】本発明のジアセチルポリアミンアミドヒド
ロラーゼは、該ジアセチルポリアミンアミドヒドロラー
ゼの生産能のある微生物の培養物から採取することがで
きる。その微生物としては、例えばキャンディダ(Cand
ida)属に属する菌株であり、好ましくはキャンディダ
・ギラモンジ(Candida gui-lliermondii IFO 0454)が
挙げられる。
【0014】生産菌の培養に使用する培地としてはグル
コース、糖蜜、可溶性でんぷん等の炭素源、肉エキス、
酵母エキス、ポリペプトン等の窒素源、及びリン酸第一
カリウム、リン酸第二カリウム、塩化ナトリウム、硫酸
マグネシウム等の無機塩類を含有するものであれば特に
限定されないが、これらの成分の他にジアセチルプトレ
ッシン、ジアセチルカダベリン等のジアセチルポリアミ
ンを含有させることが該酵素の生産性を高める上におい
て有利である。
【0015】本発明のジアセチルポリアミンアミドヒド
ロラーゼを生産する生産菌を培養する際の培養条件とし
ては、通気攪拌条件下で培養温度が 15〜40 ℃の範囲、
好ましくは 20〜35 ℃の範囲で培養する方法が好適であ
る。培養時のpH条件は、5.0〜9.0の範囲で、好ましくは
pH6.0〜8.0 の範囲が適当である。培養時間は、特に限
定されないが酵素の生産性等の経済性を考慮すると増殖
の後期に達する時間から休止状態に入ってから10時間以
内の範囲が適当である。
【0016】培養によって得られた培養物から培養液と
菌体とを分離する方法としては、従来から行われている
遠心分離法や濾過等の方法が使用できるが、遠心分離の
方法が好適である。
【0017】本発明のジアセチルポリアミンアミドヒド
ロラーゼの分離精製は、次のようにして行うことができ
る。菌体内に蓄積された該酵素を菌体から抽出する方法
としては、従来から行われている超音波による菌体破
砕、あるいはガラス・ビーズと共に回転させるダイノミ
ル細胞破砕機による菌体破砕または、リゾチーム等の酵
素やトルエン等の有機溶媒による細胞膜の破壊等の方法
が挙げられる。これらの中から適当な方法を選択して菌
体から酵素の抽出を行うことにより、酵素を採取するこ
とが出来る。
【0018】これらの方法で抽出された粗酵素液からジ
アセチルポリアミンアミドヒドロラーゼをさらに精製す
る必要がある場合には、通常実施されている一般的な酵
素の精製手段である硫酸アンモニウム沈澱法、イオン交
換カラムクロマトグラフィー法、ゲル濾過法、ヒドロキ
シアパタイト・カラムクロマトグラフィー法、アフィニ
ティークロマトグラフィー法、調整用電気泳動法等の方
法を適宜組み合わせるか、あるいは繰り返すことによっ
て精製を行うことが出来る。
【0019】本発明によるジアセチルポリアミンアミド
ヒドロラーゼの完全に純化された酵素の比活性値は、約
15ユニット/mg-タンハ゜ク を示す。また、ドデシル硫酸ナトリ
ウムの存在、非存在下でのポリアクリルアミドゲル電気
泳動法において両者共に単一のタンパクバンドが観測さ
れる。
【0020】
【発明の効果】本発明のジアセチルポリアミンアミドヒ
ドロラーゼは、ジアセチルポリアミンに作用してモノア
セチルポリアミンを生成し、モノアセチルポリアミンを
純粋かつ簡便に合成する際に、大変有用である。また、
生体試料中のジアセチルポリアミの定量を可能にする。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるもので
はない。
【0022】0.5%ポリペプトン、0.01%酵母エキス、
0.2%ジアセチルプトレッシン、0.1%食塩、0.05%リン
酸第1カリウム、0.15%リン酸第2カリウム、0.02%消泡
剤から成る培地(pH 7.0)0.5Lを 2Lの三角フラスコに
入れ、120℃で20分間オートクレーブした後、28℃以下
でこの培地にキャンディダ・ギラモンジ(Candida guil
liermondii IFO 0454)を植菌した。28℃で24時間振と
う培養を行った後この培養液を、予め上記と同様の組成
を有する培地 20Lを仕込み滅菌しておいたジャー・フ
ァーメンターに加えて本培養を行った。培養条件は28
℃、攪拌回転数100rpm、通気20L/minで、24時間培養の
後、培養液を遠心分離にかけて菌体を採取した。 得ら
れた菌体の約460g(湿菌体重量)を10mMリン酸緩衝液
(pH 7.5)1Lに懸濁し、その懸濁液をダイノミル破砕機
により菌体破砕を行った。その破砕液を遠心分離機を使
用して遠心分離し、上清液を得た。この上清液中のジア
セチルポリアミンアミドヒドロラーゼの総活性は 220ユ
ニット 、比活性は 0.003ユニット/mg-タンハ゜ク であった。
【0023】この上清液を、予め 20mM のリン酸緩衝液
(pH7.5)で平衡化した 1.5LのDEAE-セルロースのカラ
ムに通し酵素を吸着させた。カラムを同様のリン酸緩衝
液で洗浄した後、食塩の直線濃度勾配によりジアセチル
ポリアミンアミドヒドロラーゼを溶出させた。[総酵素
活性 = 170ユニット、 比活性 = 0.087ユニット/mg-タンハ゜ク ]こ
の溶出液を限外濾過により脱塩した後、硫酸アンモニウ
ムを 25%となるように添加し、次いで予め 25%の硫酸
アンモニウムを含む 20mMリン酸緩衝液(pH 7.5)で平
衡化しておいた 100mlのブチルトヨパール 650M(東ソ
ー社製)のカラムに通し、酵素を吸着させた。カラムを
同様のリン酸緩衝液で洗浄した後、硫酸アンモニウムの
逆直線濃度勾配によりジアセチルポリアミンアミドヒド
ロラーゼを溶出させた。[ 総酵素活性 = 160ユニット、 比
活性 = 0.87ユニット/mg-タンハ゜ク ]得られた酵素溶液を限外
濾過により濃縮した後、1.8Lのセファクリル S-300(フ
ァルマシア社製)を充填したカラムに通し、ゲル濾過を
行い活性画分を集めた。[総酵素活性 = 130ユニット、比活
性 = 2.0ユニット/mg-タンハ゜ク ]
【0024】この溶出液を、予め 20mM リン酸緩衝液
(pH 7.5)で平衡化しておいた 40mlの EAH-セファロ
ース(ファルマシア社製)のカラムに通し吸着させた。
カラムを同様の緩衝液で洗浄した後、食塩の直線濃度勾
配により、ジアセチルポリアミンアミドヒドロラーゼを
溶出させた。[総酵素活性 = 77ユニット、比活性 = 2.7ユニ
ット/mg-タンハ゜ク]
【0025】この溶出液を限外濾過により脱塩した後、
予め20mM リン酸緩衝液(pH 7.5)で平衡化しておいた7
0ml の DEAE-トヨパール 650S(東ソー社製)のカラム
に通し、酵素を吸着させた。カラムを同様のリン酸緩衝
液で洗浄した後、食塩の直線濃度勾配により、ジアセチ
ルポリアミンアミドヒドロラーゼを溶出させた。[ 総
酵素活性 = 54ユニット、 比活性 = 5.2ユニット/mg-タンハ゜ク ]
【0026】この溶出液を限外濾過により脱塩した後、
次いで予め 20mMリン酸緩衝液(pH7.5)で平衡化してお
いた 20mlのDEAE-セルロースのカラムに通し、酵素を吸
着させた。カラムを同様のリン酸緩衝液で洗浄した後、
食塩の逆直線濃度勾配により、ジアセチルポリアミンア
ミドヒドロラーゼを溶出させた。[総酵素活性 = 33ユニッ
ト、 比活性 =15ユニット/mg-タンハ゜ク ]
【0027】こうして得られた酵素の純度をドデシル硫
酸ナトリウム存在下、及び非存在下でのポリアクリルア
ミドゲル電気泳動によって調べた結果、両者共に一本の
バンドのみが観察され、純粋なジアシルポリアミンアミ
ドヒドロラーゼであることが確認された。
【0028】また、本酵素の分子量をバイオシル TSK-2
50 (東ソー社製)によるゲル濾過法により測定したと
ころ、約110,000と推定された。さらに、サブユニット
の分子量をドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動法により測定したところ、約60,000と推
定された。該分子量及びサブユニットの分子量から、本
発明の酵素が2個のサブユニットから構成されるオリゴ
マー酵素であることがわかる。
【0029】次に、こうして得られた精製酵素を 10mM
リン酸緩衝液(pH 7.5)により適当に希釈して調整した
酵素標品を用いて本酵素の基質特異性、至適pH、pH安定
性、至適温度、温度安定性を調べた。
【0030】[基質特異性] 酵素標品 0.05ml(0.05ユニット)を、各種ジアセチルポリ
アミンの100mM 溶液 0.1ml、0.1Mリン酸緩衝液(pH 7.
5)0.85mlから成る反応液に添加し、37℃で15分間反応
を行った。50%トリクロロ酢酸0.1ml添加して反応を停
止させた後、生成したモノアセチルポリアミンを高速液
体クロマトグラフィーにより定量した。また、これらの
ジアセチルポリアミンに対する作用の強さを、それぞれ
ジアセチルプトレッシンに対する作用を100とした相対
活性値も併せて表3に示す。尚、ジアセチル-1,8-ジア
ミノオクタンに対する作用については、反応液中に10%
エタノールを含有させた。
【0031】
【表1】
【0032】[至適pH] 10mM ジアセチルプトレッシンを含む 0.1M ブリットン-
ロビンソン広域緩衝液( pH 4.5,5.0, 5.6,6.5,7.
0,7.5,8.2,8.7,9.0,9.5,10.1,11.0,11.3,11.
5,11.9 )0.95mlに 0.05mlの酵素標品(0.03 ユニット)を
添加混合し、37℃下で 15分間反応を行った。この反応
溶液 1.0mlに50%トリクロロ酢酸水溶液を0.1ml加え、
0℃下で 20分間放置し、次いで、 1M リン酸緩衝液(pH
7.5)0.9mlを加えた。この溶液 0.4mlと 10mMリン酸緩
衝液(pH 7.5) 0.6mlと、アシルポリアミンアミドヒド
ロラーゼ 6.8ユニット、プトレッシンオキシダーゼ 0.28ユニ
ット、パーオキシダーゼ 0.9ユニット、 2,4-ジクロロフェノ
ール 0.75mg、及び4-アミノンチピリン 0.06mgを含む
0.1M トリス塩酸緩衝液 (pH8.0)1mlを混合し、37℃で
15分間反応させた後、510nm における吸光度を測定
し、それぞれの酵素活性値を算出した。以上の操作の
後、最高の酵素活性値を 100%とした相対活性(Relati
ve activity)を算出し、グラフ化して図1を得た。図
1より、本酵素の至適pHは 7.0〜8.0 の範囲にあること
がわかる。
【0033】[pH 安定性] 0.1M ブリットン-ロビンソン広域緩衝液( pH 4.5,5.
0,5.6,6.5,7.0,7.5,8.2,8.7,9.0,9.5,10.1,1
1.0,11.3,11.5,11.9 )0.95ml と酵素標品0.05ml
(0.4ユニット)を混合し、30℃で 30分間放置した後、各溶
液 0.1mlと 1M リン酸緩衝液(pH 7.5)0.9mlを混合し
た。この酵素溶液 0.05mlと 20mMジアセチルプトレッ
シン 1.0mlと、アシルポリアミンアミドヒドロラーゼ
6.8ユニット、プトレッシンオキシダーゼ 0.28ユニット、パー
オキシダーゼ 0.9ユニット、2,4-ジクロロフェノール 0.
75mg、及び4-アミノンチピリン 0.06mgを含む 0.1M ト
リス塩酸緩衝液( pH 8.0 )1ml を混合し、37℃で 15
分間反応させた後、直ちに 510nm における吸光度を測
定し、それぞれの酵素活性値を算出した。以上の操作の
後、最高の酵素活性値を 100%とした相対活性を算出
し、グラフ化して図2を得た。図2から明らかなよう
に、本酵素は pH 5.5〜11.3 の範囲において 90%以上
の残存活性を有している。
【0034】[至適温度] 10mMジアセチルプトレッシンを含む 0.1M リン酸緩衝液
(pH 7.5)0.95mlと 0.05mlの酵素標品 (0.03ユニット)を
混合し、15,20,25,30,35,37,40,45,50℃の各温
度下において 15分間反応させた。各反応溶液に 50%ト
リクロロ酢酸溶液 0.1mlを加え、0℃下で 20分間放置
した後、1M リン酸緩衝液(pH 7.5)0.9mlを加えた。こ
の溶液 0.4 mlと 10mM リン酸緩衝液(pH 7.5) 0.6ml
と、アシルポリアミンアミドヒドロラーゼ 6.8ユニット、プ
トレッシンオキシダーゼ 0.28ユニット、パーオキシダーゼ
0.9ユニット、2,4-ジクロロフェノール 0.75mg、及び4-ア
ミノンチピリン 0.06mgを含む 0.1Mトリス塩酸緩衝液
(pH8.0)1mlを混合し、37℃で15分間反応させた後、51
0nm に於ける吸光度を測定し、それぞれの酵素活性値を
算出した。以上の操作の後、最高の酵素活性値を100%
とした相対活性(Relative activity)を算出し、グラ
フ化して図3を得た。図3より、本酵素の至適温度は
37〜42℃ の範囲にあることがわかる。
【0035】[温度安定性] 10mM リン酸緩衝液(pH 7.5)で希釈した酵素標品(0.0
3ユニット)を 4,25,30,37,40,43,45,55,65℃ の各
温度で 30分間放置した。この酵素溶液を10mリン酸緩衝
液で10倍に希釈した希釈液 0.05mlと 20mMジアセチルプ
トレッシン 1mlと、アシルポリアミンアミドヒドロラー
ゼ 6.8ユニット、プトレッシンオキシダーゼ 0.28ユニット、パ
ーオキシダーゼ 0.9ユニット、2,4-ジクロロフェノール 0.7
5 mg、及び4-アミノンチピリン 0.06mgを含む 0.1Mトリ
ス塩酸緩衝液(pH 8.0)1mlを混合し、37℃で15分間反
応させた後、510nm における吸光度を測定し、それぞれ
の酵素活性値を算出した。以上の操作の後、最高の酵素
活性値を100%とした相対活性を算出し、グラフ化して
図4を得た。図4から明らかなように、本酵素は32℃ま
での温度において 90%以上の残存活性を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】、本発明のジアセチルポリアミンアミドヒドロ
ラーゼのpH活性曲線を示す図。
【図2】同酵素のpH安定性を示す図。
【図3】同酵素の温度活性曲線を示す図。
【図4】同酵素の温度安定性を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 9/80 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の理化学的性質を有するジアセチル
    ポリアミンアミドヒドロラーゼ。 (1)作用:ジアセチルポリアミンのアミド結合を加水
    分解してモノアセチルポリアミンを生成する。 (2)基質特異性:ジアセチル-1,2-ジアミノエタン、
    ジアセチルプトレッシン、ジアセチルカダベリン等、ジ
    アセチルポリアミンに対して作用する。 (3)至適pH:pH7.0〜8.0。 (4)pH安定性:30℃で30分間保存した時、pH5.5〜11.
    3において90%以上の残存活性を有する。 (5)至適温度:pH7.5、15分間の反応において37〜42
    ℃である。 (6)温度安定性:pH7.5、30分間の処理条件下におい
    て、32℃までの温度で90%以上の残存活性を有する。 (7)分子量:110,000±5,000。
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