JP2838005B2 - 新規なγ−ポリグルタミン酸分解酵素 - Google Patents
新規なγ−ポリグルタミン酸分解酵素Info
- Publication number
- JP2838005B2 JP2838005B2 JP5009665A JP966593A JP2838005B2 JP 2838005 B2 JP2838005 B2 JP 2838005B2 JP 5009665 A JP5009665 A JP 5009665A JP 966593 A JP966593 A JP 966593A JP 2838005 B2 JP2838005 B2 JP 2838005B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyglutamic acid
- acid
- glutamic acid
- linked
- stable
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N9/00—Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
- C12N9/14—Hydrolases (3)
- C12N9/48—Hydrolases (3) acting on peptide bonds (3.4)
- C12N9/485—Exopeptidases (3.4.11-3.4.19)
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N1/00—Microorganisms, e.g. protozoa; Compositions thereof; Processes of propagating, maintaining or preserving microorganisms or compositions thereof; Processes of preparing or isolating a composition containing a microorganism; Culture media therefor
- C12N1/14—Fungi; Culture media therefor
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N1/00—Microorganisms, e.g. protozoa; Compositions thereof; Processes of propagating, maintaining or preserving microorganisms or compositions thereof; Processes of preparing or isolating a composition containing a microorganism; Culture media therefor
- C12N1/14—Fungi; Culture media therefor
- C12N1/145—Fungal isolates
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12P—FERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
- C12P13/00—Preparation of nitrogen-containing organic compounds
- C12P13/04—Alpha- or beta- amino acids
- C12P13/14—Glutamic acid; Glutamine
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12R—INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES C12C - C12Q, RELATING TO MICROORGANISMS
- C12R2001/00—Microorganisms ; Processes using microorganisms
- C12R2001/645—Fungi ; Processes using fungi
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12Y—ENZYMES
- C12Y304/00—Hydrolases acting on peptide bonds, i.e. peptidases (3.4)
- C12Y304/19—Omega peptidases (3.4.19)
- C12Y304/19009—Gamma-glutamyl hydrolase (3.4.19.9)
Landscapes
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Zoology (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Mycology (AREA)
- Tropical Medicine & Parasitology (AREA)
- Virology (AREA)
- Botany (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はミロセシウム属に属する
不完全菌により生産される新規なγ−ポリグルタミン酸
分解酵素およびその製造法に関する。
不完全菌により生産される新規なγ−ポリグルタミン酸
分解酵素およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】α結合
のポリグルタミン酸は、従来人工皮革の材料等として利
用されてきている。γ−ポリグルタミン酸は納豆粘質物
の成分として古くから知られている。近年、これを新し
い素材として見直し、培養法によって大量に生産する試
みが各所においてなされている。本発明者らも、バチル
ス属に属する細菌を用い、γ−ポリグルタミン酸を安価
に、大量に生産する方法を発明している(特開平1−1
74397)。
のポリグルタミン酸は、従来人工皮革の材料等として利
用されてきている。γ−ポリグルタミン酸は納豆粘質物
の成分として古くから知られている。近年、これを新し
い素材として見直し、培養法によって大量に生産する試
みが各所においてなされている。本発明者らも、バチル
ス属に属する細菌を用い、γ−ポリグルタミン酸を安価
に、大量に生産する方法を発明している(特開平1−1
74397)。
【0003】バチルス属に属する細菌を用い生産される
γ−ポリグルタミン酸は分子量100万以上であり、粘
性付加剤としては有効であるが、その他の用途にはその
高粘性がかえって障害となっている。γ−ポリグルタミ
ン酸の低分子化酵素に関しては、ミクロモノスポラ・メ
ラノスポレマIFO12515の生産するポリグルタミ
ン酸ヒドロラーゼ(T.Muroら.Agr.Bio
l.Chem.,54(4),1065(1990))
やγ−グルタミルトランスペプチダーゼがあるが、前者
はα−ポリグルタミン酸を基質とし、後者はγ−ポリグ
ルタミン酸を基質とする。
γ−ポリグルタミン酸は分子量100万以上であり、粘
性付加剤としては有効であるが、その他の用途にはその
高粘性がかえって障害となっている。γ−ポリグルタミ
ン酸の低分子化酵素に関しては、ミクロモノスポラ・メ
ラノスポレマIFO12515の生産するポリグルタミ
ン酸ヒドロラーゼ(T.Muroら.Agr.Bio
l.Chem.,54(4),1065(1990))
やγ−グルタミルトランスペプチダーゼがあるが、前者
はα−ポリグルタミン酸を基質とし、後者はγ−ポリグ
ルタミン酸を基質とする。
【0004】いずれも末端のグルタミン酸を順次切断
し、グルタミン酸として遊離するエキソ型の酵素であ
り、γ−ポリグルタミン酸を内部から切断する酵素につ
いては未だ報告されていない。従ってγ−ポリグルタミ
ン酸を内部より切断し、γ−ポリグルタミン酸を低分子
化する酵素の開発が望まれていた。
し、グルタミン酸として遊離するエキソ型の酵素であ
り、γ−ポリグルタミン酸を内部から切断する酵素につ
いては未だ報告されていない。従ってγ−ポリグルタミ
ン酸を内部より切断し、γ−ポリグルタミン酸を低分子
化する酵素の開発が望まれていた。
【0005】又、培養法によって得られるγ−ポリグル
タミン酸はL−グルタミン酸を主構成とするホモペプチ
ドすなわちL−ポリグルタミン酸と、D−グルタミン酸
を主構成成分とするD−ポリグルタミン酸との混合物で
あろうと予想されている(村尾沢夫:高分子16巻18
8号 1204〜1212頁)。
タミン酸はL−グルタミン酸を主構成とするホモペプチ
ドすなわちL−ポリグルタミン酸と、D−グルタミン酸
を主構成成分とするD−ポリグルタミン酸との混合物で
あろうと予想されている(村尾沢夫:高分子16巻18
8号 1204〜1212頁)。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決するために、γ−ポリグルタミン酸分解酵素生
産能を有する微生物を広く自然界より探索した。その結
果、新たに土壌より分離された菌(TM−4222株)
が、γ−ポリグルタミン酸分解酵素を培養液中に生産す
ることを見いだした。又該酵素を利用することにより、
γ−L−オリゴグルタミン酸、γ−D−ポリグルタミン
酸が効率よく得られることを見いだし、本発明を完成し
た。
題を解決するために、γ−ポリグルタミン酸分解酵素生
産能を有する微生物を広く自然界より探索した。その結
果、新たに土壌より分離された菌(TM−4222株)
が、γ−ポリグルタミン酸分解酵素を培養液中に生産す
ることを見いだした。又該酵素を利用することにより、
γ−L−オリゴグルタミン酸、γ−D−ポリグルタミン
酸が効率よく得られることを見いだし、本発明を完成し
た。
【0007】本発明において用いられる菌株であるTM
−4222株の菌学的性状は以下の通りである。 (生育の特徴)25℃、2週間の培養で、ポテト・デキ
ストロース寒天培地上で、35〜40mm、オートミー
ル寒天培地上で50〜60mm、麦芽エキス寒天培地上
で25〜30mm、ツァペックドックス寒天培地上で3
5〜40mmの大きさのコロニーとなった。どの培地の
培養においても、白色のビロード〜羊毛状の基底菌糸上
にオリーブ色の分生子を粘塊上に形成した。麦芽エキス
寒天培地、ツァペックドックス寒天培地上では、部分的
に白色、綿毛状の気菌糸におおわれることがある。裏面
は、どの培地においても淡黄色であった。37℃では生
育しなかった。
−4222株の菌学的性状は以下の通りである。 (生育の特徴)25℃、2週間の培養で、ポテト・デキ
ストロース寒天培地上で、35〜40mm、オートミー
ル寒天培地上で50〜60mm、麦芽エキス寒天培地上
で25〜30mm、ツァペックドックス寒天培地上で3
5〜40mmの大きさのコロニーとなった。どの培地の
培養においても、白色のビロード〜羊毛状の基底菌糸上
にオリーブ色の分生子を粘塊上に形成した。麦芽エキス
寒天培地、ツァペックドックス寒天培地上では、部分的
に白色、綿毛状の気菌糸におおわれることがある。裏面
は、どの培地においても淡黄色であった。37℃では生
育しなかった。
【0008】(形態の特徴)菌糸は、無色、滑面で隔壁
がある。分生子は、フィアロ型分生子で形は円筒形〜楕
円形である。大きさは、6〜7×2〜3μmであった。
フィアライドは、2〜5本が輪生し、円柱形で先端に向
かい幾分細まる。無色で大きさは、10〜15×2〜
2.5μmであった。
がある。分生子は、フィアロ型分生子で形は円筒形〜楕
円形である。大きさは、6〜7×2〜3μmであった。
フィアライドは、2〜5本が輪生し、円柱形で先端に向
かい幾分細まる。無色で大きさは、10〜15×2〜
2.5μmであった。
【0009】以上の菌学的性状に従い、菌学図鑑(19
78,講談社サイエンティフィック)により検索したと
ころ、TM−4222株は、不完全糸状菌網ミロセシウ
ム属(Myrothecium sp.)に属する一株
と同定した。本菌株は工業技術院微生物工業技術研究所
にFERM BP−4161として寄託されている。次
に本菌株より生産されるγ−ポリグルタミン分解酵素の
酵素学的および理化学的性質について記述する。
78,講談社サイエンティフィック)により検索したと
ころ、TM−4222株は、不完全糸状菌網ミロセシウ
ム属(Myrothecium sp.)に属する一株
と同定した。本菌株は工業技術院微生物工業技術研究所
にFERM BP−4161として寄託されている。次
に本菌株より生産されるγ−ポリグルタミン分解酵素の
酵素学的および理化学的性質について記述する。
【0010】1.作用:γ−ポリ−L−グルタミン酸に
作用し、エンド型に特異的に加水分解し、γ結合のオリ
ゴ−L−グルタミン酸(2〜4個のγ−グルタミン酸が
結合したもの)を遊離する。 2.基質特異性:γ結合のポリ−L−グルタミン酸を分
解し、オリゴ−L−グルタミン酸を遊離するが、α結合
のポリグルタミン酸には作用しない。又、γ結合のグル
タミルグルタミン酸、グルタチオンやγ−グルタミルト
ランスペプチダーゼ(γ−GTP)の合成基質であるγ
−グルタミルナフチルアミドを全く分解しない。従って
エンド型である。
作用し、エンド型に特異的に加水分解し、γ結合のオリ
ゴ−L−グルタミン酸(2〜4個のγ−グルタミン酸が
結合したもの)を遊離する。 2.基質特異性:γ結合のポリ−L−グルタミン酸を分
解し、オリゴ−L−グルタミン酸を遊離するが、α結合
のポリグルタミン酸には作用しない。又、γ結合のグル
タミルグルタミン酸、グルタチオンやγ−グルタミルト
ランスペプチダーゼ(γ−GTP)の合成基質であるγ
−グルタミルナフチルアミドを全く分解しない。従って
エンド型である。
【0011】3.至適pHおよび安定pH範囲 至適pHはpH5.0であり、安定pH範囲は4.0〜
6.0 4.反応至適温度および安定温度範囲 反応の至適温度は37℃であり、pH5.0、1時間処
理した時、40℃まで安定である。 5.分子量 ゲル濾過法により測定した分子量は約68,000であ
る。
6.0 4.反応至適温度および安定温度範囲 反応の至適温度は37℃であり、pH5.0、1時間処
理した時、40℃まで安定である。 5.分子量 ゲル濾過法により測定した分子量は約68,000であ
る。
【0012】6.γ−ポリグルタミン酸ヒドロラーゼの
活性測定 (1)粘度法 2%γ−ポリグルタミン酸(pH5.
0)4ml、0.4M酢酸緩衝液(pH5.0)2ml
及び酵素液2mlよりなる反応液をオストワルド粘度計
に注入し、37℃で30分間反応させた。本条件下でγ
−ポリグルタミン酸に由来する粘度を1分間に1秒低下
させる酵素量を1単位(U)とした。なお、本条件で、
0.05U〜0.33Uの範囲で酵素量と粘度低下との
間に比例関係がみられた。
活性測定 (1)粘度法 2%γ−ポリグルタミン酸(pH5.
0)4ml、0.4M酢酸緩衝液(pH5.0)2ml
及び酵素液2mlよりなる反応液をオストワルド粘度計
に注入し、37℃で30分間反応させた。本条件下でγ
−ポリグルタミン酸に由来する粘度を1分間に1秒低下
させる酵素量を1単位(U)とした。なお、本条件で、
0.05U〜0.33Uの範囲で酵素量と粘度低下との
間に比例関係がみられた。
【0013】(2)ニンヒドリン法 上記と同組成
(ただし全容を1mlとしたもの)の反応液を同じく3
7℃で30分間反応させ、ニンヒドリン発色用メチルセ
ロソルブ溶液1.2mlの添加によって反応を停止し
た。ついで、ニンヒドリン法により遊離アミノ基量の測
定を行った。本条件下で、1分間に1μモルのL−グル
タミン酸相当の遊離アミノ基を生成する酵素量を1Uと
した。なお、この条件下で、0.004U〜0.033
Uの範囲で活性測定が可能であった。
(ただし全容を1mlとしたもの)の反応液を同じく3
7℃で30分間反応させ、ニンヒドリン発色用メチルセ
ロソルブ溶液1.2mlの添加によって反応を停止し
た。ついで、ニンヒドリン法により遊離アミノ基量の測
定を行った。本条件下で、1分間に1μモルのL−グル
タミン酸相当の遊離アミノ基を生成する酵素量を1Uと
した。なお、この条件下で、0.004U〜0.033
Uの範囲で活性測定が可能であった。
【0014】現在あるγ−ポリグルタミン酸はD−体の
ポリマーとL−体のポリマーの混合物なので、この酵素
を作用させることによりL−体のポリマーは分解され、
L−グルタミン酸のオリゴマー(2〜3個のL−Glu
がγ結合したもの)が得られる。又、D−体のポリマー
は分解されずに残る。
ポリマーとL−体のポリマーの混合物なので、この酵素
を作用させることによりL−体のポリマーは分解され、
L−グルタミン酸のオリゴマー(2〜3個のL−Glu
がγ結合したもの)が得られる。又、D−体のポリマー
は分解されずに残る。
【0015】利用法としては、 (1)D−グルタミン酸のポリマーは、γ−ポリグルタ
ミン酸とは異なる粘性特性をもつので、食品用途、新素
材用途として期待できる。 (2)D−ポリマーを化学分解すると、D−グルタミン
酸が得られる。D−グルタミン酸は、L−グルタミン酸
に比べ非常に高価であり、試薬として利用できる。 (3)分解されたL−Gluオリゴマーは哺乳類の脳内
に存在することが知られており、中枢神経系に対する生
理作用を有することが期待できる。
ミン酸とは異なる粘性特性をもつので、食品用途、新素
材用途として期待できる。 (2)D−ポリマーを化学分解すると、D−グルタミン
酸が得られる。D−グルタミン酸は、L−グルタミン酸
に比べ非常に高価であり、試薬として利用できる。 (3)分解されたL−Gluオリゴマーは哺乳類の脳内
に存在することが知られており、中枢神経系に対する生
理作用を有することが期待できる。
【0016】
実施例1 (1)0.5% イーストエキスを含むCzapek−
Dox改変培地(ただし、γ−ポリグルタミン酸を含ま
ない)を用い、ジャーファメンターにてミロテシウムs
p.TM−4222株(FERM BP−4161)2
5℃、7日間培養した。なお、培養にあたって、炭素源
としてグリセロール、ポテトスターチ、デキストリンの
効果、また窒素源としてポリペプトン、カゼイン、カザ
ミノ酸を用いても同様の効果が得られた。また、γ−ポ
リグルタミン酸による酵素の誘導生成も見られた。
Dox改変培地(ただし、γ−ポリグルタミン酸を含ま
ない)を用い、ジャーファメンターにてミロテシウムs
p.TM−4222株(FERM BP−4161)2
5℃、7日間培養した。なお、培養にあたって、炭素源
としてグリセロール、ポテトスターチ、デキストリンの
効果、また窒素源としてポリペプトン、カゼイン、カザ
ミノ酸を用いても同様の効果が得られた。また、γ−ポ
リグルタミン酸による酵素の誘導生成も見られた。
【0017】(2)培養濾液(2L)のpHを酢酸にて
4.0とし、これをあらかじめ0.05M酢酸緩衝液、
pH4.0にて平衡化したBio−Rex70(バイオ
ラド社製)のカラム(4.4×18cm)に負荷した。
カラムを同緩衝液で十分洗浄したのち、0.05M酢酸
緩衝液(pH4.0)400ml及び1.0M酢酸緩衝
液(pH6.0)400mlよりなる濃度勾配によって
溶出し、さらに後者のみによる溶出をおこなった。
4.0とし、これをあらかじめ0.05M酢酸緩衝液、
pH4.0にて平衡化したBio−Rex70(バイオ
ラド社製)のカラム(4.4×18cm)に負荷した。
カラムを同緩衝液で十分洗浄したのち、0.05M酢酸
緩衝液(pH4.0)400ml及び1.0M酢酸緩衝
液(pH6.0)400mlよりなる濃度勾配によって
溶出し、さらに後者のみによる溶出をおこなった。
【0018】溶出液は10mlずつのフラクションにと
った。なお、これ以降のクロマトグラフィー操作におけ
る蛋白質の溶出パターンは280nmにおける吸収にも
とずいて測定し、γ−ポリグルタミン酸ヒドロラーゼの
溶出パターンはニンヒドリン法による活性測定法に基づ
いて求めた。γ−ポリグルタミン酸ヒドロラーゼ活性は
濃度勾配が終了して以降、1.0Mの緩衝液にきりかえ
た後の画分、すなわち、フラクションNo.125〜1
60に回収された。
った。なお、これ以降のクロマトグラフィー操作におけ
る蛋白質の溶出パターンは280nmにおける吸収にも
とずいて測定し、γ−ポリグルタミン酸ヒドロラーゼの
溶出パターンはニンヒドリン法による活性測定法に基づ
いて求めた。γ−ポリグルタミン酸ヒドロラーゼ活性は
濃度勾配が終了して以降、1.0Mの緩衝液にきりかえ
た後の画分、すなわち、フラクションNo.125〜1
60に回収された。
【0019】(3)活性画分を集め0.05M酢酸緩衝
液、pH5.0に対し透析したのち、同緩衝液で緩衝化
したAF−ブルートヨパール(東ソー製)のカラム
(2.2×5.0cm)に負荷した。同緩衝液でカラム
を洗浄し、非吸着成分を除去したのち0.2Mの食塩を
含む同緩衝液にて酵素を溶出した。
液、pH5.0に対し透析したのち、同緩衝液で緩衝化
したAF−ブルートヨパール(東ソー製)のカラム
(2.2×5.0cm)に負荷した。同緩衝液でカラム
を洗浄し、非吸着成分を除去したのち0.2Mの食塩を
含む同緩衝液にて酵素を溶出した。
【0020】(4)γ−ポリグルタミン酸セファロース
4Bカラムによるアフィニティークロマトグラフィー 以下の方法によってカラムを調整した。EAH−セファ
ロース4B(シグマ社製)5mlをガラスフィルター上
で、沈降ゲル1mlに対して80mlの0.5M Na
Cl溶液で洗浄する。L−グルタミン酸換算で0.5m
モルのγ−ポリグルタミン酸を10mlの蒸留水に溶解
し、1N NaOHでpH4.5に調整する。50mg
の1−エチル−3−(3−ジエチルアミノプロピル)カ
ルボジイミドを5mlの蒸留水に溶解し、pHを1N
NaOHにて4.5とする。洗浄したゲル5ml、リガ
ンド溶液10ml及びカルボジイミド溶液5mlを混合
し、室温で一夜軽く振とうし、カップリングさせた。
4Bカラムによるアフィニティークロマトグラフィー 以下の方法によってカラムを調整した。EAH−セファ
ロース4B(シグマ社製)5mlをガラスフィルター上
で、沈降ゲル1mlに対して80mlの0.5M Na
Cl溶液で洗浄する。L−グルタミン酸換算で0.5m
モルのγ−ポリグルタミン酸を10mlの蒸留水に溶解
し、1N NaOHでpH4.5に調整する。50mg
の1−エチル−3−(3−ジエチルアミノプロピル)カ
ルボジイミドを5mlの蒸留水に溶解し、pHを1N
NaOHにて4.5とする。洗浄したゲル5ml、リガ
ンド溶液10ml及びカルボジイミド溶液5mlを混合
し、室温で一夜軽く振とうし、カップリングさせた。
【0021】実施例1(3)により得られた活性画分を
0.05M酢酸緩衝液、pH4.0に対して透析したの
ち、γ−ポリグルタミン酸セファロース4Bのカラム
(1.8×5.0cm)に負荷した。カラムを同緩衝液
で洗浄後、同緩衝液100ml及び0.05M酢酸緩衝
液、pH6.0、100mlによってつくるpH勾配に
よって酵素を溶出し、さらに後者の緩衝液のみによって
カラムを洗浄した。
0.05M酢酸緩衝液、pH4.0に対して透析したの
ち、γ−ポリグルタミン酸セファロース4Bのカラム
(1.8×5.0cm)に負荷した。カラムを同緩衝液
で洗浄後、同緩衝液100ml及び0.05M酢酸緩衝
液、pH6.0、100mlによってつくるpH勾配に
よって酵素を溶出し、さらに後者の緩衝液のみによって
カラムを洗浄した。
【0022】この操作で大部分の蛋白質成分は素通り画
分に得られ、活性画分は、pH勾配の終点以後にシング
ルピークとして得られた。活性画分の前半には不純蛋白
が認められたので、280nmの吸収がほとんど認めら
れない後半部すなわちフラクションNo86〜90まで
を集めた。
分に得られ、活性画分は、pH勾配の終点以後にシング
ルピークとして得られた。活性画分の前半には不純蛋白
が認められたので、280nmの吸収がほとんど認めら
れない後半部すなわちフラクションNo86〜90まで
を集めた。
【0023】(5)活性画分を限外濾過によって濃縮
し、これをあらかじめ150mMのNaClを含む50
mM酢酸緩衝液、pH5.0で平衡化したセファクリル
S−300(ファルマシア社製)のカラム(3.9×6
4.5cm)に通した。10mlずつのフラクションを
回収したところ、酵素活性はフラクションNo46〜5
0に得られた。なお、精製標品の比活性はニンヒドリン
法によっては362U/mg proteinと測定さ
れた。
し、これをあらかじめ150mMのNaClを含む50
mM酢酸緩衝液、pH5.0で平衡化したセファクリル
S−300(ファルマシア社製)のカラム(3.9×6
4.5cm)に通した。10mlずつのフラクションを
回収したところ、酵素活性はフラクションNo46〜5
0に得られた。なお、精製標品の比活性はニンヒドリン
法によっては362U/mg proteinと測定さ
れた。
【0024】実施例2 (1)1.0%のγ−ポリグルタミン酸(分子量124
万)を含む100mM酢酸緩衝液100ml(pH4.
5)に、γ−ポリグルタミン酸ヒドロラーゼ粗酵素粉末
0.5gを加え、30℃の恒温水槽で18時間インキュ
ベートし分解反応を行った。反応終了後、10%トリク
ロル酢酸溶液1mlを加え、生じた沈殿を吸引濾過で除
去後、分画分子量10,000の膜で限外濾過を行い、
D−体のポリマー画分と、L−体の低分子画分に分け
た。
万)を含む100mM酢酸緩衝液100ml(pH4.
5)に、γ−ポリグルタミン酸ヒドロラーゼ粗酵素粉末
0.5gを加え、30℃の恒温水槽で18時間インキュ
ベートし分解反応を行った。反応終了後、10%トリク
ロル酢酸溶液1mlを加え、生じた沈殿を吸引濾過で除
去後、分画分子量10,000の膜で限外濾過を行い、
D−体のポリマー画分と、L−体の低分子画分に分け
た。
【0025】(2)D−体のポリマー画分は、上記の限
外濾過で十分に水洗し、低分子部分を除去した後に凍結
乾燥し、約200mgの白色粉末を得た。 (3)L−体低分子画分は、ダイヤイオンUBK−52
0G(H+)カラム(2.5×25cm)に負荷し、カ
ラムを脱イオン水で十分に洗浄した後に、0.1N H
Clにて溶出した。溶出液は水を加えながら減圧濃縮を
行い、HClを除去し、約300mgの白色粉末を得
た。
外濾過で十分に水洗し、低分子部分を除去した後に凍結
乾燥し、約200mgの白色粉末を得た。 (3)L−体低分子画分は、ダイヤイオンUBK−52
0G(H+)カラム(2.5×25cm)に負荷し、カ
ラムを脱イオン水で十分に洗浄した後に、0.1N H
Clにて溶出した。溶出液は水を加えながら減圧濃縮を
行い、HClを除去し、約300mgの白色粉末を得
た。
【0026】(4)実施例2(2)で得た白色粉末はG
PC分析の結果、ピーク分子量約20万であつた。ま
た、塩酸による加水分解により生じた遊離アミノ酸は光
学分割液体クロマトグラフィーの結果、D−グルタミン
酸であった。 (5)実施例2(4)で得た粉末はアミノ酸分析及び塩
酸による加水分解の光学分割液体クロマトグラフィーの
結果、L−グルタミン酸の2〜4量体の混合物であっ
た。
PC分析の結果、ピーク分子量約20万であつた。ま
た、塩酸による加水分解により生じた遊離アミノ酸は光
学分割液体クロマトグラフィーの結果、D−グルタミン
酸であった。 (5)実施例2(4)で得た粉末はアミノ酸分析及び塩
酸による加水分解の光学分割液体クロマトグラフィーの
結果、L−グルタミン酸の2〜4量体の混合物であっ
た。
【0027】
【発明の効果】本願発明にかかわるγ−ポリグルタミン
酸ヒドロラーゼはγ−ポリグルタミン酸よりグルタミン
酸を全く生成することなく、その粘度を急激に低下させ
ることができ、オリゴ−L−グルタミン酸やポリ−L−
グルタミン酸を生成する。この性質によりγ−ポリグル
タミン酸の新しい用途が開発されることが期待される。
酸ヒドロラーゼはγ−ポリグルタミン酸よりグルタミン
酸を全く生成することなく、その粘度を急激に低下させ
ることができ、オリゴ−L−グルタミン酸やポリ−L−
グルタミン酸を生成する。この性質によりγ−ポリグル
タミン酸の新しい用途が開発されることが期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−179891(JP,A) 特開 平1−174397(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 9/00 - 9/99 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)
Claims (2)
- 【請求項1】次の理化学的性状を示す新規なγ−ポリグ
ルタミン酸分解酵素。 1.作用:γ−ポリ−L−グルタミン酸に作用し、エン
ド型に特異的に加水分解し、γ結合のオリゴ−L−グル
タミン酸を遊離する。 2.基質特異性:γ結合のポリ−L−グルタミン酸を分
解し、オリゴ−L−グルタミン酸を遊離するが、α結合
のポリグルタミン酸には作用しない。又、γ結合のグル
タミルグルタミン酸、グルタチオンやγ−グルタミルト
ランスペプチダーゼ(γ−GTP)の合成基質であるγ
−グルタミルナフチルアミドを全く分解しない。 3.至適pHおよび安定pH範囲 至適pHはpH5.0であり、安定pH範囲は4.0〜
6.0 4.反応至適温度および安定温度範囲 反応の至適温度は37℃であり、pH5.0、1時間処
理した時、40℃まで安定である。 5.分子量 ゲル濾過法により測定した分子量は約68,000であ
る。 - 【請求項2】ミロセシウム属に属する微生物を培養し、
培養物より請求項1記載の酵素を採取することを特徴と
するγ−ポリグルタミン酸分解酵素の製造法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US08/025,344 US5356805A (en) | 1992-03-03 | 1993-03-03 | Gamma-polyglutamate hydrolase |
ES93103397T ES2135423T3 (es) | 1992-03-03 | 1993-03-03 | Gamma-poliglutamato-hidrolasa y procedimiento de produccion de esta. |
EP93103397A EP0559175B1 (en) | 1992-03-03 | 1993-03-03 | gamma-Polyglutamate hydrolase and process for producing same |
DE69325602T DE69325602T2 (de) | 1992-03-03 | 1993-03-03 | Gamma-Polyglutaminsäure-Hydrolase und Verfahren zu ihrer Herstellung |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4551792 | 1992-03-03 | ||
JP4-45517 | 1992-03-03 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05304958A JPH05304958A (ja) | 1993-11-19 |
JP2838005B2 true JP2838005B2 (ja) | 1998-12-16 |
Family
ID=12721610
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5009665A Expired - Fee Related JP2838005B2 (ja) | 1992-03-03 | 1993-01-25 | 新規なγ−ポリグルタミン酸分解酵素 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2838005B2 (ja) |
KR (1) | KR100262381B1 (ja) |
-
1993
- 1993-01-25 JP JP5009665A patent/JP2838005B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 1993-03-03 KR KR1019930003115A patent/KR100262381B1/ko not_active IP Right Cessation
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05304958A (ja) | 1993-11-19 |
KR100262381B1 (ko) | 2000-08-01 |
KR930019824A (ko) | 1993-10-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA1262879A (en) | PROCESS FOR PRODUCING THERMOSTABLE .alpha.-AMYLASES BY CULTURING MICRO-ORGANISMS AT ELEVATED TEMPERATURES | |
JP2840722B2 (ja) | 4‐ハロ‐3‐ヒドロキシブチロニトリルの製造法 | |
CA1329161C (en) | Process for the preparation of difructose dianhydride iii | |
US5702939A (en) | Glucosamine-6-phosphate deaminase and process for producing the same | |
EP0416282B1 (de) | Mikrobiologisch hergestellte N-Acyl-L-prolin-Acylase, Verfahren zu ihrer Gewinnung und ihre Verwendung | |
JPS6322188A (ja) | 新規なl−アミノアシラ−ゼ | |
JP2838005B2 (ja) | 新規なγ−ポリグルタミン酸分解酵素 | |
USH1453H (en) | N-acetyl-D-glucosamine deacetylase and a process for preparing the same | |
JP3026857B2 (ja) | 新規プルラナーゼおよびその製造法 | |
US4918012A (en) | Method for producing carnitine, L-carnitinamide hydrolase and method for producing same | |
EP0559175B1 (en) | gamma-Polyglutamate hydrolase and process for producing same | |
JP2824508B2 (ja) | N−アセチルグルコサミン6−リン酸デアセチラーゼ | |
JPH0783711B2 (ja) | 新規なd―アミノアシラーゼの製造法 | |
JP2840723B2 (ja) | 4‐ハロ‐3‐ヒドロキシブチロニトリルの製造法 | |
JPH0198485A (ja) | 微生物による−α−N−アセチルガラクトサミニダーゼの製造法 | |
JP3055041B2 (ja) | α−1,2−マンノシダーゼ、その製造方法およびその生産菌 | |
JPS6058068A (ja) | 新規なアミンデヒドロゲナーゼm | |
JP2983695B2 (ja) | 4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸の製造法 | |
JP3107639B2 (ja) | アセチルアミノメチルシクロヘキサンカルボン酸エステルアミドヒドロラーゼおよびその製造方法 | |
JPS6255098A (ja) | 光学活性α−オキシ酸の製造法 | |
JPH09173062A (ja) | D−アミノ酸オリゴペプチド合成酵素およびこれを生産する微生物 | |
JP2946055B2 (ja) | 光学活性(s)‐(+)‐3‐ハロ‐1,2―プロパンジオールの製造法 | |
JPH099962A (ja) | アルギン酸分解酵素とその製造法ならびにアルギン酸分解法 | |
JPH06225755A (ja) | デキストランスクラーゼ生産性新規微生物及びこの新規微生物を用いるデキストランスクラーゼの生産方法 | |
JPH04311389A (ja) | 新規なチオールプロテアーゼ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |