JP3105617B2 - コインプッシャゲーム機のエッジプレート調整機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、一定区間摺動する押し
出し部材により、ゲーム盤上のコインやメダル（以下、
「コイン」という。）を落下させるコインプッシャゲー
ム機（コイン落しゲーム機）に用いるエッジプレート調
整機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】コインプッシャゲーム機において、コイ
ンやメダルの落下を妨げる程度を規定するゲーム盤の縁
部の傾斜度合は重要である。すなわち、傾斜度合が緩や
か過ぎると、コインが落ち易くなるので、払出し確率が
大きくなる。逆に、傾斜度合が急峻であると、コインが
落ち難くなるので、払出し確率が小さくなる。

【０００３】従来のコインプッシャゲーム機は、予め斜
め上方に傾斜された傾斜面を有するブロック体をゲーム
盤のエッジ部に固定し、この傾斜面の傾斜角度によりコ
インの支払い率を制御していた（実公昭５６ー５２９５
１、第６図参照）。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のゲーム
機でコインの支払い率を制御するには、ゲーム機に固定
されたブロック体を取り外し、別の傾斜角度を有するブ
ロック体と交換しなければならなかった。そのため、ブ
ロック体の交換に時間がかかり、作業性が悪いという問
題があった。

【０００５】特に、傾斜角度を変えることによるコイン
支払い率の制御は高度な技術を要するので、思う通りに
制御できる確率は低く、何度も繰り返して傾斜角度を変
えなければならなかった。そのため、当業界では簡単に
傾斜角度を変えることができる機構が強く望まれてい
た。

【０００６】そこで本発明は、簡単にエッジ部の傾斜角
度を変更できる機構を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は一定区間摺動する押し出し部材により、ゲ
ーム盤上のコインを落下させるコインプッシャゲーム機
に用いるエッジプレート調整機構において、ゲーム盤の
エッジ部に接続され、エッジ部から押し出されるコイン
を一定の傾斜角度に沿って誘導するエッジプレートと、
押し出し部材の摺動方向と直交しゲーム盤に対し平行な
軸を中心として、回動自在にエッジプレートをゲーム機
に支持する支持部と、ゲーム盤に対するエッジプレート
の傾斜角度を保持する角度調整機構とを備えて構成され
る。

【０００８】

【作用】本発明によると、ゲーム機のエッジ部にはエッ
ジプレートにより任意の傾斜角度で傾斜面が形成される
が、この傾斜面の角度は角度調整機構により変更され
る。そのため、一旦、取り付けたエッジプレートを取り
外すことなく、任意の角度に変更できる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例に係るエッジプレー
ト調整機構を添付図面を参照して説明する。なお、説明
において同一要素には同一符号を用い、重複する説明は
省略する。

【００１０】図１は本発明の実施例に係るエッジプレー
ト調整機構の構造を示す縦断面図である。本実施例で
は、エッジプレートとして、略Ｓ字状に湾曲した板部材
を用いている。そのため、エッジプレートＡには２箇所
の湾曲部ａ1 ，ａ2 があり、これらの湾曲部ａ1 ，ａ2
を挟んでコイン誘導部ａ3 及び角度調整部ａ4 が配置さ
れている。なお、角度調整部ａ4 には摺動方向に伸びた
長穴Ｓが形成されている。

【００１１】湾曲部Ｒ１の近傍には固定軸Ｇが保持さ
れ、この固定軸Ｇにより、エッジプレートＡがゲーム機
に取り付けられている。固定軸Ｇは、コイン押し出し部
材Ｐの摺動方向に対して直交する方向に、ゲーム機のプ
レーフィールド（ゲーム盤）Ｆの縁部に固定されてい
る。そのため、プレーフィールドＦの上方にはエッジプ
レートＡのコイン誘導部ａ1 のみが露出し、プレーフィ
ールドＦの下方には角度調整部ａ4 が配置される。従っ
て、固定軸Ｇを支点として角度調整部ａ4 を上下動させ
ることにより、コイン誘導部ａ3 の傾斜角度が変化す
る。

【００１２】エッジプレートＡの長穴Ｓには、プレーフ
ィールドＦのフィールド面に対して直交する方向に調整
用ネジＢが挿入されている。この調整用ネジＢは、圧縮
コイルスプリングＤを介して、ゲーム機の固定板Ｃに螺
着されている。固定板Ｃには調整用ネジＢがねじ込まれ
るように、雌ねじ部が形成されている。また、この調整
用ネジＢの上方に位置するプレーフィールドＦには、コ
インより小さい調整用開口Ｈが形成されている。そのた
め、プレーフィールドＦからスクリュードライバなどの
工具を用いて、調整用ネジＢを回すことにより、簡単に
エッジプレートＡの角度を変更できる。なお、この開口
に蓋をつけ、調整時だけ蓋を取り外し、ドライバを挿入
するようにしてもよい。

【００１３】また、調整用ネジＢの下端部にはＥリング
Ｅが嵌め込まれているので、調整用ネジＢが固定板Ｃか
ら外れることが防止される。さらに、圧縮コイルスプリ
ングＤによりエッジプレートＡの角度調整部ａ４は調整
用ネジＢの頭部に押し付けられているので、エッジプレ
ートＡのガタが防止されている。この圧縮コイルスプリ
ングＤは、調整用ネジＢのネジ頭とエッジプレートＡの
間に配置してもよい。この場合、ネジ頭にワッシャを挿
入し、ネジ頭から圧縮コイルスプリングＤが脱落しない
ように圧縮コイルスプリングＤを保持する。

【００１４】図２は、本実施例に係るエッジプレート調
整機構の使用状態を示す縦断面図である。以下、図２を
参照して、本実施例の使用方法を説明する。ゲーム機の
プレーフィールドＦ上には多数のコインＭが置かれてお
り、プレーフィールドＦ上を押し出し部材Ｐが一定方向
に摺動している。遊戯者は、プレーフィールドＦに伸び
たコイン投入機（実公昭５６−５２９５１、第４図参
照）により、１枚のコインをプレーフィールドＦに投入
する。投入されたコインが押し出し部材Ｐの摺動領域に
運良く落下すると、そのコインの分だけプレーフィール
ドＦ上のコインＭは押し出し部材Ｐにより、プレーフィ
ールドＦの縁部に向かって押し出される。効果的にコイ
ンＭが移動すれば、数枚のコインＭが落下し、遊戯者の
賞金として支払われる。

【００１５】この場合、エッジプレートＡの傾斜角度が
２５度であり、傾斜が緩やか過ぎたためにコインの支払
い率が高すぎたと仮定する。そこで、スクリュードライ
バを準備し、プレーフィールドＦの開口Ｈに挿入する。
開口Ｈの下方には調整用ネジＢが配置されているので、
そのネジ頭を回し、調整用ネジＢを固定板Ｃにねじ込
む。すると、固定軸Ｇを支点として、エッジプレートＡ
が反時計方向に回転し、その結果、エッジプレートＡの
誘導部ａ3 の傾斜角度が高くなる。

【００１６】本実施例によると、まず、従来のように、
エッジの調整に高度な技術と経験を必要とせず、ネジの
回転数によりエッジプレートの角度を定量化することが
でき、プレーフィールドに形成された開口から調整用ネ
ジにアクセスできるので、簡単に角度を精度良く変更す
ることができる。そのため、作業性及び信頼性は格段に
向上する。

【００１７】さらに、簡単な構造なので故障やトラブル
が少なく、部品点数が少ないことからコストダウンにな
る。

【００１８】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変形が可能
である。例えば、支持部の軸の固定位置をゲーム盤に対
して上下動できるように構成し、コインの支払い率を制
御してもよい。

【００１９】

【発明の効果】本発明は、エッジプレートの角度を調整
する機構を備えているので、簡単にエッジ部の傾斜角度
を変更でき、角度変更作業における作業時間を短縮する
ことができる。

【００２０】また、作業者の技術に依存せず、定量的に
精度良く角度を変更できるので、コインプッシャゲーム
機の支払い率制御における信頼性を高めることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係るエッジプレート調整機構
の構造を示す縦断面図である。

【図２】実施例に係るエッジプレート調整機構の使用状
態を示す縦断面図である。

【符号の説明】

Ａ…エッジプレート，Ｂ…調整用ネジ，Ｃ…固定板，Ｄ
…圧縮コイルスプリング，Ｅ…Ｅリング，Ｆ…プレーフ
ィールド，Ｇ…固定軸，Ｈ…調整用開口，Ｍ…コイン，
Ｐ…押し出し部材。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一定区間摺動する押し出し部材により、
   ゲーム盤上のコインを落下させるコインプッシャゲーム
   機に用いるエッジプレート調整機構において、 前記ゲーム盤のエッジ部に接続され、前記エッジ部から
   押し出されるコインを一定の傾斜角度に沿って誘導する
   エッジプレートと、 前記押し出し部材の摺動方向と直交し前記ゲーム盤に対
   し平行な軸を中心として、回動自在に前記エッジプレー
   トを前記ゲーム機に支持する支持部と、 前記ゲーム盤に対する前記エッジプレートの傾斜角度を
   保持する角度調整機構と、を備えて構成されるコインプ
   ッシャゲーム機のエッジプレート調整機構。
2. 【請求項２】 前記支持部は、前記ゲーム機に固定され
   る固定軸を有し、 前記エッジプレートは、前記コインを誘導する誘導面、
   前記支持部の軸を受容する軸受け部、および前記軸受け
   部を挟んで前記誘導面の反対側端部に形成されたネジ穴
   を有し、 前記角度調整機構は、前記エッジプレートのネジ穴に挿
   入され圧縮コイルスプリングを介して前記ゲーム機に螺
   着されたネジを有し、 前記角度調整機構のネジを回すことにより、前記エッジ
   プレートの誘導面を前記支持部の軸回りに回動させ、前
   記ゲーム盤に対するエッジプレートの傾斜角度を調整す
   ることを特徴とする請求項１記載のコインプッシャゲー
   ム機のエッジプレート調整機構。