JP3102837B2 - 無水ピロメリット酸製造用触媒および無水ピロメリット酸の製造方法 - Google Patents

無水ピロメリット酸製造用触媒および無水ピロメリット酸の製造方法

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  • Catalysts (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無水ピロメリット酸製
造用触媒および無水ピロメリット酸の製造方法に関する
ものである。詳しく述べると、テトラアルキルベンゼン
の接触気相酸化法により無水ピロメリット酸を製造する
際に用いられる触媒および該触媒を用いてテトラアルキ
ルベンゼンより無水ピロメリット酸を製造する方法に関
するものである。無水ピロメリット酸は、耐熱性樹脂、
可塑剤、エポキシ樹脂用硬化剤等として広範囲に使用さ
れており、工業原料としての重要性も近年ますます高ま
ってきている。
【0002】
【従来の技術】無水ピロメリット酸の製造方法として
は、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン(以下、デ
ュレンと呼ぶことがある)の接触気相酸化反応の他に、
デュレンの液相酸化法、2,4,5−トリメチルベンズ
アルデヒドの液相酸化法、その他デュレン以外の出発原
料からの合成法も提案されている。なかでもデュレンの
気相酸化法は従来高価であった原料デュレルが最近ゼオ
ライト系の触媒の使用により、大量かつ安価に入手でき
る可能性が開けたことにより、無水ピロメリット酸を安
価に大量に製造しうるプロセスとして注目される。
【0003】デュレンの接触気相酸化用触媒としては多
数の特許文献が公表されており、例えばV2 5 −P2
5 −TiO2 ,MoO3 ,WO3 系(特公昭45−4
978号公報)、V2 5 −TiO2 (アナターゼ型)
−MoO3 ,P2 5 (特公昭45−15018号公
報)、V2 5 −TiO2 −Na2 O,P2 5 系(特
公昭45−15252号公報)、V2 5 −MoO3
2 5 (特公昭47−38431号公報)、V2 5
−P2 5 −MoO3 −TiO2 (特公昭49−308
21号公報)、V2 5 −TiO2 −P2 5 −Nb2
5 −K2 O,CsO系(特開昭49−31972号公
報)、V2 5 −B2 3 −SnO2 ,P2 5 ,Ti
2 ,Na2 O(特公昭49−31973号公報)、V
2 5 −B2 5 (特公昭48−35251号公報)、
2 5 −Na2 O−MoO3 −Cr,Mn,Nb(特
開平1−294679号公報)等が開示されている。
【0004】しかしながら、これら従来の組成の触媒に
おいては、原料ガス組成におけるテトラアルキルベンゼ
ンの濃度が20g/Nm3 未満という低濃度であった
り、該濃度を20g/Nm3 以上の濃度にすると、目的
とする無水ピロメリット酸の収率が不十分であるなど、
必ずしも工業的に満足し得るものとは言いがたいもので
ある。また、触媒の構成元素として銀を含むものはな
く、銀の効果に関しては知られていなかった。
【0005】一方、ニオブ、銀、モリブデン、クロムま
たはマンガンのごとき第二金属成分を含有するバナジン
酸塩よりなる触媒がデュレンの分子状酸素含有ガスによ
る気相酸化により無水ピロメリット酸を製造するための
触媒として知られている(英国特許第1,147,55
4号)。しかしながら、同特許にはバナジン酸ニオブを
使用した例しかなく、しかもその1通過収率はせいぜい
46重量%程度にすぎない。
【0006】さらに、特公昭43−26497号には、
バナジウムおよびニオブよりなるデュレンの気相酸化に
よる無水ピロメリット酸製造用触媒が開示され、該バナ
ジウム−ニオブ系触媒にはアルカリ金属およびアルカリ
土類金属の酸化物、硫酸塩またはリン酸塩、ホウ素、
銀、マンガンまたはリン、アンチモンまたはヒ素などの
助触媒を加えてもよい旨の記載がある。しかしながら、
同特許には、これらの助触媒を添加した実施例はなく、
しかも、バナジウム−ニオブ系触媒を使用したときの収
率も不充分であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、テトラアルキルベンゼンの接触気相酸化により
無水ピロメリット酸を製造するための新規な触媒を提供
することにある。
【0008】本発明の他の目的は、テトラアルキルベン
ゼンの接触気相酸化による無水ピロメリット酸の新規な
製造方法を提供することにある。
【0009】本発明のさらに他の目的は、工業的製造上
効率的にかつ収率よく無水ピロメリット酸を製造するた
めの触媒および無水ピロメリット酸の製造方法を提供す
ることにある。
【0010】本発明の別の目的は、高い原料ガス濃度で
しかも高収率で無水ピロメリット酸を製造するための触
媒および無水ピロメリット酸の製造方法を提供すること
にある。
【0011】本発明のさらに別の目的は、着色のない生
成物を得ることにあり、このことにより捕集効率を高
め、総合的に高い収率を達成することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】これらの諸目的は、
(1) 触媒の構成元素としてバナジウム、銀ならびに
(a)モリブデンおよびタングステンよりなる群から選
ばれた少なくとも1種の第2の元素を必須成分として含
有し、かつバナジウムに対する銀の原子比が0.00
1〜0.2の範囲にあり、かつバナジウムに対する該第
2の元素の原子比が0.01〜2の範囲にあることを特
徴とするテトラアルキルベンゼンを分子状酸素含有ガス
により気相酸化して無水ピロメリット酸を製造するため
の触媒により達成される。
【0013】本発明はまた、つぎの構成よりなるもので
ある。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】() 該触媒の構成元素として、さら
b)リン、アンチモン、ホウ素およびセリウムよりな
る群から選ばれた少なくとも1種の第3の元素を含有
、かつバナジウムに対する該第3の元素の原子比が
0.001〜1の範囲である前記(1)に記載の無水ピ
ロメリット酸製造用触媒。
【0019】() 該触媒の構成元素として、さら
c)アルカリ金属、アルカリ土類金属およびタリウム
よりなる群から選ばれた少なくとも1種の第4の元素を
含有し、かつバナジウムに対する該第4の元素の原子比
が0.001〜0.1の範囲である前記(1)に記載の
無水ピロメリット酸製造用触媒。
【0020】
【0021】() 該触媒の構成元素として、さら
b)リン、アンチモン、ホウ素およびセリウムよりな
る群から選ばれた少なくとも1種の第3の元素及び
(c)アルカリ金属、アルカリ土類金属およびタリウム
よりなる群から選ばれた少なくとも1種の第4の元素を
含有し、かつバナジウムに対する該第3の元素の原子比
が0.001〜1の範囲であり、かつバナジウムに対す
る該第4の元素の原子比が0.001〜0.1の範囲で
ある前記(1)に記載の無水ピロメリット酸製造用触
媒。
【0022】() 前記(1)〜()のいずれか一
つに記載の触媒に、酸化チタン、酸化スズおよび酸化ジ
ルコニウムよりなる群から選ばれた少なくとも1種の酸
化物を加えてなり、該酸化物の含有量が前記成分元素の
総和に対するその1モル当りの該酸化物の表面積で表わ
して、0を超えかつ1×1052/モル以下の範囲であ
る無水ピロメリット酸製造用触媒。
【0023】() 該触媒は平均直径3〜15mmの
粒状物である前記(1)〜()のいずれか一つに記載
の無水ピロメリット酸製造用触媒。
【0024】上記諸目的は、() 前記(1)〜
)のいずれか一つに記載の触媒の存在下にテトラア
ルキルベンゼンを分子状酸素含有ガスにより気相酸化す
ることを特徴とする無水ピロメリット酸の製造方法によ
っても達成される。
【0025】本発明はまた、(該気相酸化の反応
温度は340〜460℃であり、かつ空間速度は100
0〜15000hr-1である前記()に記載の無水ピ
ロメリット酸の製造方法である。本発明はさらに、
) 分子状酸素含有ガス中のテトラアルキルベンゼ
ンの濃度が10〜60g/Nm3である前記()また
は()に記載の無水ピロメリット酸の製造方法であ
る。
【0026】
【作用】本発明の触媒は、触媒の構成元素として、バナ
ジウムならびに(a)モリブデンおよびタングステ
ンよりなる群から選ばれた少なくとも1種の第2の元素
が必須の構成元素である。銀の作用は触媒活性を高め、
生成物中の着色成分を減じることであり、適量加えるこ
とにより無水ピロメリット酸の収率を高めるものであ
る。また、モリブデンおよび/またはタングステンの作
用は、上記銀の添加による作用をさらに促進する効果が
ある。銀のバナジウムに対する原子比は、通常、0.0
01〜0.2の範囲、好ましくは0.01〜0.2の範
囲、より好ましくは0.02〜0.1の範囲であるが、
その他の成分組成の違いによってそれぞれ最適化を行な
う必要がある。この際、銀を過剰に加えた場合は、燃
活性を急激に増大させるので収率が低下する。本発明の
触媒においては、触媒の構成元素中の銀のバナジウムに
対する原子比が、前記の範囲より小さい場合は銀の添加
効果が充分でなく、また銀を前記の範囲を超えて添加し
た場合は燃焼ガスの生成が増大し収率の低下を招き、前
記範囲内で添加することにより無水ピロメリット酸収率
の向上を達成することができる。また、銀添加作用のう
ち、着色の抑制については、前記範囲以上で目的を達成
できる。生成物に着色が生じた場合、これを除くために
は精製を行なうか、捕集を高温で行なわなければならな
いが、精製を行なうことは工程が増えるため製造コスト
が増大するばかりではなく、精製ロスが生じ、結果的に
収率の低下を引き起こす点で好ましくない。また、高温
で捕集した場合は無水ピロメリット酸の蒸気圧が高くな
るため、排ガス中の無水ピロメリット酸が増大すること
になり5%以上収率が低下することもある。このため、
着色のない結晶を得ることは極めて重要な要件であり、
数モル%の収率向上に値するものである。
【0027】本発明の触媒の必須の構成元素として、さ
らにモリブデンおよびタングステンよりなる群から選ば
れた少なくとも1種の第2の元素が使用される。該第2
の元素の使用量としては、バナジウムに対する該第2の
元素の原子比が、0.01〜2の範囲であればよいが、
0.01〜1の範囲が好ましく、さらに好ましくは、
0.05〜1の範囲である。触媒の構成元素として、該
第2の元素を銀の存在下で添加することにより、無水ピ
ロメリット酸の選択率を向上させ、上記の範囲内で用い
ることにより高収率で無水ピロメリット酸を得ることが
できる。上記の範囲以上用いた場合は、触媒活性が低下
すると同時に結晶に着色が生じるようになる。また、上
記の範囲以下では添加の効果が見られなくなる。ちなみ
に触媒の構成元素として銀が存在しない場合は、上記の
範囲内で該第2の元素を添加しても、活性が低下し副生
成物の生成が増大し収率の向上が見られないだけでな
く、製品品質にも悪影響がある。
【0028】また本発明の触媒の任意の構成元素として
は、リン、アンチモン、ホウ素およびセリウムから選ば
れる少なくとも1種の第3の元素(以下、A群の元素と
記すことがある)が使用される。特にA群の元素として
は、少なくともリンを含むものが好ましい。A群の元素
の使用量としては、バナジウムに対するA群元素の原子
比が、0.001〜1の範囲であればよいが、0.01
〜1の範囲が好ましく、さらに好ましくは、0.02〜
0.5の範囲である。A群元素は、主に触媒の選択性を
向上させる働きがあり、適量加えることによって、燃焼
ガスの発生を抑え、無水ピロメリット酸の収率を向上さ
せることができるが、過剰に加えた場合は、逆に燃焼が
増大し無水ピロメリット酸の収率は低下する。
【0029】さらに本発明の触媒の任意の構成元素とし
ては、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびタリウム
から選ばれる少なくとも1種の第4の元素(以下、B群
の元素と記すことがある)が使用される。B群の元素の
使用量としては、バナジウムに対するA群元素の原子比
が、0.001〜0.1の範囲であればよいが、0.0
01〜0.05の範囲が好ましく、さらに好ましくは、
0.001〜0.01の範囲である。B群元素として示
されるアルカリおよびアルカリ土類金属は触媒活性に影
響を与え少量添加することにより活性選択性とともに向
上させることができるが、添加量を増やしていくと選択
性が低下し、多量に加えると選択性活性ともに低下す
る。
【0030】また、本発明の好ましい態様としては、つ
ぎのものがある。
【0031】(1) 前記バナジウムおよび銀および第
2の元素を必須の構成成分とする触媒に、さらに第3の
元素を構成成分として配合してなる触媒。この場合、バ
ナジウムに対する銀、第2の元素および第3の元素の原
子比は、それぞれ前記のとおりである。
【0032】(2) 前記バナジウムおよび銀および第
2の元素を必須の構成成分とする触媒に、さらに第4の
元素を構成成分として配合してなる触媒。この場合、バ
ナジウムに対する銀、第2の元素および第4の元素の原
子比は、それぞれ前記のとおりである。
【0033】
【0034】() 前記バナジウムおよび銀および第
2の元素を必須の構成成分とする触媒に、さらに第3の
元素および第4の元素を構成成分として配合してなる触
媒。この場合、バナジウムに対する銀、第2の元素、第
3の元素および第4の元素の原子比は、それぞれ前記の
とおりである。
【0035】本発明の触媒の上記の任意の構成元素は、
以上の組成の範囲に設定すると、高収率で無水ピロメリ
ット酸が得られる点で、好ましいものである。
【0036】またさらに好ましい触媒の態様としては、
上記の構成元素を含有する無水ピロメリット酸製造用触
媒に、酸化チタン、酸化スズおよび酸化ジルコニウムよ
りなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物をさらに
加えることである。そのとき該酸化物の含有量が、前記
触媒の構成元素におけるバナジウム、銀、モリブデン、
A群の元素およびB群の元素の総和に対する、その1モ
ル当りの該酸化物の表面積で表わして、0を超えかつ1
×105 2 /モル以下、さらに好ましくは、1×10
3 〜1×105 2 /モルであるとき、高い収率を得る
ことが可能となる。特に該触媒の構成元素にモリブデン
を含有する場合には、酸化チタン、酸化スズおよび酸化
ジルコニアよりなる群から選ばれる少なくとも1種の酸
化物の含有量を、該触媒の構成元素におけるバナジウ
ム、銀、モリブデン、A群の元素およびB群の元素の総
和に対する、その1モル当りの該酸化物の表面積で表わ
して、特に1×103 〜4×104 2 /モルの範囲で
選択することにより高い収率が得られるものである。
【0037】さらに、該酸化物としては、少なくとも酸
化チタンを含有することが特に好ましい。これら酸化物
の添加により触媒活性が向上し、最適反応温度が10℃
以上低下することが可能となり、同時に選択率も向上す
る点で好ましい。ここでいう酸化チタン、酸化スズおよ
び酸化ジルコニウムよりなる群から選ばれる少なくとも
1種の酸化物の表面積(m2 /モル)とは、使用した酸
化物の重量(g)に該酸化物の比表面積(m2 /g)を
乗じたものを、触媒に使用したバナジウム、銀、第2の
元素、A群の元素およびB群の元素の金属状態でのモル
数の総和(モル)で割ったものである。比表面積の測定
は、BET(Brunaer−Emmett−Tell
er)法により行なったものである。
【0038】これらの触媒の調製方法および原料につい
ては、特に制限されるものではなく従来から一般に用い
られている手法により調製することができ、銀について
も例えばリン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、乳酸塩、クエン酸
塩、錯塩等を用いることができる。その他の触媒を構成
する各元素も硝酸塩、炭酸塩、有機酸塩等加熱により分
解し、各々の酸化物に変化する原料により準備される。
また、酸化チタン、酸化スズおよび酸化ジルコニウム
は、触媒調製に先立って対応する塩より調製し焼成した
酸化物粉体として使用され、特に、5m2 /g〜100
2 /gの表面積を持ったものが好適に使用可能であ
る。触媒調製としては、これら各元素をなるべく均一に
混合することが好ましく、水等の溶媒中で上記触媒組成
を攪拌混合あるいは混練して、液状、スラリー状としこ
れを担体上に担持することによって触媒を作製する。ま
たこのときウィスカー等の繊維状物をスラリー中に混合
することによって担持強度の向上を図る方法も好適に使
用できる。
【0039】使用する担体としては通常の不活性担体で
あればいずれでも用いることができるが、好ましくは見
かけ気孔率5〜50%、特に好ましくは10〜40%、
比表面積5m2 /g以下、特に0.001〜1m2 /g
のアルミニウム含有量が10重量%以下、特に3重量%
以下、SiC含有量が50重量%以上、特に80重量%
以上の無機多孔性担体が使用され、SiC純度98%程
度の自焼結型多孔性担体も好適に使用される。
【0040】担体の形状は特に限定されず、球、リン
グ、円柱、円錐、サドル状等の形状の粒状ものが用いら
れ、見かけ外形として平均3〜15mm程度、好ましく
は3〜10mm程度のものが適宜使用される。
【0041】触媒活性物質の担体への担持方法は、従来
公知の方法、すなわち噴霧担持法、含浸担持法等で行な
われるが、好ましくは150〜350℃の温度に加熱さ
れた担体に触媒液または、触媒スラリーを噴霧して触媒
活性物質の担持が行なわれる。触媒活性物質は、担体の
見かけ体積100ccに対して2〜50g、好ましくは
3〜30g担持される。このようにして得られた担持体
を300〜650℃、好ましくは400〜600℃の温
度において、1〜10時間、好ましくは、2〜6時間焼
成して触媒が得られる。
【0042】調製した本発明の触媒は、溶融塩のごとき
熱媒を所定の温度に保持した中に設置された反応管に充
填し、この固定床式触媒層に原料となるテトラアルキル
ベンゼンを導入し分子状酸素含有ガスで接触気相酸化す
ることにより無水ピロメリット酸を得ることできる。
【0043】原料として使用されるテトラアルキルベン
ゼンとしては、例えばデュレン、エチルメチルベンゼ
ン、ジエチルジメチルベンゼン、テトラエチルベンセ
ン、テトラプロピルベンゼン、プロピルトリメチルベン
ゼン等がある。
【0044】反応条件としては、熱媒の温度は340〜
460℃、さらに好適には370〜440℃に保持され
る。これにより高温では燃焼が増大し収率の低下を招
き、低温では未反応型副成物が増え収率および製品品質
の低下を引き起こす。
【0045】反応管は15〜40mm、さらに好適には
15〜30mmの内径のものが使用される。反応管径は
小さいほど反応熱の除熱効果は高まるが、あまり小さす
ぎると触媒充填等に支障をきたし好ましくない。
【0046】反応ガスは、分子状酸素含有ガスにテトラ
アルキルベンゼンを10〜60g/Nm3 を混合したも
のであり、さらに好ましくは20〜40g/Nm3 の範
囲で選ばれる。反応ガス中のテトラアルキルベンゼンの
濃度としてはこれ以下では生産性が低下し、現実的では
ない。また、これ以上でも発熱量が増大し収率および触
媒寿命の面で好ましくない。
【0047】また、使用する分子状酸素含有ガスの酸素
濃度としては、当然テトラアルキルベンゼンから無水ピ
ロメリット酸を生成するのに十分な濃度でなければなら
ないが実際には空気を用いることで十分である。該分子
状酸素含有ガスにおいて、分子状酸素以外に含有しても
よい不活性ガスとしては、窒素、CO、CO2 、希ガス
類が挙げられる。
【0048】使用する分子状酸素含有ガスの空間速度に
ついては1000〜15000hr-1、さらに好ましく
は3000〜10000hr-1である。これより小さい
と燃焼ガスの発生が増大し、これより大きい場合は、製
品中の不純物が増大し好ましくないものである。
【0049】
【実施例】以下、実施例を用いて、本発明をさらに具体
的に説明する。
【0050】なお、比較例および実施例中の無水ピロメ
リット酸の収率(モル%)は、液体クロマトグラフによ
り測定した値であり、最適反応温度における([(生成
した無水ピロメリット酸のモル数/供給したテトラアル
キルベンゼンのモル数)]×100)の値を示すもので
ある。
【0051】また、比較例および実施例中に記載した酸
化チタン、酸化スズおよび酸化ジルコニウムから選ばれ
る少なくとも1種の酸化物の表面積(m2 /モル)は、
使用した酸化物の重量(g)に該酸化物の比表面積(m
2 /g)を乗じたものを、触媒に使用したバナジウム、
銀、モリブデン、A群の元素およびB群の元素の金属状
態でのモル数の総和(モル)で割ったものであり、該酸
化物の比表面積の測定は、湯浅アイオニクス株式会社製
4−ソーブ−US2型を用い、吸着ガスに窒素を使用し
てBET法により行なったものである。
【0052】酸化チタンはTiO2 として7重量%の硫
酸チタニル水溶液を煮沸して加水分解し含水酸化チタン
を沈殿させた。これを充分洗浄した後740℃の温度で
空気流通下6時間焼成しジェット気流粉砕処理し、比表
面積20m2 /gのアナターゼ型酸化チタン粉末として
使用した。
【0053】実施例1(比較例) 純水1500cc中に蓚酸560gを溶解させ、これに
メタバナジン酸アンモニウム281g、第一リン酸アン
モニウム16.6gを添加し発泡がみられなくなるまで
充分撹拌し、銀をバンナジウムに対して、原子比でAg
/V=0.006となるようにAg2 Oとして30重量
%の硝酸銀水溶液として添加した後、比表面積20m2
/gの酸化チタン1.2kgを加え、均一に混合したの
ち純水を加え、4リットルの触媒液スラリーを調製し
た。
【0054】外部加熱式の回転炉中に平均直径4mmの
球状の自己焼結型の炭化珪素担体2000ccを入れて
150〜250℃に予熱しておき、ここにさきに調製し
た触媒液スラリーを噴霧して触媒物質150gを担持さ
せた。ついで焼成炉にて550℃で6時間焼成し触媒X
lを得た。得られた触媒Xlを直径20mmの反応管に
20cm充填し、そこへ20g/Nm3 の濃度のデュレ
ンで残部が空気である原料ガスを空間速度6000hr
-1で通じた。収率の評価は、反応ガスをガラス製の空冷
式結晶器に通じた後、純水を入れた洗気瓶2個を通じて
捕集し、全量を純水にとかして、液体クロマトグラフに
よりピロメリット酸を定量し、これより無水ピロメリッ
ト酸生成量を求めた。無水ピロメリット酸の収率は、溶
融塩浴の温度390℃のとき58.7モル%であった。
結果を表1に示す。
【0055】比較例1 銀を加えない以外は実施例1(比較例)と同様にして触
媒X21を調製した。得られた触媒X21を実施例1
(比較例)と同様に評価したところ、溶融塩浴の温度が
390℃のとき、無水ピロメリット酸収率は58.0モ
ル%であった。結果を表3に示す。
【0056】実施例2 純水7000cc中に蓚酸2.4kgを溶解させ、これ
にメタバナジン酸アンモニウム1.2kg、モリブデン
酸アンモニウム180gおよび第一リン酸アンモニウム
36.8gを加え、発泡が見られなくなるまで撹拌して
均一な溶液とした。発泡の見られなくなった均一な溶液
に銀をバナジウムに対して、原子比でAg/V=0.0
5となるようにAg2 Oとして30重量%の硝酸銀水溶
液として添加した後、純水を加え9リットルの触媒液ス
ラリーを調製した。外部加熱式の回転炉中に平均粒子径
4mmの球状のSiC担体2000ccを入れて280
〜330℃に予熱しておき、ここにさきに調製した触媒
液スラリーを噴霧して触媒物質100gを担持させた。
ついで焼成炉にて500℃で6時間焼成し触媒X2を得
た。得られた触媒X2を直径20mmの反応管に20c
m充填し、そこへ20g/Nm3 の濃度のデュレン残部
が空気である原料ガスを空間速度6000hr-1で通じ
た。
【0057】溶融塩浴の温度が400℃のとき、無水ピ
ロメリット酸が59.3モル%の収率で得られた。
【0058】結果を表1に示す。これは対応する比較例
2より約2モル%高い値である。
【0059】比較例2 銀を加えない以外は実施例2と同様にして触媒X22を
調製した。得られた触媒X22を実施例1(比較例)
同様に評価したところ、溶融塩浴の温度が410℃のと
き、無水ピロメリット酸が57.2モル%の収率であっ
た。結果を表3に示す。
【0060】実施例3 純水7000cc中に蓚酸2.4kgを溶解させ、これ
にメタバナジン酸アンモニウム1.2kg、モリブデン
酸アンモニウム180gおよび第一リン酸アンモニウム
36.8gを添加し、発泡が見られなくなるまで充分撹
拌して均一な溶液とした。発泡の見られなくなった均一
な溶液に銀をバナジウムに対して、原子比でAg/V=
0.04となるようにAg2 Oとして30重量%の硝酸
銀水溶液として添加した。
【0061】この後、比表面積20m2 /gの酸化チタ
ン2.6kgを加え乳化器で30分間均一に混合したの
ち、純水を加え9リットルの触媒液スラリーを調製し
た。外部加熱式の回転炉中に平均粒子径4mmの球状の
SiC担体2000ccを入れて280〜330℃に予
熱しておき、ここにさきに調製した触媒液スラリーを噴
霧して触媒物質100gを担持させた。ついで焼成炉に
て500℃で6時間焼成し触媒X3を得た。得られた触
媒X3を実施例1(比較例)と同様に反応評価したとこ
ろ、63.1モル%の収率を示した。結果を表1に示
す。これは対応する比較例3より約2.5モル%高い価
である。
【0062】比較例3 銀を加えない以外は実施例3と同様にして触媒X23を
調製した。得られた触媒X23を実施例1(比較例)
同様に評価したところ、溶融塩浴の温度が395℃のと
き、無水ピロメリット酸が60.5モル%の収率であっ
た。結果を表3に示す。
【0063】実施例4〜5 実施例3において硝酸銀の添加量を変えることによりA
g/V=0.02とした以外は同様にして触媒X4を、
Ag/V=0.1とした以外は同様にして触媒X5を調
製した。実施例1(比較例)と同様に反応評価したとこ
ろ、表1に示したように最適反応温度は大きく変わるも
のの、いづれも銀を添加しない触媒X21より1.5モ
ル%以上高い値を示した。
【0064】比較例4 実施例3において硝酸銀の添加量を変えることによりA
g/V=0.3とした以外は同様にして触媒X24を調
製した。得られた触媒X24を実施例1(比較例)と同
様に反応評価したところ、溶融塩浴の温度が370℃の
とき、無水ピロメリット酸が57.7モル%の収率で得
られた。結果を表3に示す。
【0065】実施例6(比較例) 実施例3においてモリブデン酸アンモニウムを添加しな
かった以外は、同様にして触媒X6を調製した。これら
を実施例1(比較例)と同様の条件下に反応を行った
結果、表1に示す。
【0066】実施例7〜9 実施例3においてモリブデン酸アンモニウムの添加量を
変えることによりMo/V=0.05とした以外は、同
様にして触媒X7を、また、実施例3においてMo/V
=0.3とした以外は同様にしてX8を、および実施例
3においてMo/V=1.0とした以外は同様にしてX
9を調製した。これらを実施例1(比較例)と同様の条
件下に反応を行った。その結果、表1に示したように、
モリブデンの添加量により最適反応温度は大きく変化し
たものの、対応する比較例3に比べ高い収率が得られ
た。
【0067】実施例10 実施例5において硝酸銀の添加量を変えることによりA
g/V=0.08とした以外は同様にして触媒X10
調製した。
【0068】得られた触媒X10を実施例1(比較例)
と同様に反応評価したところ、溶融塩浴の温度が400
℃のとき、無水ピロメリット酸が63.7モル%の収率
で得られた。結果を表1に示す。
【0069】実施例11 純水7000cc中に蓚酸2.4kgを溶解させ、これ
にメタバナジン酸アンモニウム1.2kg、酸化タング
ステンとして50重量%を含有するメタタングステン酸
アンモニウム水溶液238gおよび第一リン酸アンモニ
ウム36.8gを添加し発泡が見られなくなるまで充分
撹拌した。
【0070】発泡の見られなくなった均一な溶液に銀を
バナジウムに対して、原子比でAg/V=0.05とな
るように硝酸銀水溶液として添加し、これに比表面積2
0m2 /gの酸化チタン2.6kgを加え乳化器で30
分間均一に混合したのち、純水を加え9リットルの触媒
液スラリーを調製した。外部加熱式の回転炉中に平均粒
子径4mmの球状のSiC担体2000ccを入れて2
80〜330℃に予熱しておき、ここにさきに調製した
触媒液スラリーを噴霧して触媒物質100gを担持させ
た。ついで焼成炉にて500℃で6時間焼成し触媒X1
1を得た。得られた触媒X11を実施例1(比較例)
同様に評価したところ、溶融塩浴の温度が390℃のと
き、無水ピロメリット酸が62.5モル%の収率で得ら
れた。結果を表1に示す。
【0071】これは、対応する比較例7に比べて約2モ
ル%高い収率であり、モリブデンの代わりにタングステ
ンを用いても同様の効果が得られることがわかった。
【0072】比較例5 純水7000cc中に蓚酸2.4kgを溶解させ、これ
にメタバナジン酸アンモニウム1.2kg、酸化タング
ステンとして50重量%を含有するメタタングステン酸
アンモニウム水溶液238gおよび第一リン酸アンモニ
ウム36.8gを添加し発泡が見られなくなるまで充分
撹拌し、これに比表面積20m2 /gの酸化チタン2.
6kgを加え、乳化器で30分間均一に混合したのち、
純水を加え9リットルの触媒液スラリーを調製した。外
部加熱式の回転炉中に平均粒子径4mmの球状のSiC
担体2000ccを入れて280〜330℃に予熱して
おき、ここにさきに調製した触媒液スラリーを噴霧して
触媒物質100gを担持させた。ついで焼成炉にて50
0℃で6時間焼成し触媒X25を得た。得られた触媒X
25を実施例1(比較例)と同様に反応評価したとこ
ろ、溶融塩浴の温度が400℃のとき、無水ピロメリッ
ト酸が60.3モル%の収率で得られた。結果を表3に
示す。
【0073】実施例12 実施例3において添加する第一リン酸アンモニウムの量
を変えてP/V=0.1とした以外は同様にして触媒X
12を調製した。実施例1(比較例)と同様に反応評価
を行なった結果、溶融塩温度400℃のとき、無水ピロ
メリット酸が63モル%の収率で得られ、実施例3とほ
ぼ同等の値を示した。結果を表1に示す。
【0074】実施例13 実施例12において、第一リン酸アンモニウムの代わり
にV/Sb=0.02となるように比表面積52m2
gの五酸化アンチンの粉末を添加した以外は、同様にし
て触媒X13を得た。実施例1(比較例)と同様に反応
評価を行なった結果、溶融塩温度390℃のとき、無水
ピロメリット酸が61.2モル%の収率で得られた。結
果を表1に示す。
【0075】実施例14〜18 実施例3において、アンチモン、ホウ素、セリウム、カ
ルシウムおよびナトリウムをそれぞれバナジウムに対し
て、原子比でSb/V=0.006、B/V=0.2、
Ce/V=0.001、Ca/V=0.006、Na/
V=0.002となるように添加した以外は、同様にし
て触媒を調製しそれぞれ触媒X14、X15、X16、
X17およびX18を調製した。これらを実施例1(比
較例)と同様にして反応評価を行なった。その結果を表
2に示した。
【0076】また、対応する銀を添加しない触媒X2
6、X27、X28、X29およびX30に対していづ
れも2モル%以上高い収率を示した。また、実施例3に
対してもいづれも高い収率を示し、これら元素の添加に
より収率が向上した。
【0077】なお、これら元素の添加源として、アンチ
モンには、比表面積52m2 /gの五酸化アンチモン、
ホウ素にはホウ酸、セリウムには比表面積33m2 /g
の酸化セリウム、カルシウムには硝酸カルシウム、ナト
リウムには硝酸ナトリウムをそれぞれ使用した。
【0078】比較例6〜10 実施例14において、銀を添加しない以外は同様にして
触媒X26を、実施例15において銀を添加しない以外
は同様にして触媒X27を、実施例16において銀を添
加しない以外は同様にして触媒X28を、実施例17に
おいて、銀を添加しない以外は同様にして触媒X29
を、また実施例18において、銀を添加しない以外は同
様にして触媒X30を調製した。これらを実施例1(比
較例)と同様にして反応評価を行った。結果を表4に示
す。
【0079】実施例19 実施例6において、銀としてリン酸銀を添加し、同時に
第一リン酸アンモニウムの量を減じて触媒組成としては
X15と同等の触媒X19を調製した。リン酸銀は固体
のまま加えた。得られた触媒X19を実施例1(比較
例)と同様に反応評価を行なった。結果を表2に示す。
【0080】実施例20 実施例17で調製した触媒X17を用い、原料ガス中の
デュレンガス濃度を30g/Nm3 とした以外は同様に
して反応評価を行った。その結果、63.0モル%の収
率で無水ピロメリット酸が得られた。これは、対応する
銀を含まない触媒X23をデュレンガス濃度20g/N
3 の条件で反応させた場合よりも高い収率であった。
結果を表2に示す。
【0081】以上実施例と比較例との比較より明らかな
ように、無水ピロメリット酸の製造の際、触媒の構成元
素に銀を含有した触媒を用いた場合は、触媒の構成元素
に銀を含有していない触媒を用いた場合に比べて、無水
ピロメリット酸の収率が向上し、特に、モリブデンある
いはダングステンを適量同時に加えることに銀の添加量
を増やすことが可能となり、その結果、特に高い効果が
得られ2モル%以上収率が向上するものである。また比
較例4で示したように、無水ピロメリット酸の製造の
際、触媒の構成元素として銀が、銀のバナジウムに対す
る原子比が0.2を超える量を含有した触媒を用いた場
合は、触媒の構成元素に銀を含有していない触媒を用い
た場合に比べて、逆に無水ピロメリット酸の収率は低下
するものである。また、有効な添加元素であるモリブデ
ンおよびタングステンについても大量に添加した場合、
例えばそのバナジウムに対する原子比がMo/V=3と
いった場合は生成物の着色が増体し、好ましくないもの
である。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】
【表3】
【0085】
【表4】
【0086】
【発明の効果】テトラアルキルベンゼンを気相接触酸化
して無水ピロメリット酸を製造する際に、本発明の触媒
を用いれば、無水ピロメリット酸の収率を向上させるこ
とができ、原料ガス中のテトラアルキルベンゼンのガス
濃度を上げることができ、同時に、生成物の着色を防ぐ
ことにより、捕集および精製工程での回収を上げること
ができ、そのため工業的に効率よく製造することができ
るものである。
フロントページの続き (72)発明者 江本 泰久 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地 の1 株式会社日本触媒 触媒研究所内 (72)発明者 清岡 靖 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地 の1 株式会社日本触媒 触媒研究所内 (72)発明者 植田 健次 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地 の1 株式会社日本触媒 触媒研究所内 (56)参考文献 特開 昭55−154966(JP,A) 特開 昭55−122787(JP,A) チェコスロバキア国特許148803(C Z) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74 C07B 61/00 300 CA(STN)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒の構成元素としてバナジウム、銀な
    らびに(a)モリブデンおよびタングステンよりなる群
    から選ばれた少なくとも1種の第2の元素を必須成分と
    して含有し、かつバナジウムに対する銀の原子比が
    0.001〜0.2の範囲にあり、かつバナジウムに対
    する該第2の元素の原子比が0.01〜2の範囲にあ
    ことを特徴とするテトラアルキルベンゼンを分子状酸素
    含有ガスにより気相酸化して無水ピロメリット酸を製造
    するための触媒。
  2. 【請求項2】 該触媒の構成元素として、さらに(b)
    リン、アンチモン、ホウ素およびセリウムよりなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種の第3の元素を含有し、かつ
    バナジウムに対する該第3の元素の原子比が0.001
    〜1の範囲である請求項1に記載の無水ピロメリット酸
    製造用触媒。
  3. 【請求項3】 該触媒の構成元素として、さらに(c)
    アルカリ金属、アルカリ土類金属およびタリウムよりな
    る群から選ばれた少なくとも1種の第4の元素を含有
    し、かつバナジウムに対する該第4の元素の原子比が
    0.001〜0.1の範囲である請求項1に記載の無水
    ピロメリット酸製造用触媒。
  4. 【請求項4】 該触媒の構成元素として、さらに(b)
    リン、アンチモン、ホウ素およびセリウムよりなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種の第3の元素及び(c)アル
    カリ金属、アルカリ土類金属およびタリウムよりなる群
    から選ばれた少なくとも1種の第4の元素を含有し、か
    つバナジウムに対する該第3の元素の原子比が0.00
    1〜1の範囲であり、かつバナジウムに対する該第4の
    元素の原子比が0.001〜0.1の範囲である請求項
    1に記載の無水ピロメリット酸製造用触媒。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一つに記載の触
    媒に、酸化チタン、酸化スズおよび酸化ジルコニウムよ
    りなる群から選ばれた少なくとも1種の酸化物を加えて
    なり、該酸化物の含有量が前記成分元素の総和に対する
    その1モル当りの該酸化物の表面積で表わして、0を超
    えかつ1×10 5 2 /モル以下の範囲である無水ピロメ
    リット酸製造用触媒。
  6. 【請求項6】 該触媒は平均直径3〜15mmの粒状物
    である請求項1〜5のいずれか一つに記載の無水ピロメ
    リット酸製造用触媒。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか一つに記載の触
    媒の存在下にテトラアルキルベンゼンを分子状酸素含有
    ガスにより気相酸化することを特徴とする無水ピロメリ
    ット酸の製造方法
  8. 【請求項8】 該気相酸化の反応温度は340〜460
    ℃であり、かつ空間速度は1000〜15000hr -1
    である請求項7に記載の無水ピロメリット酸の製造方
  9. 【請求項9】 分子状酸素含有ガス中のテトラアルキル
    ベンゼンの濃度が10〜60g/Nm 3 である請求項7
    または8に記載の無水ピロメリット酸の製造方法
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