JP3098105B2 - スプライン軸及びその成形方法 - Google Patents

スプライン軸及びその成形方法

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JP3098105B2
JP3098105B2 JP04161821A JP16182192A JP3098105B2 JP 3098105 B2 JP3098105 B2 JP 3098105B2 JP 04161821 A JP04161821 A JP 04161821A JP 16182192 A JP16182192 A JP 16182192A JP 3098105 B2 JP3098105 B2 JP 3098105B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二つの軸部材の連結を
スプラインにより回転伝達且つ伸縮可能とし、その伸縮
時においては常時滑らかに摺動可能としたスプライン軸
及びその成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、二つの軸部材を連結する場合
に、回転伝達且つ伸縮可能とするために、スプラインに
よる連結構造とし、例えば自動車のテレスコピック機能
を有するステアリングにそのスプライン連結構造が設け
られている。
【0003】そのスプラインによる連結箇所では、二つ
の軸部材の伸縮による摺動状態を滑らかにするために、
機械油等の潤滑剤を使用しなくてはならないが、上記テ
レスコピック機能付きのステアリングにおいては液体状
の潤滑剤を使用することは好ましくなく、そこで、スプ
ラインのおすスプラインの周囲に表面が極めて滑らかと
なる合成樹脂を被覆し、樹脂層を形成することによりお
すスプラインがめすスプラインを良好に摺動することが
できるようにしている。
【0004】そのおすスプラインの表面に樹脂層を形成
するものでは、既に特公平2−19325に示されてい
るように、伝動軸の軸部分の周面に突条を備えており、
その外周に円周方向に沿って、環状溝が形成され、おす
スプライン表面及び溝内に樹脂を流し込むようにして、
おすスプラインに樹脂層を形成するものである。
【0005】そのおすスプラインに環状溝を形成して、
おすスプライン表面に樹脂層を形成することで、環状溝
箇所に樹脂層が食い込む状態となり、その樹脂層が一層
強固におすスプライン表面に固定され、耐久性にも優れ
たものにすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述した特公平2−1
9325では、樹脂層がおすスプライン表面上に極めて
強固に固定されるもので、その樹脂層の耐久性を向上さ
せることができる利点がある。ところで、おすスプライ
ン表面には円周方向に環状溝を形成していることから、
環状溝箇所では、スプラインを構成する歯が実質的には
樹脂層のみからなるものであって、他の箇所のように、
樹脂層の下部にすぐに金属部分が存在するものではな
い。
【0007】従って、おすスプラインは、環状溝箇所の
樹脂層によるスプラインの歯部が他の箇所の歯部と同一
の強度を有しているとはいえず、二部材の軸間での回転
トルクを伝達する際には、樹脂層によるスプライン歯部
が存在し、おすスプラインがめすスプラインに対して回
転トルクを伝達するのに可能な長さとするには、環状溝
を考慮して、スプラインの長さを決定する必要がある。
【0008】即ち、スプライン上に形成した環状溝は、
スプラインとしての回転トルクを伝達するところに存在
するので、、その溝の数に応じてスプラインの回転トル
ク伝達可能なスプライン部分の最小限の長さを長くし、
スプライン連結構造を長大化する。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、発明者は、上記
課題を解決すべく鋭意,研究を重ねた結果、本発明のを
軸部の軸方向の一端に被覆用軸部の外周に複数の被覆用
キー芯部を形成したスプラインの軸芯部を形成し、該ス
プラインの軸芯部の軸端側に被覆用突出部を設け、その
スプラインの軸芯部及び被覆用突出部を樹脂被覆層にて
被覆してなるスプライン軸とし、またスプライン成形部
を有する金型内に軸体の軸側被覆用部及び被覆用突出部
を位置決め固定し、次いで軸側被覆用部及び被覆用突出
部の少なくとも一方より樹脂剤を注入し、そのスプライ
ン軸芯部,軸側被覆用部及び被覆用突出部を樹脂被覆層
にて被覆するスプライン軸の成形方法としたことによ
り、おすスプラインに樹脂層を強固に形成することがで
き、スプライン部分を回転伝達可能とする必要最小限の
寸法にすることにより、極めてコンパクト構成すること
ができ、上記課題を解決したものである。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
すると、図1,図2に示すように、軸体Aは金属材より
なるものであって、軸部1,スプライン軸芯部2及び被
覆用突出部3より形成されるもので軸部1の軸方向端部
にスプライン軸芯部2が形成され、さらに軸部1とスプ
ライン軸芯部2との間に軸側被覆用部1aが形成されて
いる。
【0011】そのスプライン軸芯部2は、被覆用軸部2
aの周囲に複数の被覆用キー芯部2b,2b,…が形成
されているものであって、後述するようにスプライン軸
芯部2表面には樹脂被覆層sが形成されて樹脂被覆され
たスプライン軸部として使用されるものであり、具体的
なスプライン軸芯部2は、実際には樹脂被覆層sにより
被覆された適正なスプライン軸とは同等形状であるが樹
脂被覆層sの分だけ相似的に僅かに縮小形成されてい
る。
【0012】また、スプライン軸芯部2は、機械要素と
して使用可能なスプライン軸がそのまま使用されること
もあり、さらには、スプライン軸の形状に略同等のもの
であってもよく、後述するように、スプライン軸芯部2
状に樹脂被覆層sが形成されて樹脂被覆スプライン軸が
形成されるのに都合のよいものであれば上記実施例に限
定されることはない。
【0013】そのスプライン軸芯部2の軸方向の端部箇
所(軸部1に隣接している箇所とは反対側の端部)に
は、図1,図2に示すように、被覆用突出部3が形成さ
れており、該被覆用突出部3の具体的な形状としては、
円筒状に形成されたものである。
【0014】その被覆用突出部3は、上述したように円
筒状に形成されている実施例においては、図2に示すよ
うに、該被覆用突出部3の直径D3 は、スプライン軸芯
部2の被覆用軸部2aの直径D2 と同等の直径に形成さ
れる場合と、さらに別の実施例として、被覆用突出部3
の直径D3 が被覆用軸部2aの直径D2 よりも小さく形
成されることもある。
【0015】また、軸部1とスプライン軸芯部2との間
に形成される軸側被覆用部1aは、軸部1と一体的に形
成されるもので、さらにその軸側被覆用部1aがスプラ
イン軸芯部2と一体的に形成されており、前記被覆用突
出部3と断面が同等形状になっており、具体的には、図
7,図8に示すように、その軸側被覆用部1aは円形断
面を有し、その直径D1 は、被覆用突出部3の直径D3
と同等である。
【0016】さらに、被覆用突出部3及び軸側被覆用部
1aは、図示しないが断面が円形状ではなく多角形状と
することもあり、具体的な実施例としては四角形,六角
形状等に形成される実施例も存在している。
【0017】そのスプライン軸芯部2と被覆用突出部3
及び軸側被覆用部1aに合成樹脂よりなる樹脂被覆層s
が形成されており、該樹脂被覆層sによりスプライン軸
芯部2及び被覆用突出部3を芯として正確な形状を有す
る樹脂被覆スプライン軸が形成され、具体的には、樹脂
被覆層sがスプライン軸芯部2の被覆用軸部2a及び被
覆用キー芯部2b,2b,…を被覆して、スプライン軸
芯部2に略等しくなるように樹脂被覆スプライン軸が形
成されるものであって、さらに被覆用突出部3箇所にお
ける樹脂被覆層sもスプラインを形成するものである
が、被覆用突出部3及び軸側被覆用部1a箇所に形成さ
れる樹脂被覆スプライン軸のそれぞれの歯は、図3に示
すように、樹脂被覆層sのみで形成されることとなり、
内部にはスプライン軸芯部2における被覆用キー芯部2
b,2b,…等の金属芯部が存在しないものである。
【0018】次に、軸体Aのスプライン軸芯部2に樹脂
被覆層sを形成する方法について説明すると、スプライ
ン軸芯部2等に樹脂被覆層sを形成して樹脂被覆スプラ
イン軸を形成する金型Cは、図9,図10に示すよう
に、複数に分割される型枠C1,C1 より構成されてお
り、該型枠C1 ,C1 内にはスプライン成形部4及び端
部位置決部5、が形成されており、端部位置決部5、に
は前記軸体Aの被覆用突出部3及び軸側被覆用部1aが
配置できるようになっており、且つその端部位置決部
5、箇所に樹脂溶剤が注入可能な注湯路6が形成されて
いる。
【0019】その端部位置決部5、はスプライン成形部
4の両側に形成されるものであって、一方の端部位置決
部5、に被覆用突出部3が、他方の端部位置決部5、に
軸側被覆用部1aがそれぞれ配置されるものであって、
注湯路6は何れ一方の端部位置決部5、に設けられる
か、或いは両方の端部位置決部5,5に注湯路6,6が
設けられる実施例が存在する。
【0020】その型枠C1 ,C1 内のスプライン成形部
4はスプライン軸芯部2の全体と、被覆用突出部3及び
軸側被覆用部1aの一部が内部に配置され、まず、型枠
C1,C1 のスプライン成形部4内に軸体Aのスプライ
ン軸芯部2を配置し、端部位置決部5、には被覆用突出
部3及び軸側被覆用部1aを配置し、型枠C1 ,C1と
を合わせ、注湯路6より樹脂溶剤を射出し、樹脂溶剤を
スプライン軸芯部2,被覆用突出部3及び軸側被覆用部
1aのそれぞれの表面に被覆する。
【0021】ここで、被覆用突出部3及び軸側被覆用部
1aを端部位置決部5に配置するときには端部位置決部
5にて被覆用突出部3及び軸側被覆用部1aを完全に覆
うものとはしないで、スプライン軸芯部2側との連結箇
所をスプライン成形部4内に露出させておく必要があ
る。
【0022】その型枠C1 ,C1 を閉じて端部位置決部
5箇所に設けた注湯路6より溶けた状態の樹脂剤を注入
し、スプライン軸芯部2,被覆用突出部3及び軸側被覆
用部1aに樹脂被覆層sにて樹脂被覆スプライン軸を形
成するものであり、溶けた状態の樹脂剤は端部位置決部
5、箇所の注湯路6から注入され、図10に示すよう
に、注入時の圧力が被覆用突出部3及び軸側被覆用部1
a箇所にかかり、スプライン軸芯部2には直接かかるこ
とがないので、スプライン軸芯部2に注入圧力による曲
げモーメントがかかることなく、良好な状態でスプライ
ン軸芯部2,被覆用突出部3及び軸側被覆用部1aに樹
脂被覆層sを形成して樹脂被覆スプライン軸を成形する
ことができる。
【0023】その軸体Aは、テレスコピックステアリン
グのテレスコピック装置を構成する要素として使用され
るものであって、軸体Aがロアーシャフトとして使用さ
れるものであって、軸体Aに形成される樹脂被覆スプラ
イン軸がおすスプラインとして使用され、またテレスコ
ピック装置を構成するアッパーシャフト内にはめすスプ
ラインが形成され、おすスプラインとして使用される樹
脂被覆スプライン軸に対し、めすスプラインが摺動し
て、アッパーシャフトが軸方向に移動してテレスコピッ
ク機能をなすものである。
【0024】また、金型Cは、図11に示すように、複
数に分割され成形型C2 ,芯出しブロックC3 からな
り、図12,図13に示すように、テーパー状の導入溝
を有する芯出しブロック3にてスプライン軸芯部2を適
正な配置にすることができる。
【0025】その軸体Aは、図14(a)及び(b)に
示すように、テレスコピックステアリングのテレスコピ
ック装置を構成する要素として使用されるものであっ
て、該軸体Aがロアーシャフトとして使用されるもので
あって、軸体Aに形成される樹脂被覆スプライン軸部が
おすスプラインとして使用され、またテレスコピック装
置を構成するアッパーシャフトU内にはめすスプライン
U1 が形成され、おすスプラインとして使用される樹脂
被覆スプライン軸部に対し、めすスプラインが摺動し
て、アッパーシャフトUが軸方向に移動してテレスコピ
ック機能をなすものである。図中の符号Mは、マンドレ
ルであって、金型Cに軸体Aを固定するものである。
【0026】
【発明の効果】請求項1においては、軸部1の軸方向の
一端に被覆用軸部2aの外周に複数の被覆用キー芯部2
b,2b,…を形成したスプライン軸芯部2を形成し、
該スプライン軸芯部2の軸端側に被覆用突出部3を設
け、そのスプライン軸芯部2及び被覆用突出部3を樹脂
被覆層sにて被覆してなるスプライン軸としたことによ
りまず第1に極めて耐久性のある樹脂被覆層sを形成す
ることができるし、第2に極めてコンパクトにすること
ができるし、第3に製造過程における加工精度を緩める
ことにより製造コストを下げることができるし、上記効
果について詳述すると、スプライン軸芯部2の軸端側に
被覆用突出部3を設けており、スプライン軸芯部2及び
被覆用突出部3箇所に樹脂被覆層sを被覆し歯形部を形
成することで、樹脂成形部の端部長さが大きくなり、軸
側に締付作用となる収縮面積も大きく確保されるので樹
脂被覆層部分がしっかりとスプライン軸芯部2及び被覆
用突出部3に固定することができ、スプラインの樹脂層
の剥がれを防止することができる。
【0027】次に、スプライン軸芯部2への樹脂被覆層
sの形成では、スプライン軸芯部2及び被覆用突出部3
を樹脂被覆層sにて被覆し、スプライン軸芯部2に樹脂
被覆層sを形成、且つ固着する構造としているので、公
知とされている出願内容に記載されているように、スプ
ライン部分の軸方向の中間箇所に溝を形成し、該溝部分
を含んで樹脂を被覆するタイプのものに比較して、コン
パクトに構成することができる。
【0028】即ち、公知技術に示されているものでは、
図6に示すように、スプラインを構成する軸部分に環状
溝dを形成し、該環状溝d内にもプラスチック材料層に
て被覆するものとし、プラスチック材料層の軸部分への
被覆固定力を強固なるものとしているが、軸部分に環状
溝dを形成することにより、軸部分の有効なスプライン
部分の軸方向の中間箇所にスプライン歯の存在しない部
分が生じることとなり、軸部分による回転伝達のときに
強度が不足し、且つその環状溝に応力が集中することと
なり、スプラインの強度及び耐久性等に不安が生じるも
のであった。
【0029】そのために従来のタイプでは、有効長さが
環状溝dの数だけ大きくなり、複数(例えばn個)の環
状溝dのためndだけ大きくなっていたが、本発明で
は、環状溝dを設けていないので、本発明におけるスプ
ライン軸芯部2の有効長さL0は従来タイプの軸芯部の
有効長さL1 より小さくできる。
【0030】即ち、本発明では、スプライン軸芯部2の
軸方向には樹脂被覆層sを固定する目的で溝等を形成し
ていないので、樹脂被覆スプライン軸内部のスプライン
軸芯部2の強度を充分に維持することができ、さらに樹
脂被覆層sの固定用の溝を形成した場合に溝形成部分だ
けスプラインを大きくすることなくできるのでコンパク
ト且つ強固な状態にすることができるものである。
【0031】次に、スプライン軸芯部2には樹脂被覆層
sを形成して、樹脂被覆スプライン軸を形成するもので
あるから、特にスプライン軸芯部2の精度を高くするこ
となく、樹脂被覆層sにて樹脂被覆スプライン軸を成形
する精密な型枠を備えるのみで、大量に精度の高い樹脂
被覆スプライン軸を成形することができる。
【0032】請求項2においては、軸部1の軸方向の一
端に被覆用軸部2aの外周に複数の被覆用キー芯部2
b,2b,…を形成したスプライン軸芯部2を形成し、
該スプライン軸芯部2の軸部1側端には軸側被覆用部1
aを、スプライン軸芯部2の他端側には被覆用突出部3
を設けそのスプライン軸芯部2,軸側被覆用部1a及び
被覆用突出部3を樹脂被覆層sにて被覆してなるスプラ
イン軸としたことにより、先ず第1にスプライン軸は優
れた耐久性を有し、第2にスプライン端部における樹脂
被覆層sを強固に形成することができる等の効果を奏す
る。
【0033】上記効果を詳述すると本発明では、軸部1
の軸方向の一端にスプライン軸芯部2を形成し、該スプ
ライン軸芯部2の軸部1側端には軸側被覆用部1aを、
スプライン軸芯部2の他端側には被覆用突出部3を設け
ており、そのスプライン軸芯部2,被覆用突出部3及び
軸側被覆用部1aのそれぞれを連続的に樹脂被覆層sに
て樹脂被覆スプライン軸部分を形成しているものであっ
て、スプライン軸芯部2に樹脂被覆層sを形成するとと
もに、被覆用突出部3及び軸側被覆用部1aへの樹脂被
覆層s箇所の樹脂部分が樹脂被覆スプライン軸部分の一
部をなし、前述したように、樹脂被覆部分の軸側への締
付作用となる収縮面積も、被覆用突出部3及び軸側被覆
用部1aにて大きく確保されるので樹脂被覆層部分をし
っかりと固定することができ、樹脂被覆スプライン軸部
分がスプライン軸芯部2への固定を一層強固にするもの
となり、樹脂被覆層sによる樹脂被覆スプライン軸部分
の耐久性を向上させるものである。
【0034】次に、スプライン軸芯部2,軸側被覆用部
1a及び被覆用突出部3に樹脂被覆層sを形成し、樹脂
被覆スプライン軸を成形することで、被覆用突出部3及
び軸側被覆用部1a箇所にもスプライン軸の端部箇所に
樹脂被覆層sのみからなるスプライン歯形部が形成され
ることとなり、スプライン軸芯部2の軸方向端部箇所の
樹脂被覆層部分が保護され、樹脂被覆スプライン軸の端
部箇所において、樹脂被覆層sが剥離しにくい、強固な
ものとすることができる。
【0035】次に、請求項3においては、軸部1の軸方
向の一端に被覆用軸部2aの外周に複数の被覆用キー芯
部2b,2b,…を形成したスプライン軸芯部2を形成
し、該スプライン軸芯部2の軸部1側端には軸側被覆用
部1aを、スプライン軸芯部2の他端側には被覆用突出
部3を設け、且つ被覆用軸部2の歯底円直径より小さく
形成し、スプライン軸芯部2,軸側被覆用部1a及び被
覆用突出部3を樹脂被覆層sにて被覆してなるスプライ
ン軸としたことにより、被覆用突出部3及び軸側被覆用
部1a箇所がスプライン軸芯部2の歯底円の直径より小
さくし、段部状となっているので、樹脂被覆スプライン
軸を構成する樹脂被覆層sがその被覆用突出部3及び軸
側被覆用部1aによる段部状箇所の被覆がより一層強固
な被覆とすることができる。
【0036】さらに、図3に示すように、樹脂被覆スプ
ライン軸の軸方向両端箇所がスプライン軸芯部2の歯底
円より小径であることから、樹脂被覆層sの厚さがスプ
ライン軸芯部2の厚さより大きくすることができ、摺動
タイプのスプライン軸として使用したときに、図4に示
すように、スプライン軸芯部2に曲げモーメントが作用
しても、図5に示すように、樹脂被覆スプライン軸端部
箇所の樹脂被覆層s部分が極めて強固となり、優れた耐
久性を示す。
【0037】次に、請求項4においては、軸部1の軸方
向の一端に被覆用軸部2aの外周に複数の被覆用キー芯
部2b,2b,…を形成したスプライン軸芯部2を形成
し、該スプライン軸芯部2の軸部1側端には軸側被覆用
部1aを、スプライン軸芯部2の他端側には被覆用突出
部3を設けてなる軸体Aを、スプライン成形部4を有す
る金型C内に軸体Aの軸側被覆用部1a及び被覆用突出
部3を位置決め固定し、次いで軸側被覆用部1a及び被
覆用突出部3の少なくとも一方より樹脂剤を注入し、そ
のスプライン軸芯部2,軸側被覆用部1a及び被覆用突
出部3を樹脂被覆層sにて被覆してなるスプライン軸の
成形方法としたことにより、軸体Aのスプライン軸芯部
2の軸方向両側箇所に形成した被覆用突出部3及び軸側
被覆用部1aを位置決め且つ固定とする役目をさせるこ
とができ、スプライン軸芯部2を金型C内に正確に配置
することができる。
【0038】さらに、被覆用突出部3或いは軸側被覆用
部1aの少なくとも一方の側より溶かした液状の樹脂剤
を注入することにしているので、樹脂剤注入時の注入圧
力が直接にスプライン軸芯部2に当たることがないの
で、スプライン軸芯部2が偏芯したりすることがなく、
樹脂被覆層sの厚さが常に一定にでき、極めて良好な樹
脂被覆スプライン軸を成形することができる。
【0039】
【図面の簡単な説明】
【図1】軸体の斜視図
【図2】スプライン軸芯部の拡大図
【図3】軸体の要部を示す断面図
【図4】軸体の作動状態を示す略示図
【図5】作用状態を示す拡大図
【図6】本発明と従来技術を対比した略示図
【図7】本発明の別の実施例の斜視図
【図8】本発明の別の実施例の要部断面図
【図9】製造方法を示す略示図
【図10】製造方法を示す略示図
【図11】金型の実施例を示す断面図
【図12】金型の斜視図
【図13】金型の要部斜視図
【図14】(a)は軸体を構成要素としたテレスコピッ
クステアリングの縦断側面図 (b)はテレスコピックステアリングの軸体個所の拡大
断面図
【符号の説明】
A…軸体 1…軸部 1a…軸側被覆用部 2…スプライン軸芯 2a…被覆用軸部 3…被覆用突出部 s…樹脂被覆層 C…金型 4…スプライン成形部
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16C 3/03 B29C 39/10 F16D 3/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸部の軸方向の一端に被覆用軸部の外周
    に複数の被覆用キー芯部を形成したスプラインの軸芯部
    を形成し、該スプラインの軸芯部の軸端側に被覆用突出
    部を設け、そのスプラインの軸芯部及び被覆用突出部を
    樹脂被覆層にて被覆してなることを特徴としたスプライ
    ン軸。
  2. 【請求項2】 軸部の軸方向の一端に被覆用軸部の外周
    に複数の被覆用キー芯部を形成したスプライン軸芯部を
    形成し、該スプライン軸芯部の軸部側端には軸側被覆用
    部を、スプライン軸芯部の他端側には被覆用突出部を設
    けそのスプライン軸芯部,軸側被覆用部及び被覆用突出
    部を樹脂被覆層にて被覆してなることを特徴としたスプ
    ライン軸。
  3. 【請求項3】 軸部の軸方向の一端に被覆用軸部の外周
    に複数の被覆用キー芯部を形成したスプライン軸芯部を
    形成し、該スプライン軸芯部の軸部側端には軸側被覆用
    部を、スプライン軸芯部の他端側には被覆用突出部を設
    け、且つ被覆用軸部の歯底円直径より小さく形成し、ス
    プライン軸芯部,軸側被覆用部及び被覆用突出部を樹脂
    被覆層にて被覆してなることを特徴としたスプライン
    軸。
  4. 【請求項4】 軸部の軸方向の一端に被覆用軸部の外周
    に複数の被覆用キー芯部を形成したスプライン軸芯部を
    形成し、該スプライン軸芯部の軸部側端には軸側被覆用
    部を、スプライン軸芯部の他端側には被覆用突出部を設
    けてなる軸体を、スプライン成形部を有する金型内に軸
    体の軸側被覆用部及び被覆用突出部を位置決め固定し、
    次いで軸側被覆用部及び被覆用突出部の少なくとも一方
    より樹脂剤を注入し、そのスプライン軸芯部,軸側被覆
    用部及び被覆用突出部を樹脂被覆層にて被覆することを
    特徴としたスプライン軸の成形方法。
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