JP3097966B2 - 耐汗劣化性に優れた皮革様立毛シート状物 - Google Patents

耐汗劣化性に優れた皮革様立毛シート状物

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JP3097966B2 JP03273396A JP27339691A JP3097966B2 JP 3097966 B2 JP3097966 B2 JP 3097966B2 JP 03273396 A JP03273396 A JP 03273396A JP 27339691 A JP27339691 A JP 27339691A JP 3097966 B2 JP3097966 B2 JP 3097966B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、柔軟で、耐加水分解
性、耐酸化分解性、耐汗劣化性、その中でも特に汗の成
分のひとつである高級脂肪酸に対する耐劣化性に優れ、
発色性を兼ね備えた皮革様立毛シート状物で衣料、イン
テリア、靴、鞄等に広範囲に利用できる皮革様立毛シー
ト状物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維基材にポリウレタンエラスト
マーを主体とした重合体の溶液を含浸し凝固させて、表
面を起毛処理することにより皮革様立毛シート状物とす
ることは公知である。例えば、ポリエーテル系ポリウレ
タン、ポリエステル系ポリウレタンを含浸凝固させて外
観、基体性能に優れた立毛シートを得る技術が特公昭60
−43475号公報に、ポリ3−メチルペンタンジオールアジ
ペートを成分としたポリウレタンを含浸凝固させて耐久
性を改善させる技術が特開昭61−207675号公報に記載さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、生活の高級志向
に伴い、皮革様立毛シート状物が、インテリア用品、カ
ーシート用品、スポーツ用品等広範囲にわたって使用さ
れるようになった。従来公知の皮革様シート状物は、そ
れぞれに風合い、耐加水分解性、耐熱劣化性等に特徴の
あるものであり、その独自の特徴を生かして各分野で用
いられ好評を得ている。また、インテリア用品、カーシ
ート用品のように人間の体に直接触れるもの、接触した
状態で使用するものについては頭部、背中、腕等から分
泌される汗や脂による劣化も考慮しなければならず、従
来は人工汗液を用いて耐汗劣化性を評価してきた。しか
しながら最近になって従来の人工汗液による評価方法で
は劣化が少ないものの、明らかに汗によると思われる劣
化例がいくつか報告されるに至り、実際の使用条件に合
った、より耐久性の高い立毛シート状物の開発が要求さ
れるようになった。
【0004】さらに、立毛シート状物においては製品と
しての価値を高めるため染色を施すのが通常であり、こ
の場合ポリアミド繊維のみならずポリウレタン弾性重合
体も良好な染色性を有していなければならない。すなわ
ち、人間の体に直接触れたり、接触した状態で使用する
用途においては、耐汗劣化性、特に高級脂肪酸に対する
劣化性と染色性とが要求されるのであるが、従来の技術
ではこれらの両方を同時に満足させる皮革様立毛シート
状物は得られていなかった。すなわち、本発明の目的
は、耐汗劣化性に優れ同時に耐加水分解性、耐熱劣化
性、耐光劣化性、染色性を満足しうる、風合いの良好な
皮革様立毛シート状物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、実際に使
用時の汗劣化の原因について鋭意研究の結果、人間の汗
および脂の成分である高級脂肪酸を用いた評価によって
のみ対応がとれることを見出した。そこで本発明者等は
人工汗液による評価に加えて高級脂肪酸を用いてシート
状物の劣化性を評価することにより、従来の耐加水分解
性、耐熱劣化性、耐光劣化性も同時に満足させると共
に、なおかつ染色性及び耐汗劣化性にも優れた皮革様立
毛シート状物の開発を試み、本発明を完成するに至っ
た。
【0006】すなわち、本発明は、 (1)ポリアミド極細繊維とポリウレタン弾性重合体と
からなる皮革様立毛シート状物において、該ポリウレタ
ン弾性重合体が、分子量500〜3,000のポリカー
ボネートを主体とするポリマージオールと、炭素数が2
〜6の低分子ジオール鎖伸長剤及び/又はジアミン鎖伸
長剤と、芳香族ジイソシアネートからなるポリウレタン
(A)と、分子量500〜3,000のポリエチレング
リコールを主体とするポリマージオールと、炭素数が2
〜6の低分子ジオール鎖伸長剤及び/又はジアミン鎖伸
長剤と、芳香族ジイソシアネートからなるポリウレタン
(B)とを、重量比で(A)/(B)=70/30〜9
7/3となるように混合したポリウレタンであり、かつ
該ポリウレタン弾性重合体が、緑色系含コバルト染料で
染色された厚さ90〜100μmのフィルムの状態で、
110℃6週間後、及び70℃95%相対湿度(RH)
で6週間後の、強度保持率がいずれも60%以上であ
り、かつ、オレイン酸中での面積膨潤率が10%以下で
あることを特徴とする皮革様立毛シート状物、および、(2)ポリアミド極細繊維とポリウレタン弾性重合体と
からなる皮革様立毛シート状物において、該 ポリウレタ
ン弾性重合体が、分子量500〜3,000のポリカー
ボネートを主体とするポリマージオール(a)と、分子
量500〜3,000のポリエチレングリコールを主体
とするポリマージオール(b)と、炭素数が2〜6の低
分子ジオール鎖伸長剤及び/又はジアミン鎖伸長剤と、
芳香族ジイソシアネートとを、重量比で(a)/(b)
=70/30〜97/3からなるポリウレタンであり、
かつ該ポリウレタン弾性重合体が、緑色系含コバルト染
料で染色された厚さ90〜100μmのフィルムの状態
で、110℃6週間後、及び70℃95%相対湿度(R
H)で6週間後の、強度保持率がいずれも60%以上で
あり、かつ、オレイン酸中での面積膨潤率が10%以下
であることを特徴とする皮革様立毛シート状物、に関す
る。
【0007】本発明の皮革様立毛シート状物を構成する
ポリアミド極細繊維は平均繊度0.2デニール以下、好ま
しくは0.005〜0.1デニールの繊維であり、これは従来公
知であるポリアミドを含む2種以上のポリマー成分より
なるポリアミド極細繊維発生型繊維から導くことができ
る。ここでいう本発明のポリアミド極細繊維発生型繊維
は、ポリアミドが、例えば、6-ナイロン、66-ナイロ
ン、610-ナイロン、11-ナイロン、12-ナイロン、20-ナ
イロン、210-ナイロン、410-ナイロン、76-ナイロン、
その他芳香環を有する可紡糸性ポリアミドから選ばれた
少なくとも1種類のポリアミドであり、一方、極細繊維
発生型繊維を構成する他のポリマーは、ポリアミドと溶
剤に対する溶解性を異にし、ポリアミドとの親和性の小
さいポリマーであって、かつ紡糸条件下でポリアミドの
溶融粘度より小さい溶融粘度であるか、あるいは表面張
力が小さいポリマーであり、例えば、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレンプロピレン共重合体、エチレン
オクテン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ
スチレン、スチレンアクリロニトリル共重合体、スチレ
ンエチレン共重合体、ポリエステルなどのポリマーから
選ばれた少なくとも1種類のポリマーである。そして、
ポリアミドと他のポリマーとからなる繊維は、所定の
混合比で混合して、同一溶解系で溶解し、混合系を形成
して紡糸する方法、別々の溶解系で溶解し、紡糸頭部
で接合−分割を複数回繰り返して混合系を形成して紡糸
する方法、別々の溶解系で溶解し、紡糸口金部で繊維
形状を規定して紡糸する方法により、繊維中に占めるポ
リアミド成分が40〜80重量%であって、繊維中のポリア
ミド極細繊維成分が5本以上、好ましくは50〜800本の
範囲にあるポリアミド極細繊維発生型繊維を得る。極細
繊維発生型繊維は必要により延伸、熱固定など通常の繊
維の処理工程を経て繊度2〜15デニール、ポリアミド極
細繊維成分の平均繊度(計算値)0.2デニール以下、好
ましくは0.005〜0.1デニールの繊維とする。
【0008】極細繊維発生型繊維はカードで解繊し、ウ
エバーを通してランダムウエブまたはクロスラップウエ
ブを形成し、得られた繊維ウエブは所望の重さ、厚さに
積層する。次いで、繊維ウエブは従来公知の方法でニー
ドルパンチ等の繊維の絡合処理を施して繊維絡合不織布
とする。ニードルパンチのパンチ数は通常200〜2500パ
ンチ/cm2の範囲の処理であり、繊維の絡合は十分に施
されていることが伸縮性と充実感のうえで好ましい。
【0009】次に繊維絡合不織布にはポリウレタン弾性
重合体液を含浸・凝固する。繊維絡合不織布に含有させ
る弾性重合体は、緑色色素含コバルト染料で染色された
厚さ90〜110μmのフイルムの状態で、110℃6週間後、
及び70℃95%相対湿度(RH)で6週間処理後の強度保
持率がいずれも60%以上であり、かつ、オレイン酸中で
の面積膨潤率が10%以下であるポリウレタン弾性重合体
である。強度保持率が60%以下の場合は、使用中に熱ま
たは加水分解による劣化が大きく表面にピリングが発生
するなど耐久性が十分でない。また、オレイン酸中での
面積膨潤率が10%を越える場合は、使用中に付着した汗
に含まれる脂肪酸による劣化が大きく、同様に耐久性が
十分でない。従って、本発明で含浸用に用いるポリウレ
タン弾性重合体は、上記の条件を満たすものを使用する
必要がある。
【0010】このようなポリウレタン弾性重合体は、分
子量500ないし3,000のポリカーボネートを主体とするポ
リマージオールと炭素数が2ないし6の低分子ジオール
と芳香族ジイソシアネートからなるポリウレタン(A)
と、分子量500ないし3,000のポリエチレングリコールを
主体とするポリマージオールと、炭素数が2ないし6の
低分子ジオール鎖伸長剤及び/又はジアミン鎖伸長剤
と、芳香族ジイソシアネートからなるポリウレタン(B)
とが(A)/(B)=70/30〜97/3、好ましくは75/25〜90
/10となるように混合したポリウレタン、または、分子
量500ないし3,000のポリカーボネートを主体とするポリ
マージオール(a)、分子量500ないし3,00のポリエチレン
グリコールを主体とするポリマージオール(b)、炭素数
が2ないし6の低分子ジオール鎖伸長剤及び/又はジア
ミン鎖伸長剤、および芳香族ジイソシアネートとを、
(a)/(b)=70/30〜97/3、好ましくは75/25〜90/10
となるように共重合して得られたポリウレタンである。
【0011】ポリカーボネートを主体とするポリマージ
オールとしては、例えば、ポリヘキサンカーボネート、
ポリ-2-メチル-1,8-オクタンカーボネート、ポリ-1,9-
ノナンカーボネート等が挙げられる。また、炭素数が2
ないし6の低分子ジオール鎖伸長剤としては例えばエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオー
ル、ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオー
ル、ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール等
が挙げられる。ジアミン鎖伸長剤としては、例えば、エ
チレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレン
ジアミン、4,4'-ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,
4'-ジアミノジフェニルメタン、イソホロンジアミン、
キシリレンジアミン、水添キシリレンジアミン等が挙げ
られる。芳香族イソシアネートとしては、例えば4,4'-
ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシ
アネート、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジ
イソシアネート等か挙げられる。本発明においては、脂
肪族ジイソシアネートは耐汗劣化性が劣るため好ましく
ない。
【0012】ポリウレタン(A)と(B)との比率、またはポ
リマージオール(a)と(b)との比率は(A)/(B)=70/30〜
97/3または(a)/(b)=70/30〜97/3であるが、(B)ま
たは(b)成分の割合が30より大きくなると、染色性は上
がるものの、耐熱劣化性に劣り、3より小さくなると、
劣化性には優れるものの染色性に劣るため、本発明の目
的には不適当となる。ポリウレタンの溶剤としては、例
えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-
メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドなどが挙げら
れるが、取扱い性の上からジメチルホルムアミドを使用
するのが好ましい。
【0013】次に、シート状基材の製造は、弾性重合体
を主体とした重合体を溶剤に溶解あるいは分散剤に分散
させて得た重合体液、更に重合体液には着色剤、凝固調
節剤、離型剤、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、耐光安定
剤などから選ばれた添加剤を配合して得た重合体組成液
として繊維絡合不織布に含浸し、重合体の非溶剤で処理
して凝固させる湿式凝固法、加熱により溶剤あるいは分
散剤を除去して凝固させる乾式凝固法あるいはそれらを
組み合わせた方法で凝固させ、必要に応じて洗浄し、乾
燥してシート状基材とする。極細繊維発生型繊維は繊維
絡合不織布への重合体組成液の含浸に先立って、あるい
は含浸した後繊維を構成する他のポリマーの溶剤で処理
してポリアミド極細繊維に変成する。シート状基材に占
めるポリウレタンあるいはポリウレタン組成物の量は固
形分として重量比で10〜50重量%、好ましくは15〜40重
量%の範囲で含有させる。シート状基体に占めるポリウ
レタンを主体とした重合体の含有量が上記の範囲外であ
ると、腰がなくなったり、膨らみ感が得られなくなった
り、弾性挙動が大きくなったりして好ましくないものと
なる。
【0014】さらに、このシート状物は、必要に応じて
シート状物を厚さ方向に所望の厚さにスライス分割した
のち、その少なくとも一面には起毛処理を施し、着色処
理し、柔軟化処理して表面を繊維立毛させることにより
皮革様立毛シート状物とする。本発明で得られたシート
状物は安定なスポンジ構造をもち、柔軟性に優れた風合
いを有し、耐加水分解性、耐熱劣化性、耐汗劣化性に優
れており、良好な染色性を兼ね備えている。
【0015】
【実施例】以下に、本発明を実施例で具体的に説明す
る。なお、実施例中の部および%はことわりのない限り
重量部および重量%を表す。 〔評価方法〕本実施例中における各評価は下記の方法に
よった。 〔ポリウレタン組成物の評価〕評価用試料の調製方法:
ポリウレタン組成液をガラス板上に流延し、70℃でジメ
チルホルムアミドを蒸発させて厚さ90〜110μmの乾式フ
イルムとし、このフイルムを緑色系含コバルト金属錯塩
染料(イルガラングリーンGL)の1%o.w.f.溶液で、
浴比1:100、70℃で10分間染色する。 1.耐加水分解性:染色したフイルムを70℃、95%RH
(相対湿度)で6週間処理し、処理後の変褪色及び強度
変化を下記の4段階で評価した。 ◎…外観、強度とも変化なし ○…若干変退色あるが、強度保持率60%以上 △…変退色大きいが、強度保持率60%以上 ×…強度保持率60%未満 2.耐熱劣化性:染色したフイルムを110℃で6週間乾
熱処理し、処理後の変褪色及び強度変化を耐加水分解性
と同様に4段階で評価した。 3.耐オレイン酸性:染色前のフイルムを5cm角に切断
し25℃のオレイン酸中に浸漬し2時間後の面積膨潤率
(%)で表す。
【0016】〔立毛シート状物の評価〕 1.耐光劣化性:JIS L 0842(63℃カーボンアーク照射
300時間)による。結果は下記の3段階で評価した。 ○…5級を超える △…4〜5級 ×…4級に満たない 2.耐汗劣化性I:染色堅牢度試験用の人工汗液中に浸
漬し、絞り率70%で絞り乾燥した後、70℃で3週間乾熱
処理し、これを帆布を取り付けた学振型摩擦試験機を用
い、500g重の荷重をかけて30往復した後の外観を下記
の3段階で評価した。 ○…外観に変化が見られない △…表面に一部ピリングが発生している ×…表面がぼろぼろになる 3.耐汗劣化性II:耐汗劣化性Iにおいて人工汗液の代
わりにオレイン酸の10%エタノール溶液を用い、同様に
評価した。 染色性:染色仕上げ後の立毛シート状物を次の基準で評
価した。 ◎…繊維に比べウレタンが濃く染まっている ○…繊維とウレタンの染まり方がほぼ均一である △…繊維に比べウレタンの染まり方がやや悪く、ムラ感
がある ×…繊維に比べウレタンの染まり方が悪く、全体に白っ
ぽく見える 4.実用試験:立毛シート状物を椅子のひじ掛の部分に
はりつけ、1日平均8時間の使用で2年間使用した後の
シート状物の外観を耐汗劣化性Iと同じ基準で評価し
た。
【0017】実施例1〜3、比較例1〜4 ポリマージオールとして平均分子量2,000であるポリヘ
キサンカーボネート(a)、平均分子量2,000であるポリエ
チレングリコール(b)、平均分子量2,000であるポリテト
ラメチレングリコール(c)、平均分子量2,000であるポリ
テトラメチレンアジペート(d)、鎖伸長剤としてエチレ
ングリコール(e)、キシリレンジアミン(f)、ジイソシア
ネートとして4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート
を、表1に示す組合わせで、水酸基とアミノ基の合計モ
ル数とイソシアネート基のモル数が等しくかつチツ素パ
ーセントが3.5%となるような割合で反応させてポリウ
レタン(A)〜(F)を得た。これらのポリウレタンの25%ジ
メチルホルムアミド溶液の30℃における溶液粘度を表1
に合わせて示した。これらのポリウレタンをそれぞれ13
%ジメチルホルムアミド溶液とし、この溶液に凝固調節
剤をポリウレタンに対して2%添加しポリウレタン組成
液を調整した。
【0018】
【表1】
【0019】上記のポリウレタン組成液をポリウレタン
(A)〜(H)の固形分がを表2に示す比率で混合し、含浸液
とした。ポリウレタン液を含浸する繊維絡合不織布とし
て、6-ナイロン60部と高流動性ポリエチレン40部を溶融
紡糸して得た多成分繊維(6-ナイロンが極細繊維成分)
のステープル繊維を用いてウエブを作り、ニードルパン
チ絡合不織布とした。この絡合不織布に上記の含浸液を
含浸、飽充させたのち、その絡合不織布をジメチルホル
ムアミド30%水溶液(液温度40℃)に浸漬して凝固を行
った。次いで、絡合不織布を熱トルエン中で処理して多
成分繊維中のポリエチレン成分を溶解除去し、さらに洗
浄し、カチオン系処理剤分散液で処理して乾燥し、厚さ
約1.40mmのシート状基材を得た。このシート状物を厚さ
の中間で二分割し、分割面をサンドペーパーでバフィン
グして厚みを0.56mmに厚み合わせを行なった。さらに、
凝固時の表面をエメリーバフ機で処理して立毛面を形成
し、次いで緑色系コバルト錯塩染料を用いて染色仕上げ
を行ない、平均目付195g/m2の立毛シート状物を得
た。この立毛シート状物を構成するポリウレタン組成物
の耐加水分解性、耐熱劣化性、耐オレイン酸性、および
立毛シート状物の耐汗劣化性、染色性等の評価結果を表
2に示した。本発明に係る立毛シート状物は柔軟な風合
いと適度の腰を有していた。
【0020】
【表2】
【0021】実施例6〜10、比較例5〜7 ポリマージオールとして平均分子量2,000のポリヘキサ
ンカーボネート(a)、平均分子量2,000のポリエチレング
リコール(b)、平均分子量2,000のポリテトラメチレング
リコール(c)、平均分子量2,000のポリテトラメチレンア
ジペート(d)、鎖伸長剤としてエチレングリコール(e)、
4,4'-ジアミノジフェニルメタン(g)、ジイソシアネート
として4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネートを、(a)
〜(e)、(g)を表3に示す組合わせで、水酸基とアミノ基
の合計モル数とイソシアネート基のモル数が等しくかつ
チッ素パーセントが3.5%となるような割合で共重合し
てポリウレタンを得た。これらのポリウレタンを13%ジ
メチルホルムアミド溶液とし、この溶液に凝固調節剤を
ポリウレタンに対し2%添加し、ポリウレタン含浸用組
成液を調節した。
【0022】
【表3】
【0023】これらの含浸液を用い、実施例1と同様の
処理を行なって平均目付200g/m2の立毛シート状物を
得た。これら立毛シート状物を構成するポリウレタン組
成物の耐加水分解性、耐熱劣化性、耐オレイン酸性、お
よび立毛シート状物の耐汗劣化性、染色性等の評価結果
を表4に示した。本発明に係る立毛シート状物は風合い
が柔軟でかつ適度の腰のあるものであった。
【0024】
【表4】
【0025】
【発明の効果】本発明で得た皮革様シート状物は耐加水
分解性、耐熱劣化性、耐汗劣化性に優れており、発色
性、風合い、外観などの感性が良いものであって、衣
料、インテリア、スポーツ用品、靴、鞄、その他用品な
どの用途に好適である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリアミド極細繊維とポリウレタン弾性重
    合体とからなる皮革様立毛シート状物において、該ポリ
    ウレタン弾性重合体が、分子量500〜3,000のポ
    リカーボネートを主体とするポリマージオールと、炭素
    数が2〜6の低分子ジオール鎖伸長剤及び/又はジアミ
    ン鎖伸長剤と、芳香族ジイソシアネートからなるポリウ
    レタン(A)と、分子量500〜3,000のポリエチ
    レングリコールを主体とするポリマージオールと、炭素
    数が2〜6の低分子ジオール鎖伸長剤及び/又はジアミ
    ン鎖伸長剤と、芳香族ジイソシアネートからなるポリウ
    レタン(B)とを、重量比で(A)/(B)=70/3
    0〜97/3となるように混合したポリウレタンであ
    り、かつ該ポリウレタン弾性重合体が、緑色系含コバル
    ト染料で染色された厚さ90〜100μmのフィルムの
    状態で、110℃6週間後、及び70℃95%相対湿度
    (RH)で6週間後の、強度保持率がいずれも60%以
    上であり、かつ、オレイン酸中での面積膨潤率が10%
    以下であることを特徴とする皮革様立毛シート状物。
  2. 【請求項2】ポリアミド極細繊維とポリウレタン弾性重
    合体とからなる皮革様立毛シート状物において、該ポリ
    ウレタン弾性重合体が、分子量500〜3,000のポ
    リカーボネートを主体とするポリマージオール(a)
    と、分子量500〜3,000のポリエチレングリコー
    ルを主体とするポリマージオール(b)と、炭素数が2
    〜6の低分子ジオール鎖伸長剤及び/又はジアミン鎖伸
    長剤と、芳香族ジイソシアネートとを、重量比で(a)
    /(b)=70/30〜97/3からなるポリウレタン
    であり、かつ該ポリウレタン弾性重合体が、緑色系含コ
    バルト染料で染色された厚さ90〜100μmのフィル
    ムの状態で、110℃6週間後、及び70℃95%相対
    湿度(RH)で6週間後の、強度保持率がいずれも60
    %以上であり、かつ、オレイン酸中での面積膨潤率が1
    0%以下であることを特徴とする皮革様立毛シート状
    物。
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