JP3410614B2 - 発色性に優れたスエード調人工皮革 - Google Patents

発色性に優れたスエード調人工皮革

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JP3410614B2
JP3410614B2 JP24748596A JP24748596A JP3410614B2 JP 3410614 B2 JP3410614 B2 JP 3410614B2 JP 24748596 A JP24748596 A JP 24748596A JP 24748596 A JP24748596 A JP 24748596A JP 3410614 B2 JP3410614 B2 JP 3410614B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、外観が良好で、か
つ発色性、耐ピリング性に優れたスエード調人工皮革お
よびその製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、繊維束と弾性重合体とからなる基
体の表面に該繊維束からなる立毛を存在させたスエード
調人工皮革は公知である。そしてこのようなスエード調
人工皮革の分野において高品質化が要求され、外観(ス
エード感)、風合い(柔軟な手触り)、発色性の感性面
と、強力等の物性面をすべて満足する高品質のものが求
められている。具体的には、外観の優れたスエード調人
工皮革を得るために、人工皮革を構成している繊維を極
細化する方法が一般に用いられているが、繊維を極細化
した場合には、くすんだ白っぽい色にしか染色できず、
鮮やかな色を有するものが得られず、発色性の点で劣る
という欠点を有している。 【0003】このような極細繊維立毛スエ―ド調人工皮
革の発色性改良については、繊維立毛シ―トの表面に易
染性樹脂を付与して染色することが特公昭55−506
号公報で、アルカリの存在下で還元されて水溶性となる
染料で染色し、酸化して染料を固着する染色法が特公昭
61−25834号公報や特公昭61−46592号公
報などで提案されている。 【0004】繊度の異なる極細繊維の混在した極細繊維
束としては、混合紡糸繊維において島成分の大きさの分
布が、外周から半径の1/4以内に存在する島成分の繊
度D と、中心から半径の2/3以内に存在する島成分
の繊度D の関係がD ≧1.5D を満足させる繊維
構造が特開昭63−243314号公報に、島成分とし
て0.02〜0.2デニールの極細繊維(A)と0.0
01〜0.01デニールの極細繊維(B)が、重量比で
30/70〜70/30の割合いで混合、分散したポリ
アミド極細繊維発生型繊維およびこの繊維から得られた
スエード調人工皮革が特開平5−156579号公報に
記載されている。また、島成分として0.02〜0.2
デニールの細繊維(A)と、細繊維(A)の平均繊度の
1/5以下でかつ0.02デニール未満の繊度の極細繊
維(B)が、本数比(A/B)で2/1〜2/3の割合
いで混合、分散したポリアミド極細繊維発生型繊維から
得られたスエード調人工皮革が特開平7−173778
号公報に記載されている。 【0005】また、ポリアミドの紡糸時にメラミン誘導
体を加え、成形品を酸性染料で染色する方法が特開昭6
0−162881号公報に記載されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
特公昭55−506号公報や、特公昭61−25834
号公報、61−46592号公報のような発色性の改良
方法は、発色性自体は改良できるものの、繊維立毛面の
外観や触感、風合いを低下させるものであった。また特
開昭63−243314号公報に記載の技術は、異なる
太さの極細繊維がそれぞれ局在していることと、該方法
によっては島成分極細繊維の繊度差を大きくできないた
め、外観と発色性の両立が困難であった。特開平5−1
56579号公報に記載の技術は、特開昭63−243
314号公報に記載の技術と比べると発色性がいくらか
改良されているが、立毛表面には極細繊維が多数存在し
ており、発色性はまだ不十分である。特開平7−173
778号公報に記載の技術も同様に、立毛表面に存在す
る極細繊維が発色性を阻害し、極細繊維の発色性の改良
が望まれていた。本発明は、外観、風合いが良好で、か
つ発色性に優れたスエ―ド調人工皮革およびその製造方
法を提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、ポリアミド繊
維束と弾性重合体とからなる基体の表面に該繊維束から
なる立毛が存在しており、かつ染色されているスエード
調人工皮革において、該基体を構成している繊維束が、
末端アミン量が5×10-5eq/g以下で0.02〜
0.2デニールのポリアミド細繊維(A)と、末端アミ
ン量が10×10-5eq/g以上であって、平均繊度が
細繊維(A)の1/5以下でかつ0.02デニール未満
の繊度であるポリアミド極細繊維(B)とからなること
を特徴とするスエード調人工皮革である。 【0008】一般に、末端アミン量が10×10-5eq
/g以上のポリアミドからなる繊維は鮮やかな染色性を
有しているが、繊維強度が低く、さらに染料染着量が高
い分だけ染料コストが増大するという欠点を有してお
り、一方、末端アミン量が5×10-5eq/g以下のポ
リアミドからなる繊維は繊維強度が高いものの、染色性
に劣るという欠点を有している。本発明は、この両繊維
の有する特長点を生かし、かつ欠点を解消したものであ
る。 【0009】すなわち、細繊維(A)、極細繊維(B)
ともに末端アミン量10×10-5eq/g以上である場
合は、非常に良好な発色性を有するものの、得られるシ
ート状物の強度は極めて低いものとなり、さらに、染料
染着量が高くなるため染料コストが増大する。また、細
繊維(A)が末端アミン量10×10-5eq/g以上
で、極細繊維(B)が末端アミン量5×10-5eq/g
以下の場合は、細繊維(A)と極細繊維(B)との発色
性の差が大きくなり、発色性の劣る極細繊維(B)が発
色性の良い細繊維(A)をとり囲むように存在するた
め、ムラっぽい外観になってしまう。細繊維(A)の末
端アミン量を5×10-5eq/g以下、極細繊維(B)
の末端アミン量を10×10-5eq/g以上にすること
により、細繊維(A)と極細繊維(B)との発色性のバ
ランスが良くなり、均一でムラ感のない外観が得られ、
かつ強度を保持し、染料染着量も押さえることができ
る。 【0010】本発明のスエ―ド調人工皮革は、例えば、
以下の工程(a)〜(f)、(a)溶解または分解除去
することのできる海成分中に、島成分として平均繊度
0.02〜0.2デニ―ルのポリアミド細繊維(A)
と、細繊維(A)の平均繊度の1/5以下でかつ0.0
2デニール未満の繊度で、さらに、末端アミン量が10
×10-5eq/g以上のポリアミド極細繊維(B)とか
らなる束に変成し得る、細繊維および極細繊維発生型繊
維[以下極細繊維発生型繊維または繊維(C)と称す]
を製造する工程、(b)該繊維(C)からなる絡合不織
布を製造する工程、(c)該絡合不織布に弾性重合体液
を含浸し湿式凝固する工程、(d)該繊維(C)を細繊
維および極細繊維からなる繊維束に変成する工程、
(e)少なくとも一面に立毛を形成する工程、(f)得
られた繊維立毛スエ―ドを染色する工程、を順次行うこ
とにより得ることができる。 【0011】本発明のポリアミド極細繊維束発生型繊維
(C)において、島成分を構成するポリマ―、すなわち
細繊維(A)および極細繊維(B)を構成するポリマー
としては、例えば、6−ナイロン、66−ナイロンをは
じめとする溶融紡糸可能なポリアミド類から選ばれた少
なくとも1種類のポリマ―である。極細繊維(B)を構
成するポリマーは、末端アミン量が10×10-5eq/
g以上に調整された、少なくとも1種類のポリマ―であ
る。細繊維(A)および極細繊維(B)は同一のポリマ
ーであっても、異なるポリマーであってもよい。通常、
一般に市販されているポリアミド樹脂は、末端アミン量
が、3×10-5eq/g〜5×10-5eq/gである。 【0012】一方、海成分を構成するポリマ―は、島成
分と溶剤または分解剤に対する溶解性または分解性を異
にし、島成分との親和性の小さいポリマ―であって、か
つ紡糸条件下で島成分の溶融粘度より小さい溶融粘度で
あるか、あるいは表面張力の小さいポリマ―であり、例
えばポリエチレン、ポリスチレン、エチレンプロピレン
共重合体などのポリマ―から選ばれた少なくとも1種類
のポリマ―である。 【0013】添付図面は、極細繊維発生型繊維(C)の
断面模式図である。図面に示されているように、極細繊
維発生型繊維(C)は、海成分ポリマー(1)の中に、
島成分として、平均繊度の大きい細繊維(A)と、平均
繊度の小さい極細繊維(B)の2つの群を含んでおり、
これらの細繊維(A)と極細繊維(B)は繊維横断面に
おいて、好ましくは、局部的に偏在することなく、横断
面全体にわたってほぼ均一に分散した状態にある。即
ち、細繊維(A)と極細繊維(B)が偏在しているよう
な繊維は本発明において好ましくない。本発明におい
て、細繊維(A)と極細繊維(B)は、平均繊度におい
て異なるのみならず、構成する個々の繊維の繊度におい
ても明らかに異にするものである。 【0014】このような極細繊維発生型繊維(C)は、
極細繊維(B)を構成するポリマーと海成分ポリマーと
を所定の混合比で混合して、同一溶融系で溶融し、これ
と、別の系で溶融した極細繊維(A)を構成するポリマ
ーとを、紡糸頭部で接合−分割を複数回繰り返して両者
の混合系を形成して紡糸する方法、あるいは両者を紡糸
口金部で繊維形状を規定して合流させ紡糸する方法等に
より得られる。つまり、極細繊維(B)を構成するポリ
マーと海成分ポリマーとを所定の混合比で混合して、同
一溶融系で溶融した混合ポリマーを海成分とし、極細繊
維(A)を構成するポリマーが島成分として海成分中に
ほぼ均一に分散するように複合紡糸することにより得ら
れる。 【0015】ここで、細繊維(A)と極細繊維(B)を
構成するポリマーは、同種であっても異種であってもよ
いが、細繊維(A)の平均繊度は0.02〜0.2デニ
ール、極細繊維(B)の平均繊度は極細繊維(A)の繊
度の1/5以下でかつ0.02デニール未満である。極
細繊維(A)の繊度が0.02デニールより小さいと、
製品の発色性が不足し、0.2デニールより大きいと、
外観の品位を確保することが困難となる。また本発明に
おいて、細繊維(A)は、繊度がほぼ均一であるのが外
観および風合いの点で好ましく、具体的には該繊維束中
において細繊維(A)の内の最も細い繊維と最も太い繊
維との繊度比が1:1〜1:3の範囲内にあるのが好ま
しい。 【0016】また、極細繊維(B)は、細繊維(A)に
からみつくことでピリングを防止するものであり、外観
の品位の保持と発色性を両立させる意味から、繊度は細
繊維(A)の1/5以下で0.02デニール未満であ
る。また、本数の比(A/B)は2/1〜2/3の範囲
が好ましい。 【0017】また極細繊維(B)は、ポリマーを混合し
て同一溶融系で溶融した混合ポリマー流から得られるも
のであることより、繊維長は有限であるが、ピリング防
止効果の点で、長さ5mm以上が好ましい。極細繊維
(B)の繊維長は、紡糸する際のポリマーの組合せを選
ぶことにより変えることができる。構成するポリマーと
して前記したポリアミド系のポリマーを用いた場合には
繊維長の十分に長い繊維が得られる。本発明において、
繊維束は、実質的に上記した細繊維(A)と極細繊維
(B)のみからなるものである場合が好ましいが、少量
ならば、上記した細繊維(A)と極細繊維(B)の範中
に入らない繊度の繊維が存在していてもよい。一繊維断
面中に存在する細繊維(A)の本数としては、15〜1
00本の範囲が発色性および外観の点で好ましい。 【0018】極細繊維(B)の繊度、本数、繊維長は、
極細繊維(B)を構成するポリマーと海成分ポリマーの
混合比率、溶融粘度、表面張力などの組合せを変えるこ
とにより調整することができる。一般に、海成分ポリマ
ーに対する極細繊維(B)を構成するポリマーの混合比
率を高くすれば極細繊維(B)の繊度はほとんど変わら
ないが本数が多くなり、溶融粘度、表面張力を高くすれ
ば繊度が大きく、本数は少なく、繊維長は短くなる傾向
にある。この傾向を基に、繊維(C)中での極細繊維
(B)の繊度と本数および繊維長は、極細繊維(B)を
構成するポリマーと海成分ポリマーを適宜組み合わせて
実際の紡糸温度および速度に合わせて試験紡糸すること
により予測することができる。 【0019】極細繊維発生型繊維(C)中に占める細繊
維(A)成分および極細繊維(B)成分の合計の比率
は、40〜80%が紡糸安定性や経済性の点で好まし
い。 【0020】極細繊維発生型繊維(C)は、必要に応じ
て延伸、捲縮、熱固定、カットなどの処理工程を経て繊
度2〜10デニールの繊維とする。なお、本発明で言う
繊度および平均繊度は極細繊維発生型繊維(C)の断面
から容易に求められる。すなわち極細繊維発生型繊維
(C)の断面の顕微鏡写真を撮り、細繊維(A)と極細
繊維(B)のそれぞれの本数を数え、長さ9000mの
繊維(C)を構成している細繊維(A)と極細繊維
(B)のそれぞれの重量をそれぞれの本数で割ることに
より求められる。同様の方法により、繊維(C)を細繊
維(A)と極細繊維(B)の繊維束に変成した後の繊維
束からも、容易に細繊維(A)と極細繊維(B)の繊度
および平均繊度が求められる。極細繊維(B)の繊維長
に関しても、スエード調人工皮革をジメチルホルムアミ
ド等で処理して含有されている弾性重合体を除去したの
ち、繊維束を取り出し、顕微鏡で観察することにより、
5mm以上であるか否かが容易に分かる。 【0021】極細繊維発生型繊維(C)をカードで解繊
し、ウェバーを通してランダムウェブまたはクロスラッ
プウェブを形成し、得られた繊維ウェブを所望の重さ、
厚さに積層する。次いで、ニードルパンチ、高速流体流
パンチなどの公知の方法で絡合処理を行なって不織布と
する。不織布化する際に、必要により、上記極細繊維発
生型繊維(C)以外の繊維を少量添加してもよい。また
必要に応じて、不織布に、溶解除去可能な樹脂、たとえ
ばポリビニルアルコール系樹脂を付与して、不織布を仮
固定してもよい。 【0022】次に繊維絡合不織布に弾性重合体を含浸、
凝固する。繊維絡合不織布に含浸する弾性重合体は、例
えば、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、
ポリエーテルエステルジオールポリカーボネートジオー
ルなどから選ばれた少なくとも1種類の平均分子量50
0〜3000のポリマージオールと、4,4’−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、イソホロジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの芳香族系、
脂環族系、脂肪族系のジイソシアネートなどから選ばれ
た少なくとも1種のジイソシアネートと、エチレングリ
コール、エチレンジアミン等の2個以上の活性水素原子
を有する少なくとも1種の低分子化合物とを所定のモル
比で反応させて得たポリウレタンである。ポリウレタン
は必要に応じて、合成ゴム、ポリエステルエラストマー
などの重合体を添加した重合体組成物として使用する。 【0023】次にポリウレタンを主体とした重合体を溶
剤あるいは分散剤に分散させて得た重合体液を繊維絡合
不織布に含浸し、重合体の非溶剤で処理して湿式凝固
し、繊維質基体とする。重合体液には必要に応じて着色
剤、凝固調節剤、酸化防止剤、等の添加剤を配合する。
極細繊維化処理後の繊維質基体に占める、ポリウレタン
あるいはポリウレタン組成物の量は、固形分として重量
比で20〜60%の範囲で含有させるのが好ましい。こ
の範囲を外れると、繊維と弾性重合体とのバランスが悪
くなり、製品の腰がなくなったり、ふくらみ感が得られ
なくなったりする。 【0024】ポリウレタン重合体を含浸して凝固させた
繊維質基体を、細繊維(A)、極細繊維(B)およびポ
リウレタン重合体の非溶剤であり、かつ極細繊維発生型
繊維(C)の海成分の溶剤または分解剤で処理する。こ
の処理により、極細繊維発生型繊維(C)から海成分ポ
リマーが除去されて、極細繊維発生型繊維(C)は、細
繊維(A)と極細繊維(B)からなる繊維束に変成され
る。この工程は、前記したポリウレタン含浸、凝固工程
に先だって行ってもよい。 【0025】次に、この基体を必要により厚さ方向に複
数枚にスライスしたのち、その表面の少なくとも一面を
起毛処理して極細繊維を主体とした繊維立毛面を形成さ
せる。繊維立毛面を形成させる方法は、サンドペーパー
などによるバフィング等の公知の方法を用いる。 【0026】次いで、得られたスエード調繊維質基体を
染色するが、染色は、ポリアミドの末端アミノ基を染着
基とし得る染料を用いて行なう。このような染料として
は、酸性染料、金属錯塩染料、反応染料などがある。染
色したスエード調繊維質基体は、もみ、柔軟化処理、ブ
ラッシングなどの仕上げ処理を行なって、スエード調人
工皮革の製品が得られる。 【0027】本発明で得られたスエード調人工皮革は、
外観、風合いが良好で、かつ発色性、耐ピリング性に優
れたものである。 【0028】 【実施例】次に、本発明の実施態様を具体的な実施例で
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。なお、実施例中の部および%は、ことわりのな
い限り重量に関するものである。 【0029】実施例1 末端アミン量が17.0×10-5eq/gである6−ナ
イロン5部[極細繊維(B)]とポリエチレン35部と
を同一溶融系で溶融したものと、末端アミン量が4.3
×10-5eq/gである6−ナイロン60部[細繊維
(A)]を別の系で溶融したものとを、紡糸口金部で繊
維形状を規定して紡糸する方法により、島本数[細繊維
(A)]が50本となるように紡糸し、繊度10デニー
ルの極細繊維発生型繊維(C)を得た。このとき、繊維
(C)の断面を観察すると、極細繊維(B)の平均本数
は約50本であり、細繊維(A)と極細繊維(B)とは
ほぼ均一に分散していた。得られた繊維を3.0倍に延
伸し、捲縮を付与した後、繊維長51mmに切断し、カ
ードで解繊した後、クロスラップウェバーでウェブとし
た。次に、ニードルパンチにより、目付650g/m2
の繊維絡合不織布とした。これらの工程中に、繊維は自
発の収縮を生じ、約4.5デニールになっていた。この
繊維絡合不織布にポリエーテル系ポリウレタンを主体と
するポリウレタン組成物13部、ジメチルホルムアミド
(以下DMFとする)87部の組成液を含浸し、凝固、
水洗の後、極細繊維発生型繊維(C)中のポリエチレン
をトルエン中で抽出除去して、6−ナイロンの極細繊維
と細繊維からなる束状繊維とポリウレタンとからなる厚
さ約1.3mmの繊維質基体を得た。 【0030】この繊維質基体の繊維束の断面を電子顕微
鏡で観察すると、極細繊維(A)の平均繊度は0.05
4デニールでかつ繊度のばらつきはほとんどなく、極細
繊維(B)の平均繊度はいずれも0.01デニール以下
0.001デニール以上であり、かつその平均繊度は
0.0045デニールであった。また極細繊維(B)の
繊維長は大部分が5mm以上であった。この基体の一面
をバフィングして厚さ1.20mmに厚み合わせを行な
った後、他の面をエメリーバフ機で処理して極細繊維立
毛面を形成し、さらにKayanolMilling Red BW(日本化
薬)を用いて、5%owfの濃度で染色した。仕上げを
して得られたスエード調人工皮革の立毛表面を電子顕微
鏡で500倍に拡大して写真に撮り観察したところ、
(A/B)の本数比は8/1であり、発色性に極めて優
れたものであった。さらに外観、風合い共に良好なもの
であった。得られたスエード調人工皮革の試験結果を比
較例の結果と共に、表1に示す。 【0031】比較例1 末端アミン量が17.0×10-5eq/gである6−ナ
イロン5部[極細繊維(B)]とポリエチレン35部と
を同一溶融系で溶融したものと、同じく末端アミン量が
17.0×10-5eq/gである6−ナイロン60部
[細繊維(A)]を別の系で溶融したものとを、紡糸口
金部で繊維形状を規定して紡糸する方法により、島本数
が50本となるように紡糸した繊度10デニールの極細
繊維発生型繊維を使用する以外は、実施例1と同様に処
理した。得られた製品は、発色性は良好であったが、強
力の低下が大きかった。 【0032】比較例2 末端アミン量が4.3×10-5eq/gである6−ナイ
ロン5部[極細繊維(B)]とポリエチレン35部とを
同一溶融系で溶融したものと、同じく末端アミン量が
4.3×10-5eq/gである6−ナイロン60部[細
繊維(A)]を別の系で溶融したものとを、紡糸口金部
で繊維形状を規定して紡糸する方法により、島本数が5
0本となるように紡糸した繊度10デニールの極細繊維
発生型繊維を使用する以外は、実施例1と同様に処理し
た。得られた製品は、外観、風合い共に良好であった
が、実施例1に比べて発色性が劣っていた。 【0033】実施例2 末端アミン量が17.0×10-5eq/gである6−ナ
イロン15部[極細繊維(B)]とポリエチレン50部
とを同一溶融系で溶融したものと、末端アミン量が4.
3×10-5eq/gである6−ナイロン35部[細繊維
(A)]を別の系で溶融したものとを、紡糸口金部で繊
維形状を規定して紡糸する方法により、極細繊維Aの本
数が50本となるように紡糸した繊度10デニールの極
細繊維発生型繊維(C)を使用する以外は、実施例1と
同様に処理した。このスエード調人工皮革の基体を構成
する極細繊維束の断面を電子顕微鏡で観察すると、細繊
維(A)の平均繊度は0.034デニールで繊度のばら
つきはほとんどなく、極細繊維(B)の平均繊度はいず
れも0.007デニール以下0.001デニール以上で
あり、かつその平均繊度は0.004デニールであっ
た。また極細繊維発生型繊維の断面を電子顕微鏡で観察
すると、極細繊維(B)の本数は約180本であった。
得られたスエード調人工皮革の立毛表面を電子顕微鏡で
500倍に拡大して写真に撮り観察したところ、(A/
B)の本数比は2.2/1であり、発色性、外観、風合
い共に良好なものであった。 【0034】比較例3 末端アミン量が17.0×10-5eq/gである6−ナ
イロン15部[極細繊維(B)]とポリエチレン50部
とを同一溶融系で溶融したものと、同じく末端アミン量
が17.0×10-5eq/gである6−ナイロン35部
[細繊維(A)]を別の系で溶融したものとを、紡糸口
金部で繊維形状を規定して紡糸する方法により、島本数
が50本となるように紡糸した繊度10デニールの極細
繊維発生型繊維を使用する以外は、実施例1と同様に処
理した。得られた製品は、発色性は良好であったが、強
力の低下が大きかった。 【0035】比較例4 末端アミン量が4.3×10-5eq/gである6−ナイ
ロン15部[極細繊維(B)]とポリエチレン50部と
を同一溶融系で溶融したものと、同じく末端アミン量が
4.3×10-5eq/gである6−ナイロン35部[細
繊維(A)]を別の系で溶融したものとを、紡糸口金部
で繊維形状を規定して紡糸する方法により、島本数が5
0本となるように紡糸した繊度10デニールの極細繊維
発生型繊維を使用する以外は、実施例1と同様に処理し
た。得られた製品は、外観、風合い共に良好であった
が、実施例2に比べて発色性が劣っていた。 【0036】 【表1】 【0037】 【発明の効果】本発明で得られたスエード調人工皮革
は、外観、風合いが良好で、かつ発色性と耐ピリング性
に優れたものであり、衣料用、靴、袋物用、手袋用とし
て利用できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本願発明の極細繊維発生型繊維の断面模式図で
ある。 【符号の説明】 1 海成分 2 島成分(細繊維A) 3 島成分(極細繊維B)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06N 3/00 - 3/18

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ポリアミド繊維束と弾性重合体とからな
    る基体の表面に該繊維束からなる立毛が存在しており、
    かつ染色されているスエード調人工皮革において、該基
    体を構成している繊維束が、末端アミン量が5×10-5
    eq/g以下で0.02〜0.2デニールのポリアミド
    細繊維(A)と、末端アミン量が10×10-5eq/g
    以上であって、平均繊度が細繊維(A)の1/5以下で
    かつ0.02デニール未満の繊度であるポリアミド極細
    繊維(B)とからなることを特徴とするスエード調人工
    皮革。
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