JP3092841B2 - 押釦スイッチ用カバー部材及びその製造方法 - Google Patents
押釦スイッチ用カバー部材及びその製造方法Info
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Description
話、OA機器等の入力手段である押釦スイッチ装置に用
いられる押釦スイッチ用カバー部材(以下、単にカバー
部材と称する)と、その製造方法に関する。
カバー部材としては、従来では、図10に示すもの、図
11に示すもの、図12に示すもの等が知られる。図1
0に示すカバー部材10は、押圧するためのキートップ
部11、キートップ部11を押圧すると屈曲(クリッ
ク)し、押圧を解除すると反撥弾性により初期の状態に
復帰するというスイッチング動作を行うスカート部1
2、複数のキートップ部11を支持するベース部13、
直接若しくは導電パターン印刷フィルム等を介して間接
的に接触することにより、回路の開閉を行う接点部14
を有し、これら各部が導電性または絶縁性のシリコーン
ゴムにより一体成形される。
キートップ部11を高い硬度の樹脂から成形してシリコ
ーンゴムのスカート部12の上部に一体化するととも
に、キートップ部11の天面に符号11aをスクリーン
印刷や二色成形等で設けて構成されるものである。さら
に、図12に示すカバー部材10は、図10のカバー部
材を基材として、その全外表面にウレタン系樹脂塗膜1
5を形成して構成されるものである。
に示すカバー部材10にあっては、キートップ部11が
粘着性とゴム弾性を有するシリコーンゴムからなるた
め、キー操作の際の押圧感が良くなく、キー操作自体も
しずらいという欠点があった。一方、図11と図12に
示すカバー部材10は上記図10の欠点を解消すること
ができるものの、図11のカバー部材10は使用に伴い
キートップ部11天面の符号11aが磨耗して符号11
aの視認性が低下するという新たな問題が生じる。
系樹脂塗膜15の弾性が、シリコーンゴムの基材に比較
して小さいため繰り返しの疲労により亀裂が生じたり、
シリコーンゴムの基材と層間剥離を起こすことがあり、
さらに、ウレタン系樹脂が衣類に含まれる染料により汚
染されやすくオペレータの着衣等と擦れた場合等に着色
されるという問題が生じる。
いずれも、符号11aがキートップ部11の天面に設け
られるため、オペレータの視点に対して高い位置に入力
キーが位置する場合(例えば、数人で共用するため回転
台上に置かれた電話の番号ボタンを操作する場合、図5
参照)、また、低い位置に入力キーが存在する場合(例
えば、自動車内の各種スイッチ類等)に、その視認性が
すこぶる悪いという問題もある。
ーズの変化から、キートップ部11の天面を曲面や傾斜
面に形成したカバー部材、また、天面にブラインド操作
の補助となる突起を形成したカバー部材が開発されてい
るが、このようなカバー部材はキートップ部11の天面
にスクリーン印刷法等で符号を形成することが困難で印
刷不良が生じやすく、良品率低下に伴う製品のコストア
ップを引き起こすという問題もある。この発明は、上記
問題に鑑みてなされたもので、符号の視認性とキー操作
性に優れ、かつ、符号の形成も容易に行え、また、オペ
レータの着衣の染料等で汚染されることがない押釦スイ
ッチ用カバー部材と、その製造方法を提供することを目
的とする。
め、この発明にかかるカバー部材は、キートップ部がシ
ョアD硬度40度以上、好ましくは50度〜90度以下
の樹脂からなり、スカート部、ベース部および接点部が
シリコーンゴムからなるカバー部材であって、前記キー
トップ部を透明な上樹脂層とレーザー光発色色素配合で
着色された下樹脂層とを上下に接合して構成するととも
に、前記下樹脂層若しくは前記上樹脂層と前記下樹脂層
との接合面にレーザー光発色による変色で形成された符
号を備えた構成とした。
方法は、キートップ部形成用彫込部、該彫込部開口部分
に位置するスカート表面形成部およびベース部表面形成
部を有する表側形成金型と、スカート裏面形成部、ベー
ス部裏面形成部および接点部形成部を有する裏側形成金
型とを用い、キートップ部、スカート部、ベース部およ
び接点部を有する押釦スイッチ用カバー部材を成形する
カバー部材の製造方法であって、前記表側形成金型を前
記キートップ部形成用彫込部が上向きに開口し、かつ彫
込部底面が水平または水平面に対して45度以下の角度
をなすように保持し、該保持状態で前記キートップ部形
成用彫込部に中途まで透視性の第1の液状樹脂を供給す
る第1の工程と、前記表側形成金型を前記キートップ部
形成用彫込部が上向きに開口し、かつ彫込部底面が水平
となる状態に設定し、該水平の状態に保持して前記キー
トップ部形成用彫込部内の前記第1の液状樹脂の上に、
該第1の液状樹脂と色彩が異なりレーザー発色色素を含
む第2の液状樹脂を多くとも前記スカート表面形成部下
縁まで供給する第2の工程と、前記第2の液状樹脂が粘
着性を喪失する前に、前記表側形成金型と前記裏側形成
金型とを型閉してキャビティを画成し、該キャビティ内
にシリコーンゴム原料を充填して加熱硬化させる第3の
工程と、前記シリコーンゴムが硬化した後、キートップ
部、スカート部、ベース部および接点部を一体に有する
成形体を離型する第4の工程と、前記成形体のキートッ
プ部天面からレーザー光を照射し、前記キートップ部の
第2の樹脂部分の少なくとも一部を発色させる第4の工
程と、を備える。
の工程を、前記第2の液状樹脂が粘着性を喪失する前
に、該第2の液状樹脂上にシリコーンゴムを充填して前
記表側形成金型と前記裏側形成金型とを型閉し、シリコ
ーン樹脂を加熱硬化させる工程に置換して達成される。
キートップ部はショアD硬度が40度以上の樹脂からな
るためキートップ部の押圧感に優れ、また、符号が上樹
脂層とレーザー光発色色素配合の下樹脂層との間若しく
はこの下樹脂層に形成されるため符号が磨耗等で消失す
ることも防止できる。そして、カバー部材はレーザー光
発色により符号を形成するため符号の形成も容易に行
え、符号の視認性に優れる。
部材の製造方法によれば、キートップ部の押圧感に優
れ、また、符号の耐久性と視認性に優れたカバー部材を
ほぼ従前と同様にして製造することができる。特に、こ
の製造方法は、符号の形成をレーザー光発色による変色
で行うため、キートップ部の天面を曲面に成形しても符
号の形成が容易である。
明する。図1は、この発明にかかるカバー部材の第1実
施例を示し、カバー部材の部分断面図である。なお、上
述した従来のカバー部材と同一の部分には同一の番号を
付して一部の説明を割愛する。
示し、カバー部材10は、前述した従来と同様にキート
ップ部11、スカート部12、ベース部13および接点
部14を有する。図1では接点部14がスカート部1
2、ベース部13と一体に絶縁性のものからなるものを
示したが、これは接点部14のみを導電性として絶縁性
のスカート部12、ベース部13と接合したものであっ
てもよい。キートップ部11は、ショアD硬度が40度
以上、好ましくは50度以上90度以下の樹脂からなる
上樹脂層21と、レーザー光発色色素配合の樹脂からな
る下樹脂層22とを積層して構成され、下樹脂層22に
レーザー光発色による符号22a(図中、打点を付した
領域で表す)が形成される。上樹脂層21は無色透明あ
るいは有色透明な樹脂、下樹脂層22は上樹脂層21と
色彩または色相が異なる遮光性の樹脂が用いられ、望ま
しくは、これら上樹脂層21と下樹脂層22の色彩はコ
ントラスト差が大きくなるように選択される。
2もショアD硬度が40度以上、好ましくは50度以上
90度以下の樹脂から構成することも可能である。また
述べるまでもないが、キートップ部11の形状は直方
体、長方体、円柱体、その他の多角柱等の任意の形状、
サイズ(高さ等)のもの、また、形状やサイズが異なる
異種の組み合わせから構成することができ、さらに、キ
ートップ部11の天面(上樹脂層21の上面)が曲面や
平坦面をなすように、またさらに、その天面にブライン
ド操作の補助のための凹凸を形成することも可能であ
る。
樹脂としては、具体的には、特開平5−67410号公
報に開示されているエチレングリコールジメタクリレー
ト、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチ
レングリコールジメタクリレート、エチレングリコール
#200ジメタクリレート、1,3−ブチレングリコー
ルジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタク
リレート、ビスフェノールAジメタクリレート、E0変
性リン酸ジメタクリレート、ジシクロペンチニルジペン
タクリレート、グリシドールジメタクリレート、アリル
化シクロヘキシルジアクリレート、ジアリルフタレー
ト、ジアリルカーボネート、ジエチレングリコールビス
アリルジカーボネート、1,5−ヘキサジエン、1,4
−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、
11−エチル−1,11−トリデカジエン等、さらに
は、メチルシリコーンレジン、フェニルシリコーンレジ
ン、ジメチルジフェニルシリコーンレジン、メチルフェ
ニルシリコーンレジン、シリコーンポリエステルレジ
ン、シリコーンアクリルレジン、シリコーンエポキシレ
ジン、不飽和ポリエステル等が用いられる。
反応性の示温顔料から選択採用されるが、製造時の加熱
硬化工程やアフターキュア工程で変色することがないよ
うに変色温度が200度C以上の示温顔料が望ましい。
この示温顔料は、一例を挙げれば、200度Cで白色か
ら黄色に変色するCd(OH)2 、220度Cで黄色
から黒色に変色する〔Cu(Pyr)2 〕(CNS)
2 、260度Cで赤色から黒褐色に変色する〔Cr
(NH3 )5 〕C2 O4 、285度Cで白色か
ら黄色に変色する2PbCO3 ・Pb(OH)2 、
400度Cで紫色から白色に変色するNH4 MnP
2 O7 等から1つを選択して、あるいは複数を選択
して組み合わせて用いられる。
ョアA硬度が80度未満、好ましくは、30〜60度の
範囲のシリコーンゴムから構成される。このシリコーン
ゴムの硬度の選択は、硬度が高すぎるとキーの押圧操作
に伴うスカート部12の屈曲が阻害され、逆に、硬度が
低すぎると耐疲労性が低下するため、これらキーの押圧
操作と耐疲労性が調和するように行われる。このシリコ
ーンゴムは、具体的には、シリコーンゴム・コンパウン
ド100重量部に有機過酸化物などの架橋剤を1〜5重
量部配合したもの等が用いられる。なお、述べるまでも
ないが、このシリコーンゴムには、老化防止剤や着色剤
を含有させることは任意である。
に、直接若しくは導電パターン印刷フィルム等を介して
間接的に接触することにより回路の開閉を行うもので、
スカート部12の中心の凸部に導電フィルム等を貼着し
て構成される。
11、すなわち、上樹脂層21がショアD硬度40度以
上の上述した樹脂から構成されるため、オペレータの指
に粘着することがなく、また、適当な硬度(ショアD硬
度が40度以上)を有するため快適にキー操作を行え、
さらに、オペレータの着衣の染料等で着色汚染されるこ
ともない。そして、符号22aは下樹脂層22にレーザ
ー光発色により形成されるため、磨耗等で消失すること
がなく、形成も容易に行え、さらに、上樹脂層21にブ
ラインド操作の補助用の凹凸の形成も容易である。
かるカバー部材の要部を表し、図2aが断面図、図2b
が斜視図である。なお、この第2実施例および後述する
他の実施例においては、上述した実施例と同一の部分に
同一の番号を付して説明を省略する。
トップ部11の天面)がベース部13の表面と平行に、
かつ、下樹脂層22を上面がベース部13の表面に対し
て45度以下の角度θで傾斜するように構成したもので
ある。なお、上述した第2実施例では、下樹脂層22の
上面の傾斜角度θをベース部13の表面を基準として定
めるが、オペレータの視点との関連で視認性の改善を図
るものであるため完成後の適用装置における位置、例え
ば、水平線を基準として傾斜角度θを決定することが望
ましい(後述する図5参照)。
かるカバー部材の要部を示し、図3aが断面図、図3b
が斜視図である。この第3実施例は、上樹脂層21を上
面(キートップ部11の天面)と下樹脂層22の上面と
をそれぞれ平行にベース部13の表面に対して45度以
下の角度θで傾斜するように構成するとともに、上樹脂
層21の上面縁部にR面取りを施し、また、図1の実施
例と同様に下樹脂層22にレーザー光発色による符号2
2aを形成したものである。
は、必ずしも全周について施す必要はなく、図4の第4
実施例に示すようにオペレータと対向する縁部(前側縁
部)のみについてエッジをなくすように施すことでも足
りる。
層22の傾斜した上面に符号22aが形成されるため、
符号22aの視認性が優れる。すなわち、これら実施例
を電話機の押釦装置に用いた場合を一例として挙げれ
ば、図5に示すように、数人で共用するため回転台31
上に置かれた電話32の番号ボタンの押釦装置33に適
用しても、オペレータ34の視点の高低に関わらずその
符号を確実に視認できる。特に、第3実施例は上樹脂層
21の上面が下樹脂層22の傾斜面と平行で均一な肉厚
を有するため、また特に、第3実施例と図4の実施例は
上樹脂層21の上面縁部がR面取りされてエッジで符号
の視認が妨げられることがないため、より良好な視認性
が得られる。
一実施例を説明する。先ず、製造に用いる装置の概要を
述べれば、金型装置は特に制限されないが、製造コスト
の低減の観点からは従来から一般に用いられている2枚
型の金型装置が望ましい。図8等に示されるように、こ
の実施例における金型装置は、キートップ部11側成形
用の彫込部51が形成された金型(表側成形金型)50
と、接点部14部側成形用の彫込部61が形成された金
型(裏側成形金型)60とを有する。表側成形金型50
は、彫込部51の開口縁部にスカート部表面成形部52
を、また、このスカート部表面成形部52に連続したベ
ース部表面成形部53を有する。また、裏側成形金型6
0は、彫込部61の廻りにスカート部裏面成形部62
を、このスカート部裏面成形部62に連続するベース部
裏面成形部63を有する。なお、この発明においては、
金型装置のパーティッションラインは任意に定めること
ができ、例えば、接点部14側のベース面や、キートッ
プ部11側のベース面等に定められる。
くはプレス成形機と注型用の分注機等を用いる。成形機
は、表側成形金型50を彫込部51が上方に開口するよ
うに位置させ、この表側成形金型50の上方に裏側成形
金型60が位置し、さらに、表側成形金型50を0〜4
5度の範囲の角度に傾けることができる装置が付加され
る。また、金型50,60は予め加熱しておくが、加熱
温度は上述した樹脂とシリコーンゴムが共に硬化可能
で、しかも劣化が生じない範囲、かつ、示温顔料が変色
しない範囲に制御される。分注機としては、エアシリン
ダ、プランジャーポンプ式ディスペンサー、チューブ式
ポンプディスペンサー等が用いられる。
ように、表側成形金型50をキートップ部11天面成形
部である彫込部51底面が水平面に対して0〜45度の
角度をなすように傾斜させる。すなわち、上述した第1
実施例を製造する場合は、傾斜角度を0に、また、第2
実施例等を製造する場合は、傾斜角度を45度以下の角
度θとする。そして、キートップ部11の上樹脂層21
を構成する第1の液状樹脂を分注機71を用いて彫込部
51内に注入する。この第1の液状樹脂の注入は彫込部
51の開口中央から充填する。なお、第1の液状樹脂の
粘度は特に限定されないが、3000ポイズよりも低粘
度であれば、彫込部51に正確に注型できるため好まし
い。また、第1の液状樹脂の充填量は上樹脂層21の大
きさに応じて決定されるが、スカート部12の外面成形
部以下とすることは述べるまでもない。
流動性を喪失しても粘性を有している状態で、すなわ
ち、粘性を喪失する前に、図7に示すように、表側成形
金型50を彫込部51底面が水平となるように姿勢を調
整して第2の液状樹脂を分注機により彫込部51の第1
の液状樹脂上にスカート部外面成形部の下縁位置まで充
填する。ここで、第2の液状樹脂の充填時期、すなわ
ち、第1の液状樹脂が流動性を失っても粘性を有してい
る状態の判断は、第1の液状樹脂から発生する蒸気がほ
ぼ消失した時点とする。このような状態に到達する時間
は、樹脂の種類、充填量、金型の温度により異なるが、
例えば、金型温度が175℃の場合は概ね1〜4分であ
る。
に充填された第2の液状樹脂が流動性を失っても粘性を
有する状態で、彫込部51の第2の液状樹脂上に未硬化
シリコーンゴム原料を充填し、表側成形金型50と裏側
成形金型60とを型閉して加熱、硬化させる。この加熱
硬化条件は樹脂の種類や彫込部51の容積等に応じて定
められるが、第2の液状樹脂に含まれる示温顔料の変色
温度を越えない温度に設定され、硬化温度が175℃の
場合は概ね1〜3分の間である。そして、硬化後に、型
開して成形体を離型する。述べるまでもないが、この成
形体は、樹脂とシリコーンゴムとが一体化し、上樹脂層
21と下樹脂層22からなるキートップ部11、スカー
ト部12、ベース部13等を有する。
の成形を射出成形により行う場合は、表側成形金型50
と裏側成形金型60とを型閉してキャビティを画成し、
このキャビティ内へ未硬化シリコーンゴム原料を充填す
る。
めテーブルに位置合わせてして載置し、図9に示すよう
に、キートップ部11の天面側、すなわち、上樹脂層2
1側からレーザービームRを照射し、下樹脂層22中の
レーザー光発色色素を発色させる。ここで、レーザー加
工装置のレーザー種は最も一般的なレーザー加工作業に
用いられるNd:YAG(Yttriumu Alminum Garnet )
レーザー等が採用される。
については、特に限定されるものではなく、代表的なマ
ーキング方式であるペンタイプマーキング方式(レーザ
ービーム発振器と集光用レンズとの間に存在するガルバ
ノミラーの角度をコンピュータコントロールでXY方向
に作動させることにより、その反射レーザービームを筆
書きの容量で操り、ワークの所定位置に符号を形成する
方法)、マスクタイプマーキング方式(レーザービーム
発振器と集光用レンズの間に符号抜きされた遮光マスク
を配置し、透過レーザービームのみをワークの所定位置
に照射させ、符号を形成する方法)、複合マーキング方
式(ペンタイプとマスクタイプの併用)などから任意の
物を選択できる。
キートップ部11の形状、上樹脂層21の厚みなどに左
右されるため、製品ごとに予め試作を行っておいたほう
が好ましい。この方法によると、キートップ部11を形
成する上樹脂層21と下樹脂層22との接合面が傾斜し
ていても、視認性に優れた符号22aが形成できる。
述べる。 ・実験例1 ジメチルジフェニルシコーンレジン100重量部に架橋
剤を10重量部と硬化触媒を0.4重量部添加してなる
透明樹脂液状体A(第1の液状樹脂)と、この透明樹脂
液状体Aに220℃の加熱で黄色から黒色に変色する
〔Cu(Pyr)2 〕(CNS)2 25重量部を配
合してなる黄色樹脂液状体B(第2の液状樹脂)と、シ
リコーンゴムパウンド(KE−9510U 信越化学工
業(株)製)100重量部に架橋剤(パーヘキサ25B
日本油脂(株)製)1重量部を配合してなる未硬化ゴ
ム原料を準備した。また、金型装置は、二枚型(表側成
形金型50と裏側成形金型60)のうち、表側成形金型
50(彫込部51は長方形状の空隙)をプレス成形機の
固定熱板に取り付け、裏側成形金型60をプレス成形機
の可動熱板に取り付け、これらの型50,60および熱
板を予め170℃に加熱しておいた。
に対して15度傾斜させた後、エアディスペンサーで液
状体Aを各々の彫込部の容積の2/5まで充填させた
(図6参照)。液状体Aは2分後に流動性を失ったもの
の粘着性を維持している状態になったので、表側成形金
型50を水平に戻し、前述と同種のエアディスペンサー
にて液状体Aに積層するようにして彫込部51に液状体
Bを充填した(図7参照)。2分後に未硬化ゴム原料を
彫込部51に充填し、金型50,60を重ね合わせ、成
形圧力110kg/cm2 の下で5分間加熱したとこ
ろ液状体A,Bとシリコーンゴムが硬化一体化し、上樹
脂層21と下樹脂層22の接合面が15度、水平面から
傾斜した基材を得た。
ーカ LAY−724CA ((株)東芝製)にて、レ
ーザー焦点を下樹脂層22の表面に合わせて符号形成作
業を行った。得られたカバー部材は各キートップ部11
の黄色の下樹脂層22のほぼ中央に黒色の符号22aを
有するものであった。これを電話機に組み込んで前述し
た図5に示すようにして用いたところオペレータの視線
に対応する角度で符号22aが対向するため極めて良好
な視認性が得られ、また、符号22aが上樹脂層21に
覆われるため磨耗のおそれもなく、さらに、キートップ
部11の操作感にも優れたものであった。
材10のキートップ部11天面が上樹脂層21と下樹脂
層22の接合面と平行であるようなカバー部材を得るた
め、表側成形金型50の長方形状の彫込部に三角柱の鉄
鋼の入子加工を施し、製造を行った。得られたカバー部
材10はキートップ部11天面、上樹脂層21と下樹脂
層22の接合面ともに水平面に対して23度傾斜したも
のとなった。このものも符号の視認性は良好であるし、
符号の磨耗の心配もなかった。
ートにウレタン系樹脂塗料でスクリーン印刷を行い、所
定の符号を形成し、キートップ部の平面サイズよりも一
回り(1mm)小さく裁断して印刷シートとした。
モノマーと飽和ポリエステル・エリーテル UE322
0(ユニチカ(株)製)を60:40の比率で混合し、
80℃の温調下で攪拌し均一な混合樹脂液とした。この
混合樹脂液100重量部に有機過酸化物 パーヘキサ2
5B(日本油脂(株)製)1重量部を添加して乳白透視
性樹脂液状体(以下、液状体C)を準備した。この液状
体Cに青色顔料 コバルトブルー(一般名称)2重量部
を添加して青色樹脂液状体(以下、液状体D)を準備し
た。
の形状は異なるものの同様な設計方法による二枚型を準
備した。成形機の熱板および金型を150℃に予め加熱
しておき、予め固定熱板とその熱板に固定されている表
側成形用金型を23度に傾斜させておいた。次に、表側
成形用金型50の彫込部51の1/2まで液状体Cをエ
アディスペンサーで充填し、流動性は失ったものの粘着
性は保持している状態で当該金型50を水平状態に戻
し、先に準備してある印刷シート25を印刷面が充填し
た液状体Cに対向するように配列し、続けて液状体Dを
別のエアディスペンサーで彫込部の3/4の位置まで充
填した。
維持しているところで、未硬化ゴム原料を表側成形金型
50の彫込部に充填し、表側成形金型50と裏側成形金
型60とを重ね合わせ、110kg/cm2 の成形圧
力で5分間加熱硬化したところ、液状体C、液状体Dと
シリコーンゴムが硬化一体化し、上樹脂層21と下樹脂
層22の接合面が23度水平面から傾斜したカバー部材
10を得た。
材50として組み込み、運転席から見たところ、運転者
の視線に対する角度で符号が対向するため、極めて良好
な視認性を得ることができた。このものは、符号が乳白
透視性の上樹脂層21に覆われているため、磨耗のおそ
れもないし、キートップ部全体がショアD硬度40度以
上であるため操作性にも優れていた。
カバー部材によれば、キートップ部はショアD硬度が4
0度以上の樹脂からなり、符号が上樹脂層とレーザー光
発色色素配合の下樹脂層との間若しくはこの下樹脂層に
形成されるため、キートップ部の押圧感に優れ、また、
符号が磨耗等で消失することも防止できるという効果が
得られる。特に、カバー部材はレーザー光発色により符
号を形成するため符号の形成も容易に行え、符号の視認
性に優れる。
符号の視認性、キーの操作性、耐久性に優れたカバー部
材が簡単な工程で容易に製造でき、その製造コストを低
減できるという作用効果を奏する。
部の断面図である。
部を示し、aが断面図、bが斜視図である。
部を示し、aが断面図、bが斜視図である。
の態様を示す要部の斜視図である。
方法を説明する図である。
明する図である。
明する図である。
明する図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 キートップ部がショアD硬度40度以上
の樹脂からなり、スカート部、ベース部および接点部が
シリコーンゴムからなる押釦スイッチ用カバー部材であ
って、前記キートップ部を透明な上樹脂層と、レーザー
光発色色素配合で着色された下樹脂層とを上下に接合し
て構成するとともに、前記下樹脂層若しくは前記上樹脂
層と前記下樹脂層との接合面にレーザー光発色による変
色で形成された符号を備えてなることを特徴とする押釦
スイッチ用カバー部材。 - 【請求項2】 キートップ部形成用彫込部、該彫込部開
口部分に位置するスカート表面形成部およびベース部表
面形成部を有する表側形成金型と、スカート裏面形成
部、ベース部裏面形成部および接点部形成部を有する裏
側形成金型とを用い、キートップ部、スカート部、ベー
ス部および接点部を有する押釦スイッチ用カバー部材を
成形する押釦スイッチ用カバー部材の製造方法であっ
て、 前記表側形成金型を前記キートップ部形成用彫込部が上
向きに開口し、かつ彫込部底面が水平または水平面に対
して45度以下の角度をなすように保持し、該保持状態
で前記キートップ部形成用彫込部に中途まで透視性の第
1の液状樹脂を供給する第1の工程と、 前記表側形成金型を前記キートップ部形成用彫込部が上
向きに開口し、かつ彫込部底面が水平となる状態に設定
し、該水平の状態に保持して前記キートップ部形成用彫
込部内の前記第1の液状樹脂の上に、該第1の液状樹脂
と色彩が異なりレーザー発色色素を含む第2の液状樹脂
を多くとも前記スカート表面形成部下縁まで供給する第
2の工程と、 前記第2の液状樹脂が粘着性を喪失する前に、前記表側
形成金型と、前記裏側形成金型とを型閉してキャビティ
を画成し、該キャビティ内にシリコーンゴム原料を充填
して加熱硬化させる第3の工程と、 前記シリコーンゴムが硬化した後、キートップ部、スカ
ート部、ベース部および接点部を一体に有する成形体を
離型する第4の工程と、 前記成形体のキートップ部天面からレーザー光を照射
し、前記キートップ部の第2の樹脂部分の少なくとも一
部を発色させる第4の工程と、を備えることを特徴とす
る押釦スイッチ用カバー部材の製造方法。 - 【請求項3】 キートップ部形成用彫込部、該彫込部開
口部分に位置するスカート表面形成部およびベース部表
面形成部を有する表側形成金型と、スカート裏面形成
部、ベース部裏面形成部および接点部形成部を有する裏
側形成金型とを用い、キートップ部、スカート部、ベー
ス部および接点部を有する押釦スイッチ用カバー部材を
成形する押釦スイッチ用カバー部材の製造方法であっ
て、 前記表側形成金型を前記キートップ部形成用彫込部が上
向きに開口し、かつ彫込部底面が水平または水平面に対
して45度以下の角度をなすように保持し、該保持状態
で前記キートップ部形成用彫込部に中途まで透視性の第
1の液状樹脂を供給する第1の工程と、 前記表側形成金型を前記キートップ部形成用彫込部が上
向きに開口しかつ彫込部底面が水平となる状態に設定
し、該水平の状態に保持して前記キートップ部形成用彫
込部内の前記第1の液状樹脂の上に、該第1の液状樹脂
と色彩が異なりレーザー発色色素を含む第2の液状樹脂
を多くとも前記スカート表面形成部下縁まで供給する第
2の工程と、 前記第2の液状樹脂が粘着性を喪失する前に、該第2の
液状樹脂上にシリコーンゴムを充填して前記表側形成金
型と前記裏側形成金型とを型閉し、シリコーン樹脂を加
熱硬化させる第3の工程と、 前記シリコーンゴムが硬化した後、キートップ部、スカ
ート部、ベース部および接点部を一体に有する成形体を
離型する第4の工程と、 前記成形体のキートップ部天面からレーザー光を照射
し、前記キートップ部の第2の樹脂部分の少なくとも一
部を発色させる第4の工程と、を備えることを特徴とす
る押釦スイッチ用カバー部材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33460494A JP3092841B2 (ja) | 1994-12-20 | 1994-12-20 | 押釦スイッチ用カバー部材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33460494A JP3092841B2 (ja) | 1994-12-20 | 1994-12-20 | 押釦スイッチ用カバー部材及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08174716A JPH08174716A (ja) | 1996-07-09 |
JP3092841B2 true JP3092841B2 (ja) | 2000-09-25 |
Family
ID=18279250
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP33460494A Expired - Fee Related JP3092841B2 (ja) | 1994-12-20 | 1994-12-20 | 押釦スイッチ用カバー部材及びその製造方法 |
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Country | Link |
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CN109367040B (zh) * | 2018-09-28 | 2021-06-04 | 东莞华晶粉末冶金有限公司 | 智能穿戴面壳及其制作方法 |
-
1994
- 1994-12-20 JP JP33460494A patent/JP3092841B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08174716A (ja) | 1996-07-09 |
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