JP3092293B2 - 電界効果トランジスタ - Google Patents
電界効果トランジスタInfo
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- JP3092293B2 JP3092293B2 JP04027821A JP2782192A JP3092293B2 JP 3092293 B2 JP3092293 B2 JP 3092293B2 JP 04027821 A JP04027821 A JP 04027821A JP 2782192 A JP2782192 A JP 2782192A JP 3092293 B2 JP3092293 B2 JP 3092293B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エピタキシャル成長に
より作製される電界効果トランジスタに係り、特に、そ
の性能に大きく関与するキャリア移動度が大きく、低雑
音な化合物半導体電界効果トランジスタと、それを用い
た低雑音増幅回路に関する。
より作製される電界効果トランジスタに係り、特に、そ
の性能に大きく関与するキャリア移動度が大きく、低雑
音な化合物半導体電界効果トランジスタと、それを用い
た低雑音増幅回路に関する。
【0002】
【従来の技術】エピタキシャル成長により作製されるF
ET(Field Effect Transisto
r;電界効果トランジスタ)のチャネルは、例えばGa
Asをチャネル材料としたHEMT(High Ele
ctron Mobility Transisto
r)では、特開平1−94675号公報、より高性能な
InGaAsチャネルHEMTでは、特開平1−669
72号公報、また基板材料としてInPを用いた例で
は、特開平3−50839号公報に記載のように、単一
の半導体層のみで形成されていた。
ET(Field Effect Transisto
r;電界効果トランジスタ)のチャネルは、例えばGa
Asをチャネル材料としたHEMT(High Ele
ctron Mobility Transisto
r)では、特開平1−94675号公報、より高性能な
InGaAsチャネルHEMTでは、特開平1−669
72号公報、また基板材料としてInPを用いた例で
は、特開平3−50839号公報に記載のように、単一
の半導体層のみで形成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】FETの性能指数とし
て重要なものの一つに相互コンダクタンスがある。ゲー
トに印加する電圧が閾電圧に近いときには、相互コンダ
クタンスはキャリア移動度に比例するため、この領域で
キャリア移動度が性能を左右するといえる。キャリア移
動度の向上は、移動度低下の原因である散乱源の影響を
低減させる、或いは高移動度材料を用いることにより達
成される。
て重要なものの一つに相互コンダクタンスがある。ゲー
トに印加する電圧が閾電圧に近いときには、相互コンダ
クタンスはキャリア移動度に比例するため、この領域で
キャリア移動度が性能を左右するといえる。キャリア移
動度の向上は、移動度低下の原因である散乱源の影響を
低減させる、或いは高移動度材料を用いることにより達
成される。
【0004】移動度低下の主たる原因である不純物散乱
は、図2のようなHEMT構造、即ち、キャリア供給層
とチャネルとを空間的に分離することにより向上し、ま
たキャリア供給層とチャネル層間のスペーサ層幅を増す
ことにより、更に向上する。例えば、GaAsチャネル
HEMTの場合、スペーサ層幅が20nm以上の時、電
子移動度は約8000cm2/Vs と、GaAsの達成可
能な最大のものとなる。ところが、スペーサ層幅が大き
すぎるとチャネルに生じるキャリア数が減少し、その結
果、相互コンダクタンスも減少する。通常の場合、スペ
ーサ層幅の最適値は2乃至4nm程度であり、この時の
電子移動度は約5000cm2/Vs であった。また、高
移動度材料としてInGaAsが用いられてきたが、こ
の材料はGaAsよりも格子定数が大きく、層厚が大き
くなるとチャネルに転位が生じてしまうため、高移動度
材料としての特性を有効に利用できなかった。
は、図2のようなHEMT構造、即ち、キャリア供給層
とチャネルとを空間的に分離することにより向上し、ま
たキャリア供給層とチャネル層間のスペーサ層幅を増す
ことにより、更に向上する。例えば、GaAsチャネル
HEMTの場合、スペーサ層幅が20nm以上の時、電
子移動度は約8000cm2/Vs と、GaAsの達成可
能な最大のものとなる。ところが、スペーサ層幅が大き
すぎるとチャネルに生じるキャリア数が減少し、その結
果、相互コンダクタンスも減少する。通常の場合、スペ
ーサ層幅の最適値は2乃至4nm程度であり、この時の
電子移動度は約5000cm2/Vs であった。また、高
移動度材料としてInGaAsが用いられてきたが、こ
の材料はGaAsよりも格子定数が大きく、層厚が大き
くなるとチャネルに転位が生じてしまうため、高移動度
材料としての特性を有効に利用できなかった。
【0005】また、セルラー,コードレス電話などの移
動体通信端末において、小型化,低消費電力化に対する
要求が大きくなってきている。このため、FET等のデ
バイスでも、低電流動作が要求される。ところが、低電
流動作時には一般に相互コンダクタンスが著しく低下
し、雑音特性の指標である雑音指数は増大する。
動体通信端末において、小型化,低消費電力化に対する
要求が大きくなってきている。このため、FET等のデ
バイスでも、低電流動作が要求される。ところが、低電
流動作時には一般に相互コンダクタンスが著しく低下
し、雑音特性の指標である雑音指数は増大する。
【0006】本発明の第一の目的はFETのデバイスの
性能に大きく寄与する電子移動度の大きな構造を提供す
ることにあり、第二の目的は高性能低雑音増幅器を提供
することにある。
性能に大きく寄与する電子移動度の大きな構造を提供す
ることにあり、第二の目的は高性能低雑音増幅器を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記第一の目的は、図1
のように、高電子移動度で、バンドギャップの小さな半
導体材料をチャネルの中央に配置した構造により達成さ
れる。また第二の目的は、上記FETを用いた回路を構
築することにより達成される。
のように、高電子移動度で、バンドギャップの小さな半
導体材料をチャネルの中央に配置した構造により達成さ
れる。また第二の目的は、上記FETを用いた回路を構
築することにより達成される。
【0008】
【作用】図3に、従来のHEMTのゲート電極下におけ
るバンド構造と電子密度分布の模式図を示す。通常利用
されている電流領域では、電子密度分布は図3のように
チャネルの中央部で大きくなっている。キャリア供給層
9へ拡がった電子は、チャネルを移動する電子よりも散
乱を受けやすく、チャネル全体の移動度の低下をまね
く。更に、計算に取り入れていない不純物の拡散等の影
響からも、スペーサ層側への電子分布は好ましくない。
更に、基板側へ滲み出す電子は、ゲートに印加する電圧
の大きさに従って変化する。このことはゲート電圧に関
する相互コンダクタンスの変化が多次関数的に変化する
ことを意味し、増幅器等に利用したとき出力歪が大きく
なる。
るバンド構造と電子密度分布の模式図を示す。通常利用
されている電流領域では、電子密度分布は図3のように
チャネルの中央部で大きくなっている。キャリア供給層
9へ拡がった電子は、チャネルを移動する電子よりも散
乱を受けやすく、チャネル全体の移動度の低下をまね
く。更に、計算に取り入れていない不純物の拡散等の影
響からも、スペーサ層側への電子分布は好ましくない。
更に、基板側へ滲み出す電子は、ゲートに印加する電圧
の大きさに従って変化する。このことはゲート電圧に関
する相互コンダクタンスの変化が多次関数的に変化する
ことを意味し、増幅器等に利用したとき出力歪が大きく
なる。
【0009】図4に、本発明のFETのゲート電極下に
おけるバンド構造と電子密度分布を示す。図は、チャネ
ルの中央部分(半導体層3)に移動度が大きく、バンド
ギャップの小さな材料を用いたものである。キャリアの
大部分は移動度が大きな半導体層3中に分布し、残りの
電子のうちの大部分は、半導体層2及び4に分布してお
り、キャリア供給層に滲み出す電子は均一チャネルの場
合よりも著しく少ない。
おけるバンド構造と電子密度分布を示す。図は、チャネ
ルの中央部分(半導体層3)に移動度が大きく、バンド
ギャップの小さな材料を用いたものである。キャリアの
大部分は移動度が大きな半導体層3中に分布し、残りの
電子のうちの大部分は、半導体層2及び4に分布してお
り、キャリア供給層に滲み出す電子は均一チャネルの場
合よりも著しく少ない。
【0010】図5に本発明の一実施例を示す電界効果ト
ランジスタの相互コンダクタンスのチャネル厚さ依存性
を示す。この時のデバイスは、ゲート長0.1μm ,ゲ
ート幅200μmであり、ソース−ドレイン間電圧は2
V,ドレイン電流2mA動作時を示している。
ランジスタの相互コンダクタンスのチャネル厚さ依存性
を示す。この時のデバイスは、ゲート長0.1μm ,ゲ
ート幅200μmであり、ソース−ドレイン間電圧は2
V,ドレイン電流2mA動作時を示している。
【0011】チャネル厚さが大きくなると、相互コンダ
クタンスは低下するが、特にゲート厚さ20nmで低下
が著しい。これは、観測される移動度の増加に必要な条
件が、図4のような電子分布が得られること、即ち、チ
ャネルが量子井戸とみなせ、かつ電子分布の重心がチャ
ネルの中心近傍に来ることに起因する。チャネルの厚さ
が20nmの時、チャネルに生じる量子準位のうち、基
底準位と第一励起準位との間のエネルギ差は約60me
Vとなる。これは、2mA動作時のゲート電圧における
チャネルの電子分布が上記電子分布の条件を満たす最小
のエネルギ差であることを意味し、このためにはチャネ
ルの厚さは20nm以下である必要があることがわか
る。
クタンスは低下するが、特にゲート厚さ20nmで低下
が著しい。これは、観測される移動度の増加に必要な条
件が、図4のような電子分布が得られること、即ち、チ
ャネルが量子井戸とみなせ、かつ電子分布の重心がチャ
ネルの中心近傍に来ることに起因する。チャネルの厚さ
が20nmの時、チャネルに生じる量子準位のうち、基
底準位と第一励起準位との間のエネルギ差は約60me
Vとなる。これは、2mA動作時のゲート電圧における
チャネルの電子分布が上記電子分布の条件を満たす最小
のエネルギ差であることを意味し、このためにはチャネ
ルの厚さは20nm以下である必要があることがわか
る。
【0012】また、電子が量子井戸の基底準位のみを占
めるとき、チャネルの中心から端までの領域のうち50
%の中に存在する電子数はチャネル全体の電子の約90
%となる。これよりも狭い領域では電子数が著しく減少
し、超格子チャネルの効果が薄れる。従って、中心の半
導体層厚はチャネル層厚の50%以上である時に、特に
効果が顕著である。また、半導体層3の厚さが厚くなる
につれてキャリア供給層との間の電界強度が小さくな
り、チャネルに溜る二次元電子ガスの濃度が小さくな
る。
めるとき、チャネルの中心から端までの領域のうち50
%の中に存在する電子数はチャネル全体の電子の約90
%となる。これよりも狭い領域では電子数が著しく減少
し、超格子チャネルの効果が薄れる。従って、中心の半
導体層厚はチャネル層厚の50%以上である時に、特に
効果が顕著である。また、半導体層3の厚さが厚くなる
につれてキャリア供給層との間の電界強度が小さくな
り、チャネルに溜る二次元電子ガスの濃度が小さくな
る。
【0013】通常用いられているような、キャリア供給
層とチャネルとの間のスペーサ層幅が2nmの時、半導
体層3としてIn組成0.3 のInGaAs、半導体
層4としてGaAsを用いたとき、半導体層4の厚さが
5nm以下では二次元電子ガス濃度の最大値は1.2×
1012/cm2となり、GaAsチャネルでの従来構
造と同程度となる。これ以上半導体層4が厚くなると二
次元電子ガス濃度の最大値が激減し、ソース抵抗が増大
し、その結果、相互コンダクタンスが低下する。従って
半導体層4の厚さは5nm以下の時、効果が顕著であ
る。このような条件を満たすとき、観測される電子移動
度は大きくなり、相互コンダクタンスも大きくなる。加
えてゲート電圧の変化に対する電子分布の重心の変化も
小さいため、この素子を利用した増幅回路やミキサは低
雑音,高利得となり、また出力歪は小さくなる。
層とチャネルとの間のスペーサ層幅が2nmの時、半導
体層3としてIn組成0.3 のInGaAs、半導体
層4としてGaAsを用いたとき、半導体層4の厚さが
5nm以下では二次元電子ガス濃度の最大値は1.2×
1012/cm2となり、GaAsチャネルでの従来構
造と同程度となる。これ以上半導体層4が厚くなると二
次元電子ガス濃度の最大値が激減し、ソース抵抗が増大
し、その結果、相互コンダクタンスが低下する。従って
半導体層4の厚さは5nm以下の時、効果が顕著であ
る。このような条件を満たすとき、観測される電子移動
度は大きくなり、相互コンダクタンスも大きくなる。加
えてゲート電圧の変化に対する電子分布の重心の変化も
小さいため、この素子を利用した増幅回路やミキサは低
雑音,高利得となり、また出力歪は小さくなる。
【0014】
【実施例】以下に本発明の一実施例を図面を用いて具体
的に説明する。以降、材料の記述としてAlGaAsは
GaAs中のGa原子のうちの一部をAlで置換したも
の、InGaAsはGaAs中のGa原子のうちの一部
をInで置換したものを意味する。
的に説明する。以降、材料の記述としてAlGaAsは
GaAs中のGa原子のうちの一部をAlで置換したも
の、InGaAsはGaAs中のGa原子のうちの一部
をInで置換したものを意味する。
【0015】〈実施例1〉図6に、本発明の一実施例の
断面図を示す。まず半絶縁性GaAs基板6上に、MB
E(分子線エピタキシ)装置により、アンドープGaA
s(厚さ:200nm)7,アンドープAlGaAs/
アンドープGaAs超格子層(厚さ:3/50nm×
5)14,アンドープAlGaAsバッファ層(Al組
成0.3 ,厚さ:20nm)15,チャネル層(アンド
ープGaAs(厚さ:2nm)2,アンドープInGa
As(In組成0.4 ,4nm)3,アンドープGaA
s(厚さ:2nm)4),アンドープAlGaAsスペ
ーサ層(Al組成0.3 ,2nm)8,n−AlGaA
sキャリア供給層(Al組成0.3 ,10nm,Si濃
度:5×1018/cm3)9,アンドープAlGaAs層
(Al組成0.3,15nm)10を成長させ、最後に
n−GaAsキャップ層(Si濃度:7×1019/c
m3,160nm)16を堆積させる。
断面図を示す。まず半絶縁性GaAs基板6上に、MB
E(分子線エピタキシ)装置により、アンドープGaA
s(厚さ:200nm)7,アンドープAlGaAs/
アンドープGaAs超格子層(厚さ:3/50nm×
5)14,アンドープAlGaAsバッファ層(Al組
成0.3 ,厚さ:20nm)15,チャネル層(アンド
ープGaAs(厚さ:2nm)2,アンドープInGa
As(In組成0.4 ,4nm)3,アンドープGaA
s(厚さ:2nm)4),アンドープAlGaAsスペ
ーサ層(Al組成0.3 ,2nm)8,n−AlGaA
sキャリア供給層(Al組成0.3 ,10nm,Si濃
度:5×1018/cm3)9,アンドープAlGaAs層
(Al組成0.3,15nm)10を成長させ、最後に
n−GaAsキャップ層(Si濃度:7×1019/c
m3,160nm)16を堆積させる。
【0016】メサエッチにより素子間分離を行なったあ
と、SiO2 膜を蒸着し、通常のホトリソグラフィープ
ロセスにより、ソース電極11及びドレイン電極12の
ための孔を形成する。この孔の表面のSiO2 膜をドラ
イエッチにより削り、n−GaAsキャップ層16を4
0nm程度ウエットエッチにより孔あけする。さらにS
iO2 膜をウエットエッチによりサイドエッチさせて、
リフトオフしやすい形状にする。この上にAuZn/M
o/Auを蒸着し、窒素雰囲気中で熱処理(400℃,
5分)を行なう。さらに、EB(電子線)描画法を用い
て、ゲートパターンを形成する。次に、ウエットエッチ
と選択性ドライエッチにより制御性よくアンドープAl
GaAs層10の手前までエッチング除去した。さらに
Alを蒸着した後リフトオフすることにより、ゲート長
0.1μm ,ゲート幅200μmのゲート電極13を形
成した。このようにして、図5に示した構造のFETを
実現した。
と、SiO2 膜を蒸着し、通常のホトリソグラフィープ
ロセスにより、ソース電極11及びドレイン電極12の
ための孔を形成する。この孔の表面のSiO2 膜をドラ
イエッチにより削り、n−GaAsキャップ層16を4
0nm程度ウエットエッチにより孔あけする。さらにS
iO2 膜をウエットエッチによりサイドエッチさせて、
リフトオフしやすい形状にする。この上にAuZn/M
o/Auを蒸着し、窒素雰囲気中で熱処理(400℃,
5分)を行なう。さらに、EB(電子線)描画法を用い
て、ゲートパターンを形成する。次に、ウエットエッチ
と選択性ドライエッチにより制御性よくアンドープAl
GaAs層10の手前までエッチング除去した。さらに
Alを蒸着した後リフトオフすることにより、ゲート長
0.1μm ,ゲート幅200μmのゲート電極13を形
成した。このようにして、図5に示した構造のFETを
実現した。
【0017】本実施例による装置は、耐圧:6V,ソー
ス抵抗R:0.6Ω・mm ,ドレイン電流2mA時におけ
る相互コンダクタンスg:175mS/mm,12GHz
における雑音指数NF=0.4 と高性能を示した。
ス抵抗R:0.6Ω・mm ,ドレイン電流2mA時におけ
る相互コンダクタンスg:175mS/mm,12GHz
における雑音指数NF=0.4 と高性能を示した。
【0018】なお、製造工程におけるエピタキシャル結
晶成長に際しては、ここで示したMBEのかわりに原子
層単位で成長を制御できる装置、例えば、MOCVD等
を用いても同様の結果が得られる。また、キャップ層1
6は、GaAsに限らず、オーミック接触のとりやすい
物質、例えば、InGaAs等を用いてもよい。またゲ
ート直下のアンドープAlGaAs層10は、耐圧を小
さくしない程度に、1×1018/cm2 以下のn−AlG
aAsを用いてもよい。バッファ層15は無くても良い
が、ドレイン電流が小さな領域での動作では相互コンダ
クタンスに影響を与える。また、Al組成が小さすぎる
と、ピンチオフ特性が悪化し、大きすぎると結晶性が悪
化するため、通常の場合、Al組成0.2〜0.5、厚さ
として5nm〜100nmの範囲では良好な結果を示
す。
晶成長に際しては、ここで示したMBEのかわりに原子
層単位で成長を制御できる装置、例えば、MOCVD等
を用いても同様の結果が得られる。また、キャップ層1
6は、GaAsに限らず、オーミック接触のとりやすい
物質、例えば、InGaAs等を用いてもよい。またゲ
ート直下のアンドープAlGaAs層10は、耐圧を小
さくしない程度に、1×1018/cm2 以下のn−AlG
aAsを用いてもよい。バッファ層15は無くても良い
が、ドレイン電流が小さな領域での動作では相互コンダ
クタンスに影響を与える。また、Al組成が小さすぎる
と、ピンチオフ特性が悪化し、大きすぎると結晶性が悪
化するため、通常の場合、Al組成0.2〜0.5、厚さ
として5nm〜100nmの範囲では良好な結果を示
す。
【0019】本実施例では、AlGaAs層のAl組成
として0.3を用いたが、0.15から0.4 程度の
値を用いても同様な結果が得られる。またチャネル層に
はIn組成0.4 のInGaAsを用いたが、0.2
から0.6程度のIn組成で、転位が入らない程度の厚
さにしてもよく、チャネル層2及び4の材料を異なるも
のにしても良い。更に、チャネル層は3層構造に限ら
ず、In組成が段階的に変化するような構造や、一原子
層ごとに材料の異のなる超格子構造にしても良い。材料
もInGaAsに限らず、GaAsSbを用いてもよ
く、また層構造もGaAs/AlGaAsに限らず、例
えば、InGaAs/InAlAsやInAs/(A
l,Ga)(Sb,As)のような材料の組み合わせの
とき同様な結果が得られる。また、基板材料もGaAs
に限らず、InPなどを用いてもよい。
として0.3を用いたが、0.15から0.4 程度の
値を用いても同様な結果が得られる。またチャネル層に
はIn組成0.4 のInGaAsを用いたが、0.2
から0.6程度のIn組成で、転位が入らない程度の厚
さにしてもよく、チャネル層2及び4の材料を異なるも
のにしても良い。更に、チャネル層は3層構造に限ら
ず、In組成が段階的に変化するような構造や、一原子
層ごとに材料の異のなる超格子構造にしても良い。材料
もInGaAsに限らず、GaAsSbを用いてもよ
く、また層構造もGaAs/AlGaAsに限らず、例
えば、InGaAs/InAlAsやInAs/(A
l,Ga)(Sb,As)のような材料の組み合わせの
とき同様な結果が得られる。また、基板材料もGaAs
に限らず、InPなどを用いてもよい。
【0020】本実施例では、Nチャネル電界効果トラン
ジスタの例を示したが、Pチャネルでも良好な結果が得
られる。この場合、本実施例のNドープ層をPドープ層
にすることにより達成される。
ジスタの例を示したが、Pチャネルでも良好な結果が得
られる。この場合、本実施例のNドープ層をPドープ層
にすることにより達成される。
【0021】また、本実施例はHEMTについて述べた
が、他のヘテロ接合素子、即ちHIGFET等に適用し
ても良好な結果が得られることは云うまでもない。
が、他のヘテロ接合素子、即ちHIGFET等に適用し
ても良好な結果が得られることは云うまでもない。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】〈実施例2〉 図8に本発明の一実施例の回路図を示す。実施例1或い
は実施例2記載のFETを半導体基板上に形成するが、
その時図7のようにストリップ線路やコンデンサを用い
たマッチング回路を同一基板上に形成する。こうして得
られた低雑音増幅器は、FET1のドレイン電圧106
及びFET2のドレイン電圧107は2.5V、初段の
FET1のドレイン電流が6mA、次段のFET2のド
レイン電流が10mAという条件で、12GHzにおい
て最小雑音指数1.0dB 、その時の利得が18.5
という良好な性能が得られた。
は実施例2記載のFETを半導体基板上に形成するが、
その時図7のようにストリップ線路やコンデンサを用い
たマッチング回路を同一基板上に形成する。こうして得
られた低雑音増幅器は、FET1のドレイン電圧106
及びFET2のドレイン電圧107は2.5V、初段の
FET1のドレイン電流が6mA、次段のFET2のド
レイン電流が10mAという条件で、12GHzにおい
て最小雑音指数1.0dB 、その時の利得が18.5
という良好な性能が得られた。
【0029】尚、今回の実施例では二段増幅器の例を示
したが、一段増幅器でも良好な結果が得られる。また、
マッチング回路が同一基板上にある、いわゆる、モノリ
シックICの例を示したが、多少性能は落ちるが製作の
容易なハイブリッドIC、即ちマッチング回路が同一基
板上にないものでも良好な結果が得られる。
したが、一段増幅器でも良好な結果が得られる。また、
マッチング回路が同一基板上にある、いわゆる、モノリ
シックICの例を示したが、多少性能は落ちるが製作の
容易なハイブリッドIC、即ちマッチング回路が同一基
板上にないものでも良好な結果が得られる。
【0030】今回の実施例では12GHz帯の低雑音増
幅器についてのみを記載したが、マッチング回路の変更
で他の周波数帯でも良好な特性が得られた。また、この
FETを、ミキサなど、他の回路に利用しても良好な特性
が得られる。
幅器についてのみを記載したが、マッチング回路の変更
で他の周波数帯でも良好な特性が得られた。また、この
FETを、ミキサなど、他の回路に利用しても良好な特性
が得られる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、高いキャリア移動度に
より性能の向上が図れる電界効果トランジスタが得ら
れ、低雑音増幅器等に適用したとき、大きな効果が得ら
れる。
より性能の向上が図れる電界効果トランジスタが得ら
れ、低雑音増幅器等に適用したとき、大きな効果が得ら
れる。
【図1】本発明の一実施例を示すFETのチャネル近傍
の説明図。
の説明図。
【図2】従来の実施例を示すHEMTの断面図。
【図3】従来の実施例を示すHEMTのチャネル近傍の
バンド構造と電子密度分布図。
バンド構造と電子密度分布図。
【図4】本発明の一実施例を示すHEMTのチャネル近
傍のバンド構造と電子密度分布図。
傍のバンド構造と電子密度分布図。
【図5】本発明の一実施例を示すHEMTの相互コンダ
クタンスのチャネル厚さ依存性の説明図。
クタンスのチャネル厚さ依存性の説明図。
【図6】本発明の一実施例を示すHEMTの断面図。
【図7】本発明の一実施例を示すHEMTの断面図。
【図8】本発明の一実施例を示すHEMTを用いた低雑
音増幅器の系統図。
音増幅器の系統図。
1…バッファ層、2…アンドープGaAsチャネル層、
3…アンドープInGaAsチャネル層、4…アンドー
プGaAsチャネル層、5…バリア層。
3…アンドープInGaAsチャネル層、4…アンドー
プGaAsチャネル層、5…バリア層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山根 正雄 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株式会社 日立製作所 半導体設計開発 センタ内 (56)参考文献 特開 昭63−90861(JP,A) 特開 平3−136250(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/778 H01L 21/338 H01L 29/812
Claims (2)
- 【請求項1】電界効果トランジスタにおいて、半導体基
板はGaAsからなり、チャネル層はGaAs層、In
GaAs層およびGaAs層がこの順序で配置された積
層構造を有し、前記チャネル層の厚さは20nm以下で
あり、前記2つのGaAs層を除いた前記積層構造の厚
さは前記チャネル層厚の50%以上であることを特徴と
する電界効果トランジスタ。 - 【請求項2】前記半導体基板から遠い側の前記GaAs
層の厚さは5nm以下であることを特徴とする請求項1
に記載の電界効果トランジスタ。
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