JPH05144849A - 電界効果トランジスタ及びそれを用いた低雑音増幅回路 - Google Patents

電界効果トランジスタ及びそれを用いた低雑音増幅回路

Info

Publication number
JPH05144849A
JPH05144849A JP30592991A JP30592991A JPH05144849A JP H05144849 A JPH05144849 A JP H05144849A JP 30592991 A JP30592991 A JP 30592991A JP 30592991 A JP30592991 A JP 30592991A JP H05144849 A JPH05144849 A JP H05144849A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
effect transistor
field effect
channel
carrier supply
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30592991A
Other languages
English (en)
Inventor
Takuma Tanimoto
琢磨 谷本
Masao Yamane
正雄 山根
Makoto Kudo
真 工藤
Tomoyoshi Mishima
友義 三島
Mitsuhiro Mori
光廣 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP30592991A priority Critical patent/JPH05144849A/ja
Publication of JPH05144849A publication Critical patent/JPH05144849A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Junction Field-Effect Transistors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】チャネル層へキャリアを供給するキャリア供給
層を有する電界効果トランジスタの相互コンダクタンス
を大きくする。また、その電界効果トランジスタを用い
た高性能低雑音アンプ等を提供する。 【構成】キャリア供給層の厚さ方向におけるn型イオン
化不純物濃度を、チャネル層側面部分より大きいイオン
化不純物濃度を有する部分が層内部にあるごとく分布さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チャネル層へキャリア
を供給するキャリア供給層を有する電界効果トランジス
タに係り、その性能に大きく関与する相互コンダクタン
スが特に低ソース−ドレイン間電流が小さい領域で大き
く、低雑音な化合物半導体電界効果トランジスタと、そ
れを用いた低雑音増幅回路に関する。
【0002】
【従来の技術】チャネル層へキャリアを供給するキャリ
ア供給層を有するFET(Field Effect Transister;電
界効果トランジスタ)としては、GaAsをチャネル材
料としたHEMT(High Electron Mobility Transiste
r)が、例えば特開昭63-60570に記載されており、InG
aAsチャネルHEMTが例えば特開昭61-3464に記載
されており、また基板材料にInPを用いたHEMTが
例えば特開昭64-41273に記載されている。何れの場合
も、キャリア供給層のイオン化不純物濃度は均一であ
る。
【0003】また、プレーナドープ型のHEMTが例え
ばアイ・イー・ディー・エム88(1988年)176ページ(IEDM88
(1988)176-179)記載されている。プレーナドープはデル
タ(δ)ドープ、パルスドープともいわれ、通常の場合、
GaAs等の結晶成長中に、成長を中断して、Si等の
イオン化不純物を成長することにより、極めて狭い領域
にイオン化不純物を閉じ込めるものである。チャネルか
らプレーナドープ層までは意識的には不純物を含まない
アンドープ層となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】FETの性能指数とし
て重要なものの一つに相互コンダクタンスがある。上記
従来技術のHEMTにおいて相互コンダクタンスを向上
するには、ゲートからチャネルまでの距離を短くする、
即ち薄層化が有効である。しかるに、上記従来技術のう
ち、イオン化不純物濃度が均一なHEMTは、ゲート−
チャネル間距離が30〜100nm程度であり、充分薄い
とは云えなかった。
【0005】また、上記従来技術のうち、プレーナドー
プ型HEMTは、ゲートとプレーナドープ層間の距離は
20nm程度と小さくなっているが、プレーナドープ層と
チャネルとの間の距離は5nmと大きい。この5nmの距離
は、プレーナドープ層をチャネル近傍に位置させたとき
のチャネル中の電子移動度の低下(相互コンダクタンス
の低下)を防ぐために確保されているが、このことは逆
にチャネルに誘起される電子濃度の増加(相互コンダク
タンスの増加)を妨げる結果となっている。さらには、
しきい電圧を負の大きな値(通常、−1V程度)に保つた
めには、ゲートとチャネル間の距離を大きくとる必要が
ある。したがって、結果として相互コンダクタンスは小
さい。
【0006】また、セルラー、コードレス電話などの移
動体通信端末において、小型化、低消費電力化に対する
要求が大きくなってきている。このため、FET等のデ
バイスにおいても、低電流動作が要求される。ところ
が、低電流動作時には一般に相互コンダクタンスが著し
く低下し、雑音特性の指標である雑音指数は増大する。
本発明の第1の目的は、相互コンダクタンスの大きいF
ETを提供することにあり、第2の目的は高性能低雑音
増幅器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的は、キャ
リア供給層の厚さ方向におけるn型イオン化不純物濃度
を、チャネル層側面部分より大きいイオン化不純物濃度
を有する部分が層内部にあるごとく分布させることによ
り達成できる。上記第2の目的は、このようなFETを
用いて回路を構築することにより達成できる。
【0008】
【作用】空乏層近似の範囲での相互コンダクタンスは、
次の数1の様になる。
【0009】
【数1】
【0010】ソース−ドレイン間電流が小さいとき、即
ちゲートに印加する電圧がしきい電圧に近いときには、
数1の右辺括弧内第2項が1に比べて大きくなり、相互
コンダクタンスはキャリア移動度に比例する。この領域
ではキャリア移動度が性能を左右するといえる。キャリ
ア移動度の向上は、移動度低下の原因である散乱源の影
響を低減させる、或いは高移動度材料を用いることによ
り達成される。移動度低下の主たる原因である不純物散
乱は、図2のようなHEMT構造、即ちキャリア供給層
とチャネル層とを空間的に分離することにより向上し、
またキャリア供給層とチャネル層間のスペーサ層幅を増
すことにより、更に向上する。例えばGaAsチャネル
HEMTの場合、スペーサ層幅が20nm以上の時、電子移
動度は約8000cm2/Vsと、GaAsで達成可能な最大のも
のとなる。ところが、スペーサ層厚が大きすぎるとチャ
ネルに誘起されるキャリア数が減少し、その結果相互コ
ンダクタンスが減少する。通常の場合、スペ−サ層幅の
最適値は2乃至4nm程度であり、この時の電子移動度は
約5500cm2/Vsである。また、高移動度材料としてInG
aAsが用いられてきたが、この場合にも移動度の絶対
値の違いこそあれ、同様の問題があった。
【0011】ところで、しきい電圧は次の数2のように
表わされる。
【0012】
【数2】
【0013】しきい電圧が負となるD−FET(ノーマ
リオン型FET)の場合は、図2のように、ゲートとキ
ャップ層との間に0.2μm程度の隙間(目あきと呼ぶ)を
設けることにより、ソース−ゲート間の耐圧や容量を制
御する方法が用いられているが、この構造では、しきい
電圧が-0.5V以上と浅い場合や、E−FET(ノーマリオ
フ)の場合は、目あき直下の抵抗が大きくなるため、相
互コンダクタンスは低下する。これを避けるためにイオ
ン打ち込みやカバー層を設ける構造をとることもできる
が、何れの場合もプロセスが複雑になり、他の特性劣化
や歩留まりの低減につながる。また、相互コンダクタン
スは、数1からわかるように、ゲート電極からチャネル
までの距離に反比例するため、これらの間隔をより小さ
くする、即ち薄層化することにより相互コンダクタンス
の向上が図られる。しかし、薄層化しただけでは目あき
部分下のチャネル部分が空乏化してきて、ソース抵抗が
増加するため、しきい電圧の絶対値をある程度以上に確
保する必要がある。この目安はおよそ-0.5Vであり、数
2からわかるように、薄層化に伴いキャリア供給層のイ
オン化不純物濃度を高濃度化する必要がでてくる。しか
し、イオン化不純物濃度が増すにつれて、図3のように
電子移動度の低下が起こる。上述のように、移動度低下
は低電流領域での相互コンダクタンスの低下につながる
ため、薄層化の利点が無くなる。プレーナドープの場合
も、図4のようにプレーナドープ層がチャネル層に近い
領域に存在すると、移動度の低下が起こり、遠くなると
チャネルのキャリア濃度の低下が起こる。何れの場合も
低電流領域での相互コンダクタンスの劣化につながる。
【0014】本発明では、高濃度ドープされた領域をチ
ャネルから遠くに配置するので、この領域の存在による
移動度の低下はない。そして、チャネル層に誘起される
キャリア濃度は、チャネル層側の低濃度ドープ領域から
供給されるキャリアに、さらにこの領域から供給される
キャリアが加わり増加する。その結果、相互コンダクタ
ンスが向上する。
【0015】このときの高濃度ドープ層としては、プレ
ーナドープ層でもよいし、チャネルから遠ざかるにつれ
て不純物濃度が連続的、或いは階段上に増加するような
構造にすれば、より効果的である。
【0016】スペーサ層については、例えばGaAsチ
ャネルの場合、実用に耐えうるFETとなるには、アン
ドープAlGaAsスペーサ層幅として1〜4nm程度
が適当であり、この場合の電子移動度は高々5500cm2/Vs
である。図1のような高濃度ドープ層をチャネルから離
す場合、この高濃度ドープ領域が単独で存在するときの
チャネルの移動度が5500cm2/Vsを超えるほどチャネルか
ら離れているか、若しくは低濃度であると、チャネルの
シートキャリア濃度が小さくなったり、ゲート−チャネ
ル間の薄層化が図れなくなったりで効果的でない。従っ
て、低電流動作が必要な場合は、まず、チャネルの移動
度を高く確保する必要から、チャネル層とキャリア供給
層との間隔は1〜4nm程度離す必要がある。この範囲
から小さい方に外れるとチャネル中のキャリア移動度が
著しく劣化し、大きい方に外れると、チャネルのシート
キャリア濃度が低下する。また、図3に示したように、
キャリア供給層のチャネル層側領域のイオン化不純物濃
度の増加に伴い、移動度は劣化する。特に4×1018/c
m3以上では著しく移動度が低下するため、濃度はこれ以
下に設定する必要がある。また、特に1×1018/cm3
下ではシートキャリア濃度が著しく低下するため、ゲー
ト−チャネル間を50nm程度以上と、大きくとる必要が
あり、実用的でない。
【0017】また、図3、図4からわかるように、チャ
ネルにおける移動度の低下はイオン化不純物濃度とチャ
ネルからの距離に大きく依存する。従って、イオン化不
純物濃度の大きい領域はチャネルから遠くに位置するこ
とが望ましい。しかし、遠くなるほどチャネルのキャリ
ア濃度が小さくなったり、しきい電圧を確保するために
ゲート−チャネル間距離が大きくなるなどの弊害がある
ため、いたずらに遠ざけられない。このイオン化不純物
濃度とチャネルまでの距離との関係には最適値がある。
即ち、イオン化不純物濃度の異なる領域が厚さ方向に複
数個存在するとき、それぞれの領域が単独で存在すると
きのチャネル中のキャリア移動度が同一になるように、
各領域のイオン化不純物濃度およびチャネルからの距離
を定める。各領域が単独で存在するときのチャネル中の
キャリア移動度は、図4若しくは同様な実験から求ま
る。例えば、一つの領域による移動度が5500cm2/Vsであ
るとすると、他の領域による移動度も5500cm2/Vsになる
ような距離だけチャネルから離せば良い。こうすること
により、階段状の不純物分布を持つキャリア供給層が形
成され、それぞれの領域がチャネルに与える影響を同一
にすることができ、無駄なく薄層化することができる。
これら不純物を含む複数の領域のうち1つ以上をプレー
ナドープ層で置き換えても、同じ議論は成り立つ。ま
た、キャリア供給層におけるイオン化不純物濃度が連続
的に変化する場合は、イオン化不純物濃度の異なる領域
の数が無限にあるとした場合に一致する。この場合が一
番効率的に薄層化できることは明らかであろう。但し、
イオン化不純物濃度を20nm程度以下の狭い領域で連続的
に、かつ制御性良く変化させるのは技術的に困難である
ため、出来上がった素子のウエハ間のバラツキが大きく
なる。所望の性能にもよるが、イオン化不純物濃度の異
なる領域の数は、プレーナドープ層を含めて、3乃至4
程度で構成される場合が最も制御性が良く、かつその性
能は最適なものと比較してもあまり遜色はない。
【0018】材料としては、GaAs基板上では、キャ
リア供給層やスペーサ層、バリア層としてはAl組成0.
2〜0.3程度のAlGaAsが適当であり、チャネル材料
としてはIn組成0.3以下のInGaAsが適当であ
り、イオン化不純物としてはNチャネルの場合にはS
i、Pチャネル場合にはBe、Cが適当である。InP
基板上ではキャリア供給層やスペーサ層、バリア層とし
てはIn組成0.3〜0.6程度のInAlAsが適当であ
り、チャネル材料としてはIn組成0.4〜0.7程度のIn
GaAsが適当であり、イオン化不純物としてNチャネ
ルの場合にはSi、Pチャネルの場合にはBe、Cが適
当である。これらの材料系は、結晶に転位が入らず、M
BE,MOCVD等の結晶成長装置で制御性よく膜を作
製することが可能であり、かつキャリア供給層とチャネ
ル層との界面での伝導帯の不連続ギャップを大きく確保
することができるため、高性能な電界効果トランジスタ
が得られる。
【0019】また、以上の説明では、ゲート電極とキャ
リア供給層とがチャネル層に対し同じ側に位置している
FETを例にとり説明した。ゲート電極とキャリア供給
層とがチャネル層に対し反対側に位置しているFETに
ついても同様のことがいえる。すなわち、本発明のキャ
リア供給層構造をとることにより、チャネル中のキャリ
ア移動度を低下させることなくチャネルに誘起されるキ
ャリア濃度を増加させることができ、その結果として、
相互コンダクタンスが向上する。
【0020】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面を用いて具体的
に説明する。以降、材料の記述としてAlGaAsはG
aAs中のGa原子のうちの一部をAlで置換したも
の、InGaAsはGaAs中のGa原子のうちの一部
をInで置換したもの、InAlAsはAlAs中のA
l原子のうちの一部をInで置換したものを意味する 。 実施例1 図1に、本発明の実施例1の断面図を示す。まず半絶縁
性GaAs基板1上に、MBE(分子線エピタキシー)法
により、アンドープGaAs(厚さ:200nm)2、アンドー
プAlGaAs/アンドープGaAs超格子層(厚さ:3/5
0nm×5層)3、アンドープInGaAs(In組成:0.25,厚
さ:8nm)チャネル層4、アンドープAlGaAsスペー
サ層(Al組成:0.25,厚さ:2nm)5、n−AlGaAsキャ
リア供給層(Al組成:0.25,厚さ:4nm,Si濃度:2×1018/c
m3)6、n−AlGaAsキャリア供給層(Al組成:0.25,
厚さ:15nm,Si濃度:5×1018/cm3)7、アンドープAlG
aAsバリア層(Al組成:0.25,厚さ:10nm)8を成長さ
せ、最後にn−GaAsキャップ層(Si濃度:7×1018/cm
3,厚さ:160nm)9を堆積させる。
【0021】メサエッチにより素子間分離を行なったあ
と、ソース電極11及びドレイン電極12をリフトオフによ
り形成する。ソース・ドレイン電極材料にはAuGe/
Mo/Auを用い、材料蒸着後に窒素雰囲気中で熱処理
(400℃,5分)を行なう。リフトオフのマスクは、通
常のホトリソグラフィープロセスにより、SiO2膜1
0に開口を形成したものを用いる。また、SiO2膜10
の開口はウエットエッチによりサイドエッチして、リフ
トオフしやすい形状にしておく。さらに、n−GaAs
キャップ層9を40nm程度ウエットエッチにより削り込ん
でおく。次に、ゲート長0.1μm、ゲート幅200μ
mのゲート電極13を、アンドープAlGaAs層8上
に、リフトオフにより形成する。ゲート電極材料にはA
lを用いる。ゲートパターンの形成にはEB(電子線)描
画法を用いる。n−GaAsキャップ層9の除去は、S
iO210膜をマスクとして、ウエットエッチと選択性ド
ライエッチにより行なう。このようにして、図1に示し
た構造のFETを実現した。本実施例による装置は、耐
圧:6V、ソース抵抗R:0.4Ω・mm、ドレイン電流
2mA時における相互コンダクタンスgm:203mS/m
m、2GHzにおける雑音指数NF=0.3dB、20GH
zにおける雑音指数の最小値0.4dBと高性能を示し
た。
【0022】本実施例では、アンドープAlGaAsス
ペーサ層5の厚さは2nmとしたが、1〜4nmの範囲で良
好な結果が得られた。また、n−AlGaAsキャリア
供給層6及び7のイオン化不純物濃度は上記に限らず、
符号6の層としては1〜4×1018/cm3の範囲で、符号
7の層としては5〜10×1018/cm3の範囲であれば、
良好な結果が得られる。また、キャリア供給層のイオン
化不純物濃度分布も2層ドープ構造に限らず、イオン化
不純物濃度がチャネルから遠ざかるにつれて階段状に大
きくなるようなドープ構造でも良く、また、イオン化不
純物濃度がチャネルから遠ざかるにつれて連続的に大き
くなるようなドープ構造でも良い。
【0023】実施例2 図5に、本発明の実施例2の断面図を示す。まず半絶縁
性GaAs基板1上に、MBE(分子線エピタキシー)法
により、アンドープGaAs(厚さ:200nm)2、アンドー
プAlGaAs/アンドープGaAs超格子層(厚さ:3/5
0nm×5)3、アンドープInGaAs(In組成:0.25,厚
さ:8nm)チャネル層4、アンドープAlGaAsスペー
サ層(Al組成:0.25,厚さ:2nm)5、n−AlGaAsキャ
リア供給層(Al組成:0.25,厚さ:4nm,Si濃度:2×1018/c
m3)6、Siプレーナドープ層(Si濃度:4×1012/cm2)1
4、n−AlGaAsキャリア供給層(Al組成:0.25,厚
さ:8nm,Si濃度:5×1018/cm3)7、アンドープAlGaA
sバリア層(Al組成:0.25,厚さ:10nm)8を成長させ、最
後にn−GaAsキャップ層(Si濃度:7×1018/cm3,厚
さ:160nm)9を堆積させる。
【0024】メサエッチにより素子間分離を行なったあ
と、ソース電極11及びドレイン電極12をリフトオフによ
り形成する。ソース・ドレイン電極材料にはAuGe/
Mo/Auを用い、材料蒸着後に窒素雰囲気中で熱処理
(400℃,5分)を行なう。リフトオフのマスクは、通
常のホトリソグラフィープロセスにより、SiO2膜1
0に開口を形成したものを用いる。また、SiO2膜10
の開口はウエットエッチによりサイドエッチして、リフ
トオフしやすい形状にしておく。さらに、n−GaAs
キャップ層9を40nm程度ウエットエッチにより削り込ん
でおく。次に、ゲート長0.1μm、ゲート幅200μ
mのゲート電極13を、アンドープAlGaAs層8上
に、リフトオフにより形成する。ゲート電極材料にはA
lを用いる。ゲートパターンの形成にはEB(電子線)描
画法を用いる。n−GaAsキャップ層9の除去は、S
iO210膜をマスクとして、ウエットエッチと選択性ド
ライエッチにより行なう。このようにして、図5に示し
た構造のFETを実現した。本実施例による装置は、耐
圧:6V、ソース抵抗R:0.4Ω・mm、ドレイン電流
2mA時における相互コンダクタンスgm:235mS/m
m、2GHzにおける雑音指数NF=0.28dB、20G
Hzにおける雑音指数の最小値0.35dBと高性能を
示した。
【0025】本実施例では、アンドープAlGaAsス
ペーサ層5の厚さは2nmとしたが、1〜4nmの範囲で良
好な結果が得られた。また、n−AlGaAsキャリア
供給層6及び7のイオン化不純物濃度は上記に限らず、
符号6の層としては1〜4×1018/cm3の範囲で、符号
7の層としては5〜10×1018/cm3の範囲であれば、
良好な結果が得られる。また、Siプレーナドープ層の
Si濃度は3〜5×1012/cm2のとき、良好な結果が得られ
た。
【0026】また、実施例1、2における条件を以下の
ようにしてもよい。製造工程におけるエピタキシャル結
晶成長法は、MBE法のかわりに原子層単位で成長を制
御できる方法、例えばMOCVD法等を用いても同様の
結果が得られる。また、キャップ層9は、GaAsに限
らず、オーミック接触のとりやすい物質、例えばInG
aAs等を用いてもよい。またゲート直下のアンドープ
AlGaAs層8は、耐圧を小さくしない程度に、1×
1018/cm3以下のn−AlGaAsを用いてもよい。A
lGaAsキャリア供給層6及び7のAl組成は0.25を
用いたが、0.15から0.4程度の値を用いても同様な結果
が得られる。またチャネル層4にIn組成0.25のI
nGaAsを用いたが、0.1から0.4程度のIn組成
で、転位が入らない程度の厚さにしてもよく、材料もI
nGaAsに限らず、GaAsSbを用いてもよい。ま
たチャネル層/キャリア供給層構造も、InGaAs/
AlGaAsに限らず、例えばGaAs/AlGaA
s、InGaAs/InAlAsやInAs/(Al,G
a)(Sb,As)のような材料の組み合わせのとき同様な
結果が得られる。また、基板材料もGaAsに限らず、
InPなどを用いてもよい。InP基板を用いた場合
は、上記のAlGaAs層の代わりにIn組成0.3〜0.6
のInAlAsを、GaAs層の代わりにIn組成0.4
〜0.7のInGaAsを用いると良好な結果が得られ
る。また、Nチャネル電界効果トランジスタの例を示し
たが、Pチャネルでも良好な結果が得られる。この場
合、Nドープ層をPドープ層にすることにより達成され
る。また、HEMTについて述べたが、他のヘテロ接合
素子、即ち逆HEMT,キャリア供給層付きドープチャ
ネル型FET等に適用しても良好な結果が得られること
は云うまでもない。
【0027】実施例3 図6に本発明の実施例3の低雑音増幅器の回路図を示
す。実施例1或いは実施例2記載のFETをマイクロス
トリップ線路109やコンデンサ110を用いたマッチ
ング回路と共に半導体基板上に形成する。こうして得ら
れた低雑音増幅器は、初段のFET100のドレイン電
圧及びドレイン電流が各々2.5V及び6mA、次段の
FET101のドレイン電圧及びドレイン電流が各々
2.5V及び10mAという条件下で、12GHzにおいて
最小雑音指数0.85dB、利得20.1という良好な性
能が得られた。
【0028】尚、本実施例では2段増幅器の例を示した
が、1段増幅器でも良好な結果が得られる。また、マッ
チング回路が同一基板上にある、所謂モノリシックIC
の例を示したが、多少性能は落ちるが製作の容易なハイ
ブリッドIC、即ちマッチング回路が同一基板上にない
ものでも良好な結果が得られる。また、周波数帯が12
GHz帯の低雑音増幅器について記載したが、マッチン
グ回路の変更で他の周波数帯でも良好な特性が得られ
た。また、動作電流や動作電圧もより小さい用途、例え
ば自動車電話、携帯電話等の低消費電力動作が必要なで
も良好な特性が得られた。この場合、従来素子を用いた
ときに実現できたのと同等な雑音特性を得るために必要
なセルサイズは、半分以下にできた。これは、従来素子
よりも本発明によって得られた素子の性能が良いため、
少ない素子数で回路を構成しても高性能な増幅器が得ら
れるからである。また、本発明のFETを、ミキサな
ど、他の回路に利用してもよい。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、相互コンダクタンスの
大きい電界効果トランジスタが得られ、これを用いた低
雑音増幅器等は性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のHEMTの断面構造図であ
る。
【図2】従来のHEMTの断面構造図である。
【図3】HEMTの不純物濃度に対する移動度の変化を
示す図である。
【図4】HEMTのプレーナドープ層位置に対する移動
度の変化を示す図である。
【図5】本発明の実施例2のHEMTの断面構造図であ
る。
【図6】本発明の実施例3の低雑音増幅器の回路図であ
る。
【符号の説明】
1…半絶縁性GaAs基板、2…アンドープGaAsバッファ
層、3…アンドープAlGaAs/GaAs超格子層、4…アンド
ープInGaAsチャネル層、5…アンドープAlGaAsスペーサ
層、6…n−AlGaAsキャリア供給層(低濃度層)、7…
n−AlGaAsキャリア供給層(高濃度層)、8…アンドー
プAlGaAsバリア層、9…n−GaAsキャップ層、10
…SiO2膜、11…ソース電極、12…ドレイン電
極、13…ゲート電極、14…Siプレーナドープ層、
100…初段のFET、101…次段のFET、102…入力端
子、103…出力端子、104…初段のFETのゲート電圧端
子、105…次段のFETのゲート電圧端子、106…初段の
FETのドレイン電圧端子、107…次段のFETのドレ
イン電圧端子、108…アース、109…ストリップ線路、11
0…コンデンサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三島 友義 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 森 光廣 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体から成るチャネル層と、該チャネル
    層より電子親和力が小さく、上記チャネル層へキャリア
    を供給するn型半導体層から成るキャリア供給層を有す
    る電界効果トランジスタにおいて、上記キャリア供給層
    の厚さ方向におけるn型イオン化不純物濃度は、上記チ
    ャネル層側面部分より大きいイオン化不純物濃度を有す
    る部分が層内部にあるごとく分布していることを特徴と
    する電界効果トランジスタ。
  2. 【請求項2】半導体から成るチャネル層と、該チャネル
    層より電子親和力とバンドギャップの和が大きく、上記
    チャネル層へキャリアを供給するp型半導体層から成る
    キャリア供給層を有する電界効果トランジスタにおい
    て、上記キャリア供給層の厚さ方向におけるp型イオン
    化不純物濃度は、上記チャネル層側面部分より大きいイ
    オン化不純物濃度を有する部分が層内部にあるごとく分
    布していることを特徴とする電界効果トランジスタ。
  3. 【請求項3】上記キャリア供給層のイオン化不純物濃度
    分布は上記チャネル層から遠ざかるにつれて階段状に大
    きくなっている請求項1又は2記載の電界効果トランジ
    スタ。
  4. 【請求項4】上記階段状不純物濃度の各不純物濃度の層
    は、それぞれの層が単独で存在した時のチャネル層中の
    キャリア移動度が同じになるように、厚さ及びイオン化
    不純物濃度が設定されている請求項3記載の電界効果ト
    ランジスタ。
  5. 【請求項5】上記キャリア供給層はプレーナドープ層を
    有している請求項1又は2記載の電界効果トランジス
    タ。
  6. 【請求項6】上記キャリア供給層のプレーナドープ層お
    よびその他の層は、それぞれの層が単独で存在した時の
    チャネル層中のキャリア移動度が同じになるように、厚
    さ及びイオン化不純物濃度が設定されている請求項5記
    載の電界効果トランジスタ。
  7. 【請求項7】上記キャリア供給層のイオン化不純物濃度
    は上記チャネルから遠ざかるにつれて連続的に大きくな
    っている請求項1又は2記載の電界効果トランジスタ。
  8. 【請求項8】上記電界効果トランジスタは上記チャネル
    層と上記キャリア供給層との間に膜厚が1〜4nmの第1
    の半導体層を有しており、該第1の半導体層のイオン化
    不純物濃度は1016/cm3程度以下であり、上記キャリア供
    給層中の上記チャネル側面のイオン化不純物濃度は1〜
    4×1018/cm3の範囲にある請求項1乃至7のいずれか一
    項に記載の電界効果トランジスタ。
  9. 【請求項9】上記チャネル層はアンドープ層である請求
    項1乃至8のいずれか一項に記載の電界効果トランジス
    タ。
  10. 【請求項10】上記チャネル層はドープ層である請求項
    1乃至8のいずれか一項に記載の電界効果トランジス
    タ。
  11. 【請求項11】上記電界効果トランジスタは上記キャリ
    ア供給層の上記チャネル層とは反対側の面上にゲート電
    極を有しており、該ゲート電極と上記キャリア供給層と
    の間に第4の半導体層が形成されており、該第2の半導
    体層のイオン化不純物濃度は1×1018/cm3以下である請
    求項1乃至10のいずれか一項に記載の電界効果トラン
    ジスタ。
  12. 【請求項12】上記電界効果トランジスタはGaAs基
    板を有しており、該GaAs基板上に上記チャネル層、
    キャリア供給層およびゲート電極が形成されており、上
    記チャネル層はInGaAsから成り、上記キャリア供
    給層、第1の半導体層および第3の半導体層はAlGa
    Asから成る請求項1乃至11のいずれか一項に記載の
    電界効果トランジスタ。
  13. 【請求項13】上記電界効果トランジスタはInP基板
    を有しており、該GaAs基板上に上記チャネル層、キ
    ャリア供給層およびゲート電極が形成されており、上記
    チャネル層はInGaAsから成り、上記キャリア供給
    層、第1の半導体層および第3の半導体層はInAlA
    sから成る請求項1乃至11のいずれか一項に記載の電
    界効果トランジスタ。
  14. 【請求項14】上記電界効果トランジスタはソース−ド
    レイン間電流1mA〜4mAで動作する請求項1乃至13の
    いずれか一項に記載の電界効果トランジスタ。
  15. 【請求項15】請求項1乃至14のいずれか一項に記載
    の電界効果トランジスタを使用することを特徴とする低
    雑音増幅回路。
JP30592991A 1991-11-21 1991-11-21 電界効果トランジスタ及びそれを用いた低雑音増幅回路 Pending JPH05144849A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30592991A JPH05144849A (ja) 1991-11-21 1991-11-21 電界効果トランジスタ及びそれを用いた低雑音増幅回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30592991A JPH05144849A (ja) 1991-11-21 1991-11-21 電界効果トランジスタ及びそれを用いた低雑音増幅回路

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05144849A true JPH05144849A (ja) 1993-06-11

Family

ID=17950999

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30592991A Pending JPH05144849A (ja) 1991-11-21 1991-11-21 電界効果トランジスタ及びそれを用いた低雑音増幅回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05144849A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997017731A1 (fr) * 1995-11-09 1997-05-15 Matsushita Electronics Corporation Transistor a effet de champ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997017731A1 (fr) * 1995-11-09 1997-05-15 Matsushita Electronics Corporation Transistor a effet de champ
KR100282996B1 (ko) * 1995-11-09 2001-04-02 모리 가즈히로 전계 효과형 트랜지스터

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2581452B2 (ja) 電界効果トランジスタ
US5250826A (en) Planar HBT-FET Device
US5196359A (en) Method of forming heterostructure field effect transistor
JP2001217257A (ja) 半導体装置およびその製造方法
JP2007335586A (ja) 半導体集積回路装置および半導体集積回路装置の製造方法
US5650642A (en) Field effect semiconductor device
Geiger et al. InGaP/InGaAs HFET with high current density and high cut-off frequencies
JP3200142B2 (ja) 電界効果型トランジスタ
US5446296A (en) Semiconductor device
JP3483716B2 (ja) 半導体装置
US4994868A (en) Heterojunction confined channel FET
JP3092293B2 (ja) 電界効果トランジスタ
US4962050A (en) GaAs FET manufacturing process employing channel confining layers
JPH05144849A (ja) 電界効果トランジスタ及びそれを用いた低雑音増幅回路
US5408111A (en) Field-effect transistor having a double pulse-doped structure
JPH06151468A (ja) 電界効果トランジスタおよびそれを用いた増幅回路
JP2000208753A (ja) 半導体装置とその製造方法
USH411H (en) Quasi-accumulation mode FET
JPH07169976A (ja) 半導体装置、その製造方法及び電界効果トランジスタを用いた回路
JP3438347B2 (ja) 半導体装置
JPH0992818A (ja) 電界効果トランジスタ
JPH10214848A (ja) 電界効果トランジスタ及びその製造方法
JPH10261654A (ja) 電界効果トランジスタおよびそれを用いた増幅回路
JPH06177166A (ja) 電界効果トランジスタ及びその製造方法
JPH1079395A (ja) 電界効果型トランジスタおよびその製造方法