JP3090305B2 - 2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−1,3−プロパンジオール誘導体 - Google Patents

2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−1,3−プロパンジオール誘導体

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JP3090305B2 JP07190953A JP19095395A JP3090305B2 JP 3090305 B2 JP3090305 B2 JP 3090305B2 JP 07190953 A JP07190953 A JP 07190953A JP 19095395 A JP19095395 A JP 19095395A JP 3090305 B2 JP3090305 B2 JP 3090305B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規抗ウイルス
薬、詳細にはプリン誘導体のアミノ酸エステル、及び特
に詳細にはガンシクロビル及びL−バリンから誘導され
るエステル、並びにその薬剤学的に許容しうる塩に関す
る。本発明は、また、中間化合物、本抗ウイルス薬を製
造するための合成方法、その医薬組成物、並びに抗ウイ
ルス治療及び関連疾患の治療におけるその用途に関す
る。
【0002】より詳細には、本発明は、2−(2−アミ
ノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イ
ル)メトキシ−1,3−プロパン−ジオールから誘導さ
れるL−バリンモノエステル及びその薬剤学的に許容し
うる塩に関する。
【0003】
【従来の技術】英国特許1523865 には、9位に非環式鎖
を有する抗ウイルス性プリン誘導体が記載されている。
これらの誘導体のうち、INN名称がアシクロビルであ
る2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−
1,6−ジヒドロ−プリン−9−イル)メトキシ−エタ
ノールは、単純ヘルペスウイルスなどのヘルペスウイル
スに対して良好な活性を有することが認められている。
アシクロビルは、局所又は非経口投与により非常に有効
であることが認められているが、経口投与した場合、中
程度にしか吸収されない。
【0004】米国特許4,355,032 には、INN名称がガ
ンシクロビルである9−〔(2−ヒドロキシ−1−ヒド
ロキシメチル−エトキシ)メチル〕−グアニン、つまり
2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プ
リン−9−イル)メトキシ−1,3−プロパンジオール
が開示されている。ガンシクロビルは、ヘルペスウイル
ス科のウイルス、例えば、単純ヘルペスウイルス及びサ
イトメガロウイルスに対して高度に有効である。経口投
与されると、吸収速度が比較的低いため、この投与経路
で投与する場合、高用量を投与しなければならない。ガ
ンシクロビルは、静脈内注入されることが最も多い。こ
の投与形態は、医師、看護婦又は他の医療職員のサ−ビ
スを必要とすることが多く、患者にとって非常に不便で
あるとの欠点を有する。更に又、ガンシクロビルによる
治療を受ける、感染に対して抵抗力のほとんどない免疫
無防備状態の患者にとっては、特に問題である感染の恐
れがある。したがって、経口投与による吸収性の改善さ
れたガンシクロビルを提供することは、非常に望ましい
ことである。
【0005】英国特許2 122 618 には、下記式:
【0006】
【化5】
【0007】(式中、Xは、酸素又は硫黄原子であり、
1 は、ヒドロキシ又はアミノ基を示し、R2 は、水素
原子又は式:−CH2 OR3 a で表される基であり、そ
してR3 及びR3 a は、同一でも異なっていてもよく、
それぞれアミノ酸アシル基を表す)で示される9−(2
−ヒドロキシエトキシメチル)グアニン誘導体及びその
生理学的に許容しうる塩が開示されている。これらの化
合物は、ウイルス性感染症の治療に有効であり、その水
に対する溶解性が高いため、水性医薬製剤の処方におい
て、その価値が認められている。本英国特許出願におけ
る一般式は、R2が基:−CH2 OR3 aである化合物を
含むが、この群の特定の化合物は開示されていない。本
特許出願は、また、水に対する溶解性の改良されたこれ
らの化合物と共に使用される処方剤が、経口、経直腸、
経鼻、局所、経腟又は非経口処方剤を含むことを開示し
ている。
【0008】英国特許出願2 104 070 には、下記式:
【0009】
【化6】
【0010】(式中、Rは、ヒドロキシ又はアミノ基で
あり、そしてXは、酸素又は硫黄原子である)で示され
る抗ウイルス性化合物、並びにその生理学的に許容しう
る塩及びエステルが開示されている。本一般式には、ガ
ンシクロビル及びその生理学的に許容しうる塩並びにエ
ステルが含まれる。エステルとしては、本一般式の化合
物の9位の側鎖の一端又は両末端位に、ホルミルオキシ
基、C1-16(例えば、C1-6 )アルカノイルオキシ(例
えば、アセトキシ又はプロピオニルオキシ)、場合によ
り置換されたアラルカノイルオキシ(例えば、フェニル
アセトキシなどのフェニル−C1-4 アルカノイルオキ
シ)又は場合により置換されたアロイルオキシ(例え
ば、ベンゾイルオキシ又はナフトイルオキシ)エステル
基を含むそれらが挙げられる。上記のアラルカノイルオ
キシ又はアロイルオキシエステル基は、例えば、一つ若
しくは二つ以上のハロゲン(例えば、塩素又は臭素原
子)又はアミノ、ニトリル、又はスルファミド基により
置換されていてもよく、基のアリール部分は、好都合に
は6〜10個の炭素原子を含む。
【0011】ヨ−ロッパ特許出願、公開375 329 には、
下記式:
【0012】
【化7】
【0013】(式中、R及びR1 は、独立して、水素原
子及びアミノアシル基から選択されるが、但しR及びR
1 の少なくとも一方は、アミノ酸アシル基を示し、そし
てBは、下記式:
【0014】
【化8】
【0015】(式中、R2 は、C1-6 直鎖、C3-6 分枝
鎖又はC3-6 環式のアルコキシ基を示す)で表される
基、ヒドロキシ若しくはアミノ基、又は水素原子を表
す)で示されるプロドラッグ化合物及びその生理学的に
許容しうる塩が開示されている。これらのプロドラッグ
化合物は、経口ルートにより投与された場合、有利なバ
イオアベイラビリティを示し、その結果、親化合物の体
内での濃度が高くなると記載されている。
【0016】ヨーロッパ特許出願、公開375 329 の実施
例3b)には、ガンシクロビルのビス(L−イソロイシ
ナート)エステルを、白色の泡状物質として調製したこ
とが開示されている。実施例4b)には、ガンシクロビ
ルのビス(グリシナート)エステルを、白色固体として
調製したことが開示されている。実施例5b)には、ガ
ンシクロビルのビス(L−バリナート)エステルを固体
として調製したことが開示されている。実施例6b)に
は、ガンシクロビルのビス(L−アラニナート)エステ
ルを、ビスエステル90%及びモノエステル10%を含
むシロップとして調製したことが開示されている。記載
されているビスエステルは、非結晶性物質であり、経口
剤型の医薬品の製造のための加工を行うのは困難であ
る。
【0017】英国特許出願8829571 には、式:
【0018】
【化9】
【0019】(式中、Rは、ヒドロキシ若しくはアミノ
基、又は水素原子を示す)で示される化合物のアミノ酸
エステル及びその生理学的に許容しうる塩が開示されて
いる。好ましいアミノ酸の例としては、例えば、グリシ
ン、アラニン、バリン及びイソロイシンなどの炭素数6
までの脂肪酸が挙げられる。アミノ酸エステルとして
は、モノ及びジエステルの両方が挙げられる。しかし、
本特許出願は、ヨーロッパ特許出願、公開375 329 及び
米国特許5,043,339 と同様に、モノエステルの製造につ
いては開示しておらず、ましてその有用性を示唆するデ
ータはまったく開示されていない。
【0020】Jensen et al., Acta Pharm. Nord. 3(4)
243-247 (1991)は、下記式:
【0021】
【化10】
【0022】(式中、Rは、下記式:
【0023】
【化11】
【0024】で表される基であることができる)で示さ
れるガンシクロビルのN−置換の4−(アミノメチル)
ベンゾアートジエステルプロドラッグの合成、酵素によ
る加水分解及び物理化学的特性を開示している。
【0025】これらのエステルを、ガンシクロビルの送
達特性を改良する目的で、合成し、評価した。このエス
テルは、ヒト血漿により酵素的に加水分解されて、親薬
物となり、その加水分解は、対応するモノエステルの形
成により進行する。その著者らは、酵素によるその加水
分解の速度、親油性についてこれらのエステルを評価
し、これらのエステルの特性のため、このジエステル
が、ガンシクロビルにとって、送達特性の、例えば非経
口投与のために、改良された有望な種類のプロドラッグ
となると結論している。
【0026】Martin et al., J. Pharm. Sci. 76(2), 1
80-184 (1987) は、ガンシクロビルのモノ−及びジアシ
ルエステルを開示し、経口投与後のバイオアベイラビリ
ティを検討している。その著者らは、そのジプロピオナ
ートエステルが、ガンシクロビル自体よりも約42%も
高いバイオアベイラビリティを有すると示している。
【0027】ヨーロッパ特許出願、公開158 847 には、
特に、6−デオキシ−アシクロビル及び6−デオキシ−
ガンシクロビルが、酵素の作用により生体内(in vivo
)において速やかにそれぞれアシクロビル及びガンシ
クロビルに変換されると開示している。その発明者ら
は、ラットによる実験において、これらの6−デオキシ
プロドラッグを経口投与すると、消化管から効率良く吸
収され、親薬物の高い血漿中濃度が得られることを発見
している。
【0028】Maudgal et al., Arch. Ophthalmol. 102,
140-142 (1984) は、アシクロビルのグリシンエステル
を、1%点眼処方剤としてウサギに投与した場合、上皮
及び間質性単純ヘルペス性角膜炎及びその関連虹彩炎の
局所治療に有効であると開示している。この著者らは、
アシクロビルのグリシン、アラニン、β−アラニン及び
スクシニルエステルを開示し、グリシンエステルの溶解
度は、アシクロビル自体の溶解度よりも約30倍も高
く、このためグリシンエステルを、最高6%もの濃度
で、点眼剤に使用することが可能であるが、一方アシク
ロビル自体は、軟膏として使用しても、間質性疾患又は
虹彩炎にほとんど無効であると示している。
【0029】Colla et al., J. Med. Chem. 98, 602-60
4 (1983)は、アシクロビルの数種の水溶性エステル誘導
体及びその塩を、アシクロビルのプロドラッグとして開
示している。この著者らは、アシクロビルは、その水へ
の溶解性が限定されているため、点眼剤又は筋肉内注射
剤としては使用できないことを示し、親化合物よりは水
に溶解するアシクロビル誘導体を合成した。その著者ら
は、グリシルエステルの塩酸塩、アラニルエステルの塩
酸塩、β−アラニルエステルの塩酸塩、スクシニルエス
テルのナトリウム塩、及びアジドアセタートエステルを
開示している。著者によると、ウサギ腎細胞の一次培養
物において、各種単純ヘルペスウイルス1型及び2型の
株について評価を行ったところ、最初の4種類のエステ
ルが、アシクロビル自体とほぼ同等の活性を有すること
が認められた。この著者らは、これらのアシクロビルエ
ステルが、アシクロビルの静脈内投与に良好に反応する
ヘルペスウイルス感染症において、点眼薬としての局所
投与及び全身投与には、親化合物よりも臨床的により実
用的であるはずであると示唆している。アシクロビルと
は対照的にこれらのエステルは、はるかに少量で、従っ
て筋肉内注射により投与することができよう。
【0030】Beauchamp et al., Antiviral Chemistry
& Chemotherapy 3, 157-164 (1992)は、抗ヘルペス薬で
あるアシクロビルの18種類のアミノ酸エステル及びア
シクロビルのプロドラッグとしてのその有効性を開示
し、ラットにおけるアシクロビルの尿中回収量を測定す
ることによって、評価を行っている。10種類のプロド
ラッグ:グリシル、D,L−アラニル、L−アラニル、
L−2−アミノブチラート、D,L−バリル、L−バリ
ル、D,L−イソロイシル、L−イソロイシル、L−メ
チオニル、及びL−プロリルエステルは、アシクロビル
自体を投与した場合よりも多量の親化合物を尿中に出現
させた。L−アミノ酸エステルは、対応するD−又は
D,L−異性体よりも良好なプロドラッグであり、立体
選択的輸送が関与していることが示唆された。18種類
のアミノ酸エステルの化学データ及び経口アベイラビリ
ティを示した本刊行物の表1からは、D−アミノ酸エス
テルでは、経口投与によるバイオアベイラビリティがア
シクロビル自体よりも低いという結果が認められる。従
って、D−アミノ酸エステルは、アシクロビルを越える
利点を有さないため、アシクロビルのプロドラッグとし
ては有用ではない。しかし、アシクロビルのアキラルグ
リシルエステルは、アシクロビルよりも高い経口投与に
よるバイオアベイラビリティを示した(尿中回収率の測
定によると、グリシルエステルとして投与されたアシク
ロビルの30%が、回収されたが、アシクロビルを投与
した場合では、アシクロビルの19%が回収された)。
著者らによると、アシクロビルのL−バリルエステル
が、検討したエステルの中では最良のプロドラッグであ
った。
【0031】ヨーロッパ特許出願、公開308 065 には、
アシクロビルのバリン及びイソロイシンエステル、好ま
しくはL形のものが、その他のエステル及びアシクロビ
ルと比較した場合、経口投与後、腸からの吸収の増大を
示すと開示されている。
【0032】現在では、サイトメガロウイルス感染症治
療のための主流の薬物はガンシクロビルである。しか
し、経口投与によるバイオアベイラビリティが非常に限
られており、本剤を毎日緩徐に静脈内注入(又は硝子体
内注入若しくは埋没)する必要があるため、バイオアベ
イラリビティの改良された経口剤型のものが緊急に求め
られていた。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、経口投与に
よる吸収性の改良された、低毒性の、ガンシクロビルの
安定なプロドラッグ処方物を提供するものである。この
ような特徴は、治療上、経口投与を選択することが好ま
しい免疫無防備状態の患者におけるヘルペス感染症の抑
制に特に有益である。更に又、活性成分は、その特性の
改善及び薬剤学的加工を可能とする薬物学的特性を示
す。驚くべきことに、ガンシクロビルのL−モノバリン
エステル及びその薬剤学的に許容しうる塩が、これらの
所望の特徴を呈することが認められた。
【0034】
【課題を解決するための手段】第一の特徴において、本
発明は、式(I):
【0035】
【化12】
【0036】で示される化合物及びその薬剤学的に許容
しうる塩を提供するものである。本化合物を、以降、2
−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリ
ン−9−イル)メトキシ−3−ヒドロキシ−1−プロパ
ニル=L−バリナート又はモノ−L−バリン ガンシク
ロビルと称する。
【0037】第二の特徴において、本発明は、ガンシク
ロビルのモノ−L−バリンエステル若しくはその薬剤学
的に許容しうる塩、又はそのジアステレオマーを、好ま
しくは一つ若しくは二つ以上の適当な賦形剤又は担体と
の混合物として含有する、ウイルス性感染症及び関連疾
患を治療するための医薬組成物を提供するものである。
【0038】第三の特徴において、本発明は、ウイルス
性感染症又は関連疾患を治療又は予防する方法であっ
て、ガンシクロビルのモノ−L−バリンエステル若しく
はその薬剤学的に許容しうる塩、又はそれを含む組成物
を、このような治療又は予防を必要としている動物に投
与することからなる方法を提供するものである。
【0039】第四の特徴において、本発明は、式(I
I):
【0040】
【化13】
【0041】(式中、P1 は、水素又はヒドロキシ保護
基であり、そしてP2 は、アミノ保護基である)で示さ
れる、モノ−L−バリン=ガンシクロビル及びその薬剤
学的に許容しうる塩を製造するための有用な中間体であ
る化合物を提供するものである。
【0042】本発明の第五の特徴は、本発明のプロドラ
ッグ化合物及びその薬剤学的に許容しうる塩を製造する
方法である。この方法は、ガンシクロビル及びその誘導
体のエステル化、L−バリンによりエステル化されたガ
ンシクロビルからの保護基の除去、ガンシクロビル=ビ
スL−バリンエステルの、式(I)のモノ−L−バリン
エステルへの部分的加水分解、グアニンと置換グリセロ
−ルとの縮合、式(I)の化合物の光学分割、及び式
(I)のプロドラッグの塩の形成からなる。本方法の詳
細を以下に述べる。
【0043】特に記載しない限り、本明細書及び特許請
求の範囲中で使用する以下の用語は、下記の意味を有す
るものとする。
【0044】「アルキル」は、直鎖又は分岐した、炭素
数が1から指定された数までの飽和炭化水素基を意味す
る。例えば、C1-7 アルキルは、炭素数が少なくとも
1、しかし7を超えることはないアルキルであり、例え
ばメチル、エチル、i−プロピル、n−プロピル、n−
ブチル、n−ペンチル、n−ヘプチルなどである。
【0045】「低級アルキル」は、炭素数1〜6のアル
キルを意味する。
【0046】「アリール」は、芳香族炭化水素から一つ
の水素原子を除去することによって誘導される有機基で
ある。好ましいアリール基は、芳香族炭化水素中、環の
炭素原子として、6〜12個の炭素原子を有する。
【0047】「アラルキル」は、アルキルの水素原子
が、上記で定義されたアリール基により置換されたアル
アルカンから誘導される有機基を意味する。
【0048】「アシル」は、有機酸からヒドロキシル基
を除去することによって誘導される有機基であり、例え
ば、CH3 CO−は、CH3 COOHのアシル基、又は
アセチルである。このようなアシル基の例としては、プ
ロピオニル、又はベンゾイルなどが挙げられる。「アシ
ル」の語は、有機基RCO−(ここで、Rは、上記で定
義されたように、アルキル基である)である語「アルカ
ノイル」を含む。
【0049】「低級アルコキシ」、「(低級アルキル)
アミノ−」、「ジ(低級アルキル)アミノ」、「(低級
アルカノイル)−アミノ」、及び同様の語は、それぞ
れ、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、
アルカノイルアミノなどを意味し、そこでは各アルキル
基は、上述したような「低級アルキル」である。
【0050】「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素又は
ヨウ素を意味する。
【0051】Hack's Chemical Dictionary, McGraw-Hil
l Book Company, 1969によると、化合物の「誘導体」
は、はじめの化合物から単純な化学工程によって得られ
る化合物を意味する。
【0052】化合物の「活性化誘導体」は、はじめの化
合物の活性型を意味し、はじめの化合物が中程度の反応
性しか有さないか、又は非反応性である場合、これによ
り化合物が所望の化学反応において活性となる。活性化
は、誘導体の形成又ははじめの化合物のそれよりも高い
遊離エネルギー含有量を有する分子内での化学基により
達成され、これにより活性化された型が、別の試薬とよ
り反応しやすくなる。本発明の文脈においては、カルボ
キシル基の活性化は、特に重要であり、カルボキシル基
を活性化する対応する活性化剤又は基については、以下
に詳細に述べる。
【0053】L−バリンの活性型誘導体の例は、式(II
I ):
【0054】
【化14】
【0055】(式中、P2 は、アミノ保護基であり、そ
してAは、カルボキシ活性化基、例えばハロゲン又は低
級アシルオキシ基である)で示される化合物である。別
の例は、アミノ酸の活性型であるアミノ酸無水物であ
り、このためアミノ酸(特にL−バリン)は、エステル
化されやすくなる。更に別の例は、以下に詳細に述べる
UNCAである。
【0056】「保護基」は、(a)反応性基が望ましく
ない化学反応に関与するのを防ぎ、そして(b)反応性
基の保護がもう必要ではなくなった後に、容易に除去で
きる化学基を意味する。例えば、ベンジル基は、第一級
ヒドロキシル官能基の保護基である。
【0057】「アミノ保護基」は、そうでなければある
種の化学反応により修飾されてしまうであろう反応性ア
ミノ基を保持する保護基を意味する。定義には、ホルミ
ル基又は炭素数2〜4の低級アルカノイル基、より詳細
には、アセチル又はプロピオニル基、トリチル又は置換
トリチル基、例えばモノメトキシトリチル基、ジメトキ
シトリチル基、例えば4,4′−ジメトキシトリチル若
しくは4,4′−ジメトキシトリフェニルメチル基、ト
リフルオロアセチル、N−(9−フルオレニルメトキシ
カルボニル)若しくは「FMOC」基、(ベンジルクロ
ロカルボナートから誘導されるN−ベンジルオキシカル
ボニル基などの)(C6 −C12)アリール低級アルキル
カルボナートなどのハロカルボナートから誘導されるア
リルオキシカルボニル基若しくはその他の保護基、又は
ビフェニルアルキルハロカルボナート、若しくは第三級
ブチルハロカルボナートなどの第三級アルキルハロカル
ボナート、より詳細には第三級ブチルクロロカルボナー
ト、若しくはジ(低級)アルキルジカルボナート、より
詳細にはジ(t−ブチル)ジカルボナートから誘導され
るアリールオキシカルボニル基若しくはその他の保護
基、及びフタリル基が含まれる。
【0058】「ヒドロキシ」保護基は、そうでなければ
ある種の化学反応により修飾されてしまうであろうヒド
ロキシ基を保持する保護基を意味する。適当なヒドロキ
シ保護基としては、そのフェニル環が場合により置換さ
れたベンジル又はトリチル基などの、その他のすべての
反応工程の終了後、容易に除去することのできるエーテ
ル形成基が含まれる。その他の適当なヒドロキシ保護基
としては、アルキルエーテル基、テトラヒドロピラニル
基、シリル基、トリアルキルシリルエーテル基及びアリ
ル基が含まれる。
【0059】「脱離基」は、化学反応により別の基に置
換される反応活性基を意味する。脱離基の例としては、
ハロゲン、場合により修飾されたベンジルオキシ基、イ
ソプロピルオキシ基、メシルオキシ基、トシルオキシ基
又はアシルオキシ基が挙げられる。
【0060】式(I)の化合物の製造に用いるいずれの
活性化剤及び保護剤も、以下の条件を満たさなければな
らない。(1)その導入は、定量的に、かつL−バリン
成分のラセミ化が起こることなく進行しなければならな
い;(2)所望の反応の間に存在する保護基は、用いる
反応条件に安定でなければならない;そして(3)その
基は、エステル結合が安定であり、エステルのL−バリ
ン成分のラセミ化が起きない条件下で、速やかに除去さ
れなければならない。
【0061】語「キラリティー」は、分子に帰する利き
手の特性を意味し、分子の対称な要素(又は対称な要素
の不在)の特性を意味する。対称要素のない分子が、
「キラル」である。対称要素のすべてが欠落したキラル
分子は、単純軸を含んでいてさえも、「非対称」とされ
る。
【0062】語「アキラル」は、分子内に、少なくとも
一つの、単純軸などの対称要素が存在することを意味す
る。
【0063】「異性」とは、同一の原子質量及び同一の
原子番号を有するが、一つ又は二つ以上の物理又は化学
的特性の異なる化合物を指す。各種の異性体は、以下の
ものを含む。
【0064】「立体異性体」は、互いに同一の分子量、
化学組成、構成を有するが、原子が異なるように集合し
ている化合物を指す。つまり、ある種の同一の化学部分
が、立体的に異なる方向に存在し、そのため純品である
場合、偏光面の回転能を有する。しかし、純粋な立体異
性体のあるものは、現在の装置では検出不能な程わずか
な旋光しか示さないかもしれない。
【0065】「光学異性体」は、異性体が、純品であろ
うと溶液中であろうと、偏光面を回転させることによっ
て、それ自身を明らかにする立体異性の一つのタイプを
指す。4個の異なる化学原子又は化学基を、一個の分子
中の少なくとも一つの炭素原子に結合させることによっ
て、別の表現をすれば、上述した分子のキラリティによ
り、これは多くの場合に起こる。
【0066】互いに鏡像である、立体異性体又は光学異
性体は、「鏡像異性体」と呼ばれ、鏡像異性であるとい
われる。互いに鏡像であるキラル基は、鏡像異性基と呼
ばれる。
【0067】その絶対的立体配置が不明である鏡像異性
体は、特定の実験条件下で、偏光面を回転させる方向に
より、右旋性(接頭辞+)又は左旋性(接頭辞−)であ
ると識別することができる。
【0068】等量の鏡像異性分子が共に存在する場合、
それが結晶性、液状又は気体状であろうともそれに関係
なく、生成物はラセミ体と呼ばれる。等モル量の鏡像異
性分子からなる均一な固相は、ラセミ化合物と呼ばれ
る。等モル量の鏡像異性分子が、別の固相として存在す
る混合物は、ラセミ混合物と呼ばれる。等モル量の鏡像
異性分子を含有する均一な相は、ラセミ化合物と呼ばれ
る。
【0069】二つの不斉炭素原子(キラル中心)を有す
る化合物は、二組の鏡像異性体を形成する4種類の立体
異性体を有する。一組の鏡像異性体は、互いに鏡像であ
るが、別の二組の鏡像異性体は、互いに鏡像ではなく、
「ジアステレオマー」と呼ばれる。ジアステレオマー
は、似てはいるが、同一ではない化学的特性を有し、例
えば融点、溶解性などの異なる物理的特性を有する。
【0070】ここで光学活性化合物は、純品であろうと
溶液であろうと、その化学構造により旋光面が回転され
る方向を示す多数の慣例、つまりCahn及びPrelogによる
R−及びS−配列規則;エリトロ及びトレオ異性体;D
及びL異性体;d及びl−異性体;並びに(+)及び
(−)異性体により表示される。これらの慣例は、当業
界においてよく知られており、詳細には、E.L. Elielに
よりStereochemistry ofCarbon Compounds (McGraw Hi
ll Book Company, Inc. of New York in 1962)及びそ
こに引用された文献中に記載されている。したがって、
これらの異性体は、用いられた命名法により、d−、l
−若しくはd,l−ペア;D−、L−若しくはD,L−
ペア;又はR−、S−若しくはR,S−ペアとして表示
される。一般的に、本願においては、アミノ酸(バリ
ン)については、(D)、(L)及び(D,L)表示を
用い、ガンシクロビル部分における不斉炭素について
は、(R)、(S)及び(R,S)表示を、両者の区別
ために用いるものとする。
【0071】式(I)の化合物及び式(II)の化合物
は、二つの不斉中心(二つの炭素原子)を、一つはバリ
ン成分中、もう一つは、ガンシクロビル成分の脂肪族側
鎖に有する。後者は、プロパニル基の2番目の炭素であ
る。したがって、式(I)の化合物及び式(II)の化合
物は、ジアステレオマー及びジアステレオマー混合物と
して存在する。本発明化合物については、いかなるジア
ステレオマー又はジアステレオマー混合物も使用するこ
とができ、特許請求の範囲は、特にそうではないと制限
されない限り、各ジアステレオマー及びその混合物を含
むよう意図するものである。式(I)は、式(I)の二
つのジアステレオマー及びその混合物を含むものであ
る。
【0072】「場合の」又は「場合により」は、記載す
る事項及び状況が起きるかもしれないし、起きないかも
しれないことを意味し、記載には、このような事項又は
状況が起きる場合と、起きない場合とが含まれる。例え
ば、「場合により置換されたフェニル」は、フェニルが
置換されているかもしれないし、置換されていないかも
しれないことを意味し、この記載には、置換されていな
いフェニル及び置換されているフェニルの両方が含まれ
る。「場合により、遊離塩基の、酸付加塩への変換が続
く」とは、ここで述べる方法が、本発明の範囲内に含ま
れるよう、該変換が行われても、行われなくてもよいこ
とを意味し、本発明は、遊離塩基が酸付加塩に変換され
る方法及び変換されない方法を含むものである。
【0073】「薬剤学的に許容しうる」とは、一般的に
安全であり、無毒である医薬組成物を製造するのに有用
であることを意味し、獣医学的使用及びヒトにおける医
薬品としての使用に許容しうるものを含む。
【0074】「薬剤学的に許容しうる塩」とは、所望の
薬理学的活性を有し、生物学的にも他の面のいずれにお
いても、望ましくないものではない塩を意味する。この
ような塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リ
ン酸などの無機酸又は酢酸、プロピオン酸、ヘキサン
酸、ヘプタン酸、シクロペンタン−プロピオン酸、グリ
コ−ル酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リ
ンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安
息香酸、o−(4−ヒドロキシ−ベンゾイル)安息香
酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタン
スルホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒド
ロキシエタン−スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−
クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン
酸、p−トルエンスルホン酸、ショウノウスルホン酸、
4−メチル−ビシクロ〔2.2.2〕オクタ−2−エン
−1−カルボン酸、グルコ−ヘプトン酸、4,4′−メ
チレンビス−(3−ヒドロキシ−2−ナフトエ)酸、3
−フェニルプロピオン酸、トリメチル−酢酸、tert−ブ
チル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、
ヒドロキシ−ナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、
ムコン酸などの有機酸と形成される酸付加塩が挙げられ
る。好ましい薬剤学的に許容しうる塩は、塩酸、硫酸、
リン酸、酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、
1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンス
ルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−クロロベンゼンス
ルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、p−トルエンス
ルホン酸、又はショウノウスルホン酸により形成される
それらである。
【0075】「動物」は、ヒト、ヒトではない哺乳類
(イヌ、ネコ、ウサギ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブ
タ、及びシカ)並びに鳥類、魚類などの非哺乳類を含
む。
【0076】「疾患」は、特に、動物又はその一部の不
健康な状態を含む。したがって、ここで「疾患」とは、
モノ−L−バリン=ガンシクロビル又はその薬剤学的に
許容しうる塩により治療することのできるウイルス性又
は関連疾患を含むものである。
【0077】「治療」とは、動物における疾患のいかな
る治療をも意味し、以下の点を含むものとする。 (1)その疾患を起こす傾向にあるが、疾患の症状をま
だ自覚又は示していない動物における疾患の発症の予
防、つまり、臨床症状出現の予防; (2)疾患の抑制、例えばその発症の抑止;又は (3)疾患の軽減、例えば症状の後退の誘発。
【0078】疾患の治療のための「有効量」とは、それ
を必要としている動物に投与した場合、その疾患に対し
て、上述したような治療を行うのに十分な量を意味する
ものとする。
【0079】特に反対の記載がない限り、ここで述べる
反応は、5℃〜170℃(好ましくは10℃〜50℃;
最も好ましくは「室温」又は「周囲温度」、例えば20
〜30℃)の温度範囲内で、大気圧下で起こるものとす
る。しかし、化学反応で用いる温度範囲が、これらの温
度より上又は下である場合でも、何らかの反応が起きる
のは明らかである。更に又、そうでないと特に記載しな
い限り、反応時間及び条件は、おおよそのものであり、
例えばほぼ大気圧下、約5℃〜約100℃(好ましくは
約10℃〜約50℃、最も好ましくは約20℃)、約1
〜約100時間(好ましくは約5〜60時間)の間行う
ものとする。実施例に記載したパラメーターは、特定の
ものであり、おおよそのものではない。
【0080】ここに記載する化合物及び中間体の単離及
び精製は、所望であれば、例えば、ろ過、抽出、結晶
化、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィ
ー若しくは分取用クロマトグラフィー、又はこれらの操
作の組み合わせなどの適当な分離又は精製操作により、
行うことができる。適当な分離及び単離操作の特定の説
明については、以下に述べる実施例を参考にすることが
できる。しかし、その他の同等の分離又は単離操作も、
また、当然使用することができる。
【0081】式(I)の化合物又はその薬剤学的に許容
しうる塩は、各種方法により調製することができる。合
成手段は、下記式(I):
【0082】
【化15】
【0083】における表示をつけた点線〔(a)から
(f)〕から明らかである。点線は、それぞれの反応部
位を図示しており、それに続く表には、以降に詳細に述
べる各種方法について、簡単に記載した。括弧内の文字
記号は、方法に関する記載/特許請求の範囲におけるそ
れぞれの工程を示している。
【0084】 工程 方法 (a) 脱保護基化 (b) 塩形成 (c) エステル化 (d) 縮合 (e) 部分的加水分解 (f) 光学分割/ジアステレオマー分離
【0085】したがって、式(I)の化合物又はその薬
剤学的に許容しうる塩を製造する方法は、一つ又は二つ
以上の以下の工程からなる: (a)式(IV):
【0086】
【化16】
【0087】(式中、P1 は、ヒドロキシ保護基又は水
素であり、P2 は、アミノ保護基であり、そしてP3
は、水素又はP2 である)で示される化合物から、アミ
ノ及び/又はヒドロキシ保護基を除去して、式(I)の
化合物を得るか;又は(b)式(I)の化合物を、その
薬剤学的に許容しうる塩へ変換するか;又は(c)2−
(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン
−9−イル)メトキシ−1,3−プロパンジオール=
(ガンシクロビル)又はその塩を、L−バリンの活性型
誘導体によりエステル化するか;又は(d)式(V):
【0088】
【化17】
【0089】(式中、P3 は、水素又はアミノ保護基で
ある)で示される、場合により置換されたグアニンを、
場合により過シリル化された形で、式(VI):
【0090】
【化18】
【0091】(式中、Y1 及びY2 は、独立して、ハロ
ゲン、低級アシルオキシ、低級アルキルオキシ、又はア
ラルキルオキシ基であり、そしてZは、低級アシルオキ
シ、メトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ、
ハロゲン、メシルオキシ又はトシルオキシなどから選択
される脱離基である)で示される2位−置換グリセロー
ルと、場合によりルイス酸触媒の存在下で縮合して、式
(I)の化合物を得るか;又は(e)ビスエステルであ
る2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−
プリン−9−イル)メトキシ−1,3−プロパンジイル
=ビス(L−バリナート)又はその塩を部分加水分解し
て、式(I)のモノエステルを得るか;又は(f)式
(I)の化合物を光学分割又はジアステレオマーに分離
する。
【0092】式(I)の化合物及びその薬剤学的に許容
しうる塩は、薬剤学的活性、より詳細には抗ウイルス活
性を示す。このようなものとして、この化合物及びその
薬剤学的に許容しうる塩は、動物、特にヒトにおける広
範囲な状態の治療に有用である。
【0093】本発明の化合物及び塩を使用することによ
って治療される状態の例としては、ヒト又は非ヒト動
物、特にヒトにおける、ヘルペスウイルス1型、2型及
び6型、水痘−帯状疱疹ウイルス、エプスタイン−バー
ウイルスなどのヘルペス感染症、より詳細にはサイトメ
ガロウイルス感染症、並びにB型肝炎ウイルス及びその
関連ウイルスによる感染症が挙げられる。これらのウイ
ルスにより誘発される臨床状態の例としては、特に、移
植患者(例えば、心、腎、及び骨髄移植)などの免疫無
防備状態の患者及び後天性免疫不全症候群(AIDS)
又はエプスタイン−バーウイルスにより起こされた伝染
性単核症の患者におけるヘルペス性角膜炎、ヘルペス性
脳炎、単純疱疹、生殖器感染症(単純ヘルペスウイルス
により起こされる)、水痘、帯状疱疹(水痘−帯状疱疹
ウイルスにより起こされる)、CMV−肺炎及びCMV
網膜炎が挙げられる。本発明の化合物は、ウイルス感染
症により起こされた又はそれと関連する、鼻咽頭ガン、
免疫芽細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、及び毛で覆
われた白斑症などのある種のガン又はリンパ腫の治療に
も有用である。
【0094】要約すると、本発明の別の特徴は、上述の
ウイルス性感染症が役割を果たしている状態を呈する動
物(好ましくはヒト)を治療する、又はこのようなウイ
ルス性感染症であると、治療を行う医師又は獣医により
予想される動物を予防的に治療する方法である。その方
法は、モノ−L−バリン ガンシクロビル又はその薬剤
学的に許容しうる塩の治療有効量を、このような動物に
投与することからなる。本化合物又はその薬剤学的に許
容しうる塩の治療有効量は、その状態、つまり疾患を治
療するのに有効である量である。的確な投与量は、治療
される特定の状態の重篤度、被験者の年齢及び体重、被
験者の相対的な健康度、並びにその他の因子(処方の種
類など)に応じて、非常にまちまちである。経口投与の
場合、治療有効量は、1日当たり約1〜250mg/kg
(体重)、好ましくは1日当たり約7〜100mg/kg
(体重)である。治療有効量は、最も望ましくは、特に
CMV網膜炎及び肺炎の治療には、約10〜50mg/kg/
日である。したがって、70kgのヒトでは、治療有効量
は、約70mg/ 日〜約7g/日、好ましくは約500mg/
日〜約5g/日、最も好ましくは700mg/ 日〜3.5g/
日である。しかし、硝子体内埋没では、プロドラッグの
投与量は、埋没当たり0.5mg〜25mg、好ましくは5
〜10mgである。本発明のプロドラッグの剤型が異なれ
ば、投与量の範囲が異なるのは、当業者にとっては良く
理解されることである。
【0095】ガンシクロビルは、抗ウイルス薬であるこ
とが証明されている。本発明のガンシクロビルのプロド
ラッグの有用性は、本プロドラッグを経口投与後、被験
動物(ラット及びサル)におけるガンシクロビルの血中
濃度を測定することによって確立されている。血漿中濃
度は、実施例9及び10記載の、Sommadossi et al.に
よりREVIEWS OF INFECTIOUS DISEASES, 10(3), S507 (1
988)及びJournal of Chromatography, Biomedical Appl
ications, 414, 429-433 (1987) に記載された方法の変
法である方法により測定した。
【0096】本発明の化合物又はその薬剤学的に許容し
うる塩は、当業界において公知である通常かつ許容しう
るいずれかの形態により、単独で、又は別の治療剤と組
み合わせて投与することができる。一般的に、本発明化
合物及び塩は、薬剤学的に許容しうる賦形剤とともに医
薬組成物として投与され、経口的、全身的(例えば、経
皮的若しくは座剤により)、又は非経口的(例えば、筋
肉内〔im〕、静脈内〔iv〕,皮下〔sc〕)、或い
は埋没により硝子体内に投与される。本発明化合物は、
したがって、以下に論じるように、半固体、散剤、エー
ロゾル、溶液、懸濁液又はその他の適当な組成物として
投与することができる。経口医薬組成物が好ましい。
【0097】医薬組成物は、式(I)の化合物又はその
薬剤学的に許容しうる塩を、好ましくは薬剤学的に許容
しうる賦形剤と組み合わせて含むものである。このよう
な賦形剤は、無毒であるものである。このような賦形剤
は、当業者にとって一般的に入手可能であり、活性成分
の活性に悪影響を及ぼさない、固体状、液状、半固体
状、ガス状(エーロゾルの場合)の賦形剤のいずれかで
ある。
【0098】一般的に、本発明の医薬組成物は、治療有
効量の化合物又はその薬剤学的に許容しうる塩を、少な
くとも一つの賦形剤と組み合わせて含むものである。処
方の種類、単位投与量のサイズ、賦形剤の種類、及び薬
剤学の当業者にとって公知のその他の因子に応じて、本
発明化合物の量は、組成物において幅広く変動させるこ
とができる。一般的には、目的組成物は、本発明化合物
を約1重量%〜約99.5重量%含むものであり、残り
は賦形剤である。活性化合物の割合は、好ましくは、約
10重量%〜約99重量%、最も好ましくは約50重量
%〜約99重量%であり、残りは適当な賦形剤である。
この医薬組成物の製造のための有用な医薬賦形剤は、固
体状、半固体状、液状又はガス状であることができる。
したがって、本組成物は、錠剤、丸剤、カプセル、散
剤、座剤、経皮パッチ、硝子体内埋没、持続性製剤、溶
液、より詳細には静脈内投与用溶液、懸濁剤、エリキシ
ル、エーロゾルなどの形をとることができる。固体状の
医薬賦形剤としては、トウモロコシデンプンなどのデン
プン、セルロース、タルク、グルコース、乳糖、ショ
糖、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカゲ
ル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウ
ム、ステアリン酸、モノステアリン酸グリセロール、塩
化ナトリウム、乾燥スキムミルクなどが挙げられる。液
状及び半固体状賦形剤は、水、エタノール、グリセロー
ル、プロピレングリコール、各種油(石油、動物、植物
又は合成油、例えば落花生油、大豆油、鉱物油、ゴマ油
などを含む)から選択することができる。水、食塩水、
水性デキストロース、及びグリコールが、特に注射用溶
液にとって好ましい液状担体である。その他の適当な医
薬賦形剤、担体及びその処方は、E.W. Martin による"R
emington's PharmaceuticalSciences", Mack Publishin
g Company, Easton, Pennsylvania (1980) に記載され
ており、ここに参照として記載する。
【0099】医薬組成物は、好ましくは、継続的な治療
のためには、単一の単位剤型、より好ましくは経口剤型
により、又は症状の軽減が特に要求される場合は、単一
の単位剤型により任意に投与される。
【0100】本発明の最も広い定義は、式(I)の化合
物及びその薬剤学的に許容しうる塩として記載されてい
るが、その(R,S)混合物及びある塩が好ましい。
【0101】以下の酸が、式(I)の化合物と薬剤学的
に許容しうる塩を形成させるのに好ましい:塩酸、硫
酸、リン酸、酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン
酸、1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタ
ンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−クロロベンゼ
ンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、p−トルエ
ンスルホン酸及びショウノウスルホン酸。塩酸、硫酸又
はリン酸などの無機強酸が最も好ましい。
【0102】最も好ましい化合物は、2−(2−アミノ
−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)
メトキシ−3−ヒドロキシ−1−プロパニル=L−バリ
ナートの塩酸塩及び酢酸塩である。これらの化合物は、
結晶状物質として製造することができるため、安定な経
口処方物に容易に加工することができる。経口及び静脈
内投与用処方剤が好ましい。経口処方物は、バイオアベ
イラビリティが高いとの利点を有する;静脈内投与用処
方物は、本発明のプロドラッグは、静脈内投与用ガンシ
クロビル処方物とは違って、生理学的により許容しうる
pH(4〜6)を用いて製造されるとの利点を有する。ガ
ンシクロビルの静脈内投与用処方物では、pH11が必要
とされるが、このpHでは刺激感が生じる。
【0103】これらの化合物は、本発明の医薬組成物及
び治療方法においては特に有用であることが理解され
る。
【0104】ここで述べる最後の段階の工程のいずれに
おいても、式(I)、(II)、(III )、(IV)、
(V)及び(VI)に関する記載は、P1 、P2 及びP
3 、並びにA、Y1 、Y2 及びZが、上述したその最も
広い定義において定義されているような式と関連するも
のであり、この工程は、現在好ましいとしている実施態
様に特に当てはまる。
【0105】本発明の好ましい医薬組成物は、式(I)
のプロドラッグの薬剤学的に許容しうる塩を含む。した
がって、医薬処方物の製造が、医薬賦形剤とその塩の形
である活性成分とを混合することからなるのであれば、
本来非塩基性である、つまり酸性又は中性のいずれかで
ある医薬賦形剤を使用することが望ましい。
【0106】式(I)の化合物を製造するための現在好
ましいとされている方法は、好ましくは式(I)の化合
物の塩の形成を伴って行われる工程(a)、又は工程
(c)、又は工程(a)及び工程(c)を組み合わせた
工程を含む。(以下の工程III及びIVの記載を参照)。
工程(a)によるモノエステルの製造には、ガンシクロ
ビル又はその誘導体の二つの第一級ヒドロキシル官能基
の一つの選択的保護が必要である。これは、一般的に
は、グアニン塩基の2位のアミノ基の保護を含んでいて
も、含まなくてもよい(本工程が、アミノを保護しなが
ら行われる場合については、以下の工程IからIII の詳
細な記載を参照)。更に又、エステル化(工程III )を
行う前に、エステル化反応での干渉(アミド形成)を避
けるために、アミノ酸試薬のアミノ基を保護しなければ
ならない。アミノ基の保護は、以下に記載する。
【0107】一般的には、本発明の工程を実施する場
合、合成反応に関与すべきではないアミノ基、ヒドロキ
シ基又はカルボキシル基は、(1)脱保護基化により最
終生成物が得られるか;又は(2)特定の保護基が、次
の合成の工程に関与することになるか;又は(3)最終
生成物に至るその後の反応工程において非保護基が存在
しても、意図する反応結果が変化しなくなるまで、保護
されなければならない。要件(1)を満たす例は、本発
明のモノエステルの製造におけるベンジル基であり、こ
れは、脱保護基化の工程により除去されるまで、ガンシ
クロビルの一つの第一級ヒドロキシル官能基を、保護す
る。要件(2)を満たすための例は、ガンシクロビルの
2番目の第一級ヒドロキシル官能基を保護する別のベン
ジル基であり、これはエステル化の工程の直前に除去さ
れる。要件(3)を満たす例は、ガンシクロビルのグア
ニン環系のアミノ基を保護するアセチル基、又はトリチ
ル若しくはモノメトキシトリチル基である。保護されて
いないアミノ基は、エステル化に干渉しないからである
(工程III )。
【0108】一般的には、式(I)の化合物の製造に適
当に利用することができる可能な遮蔽剤の要件として
は、以下の点が挙げられる。 (1)その導入は、L−バリンがラセミ化することな
く、定量的かつ円滑に進行しなければならない; (2)遮蔽された中間体は、保護基の除去が必要となる
まで、用いる反応条件に安定でなければならない; (3)遮蔽基は、分子の残りの部分の化学的特性を変化
させず、L−バリン成分をラセミ化させない条件下で、
容易に除去されなければならない。
【0109】式(I)の化合物を製造するために用いる
全ての出発物質(ガンシクロビル及びL−バリン)並び
に保護及びカルボキシル基活性化剤は、公知である。N
−ベンジルオキシカルボニル−L−バリン、BOC−L
−バリン及びFMOC−L−バリン、N−ホルミル−L
−バリン、並びにN−ベンジルオキシカルボニル−N−
カルボキシ−L−バリン無水物などのアミノ基の保護さ
れた各種L−バリン誘導体も、公知であり、これらはい
ずれも、市販されている入手可能な中間体であるか、又
はN−アリルオキシカルボニル−L−バリンなどのよう
に文献に記載されている。
【0110】本発明の好ましい化合物の製造のための好
ましい保護されたガンシクロビル出発物質は、US Paten
t 4,355,032 に記載されたN2−アセチル−ビス−O−
ベンジル−ガンシクロビル(N2−アセチル−2−(2
−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9
−イル)メトキシ−1,3−ビス(ベンジルオキシ)プ
ロパン)が挙げられる。その他の好ましい保護されたガ
ンシクロビル出発物質は、N2 −トリチル−9−〔(3
−ヒドロキシ−2−プロポキシ−1−トリチルオキシ)
メチル〕グアニン〔N2 −トリチル−2−(2−アミノ
−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)
メトキシ−1−トリチルオキシ−プロパン−3−オー
ル〕及びN2 −モノメトキシトリチル−9−〔(3−ヒ
ドロキシ−2−プロポキシ−1−モノメトキシトリチル
オキシ)−メチル〕グアニンであり、その製造が、J. P
harm. Sci. 76(2), 180-184 (1987)に記載されており、
ここで参照として記載するものとする。部分加水分解の
工程のための出発物質である2−(2−アミノ−1,6
−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ
−1,3−プロパンジイル=ビス(L−バリナート)
は、ヨーロッパ特許出願、公開375 329 に記載されてい
る。
【0111】工程III (エステル化の工程)を行う前
に、望ましくないアミド形成によるエステル化による干
渉を避けるために、L−バリンのアミノ基を保護しなけ
ればならない。以下のアミノ保護基が有用である:(ベ
ンジルクロロカルボナート由来のカルボベンジルオキシ
基などの)(C6 −C12)アリール低級アルキルカルボ
ナートなどのハロカルボナート、ビフェニルアルキルハ
ロカルボナート、第三級ブチルハロカルボナートなどの
第三級アルキルハロカルボナート、より詳細には第三級
ブチルクロロカルボナート、ジ(低級)アルキルジカル
ボナート、より詳細にはジ(t−ブチル)ジカルボナー
ト、トリフェニルメチルクロリドなどのハロゲン化トリ
フェニルメチル、そしてトリフルオロ酢酸無水物。保護
の工程は、L−バリンを、低級アルカノ−ルを含んでい
てもよいアルカリ性水性溶液中に溶解又は懸濁すること
によって行う。ハロカルボナートなどの保護試薬を、好
ましくは水性又は低級アルカノール溶液中、少量ずつ同
時に加えながら、反応混合物を冷却する。添加の間に、
反応混合物を、それが室温に達するまで数時間、0〜3
0℃、好ましくは0〜5℃に保持する。反応混合物を濃
縮乾固し、残渣を、有機相及び水に分配する。水性相を
酸性化し、保護アミノ酸については有機溶媒により抽出
する。有機相を水で洗浄し、次にブラインにより洗浄
し、硫酸マグネシウムにより乾燥し、蒸発乾固し、N−
保護アミノ酸を、通常の単離及び精製技術により単離及
び精製する。
【0112】モノ−L−バリン=ガンシクロビルの製造 工程I:場合により保護された2−アミノ基を有し、二
つの第一級ヒドロキシル官能基の両方が保護されている
ガンシクロビルから、例えば、水素化により部分的に保
護基を除去して、保護された形の2−アミノ基及び保護
された一つの第一級ヒドロキシル官能基を有するガンシ
クロビルとする。適当なアミノ保護基は、炭素数2〜4
の低級アルカノイル基であり、より詳細にはアセチル又
はプロピオニル基である。その他の適当なアミノ保護基
は、トリチル、又はモノメトキシトリチル基及び4,
4′−ジメトキシトリチル基などの置換トリチル基であ
る。
【0113】適当なヒドロキシ保護基は、他の全ての反
応工程の終了後、容易に除去することができるエーテル
形成基である。これらのヒドロキシ保護エーテル基とし
ては、ベンジル又はトリチル基を挙げることができる。
これらの基は、フェニル基が置換されていてもよい。そ
の他の適当なヒドロキシ保護基としては、当業者にとっ
てよく知られている方法によりフッ化水素により除去す
ることのできる、アリルエーテル、テトラヒドロピラニ
ル、シリル、及びトリアルキルシリルエーテルが挙げら
れる。
【0114】一つのヒドロキシル基を除去するための水
素化は、好ましくは、パラジウム化合物などの触媒、よ
り詳細には水酸化パラジウムの存在下、水素を放出する
溶媒系に、保護されたガンシクロビルを溶解することに
よって、移動水素添加又はその他の通常の水素化操作に
より行う。その他の適当な水素化触媒としては、一般的
には、Pd、Pd−炭素、及び均一水素化触媒などの水
素化触媒が挙げられる。溶媒系には、メタノール又はエ
タノールなどの低級アルカノール及びシクヘキセンが含
まれる。反応は、一般的には、室温から溶媒系の還流温
度の間の温度で、例えば還流エタノール及びシクロヘキ
セン中、不活性大気下、酸素又は空気を除外して、好ま
しくは窒素大気下で行う。触媒は、ろ過により回収す
る。ろ液は、過剰な溶媒を蒸発させることによって、減
ずることができる。得られた粗反応混合物は、一般的に
は、未変化の出発物質、及び主生成物として、一つの脂
肪族ヒドロキシ基が保護され、2−アミノ基が保護され
たガンシクロビルを含む。これらの2種類の生成物の分
離は、通常、当業界において公知の単離操作、しばし
ば、好ましくはシリカゲルを用いたクロマトグラフィー
法を行い、更に低級アルカノールとハロゲン化低級アル
カンとの混合物(好ましくはエタノール及びジクロロメ
タン)などの適当な溶離剤によって溶離することによっ
て行い、一つの脂肪族ヒドロキシ基の保護された、2−
アミノ基保護ガンシクロビルを得る。
【0115】工程II:保護された2−アミノ基を有し、
一つの脂肪族ヒドロキシ基が保護されたガンシクロビル
は、アミノ基の脱保護基化を受ける。この工程におい
て、もしアミノ保護基が低級アルカノイル基である場
合、保護基の除去には、塩基性条件(pH9〜14の間)
を用いる。例えば、N2−アセチル−モノ−O−ベンジ
ル−ガンシクロビルを、アセチル基の除去が完了するま
で、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム若しくはカリ
ウム、又は水酸化ナトリウム若しくはカリウムなどのア
ルカリ性試薬により処理する。一般的には、この反応
は、低級アルカノールなどの適当な溶媒の存在下で行
う。出発物質は、好ましくは、メタノールに溶解し、化
学量論的過剰量の水酸化アンモニウムを加える。反応温
度は、0〜50℃の間、好ましくは室温に保持する。反
応終了後(これはTLCにより確認することができ
る)、脱保護基化生成物の単離を促進するために、脱ア
シル化生成物を沈殿させるエチルエーテルなどの別の溶
媒を加えててもよい。この沈殿物は、通常の分離法を用
いて、ろ別及び単離することができる。
【0116】工程III :この工程では、式(III )の、
アミノ基の保護されたL−バリンの活性化誘導体を、工
程IIで得られた保護されたガンシクロビル誘導体により
エステル化する。L−バリンのための適当なアミノ保護
基は、N−ベンジルオキシカルボニル基、フタリル基、
第三級ブチルオキシカルボニル基及びN−(9−フルオ
レニルメトキシカルボニル)又は「FMOC」基であ
る。
【0117】保護されたアミノ酸の少なくとも1当量及
び適当なカップリング剤又は脱水剤1当量、例えば1,
3−ジシクロ−ヘキシルカルボジイミド又はこのような
ジイミドの塩基性基との塩を、最初から使用すべきであ
る。N,N′−カルボニル−ジイミダゾールなどのその
他のカルボジイミドも、また、使用することができる。
更に有用な脱水剤は、トリフルオロ酢酸無水物、酸無水
物混合物、酸塩化物、1−ベンゾトリアゾリルオキシト
リス(ジメチルアミノ)−ホスホニウム ヘキサフルオ
ロホスファート、PYBOP、1−ヒドロキシベンゾト
リアゾール、1−ヒドロキシ−4−アザベンゾトリアゾ
ール、1−ヒドロキシ−7−アザ−ベンゾトリアゾー
ル、N−エチル−N′−(3−(ジメチルアミノ)プロ
ピル)−カルボジイミド ヒドロクロリド、3−ヒドロ
キシ−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,2,3−ベ
ンゾトリアジン、O−(ベンゾトリアゾール−1−イ
ル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキ
サフルオロホスファート、O−(7−アザ−ベンゾトリ
アゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチル
ウロニウム ヘキサフルオロホスファート、O−(7−
アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3
−テトラメチルウロニウム テトラフルオロボラート、
O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,
1,3,3−ビス(テトラメチレン)ウロニウム ヘキ
サフルオロホスファート又はO−(7−アザベンゾトリ
アゾール−1−イル)−1,1,3,3−ビス(テトラ
メチレン)ウロニウム ヘキサフルオロホスファートで
ある。これらのカップリング剤は、J.Am. Chem. Soc. 1
15, 4397-4398 (1993) に記載されている。Fuller et a
l. によりJ. Am. Chem. Soc. 112, 7414-7416 (1990)
に記載された、ウレタンにより保護されたアミノ酸N−
カルボン酸無水物(UNCA)も、また、この目的のた
めに有用であり、参照のためにここに記載するものとす
る。要約すると、保護されたアミノ酸の無水物又は別の
活性化誘導体を、緩やかな条件下でもたらす他のいかな
る試薬も、カップリング剤として使用することができ
る。
【0118】アミノ基の保護されたアミノ酸は、ハロゲ
ン化低級アルカン、好ましくはジクロロメタンなどの不
活性溶媒に、不活性大気下、例えば窒素下で溶解し、カ
ップリング剤を加える(好ましくは、1,3−ジシクロ
ヘキシルカルボジイミド)。反応混合物を、0〜50℃
の間の温度、好ましくはほぼ室温で攪拌する。反応混合
物をろ過し、反応生成物(保護されたアミノ酸無水物)
を単離する。得られた生成物を、乾燥ジメチルホルムア
ミド(DMF)などの乾燥不活性溶媒に溶解し、窒素下
に放置する。工程IIの生成物の当量を不活性溶媒に溶解
した溶液を、上記の無水物溶液に加える。反応を、0〜
50℃の間、好ましくはほぼ室温で、5〜90時間かけ
て行う。反応生成物は、クロマトグラフィーなどの通常
の方法を用いて、単離及び精製することができる。生成
物は、通常、未反応のN−保護アミノ酸を含むが、これ
は本生成物の水非混和性溶液(有機相)を、重炭酸ナト
リウム、炭酸ナトリウム、ブライン、及びその混合物な
どの水性アルカリにより処理することによって除去する
ことができる。有機相からは、保護された脂肪族ヒドロ
キシ基及びN−保護アミノ酸を有するガンシクロビルL
−バリンエステルを、通常の単離及び精製技術を用いて
単離及び精製することができる。
【0119】工程IV(最終的脱保護基化により、式
(I)の生成物を得る):工程(III )の生成物の二つ
の保護基は、脱保護基化反応により、好ましくは酸性媒
質又は溶媒中、最も好ましくは水素化により、除去す
る。酸性条件下での脱保護基化を行うのが好ましい。こ
れにより、脱保護基化反応において遊離するアミノ基
が、プロトン化される、つまり脱保護基化反応において
形成される式(I)そのものの塩基が、少なくとも化学
量論的量の酸により捕らえられるからである。式(I)
の化合物を酸付加塩として単離することによって、所望
の立体配置の式(I)の化合物が保護される。したがっ
て、脱保護基化工程(a)を示す、以下に述べるこれら
の例により、付随する塩形成の工程(b)が示される。
【0120】脱保護基化は、エステル化工程における生
成物を、不活性溶媒、好ましくは酸性溶媒に、パラジウ
ム−炭素、白金などの水素化触媒を用いて、1〜200
0psi の間の上昇させた水素圧、好ましくは20〜20
0psi の水素圧を用いて、溶解することによって行う。
反応の終了は、通常の薄相クロマトグラフィー(TL
C)分析を用いてモニターすることができる。水素化
は、変換が完了するまで、所望であれば更に水素化触媒
を添加して、続行する。触媒を除去し、洗浄する。ろ過
によって得られたろ液と洗浄液を合わせ、濃縮し、凍結
乾燥して、ガンシクロビルL−バリンエステルを単離す
る。生成物の精製と、結晶性エステルの単離は、再結
晶、又は液体クロマトグラフィー技術などのその他の精
製技術により行う。
【0121】第三級ブチルオキシカルボニル基を、アミ
ノ保護基として使用するのであれば、その除去は、HC
lなどの酸及び溶媒としてイソプロパノールと共に又は
トリフルオロ酢酸のみで行う。
【0122】それに代えて、エステル化の工程が、トリ
チル又は置換されたトリチルにより保護されたガンシク
ロビル誘導体について行われるのであれば、このような
保護基は、水性アルカン酸、又はトリフルオロ酢酸、又
は塩酸、例えば、水性酢酸による処理により、−20〜
100℃の間の温度で、除去することができる。
【0123】アリル基は、ロジウム又はパラジウム触媒
によるビニルエーテルへの異性化及びその後に行う酸性
水性加水分解により除去される。
【0124】 その他の製造方法〔工程(b)、(d)及び(e)〕 当業者であれば、式(I)の化合物は、酸付加塩又は対
応する遊離塩基として製造してもよいことを認識するで
あろう。酸付加塩として製造される場合、本化合物は、
水酸化アンモニウム溶液、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウムなどの適当な塩基による処理によって、遊離塩基
に変換することができる。しかし、式(I)の遊離塩基
は、その酸付加塩よりも、特長づけることが困難である
ことを指摘しておく必要がある。遊離塩基を酸付加塩に
変換する場合、化合物を、適当な有機又は無機酸(上述
した)と反応させる。これらの反応は、少なくとも化学
量論的量の適当な酸(酸付加塩の製造の場合)又は塩基
(式(I)の遊離化合物の遊離の場合)による処理によ
って行う。本発明の塩形成工程において、代表的には、
遊離塩基を、水又は低級アルカノール(好ましくはイソ
プロパノール)及びその混合物などの極性溶媒中に溶解
し、所要量の酸を、水又は低級アルカノールに加える。
反応温度は、通常は、約0〜50℃、好ましくはほぼ室
温に保持する。対応する塩の自発的沈殿により、或いは
より極性の低い溶媒の添加、蒸発による若しくは真空中
における溶媒の除去、又は溶液の冷却により、対応する
塩を溶液から分離することができる。
【0125】縮合工程(d)の反応条件は、ヨ−ロッパ
特許出願、公開187 297 に記載されている。この縮合工
程は、モノエステルのジアステレオマー製造のための好
ましい方法の一つである。この縮合工程においては、好
ましくは2−アミノ基の保護されたグアニンを、グリセ
ロール誘導体と反応させる。1−ハロ−3−ベンジルオ
キシ−2−アシルオキシメトキシグリセロールなどのグ
リセロール誘導体を、グアニン又は置換グアニン誘導体
と、非プロトン性炭化水素系溶媒(ベンゼン若しくはト
ルエンなど、又はキシレン)又はDMF中で、ヘキサ低
級アルキルシラザン、例えば、ヘキサメチルシラザン、
ヘキサエチルシラザンなど、及び触媒と共に、30℃か
ら還流温度の間の温度で、反応させる。触媒は、トリア
ルキルシリル塩などのルイス酸塩、例えば、硫酸塩若し
くはスルホン酸トリフルオロアルキル、クロロシラン、
又は硫酸アンモニウム及びピリジンなどである。縮合工
程(d)に関する反応条件のより詳細な開示について
は、ヨーロッパ特許出願、公開187 297 における開示を
参照。これはここで、参照として記載するものとする。
一般的には、置換基Y1 及びY2 は、式(I)のモノ−
L−バリンエステルの獲得を可能とするような方法によ
り選択する必要がある。Y1 は、アミノ保護L−バリニ
ル基又はL−バリニル基に変換可能な基であることがで
きる。
【0126】本発明化合物は、ヨーロッパ特許出願、公
開375 329 記載の2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ
−6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−1,3−
プロパンジイル=ビス(L−バリナート)から調製して
もよい。2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オ
キソ−プリン−9−イル)メトキシ−3−ヒドロキシ−
1−プロパニル=L−バリナートへの変換は、アミノ酸
アシル残基の一つのみを好ましく開裂させるコントール
された条件下で、一つのL−バリンエステル基を部分的
に加水分解〔工程(e)〕することにより行う。2−
(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−
プリン−9−イル)メトキシ−1,3−プロパンジイル
=ビス−L−バリナートの塩、好ましくはビスアセター
ト塩を、脱イオン水に溶解し、希水酸化アンモニウム溶
液などの弱塩基により、部分的に中和する。次に混合物
を、室温で、1〜数日、好ましくは48〜72時間保持
する。
【0127】これに代えて、部分加水分解を行うには、
ブタエステラーゼなどのエステラーゼ、又はカルボキシ
ペプチダーゼなどのペプチダーゼによる酵素的加水分解
を、用いることもできる。
【0128】モノエステルは、そのビスエステルから、
弱酸性条件(pH3〜5、好ましくはpH4)下で、分取用
クロマトグラフィーにより分離することができる。クロ
マトグラフィーによる分離に用いる溶媒を除去し、2−
(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−
プリン−9−イル)−メトキシ−3−ヒドロキシ−1−
プロパニル=L−バリナート塩が、二つのジアステレオ
マーの混合物として単離される。
【0129】異性体の単離 式(I)より、本発明化合物は、L−バリンの不斉炭素
原子の他、プロパニル鎖に一つの不斉炭素原子(キラル
中心)を有していることが明らかである。Cahnet al.
の規則により求められるように、二つのジアステレオマ
ー形、(R)形及び(S)形が、存在する。
【0130】ジアステレオマーの分離に適当である多数
の方法を用いることができるが、好ましい方法は、二つ
のジアステレオマーの異なる物理的特性を利用した技術
を用いるものである。一般的には、ジアステレオマー
は、クロマトグラフィーにより分離されるが、分別晶出
などの溶解性の差に依存する分離/分割技術が好まし
い。
【0131】式(I)のジアステレオマーの製造に適用
可能である分離技術は特に、Jean Jacques, Andre Coll
et, Samuel H. Wilen, Enantiomers, Racemates and Re
solutions, John Wiley & Sonc, Inc. (1981) に記載さ
れており、ここにこれを参照として記載するものとす
る。
【0132】これに代えて、本発明化合物を、光学活性
な反応物質を用いて製造してもよい。モノ−L−バリン
ガンシクロビルの純粋なジアステレオマーを製造する
場合、縮合工程(d)が、好ましい合成方法である。し
かし、光学活性試薬を用いるのであれば、pH範囲が6以
上となるのを避けるのが重要である。より高いpH範囲で
は、式(I)の遊離化合物の相互変換が起きるからであ
る。例えば、pH7、40℃では、式(I)のジアステレ
オマー混合物の半減期は、1時間未満である。
【0133】式(I)の化合物の第二のキラル中心にお
ける立体配置は、円二色性、好ましくは重原子誘導体の
単一結晶X線解析又は既知の立体配置の単一のグリセロ
ール鏡像異性体からの全合成により調製される物質との
関連から求めることができる。
【0134】結晶性2−(2−アミノ−1,6−ジヒド
ロ−6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−3−ヒ
ドロキシ−1−プロパニル=L−バリナートの製造 本発明化合物は、結晶の形で製造することができ、製造
されてきた。これは、非結晶性物質として記載されてい
た先行技術中の開示化合物を超える決定的な長所であ
る。この長所は、医薬処方物は、結晶性物質については
より容易に製造することができるとの事実にある。結晶
性物質は、効率よく加工することができ、非結晶性物質
よりも、より高い再現性により、特長づけられやすく、
本発明の結晶性物質の品質は、非結晶性物質のそれより
もはるかに容易に確認することができる。
【0135】結晶性物質を製造するためには、2−(2
−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9
−イル)メトキシ−3−ヒドロキシ−1−プロパニル=
L−バリナートの塩を使用するのが好ましい。好ましい
結晶性塩は、酢酸塩及び塩酸塩である。塩の結晶化は、
塩酸塩又は酢酸塩を水に溶解し、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、テトラヒドロフラン又はアセト
ニトリルなどの、水と混和可能である有機溶媒を加える
ことによって開始するのが好ましい。これに代えて、酢
酸エチル、イソプロパノール、テトラヒドロフラン又は
トルエンなどのその他の有機溶媒を添加することによっ
て、塩酸塩を、メタノール又はエタノールなどの低級ア
ルカノール無水物溶液から、結晶化することができる。
【0136】
【実施例】以下の製造法及び実施例は、当業者が本発明
をより明解に理解し、実施することができるよう記載す
るものである。これらは、本発明の範囲を制限するもの
と考えるべきではなく、これを例示して示すためのもの
である。
【0137】実施例1: (S)−2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オ
キソ−プリン−9−イル)メトキシ−3−ベンジルオキ
シプロパン−1−オールの調製 A.(R)−(1−クロロ−2−アセトキシメトキシ−
3−ベンジルオキシ)プロパン (濃硫酸を通して乾燥した)HClガスを、(S)−
(+)−ベンジルオキシメチルオキシラン500mg
(3.06mmol)及びパラホルムアルデヒド201mg
(6.71mmol)の混合物を含むジクロロメタン8ml中
に、撹拌しながら0℃で、総ての固体が溶解するまで通
気した(約45分間)。得られた溶液を、0℃で16時
間放置し、硫酸マグネシウムで乾燥してから溶媒を留去
して、(R)−(1−クロロ−2−クロロメトキシ−3
−ベンジルオキシ)プロパンを得た。このクロロメチル
エーテル中間体をアセトン3mlに溶解し、アセトン7ml
に溶解した酢酸カリウム2.1g(21.4mmol)の溶
液に滴下し、得られた混合物を周囲温度で16時間撹拌
した。固形物を濾別し、濾液を濃縮して残渣をトルエン
20mlに溶解した。この溶液を重炭酸ナトリウム飽和溶
液10ml及び水(2×20ml)で洗浄した。有機相を硫
酸ナトリウムで乾燥して濾過後、濾液を濃縮し、残渣を
シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー〔溶出液:
ヘキサン/酢酸エチル(7:1)〕により精製して
(R)−(1−クロロ−2−アセトキシメトキシ−3−
ベンジルオキシ)プロパン810mg(2.97mmol)を
97%の収率で無色の油状物質として得た(異性体比1
2:1)。
【0138】B.(R)−2−(2−アミノ−1,6−
ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−
1−クロロ−3−ベンジルオキシプロパン (R)−(1−クロロ−2−アセトキシメトキシ−3−
ベンジルオキシ)プロパン810mgに、DMF3.2ml
に溶解したシリル化したグアニン1.09g(2.95
mmol)の溶液を加え、130℃で1時間撹拌した。この
溶液に、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホナ
ートを加え、同温度で4時間撹拌を続けた。反応混合物
を室温に冷却し、水と酢酸エチルとの間に分配した。水
相を酢酸エチルで徹底的に抽出し、有機相を併せ、硫酸
マグネシウムで乾燥して濾過し、濾液を濃縮した。残渣
をシリカゲルのクロマトグラフィーに付し、(R)−2
−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリ
ン−9−イル)メトキシ−1−クロロ−3−ベンジルオ
キシプロパンを、そのN−7異性体と共に得た。N−7
異性体に対するN−9異性体の比は2.3:1であっ
た。
【0139】C.(R)−2−(2−アミノ−1,6−
ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−
1−アセトキシ−3−ベンジルオキシプロパン 上記の工程で得られた生成物、酢酸カリウム(大過剰)
及びDMFの混合物を5時間還流加熱した。生成した褐
色の反応混合物を室温に冷やし、セライトの濾過助剤を
用いて濾過し、濾過助剤をメタノールで洗浄した。濾液
を濃縮し、残留しているDMFを真空下で留去した。粗
生成物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー
〔溶出液:CH2 Cl2 /メタノール(10:1)〕に
付し、(R)−2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−
6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−1−アセト
キシ−3−ベンジルオキシプロパンを淡黄色固体として
得た。
【0140】D.(S)−2−(2−アミノ−1,6−
ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−
1−ベンジルオキシプロパン−3−オール 30%アンモニア/メタノール(1:2)に溶解した
(R)−2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オ
キソ−プリン−9−イル)メトキシ−1−アセトキシ−
3−ベンジルオキシプロパンの溶液を室温で18時間撹
拌した。溶媒を留去し、残渣に小量のメタノールを加え
て摩砕し、生成した淡黄色固体を濾取して(S)−2−
(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン
−9−イル)メトキシ−1−ベンジルオキシプロパン−
3−オールを得た。母液を濃縮し、残渣を温メタノール
から再結晶して生成物の第二の追加量を得た。
【0141】実施例2: 2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プ
リン−9−イル)メトキシ−1−ベンジルオキシプロパ
ン−3−オールの調製 A.N2 −アセチル−2−(2−アミノ−1,6−ジヒ
ドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−1,
3−ビス(ベンジルオキシ)プロパン54.2g(11
4mmol)を、沸騰しているエタノール815mlに溶解
し、この溶液に、窒素雰囲気下、シクロヘキセン610
mlを加えた。得られた混合物に、エタノール50mlに懸
濁した水酸化パラジウム16gの懸濁液を加え、窒素雰
囲気下、1.5時間還流した。セライトを濾過助剤を用
いて、温反応混合物を濾過し、濾液をロータリエバポレ
ータで濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルのクロ
マトグラフィーに付し、8%メタノール/92%ジクロ
ロメタン、次いで10%メタノール/90%ジクロロメ
タンの混合溶媒で溶出して、N2 −アセチル−2−(2
−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9
−イル)メトキシ−1,3−ビス(ベンジルオキシ)プ
ロパン(原料)18.6g(16%)及びN2 −アセチ
ル−2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ
−プリン−9−イル)メトキシ−1−ベンジルオキシプ
ロパン−3−オール17.6g(40%)を得た。
【0142】B.N2 −アセチル−2−(2−アミノ−
1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)メ
トキシ−1−ベンジルオキシプロパン−3−オール2
1.9g(56.5mmol)をメタノール200mlに溶解
し、水酸化アンモニウム101mlを加え、この混合物を
室温で一夜撹拌した。得られた白色の懸濁液にエチルエ
ーテル400mlを加えて生成した沈殿物を濾別した。沈
殿物をエチルエーテル100ml、水100ml及びエチル
エーテル100mlで順次洗浄し、高真空下、一夜乾燥し
て2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−
プリン−9−イル)メトキシ−1−ベンジルオキシプロ
パン−3−オール15.9g(46.13mmol、82
%)を得た。濾液を濃縮し、生成した沈殿物をエチルエ
ーテル200mlに懸濁して濾取し、高真空下に乾燥し
て、さらに2.3g(6.7mmol、12%)の生成物を
得た。 分析値:C161954 (345.36)としての計
算値:C, 55.65; H, 5.55; N, 20.28 、実験値:C, 55.
25; H, 5.60; N, 20.12
【0143】実施例3: 2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プ
リン−9−イル)メトキシ−3−ヒドロキシ−1−プロ
パニル=L−バリナートの調製 A.2−〔(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキ
ソ−プリン−9−イル)メトキシ〕−3−ベンジルオキ
シ−1−プロパニル=N−(ベンジルオキシカルボニ
ル)−L−バリナート N−ベンジルオキシカルボニル−L−バリン43.66
g(0.174mol 、3当量)を、ジクロロメタン72
mlに懸濁し、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド
14.34g(69.5mmol、1.2当量)を加え、こ
の混合物を、窒素雰囲気下に48時間撹拌した。ガラス
フリットを用いて反応混合物を濾過し、白色の固体残渣
をジクロロメタン75mlで洗浄した。濾液及び洗液を併
せ、窒素雰囲気下に撹拌しながら、ジメチルホルムアミ
ド90mlに懸濁した2−(2−アミノ−1,6−ジヒド
ロ−6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−3−ベ
ンジルオキシプロパン−1−オール20g(57.91
mmol、1当量)の懸濁液、次いで4−ジメチルアミノピ
リジン1.77g(14.4mmol、0.25当量)を加
え、窒素雰囲気下に18時間撹拌した。反応混合物を水
1200ml中に注加し、酢酸エチル350mlとトルエン
350mlの混合溶媒で抽出した。水相を分離し、有機相
を重炭酸ナトリウムのほぼ飽和した溶液600ml、水2
00mlで順次洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで乾
燥し、溶媒を減圧下に留去した。残渣に酢酸エチルとシ
クロヘキサンの混合溶媒を加えて沈殿を生成させ、2−
〔(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリ
ン−9−イル)メトキシ〕−3−ベンジルオキシ−1−
プロパニル=〔N−(ベンジルオキシカルボニル)−L
−バリナート〕を無晶形の固体として得た。
【0144】B.2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ
−6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−3−ヒド
ロキシ−1−プロパニル=L−バリナート塩酸塩 2−〔(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−
プリン−9−イル)メトキシ〕−3−ベンジルオキシ−
1−プロパニル=〔(N−ベンジルオキシカルボニル)
−L−バリナート〕224.8g(0.39mol )をメ
タノール1.2リットルに溶解し、濃塩酸32.4ml
(0.39mol )を滴下した。この混合物に、窒素雰囲
気下、パラジウム−炭素67.9gを加え、パールボン
ベに入れて、水素(40〜100psi 、平均80psi
圧)雰囲気下に48時間水素化した。さらにパラジウム
−炭素5gを加え100psi で24時間水素化した。セ
ライトの濾過助剤を用いて反応混合物を濾過し、残渣を
メタノール1リットルで洗浄した。濾液を減圧下に濃縮
し、濃縮物を水150mlに溶解して60℃に加熱した。
この温度(60〜70℃)を維持しながら、撹拌下にイ
ソプロパノール830mlを徐々に滴下した。この溶液を
16時間かけて室温にゆっくりと冷やした。生成した結
晶を含む溶液を30℃に加温し、さらにイソプロパノー
ル220mlを加えた。この混合物を、4時間かけて、徐
々に最終温度の−11℃に冷却した。結晶を濾取し、冷
2%水/イソプロパノール200mlで洗い、2−(2−
アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−
イル)メトキシ−3−ヒドロキシ−1−プロパニル=L
−バリナート塩酸塩120.5g(79%)を得た。こ
の化合物は142℃で相変化を起こし、175℃で分解
した。
【0145】実施例4: 結晶性の2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オ
キソ−プリン−9−イル)メトキシ−3−ヒドロキシ−
1−プロパニル=L−バリナート塩 2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プ
リン−9−イル)メトキシ−3−ヒドロキシ−1−プロ
パニル=(L−バリナート)塩酸塩150gを水150
mlに溶解し、50〜60℃に加熱した。60〜70℃の
温度に僅かに高めながら、イソプロパノール830mlを
徐々に滴下した。この溶液を、20時間をかけて25℃
にゆっくりと冷やした。析出した結晶を含む溶液を30
℃に加熱し、さらにイソプロパノール220mlを加え
た。この混合物を6時間かけて最終温度の−11℃まで
ゆっくり冷却した。結晶を濾取し、冷2%水/イソプロ
パノール200mlで洗い、2−(2−アミノ−1,6−
ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−
3−ヒドロキシ−1−プロパニル=(L−バリナート)
塩酸塩135g(収率:90%)を得た。この化合物は
142℃で相変化を起こし、175℃で分解した。同様
な方法で、2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−
オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−3−ヒドロキシ
−1−プロパニル=L−バリナート酢酸塩を結晶として
得た。
【0146】実施例5: (S)−2−(2−アミノ−1.6−ジヒドロ−6−オ
キソ−プリン−9−イル)メトキシ−3−ヒドロキシ−
1−プロパニル=L−バリナート塩酸塩の調製 A.(S)−2−〔(2−アミノ−1.6−ジヒドロ−
6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ〕−3−ベン
ジルオキシ−1−プロパニル=(N−ベンジルオキシカ
ルボニル)−L−バリナート N−ベンジルオキシカルボニル−L−バリン437mg
(1.74mmol、3当量)をジクロロメタン1mlに懸濁
し、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド143mg
(0.7mmol、1.2当量)を加え、混合物を、窒素雰
囲気下、48時間撹拌した。ガラスフリットを用いて混
合物を濾過し、白色の固体残渣をジクロロメタンで洗っ
た。濾液及び洗液を併せ、窒素雰囲気下に撹拌しなが
ら、ジメチルホルムアミド1.5mlに懸濁した(R)−
2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プ
リン−9−イル)メトキシ−3−ベンジルオキシプロパ
ン−1−オール200mg(0.58mmol、1当量)の懸
濁液、次いで4−ジメチルアミノピリジン18mg(1
4.4mmol、0.25当量)を加えた。この混合物を、
窒素雰囲気下に18時間撹拌した。反応混合物を水12
ml中に注加し、酢酸エチル3.5mlとトルエン3.5ml
の混合溶媒で抽出した。水相を分離し、有機相を重炭酸
ナトリウムのほぼ飽和した溶液6ml、水2mlで順次洗浄
した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥して減圧下に濃
縮した。残渣に酢酸エチルとシクロヘキサンの混合溶媒
を加えて沈殿を生じさせ、(S)−2−〔(2−アミノ
−1.6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)
メトキシ〕−3−ベンジルオキシ−1−プロパニル=N
−(ベンジルオキシカルボニル)−L−バリナートを固
体として得た。
【0147】B.(S)−2−(2−アミノ−1,6−
ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−
3−ヒドロキシ−1−プロパニル=L−バリナート塩酸
塩 (S)−2−〔(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−
オキソ−プリン−9−イル)メトキシ〕−3−ベンジル
オキシ−1−プロパニル=〔N−(ベンジルオキシカル
ボニル)−L−バリナート〕225mg(3.9mmol)を
メタノール12mlに溶解し、濃塩酸0.3ml(3.9mm
ol)を加えた。この混合物に、窒素雰囲気下、パラジウ
ム−炭素674mgを加え、パールボンベに入れて水素
(40〜100psi 、平均80psi 圧)雰囲気下に48
時間水素化した。さらにパラジウム−炭素50mgを加え
100psi で24時間水素化した。セライトの濾過助剤
を用いて反応混合物を濾過し、残渣をメタノール10ml
で洗浄した。濾液を減圧下に濃縮乾固し、濃縮物を水
1.5mlに溶解して60℃に加熱した。この温度(60
〜70℃)を維持しながら、撹拌下にイソプロパノール
8mlを徐々に加えた。この溶液を、16時間かけて室温
にゆっくりと冷やした。得られた溶液を30℃に加温
し、さらにイソプロパノール2mlを加えた。この混合物
を、4時間かけて最終温度の−11℃にゆっくりと冷却
した。結晶を濾取し、冷2%水/イソプロパノール2ml
で洗い、(S)−2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ
−6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−3−ヒド
ロキシ−1−プロパニル=L−バリナート塩酸塩を得
た。
【0148】実施例6: 2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プ
リン−9−イル)メトキシ−1,3−プロパンジイル=
ビス(L−バリナート)二酢酸塩から、2−(2−アミ
ノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イ
ル)メトキシ−3−ヒドロキシ−1−プロパニル=L−
バリナート酢酸塩の調製 2−〔(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−
9H−プリン−9−イル)メトキシ〕−1,3−プロパ
ンジイル=ビス(L−バリナート)二酢酸塩(0.6当
量の過剰な酢酸を含む凍結乾燥した試料)100mg
(0.164mmol=酢酸の0.426mmolの総計)を脱
イオン水0.4mlに溶解し、0.015M 水酸化アンモ
ニウム溶液24ml(0.36mmol)を加えて部分的に中
和した。得られた混合物を67時間室温に放置した後、
試料を二等分し、分取用逆相HPLCカラム(YMC-Pac
k, ODS-Am DM-33-5, 2x250 mm; YMC Inc.)に注入し
た。10%メタノール/90%0.1M (酢酸でpH4に
調整した)酢酸アンモニウムの溶媒系;流速:9.5ml
/ 分;検出器:256nmの条件で分離を行なった。モノ
エステル生成物の二種のジアステレオマーを示す二つの
ピークを集めた。高真空下に溶媒を留去して約2mlに濃
縮し、酢酸(0.1%)を含む水を加えて2回凍結乾燥
して緩衝液を除去し、2−(2−アミノ−1,6−ジヒ
ドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−イル)メトキシ
−3−ヒドロキシ−1−プロパニル=L−バリナート酢
酸塩45mg(0.112mmol、68%)を二種のジアス
テレオマーの混合物として得た。1 H NMR (300 MHz), DMSO-d6,δ: 7.78 (1H, s, HC-8),
6.48 and 6.45 (2br.s., 2H, NH2), 5.44 (mAB, J=11 H
z)及びd 5.43 (s) 2H の全体, CH2; 1.91 (s,3H, CH3CO
O-), 0.83 + 0.82 (2d, J=7 Hz, 3H, CH3), 0.75 + 0.7
6 (2d, J=7Hz,3H, CH3) 。
【0149】実施例7: (R,S)−2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6
−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−3−ヒドロキ
シ−1−プロパニル=L−バリナートの分離 90%0.1M (酢酸でpH4に調整した)酢酸アンモニ
ウム/10%メタノール9.60mlに溶解した(R,
S)−2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキ
ソ−プリン−9−イル)メトキシ−3−ヒドロキシ−1
−プロパニル=L−バリナートの溶液を、HPLCカラ
ム(YMC-Pack ODS-AM, Cat No. DM-33-5;size, 250x20
mm I. D.; particle, S-5 mm, 120 A)に200μl の
容量で48回注入し、流速:9.5ml/ 分、90%0.
1M (酢酸でpH4に調整した)酢酸アンモニウム/10
%メタノールの移動相を用いた。ピークを256nmに設
定した検出器(Knauer Variable Wavelength Monitor)
で検出した。三組の画分を手動で集めた:ピーク1(保
持時間:24.4分)、ピーク間の重複ピーク、そして
ピーク2(保持時間:27.8分)。各組の画分を併
せ、減圧下に濃縮してメタノールを除去し、次いで、凍
結乾燥して残留する揮発成分を除いた。残渣を水に溶解
し、酢酸でpH4の酸性にして、再び凍結乾燥してピーク
1(1.57g)及びピーク2(0.91g)を得た。
生成物のHPLC分析は、カラム(YMC-Pack ODS-AM, C
at No. RM-33-5; size, 250x4.6 mm I. D.; particle,
S-5 mm, 120 A )、0.5ml/ 分の流速、90%0.1
M (酢酸でpH4に調整した)酢酸アンモニウム/10%
メタノールの移動相により行い、ピーク1(分取用カラ
ムでの保持時間24.4分)は、ピーク1(保持時間2
1.1分)の70.8%、ピーク2(保持時間24.6
分)の26.4%そして十分に加水分解された生成物
(保持時間12.4分)の2.8%を含む混合物であ
り;ピーク2(分取用カラムでの保持時間27.8分)
は、ピーク2(保持時間22.0分)の68.5%、ピ
ーク1(保持時間20.2分)の27.5%及び十分に
加水分解された生成物(保持時間11.6分)の4%を
含む混合物であることを示した。ピーク2(0.91
g)及びピーク2(1.57g)の各々を、90%0.
1M (酢酸でpH4に調整した)酢酸アンモニウム/10
%メタノール3.60mlに溶解し、再び上記の系を用
い、200μl づつ18回注入して精製した。ピーク1
及び2に相当する二組の画分を、それぞれ集めて併せ、
減圧下にメタノールを一部留去して除き、残留物は凍結
乾燥によって残りの揮発成分を除去した。各組の画分か
らの残渣を水に溶解し、酢酸で注意しながらpH4の酸性
にし、もう一度凍結乾燥した。ピーク1に相当する画分
は、空気中で吸湿性と思われる白色綿毛状固体(0.7
0g)を生じた;(上記と同様に行なった)HPLC分
析は、これがピーク1(保持時間21.1分)の94.
9%、ピーク2(保持時間26.7分)の4.6%そし
て十分に加水分解された生成物(保持時間11.8分)
の0.5%を含む混合物であることを示した;NMR
は、DMSO−d6 中、テトラメチルシランを内部標準
として使用した。特徴的なシグナル:1 H NMRδ: 5.43 (mAB, 2H, JAB=11.1 Hz, dA 5.44, dB
5.43), 3.02 (d, 1H,J=5.2 Hz), 0.82 (d, 3H, J=6.8 H
z), 0.75 (d, 3H, J=6.8 Hz)
【0150】ピーク2に相当する画分は、空気中で吸湿
性と思われる白色綿毛状固体(0.81g)を生じた;
(上記と同様に行なった)HPLC分析は、これがピー
ク2(保持時間29.8分)の91.0%、ピーク1
(保持時間28.4分)の8.4%そして十分に加水分
解された生成物(保持時間14.4分)の0.6%を含
む混合物であることを示した;NMRは、DMSO−d
6 中、テトラメチルシランを内部標準として使用した。
特徴的なシグナル:1 H NMRδ: 5.43 (s, 2H), 2.99 (d, 2H, J=5.2 Hz), 0.
83 (d, 3H, J=6.8 Hz), 0.76 (d, 3H, J=6.8 Hz)
【0151】実施例8: A.(R)−2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6
−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−3−ベンジル
オキシ−1−プロパニル=(N−ベンジルオキシカルボ
ニル)−L−バリナートの調製 ジクロロメタン25mlに溶解したN−ベンジルオキシカ
ルボニル−L−バリン327mg(1.30mmol、3当
量)の溶液に、窒素雰囲気下、1,3−ジシクロヘキシ
ルカルボジイミド134mg(0.65mmol、1.5当
量)を加え、反応混合物を室温で13.5時間撹拌し
た。得られた混合物を濾過して不溶の物質を濾去し、濾
液を減圧下にロータリエバポレータを用いて濃縮した。
得られた白色泡状物質を無水のDMF10mlに溶解し、
やはり無水のDMF10mlに溶解した(S)−2−(2
−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9
−イル)メトキシ−3−ベンジルオキシ−1−プロパン
−1−オール150mg(0.43mmol、1当量)の溶液
に直接加えた。このDMF溶液に、4,4−ジメチルア
ミノピリジン13mg(0.11mmol、0.25当量)を
加え、反応混合物を室温で27時間撹拌した。この時点
のTLC分析は、原料の消費を示した。反応混合物を減
圧下に濃縮し、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィ
ーに付し、95%塩化メチレン/5%メタノールを移動
相として用い、標題の化合物158mg(63%)を無晶
形の固体として得た。
【0152】B.(R)−2−(2−アミノ−1,6−
ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−
3−ヒドロキシ−1−プロパニル=L−バリナート塩酸
塩 (R)−2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オ
キソ−プリン−9−イル)メトキシ−3−ベンジルオキ
シ−1−プロパニル〔(N−ベンジルオキシカルボニ
ル)−L−バリナート〕158mg(0.27mmol)をメ
タノール15mlに溶解し、濃塩酸24ml(0.27mmo
l)を加えた。得られた混合物に、窒素雰囲気下、10
%パラジウム−炭素48mgを加え、この混合物をパール
振盪器で水素(50psi 圧)雰囲気下、5時間水素化し
た。セライトの濾過助剤を用いて反応混合物を濾過し、
残渣をメタノール25mlで洗浄した。濾液及び洗液を併
せ、減圧下に濃縮して標題の化合物107mg(95%)
を得た。生成物のHPLC分析は、カラム(YMC-Pack O
DS-Am, Cat. No. RM-33-5; size, 250x4.6 mm I.D.; pa
rticle, S-5 mm, 120 A )、流速0.5ml/ 分、90%
0.1M (酢酸でpH4に調整した)酢酸アンモニウム/
10%メタノールの移動相を用いて行ない、生成物が
(R)−及び(S)−ジアステレオマーの85:15の
混合物であることを示した。
【0153】実施例9: ラットにおける経口吸収(生物学的利用能)の決定 式(I)の化合物(ガンシクロビアのL−モノバリンエ
ステル)並びに比較の目的で検討したその他のガンシク
ロビアのアミノ酸エステル類、その他のガンシクロビア
のエステル類及びエーテル類の経口吸収(経口生物学的
利用能)を決定するために以下の検定を行なった。
【0154】化合物の経口生物学的利用能測定には、最
初に、化合物の1回経口(po)投与後の雄ラットにお
ける血漿レベルを決定した。プロドラッグの経口生物学
的利用能測定には、活性化合物(この場合、ガンシクロ
ビア)の血漿レベルを、プロドラッグの1回po投与
後、雄ラットで決定した。次に、活性化合物(ガンシク
ロビア)の血漿レベルを、化合物の1回静脈内(iv)
投与後、雄ラットで決定した。ガンシクロビアでは、p
o及びivの各々の場合の1回の投与量は10mg/kg ;
プロドラッグエステル(ガンシクロビアのL−モノバリ
ンエステルを含む)では、po及びivの各々の場合の
1回の投与量はガンシクロビアの10mg/kg に当モルの
投与量とした。po及びiv投与による2回の測定か
ら、化合物の経口生物学的利用能は、次式により、po
投与による濃度対時間曲線下の全面積を、iv投与によ
る濃度対時間曲線下の全面積で除し、投与量を適当に補
正して算出した。
【0155】F(p.o.)(%)=〔AUC(p.
o.)/AUC(i.v.)〕×〔Dose(i.
v.)/Dose(p.o.)〕×100 Dose:投与量 AUC(曲線下の全面積)値を、0〜24時間の解析し
た全時間の範囲に亙って算出した。
【0156】経口及び静脈内投与のための賦形薬は、2
%酢酸を含む通常の食塩水よりなる。何れの場合にも、
化合物濃度はガンシクロビアの4.0mg/ml に相当し、
これはガンシクロビアの4.0mg/ml (2.5ml/kg )
の投与量率に相当する。200gmのラットには、強制餌
養又は静脈注射により尾静脈中に経口薬溶液0.5mlを
投与した。
【0157】3日間、試験室の環境にラットを慣らし、
試験開始の前夜から投与後の4時間まで絶食させた。4
頭のラットから以下の時間の各々に採血した:0分(投
与前)、5分(ivのみ)、15分、30分、1時間、
2時間、3時間、5時間、7時間、10時間及び24時
間。直ちに血液を遠心分離して血漿を得、分析するまで
−20℃で血漿を冷凍保存した。
【0158】血漿中のガンシクロビアの検定 血漿のアリコート0.50mlを、内部標準(アシクロビ
ア、10%メタノール/水に溶解した15μg/ml)0.
020ml及びアセトニトリル3.0mlと混合した。この
混合物を撹拌混合し、生成した沈殿物を遠心分離(40
00g、1 0分間)して除去した。上澄液を、窒素雰
囲気下に濃縮乾固し、残渣をHPLC移動相200μl
に溶解した。アリコート0.05mlを、HPLCカラム
(Keystone Hypersil BDS; 250x4.6 mm C18 )で分析し
た。移動相は、5mMヘプタン硫酸を含む30mMリン酸ナ
トリウム緩衝液中2%アセトニトリル(pH2.0)より
なり、流速を1.0ml/ 分とした。254nmのUV吸収
でガンシクロビア及び内部標準を検出し、測定した。
【0159】 経口生物学的利用能 化合物 経口生物学的利用能 文献 (F%) ガンシクロビア(G) 7.9 US 4,355,032 〔2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ− 6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ− 1,3−プロパンジオール〕 G−ビス(プロピオン酸)エステル 17.7 J. Pharm Sci. 76, 180-184(1987) G−ビス(L−バリン)エステル 52.0 EP 375,329 G−L−バリンエステルベンジルエーテル 検出せず G−ビス(フェニルグリシン)エステル 8.18 − 二酢酸塩 G−ジベンジルエーテル 検出せず − 本発明のアミノ酸エステル G−L−バリナート酢酸塩 84.0 G−L−バリナート塩酸塩 98.1
【0160】実施例10: カニクイザルにおける経口吸収(生物学的利用能)の決
定 カニクイザルにおける、式(I)の化合物の経口吸収
(経口生物学的利用能)を決定するのに、以下の検定を
用いた。 動物、投与及び試料の収集 雄カニクイザル(体重:5ないし7キロ)を使用した。
この動物を、サル用食物、果物及び水で餌養し、12時
間明のサイクルを使用した。試験化合物を、食塩水中、
ガンシクロビアの10mg/ml 溶液に等モルの濃度に調製
した。ガンシクロビアの10mg/kg に相当する最終用量
にするため1.0ml/kg の割合で、強制餌養により投与
した。ガンシクロビアのiv投与剤は、0.2%HCl
を含む食塩水中で20mg/ml の濃度に調剤し、0.5ml
/kg の割合で投与した。
【0161】動物を、投与の前夜から投与後の4時間ま
で絶食させた。各々のサルから、0分(投与前)、投与
後、5分(ivのみ)、15分、30分、1時間、2時
間、3時間、5時間、7時間、10時間及び24時間に
採血した。血液標本をヘパリンを加えた注射筒に集め、
直ちに遠心分離して血漿を得、分析するまで−20℃で
冷凍保存した。
【0162】血漿中のガンシクロビアの検定 血漿のアリコート0.50mlを、内部標準(アシクロビ
ア、10%メタノール/水に溶解した15μg/ml)0.
020ml及びアセトニトリル3.0mlと混合した。この
混合物を撹拌混合し、生成した沈殿物を遠心分離(40
00g、1 0分間)して除去した。上澄液を、窒素雰
囲気下に濃縮乾固し、残渣をHPLC移動相200μl
に溶解した。アリコート0.05mlを、HPLCカラム
(Keystone Hypersil BDS; 250x4.6 mm C18 )で分析し
た。移動相は、5mMヘプタン硫酸を含む30mMリン酸ナ
トリウム緩衝液中2%アセトニトリル(pH2.0)より
なり、流速を1.0ml/ 分とした。254nmのUV吸収
で、ガンシクロビア及 び内部標準を検出し、測定し
た。
【0163】生物学的利用能(F)は、実施例9に記載
した方程式により算出した。
【0164】プロドラッグの2−(2−アミノ−1,6
−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ
−3−ヒドロキシ−1−プロパニル=L−バリナート
は、35.7%の経口生物学的利用能を有していた。2
−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリ
ン−9−イル)メトキシ−1,3−プロパンジイル=ビ
ス−L−バリナートは、23.5%の経口生物学的利用
能を有していた。ガンシクロビアは、9.9%の生物学
的利用能を有していた。同じサルに同じプロドラッグを
経口で、ガンシクロビアをivで投与した場合、このプ
ロドラッグの平均経口生物学的利用能は41.6%であ
った。
【0165】実施例11: 製剤 以下に記載するガンシクロビアL−バリンモノエステル
カプセルの例は、賦形剤として、ポビドン(結合剤);
コーンスターチ(崩壊剤);ステアリン酸(潤滑剤及び
滑沢剤)を含み、これらを2区画硬質ゲラチンカプセル
に充填する。水は造粒のための液体であって、製剤過程
において実質的に除去される。
【0166】 ガンシクロビアL−バリンモノエステルカプセルの定量的組成物 (1日3回1カプセル) 成分 カプセル当りの重量(mg) %(w/w ) ガンシクロビアL−バリン モノエステル塩酸塩 390.00 92.75 ポビドン 12.61 3.00 コーンスターチ 16.81 4.00 ステアリン酸1 1.05 0.25 水2 全充填量(理論量)3 420.47 100.00 粉末混合剤を、2区画硬質ゲラチンカプセルに充填する。 註1 ステアリン酸の量は、全重量の0.1%ないし5.0%の範囲である。 註2 水の量は、許容される粒剤を調剤する範囲内であり、乾燥させる。 註3 全充填量(理論量)は、最終製剤に存在する余分な湿気を含まない。
【0167】 ガンシクロビアL−バリンモノエステルカプセルの定量的組成物 (1日3回2カプセル) 成分 カプセル当りの重量(mg) %(w/w ) ガンシクロビアL−バリン モノエステル塩酸塩 312.00 92.75 ポビドン 10.09 3.00 コーンスターチ 13.45 4.00 ステアリン酸1 0.84 0.25 水2 全充填量(理論量)3 336.38 100.00 粉末混合剤を、2区画硬質ゲラチンカプセルに充填する。 註1 ステアリン酸の量は、全重量の0.1%ないし5.0%の範囲である。 註2 水の量は、許容される粒剤を調剤する範囲内であり、乾燥させる。 註3 全充填量(理論量)は、最終製剤に存在する余分な湿気を含まない。
【0168】ガンシクロビアL−バリンモノエステルカ
プセルの調剤例 1.ガンシクロビアL−バリンモノエステル及びコーン
スターチの一部を、適切なミキサーで混合する。 2.ポビドンを、撹拌しながら水に溶解する。 3.混合を続けながら、(2)を(1)に加えて粒剤を
形成する。 4.必要ならば、湿潤粒剤を粉砕する。 5.湿潤粒剤を、乾燥機中で乾燥する。 6.乾燥粒剤、残りのコーンスターチ、そしてステアリ
ン酸を、適切な粉砕機に通過させる。 7.(6)を、適切なミキサーで混合する。 8.(7)の適当量を2区画硬質ゲラチンカプセルに充
填する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 スコット・ダブリュ・ウォンブル アメリカ合衆国、カリフォルニア 94536、フリモント、ブレイスデル・ウ ェイ 119 (72)発明者 ハンス・マーグ アメリカ合衆国、カリフォルニア 94025、メンロー・パーク、スタンフォ ード・アベニュー 745 (56)参考文献 特開 平2−218667(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 473/18 A61K 31/522 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−
    6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−3−ヒドロ
    キシ−1−プロパニル=L−バリナートである化合物の
    (R)−若しくは(S)−ジアステレオマー、又は2種
    類のジアステレオマーの混合物、或はその薬剤学的に許
    容しうる塩。
  2. 【請求項2】 (R)−及び(S)−ジアステレオマー
    を等量含む該混合物からなる請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 薬剤学的に許容しうる塩が、塩酸塩又は
    酢酸塩である請求項1記載の化合物。
  4. 【請求項4】 結晶の形である請求項1記載の化合物。
  5. 【請求項5】 (R)−2−(2−アミノ−1,6−ジ
    ヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−3
    −ヒドロキシ−1−プロパニル=L−バリナート又はそ
    の薬剤学的に許容しうる塩である請求項1記載の化合
    物。
  6. 【請求項6】 (S)−2−(2−アミノ−1,6−ジ
    ヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−3
    −ヒドロキシ−1−プロパニル=L−バリナート又はそ
    の薬剤学的に許容しうる塩である請求項1記載の化合
    物。
  7. 【請求項7】 該塩が、塩酸塩である請求項5又は6記
    載の化合物。
  8. 【請求項8】 該塩が、酢酸塩である請求項5又は6記
    載の化合物。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項記載の化合
    物、及び薬剤学的に許容しうる賦形剤又は担体を含む医
    薬組成物。
  10. 【請求項10】 式(II): 【化1】 (式中、P1 は、水素又はヒドロキシ保護基であり、そ
    してP2 は、アミノ保護基である)で示される化合物。
  11. 【請求項11】 2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ
    −6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−3−ヒド
    ロキシ−1−プロパニル=L−バリナート若しくはその
    薬剤学的に許容しうる塩又はそのジアステレオマーを製
    造する方法であって、 式(IV): 【化2】 (式中、P1 は、ヒドロキシ保護基又は水素であり、P
    2 は、アミノ保護基であり、そしてP3 は、水素又はP
    2 である)で示される化合物から、アミノ及び/又はヒ
    ドロキシ保護基を除去して、化合物2−(2−アミノ−
    1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)メ
    トキシ−3−ヒドロキシ−1−プロパニル=L−バリナ
    ート又はその薬剤学的に許容しうる塩を得ることを特徴
    とする方法。
  12. 【請求項12】 2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ
    −6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−3−ヒド
    ロキシ−1−プロパニル=L−バリナート若しくはその
    薬剤学的に許容しうる塩又はそのジアステレオマーを製
    造する方法であって、 2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プ
    リン−9−イル)メトキシ−1,3−プロパンジオール
    (ガンシクロビル)又はその塩を、L−バリンの活性型
    誘導体によりエステル化する方法。
  13. 【請求項13】 2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ
    −6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−3−ヒド
    ロキシ−1−プロパニル=L−バリナート若しくはその
    薬剤学的に許容しうる塩又はそのジアステレオマーを製
    造する方法であって、 2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プ
    リン−9−イル)メトキシ−1,3−プロパンジイル=
    ビス(L−バリナート)であるビスエステル又はその塩
    を部分加水分解して、2−(2−アミノ−1,6−ジヒ
    ドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−3−
    ヒドロキシ−1−プロパニル=L−バリナートであるモ
    ノエステル又はその薬剤学的に許容しうる塩を得る方
    法。
  14. 【請求項14】 アミノ及びヒドロキシ保護基の除去
    を、酸性条件下で行う請求項11記載の方法。
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