JP3087912B2 - オキシメチレン共重合体の安定化方法 - Google Patents

オキシメチレン共重合体の安定化方法

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JP3087912B2
JP3087912B2 JP10542109A JP54210998A JP3087912B2 JP 3087912 B2 JP3087912 B2 JP 3087912B2 JP 10542109 A JP10542109 A JP 10542109A JP 54210998 A JP54210998 A JP 54210998A JP 3087912 B2 JP3087912 B2 JP 3087912B2
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ammonium compound
stabilizing
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徳孝 谷村
肇 永原
忠志 田中
暁 大槻
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旭化成工業株式会社
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、オキシメチレン共重合体の安定化方法及び
安定化剤に関する。さらに詳しくは、熱的に不安定な末
端部を有するオキシメチレン共重合体を熱処理して安定
化する際に、その熱処理を特定の第4級アンモニウム化
合物の存在下で行うオキシメチレン共重合体の安定化方
法、及びオキシメチレン共重合体の熱処理による安定化
に用いられる、上記の第4級アンモニウム化合物を主成
分として含有する安定化剤に関する。本発明の安定化方
法は、極微量の第4級アンモニウム化合物の添加によっ
て、上記の不安定末端部の分解速度を飛躍的に向上させ
て、オキシメチレン共重合体の安定化を促進することが
できるので、不安定な末端部が殆ど残っていない、熱安
定性及び色調のいずれにも優れたオキシメチレン共重合
体を、短時間でかつ簡便に製造することを可能にする。
また本発明の安定化剤は、上記熱処理を用いると、オキ
シメチレン共重合体の不安定な末端部の分解速度を大幅
に向上させ安定化を促進することを可能にする。
従来の技術 オキシメチレン共重合体は、バランスのとれた機械物
性と優れた疲労特性を有していることから、広く自動
車、電子機器、電気機器等の部品等に利用されている。
オキシメチレン共重合体は、ホルムアルデヒド又はその
環状三量体であるトリオキサン等の環状アセタールと、
環状エーテル及び環状ホルマールのいずれか又は両方と
を共重合させることにより製造される。しかし、このよ
うな共重合によって得られるオキシメチレン共重合体は
一部の分子末端に−(OCH2−OH基を持ち、この末端
基は熱的に不安定であるため成形加工時の加熱等により
容易に分解し、多量のホルムアルデヒドを発生するの
で、このままでは実用に供することはできない。すなわ
ち、多量のホルムアルデヒドが発生すると、成形時に樹
脂が発泡したり、成形品の表面にガス状のホルムアルデ
ヒドが抜けたラインが残って外観が不良になる等の不都
合を生ずる。さらに、発生したホルムアルデヒドは、成
形機中の酸素により酸化されて蟻酸となり、オキシメチ
レン共重合体の主鎖分解を促進することになる。
このような熱的に不安定な末端基である−(OCH2
−OH基を持つオキシメチレン共重合体(以後、粗オキシ
メチレン共重合体ということがある。)を安定化する方
法としては、末端をアセチル化、エーテル化、又はウレ
タン化する方法や、不安定末端部を分解する方法等が知
られている。その中でも、不安定末端部を分解して安定
化する方法が有利である。この不安定末端部を分解する
方法としては、この不安定末端部を分解することのでき
る塩基性物質の存在下、粗オキシメチレン共重合体を水
中また有機溶剤中で加熱し安定化する方法、粗オキシメ
チレン共重合体を加熱溶融状態で安定化する方法などが
知られている。粗オキシメチレン共重合体を水中または
有機溶剤中で加熱し安定化する方法は、分離(濾過)、
回収、洗浄等の操作を必要とするのに対して、加熱溶融
状態で安定化する方法は、直接安定化したオキシメチレ
ン共重合体が得られる為、工業的に最も有利な方法であ
る。
従来知られている加熱処理方法としては、粗オキシメ
チレン共重合体をオキシメチレン共重合体が溶解しない
媒体(例えば水、水/メタノール混合液)中で不均一系
を保ちつつ、加熱処理して不安定な末端部を除去する方
法が知られている(例えば日本国特公昭40−10435号公
報、日本国特公昭43−7553号公報参照)。しかし、この
方法では不安定な末端部の分解速度を上げるためにオキ
シメチレン共重合体の融点に近い温度で操作する必要が
あるとともに不安定な末端部を少なくするために長時間
の処理を行う必要があった。このような処理を行って
も、得られたオキシメチレン共重合体は不安定な末端部
の分解除去が充分でなく、高温での長時間処理によりオ
キシメチレン共重合体が着色しやすいという問題もあっ
た。また、日本国特公昭40−11627号公報には、揮発性
有機溶剤、揮発性塩基及び水からなる飽和蒸気混合物中
に粗オキシメチレン共重合体を100℃以上の温度にて大
気圧以上の圧にさらすことによって不安定な末端部を除
去する方法が開示されている。しかし、この方法でも不
安定末端部の除去は充分ではなかった。また、粗オキシ
メチレン共重合体を加熱し溶融状態に保って不安定な末
端部を分解除去する方法が知られている。例えば、日本
国特公昭39−8071号公報には、溶融共重合体を一定時間
ロールミル上で混練する方法、日本国特公昭43−1875号
公報(米国特許第3,337,504号に対応)または日本国特
公昭44−11907号公報(米国特許第3,418,280号に対応)
には、水、アルコール等又は更にアルカリ成分の存在下
で押出機等を用いて加熱溶融処理を行う方法、日本国特
公昭58−11450号公報(米国特許第4,366,305号に対応)
には、粗オキシメチレン共重合体を加熱溶融した後、特
殊な表面更新混合機を用いて減圧下において不安定な部
分を分解除去する方法、日本国特開昭58−152012号公報
(ヨーロッパ特許第88,541号に対応)には、粗オキシメ
チレン共重合体を溶融するための1軸スクリュウ押出
機、流動分割と再配列の原理により粗オキシメチレン共
重合体と水及び水の存在下で水酸化物を生成する化合物
からなる反応剤とを混合しながら不安定な部分を分解す
る反応域を有する静混合機及び静混合機のすぐ後に配置
された揮発分除去のためのベント式スクリュウ押出機よ
り構成される反応装置において不安定部分を分解除去す
る方法、また、日本国特開昭62−129311号公報には、粉
状または粉状粗オキシメチレン共重合体を溶融温度より
5〜35℃低い温度で減圧下で処理したあと、押出機で加
熱溶融処理する方法がそれぞれ提案されている。これら
粗オキシメチレン共重合体を加熱し溶融状態に保って熱
的に不安定な末端部のみを分解除去する方法でもかなり
の安定化が可能であり、斯かる処理を行ったオキシメチ
レン共重合体は実用に供し得るものであるが、なお、熱
的に不安定な末端部が残り、これが成形加工等におい
て、モールドデポジット(金型付着物)の発生等の好ま
しからざる現象を引き起こす原因となる場合があるた
め、より一層安定な重合体が強く望まれている。これら
公知の方法では、分解速度を上げるためには、前記塩基
性物性、アルカリ成分、又は水の存在下で水酸化物を生
成する化合物等(例えばこの種の用途に汎用されるアミ
ン類等)をポリオキシメチレン共重合体に添加し、その
添加量を増やす必要があった。しかし、アミン類等の添
加量を増やしすぎるとポリマーが着色する。更に、不安
定な末端部を少なくするためには長時間又は複数回の処
理を行う必要があった。このため、安定化後のポリオキ
シメチレン共重合体が着色劣化するばかりではなく、装
置が大型化、複雑化することになる。更に、粗オキシメ
チレン共重合体の不安定な末端部の分解除去が必ずしも
充分でないという問題もあるため、簡便に不安定な末端
部の非常に少ないオキシメチレン共重合体を得る安定化
方法が切望されていた。
発明の概要 このような状況下、本発明者等は、熱安定性及び色調
のいずれにも優れたオキシメチレン共重合体を簡便に製
造することが可能なオキシメチレン共重合体の安定化方
法及びこの用途に適する安定化剤を開発すべく鋭意研究
を行った結果、驚くべきことに、熱処理を特定の第4級
アンモニウム化合物の存在下で行うことにより、オキシ
メチレン共重合体の熱的に不安定な末端部の飛躍的な安
定化が実現でき、しかも上記した従来の安定化方法に伴
なう種々の問題を解消できることを知見した。本発明
は、この新しい知見に基づいてなされたものである。
従って、本発明の1つの目的は、不安定な末端部が非
常に少なく、熱安定性及び色調のいずれにも優れたオキ
シメチレン共重合体を、短時間でかつ簡便に製造するこ
とを可能にするオキシメチレン共重合体の安定化方法を
提供することにある。
本発明の他の1つの目的は、上記熱処理に用いると上
記不安定末端部の分解速度を飛躍的に向上させ、オキシ
メチレン共重合体の安定化を促進することを可能にする
安定化剤を提供することにある。
本発明の上記及びその他の目的、諸特徴並びに諸利益
は、以下の詳細な説明及び請求の範囲の記載から明らか
になる。
発明の詳細な説明 本発明の基本的な態様によれば、 熱的に不安定な末端部を有するオキシメチレン共重合
体を、下記一般式(1)で表される少なくとも一種の第
4級アンモニウム化合物の存在下に熱処理することを含
むことを特徴とする熱的に不安定な末端部を有するオキ
シメチレン共重合体の安定化方法が提供される。
[R1R2R3R4N+nX-n (1) (式中、R1、R2、R3、R4は、各々独立して、炭素数1〜
30の非置換アルキル基または置換アルキル基;炭素数6
〜20のアリール基;炭素数1〜30の非置換アルキル基ま
たは置換アルキル基が少なくとも1個の炭素数6〜20の
アリール基で置換されたアラルキル基;又は炭素数6〜
20のアリール基が少なくとも1個の炭素数1〜30の非置
換アルキル基または置換アルキル基で置換されたアルキ
ルアリール基を表わし、非置換アルキル基または置換ア
ルキル基は直鎖状、分岐状、または環状である。上記置
換アルキル基の置換基は、ハロゲン、水酸基、アルデヒ
ド基、カルボキシル基、アミノ基、又はアミド基であ
る。また、上記非置換アルキル基、アリール基、アラル
キル基、アルキルアリール基は水素原子がハロゲンで置
換されていてもよい。nは1〜3の整数を表わす。Xは
水酸基、又は炭素数1〜20のカルボン酸、水素酸、オキ
ソ酸、無機チオ酸もしくは炭素数1〜20の有機チオ酸の
酸残基を表わす。) 次に、本発明の理解を容易にするために、まず、本発
明の基本的特徴及び諸態様を列挙する。
1.熱的に不安定な末端部を有するオキシメチレン共重合
体を、下記一般式(1)で表される少なくとも一種の第
4級アンモニウム化合物の存在下に熱処理することを含
むことを特徴とする熱的に不安定な末端部を有するオキ
シメチレン共重合体の安定化方法。
[R1R2R3R4N+nX-n (1) (式中、R1、R2、R3、R4は、各々独立して、炭素数1〜
30の非置換アルキル基または置換アルキル基;炭素数6
〜20のアリール基;炭素数1〜30の非置換アルキル基ま
たは置換アルキル基が少なくとも1個の炭素数6〜20の
アリール基で置換されたアラルキル基;又は炭素数6〜
20のアリール基が少なくとも1個の炭素数1〜30の非置
換アルキル基または置換アルキル基で置換されたアルキ
ルアリール基を表わし、非置換アルキル基または置換ア
ルキル基は直鎖状、分岐状、または環状である。上記置
換アルキル基の置換基は、ハロゲン、水酸基、アルデヒ
ド基、カルボキシル基、アミノ基、又はアミド基であ
る。また、上記非置換アルキル基、アリール基、アラル
キル基、アルキルアリール基は水素原子がハロゲンで置
換されていてもよい。nは1〜3の整数を表わす。Xは
水酸基、又は炭素数1〜20のカルボン酸、水素酸、オキ
ソ酸、無機チオ酸もしくは炭素数1〜20の有機チオ酸の
酸残基を表わす。) 2.オキシメチレン共重合体の前記熱処理を、オキシメチ
レン共重合体の融点以上であって260℃以下である温度
で、オキシメチレン共重合体を溶融させた状態で行うこ
とを特徴とする前項1に記載のオキシメチレン共重合体
の安定化方法。
3.前記オキシメチレン共重合体を溶融させる前に、前記
第4級アンモニウム化合物をオキシメチレン共重合体に
予め添加しておくことを特徴とする前項2記載のオキシ
メチレン共重合体の安定化方法。
4.前記オキシメチレン共重合体を溶融させた後に、前記
第4級アンモニウム化合物を、溶融させたオキシメチレ
ン共重合体に添加することを特徴とする前項2記載のオ
キシメチレン共重合体の安定化方法。
5.前記第4級アンモニウム化合物を、オキシメチレン共
重合体及び第4級アンモニウム化合物の合計重量に対す
る、下記式(2)で表される第4級アンモニウム化合物
由来の窒素の量に換算して、0.05〜50重量ppm用いるこ
とを特徴とする前項2から4のいずれかに記載のオキシ
メチレン共重合体の安定化方法。
P×14/Q (2) (式中、Pは第4級アンモニウム化合物のオキシメチレ
ン共重合体及び第4級アンモニウム化合物の合計重量に
対する量(重量ppm)を表し、14は窒素の原子量であ
り、Qは第4級アンモニウム化合物の分子量を表す。) 6.前記第4級アンモニウム化合物を、水及び第4級アン
モニウム化合物を溶解し得る有機溶剤からなる群から選
ばれる少なくとも一つの溶媒に第4級アンモニウム化合
物を溶解させた溶液の状態で用いることを特徴とする前
項2〜5のいずれかに記載のオキシメチレン共重合体の
安定化方法。
7.オキシメチレン共重合体の前記熱処理を、80℃以上で
あってオキシメチレン共重合体の融点未満である温度
で、オキシメチレン共重合体を溶解しない媒体中に第4
級アンモニウム化合物を溶解させた溶液中にオキシメチ
レン共重合体を投入し、オキシメチレン共重合体が溶融
していないスラリーの状態で行うことを特徴とする前項
1に記載のオキシメチレン共重合体の安定化方法。
8.前記溶液中における第4級アンモニウム化合物の濃度
が、下記式(2′)で表わされる第4級アンモニウム化
合物由来の窒素濃度に換算して、0.05〜500重量ppmであ
ることを特徴とする前項7に記載のオキシメチレン共重
合体の安定化方法。
P′×14/Q (2′) (式中、P′は第4級アンモニウム化合物の前記溶液中
の濃度(重量ppm)を表わし、14は窒素の原子量であ
り、Qは第4級アンモニウム化合物の分子量を表わ
す。) 9.前記オキシメチレン共重合体が、ホルムアルデヒド又
は環状アセタールを、環状エーテル及び環状ホルマール
よりなる群から選ばれる少なくとも一種と、重合触媒の
存在下に共重合することにより得られたものであること
を特徴とする前項1〜8のいずれかに記載のオキシメチ
レン共重合体の安定化方法。
10.前記環状アセタールがトリオキサンであり、且つ前
記環状ホルマールが1,3−ジオキソランであることを特
徴とする前項9に記載のオキシメチレン共重合体の安定
化方法。
11.前記重合触媒が、カチオン活性重合触媒であること
を特徴とする前項9又は10に記載のオキシメチレン共重
合体の安定化方法。
12.オキシメチレン共重合体の前記熱処理を、重合触媒
を失活させた後に行うことを特徴とする前項9〜11に記
載のオキシメチレン共重合体の安定化方法。
13.オキシメチレン共重合体の前記熱処理を、重合触媒
を失活させずに行うことを特徴とする前項9〜11に記載
のオキシメチレン共重合体の安定化方法。
14.前記一般式(1)におけるXが、カルボン酸の酸残
基であることを特徴とする前項1〜13のいずれかに記載
のオキシメチレン共重合体の安定化方法。
15.前記カルボン酸が、蟻酸、酢酸及びプロピオン酸か
らなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴
とする前項14に記載のオキシメチレン共重合体の安定化
方法。
16.前記一般式(1)におけるR1、R2、R3及びR4が、各
々独立して、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数2
〜4のヒドロキシアルキル基であることを特徴とする前
項1〜15のいずれかに記載のオキシメチレン共重合体の
安定化方法。
17.前記一般式(1)におけるR1、R2、R3及びR4の少な
くとも1つが、ヒドロキシエチル基であることを特徴と
する前項16に記載のオキシメチレン共重合体の安定化方
法。
18.熱的に不安定な末端部を有するオキシメチレン共重
合体の安定化に用いる安定化剤であって、下記一般式
(1)で表される少なくとも一種の第4級アンモニウム
化合物を主成分として含有することを特徴とする安定化
剤。
[R1R2R3R4N+nX-n (1) (式中、R1、R2、R3、R4は、各々独立して、炭素数1〜
30の非置換アルキル基または置換アルキル基;炭素数6
〜20のアリール基;炭素数1〜30の非置換アルキル基ま
たは置換アルキル基が少なくとも1個の炭素数6〜20の
アリール基で置換されたアラルキル基;又は炭素数6〜
20のアリール基が少なくとも1個の炭素数1〜30の非置
換アルキル基または置換アルキル基で置換されたアルキ
ルアリール基を表わし、非置換アルキル基または置換ア
ルキル基は直鎖状、分岐状、または環状である。上記置
換アルキル基の置換基は、ハロゲン、水酸基、アルデヒ
ド基、、カルボキシル基、アミノ基、又はアミド基であ
る。また、上記非置換アルキル基、アリール基、アラル
キル基、アルキルアリール基は水素原子がハロゲンで置
換されていてもよい。nは1〜3の整数を表わす。Xは
水酸基、又は炭素数1〜20のカルボン酸、水素酸、オキ
ソ酸、無機チオ酸もしくは炭素数1〜20の有機チオ酸の
酸残基を表わす。) 19.前記一般式(1)におけるXが、カルボン酸の酸残
基であることを特徴とする前項18に記載の安定化剤。
20.前記カルボン酸が、蟻酸、酢酸及びプロピオン酸か
らなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴
とする前項19に記載の安定化剤。
21.前記一般式(1)におけるR1、R2、R3及びR4が各々
独立して、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数2〜
4のヒドロキシアルキル基であることを特徴とする前項
18〜20のいずれかに記載の安定化剤。
22.前記一般式(1)におけるR1、R2、R3及びR4の少な
くとも1つが、ヒドロキシエチル基であることを特徴と
する前項21に記載の安定化剤。
本発明において、加熱に対して不安定な末端部を有す
るオキシメチレン共重合体とは、後に詳述するように、
オキシメチレン共重合体の一部の分子末端に、−(OC
H2−OH基を持ち、加熱等により容易に分解し、ホル
ムアルデヒドを発生するオキシメチレン共重合体をい
う。ここで、nは正の整数である。
従来から、このような不安定な末端部の分解を促進さ
せるために、アンモニア;トリエチルアミン、トリ−n
−ブチルアミン、トリエタノールアミン等の脂肪族アミ
ン;アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化
物、無機弱酸塩または有機酸塩等の存在下に不安定末端
部の分解を行うことは公知である。しかしながら、第4
級アンモニウム化合物の存在下に不安定末端部の分解を
行うことはこれまで全く知られておらず、斯かる化合物
の存在により不安定な末端部の分解速度が飛躍的に向上
することは驚くべきことである。また、従来から知られ
ている上記のような不安定な末端部の分解促進物質は、
分解速度を上げるために多量に用いるとオキシメチレン
共重合体の着色を生じる場合があり、添加量を増加する
ことによる不安定末端部の分解には限界があった。しか
し、本発明に用いられる第4級アンモニウム化合物の場
合には極微量の添加で飛躍的に分解速度が向上するた
め、オキシメチレン共重合体の着色やオキシメチレン共
重合体中に残留した場合の影響について全く配慮する必
要がない。本発明の安定化方法によれば不安定な末端部
が殆ど残っておらず、かつ色調にも優れたオキシメチレ
ン共重合体を短時間で簡便に製造することができる。
まず、本発明の安定化方法に用いられるオキシメチレ
ン共重合体について説明する。
本発明に用いられるオキシメチレン共重合体として
は、特に制限はなく、公知の方法で重合して得られるオ
キシメチレン共重合体のいずれであっても良い。例え
ば、ホルムアルデヒド、又はその環状三量体であるトリ
オキサン等の環状アセタールと、これと共重合しうる公
知のコモノマー、例えば、環状エーテルや環状ホルマー
ルとを公知の重合触媒を用いて共重合して得られる、主
鎖中に二つ以上の連結炭素原子を有する共重合体を挙げ
ることができる。また、モノ−あるいはジ−グリシジル
化合物等を含む多成分系モノマーを共重合して得られる
多元共重合体や、分子に分岐又は架橋構造を有する共重
合体も本発明の方法に用いられるオキシメチレン共重合
体に含まれる。また、オキシメチレン単独重合体にコモ
ノマーを導入して得た共重合体にも本発明の安定化方法
は適用可能である。
重合方法としては、特に制限はないが、例えば、塊状
重合を挙げることができ、この塊状重合はバッチ式、連
続式のいずれであってもよい。この塊状重合は、溶融状
態にあるモノマーを用い、重合の進行とともに固体塊状
のポリマーを得る方法が一般的である。
好ましいコモノマーの例の1つとしては、下記式
(3) 〔但し、式中、R5からR8は、それぞれ独立して、水素
原子、非置換または1〜3個のハロゲン原子で置換され
たC1〜C5アルキル基を示し、各R9は、それぞれ独立し
て、非置換のメチレン基、1〜2個のC1〜C5アルキル基
もしくは1〜2個のハロゲン原子で置換されているメチ
レン基又はオキシメチレン基(この場合、pは0から3
の整数を表わす)、または、下記式(4)もしくは下記
式(5)で表わされる2価の基を表わす(この場合、式
(3)のpは1を表わし、式(4)及び式(5)のqは
1から4の整数を表わす)。〕 −(CH2−O−CH2− (4) −(OCH2CH2−O−CH2− (5) で表わされるものを挙げることができる。
前記式(3)で示されるコモノマーの代表例として
は、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキセパン、1,4
−ブタンジオールホルマール、エピクロルヒドリン、ジ
グリコールホルマール等が挙げられる。本発明に用いら
れる粗オキシメチレン共重合体の製造において好ましい
コモノマーは1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキセパ
ン、1,4−ブタンジオールホルマール等の環状ホルマー
ルである。特に好ましくは1,3−ジオキソラン、1,4−ブ
タンジオールホルマールである。これらのコモノマーの
配合量はトリオキサンに対し0.02モル%〜15モル%が好
ましく、0.1モル%〜10モル%がさらに好ましい。
上記の重合方法における重合触媒としては、ルイス
酸、プロトン酸及びそのエステル又は無水物等のカチオ
ン活性重合触媒が好ましい。ルイス酸としては、例え
ば、ホウ酸、スズ、チタン、リン、ヒ素及びアンチモン
のハロゲン化物が挙げられ、具体的には三フッ化ホウ
素、四塩化スズ、四塩化チタン、五フッ化リン、五塩化
リン、五フッ化アンチモン及びその錯化合物又は塩が挙
げられる。また、プロトン酸、そのエステルまたは無水
物の具体例としては、パークロル酸、トリフルオロメタ
ンスルホン酸、パークロル酸−3級ブチルエステル、ア
セチルパークロラート、トリメチルオキソニウムヘキサ
フルオロホスフェート等が挙げられる。中でも、三フッ
化ホウ素;三フッ化ホウ素水和物;及び酸素原子または
硫黄原子を含む有機化合物と三フッ化ホウ素との配位錯
化合物が好ましく、具体的には、三フッ化ホウ素ジエチ
ルエーテル、三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテルを
好適例として挙げることができる。これらの重合触媒の
使用量はトリオキサンと環状エーテルの合計量1モルに
対し1×10-6モル〜1×10-3モルが好ましく、5×10-6
モル〜1×10-4モルがさらに好ましい。
次に、本発明におけるオキシメチレン共重合体に含ま
れるオキシメチレン共重合体鎖の末端基について詳細に
説明する。
本発明において、オキシメチレン共重合体を構成する
複数のオキシメチレン共重合体鎖が全体として有する末
端基は、メトキシル基(−OCH3)等のアルコキシル基、
ヒドロキシエチル基(−CH2CH2OH)等のヒドロキシアル
キル基、及びホルメート基である。
炭素数が、少なくとも1個の末端アルコキシル基は、
重合段階で添加される分子量調整剤であるホルマールに
より形成される。例えば、一般的にはメチラール[(CH
3O)2CH2]を分子量調整剤として用いるが、この場合は
末端基としてメトキシル基が形成される。末端アルコキ
シル基の炭素数は特に限定されないが、分子量調整剤で
あるホルマールの合成及び精製面から、炭素数1〜10で
あることが一般的であり、炭素数1〜3であることが好
ましい。
ヒドロキシエチル基やヒドロキシブチル基のような末
端ヒドロキシアルキル基は、オキシメチレン共重合体の
原料コモノマーとして用いる上記環状エーテル又は環状
ホルマールに由来し、以下のような過程で形成される。
即ち、環状エーテル又は環状ホルマールに由来するオキ
シアルキレン基がオキシメチレン単位の繰返し中に挿入
されたオキシメチレン共重合体を重合した際に、まず、
原料中の微量な水等により熱的に不安定な末端ヒドロキ
シメチル基(−CH2OH)が生成する。この末端にヒドロ
キシメチル基を有するオキシメチレン共重合体を、後処
理、例えば、トリエチルアミン水溶液のようなアルカリ
性物質水溶液の存在下で加熱処理に付すと、ヒドロキシ
メチル基を含む末端の不安定部分が分解する。この分解
が、オキシメチレン単位及びオキシアルキレン単位を含
む主鎖中を内へ向かって進行し、オキシアルキレン単位
の部位に到達すると、その部位のオキシアルキレン単位
はヒドロキシエチル基やヒドロキシブチル基等の安定末
端に変わる。ヒドロキシアルキル基の炭素数は特に限定
はなく、一般に少なくとも2個であるが、2〜10個であ
ることが環状エーテル及び環状ホルマールの合成及び精
製面から好ましい。オキシエチレン共重合体に末端基と
してヒドロキシメチル基が存在すると、成形時の加熱に
よりヒドロキシメチル基が末端から脱離し、ホルムアル
デヒドを生成する。このような不安定な末端ヒドロキシ
メチル基が多く存在すると、生成するホルムアルデヒド
が過剰になるのである。
本発明のオキシメチレン共重合体の安定化方法は、前
記の重合反応によって得られた粗オキシメチレン共重合
体中に残留している三弗化ホウ素又はその錯化合物等の
重合触媒を失活させた後に行ってもよいし、また、重合
触媒を失活させずに行ってもよい。更に、本発明の安定
化方法は、公知の安定化処理を受けたが未だ不安定な末
端部の残留しているオキシメチレン共重合体にも当然適
用可能である。
重合触媒の失活は、重合反応によって得られた粗オキ
シメチレン共重合体を、アンモニア、トリエチルアミ
ン、トリ−n−ブチルアミン等のアミン類、又はアルカ
リ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸
塩、有機酸塩等の触媒中和失活剤の少なくとも一種を含
む水溶液または有機溶剤溶液中に投入し、スラリー状態
で一般的には数分〜数時間撹拌することにより行われ
る。触媒中和失活後のスラリーは濾過、洗浄により、未
反応モノマーや触媒中和失活剤、触媒中和塩が除去され
た後、乾燥される。
また、アンモニア、トリエチルアミン等の蒸気と粗オ
キシメチレン共重合体とを接触させて重合触媒を失活さ
せる方法や、ヒンダードアミン類、トリフェニルホスフ
ィン及び水酸化カルシウム等のうちの少なくとも一種と
粗オキシメチレン共重合体とを混合機で接触させて触媒
を失活させる方法も用いることができる。
また、重合触媒の失活を行わずに、粗オキシメチレン
共重合体の融点以下の温度で、不活性ガス雰囲気下にお
いて加熱することによって、重合触媒が揮発低減された
オキシメチレン共重合体を用いて本発明の安定化方法を
行ってもよい。
以上の重合触媒の失活操作及び重合触媒の揮発低減操
作は、必要に応じて、重合反応によって得られた粗オキ
シメチレン共重合体を粉砕した後で行ってもよい。
このようにして得られた粗オキシメチレン共重合体
は、又は公知の安定化処理を施したが、未だ不安定な末
端部の残留しているオキシメチレン共重合体に、本発明
の安定化方法を適用することにより、殆ど不安定な末端
部がない非常に安定なオキシメチレン共重合体を得るこ
とができる。本発明のオキシメチレン共重合体の安定化
方法に用いられる第4級アンモニウム化合物は、前記一
般式(1)で表わされるものであれば特に制限はない。
例えばテトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモ
ニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラ−n−ブ
チルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム、テ
トラデシルトリメチルアンモニウム、1,6−ヘキサメチ
レンビス(トリメチルアンモニウム)、デカメチレン−
ビス−(トリメチルアンモニウム)、トリメチル−3−
クロロ−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメ
チル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリエチ
ル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリプロピ
ル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリ−n−
ブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリメ
チルベンジルアンモニウム、トリエチルベンジルアンモ
ニウム、トリプロピルベンジルアンモニウム、トリ−n
−ブチルベンジルアンモニウム、トリメチルフェニルア
ンモニウム、トリエチルフェニルアンモニウム、トリメ
チル−2−オキシエチルアンモニウム、モノメチルトリ
ヒドロキシエチルアンモニウム、モノエチルトリヒドロ
キシエチルアンモニウム、オクタデシルトリ(2−ヒド
ロキシエチル)アンモニウム、テトラキス(ヒドロキシ
エチル)アンモニウム等の、水酸化物;塩酸、臭酸、フ
ッ酸などの水素酸塩;硫酸、硝酸燐酸、炭酸、硼酸、塩
素酸、よう素酸、珪酸、過塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素
酸、クロロ硫酸、アミド硫酸、二硫酸、トリポリ燐酸な
どのオキソ酸塩;チオ硫酸などのチオ酸塩;蟻酸、酢
酸、プロピオン酸、ブタン酸、イソ酪酸、ペンタン酸、
カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、安息香酸、シュ
ウ酸などのカルボン酸塩等が挙げられる。これらのう
ち、水酸化物は強アルカリであり取り扱いに注意するこ
とが必要であるため、塩の形で使用することが好まし
く、特にカルボン酸塩が好ましい。
本発明の安定化方法においては、これらの第4級アン
モニウム化合物を各々単独で、又は、2種類以上を組み
合わせて用いてもよい。
本発明のオキシメチレン共重合体の安定化方法は、従
来から公知の装置や操作方法を適宜用いて行うことがで
きる。また、従来から公知のアンモニアやトリエチルア
ミン等のアミン類等の第4級アンモニウム化合物とを併
用してもよい。
以下、本発明の安定化方法を、具体例を挙げて説明す
る。
本発明の安定化方法においては、2つの代表的な熱処
理を挙げることができる。その1つは、第4級アンモニ
ウム化合物の存在下、粗オキシメチレン共重合体を溶融
させた状態で、不安定な末端部を分解除去するものであ
り、他の1つは、第4級アンモニウム化合物の存在下、
粗オキシメチレン共重合体が溶融していないスラリー状
態で行うものである。
初めに、粗オキシメチレン共重合体を溶融させた状態
で行う場合の熱処理について説明する。
粗オキシメチレン共重合体の溶融は、例えばベント付
単軸スクリュー式押出機、ベント付2軸スクリュー式押
出機等によって行われる。不安定な末端部の分解はオキ
シメチレン共重合体の融点以上であって260℃以下であ
る温度で行うことが好ましい。260℃を超えると、着色
の問題、及びポリマー主鎖の分解(低分子量化)の問題
が生ずる恐れがある。
この場合、粗オキシメチレン共重合体を溶融する前
に、第4級アンモニウム化合物を粗オキシメチレン共重
合体にあらかじめ添加してもよいし、また粗オキシメチ
レン共重合体を溶融させた後に、第4級アンモニウム化
合物を、溶融させた粗オキシメチレン共重合体に添加し
てもよい。
第4級アンモニウム化合物の使用量としては、オキシ
メチレン共重合体及び第4級アンモニウム化合物の合計
重量に対する、下記式(2)で表わされる第4級アンモ
ニウム化合物由来の窒素の量に換算して、好ましくは0.
05〜50重量ppmである。
P×14/Q (2) (式中、Pは第4級アンモニウム化合物のオキシメチレ
ン共重合体及び第4級アンモニウム化合物の合計重量に
対する量(重量ppm)を表し、14は窒素の原子量であ
り、Qは第4級アンモニウム化合物の分子量を表す。) 第4級アンモニウム化合物の使用量が0.05重量ppm未
満であると不安定な末端部の分解速度が低下する。ま
た、50重量ppmを超えると安定化後のオキシメチレン共
重合体の色調が悪化する。
ここで、第4級アンモニウム化合物の使用量を窒素の
量に換算したもので表現したのは、換算しないで表現す
ると第4級アンモニウム化合物の分子量によってオキシ
メチレン共重合体に対するモル数が変わってしまうこと
を回避するためである。
溶融前の粗オキシメチレン共重合体に第4級アンモニ
ウム化合物をあらかじめ添加する方法としては、例え
ば、水及び第4級アンモニウム化合物を溶解し得る有機
溶剤からなる群から選ばれる少なくとも一つの溶媒、具
体的には、水、低級脂肪族アルコール等(例えばメタノ
ール)に、第4級アンモニウム化合物を溶解させた溶液
を、粗オキシメチレン共重合体に対して0.1〜5重量%
添加した後に混合することを挙げることができる。この
場合、この場合は、水平円筒型、V型、リボン型、パド
ル型、高速流動型等の一般的な固体混合機を用いて行っ
てもよいし、また第4級アンモニウム化合物を含有した
溶液を、オキシメチレン共重合体を押出機へ供給するシ
ュート部分に直接添加するか、又は押出機の供給口から
オキシメチレン共重合体が溶融されるまでの間に押出機
本体に直接添加してもよい。
また、溶融前の粗オキシメチレン共重合体に第4級ア
ンモニウム化合物をあらかじめ添加する他の方法として
は、例えば、第4級アンモニウム化合物と、水及び前記
有機溶剤(例えばメタノール等の低級脂肪族アルコー
ル)からなる群から選ばれる少なくとも一種の溶媒と溶
液中に、粗オキシメチレン共重合体を投入してスラリー
とし、このスラリーを濾過、乾燥することにより第4級
アンモニウム化合物を、溶融前のオキシメチレン共重合
体に残留させるといった方法を挙げることができる。こ
の場合、溶液に用いられる溶媒は、粗オキシメチレン共
重合体を溶解しないものが好ましい。このような溶媒を
用いることによって、濾過、乾燥等の後処理を容易に行
うことが可能となる。
粗オキシメチレン共重合体及び第4級アンモニウム化
合物の合計重量に対する第4級アンモニムウ化合物の使
用量は、前記溶液中の第4級アンモニウム化合物の濃度
及び濾過した後のオキシメチレン共重合体の含液率を制
御することによって特定の使用量となるよう制御でき
る。以上の方法により、所定量の第4級アンモニウム化
合物が添加された粗オキシメチレン共重合体は、そのま
まで、又は必要に応じて乾燥された後、押出機等で溶融
され、熱処理に供される。溶融時には、従来から公知の
分解促進剤であるアミン類等、水及びメタノール等のう
ちの少なくとも1種を添加して安定化してもよいし、ま
た、他にも何も添加せずに熱処理に供してもよい。アミ
ン類等、水、メタノール等の従来から用いられている分
解促進剤の添加量は、オキシメチレン共重合体100重量
部に対して0.1〜5重量部添加することが好ましい。ま
た、必要に応じて、第4級アンモニウム化合物を更に添
加してもよい。これらの、アミン類、水、メタノール、
第4級アンモニウム化合物等の分解促進剤は、各々単独
で、又は2種以上を組み合わせて添加することができ
る。
一方、粗オキシメチレン共重合体を溶融させた後に、
第4級アンモニウム化合物を溶融状態の粗オキシメチレ
ン共重合体に添加する方法としては、水及び第4級アン
モニウム化合物を溶解し得る有機溶剤からなる群から選
ばれる少なくとも一つの溶媒、具体的には、水、低級脂
肪族アルコール等(例えばメタノール)、に第4級アン
モニウム化合物を溶解させた溶液を添加すること、ま
た、第4級アンモニウム化合物と、水及び第4級アンモ
ニウム化合物を溶解し得る有機溶剤からなる群から選ば
れる少なくとも一つの溶媒とを、各々別々に、押出機等
で溶融したオキシメチレン共重合体に添加することを挙
げることができる。水やメタノール等の有機溶剤の添加
量は粗オキシメチレン共重合体100重量部に対して0.1〜
5重量部添加することが好ましい。また、第4級アンモ
ニウム化合物に加えて、従来から公知のアミン類等を添
加してもよい。本発明のオキシメチレン共重合体の安定
化方法では、不安定な末端部の分解速度が非常に速いた
め、一回のみの短時間の処理で不安定な末端部の殆どな
い安定なオキシメチレン共重合体を得ることができる。
次に、粗オキシメチレン共重合体が溶融していない、
スラリー状態で行う場合の熱処理について説明する。
例えば、オキシメチレン共重合体を溶解しない媒体中
に第4級アンモニウム化合物を溶解させた溶液中に、オ
キシメチレン共重合体を投入し、オキシメチレン共重合
体が溶融していないスラリーの状態で加熱処理すること
により不安定な部分を分解するプロセスを挙げることが
できる。
この場合、溶液に用いられる溶媒として粗オキシメチ
レン共重合体を溶解しないものを用いるのは、前述のよ
うに、このような溶媒を用いることによって、濾過、乾
燥等の後処理を容易に行うことが可能となるからであ
る。
オキシメチレン共重合体を溶解しない媒体としては、
例えば水や、メタノールを10〜30重量%程度含有してい
る水溶液等を挙げられる。
加熱処理は、80℃以上であってオキシメチレン共重合
体の融点未満である温度で行うことが好ましい。
また、スラリー中のオキシメチレン共重合体の濃度
(スラリー濃度)は、通常5〜50重量%が選ばれる。ス
ラリー濃度が5重量%未満であると、多量のオキシメチ
レン共重合体を溶解しない媒体が必要となり装置が大型
化する。また、スラリー濃度が50重量%を超えると、攪
拌混合が不十分になりオキシメチレン共重合体が沈降し
スラリーが二相分離するという問題が発生する。
オキシメチレン共重合体を溶解しない媒体中に第4級
アンモニウム化合物を溶解させた溶液中における第4級
アンモニウム化合物の濃度は下記式(2′)で表わされ
る第4級アンモニウム化合物由来の窒素濃度に換算し
て、好ましくは0.05〜500重量ppm、より好ましくは1〜
300重量ppmである。
P′×14/Q (2′) (式中、P′は第4級アンモニウム化合物の前記溶液中
の濃度(重量ppm)を表わし、14は窒素の原子量であ
り、Qは第4級アンモニウム化合物の分子量を表す。) 第4級アンモニウム化合物の濃度が0.05重量ppm未満
であると、不安定な末端部の分解速度が低下する。ま
た、500重量ppmを超えると、安定化後のオキシメチレン
共重合体の色調が悪化する。ここで、第4級アンモニウ
ム化合物の濃度を窒素濃度に換算したもので表現したの
は、前記と同様に第4級アンモニウム化合物の分子量に
依存することを回避するためである。また、従来から用
いられているアミン類等を併用してもよい。
以上説明した本発明のオキシメチレン共重合体の安定
化方法は、不安定な末端部の分解速度が低温処理の条件
下であっても非常に速いため、短時間に、不安定な末端
部が非常に少ない、熱安定性及び色調のいずれにも優れ
たオキシメチレン共重合体を得ることができる。ここ
で、短時間とは、オキシメチレン共重合体を溶融させて
安定化する場合、10分以下程度、溶融させずに安定化す
る場合1時間以下程度を意味する。
粗オキシメチレン共重合体を溶融させずにスラリー状
態で安定化する場合は、不安定な末端部が殆ど分解除去
されたオキシメチレン共重合体は、後処理として、濾
過、洗浄により、その末端部から分解によって発生した
ホルムアルデヒド、未反応のモノマー、用いた第4級ア
ンモニウム化合物等を除去した後、乾燥される。溶融状
態で安定化する場合は、不安定な末端部が殆ど分解除去
されたオキシメチレン共重合体は、前述のホルムアルデ
ヒド、未反応モノマー、第4級アンモニウム化合物等を
ベントより減圧下で除去した後、ペレタイズされる。得
られた安定なオキシメチレン共重合体は、必要に応じて
酸化防止剤、ホルムアルデヒド捕捉剤、蟻酸捕捉剤、紫
外線吸収剤、光安定剤、離型剤、補強材、導電材、熱可
塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、顔料等の配合剤の一
種以上と押出機等で混合された後実用に供される。配合
剤の配合時期については特に制限はなく、その種類によ
って、例えば、不安定な末端部が分解除去される前の粗
オキシメチレン共重合体にあらかじめ添加しておいても
よく、また、不安定な末端部が分解除去されたオキシメ
チレン共重合体に添加してもよい。
本発明の他の態様によれば、熱的に不安定な末端部を
有するオキシメチレン共重合体の安定化に用いる安定化
剤であって、下記一般式(1)で表される少なくとも一
種の第4級アンモニウム化合物を主成分として含有する
ことを特徴とする安定化剤が提供される。
[R1R2R3R4N+nX-n (1) (式中、R1、R2、R3、R4は、各々独立して、炭素数1〜
30の非置換アルキル基または置換アルキル基;炭素数6
〜20のアリール基;炭素数1〜30の非置換アルキル基ま
たは置換アルキル基が少なくとも1個の炭素数6〜20の
アリール基で置換されたアラルキル基;又は炭素数6〜
20のアリール基が少なくとも1個の炭素数1〜30の非置
換アルキル基または置換アルキル基で置換されたアルキ
ルアリール基を表わし、非置換アルキル基または置換ア
ルキル基は直鎖状、分岐状、または環状である。上記置
換アルキル基の置換基は、ハロゲン、水酸基、アルデヒ
ド基、カルボキシル基、アミノ基、又はアミド基であ
る。また、上記非置換アルキル基、アリール基、アラル
キル基、アルキルアリール基は水素原子がハロゲンで置
換されていてもよい。nは1〜3の整数を表わす。Xは
水酸基、又は炭素数1〜20のカルボン酸、水素酸、オキ
ソ酸、無機チオ酸もしくは炭素数1〜20の有機チオ酸の
酸残基を表わす。) 本発明の安定化剤において、次の態様が好ましく用い
られる。
(1)前記一般式(1)におけるXが、カルボン酸の酸
残基である安定化剤。
(2)前記カルボン酸が、蟻酸、酢酸及びプロピオン酸
からなる群から選ばれる少なくとも一種である安定化
剤。
(3)前記一般式(1)におけるR1、R2、R3及びR4が、
各々独立して、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数
2〜4のヒドロキシアルキル基である安定化剤。
(4)前記一般式(1)におけるR1、R2、R3及びR4の少
なくとも1つが、ヒドロキシエチル基である安定化剤。
この安定化剤は、主成分として前記第4級アンモニム
化合物を、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは
70重量%以上、最も好ましくは90重量%以上含有してい
ることが好ましい。
また、この安定化剤の形態は、特に制限はなく、粉
状、粒状、液状のいずれであってもよい。
また、その使用方法についても特に制限はないが、例
えば、上述の二つの熱処理方法において好適に用いるこ
とができる。すなわち、粗オキシメチレン共重合体を溶
融させた状態で本発明の安定化剤を用い、不安定な末端
部を分解除去する方法、及び粗オキシメチレン共重合体
が溶融していないスラリーの状態で本発明の安定化剤を
用いる方法を好適な例として挙げることができる。
発明を実施するための最良の形態 以下実施例及び比較例によって、本発明をより具体的
に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定される
ものではない。
実施例及び比較例中の用語、及び測定法は以下のとお
りである。
<不安定末端部の量(ppm)> 窒素気流下において、200℃、50分間にオキシメチレ
ン共重合体から発生するホルムアルデヒドを水に吸収し
た後滴定し測定した。この条件下においては、発生する
ホルムアルデヒドの殆どはオキシメチレン共重合体の不
安定な末端部(−(OCH2−OH基)からの分解によ
る。
<ペレット色調> 日本電色工業製のカラーマシンND−K5型でペレットの
明度(L値)と黄度(bL値)を測定した。L値は値が大
きいほど、また、bL値は値が小さいほどペレット色調に
優れる。
<%、ppm> 特に断らない限りすべて重量基準である。
[粗オキシメチレン共重合体(A)、(B)の製造] 熱媒を通すことができるジャケット付きの2軸パドル
型連続混合機を80℃に調整し、12kg/Hrのトリオキサン
と、コモノマーとして1,3−ジオキソラン444g/Hr(トリ
オキサン1モルに対して0.045モル)と、分子量調節剤
としてメチラール7.1g/Hr(トリオキサン1モルに対し
て0.7×10-3モル)とを連続的に添加した。さらに、重
合触媒として、三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテラ
ートが、トリオキサン1モルに対して1.5×10-5モルに
なるように、三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテラー
ト1重量%のシクロヘキサン溶液39.6g/Hrを連続的に添
加し重合を行った。混合機から排出されたオキシメチレ
ン共重合体(このオキシメチレン共重合体を粗オキシメ
チレン共重合体(A)とする)を得た。この粗オキシメ
チレン共重合体(A)をトリエチルアミンの0.1%水溶
液中に投入し混合触媒の失活を行った。失活されたオキ
シメチレン共重合体を濾過、洗浄後120℃で乾燥し粗オ
キシメチレン共重合体(B)を得た。粗オキシメチレン
共重合体(B)中の不安定部の量は5,300ppmであった。
[粗オキシメチレン共重合体(C)の製造] 熱媒を通すことができるジャケット付きの2軸パドル
型連続混合機を80℃に調整し、12kg/Hrのトリオキサン
と、コモノマーとしてエチレンオキサイド264g/Hr(ト
リオキサン1モルに対して0.045モル)と、分子量調節
剤としてメチラール7.1g/Hr(トリオキサン1モルに対
して0.7×10-3モル)とを連続的に添加した。さらに、
重合触媒として、三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテ
ラートがトリオキサン1モルに対して4.5×10-5モルに
なるように、三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテラー
ト1重量%のシクロヘキサン溶液118.8g/Hrを連続的に
添加し重合を行った。混合機から排出されたオキシメチ
レン共重合体をトリエチルアミンの0.1%水溶液中に投
入し重合触媒の失活を行った。失活されたオキシメチレ
ン共重合体を濾過、洗浄後120℃で乾燥し粗オキシメチ
レン共重合体(C)を得た。粗オキシメチレン共重合体
(C)中の不安定末端部の量は8,100ppmであった。
実施例1〜25 粗オキシメチレン共重合体(A)をトリエチルアミン
の0.1%水溶液中に投入し重合触媒の失活を行った。失
活されたオキシメチレン共重合体を濾過、洗浄し、濾
過、洗浄後のオキシメチレン共重合体100重量部に対し
て第4級アンモニウム化合物を含有した水溶液を1重量
部添加し、均一に混合した後120℃で乾燥した。乾燥後
の粗オキシメチレン共重合体中の不安定末端部の量は
5、000ppmであった。得られた第4級アンモニウム化合
物を含有した粗オキシメチレン共重合体100重量部に対
して、酸化防止剤として2,2′−メチレンビス−(4−
メチル−t−ブチルフェノール)を0.3重量部添加し、
ベント付き2軸スクリュー式押出機に供給した。押出機
中の溶融しているオキシメチレン共重合体に必要に応じ
て水及び/又はトリエチルアミンを添加し、押出機の設
定温度200℃、押出機における滞留時間5分で不安定末
端部の分解を行った。不安定末端部の分解されたオキシ
メチレン共重合体はベント真空度20Torrの条件下に脱揮
され、押出機ダイス部よりストランドとして押出されペ
レタイズされた。用いた第4級アンモニウム化合物の種
類並びにオキシメチレン共重合体及び第4級アンモニウ
ム化合物の合計重量に対する使用量(窒素の量に換算し
て示している)、押出機に添加した粗オキシメチレン共
重合体100重量部に対する水、トリエチルアミンの添加
量、得られたペレットの不安定末端部の量及び色調を表
1にまとめて示す。
実施例26〜50 粗オキシメチレン共重合体(A)100重量部に対し
て、第4級アンモニウム化合物を含有した水溶液又は第
4級アンモニウム化合物を含有した0.1%トリエチルア
ミン水溶液を1重量部添加し、均一に混合した後120℃
で乾燥した。乾燥後の粗オキシメチレン共重合体中の不
安定末端部の量は5,200ppmであった。得られた第4級ア
ンモニウム化合物を含有した粗オキシメチレン共重合体
100重量部に対して、酸化防止剤として2,2′−メチレン
ビス−(4−メチル−t−ブチルフェノール)を0.3重
量部添加し、ベント付き2軸スクリュー式押出機に提供
した。押出機中の溶融しているオキシメチレン共重合体
に必要に応じて水及び/又はトリエチルアミンを添加
し、押出機の設定温度200℃、押出機における滞留時間
5分で不安定末端部の分解を行った。不安定末端部の分
解されたオキシメチレン共重合体はベント真空度20Torr
の条件下に脱揮され、押出機ダイス部よりストランドと
して押出されペレタイズされた。用いた第4級アンモニ
ウム化合物の種類並びにオキシメチレン共重合体及び第
4級アンモニウム化合物の合計重量に対する使用量(窒
素の量に換算して示している)、押出機に添加した粗オ
キシメチレン共重合体100重量部に対する水、トリエチ
ルアミンの添加量、得られたペレットの不安定末端部の
量及び色調を表2にまとめて示す。
実施例51〜75 粗オキシメチレン共重合体(B)100重量部に対し
て、第4級アンモニウム化合物を含有した水溶液を1重
量部添加し、均一に混合した後、必要に応じて120℃で
乾燥した。得られた第4級アンモニウム化合物を含有し
た粗オキシメチレン共重合体100重量部に対して、酸化
防止剤として2,2′−メチレンビス−(4−メチル−t
−ブチルフェノール)を0.3重量部添加し、ベント付き
2軸スクリュー式押出機に供給した。押出機中の溶融し
ているオキシメチレン共重合体に必要に応じて水及び/
又はトリエチルアミンを添加し、押出機の設定温度200
℃、押出機における滞留時間5分で不安定末端部の分解
を行った。不安定末端部の分解されたオキシメチレン共
重合体はベント真空度20Torrの条件下に脱揮され、押出
機ダイス部よりストランドとして押出されペレタイズさ
れた。用いた第4級アンモニウム化合物の種類並びにオ
キシメチレン共重合体及び第4級アンモニウム化合物の
合計重量に対する使用量(窒素の量に換算して示してい
る)、押出機に添加した粗オキシメチレン共重合体100
重量部に対する水、トリエチルアミンの添加量、得られ
たペレットの不安定末端部の量及び色調を表3にまとめ
て示す。
実施例76〜100 粗オキシメチレン共重合体(B)100重量部に対して
酸化防止剤として2,2′−メチレンビス−(4−メチル
−t−ブチルフェノール)を0.3重量部添加し、ベント
付2軸スクリュー式押出機に供給した。第4級アンモニ
ウム化合物は押出機中の溶融しているオキシメチレン共
重合体100重量部に対して水3重量部とともに添加し、
押出機の設定温度200℃、押出機における滞留時間5分
で不安定末端部の分解を行った。不安定末端部の分解さ
れたオキシメチレン共重合体はベント真空度20Torrの条
件下に脱揮され、押出機ダイス部よりストランドとして
押出されるペレタイズされた。用いた第4級アンモニウ
ム化合物の種類並びにオキシメチレン共重合体及び第4
級アンモニウム化合物の合計重量に対する使用量(窒素
の量に換算して示している)、得られたペレットの不安
定末端部の量及び色調を第4にまとめて示す。
実施例101〜114 粗オキソメチレン共重合体(B)を第4級アンモニウ
ム化合物を含有した粗オキシメチレン共重合体の3重量
の水/メタノール=80/20(重量比)の混合溶液に投入
し、120℃で30分間加圧下で加熱することにより粗オキ
シメチレン共重合体の不安定末端部を分解した。このス
ラリーを水洗濾過し得られたオキシメチレン共重合体を
120℃で乾燥した。得られた安定化されたオキシメチレ
ン共重合体100重量部に対して酸化防止剤として2,2′−
メチレンビス−(4−メチル−t−ブチルフェノール)
を0.3重量部添加し、単軸スクリュー式押出機に供給し
た。供給されたオキシメチレン共重合体は押出機ダイス
部よりストランドとして押出されペレタイズされた。用
いた第4級アンモニウム化合物の種類及び水/メタノー
ル=80/20の混合溶液中での第4級アンモニウム化合物
の濃度(窒素濃度に換算して示している)、得られたペ
レットの不安定末端部の量及び色調を表5にまとめて示
す。
実施例115〜130 粗オキシメチレン共重合体(A)を第4級アンモニウ
ム化合物を含有した粗オキシメチレン共重合体の3倍量
の0.1%トリエチルアミン水溶液に投入した。このスラ
リーを濾過し得られた粗オキシメチレン共重合体を120
℃で乾燥した。乾燥後の粗オキシメチレン共重合体中の
不安定部の量は5,200ppmであった。得られた第4級アン
モニウム化合物を含有した粗オキシメチレン共重合体10
0重量部に対して、酸化防止剤として2,2′−メチレンビ
ス−(4−メチル−t−ブチルフェノール)を0.3重量
部添加し、ベント付2軸スクリュー式押出機に供給し
た。押出機中の溶融しているオキシメチレン共重合体に
必要に応じて水及び/又はトリエチルアミンを添加し、
押出機の設定温度200℃、押出機における滞留時間5分
で不安定な部分の分解を行った。不安定な部分の分解さ
れたオキシメチレン共重合体はベント真空度20Torrの条
件下に脱揮され、押出機ダイス部よりストランドとして
押出されペレタイズされた。用いた第4級アンモニウム
化合物の種類及び乾燥後の粗オキシメチレン共重合体中
に残留している第4級アンモニウム化合物の量(粗オキ
シメチレン共重合体及び第4級アンモニウム化合物の合
計重量に対する第4級アンモニウム化合物の使用量)
(窒素の量に換算して示している)、押出機に添加した
粗オキシメチレン共重合体100重量部に対する水、トリ
エチルアミンの添加量、得られたペレットの不安定末端
部の量及び色調を表6にまとめて示す。
実施例131〜136 実施例51〜75において、粗オキシメチレン共重合体と
して粗オキシメチレン共重合体(B)に変えて粗オキシ
メチレン共重合体(C)を使用したこと以外は実施例51
〜75と全く同じ操作を行った。用いた第4級アンモニウ
ム化合物の種類並びにオキシメチレン共重合体及び第4
級アンモニウム化合物の合計重量に対する使用量(窒素
の量に換算して示している)、押出機に添加した粗オキ
シメチレン共重合体100重量部に対する水、トリエチル
アミンの添加量、得られたペレットの不安定末端部の量
及び色調を表7にまとめて示す。
実施例137〜142 実施例76〜100において、第4級アンモニウム化合物
が、押出機中の溶融しているオキシメチレン共重合体10
0重量部に対して水3重量部とともに添加したことに変
えて、2%トリエチルアミン水溶液とともに添加したこ
と以外は実施例76〜100と全く同じ操作を行った。用い
た第4級アンモニウム化合物の種類並びにオキシメチレ
ン共重合体及び第4級アンモニウム化合物の合計重量に
対する使用量(窒素の量に換算して示している)、得ら
れたペレットの不安定末端部の量及び色調を表8にまと
めて示す。
実施例143〜148 実施例137〜142において、粗オキシメチレン共重合と
して粗オキシメチレン共重合体(B)に変えて粗オキシ
メチレン共重合体(C)を使用したこと以外は実施例13
7〜142と全く同じ操作を行った。用いた第4級アンモニ
ウム化合物の種類並びにオキシメチレン共重合体及び第
4級アンモニウム化合物の合計重量に対する使用量(窒
素の量に換算して示している)、得られたペレットの不
安定末端部の量及び色調を表9にまとめて示す。
比較例1〜8 実施例76〜100において第4級アンモニウム化合物以
外の物質を用いたこと以外は実施例76〜100と全く同じ
操作を行った。用いた物質の種類並びにオキシメチレン
共重合体及び第4級アンモニウム化合物の合計重量に対
する使用量(窒素の量に換算したもの)、得られたペレ
ットの不安定末端部の量及び色調を表10にまとめて示
す。
比較例9〜14 実施例101〜114において第4級アンモニウム化合物以
外の物質を用いたこと以外は実施例101〜114と全く同じ
操作を行った。用いた物質の種類及び水/メタノール=
80/20の混合溶液中でのその物質の濃度(重量%及び窒
素濃度に換算したもの)、得られたペレットの不安定末
端部の量及び色調を表11にまとめて示す。
産業上の利用可能性 特定の第4級アンモニウム化合物の存在下で粗オキシ
メチレン共重合体を熱処理する本発明の安定化方法は、
極微量の第4級アンモニウム化合物を添加することで粗
オキシメチレン共重合体の不安定末端部の分解速度を飛
躍的に向上させ、オキシメチレン共重合体の安定化を促
進するため、従来の技術では得ることができなかった、
不定末端部が殆ど存在しない、熱安定性及び色調のいず
れもに優れたオキシメチレン共重合体を、粗オキシメチ
レン共重合体の短時間の処理で製造することを可能にす
るとともに、熱処理回数の低減や、装置の簡易小型化を
可能にするので、工業的に有利であり、自動車、電子機
器、電気機器等の部品の製造において、有利に用いるこ
とができる。また、本発明の安定化剤は、粗オキシメチ
レン共重合体の熱処理に用いられると、その不安定末端
部の分解速度を飛躍的に向上させ、安定化を促進するた
め、粗オキシメチレン共重合体の安定化の用途に極めて
有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−63216(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 2/00 - 2/38 C08K 5/17 C08L 59/00 - 59/04

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱的に不安定な末端部を有するオキシメチ
    レン共重合体を、下記一般式(1)で表される少なくと
    も一種の第4級アンモニウム化合物の存在下に熱処理す
    ることを含むことを特徴とする熱的に不安定な末端部を
    有するオキシメチレン共重合体の安定化方法。 [R1R2R3R4N+nX-n (1) (式中、R1、R2、R3、R4は、各々独立して、炭素数1〜
    30の非置換アルキル基または置換アルキル基;炭素数6
    〜20のアリール基;炭素数1〜30の非置換アルキル基ま
    たは置換アルキル基が少なくとも1個の炭素数6〜20の
    アリール基で置換されたアラルキル基;又は炭素数6〜
    20のアリール基が少なくとも1個の炭素数1〜30の非置
    換アルキル基または置換アルキル基で置換されたアルキ
    ルアリール基を表わし、非置換アルキル基または置換ア
    ルキル基は直鎖状、分岐状、または環状である。上記置
    換アルキル基の置換基は、ハロゲン、水酸基、アルデヒ
    ド基、カルボキシル基、アミノ基、又はアミド基であ
    る。また、上記非置換アルキル基、アリール基、アラル
    キル基、アルキルアリール基は水素原子がハロゲンで置
    換されていてもよい。nは1〜3の整数を表わす。Xは
    水酸基、又は炭素数1〜20のカルボン酸、水素酸、オキ
    ソ酸、無機チオ酸もしくは炭素数1〜20の有機チオ酸の
    酸残基を表わす。)
  2. 【請求項2】オキシメチレン共重合体の前記熱処理を、
    オキシメチレン共重合体の融点以上であって260℃以下
    である温度で、オキシメチレン共重合体を溶融させた状
    態で行うことを特徴とする請求項1に記載のオキシメチ
    レン共重合体の安定化方法。
  3. 【請求項3】前記オキシメチレン共重合体を溶融させる
    前に、前記第4級アンモニウム化合物をオキシメチレン
    共重合体に予め添加しておくことを特徴とする請求項2
    記載のオキシメチレン共重合体の安定化方法。
  4. 【請求項4】前記オキシメチレン共重合体を溶融させた
    後に、前記第4級アンモニウム化合物を、溶融させたオ
    キシメチレン共重合体に添加することを特徴とする請求
    項2記載のオキシメチレン共重合体の安定化方法。
  5. 【請求項5】前記第4級アンモニウム化合物を、オキシ
    メチレン共重合体及び第4級アンモニウム化合物の合計
    重量に対する、下記式(2)で表される第4級アンモニ
    ウム化合物由来の窒素の量に換算して、0.05〜50重量pp
    m用いることを特徴とする請求項2から4のいずれかに
    記載のオキシメチレン共重合体の安定化方法。 P×14/Q (2) (式中、Pは第4級アンモニウム化合物のオキシメチレ
    ン共重合体及び第4級アンモニウム化合物の合計重量に
    対する量(重量ppm)を表し、14は窒素の原子量であ
    り、Qは第4級アンモニウム化合物の分子量を表す。)
  6. 【請求項6】前記第4級アンモニウム化合物を、水及び
    第4級アンモニウム化合物を溶解し得る有機溶剤からな
    る群から選ばれる少なくとも一つの溶媒に第4級アンモ
    ニウム化合物を溶解させた溶液の状態で用いることを特
    徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のオキシメチレ
    ン共重合体の安定化方法。
  7. 【請求項7】オキシメチレン共重合体の前記熱処理を、
    80℃以上であってオキシメチレン共重合体の融点未満で
    ある温度で、オキシメチレン共重合体を溶解しない媒体
    中に第4級アンモニウム化合物を溶解させた溶液中にオ
    キシメチレン共重合体を投入し、オキシメチレン共重合
    体が溶融していないスラリーの状態で行うことを特徴と
    する請求項1に記載のオキシメチレン共重合体の安定化
    方法。
  8. 【請求項8】前記溶液中における第4級アンモニウム化
    合物の濃度が、下記式(2′)で表わされる第4級アン
    モニウム化合物由来の窒素濃度に換算して、0.05〜500
    重量ppmであることを特徴とする請求項7に記載のオキ
    シメチレン共重合体の安定化方法。 P′×14/Q (2′) (式中、P′は第4級アンモニウム化合物の前記溶液中
    の濃度(重量ppm)を表わし、14は窒素の原子量であ
    り、Qは第4級アンモニウム化合物の分子量を表わ
    す。)
  9. 【請求項9】前記オキシメチレン共重合体が、ホルムア
    ルデヒド又は環状アセタールを、環状エテール及び環状
    ホルマールよりなる群から選ばれる少なくとも一種と、
    重合触媒の存在下に共重合することにより得られたもの
    であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載
    のオキシメチレン共重合体の安定化方法。
  10. 【請求項10】前記環状アセタールがトリオキサンであ
    り、且つ前記環状ホルマールが1,3−ジオキソランであ
    ることを特徴とする請求項9に記載のオキシメチレン共
    重合体の安定化方法。
  11. 【請求項11】前記重合触媒が、カチオン活性重合触媒
    であることを特徴とする請求項9又は10に記載のオキシ
    メチレン共重合体の安定化方法。
  12. 【請求項12】オキシメチレン共重合体の前記熱処理
    を、重合触媒を失活させた後に行うことを特徴とする請
    求項9〜11に記載のオキシメチレン共重合体の安定化方
    法。
  13. 【請求項13】オキシメチレン共重合体の前記熱処理
    を、重合触媒を失活させずに行うことを特徴とする請求
    項9〜11に記載のオキシメチレン共重合体の安定化方
    法。
  14. 【請求項14】前記一般式(1)におけるXが、カルボ
    ン酸の酸残基であることを特徴とする請求項1〜13のい
    ずれかに記載のオキシメチレン共重合体の安定化方法。
  15. 【請求項15】前記カルボン酸が、蟻酸、酢酸及びプロ
    ピオン酸からなる群から選ばれる少なくとも一種である
    ことを特徴とする請求項14に記載のオキシメチレン共重
    合体の安定化方法。
  16. 【請求項16】前記一般式(1)におけるR1、R2、R3
    びR4が、各々独立して、炭素数1〜5のアルキル基また
    は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基であることを特
    徴とする請求項1〜15のいずれかに記載のオキシメチレ
    ン共重合体の安定化方法。
  17. 【請求項17】前記一般式(1)におけるR1、R2、R3
    びR4の少なくとも1つが、ヒドロキシエチル基であるこ
    とを特徴とする請求項16に記載のオキシメチレン共重合
    体の安定化方法。
  18. 【請求項18】熱的に不安定な末端部を有するオキシメ
    チレン共重合体の安定化に用いる安定化剤であって、下
    記一般式(1)で表される少なくとも一種の第4級アン
    モニウム化合物を主成分として含有することを特徴とす
    る安定化剤。 [R1R2R3R4N+nX-n (1) (式中、R1、R2、R3、R4は、各々独立して、炭素数1〜
    30の非置換アルキル基または置換アルキル基;炭素数6
    〜20のアリール基;炭素数1〜30の非置換アルキル基ま
    たは置換アルキル基が少なくとも1個の炭素数6〜20の
    アリール基で置換されたアラルキル基;又は炭素数6〜
    20のアリール基が少なくとも1個の炭素数1〜30の非置
    換アルキル基または置換アルキル基で置換されたアルキ
    ルアリール基を表わし、非置換アルキル基または置換ア
    ルキル基は直鎖状、分岐状、または環状である。上記置
    換アルキル基の置換基は、ハロゲン、水酸基、アルデヒ
    ド基、、カルボキシル基、アミノ基、又はアミド基であ
    る。また、上記非置換アルキル基、アリール基、アラル
    キル基、アルキルアリール基は水素原子がハロゲンで置
    換されていてもよい。nは1〜3の整数を表わす。Xは
    水酸基、又は炭素数1〜20のカルボン酸、水素酸、オキ
    ソ酸、無機チオ酸もしくは炭素数1〜20の有機チオ酸の
    酸残基を表わす。)
  19. 【請求項19】前記一般式(1)におけるXが、カルボ
    ン酸の酸残基であることを特徴とする請求項18に記載の
    安定化剤。
  20. 【請求項20】前記カルボン酸が、蟻酸、酢酸及びプロ
    ピオン酸からなる群から選ばれる少なくとも一種である
    ことを特徴とする請求項19に記載の安定化剤。
  21. 【請求項21】前記一般式(1)におけるR1、R2、R3
    びR4が、各々独立して、炭素数1〜5のアルキル基また
    は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基であることを特
    徴とする請求項18〜20のいずれかに記載の安定化剤。
  22. 【請求項22】前記一般式(1)におけるR1、R2、R3
    びR4の少なくとも1つが、ヒドロキシエチル基であるこ
    とを特徴とする請求項21に記載の安定化剤。
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