JP3086729B2 - 可変容量型ベーンポンプ装置 - Google Patents

可変容量型ベーンポンプ装置

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JP3086729B2
JP3086729B2 JP03266564A JP26656491A JP3086729B2 JP 3086729 B2 JP3086729 B2 JP 3086729B2 JP 03266564 A JP03266564 A JP 03266564A JP 26656491 A JP26656491 A JP 26656491A JP 3086729 B2 JP3086729 B2 JP 3086729B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は可変容量型ベーンポンプ
に関するものであり、特に、自動車用動力舵取装置に作
動流体を供給するのに適した省エネルギー型の油圧ポン
プ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用動力舵取装置に用いられる油圧
ポンプ装置においては、低速走行時(一般にエンジン回
転速度が低い時)においても、十分な操舵力補助が行え
るようにポンプの吐出流量が設定されている。従ってこ
のような油圧ポンプ装置においては、エンジン回転速度
(エンジン回転数)の上昇に応じて、エンジン回転数に
比例した流量の作動油が吐出されることとなる。このこ
とは、本来操舵力補助をほとんど必要としない高速走行
時(一般にエンジン回転数が高い時)において、作動油
の流量が過剰となる。このような現象に対処するため、
ポンプから吐出される作動油(吐出油)のうちの一部
を、動力舵取装置のパワーアシスト部には送らず、油圧
ポンプ側へバイパス還流させる流量制御弁(フローコン
トロールバルブ)方式が従来、広く採られている。
【0003】しかしながら、この流量制御弁方式におい
ては、油圧ポンプから吐出された高圧の吐出油が、流量
制御弁に導かれ、そこからバイパス路へ放出されて、そ
の後吸入ポート側に還流されてくるものであるため、エ
ンジンの高速回転時においては、エンジン回転数に応じ
たエネルギー消費をしていることとなる。すなわち流量
制御弁によるバイパス還流方式では、高速走行時等の操
舵力補助を必要としない時に、バイパス還流によるエネ
ルギーロス(損失)を行っていることとなり、これに伴
い車両燃費の悪化をまねくという問題点がある。そこ
で、このような操舵力補助を必要としない時におけるエ
ネルギー損失を低減化するための手段として、例えば特
開昭60−256579号公報記載のような切換弁を用
いた方式のものが従来から採用されている。
【0004】このものは、ロータ、ベーン、カムリン
グ、サイドプレート、ハウジング等からなるベーンポン
プにおいて、スプール、スプリング等から構成した切換
弁が付け加えられた構成からなり、この切換弁の切り換
えにより、パワーアシスト部が操舵力補助用の作動油を
少量しか必要としないハンドル非操舵の場合には、ベー
ンポンプの一部に作動油を循環させることとし、その部
分のポンプ機能を停止させ、これによってエネルギーロ
スを少なくする一方、パワーアシストが開始されて大量
に作動油を必要とするときには、上記停止させていたポ
ンプ室の機能を復活させて、十分なパワーアシストを行
なうようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な切換弁を有するベーンポンプ装置においては、図7に
示す如く、同じエンジン回転数であっても、特定のポン
プ室で作動油が循環して吐出流量がQ1 の状態と、その
ポンプ室の機能が復活して全ポンプ室が稼働して吐出流
量がQ2 の状態では、吐出流量が異なり、その切り換わ
りの際にアシスト力が急激に変化してしまう。とりわ
け、エンジン回転数(車速)が小さいN1の時には、路
面抵抗の大きな反力に抗してハンドルが操舵されるた
め、ハンドル操舵の際のアシスト力の急激な変化が敏感
に感じられ、運転者に不快感を与えてしまう。
【0006】また、例えば特開昭60−222579号
公報に記載されたように、切換弁をエンジン回転数で切
り換えて、高回転数時に特定のポンプ室で作動油を循環
させることとしてその部分のポンプ機能を停止させ、低
回転数時にはそのポンプ室の機能を復活させて全ポンプ
室が稼働して十分なパワーアシストを行なえるようにし
たものも知られている。しかしながら、この切換弁を有
するベーンポンプ装置では、エンジン回転数と車速は完
全に一致していないため、たとえば車速が一定の低速状
態でハンドル操舵を行う場合でも、アクセルを大きく踏
んで(空吹かしして)エンジン回転数を高くすると、一
方のポンプ室の機能が停止するように切り換わってアシ
スト力が小さくなり、次にアクセルを離してエンジン回
転数が低くなると、そのポンプ室の機能が復活して大き
なアシスト力が生じるようになり、車速が変化していな
いにもかかわらずアシスト力が急激に変化して、運転者
に不快感を与える。
【0007】また、上記切換弁を車速で切り換えるよう
にすることも考えられるが、この場合は、アクセルを踏
まずにエンジン回転数が変わらない状態にて、ブレーキ
を操作して車速を低くしようとすると、高速時の1ポー
ト吐出のアシスト力が小さい状態から低速時の2ポート
吐出のアシスト力が大きい状態に変化してしまい、やは
り運転者に不快感を与えることとなる。
【0008】そこでこのような運転者が操舵する際に不
快感が感じられる感覚上の問題点を解消するような切換
弁を有するベーンポンプ装置を提供しようとするのが本
発明の目的(課題)である。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては、ハウジング内に収納されて回転
駆動されるロータ、当該ロータのスリット内で摺動運動
をするベーン、当該ベーンの外側にあって上記ロータ、
ベーン等と共にポンプ室を形成するカムリング、上記ロ
ータ、ベーン、カムリングの両側面にあってポンプ室形
成に寄与する複数のサイドプレート、当該サイドプレー
トに設けられた複数組の吐出ポート及び吸入ポート等か
らなるベーンポンプと、上記各吐出ポートに連なる圧力
室より送出される吐出油の吐出流量が所定値を超えた場
合、その余剰の吐出油を上記吸入ポートに連なるバイパ
ス路にバイパス還流させる流量制御弁とからなる油圧ポ
ンプ装置であって、上記吸入ポートに連なる吸入側通
路、上記吐出ポートのうちの特定のポートに連通する連
通路を有し、上記特定の吐出ポートと上記圧力室を連通
する吐出路に上記特定の吐出ポートから流出する方向の
み許容する逆止弁を有し、更に上記連通路と上記吸入側
通路との間の連通状態を遮断するように切換わる切換弁
を備えてなる可変容量型ベーンポンプ装置において、上
記切換弁に車速またはエンジン回転数と、ハンドル舵角
に応じて切り換え制御する切換機構を設け、この切換機
構の作動で、上記切換弁を車速またはエンジン回転数が
大きい時にハンドル舵角が小さいと、上記連通路と上記
吸入側通路との間を連通状態にし、それ以外の時は上記
連通路と上記吸入側通路との間を遮断状態にするように
したことを特徴とするものである。
【0010】また、上記切換弁にエンジン回転数と車速
に応じて切り換え制御する切換機構を設け、この切換機
構の作動で、上記切換弁をエンジン回転数と車速がとも
に設定値より大きい時は、上記連通路と上記吸入側通路
との間を連通状態にし、エンジン回転数および車速のい
ずれか一方が設定値より小さい時は、上記連通路と上記
吸入側通路との間を遮断状態にするようにしたことを特
徴とするものである。
【0011】
【作用】上記構成を採ることにより、本発明において
は、たとえば図1において、吸入路29から吸入された
作動油は、吸入室28から一部が第1吸入ポート41よ
りポンプ室で昇圧されて第1吐出ポート31より圧力室
27に吐出され、流量制御弁26により流量制御を受け
て動力舵取装置のパワーアシスト部に送られる。
【0012】そして、車速(エンジン回転数)とハンド
ル舵角で制御される電磁弁16により、車速が大きい時
でハンドル舵角を小さい時のみ、スプール162を図2
に示す位置に移動させ、圧力室27の圧油が切換弁1に
導かれる。すると、圧力導入路21から吐出圧が導入さ
れ、スプール11は左方に押されて、連通路23と吸入
側通路22との間は連通状態となる。そして、特定の吐
出ポート31’と特定の吸入ポート41’は作動油が循
環することとなり、ポンプ機能を停止して省エネルギー
状態となる。
【0013】また、車速が小さいかまたはハンドル舵角
が大きい時は、スプール162は図1に示す位置に保持
されて、圧力室27の圧油は切換弁1に導かれない。す
るとスプール11はスプリング15のばね力の作用で右
方に押されて図1の図示の状態に置かれ、連通路23と
吸入側通路22との間は閉止状態となる。そして、特定
の吐出ポート31’と特定の吸入ポート41’は連通を
遮断されて、特定の吐出ポート31’から吐出した吐出
油は圧力室27に流出して、パワーアシスト部に送られ
て操舵力補助に寄与する。
【0014】車速とエンジン回転数で切り換えを制御す
る場合は、車速及びエンジン回転数が共に設定値を越え
た場合、例えば電磁弁16のスプール162が図4に示
す位置に移動して、圧力室27の圧油が切換弁1に導か
れる。すると、圧力導入路21から吐出圧が導入され、
スプール11は左方に押されて、連通路23と吸入側通
路22との間は連通状態となる。そして、特定の吐出ポ
ート31’と特定の吸入ポート41’は作動油が循環す
ることとなり、ポンプ機能を停止して省エネルギー状態
となる。
【0015】また車速またはエンジン回転数が設定値よ
り小さい時は、スプール162は図3に示す位置に保持
されて、圧力室27の圧油は切換弁1に導かれない。す
るとスプール11はスプリング15のばね力の作用で右
方に押されて図3の図示の状態に置かれ、連通路23と
吸入側通路22との間は閉止状態となる。そして、特定
の吐出ポート31’と特定の吸入ポート41’は連通を
遮断されて、特定の吐出ポート31’から吐出した吐出
油も圧力室27に流出して、パワーアシスト部に送られ
操舵力補助に寄与する。
【0016】
【実施例】本発明にかかる第1の実施例について、図
1、図2を基に説明する。本実施例の構成は、図1に示
す如く、ロータ、ベーン、カムリング等からなるベーン
ポンプと、スプール、スプリング等からなる切換弁とで
構成される可変容量型ベーンポンプ装置であることを基
本とするものである。このような基本構成において、ベ
ーンポンプは、従来から公知のものであり、ハウジング
2内に収納されて回転駆動されるロータ6、当該ロータ
6のスリット内にて摺動運動をするベーン7、当該ベー
ン7の外側にあって上記ロータ6、ベーン7等とポンプ
室を形成するカムリング5、上記ロータ6、ベーン7、
カムリング5の側面にあってポンプ室形成に寄与するサ
イドプレート3、4、当該サイドプレート3、4の各々
に設けられた複数の吐出ポート31、31’および吸入
ポート41、41’等からなる油圧ポンプ装置であるこ
とを基本構成とする。これらに加えて、上記吐出ポート
31、31’に連なる圧力室27を有し、当該圧力室2
7に連なるように流量制御弁26を有し、更には、上記
流量制御弁26から余剰の作動油を吸入側にバイパス還
流させるためのバイパス路29を有し、当該バイパス路
29の下流側には、上記吸入ポート41、41’に連な
る輪状の吸入室28を有する構成となっている。
【0017】また、切換弁1は、切換弁ハウジング12
内にサブシリンダ13を有し、このサブシリンダ13内
に形成されるサブシリンダ室133内にはスプール1
1、スプリング15を内蔵することを基本構成とする。
サブシリンダ室133には、上記吸入室28と連通する
吸入側通路22と、上記吐出ポートの内の特定の吐出ポ
ート31’と連通する連通路23が開口している。これ
らに加えて、上記スプール11の一方の頭部側には、上
記圧力室27に圧力導入路21を介して連通する切換弁
圧力室14が設けられており、他方の頭部側には上記ス
プール11にばね反力を与えるスプリング15が設けら
れている構成となっている。なお、上記スプール11の
頭部に設けられたランド部のうち、スプリング15に面
する側に設けられたランド部111は、そのランド部厚
さが上記作動油流通口132の開口部を塞ぐのに十分な
だけの幅を有するように構成されている。すなわち上記
ランド部111は上記作動油流通口132に対してオー
バーラップするように構成されている。
【0018】さらに、上記切換弁ハウジング12の切換
弁圧力室14に面する側には、電磁弁16が設けられて
いる。この電磁弁16は、車速センサ17及び舵角セン
サ18からの信号により制御手段50で制御された印加
電流に基づいて電磁力が生じるソレノイド161と、こ
のソレノイド161の吸引力により移動するスプール1
62と、このスプール162を一方向に押圧するスプリ
ング163等からなる公知の構造のもので、電流の印加
によりソレノイド161に電磁力が生じてスプール16
2が移動すると、上記圧力導入路21を経て切換弁圧力
室14と圧力室27が連通するように作動するものであ
る。
【0019】更に、上記吐出ポート31、31’を有す
る側のサイドプレート3には、上記特定の吐出ポート3
1’に連続して吐出路33が設けられ、この吐出路33
の最終端は回転軸の中心線まわりに円形に開口して、上
記サイドプレート3に接触して固定した円板状のサブプ
レート8に設けた複数の開口からなる吐出口81に通じ
ている。上記サブプレート8の中心位置にはガイド82
が設けられており、このガイド82には上記吐出口81
の開閉を行う円板状のバルブ9が設けられている。な
お、このバルブ9には上記吐出口81を閉じるように常
時作用するスプリング99が設けられ、当該スプリング
99と上記バルブ9とで逆止弁を形成した構成となって
いる。
【0020】上記構成を採る第1の実施例の作動状態に
ついて説明する。ベーンポンプが作動を開始すると、例
えば図1において、吸入路から吸引された作動油は、バ
イパス路29を経て吸入室28へと導かれる。この吸入
室28に導かれた作動油のうちの一部は第1吸入ポート
41より吸引され、ポンプ室で昇圧されて第1吐出ポー
ト31より圧力室27に吐出される。その後流量制御弁
26によって流量制御を受けて動力舵取装置のパワーア
シスト部(図示せず)に送られる。
【0021】ところで、電磁弁16には、車速が低速の
場合はハンドル舵角の大小に関係なく電流は印加され
ず、スプリング163の弾性力でスプール162は図1
の位置に保持されて切換弁圧力室14と圧力室27の連
通は阻止される。車速が増加して設定値より大きな高速
になると、ハンドル舵角が設定値より小さい状態をある
時間保持した場合のみ、電磁弁16に電流が印加されて
ソレノイド161に生じる電磁力でスプール162が吸
引されて図2の位置に移動し、切換弁圧力室14と圧力
室27が連通するようになる。
【0022】そして、電磁弁16に電流が印加されず、
切換弁圧力室14と圧力室27の連通が阻止されている
図1の状態は、切換弁1のスプール11はスプリング1
5のばね力の作用によって右方に押され、吸入側通路2
2と連通路23は、上記サブシリンダ13内に設けられ
たスプール11のランド部111にて遮断されることと
なる。従って、特定の吐出ポートである第2吐出ポート
31’から吐出した吐出油は、図1の実線矢印図示の如
く、吐出路33を経てサブプレート8の吐出穴81に導
かれ、バルブ9を開いて圧力室27へ流動していく。こ
れにより、第2吐出ポート31’から吐出される吐出油
もバルブに導かれ、パワーアシスト部の操舵力補助に寄
与することとなる。
【0023】また、電磁弁16に電流が印加される図2
の状態は、切換弁圧力室14と圧力室27が連通して、
圧力室27から圧力導入路21を経て切換弁圧力室14
に導入される圧力で、スプール11は、スプリング15
のばね力に抗して左方に移動して、吸入側通路22と連
通路23とは、シリンダ室122、作動油流通口13
2、サブシリンダ室132を介して連通状態となり、特
定の吐出ポートである第2吐出ポート31’から吐出し
た吐出油は、図2の実線矢印図示の如く、第2吸入ポー
ト41’に導かれる。すなわち、第2吐出ポート31’
と第2吸入ポート41’とによって形成されるポンプ室
においては、作動油が単に循環するだけとなり、ポンプ
機能を停止して省エネルギー状態となる。
【0024】このように、第1の実施例においては、高
速状態でハンドル舵角が設定値より小さい状態に維持さ
れる場合だけ、特定のポンプ室の機能が停止して吐出流
量が減少するように制御するので、吐出流量の急減に伴
うアシスト力の変化で運転者に不快感を感じさせること
が防止できる。次に、第2の実施例について、図3、図
4を基に説明する。この第2の実施例の構成は、第1の
実施例に対して、電磁弁16に印加する電流を車速セン
サ17及びエンジン回転数センサ19の信号に基づいて
制御する点のみ異なって、その他の構造は同じである。
【0025】第2の実施例の作動について説明する。ベ
ーンポンプが作動を開始すると、例えば図3において、
吸入路から吸引された作動油は、バイパス路29を経て
吸入室28へと導かれる。この吸入室28に導かれた作
動油のうちの一部は第1吸入ポート41より吸引され、
ポンプ室で昇圧されて第1吐出ポート31より圧力室2
7に吐出される。その後流量制御弁26によって流量制
御を受けて動力舵取装置のパワーアシスト部(図示せ
ず)に送られる。
【0026】電磁弁16には、車速が設定値より高くか
つエンジン回転数が設定値より大きい場合は、電流が印
加され、ソレノイド161に生じる電磁力でスプール1
62が吸引されて、図4に示すように切換弁圧力室14
と圧力室27が連通する位置に移動する。また、車速が
設定値より低いかまたはエンジン回転数が設定値より小
さい場合は、電流は印加されず、スプリング163の弾
性力でスプール162は図3の位置に保持されて、切換
弁圧力室14と圧力室27の連通を阻止している。
【0027】また、車速が設定値より高くかつエンジン
回転数が設定値より大きく、電流が印加されて切換弁圧
力室14と圧力室27が連通すると、圧力室27から圧
力導入路21を経て切換弁圧力室14に導入される圧力
で、スプール11は、スプリング15のばね力に抗して
左方に移動して、図4図示の位置に置かれる。その結
果、吸入側通路22と連通路23とは、シリンダ室12
2、作動油流通口132、サブシリンダ室133を介し
て連通状態となり、特定の吐出ポートである第2吐出ポ
ート31’から吐出した吐出油は、図4の実線矢印図示
の如く、第2吸入ポート41’に導かれる。すなわち、
第2吐出ポート31’と第2吸入ポート41’とによっ
て形成されるポンプ室においては、作動油が単に循環す
るだけとなり、ポンプ機能を停止して省エネルギー状態
となる。
【0028】そして、電磁弁16に電流が印加されず、
切換弁圧力室14と圧力室27の連通が阻止されている
場合は、切換弁1のスプール11はスプリング15のば
ね力の作用によって右方に押され、図3の状態に置かれ
る。従って、吸入側通路22と連通路23とは、上記サ
ブシリンダ13内に設けられたスプール11のランド部
111にて遮断される。従って、第2吐出ポート31’
から吐出した吐出油は、図3の実線矢印図示の如く、吐
出路33を経てサブプレート8の吐出穴81に導かれ、
バルブ9を開いて圧力室27への流動していく。これに
より、第2吐出ポート31’から吐出される吐出油もバ
ルブに導かれ、パワーアシスト部の操舵力補助に寄与す
ることとなる。
【0029】つぎに図5に示す第3の実施例を説明す
る。前述の第2の実施例では、車速センサ17で車速を
検出し、エンジン回転数センサ19で回転数を検出した
が、第3の実施例では、トランスミッション61に接続
された車速に応じて吐出量が増減する油圧ポンプ62を
設け、この油圧ポンプ62の吐出油に対して絞り63の
作用で車速に比例した圧力を生じさせて車速を検出する
こととし、その圧力を車速感応弁60に導いて、スプー
ル601の移動で連通路23の開閉を切り換えるように
する。64は、油圧ポンプ62の絞り63により生じる
圧力が設定値より大きくなると吸入側に逃がすリリーフ
弁である。
【0030】また、エンジン回転数の検出方法として、
常時吐出側の吐出ポート31と連通した通路に絞り71
を設け、この吐出通路を流れるエンジン回転数に比例す
る吐出流体で生じる絞り71前後の差圧から求めること
とし、その絞り71前後の差圧を回転数感応弁70に導
いて、スプール701の移動で連通路23の開閉を切り
換えるようにする。
【0031】第3の実施例の作動は、車速が低い場合は
油圧ポンプ62の吐出量は少なく絞り63で生じる圧力
は小さいので、車速感応弁60のスプール601は図5
の実線図示の位置に保持され、連通路23を閉止してい
る。さらにエンジン回転数が小さい場合は絞り71前後
の差圧は小さく回転数感応弁70のスプール701は図
5の実線図示の位置に保持されるので、連通路23は閉
止状態となり、第2吐出ポート31’から吐出した吐出
油は、吐出路33、バルブ9を経て圧力室27に流動し
ていく。これにより、第2吐出ポート31’から吐出さ
れる吐出油もバルブに導かれ、パワーアシスト部の操舵
力補助に寄与することとなる。
【0032】そして、車速が高くかつエンジン回転数が
大きい場合のみ、車速感応弁60のスプール601及び
回転数感応弁70のスプール701はともに図5の破線
図示の位置に移動する。すると、連通路23は連通状態
となり、特定の吐出ポートである第2吐出ポート31’
から吐出した吐出油は吸入側に導かれ、第2吐出ポート
31’と第2吸入ポート41’とによって形成されるポ
ンプ室においては、作動油が単に循環するだけとなる。
【0033】さらに、図6に示す第4の実施例を説明す
る。この第4の実施例は、車速の検出方法は第3の実施
例と同様で、トランスミッション61に車速に応じて回
転数が増減する油圧ポンプ62を設けて、絞り63の作
用で生じた車速に比例した圧力を利用することとし、そ
の圧力を車速感応弁60に導いてスプール601の移動
で連通路23を切り換える。また回転数の検出方法は、
エンジン74の回転軸にエンジン回転数に応じて回転数
が増減する油圧ポンプ72を設けて、絞り75の作用で
生じたエンジン回転数に比例した圧力を利用することと
し、その圧力を回転数感応弁73に導いて、スプール7
31の移動で連通路23を切り換えるようにした構造か
らなり、この点のみ第3の実施例と異なり、その他の構
造及び作用は第3の実施例と同じである。
【0034】このように、本発明は、第1の実施例に示
すように、切換弁1に、車速とハンドル舵角に応じて切
り換え制御する切換機構としての電磁弁16を設け、こ
の電磁弁16により、車速が大きい時にハンドル舵角が
小さく場合のみ、特定の吸入ポートである第2吸入ポー
ト41’と特定の吐出ポートである第2吐出ポート3
1’を連通状態になるようにして、ポンプ機能を停止さ
せ、また、それ以外の場合は第2吸入ポート41’と第
2吐出ポート31’を遮断状態になるようにして、吐出
油をパワーアシスト部に送るようにしたので、車速が小
さい時の切換弁の切り換わりによるアシスト力の急激な
変化がなくなり、運転者に不快感を与えることを防止で
きるとともに、ハンドル舵角の大小でハンドル操舵の有
無を判定して特定の吸入ポート及び吐出ポートの切り換
えを制御するので、ハンドルの操舵を的確に判定するこ
とができ、正確な制御が可能となる。
【0035】また、第2の実施例等に示すように、切換
弁1に、車速とエンジン回転数に応じて切り換え制御す
る切換機構として電磁弁16あるいは切換弁を設け、こ
の切換機構により、車速とエンジン回転数がともに設定
値より大きい時のみ、第2吸入ポート41’と第2吐出
ポート31’を連通状態にしてポンプ機能を停止させ、
また、それ以外の場合は第2吸入ポート41’と第2吐
出ポート31’を遮断状態にして吐出油をパワーアシス
ト部に送るようにしたので、車速が低いときにエンジン
回転数が変化したことによる切り換わり、またはエンジ
ン回転数が一定のときに車速が変化したことによる切り
換わりがなくなって、それらの切り換わりによるアシス
ト力の急激な変化が生じなくなり、運転者に不快感を与
えることを防止できる。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、複数個の吸入ポート及
び吐出ポートを有するベーンポンプであって、上記一部
の吸入ポート及び吐出ポートの連通状態を遮断するよう
に切り換わる切換弁を有する可変容量型ベーンポンプ装
置において、上記切換弁に、車速またはエンジン回転数
と、ハンドル舵角に応じて切り換え制御する切換機構を
設け、この切換機構を、車速またはエンジン回転数が大
きい時にハンドル舵角を小さい場合のみ、上記一部の吸
入ポート及び吐出ポートを連通状態にしてポンプ機能を
停止させ、それ以外の場合は上記一部の吸入ポート及び
吐出ポートを遮断状態にして吐出油をパワーアシスト部
に送るように制御したので、車速またはエンジン回転数
が小さい時の切換弁の切り換わりによるアシスト力の急
激な変化がなくなり、運転者に不快感を与えることを防
止できるとともに、ハンドル舵角の大小で一部の吸入ポ
ート及び吐出ポートの切り換えを制御するので、正確な
制御が可能となる。
【0037】また、上記切換弁に、車速とエンジン回転
数に応じて切り換え制御する切換機構を設け、この切換
機構を、車速とエンジン回転数がともに設定値より大き
い時は、上記一部の吸入ポート及び吐出ポートを連通状
態にしてポンプ機能を停止させ、それ以外の場合は上記
一部の吸入ポート及び吐出ポートを遮断状態にして吐出
油をパワーアシスト部に送るように制御したので、車速
が低いときにエンジン回転数が変化したことによる切り
換わり、またはエンジン回転数が一定のときに車速が変
化したことによる切り換わりがなくなって、それらの切
り換わりによるアシスト力の急激な変化が生じなくな
り、運転者に不快感を与えることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる第1の実施例の全体構造を示す
縦断面図である。
【図2】本発明にかかる第1の実施例の全体構造を示す
縦断面図であり、電磁弁に電流を印加して作動させた状
態を示す図である。
【図3】本発明にかかる第2の実施例の全体構造を示す
縦断面図である。
【図4】本発明にかかる第2の実施例の全体構造を示す
縦断面図であり、電磁弁に電流を印加して作動させた状
態を示す図である。
【図5】本発明にかかる第3の実施例の全体構造を示す
図である。
【図6】本発明にかかる第4の実施例の全体構造を示す
図である。
【図7】切換弁方式の可変容量型ベーンポンプ装置のポ
ンプ回転数と吐出流量との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 切換弁 11 スプール 111 ランド部 12 切換弁ハウジング 122 シリンダ室 13 サブシリンダ 132 作動油流通口 133 サブシリンダ室 14 切換弁圧力室 15 スプリング 16 電磁弁(切換機構) 17 車速センサ 18 舵角センサ 19 回転数センサ 2 ハウジング 22 吸入側通路 23 連通路 26 流量制御弁 27 圧力室 28 吸入室 29 バイパス路 3 サイドプレート 31 第1吐出ポート 31’ 第2吐出ポート 32 逆止弁 33 吐出路 4 サイドプレート 41 第1吸入ポート 41’ 第2吸入ポート 5 カムリング 6 ロータ 7 ベーン 60 車速感応弁 70 回転数感応弁 73 回転数感応弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河上 清治 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 審査官 川向 和実 (56)参考文献 特開 昭60−222579(JP,A) 特開 昭57−193791(JP,A) 特開 昭56−92388(JP,A) 特開 昭60−256579(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04C 2/344 B62D 5/07 F04C 15/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内に収納されて回転駆動され
    るロータ、当該ロータのスリット内で摺動運動をするベ
    ーン、当該ベーンの外側にあって上記ロータ、ベーン等
    と共にポンプ室を形成するカムリング、上記ロータ、ベ
    ーン、カムリングの両側面にあってポンプ室形成に寄与
    する複数のサイドプレート、当該サイドプレートに設け
    られた複数組の吐出ポート及び吸入ポート等からなるベ
    ーンポンプと、上記各吐出ポートに連なる圧力室より送
    出される吐出油の吐出流量が所定値を超えた場合、その
    余剰の吐出油を上記吸入ポートに連なるバイパス路にバ
    イパス還流させる流量制御弁とからなる油圧ポンプ装置
    であって、上記吸入ポートに連なる吸入側通路、上記吐
    出ポートのうちの特定のポートに連通する連通路を有
    し、上記特定の吐出ポートと上記圧力室を連通する吐出
    路に上記特定の吐出ポートから流出する方向のみ許容す
    る逆止弁を有し、更に上記連通路と上記吸入側通路との
    間の連通状態を遮断するように切換わる切換弁を備えて
    なる可変容量型ベーンポンプ装置において、上記切換弁
    に車速またはエンジン回転数と、ハンドル舵角に応じて
    切り換え制御する切換機構を設け、この切換機構の作動
    で、上記切換弁を車速またはエンジン回転数が大きい時
    にハンドル舵角が小さいと、上記連通路と上記吸入側通
    路との間を連通状態にし、それ以外の時は上記連通路と
    上記吸入側通路との間を遮断状態にするようにしたこと
    を特徴とする可変容量型ベーンポンプ装置。
  2. 【請求項2】 上記切換弁にエンジン回転数と車速に応
    じて切り換え制御する切換機構を設け、この切換機構の
    作動で、上記切換弁をエンジン回転数と車速がともに設
    定値より大きい時は、上記連通路と上記吸入側通路との
    間を連通状態にし、エンジン回転数および車速のいずれ
    か一方が設定値より小さい時は、上記連通路と上記吸入
    側通路との間を遮断状態にするようにしたことを特徴と
    する可変容量型ベーンポンプ装置。
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