JP3086097B2 - 二重加熱式低温再生器用伝熱管 - Google Patents

二重加熱式低温再生器用伝熱管

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JP3086097B2
JP3086097B2 JP04355209A JP35520992A JP3086097B2 JP 3086097 B2 JP3086097 B2 JP 3086097B2 JP 04355209 A JP04355209 A JP 04355209A JP 35520992 A JP35520992 A JP 35520992A JP 3086097 B2 JP3086097 B2 JP 3086097B2
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才延 犬伏
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低温再生器を二重加熱
式低温再生器としたときに、この二重加熱式低温再生器
に用いる、内管と外管とからなる同心二重構造の伝熱管
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、吸収剤として例えば、臭化リチウ
ムを用い、冷媒として例えば、水を用いる吸収冷温水機
が一般に知られている。従来の吸収冷温水機は、一例と
して、図5に示すような構成である。1は上部低温胴
で、低温再生器2及び凝縮器3から構成され、さらに凝
縮器3内の下部には冷媒溜り4が設けられる。5は下部
低温胴で、蒸発器6及び吸収器7で構成される。8は高
温再生器で、燃焼室9、熱回収器10、気液分離器1
1、排気筒12及び燃焼装置13から構成される。その
他に、低温熱交換器14、高温熱交換器15などが構成
機器となる。吸収器7内の下部の液溜り16の希液は、
低温ポンプ17により管路18、19、低温熱交換器1
4、管路20を経て、低温再生器2に送られる。この希
液は管路21から流入してきた高温の冷媒蒸気によって
加熱され、中間濃度まで濃縮される。
【0003】この中間濃度の液は二分される。二分され
た液の一方は、高温ポンプ22により管路23、24、
高温熱交換器15、管路25を経て高温再生器8に送ら
れる。この中間濃度液は燃焼装置13によって加熱さ
れ、熱回収器10を上昇し、気液分離器11に入り、冷
媒蒸気と濃液とに分離される。この濃液は高温再生器8
内の圧力約650mmHgと、下部低温胴5の内部の圧力約
6mmHgとの差圧により、濃液管路26、高温熱交換器1
5、管路27を経て、先に分流してきた管路28からの
中間液(二分された液の他方)と混合し、混合濃液にな
って低温熱交換器14に入り、管路29を通り散布装置
30により、吸収器7の伝熱管上に散布され、液溜り1
6に戻る循環がなされる。
【0004】一方、気液分離器11で分離された冷媒蒸
気は、管路21を経て低温再生器2に入り、液を加熱し
て凝縮・液化し、管路46から凝縮器3に入る。また低
温再生器2において、希液が中間濃度液に濃縮されると
きに発生した冷媒蒸気は、上部空間から凝縮器3に入っ
て凝縮し、冷媒液となる。これらの凝縮した冷媒水は、
管路31を経て蒸発器6に入り、下部溜り32に蓄積さ
れる。この冷媒水は冷媒ポンプ33により管路34、3
5を経て、散布装置36により蒸発器6の伝熱管上に散
布される。
【0005】冷房に供するための冷水は、管路37から
蒸発器6に入り、滴下する冷媒の蒸発潜熱により冷却さ
れ、管路38から流出する。冷却水は管路39、40、
41を経て流出し、途中の吸収器7では吸収熱を、凝縮
器3では凝縮熱を奪い系外に持ち出す。また、冷暖切替
弁60を開き、さらに管路39に供給する冷却水を止め
ることにより、管路38から温水を得ることができる。
図5に示すように、従来の低温再生器2は、高温再生器
8で発生した冷媒蒸気を吸収器7より流出してくる希溶
液で冷却し、冷媒液とすると同時に希溶液を加熱して溶
液濃度を濃くし、冷媒液を再生するものが一般的であっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
低温再生器を用いたサイクルでは、高温再生で冷媒蒸気
を発生するために消費された熱量は、その大部分が気化
の潜熱であり、これを液化するために放出しなければな
らない潜熱を、吸収器7より流出してくる希溶液に吸収
させて、その潜熱の回収を図っているので、その成績係
数は低く燃料を多く消費していた。
【0007】本発明は上記の点に鑑みなされたもので、
伝熱管を同心二重構造にして、その中間に吸収器より流
出してくる希溶液を流出させて、真ん中の伝熱管には高
温再生器で発生した冷媒蒸気を導入して冷媒液を作ると
ともに、希溶液を加熱して溶液濃度を濃くして冷媒液を
再生し、さらに伝熱管の外側面には多数のフィンを取り
付けて、高温再生器の排ガスを通過させて排ガスの熱量
を回収するとともに、吸収器より流出してくる希溶液を
濃縮して、高温再生での熱入力を低減して成績係数を高
め、燃料を節約することができる二重加熱式低温再生器
用伝熱管を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の二重加熱式低温再生器用伝熱管は、図
1〜図4を参照して説明すれば、内管70と外管72と
からなる同心二重構造の縦方向の伝熱管74と、外管7
2の外側面に略水平方向に多段に設けられた多数のフィ
ン76とからなり、内管70と外管72との間の空間
を、吸収器から流出してくる希液を加熱して濃度を濃く
するための溶液通路78とし、内管70内を高温再生器
からの冷媒通路79とし、外管72の外側面のフィン7
6に略平行に、高温再生器からの燃焼排ガスを通過させ
るようにしたことを特徴としている。請求項2の二重加
熱式低温再生器用伝熱管は、請求項1の二重加熱式低温
再生器用伝熱管において、外管72の内面及び内管70
を波形面80に形成したことを特徴としている。請求項
3の二重加熱式低温再生器用伝熱管は、請求項1又は2
の二重加熱式低温再生器用伝熱管において、内管70及
び外管72の横断面形状を、燃焼排ガスの流れる方向と
長軸とが一致する略楕円形又は複数個の曲率を持つ曲面
で構成された略卵形からなる略流線形としたことを特徴
としている。
【0009】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の好適な実施例
を詳細に説明する。ただし、この実施例に記載されてい
る構成部材の形状、その相対配置などは、とくに特定的
な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定
する趣旨のものではなく、単なる説明例にすぎない。図
1は、本発明の一実施例を示している。図1において、
74は伝熱管であり、縦方向に設置されており、内管7
0と外管72とからなる同心二重構造である。この場
合、図2に示すように、外管72の内面及び内管70を
波形面80に形成することが望ましい。この波形面80
としては、一定曲率半径表面(constant cu
rvature surface、CCS)とするのが
好ましい。CCSにすれば、熱伝達をより効率よく行な
うことができる。また、内管70及び外管72の横断面
形状は、円形とすることもできるが、図2に示すよう
に、燃焼排ガスの流れる方向と長軸とが一致する略楕円
形又は複数個の曲率を持つ曲面で構成された略卵形から
なる略流線形とすることが望ましい。
【0010】外管72の外側面には、多数のフィン76
が略水平方向に多段に設けられており、内管70と外管
72との間の空間は、吸収器7から流出してくる希液を
加熱して濃度を濃くするための溶液通路78となってい
る。高温再生器8からの冷媒蒸気は、冷媒蒸気入口81
から内管70内、すなわち冷媒通路79内へ流入する。
そして、高温再生器8からの燃焼排ガスは、外管72の
外側面のフィン76に略平行に通過するようになってい
る。なお、希溶液は、堰82と内側案内管84との隙
間、及び堰82と外側案内管86との隙間を通って溶液
通路78の壁に沿って落下していく。低温再生器2にお
いて、上記のような伝熱管74は1本に限らず、複数本
設けることもできる。
【0011】本発明は、図1に示すように、伝熱管74
を同心二重構造にして、外管と内管との中間に吸収器7
より流出してくる希溶液を流出させて、真ん中の伝熱
管、すなわち内管70の内側には高温再生器8で発生し
た冷媒蒸気を導入して冷媒液を作るとともに、希溶液を
加熱して溶液濃度を濃くして冷媒液を再生し、さらに伝
熱管74の外側面、すなわち外管72の外側面には多数
の水平方向のフィン76を多段に取り付けて、高温再生
器8の排ガスを通過させて排ガスの熱量を回収するとと
もに、吸収器7より流出してくる希溶液を濃縮して、高
温再生での熱入力を低減して成績係数を高めるような方
式であり、図1に示すように、外管と内管との間隔への
希溶液の流入を容易にするような溶液通路78を装備し
ている。なお、88は外管と内管との間の溶液連絡通
路、90は低温再生器本体である。図1及び図2におい
ては、伝熱管74を一本のみ図示しているが、伝熱管7
4を図2における上下方向に複数本並列に配列するのが
望ましい。
【0012】図3及び図4は、本発明の伝熱管の他の実
施例を示している。本実施例は、外管と内管との間の溶
液連絡通路88aを伝熱管の横断面の長手方向に設け、
この通路88aの上部に堰82を取り付けたものであ
る。他の構成及び作用は図1及び図2の場合と同様であ
る。
【0013】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、つぎのような効果を奏する。 (1) 高温再生器の排ガスの熱量を希溶液で回収する
ので、熱伝達を効率よく行なうことができ、成績係数が
向上し、燃料を節約することができる。 (2) 外管の内面及び内管を波形面に形成した場合
は、さらに熱伝達を効率よく行なうことができる。 (3) 内管及び外管の横断面形状を燃焼排ガスの流れ
る方向と長軸とが一致する略楕円形又は複数個の曲率を
持つ曲面で構成された略卵形からなる略流線形とした場
合は、さらに熱伝達を効率よく行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の二重加熱式低温再生器用伝熱管まわり
の一実施例を示す断面説明図である。
【図2】図1における2−2線拡大断面の一例を示す説
明図である。
【図3】本発明の伝熱管まわりの他の実施例を示す断面
説明図である。
【図4】図3における4−4線断面図を示す説明図であ
る。
【図5】従来の吸収冷温水機のフローを示す説明図であ
る。
【符号の説明】
2 低温再生器 3 凝縮器 6 蒸発器 7 吸収器 8 高温再生器 70 内管 72 外管 74 伝熱管 76 フィン 78 溶液通路 79 冷媒通路 80 波形面 81 冷媒蒸気入口 82 堰 84 内側案内管 86 外側案内管 88 溶液連絡通路 88a 溶液連絡通路

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内管(70)と外管(72)とからなる
    同心二重構造の縦方向の伝熱管(74)と、 外管(72)の外側面に略水平方向に多段に設けられた
    多数のフィン(76)とからなり、 内管(70)と外管(72)との間の空間を、吸収器か
    ら流出してくる希液を加熱して濃度を濃くするための溶
    液通路(78)とし、 内管(70)内を高温再生器からの冷媒通路(79)と
    し、 外管(72)の外側面のフィン(76)に略平行に、高
    温再生器からの燃焼排ガスを通過させるようにしたこと
    を特徴とする二重加熱式低温再生器用伝熱管。
  2. 【請求項2】 外管(72)の内面及び内管(70)を
    波形面(80)に形成したことを特徴とする請求項1記
    載の二重加熱式低温再生器用伝熱管。
  3. 【請求項3】 内管(70)及び外管(72)の横断面
    形状を、燃焼排ガスの流れる方向と長軸とが一致する略
    楕円形又は複数個の曲率を持つ曲面で構成された略卵形
    からなる略流線形としたことを特徴とする請求項1又は
    2記載の二重加熱式低温再生器用伝熱管。
JP04355209A 1992-12-17 1992-12-17 二重加熱式低温再生器用伝熱管 Expired - Lifetime JP3086097B2 (ja)

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JPH06185826A JPH06185826A (ja) 1994-07-08
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05293483A (ja) * 1992-04-22 1993-11-09 Kubota Corp 浄化槽

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