JP4557468B2 - 吸収冷凍機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷房などの冷却運転に使用する三重効用吸収冷凍機に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の吸収冷凍機としては、例えば吸収器で冷媒を吸収した吸収液が低温熱交換器、中温熱交換器、高温熱交換器、高温再生器、高温熱交換器、中温再生器、中温熱交換器、低温再生器、低温熱交換器を順次経由して吸収器に還流するように配管した、例えば特開2000−257976公報の図1、図2に提案された三重効用吸収冷凍機などが周知である。
【0003】
前記特開2000−257976公報に提案された、いわゆるシリーズフローの三重効用吸収冷凍機においては、再生圧力が高くなるため、肉厚部材あるいは高強度部材を採用して耐圧性を高める必要がある。また、再生温度も上昇し、金属腐食が起こり易くなるので、耐食性部材の使用が必要になるなど、製造コストの増加が避けられないと云った問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、製造コストが大幅に上昇することがないように、再生圧力の大幅な上昇を抑えることができる吸収冷凍機を提供する必要があり、それが解決すべき課題となっていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記従来技術の課題を解決するための具体的手段として、吸収液を加熱して吸収液に含まれる冷媒を蒸発分離し、冷媒が吸収できるように吸収液を濃縮再生する再生器として高温再生器、中温再生器、低温再生器を備えると共に、異なる温度の吸収液同士が熱交換する熱交換器として高温熱交換器、中温熱交換器、低温熱交換器を備えた三重効用吸収冷凍機において、中温再生器で吸収液を加熱して放熱した冷媒が保有する熱により駆動する第2低温再生器と、この第2低温再生器で吸収液から蒸発分離した冷媒蒸気が流入して凝縮する第2凝縮器と、吸収器で冷媒を吸収した吸収液の一部が低温熱交換器を経由して低温再生器に流入し、他の一部は低温熱交換器、中温熱交換器を順次経由して中温再生器に流入し、残部は低温熱交換器、中温熱交換器、高温熱交換器を順次経由して高温再生器に流入し、高温再生器で濃縮再生された吸収液は高温熱交換器、中温熱交換器を順次経由して第2低温再生器に流入し、中温再生器で濃縮再生された吸収液は中温熱交換器を経由して第2低温再生器に流入し、低温再生器で濃縮再生された吸収液は第2低温再生器に直接流入し、且つ、第2低温再生器で濃縮再生された吸収液が低温熱交換器を経由して吸収器に還流可能に設けられた吸収液管と、を備えるようにした構成の吸収冷凍機を提供することにより、前記した従来技術の課題を解決するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0007】
〔第1の実施形態〕
本発明の第1の実施形態を、図1に基づいて詳細に説明する。図中1は高温再生器、2は中温再生器、3Aは低温再生器、3Bは第2低温再生器、4Aは凝縮器、4Bは第2凝縮器、5は蒸発器、6は吸収器、7は低温熱交換器、8は中温熱交換器、9は高温熱交換器、10〜13は吸収液ポンプ、14は冷媒ポンプであり、それぞれは図1に示したように実線で示した吸収液管と破線で示した冷媒管とで接続され、冷媒とそれを吸収した吸収液とがそれぞれ循環可能に構成されている。
【0008】
なお、蒸発器5には冷水管15が通され、吸収器6、第2凝縮器4B、凝縮器4Aには冷却水管16が直列に通されている。
【0009】
したがって、上記構成になる吸収冷凍機においては、吸収液ポンプ10〜13および冷媒ポンプ14を運転し、高温再生器1に添設したバーナ1Aで天然ガスなどを燃焼させると、吸収器6で冷媒を吸収した吸収液は、低温熱交換器7、中温熱交換器8、中温再生器2、高温熱交換器9、高温再生器1、高温熱交換器9、中温熱交換器8、低温再生器3A、第2低温再生器3B、低温熱交換器7を順次経由して濃縮再生され、吸収器6に戻される。
【0010】
すなわち、吸収液は、高温再生器1においてはバーナ1Aの燃焼熱により加熱され、冷媒を蒸発分離して濃縮再生される。また、中温再生器2においては、高温再生器1における前記加熱により吸収液から蒸発分離して供給される冷媒蒸気により加熱され、濃縮再生される。さらに、低温再生器3Aにおいては中温再生器2における前記加熱により吸収液から蒸発分離して供給される冷媒蒸気により加熱され、第2低温再生器3Bにおいては中温再生器2における前記吸収液に対する加熱作用により凝縮して供給される冷媒液の余熱により加熱され、それぞれの再生器において濃縮再生される。
【0011】
一方、高温再生器1における加熱により吸収液から蒸発分離され、中温再生器2に入って吸収液を濃縮再生して凝縮し、さらに第2低温再生器3Bにも入り、その余熱により吸収液を濃縮再生して放熱した冷媒は、第2凝縮器4Bを経由して蒸発器5に入る。
【0012】
また、中温再生器2における加熱により吸収液から蒸発分離され、低温再生器3Aに入って吸収液を濃縮再生して凝縮した冷媒は、凝縮器4Aを経由して蒸発器5に入る。
【0013】
さらに、低温再生器3Aにおける加熱により吸収液から蒸発分離された冷媒蒸気は凝縮器4Aに入り、第2低温再生器3Bにおける加熱により吸収液から蒸発分離された冷媒蒸気は第2凝縮器4Bに入り、それぞれ冷却水管16内を流れている冷却水に放熱して凝縮し、蒸発器5に入る。
【0014】
蒸発器5に入って底に溜まった冷媒液は、冷媒ポンプ14により上方から散布され、冷水管15の内部を流れる水と熱交換して蒸発し、冷水管15の内部を流れる水を冷却する。
【0015】
蒸発器5で蒸発した冷媒は吸収器6に入り、第2低温再生器3Bにおける加熱により冷媒を蒸発分離し、吸収液の濃度が一層高まった再生済みの吸収液、すなわち吸収液ポンプ13により第2低温再生器3Bから低温熱交換器7を経由して冷却供給され、上方から散布される吸収液に吸収される。そして、濃縮再生のため、吸収液ポンプ10などにより、中温再生器2、高温再生器1、低温再生器3A、第2低温再生器3Bに再度循環供給される。
【0016】
上記のように吸収冷凍機が運転されると、冷水管15の内部を流れて蒸発器5に入った冷水は、蒸発器5内において冷媒の気化熱により冷却され、その冷却された冷水が冷水管15を介して図示しない冷却負荷に循環供給できるので、冷房などの冷却運転が行える。
【0017】
そして、吸収器6で冷媒を吸収して吸収液濃度が低下した吸収液は、吸収してある冷媒の一部を先ず中温再生器2で蒸発分離したのち高温再生器1に入り、そこでガスバーナ1Aで燃焼させる天然ガスなどの燃焼熱により加熱されるので、高温再生器1で吸収液から蒸発分離する冷媒蒸気の量は吸収液が吸収器6から直接流入するときと比較すると減少する。そのため、高温再生器1内の圧力は顕著に抑制され、再生温度の上昇も抑制される。
【0018】
しかも、低温再生器3Aの下流側に、中温再生器2で一度放熱した冷媒の余熱を利用して吸収液を濃縮再生する第2低温再生器3Bを設けてあるので、蒸発器5には十分な量の冷媒液が供給され、吸収器6には高い吸収液濃度に濃縮再生された吸収液が供給される。そのため、蒸発器5における冷媒の蒸発が促進され、冷房などの冷却運転が効率良く行える。
【0019】
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施形態を、図2に基づいて説明する。なお、理解を容易にするため、この第2の実施形態の吸収冷凍機においても、前記第1の実施形態の吸収冷凍機と同様の機能を有する部分には同一の符号を付した(後述する第3の実施形態以下においても同じ)。
【0020】
この第2の実施形態の吸収冷凍機が前記図1に示した第1の実施形態の吸収冷凍機と相違する点は、吸収液管の設け方にある。
【0021】
すなわち、図2に示した第2の実施形態の吸収冷凍機においては、吸収器6で冷媒を吸収した吸収液が、低温熱交換器7、低温再生器3A、中温熱交換器8、高温熱交換器9、高温再生器1、高温熱交換器9、中温再生器2、中温熱交換器8、第2低温再生器3B、低温熱交換器7を順次経由して濃縮再生され、吸収器6に戻るように吸収液管が設けられている。
【0022】
したがって、この第2の実施形態の吸収冷凍機においても、蒸発器5内において冷媒の気化熱により冷却された冷水が冷水管15を介して図示しない冷却負荷に循環供給できるので、冷房などの冷却運転が行える。
【0023】
そして、この場合も吸収器6で冷媒を吸収して吸収液濃度が低下した吸収液は、吸収してある冷媒の一部を先ず低温再生器3Aで蒸発分離したのち高温再生器1に入り、そこでガスバーナ1Aで燃焼させる天然ガスなどの燃焼熱により加熱されるので、高温再生器1で吸収液から蒸発分離する冷媒蒸気の量は吸収液が吸収器6から直接流入するときと比較すると減少する。そのため、高温再生器1内の圧力は顕著に抑制され、再生温度の上昇も抑制される。
【0024】
また、この場合も中温再生器2の下流側に、中温再生器2で一度放熱した冷媒の余熱を利用して吸収液を濃縮再生する第2低温再生器3Bを設けてあるので、蒸発器5には十分な量の冷媒液が供給され、吸収器6には十分に濃縮再生された吸収液が供給される。そのため、蒸発器5における冷媒の蒸発が促進され、冷房などの冷却運転が効率良く行える。
【0025】
なお、この第2の実施形態の吸収冷凍機においては、中温再生器2で濃縮再生された吸収液は、中温熱交換器8を経由してより低圧の第2低温再生器3Bに供給されるので、中温再生器2の下流側には吸収液ポンプは設けられていない。
【0026】
〔第3の実施形態〕
本発明の第3の実施形態を、図3に基づいて説明する。この第3の実施形態の吸収冷凍機が前記第1、第2の実施形態の吸収冷凍機と相違する点も、吸収液管の設け方にある。
【0027】
すなわち、図3に示した第3の実施形態の吸収冷凍機においては、吸収器6で冷媒を吸収した吸収液が、低温熱交換器7、低温再生器3A、中温熱交換器8、中温再生器2、高温熱交換器9、高温再生器1、高温熱交換器9、中温熱交換器8、第2低温再生器3B、低温熱交換器7を順次経由して濃縮再生され、吸収器6に戻るように吸収液管が設けられている。
【0028】
したがって、この第3の実施形態の吸収冷凍機においても、蒸発器5内において冷媒の気化熱により冷却された冷水が冷水管15を介して図示しない冷却負荷に循環供給できるので、冷房などの冷却運転が行える。
【0029】
そして、この第3の実施形態の吸収冷凍機においては、吸収器6で冷媒を吸収した吸収液は先ず低温再生器3Aにおいて濃縮再生され、次に中温再生器2において濃縮再生され、その後高温再生器1に供給されて濃縮再生されるので、高温再生器1で吸収液から蒸発分離する冷媒蒸気の量は前記図1、図2に示した第1および第2の実施形態の吸収冷凍機よりさらに減少する。そのため、高温再生器1内の圧力は一層顕著に抑制され、再生温度の上昇も抑制される。
【0030】
この場合も、高温再生器1の下流側に、中温再生器2で一度放熱した冷媒の余熱を利用して吸収液を濃縮再生する第2低温再生器3Bを設けてあるので、蒸発器5には十分な量の冷媒液が供給され、吸収器6には高い吸収液濃度に濃縮再生された吸収液が供給される。そのため、蒸発器5における冷媒の蒸発が促進され、冷房などの冷却運転が効率良く行える。
【0031】
〔第4の実施形態〕
本発明の第4の実施形態を、図4に基づいて説明する。この第4の実施形態の吸収冷凍機が前記第1〜第3の実施形態の吸収冷凍機と相違する点も、吸収液管の設け方にある。
【0032】
すなわち、図4に示した第4の実施形態の吸収冷凍機においては、吸収器6で冷媒を吸収した吸収液の一部は低温熱交換器7を経由して低温再生器3Aに入り、他の一部は低温熱交換器7、中温熱交換器8を順次経由して中温再生器2に入り、残部は低温熱交換器7、中温熱交換器8、高温熱交換器9を順次経由して高温再生器1に入り、高温再生器1で濃縮再生された吸収液は高温熱交換器9、中温熱交換器8を順次経由して第2低温再生器3Bに入り、中温再生器2で濃縮再生された吸収液は中温熱交換器8を経由して第2低温再生器3Bに入り、低温再生器3Aで濃縮再生された吸収液は第2低温再生器3Bに直接入り、且つ、第2低温再生器3Bで濃縮再生された吸収液が低温熱交換器7を経由して吸収器6に戻るように吸収液管が設けられている。
【0033】
したがって、この第4の実施形態の吸収冷凍機においても、蒸発器5内において冷媒の気化熱により冷却された冷水が冷水管15を介して図示しない冷却負荷に循環供給できるので、冷房などの冷却運転が行える。
【0034】
そして、この第4の実施形態の吸収冷凍機においては、吸収器6で冷媒を吸収した吸収液の一部、例えば1/3が高温再生器1に供給されて濃縮再生されるので、高温再生器1で吸収液から蒸発分離する冷媒蒸気の量も効果的に減少する。そのため、高温再生器1内の圧力は顕著に抑制され、再生温度の上昇も抑制される。
【0035】
この場合も、高温再生器1、中温再生器2および低温再生器3Aの下流側に、中温再生器2で一度放熱した冷媒の余熱を利用して吸収液を濃縮再生する第2低温再生器3Bを設けてあるので、蒸発器5には十分な量の冷媒液が供給され、吸収器6には高い吸収液濃度に濃縮再生された吸収液が供給される。そのため、蒸発器5における冷媒の蒸発が促進され、冷房などの冷却運転が効率良く行える。
【0036】
〔第5の実施形態〕
本発明の第5の実施形態を、図5に基づいて説明する。この第5の実施形態の吸収冷凍機が前記第1〜第4の実施形態の吸収冷凍機と相違する点も、吸収液管の設け方にある。
【0037】
すなわち、図5に示した第5の実施形態の吸収冷凍機においては、吸収器6で冷媒を吸収した吸収液が、低温熱交換器7、中温熱交換器8、高温熱交換器9、高温再生器1、高温熱交換器9、中温再生器2、中温熱交換器8、低温再生器3A、第2低温再生器3B、低温熱交換器7を順次経由して濃縮再生され、吸収器6に戻るように吸収液管が設けられている。
【0038】
したがって、この第5の実施形態の吸収冷凍機においても、蒸発器5内において冷媒の気化熱により冷却された冷水が冷水管15を介して図示しない冷却負荷に循環供給できるので、冷房などの冷却運転が行える。
【0039】
そして、この第5の実施形態の吸収冷凍機においては、吸収器6で冷媒を吸収した吸収液は低温熱交換器7、低温熱交換器7、高温熱交換器9を経由し、その都度加熱されて高温再生器1に供給され、濃縮再生されるので、前記第1〜第4の実施形態のように高温再生器1内の圧力と温度を低減させる作用効果はない。
【0040】
しかし、低温再生器3Aの下流側に、中温再生器2で一度放熱した冷媒の余熱を利用して吸収液を濃縮再生する第2低温再生器3Bを設けてあるので、蒸発器5には十分な量の冷媒液が供給され、吸収器6には高い吸収液濃度に濃縮再生された吸収液が供給される。そのため、蒸発器5における冷媒の蒸発が促進され、冷房などの冷却運転が効率良く行える、と云った利点がある。
【0041】
なお、この第5の実施形態の吸収冷凍機においても、中温再生器2で濃縮再生された吸収液は、中温熱交換器8を経由してより低圧の低温再生器3Aに供給されるので、中温再生器2の下流側には吸収液ポンプは設けられていない。
【0042】
〔第6の実施形態〕
本発明の第6の実施形態を、図6に基づいて説明する。この第6の実施形態の吸収冷凍機が前記第1の実施形態の吸収冷凍機と相違する点は、前記中温再生器2で吸収液を濃縮再生する際に得られた冷媒蒸気を熱源とする前記低温再生器3Aと、前記中温再生器2で吸収液を濃縮再生する際に放熱した冷媒の余熱を熱源とする前記第2低温再生器3Bとを一体化した一体式低温再生器3と、前記低温再生器3Aで蒸発分離した冷媒蒸気を凝縮させる凝縮器4Aと、前記第2低温再生器3Bで蒸発分離した冷媒蒸気を凝縮させる第2凝縮器4Bとを一体化した一体式凝縮器4とを、さらに一体化して上胴17を構成した点にある。
【0043】
したがって、この第6の実施形態の吸収冷凍機においても、蒸発器5内において冷媒の気化熱により冷却された冷水が冷水管15を介して図示しない冷却負荷に循環供給できるので、冷房などの冷却運転が行える。
【0044】
そして、図6に示した第6の実施形態の吸収冷凍機においては、前記第1の実施形態の吸収冷凍機が備えていた低温再生器3A、第2低温再生器3B、凝縮器4A、第2凝縮器4Bが一体化されているので、吸収冷凍機を構成する部品数が減少し、配管距離は短くなる。そのため、製造コストの削減が図れる。また、冷媒と吸収液が循環する距離が短くなるので、搬送動力が削減でき、これによりランニングコストの削減も図れる。
【0045】
〔第7の実施形態〕
本発明の第7の実施形態を、図7に基づいて説明する。この第7の実施形態の吸収冷凍機は、前記図6に示した第6の実施形態の吸収冷凍機が備えていない冷媒液熱回収器17を備えており、この点で前記第6の実施形態の吸収冷凍機と相違している。
【0046】
すなわち、この第7の実施形態の吸収冷凍機においては、一体式低温再生器3で吸収液を濃縮再生し、一体式凝縮器4に供給されている冷媒と、吸収器6で冷媒を吸収し、低温熱交換器7を迂回して中温再生器2に供給されている吸収液とが冷媒液熱回収器17において熱交換し、吸収器6から中温再生器2に供給される吸収液の一部を冷媒の余熱により加熱するように構成されている。
【0047】
したがって、図7に示した第7の実施形態の吸収冷凍機においては、前記図6に示した第6の実施形態の吸収冷凍機が備えていた作用効果を有すると共に、さらに熱効率が向上すると云った利点がある。
【0048】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではないので、特許請求の範囲に記載の趣旨から逸脱しない範囲で各種の変形実施が可能である。
【0049】
例えば、図1〜図5に示した第1〜第5の実施形態における吸収冷凍機を構成している第2凝縮器4Bは、凝縮器4Aから出た冷却水が第2凝縮器4Bに入るように凝縮器4Aの下流側に設置されても良い。また、冷却水は、凝縮器4Aから吸収器6の方向に流すことも可能である。
【0050】
また、図2〜図5に示した第2〜第5の実施形態の吸収冷凍機においても、低温再生器3Aと第2低温再生器3Bとを一体化し、凝縮器4Aと第2凝縮器4Bとを一体化し、さらにそれらを一体化して図6に示した第6の実施形態の吸収冷凍機が備えていた上胴34を設けるようにすることもできる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の吸収冷凍機によれば、COPは少なくとも1.5程度に改善され、冷房などの冷却運転が効率良く行える。
【0052】
また、図1〜図4に基づいて説明した本発明の吸収冷凍機によれば、高温再生器に流入する吸収液の量が減少し、それにより高温再生器で発生する冷媒蒸気の量が減少するので、高温再生器内の圧力上昇が抑制され、再生温度の上昇も抑制される。
【0053】
そのため、肉厚部材や高強度部材を採用して耐圧性を著しく高める必要も、耐食性部材を使用して耐食性を著しく高める必要もないので、製造コストが著しく増加することはない。
【0054】
また、図6に基づいて説明した本発明の吸収冷凍機によれば、吸収冷凍機を構成する部品数が減少し、配管距離は短くなる。そのため、製造コストの削減が図れる。また、冷媒と吸収液が循環する距離が短くなるので、搬送動力が削減でき、これによりランニングコストの削減も図れる。
【0055】
また、図7に基づいて説明した本発明の吸収冷凍機によれば、さらに熱効率に優れた運転が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の説明図である。
【図2】第2の実施形態の説明図である。
【図3】第3の実施形態の説明図である。
【図4】第4の実施形態の説明図である。
【図5】第5の実施形態の説明図である。
【図6】第6の実施形態の説明図である。
【図7】第7の実施形態の説明図である。
【符号の説明】
1 高温再生器
1A ガスバーナ
2 中温再生器
3 一体式低温再生器
3A 低温再生器
3B 第2低温再生器
4 一体式凝縮器
4A 凝縮器
4B 第2凝縮器
5 蒸発器
6 吸収器
7 低温熱交換器
8 中温熱交換器
9 高温熱交換器
10〜13 吸収液ポンプ
14 冷媒ポンプ
15 冷水管
16 冷却水管
17 上胴
18 冷媒液熱回収器
Claims (1)
- 吸収液を加熱して吸収液に含まれる冷媒を蒸発分離し、冷媒が吸収できるように吸収液を濃縮再生する再生器として高温再生器、中温再生器、低温再生器を備えると共に、異なる温度の吸収液同士が熱交換する熱交換器として高温熱交換器、中温熱交換器、低温熱交換器を備えた三重効用吸収冷凍機において、
中温再生器で吸収液を加熱して放熱した冷媒が保有する熱により駆動する第2低温再生器と、
この第2低温再生器で吸収液から蒸発分離した冷媒蒸気が流入して凝縮する第2凝縮器と、
吸収器で冷媒を吸収した吸収液の一部が低温熱交換器を経由して低温再生器に流入し、他の一部は低温熱交換器、中温熱交換器を順次経由して中温再生器に流入し、残部は低温熱交換器、中温熱交換器、高温熱交換器を順次経由して高温再生器に流入し、高温再生器で濃縮再生された吸収液は高温熱交換器、中温熱交換器を順次経由して第2低温再生器に流入し、中温再生器で濃縮再生された吸収液は中温熱交換器を経由して第2低温再生器に流入し、低温再生器で濃縮再生された吸収液は第2低温再生器に直接流入し、且つ、第2低温再生器で濃縮再生された吸収液が低温熱交換器を経由して吸収器に還流可能に設けられた吸収液管と、
を備えたことを特徴とする吸収冷凍機。
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