JP3085376B2 - 電界効果トランジスタ - Google Patents
電界効果トランジスタInfo
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- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L29/00—Semiconductor devices specially adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching and having potential barriers; Capacitors or resistors having potential barriers, e.g. a PN-junction depletion layer or carrier concentration layer; Details of semiconductor bodies or of electrodes thereof ; Multistep manufacturing processes therefor
- H01L29/02—Semiconductor bodies ; Multistep manufacturing processes therefor
- H01L29/06—Semiconductor bodies ; Multistep manufacturing processes therefor characterised by their shape; characterised by the shapes, relative sizes, or dispositions of the semiconductor regions ; characterised by the concentration or distribution of impurities within semiconductor regions
- H01L29/10—Semiconductor bodies ; Multistep manufacturing processes therefor characterised by their shape; characterised by the shapes, relative sizes, or dispositions of the semiconductor regions ; characterised by the concentration or distribution of impurities within semiconductor regions with semiconductor regions connected to an electrode not carrying current to be rectified, amplified or switched and such electrode being part of a semiconductor device which comprises three or more electrodes
- H01L29/1025—Channel region of field-effect devices
- H01L29/1029—Channel region of field-effect devices of field-effect transistors
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- H01L29/66—Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor
- H01L29/68—Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor controllable by only the electric current supplied, or only the electric potential applied, to an electrode which does not carry the current to be rectified, amplified or switched
- H01L29/76—Unipolar devices, e.g. field effect transistors
- H01L29/772—Field effect transistors
-
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- H01L29/80—Field effect transistors with field effect produced by a PN or other rectifying junction gate, i.e. potential-jump barrier
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電界効果トランジ
スタ(FET)の構造に関するものである。
スタ(FET)の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、超高速動作を実現するFETとし
ては、ゲート電極に印加される電圧の制御下において電
流チャネルが形成されるチャネル層を、いわゆるパルス
ドープ構造にしたものがある。すなわち、ゲート電極が
形成されている基板表面から所定の深さまではアンドー
プ層(キャップ層)であって、所定の深さに達すると不
純物濃度がパルス状またはステップ状などの構造によっ
て高濃度のチャネル層が形成される。このようなFET
としては、例えば、米国特許4163984号公報、ま
たは特開平6−310535号に開示されているものが
ある。
ては、ゲート電極に印加される電圧の制御下において電
流チャネルが形成されるチャネル層を、いわゆるパルス
ドープ構造にしたものがある。すなわち、ゲート電極が
形成されている基板表面から所定の深さまではアンドー
プ層(キャップ層)であって、所定の深さに達すると不
純物濃度がパルス状またはステップ状などの構造によっ
て高濃度のチャネル層が形成される。このようなFET
としては、例えば、米国特許4163984号公報、ま
たは特開平6−310535号に開示されているものが
ある。
【0003】一方、このようなパルスドープ構造のn型
FETでは、ゲート電極下に生成されるチャネル空乏層
について、ゲートバイアスの浅い側、すなわちゲート電
圧が負の値でその絶対値が小さい電圧範囲で、ドレイン
電極側の空乏層等に起因して実効的なゲート長が増大す
る長ゲート効果を生じるなどの問題がある。このような
問題に対して、例えば特開平4−225533号に示さ
れたFETにおいては、次のような構造が採用されてい
る。すなわち、ゲート電極が形成されている基板表面
と、パルスドープ構造のチャネル層との間のキャップ層
中の所定の領域に、不純物が添加されたドーピング層で
ある補償層を設けることによって、ゲート電極下以外の
部位に形成された空乏層の基板表面からチャネル層など
深部へ向けての拡がりをこの補償層によって阻止して、
長ゲート効果を抑制することができる。
FETでは、ゲート電極下に生成されるチャネル空乏層
について、ゲートバイアスの浅い側、すなわちゲート電
圧が負の値でその絶対値が小さい電圧範囲で、ドレイン
電極側の空乏層等に起因して実効的なゲート長が増大す
る長ゲート効果を生じるなどの問題がある。このような
問題に対して、例えば特開平4−225533号に示さ
れたFETにおいては、次のような構造が採用されてい
る。すなわち、ゲート電極が形成されている基板表面
と、パルスドープ構造のチャネル層との間のキャップ層
中の所定の領域に、不純物が添加されたドーピング層で
ある補償層を設けることによって、ゲート電極下以外の
部位に形成された空乏層の基板表面からチャネル層など
深部へ向けての拡がりをこの補償層によって阻止して、
長ゲート効果を抑制することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たチャネル層及び補償層を有するFETにおいては、ゲ
ート電極の電圧が小さいときには、生成される空乏層が
補償層に到達しないか、または補償層を完全に空乏化す
ることができない場合がある。このとき、補償層自体が
電流チャネルとして動作してしまうこと(以下、補償層
の電流チャネル化という)によって、相互コンダクタン
スgmの線形性が保持できない、という問題を生じる。
たチャネル層及び補償層を有するFETにおいては、ゲ
ート電極の電圧が小さいときには、生成される空乏層が
補償層に到達しないか、または補償層を完全に空乏化す
ることができない場合がある。このとき、補償層自体が
電流チャネルとして動作してしまうこと(以下、補償層
の電流チャネル化という)によって、相互コンダクタン
スgmの線形性が保持できない、という問題を生じる。
【0005】一方、FETのドレイン耐圧は、ゲート電
極とチャネル層との位置関係に大きく依存するが、ドレ
イン耐圧を向上させるためにゲート電極とチャネル層と
の間の距離を大きくした場合に、ゲート電極が形成され
ている基板表面からの距離の増大によって、上記した補
償層の電流チャネル化の問題が特に顕著になる。
極とチャネル層との位置関係に大きく依存するが、ドレ
イン耐圧を向上させるためにゲート電極とチャネル層と
の間の距離を大きくした場合に、ゲート電極が形成され
ている基板表面からの距離の増大によって、上記した補
償層の電流チャネル化の問題が特に顕著になる。
【0006】本発明は、上記した問題点に鑑みてなされ
たものであり、相互コンダクタンスgmの線形性を向上
した電界効果トランジスタを提供することを目的とす
る。
たものであり、相互コンダクタンスgmの線形性を向上
した電界効果トランジスタを提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明による電界効果トランジスタは、不純
物がパルス状にドープされゲート電極によって導電率が
制御されるチャネル層を有する電界効果トランジスタに
おいて、チャネル層の濃度よりも低い濃度の不純物を含
んでチャネル層上に形成され、それぞれ異なる不純物濃
度を有する1または複数の補助層と、1または複数の補
助層上に形成されたキャップ層とを備え、1または複数
の補助層は、導電性がチャネル層と同一であって、チャ
ネル層から離れるにしたがってそれぞれの層の不純物濃
度が順次減少するように形成されたことを特徴とする。
るために、本発明による電界効果トランジスタは、不純
物がパルス状にドープされゲート電極によって導電率が
制御されるチャネル層を有する電界効果トランジスタに
おいて、チャネル層の濃度よりも低い濃度の不純物を含
んでチャネル層上に形成され、それぞれ異なる不純物濃
度を有する1または複数の補助層と、1または複数の補
助層上に形成されたキャップ層とを備え、1または複数
の補助層は、導電性がチャネル層と同一であって、チャ
ネル層から離れるにしたがってそれぞれの層の不純物濃
度が順次減少するように形成されたことを特徴とする。
【0008】上記のように、チャネル層に比べて不純物
濃度が低い補助層をチャネル層上、すなわちチャネル層
のゲート電極側の面上に形成することによって、ゲート
電極下以外の部位に形成された空乏層のチャネル層へ向
かっての拡がりを補助層によって阻止して、長ゲート効
果等を抑制する。また、チャネル層と補助層とが直接的
に接触することによって、ゲート電圧の絶対値が小さい
場合においても、チャネル層のみが電流チャネルとして
寄与する。これによって、ゲート電圧の広い範囲に対し
て、相互コンダクタンスgmの線形性を向上した電界効
果トランジスタとすることができる。特に、補助層が複
数である場合には、その不純物濃度がチャネル層側から
順次減少していくように形成することによって、相互コ
ンダクタンスgmの高い線形性を得ることができる。
濃度が低い補助層をチャネル層上、すなわちチャネル層
のゲート電極側の面上に形成することによって、ゲート
電極下以外の部位に形成された空乏層のチャネル層へ向
かっての拡がりを補助層によって阻止して、長ゲート効
果等を抑制する。また、チャネル層と補助層とが直接的
に接触することによって、ゲート電圧の絶対値が小さい
場合においても、チャネル層のみが電流チャネルとして
寄与する。これによって、ゲート電圧の広い範囲に対し
て、相互コンダクタンスgmの線形性を向上した電界効
果トランジスタとすることができる。特に、補助層が複
数である場合には、その不純物濃度がチャネル層側から
順次減少していくように形成することによって、相互コ
ンダクタンスgmの高い線形性を得ることができる。
【0009】また、1または複数の補助層上にキャップ
層をさらに備えることを特徴とすることによって、高ド
レイン耐圧であるプラナー型の電界効果トランジスタを
構成することができる。
層をさらに備えることを特徴とすることによって、高ド
レイン耐圧であるプラナー型の電界効果トランジスタを
構成することができる。
【0010】さらに、チャネル層及び1または複数の補
助層からなる層構造の、それぞれの層の中心位置におけ
る不純物濃度Nが、ゲート電極からチャネル層に向かう
軸に沿った距離xに関して、指数関数N=Aexp(α
x)(ただし、A及びαは定数)と略一致するように形
成されたことを特徴としても良い。
助層からなる層構造の、それぞれの層の中心位置におけ
る不純物濃度Nが、ゲート電極からチャネル層に向かう
軸に沿った距離xに関して、指数関数N=Aexp(α
x)(ただし、A及びαは定数)と略一致するように形
成されたことを特徴としても良い。
【0011】上記のように、不純物濃度の減少を表す関
数を指数関数と近似的に一致させることによって、特に
相互コンダクタンスgmの線形性がさらに向上された電
界効果トランジスタを実現することができる。
数を指数関数と近似的に一致させることによって、特に
相互コンダクタンスgmの線形性がさらに向上された電
界効果トランジスタを実現することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明による電
界効果トランジスタの好適な実施形態について詳細に説
明する。なお、図面の寸法比率は、説明のものと必ずし
も一致していない。
界効果トランジスタの好適な実施形態について詳細に説
明する。なお、図面の寸法比率は、説明のものと必ずし
も一致していない。
【0013】図1は、本発明に係る電界効果トランジス
タの一実施形態であるショットキ接触型FET(MES
FET)の構造を示す断面図である。
タの一実施形態であるショットキ接触型FET(MES
FET)の構造を示す断面図である。
【0014】半絶縁性GaAs半導体基板11上には、
導電性がp-型であるGaAsバッファ層12が、0.
3〜2μmの厚さに形成されている。このバッファ層1
2の不純物濃度は、およそ1×1016cm-3以下の低濃
度とされる。このバッファ層12上に、所定の不純物濃
度を有し導電性がn型のチャネル層であるSiドープG
aAsチャネル層13が、50〜500Åの厚さに形成
される。
導電性がp-型であるGaAsバッファ層12が、0.
3〜2μmの厚さに形成されている。このバッファ層1
2の不純物濃度は、およそ1×1016cm-3以下の低濃
度とされる。このバッファ層12上に、所定の不純物濃
度を有し導電性がn型のチャネル層であるSiドープG
aAsチャネル層13が、50〜500Åの厚さに形成
される。
【0015】このチャネル層13の上に、それぞれ所定
の不純物濃度を有する1または複数層の、SiドープG
aAsからなる導電性がn型の補助層が形成される。本
実施形態においてはこの補助層は3層であり、チャネル
層13側から、第1補助層14、第2補助層15、及び
第3補助層16が順次形成されている。これらのSiド
ープGaAsからなるチャネル層13と、第1補助層1
4、第2補助層15、及び第3補助層16には、OMV
PE法においては、いずれも結晶成長時にSiH4ガス
が供給原料に混合されることにより、n型のSi不純物
がドープされ、それぞれの層における不純物濃度は、結
晶成長時に供給されるSiH4ガスの流量を変えること
によって、その濃度が制御・設定される。また、MBE
法によって結晶成長が行われる場合には、Siの分子線
強度を変えることによって、その濃度が制御・設定され
る。なお、チャネル層13、第1補助層14、第2補助
層15、及び第3補助層16の不純物濃度の値及びそれ
らの関係については後述する。
の不純物濃度を有する1または複数層の、SiドープG
aAsからなる導電性がn型の補助層が形成される。本
実施形態においてはこの補助層は3層であり、チャネル
層13側から、第1補助層14、第2補助層15、及び
第3補助層16が順次形成されている。これらのSiド
ープGaAsからなるチャネル層13と、第1補助層1
4、第2補助層15、及び第3補助層16には、OMV
PE法においては、いずれも結晶成長時にSiH4ガス
が供給原料に混合されることにより、n型のSi不純物
がドープされ、それぞれの層における不純物濃度は、結
晶成長時に供給されるSiH4ガスの流量を変えること
によって、その濃度が制御・設定される。また、MBE
法によって結晶成長が行われる場合には、Siの分子線
強度を変えることによって、その濃度が制御・設定され
る。なお、チャネル層13、第1補助層14、第2補助
層15、及び第3補助層16の不純物濃度の値及びそれ
らの関係については後述する。
【0016】次に、もっとも上方に位置する第3補助層
16の上に、導電性がn-型であるGaAsキャップ層
17が、100〜1000Åの厚さに形成される。この
キャップ層17についても、バッファ層12と同様に、
およそ1×1016cm-3以下の低濃度の不純物濃度とし
て形成される。また、キャップ層17上には、ショット
キ接触したゲート電極20が形成されている。
16の上に、導電性がn-型であるGaAsキャップ層
17が、100〜1000Åの厚さに形成される。この
キャップ層17についても、バッファ層12と同様に、
およそ1×1016cm-3以下の低濃度の不純物濃度とし
て形成される。また、キャップ層17上には、ショット
キ接触したゲート電極20が形成されている。
【0017】ゲート電極20を挟んだ両側には、高濃度
のSiイオンが選択的にイオン注入された、n+型のド
レイン領域18及びソース領域19が形成される。その
上にはそれぞれの領域18、19に対してオーミック接
触したドレイン電極21及びソース電極22が形成され
る。以上により、図1に示された層構造及び電極構造を
有するショットキ接触型FET(MESFET)が構成
される。なお、本実施形態においては、ゲート電極20
はドレイン電極21及びソース電極22から等距離であ
る位置に設置されているが、必要に応じて他の位置、例
えばソース電極22からの距離に比べてドレイン電極2
1から遠距離となる位置として、ドレイン耐圧を高める
ように形成しても良い。
のSiイオンが選択的にイオン注入された、n+型のド
レイン領域18及びソース領域19が形成される。その
上にはそれぞれの領域18、19に対してオーミック接
触したドレイン電極21及びソース電極22が形成され
る。以上により、図1に示された層構造及び電極構造を
有するショットキ接触型FET(MESFET)が構成
される。なお、本実施形態においては、ゲート電極20
はドレイン電極21及びソース電極22から等距離であ
る位置に設置されているが、必要に応じて他の位置、例
えばソース電極22からの距離に比べてドレイン電極2
1から遠距離となる位置として、ドレイン耐圧を高める
ように形成しても良い。
【0018】チャネル層13、第1補助層14、第2補
助層15、及び第3補助層16の不純物濃度は、チャネ
ル層13側からゲート電極20側に向かって順次減少す
るように形成されており、その好適な濃度範囲は、例え
ばチャネル層13が1〜3×1018cm-3、第1補助層
14が0.5〜1×1018cm-3、第2補助層15が2
〜5×1017cm-3、第3補助層16が0.1〜2×1
017cm-3である。
助層15、及び第3補助層16の不純物濃度は、チャネ
ル層13側からゲート電極20側に向かって順次減少す
るように形成されており、その好適な濃度範囲は、例え
ばチャネル層13が1〜3×1018cm-3、第1補助層
14が0.5〜1×1018cm-3、第2補助層15が2
〜5×1017cm-3、第3補助層16が0.1〜2×1
017cm-3である。
【0019】図2に、図1に示した実施形態による構造
を有するFETについて、ゲート電極20下部のSi不
純物プロファイルの一例を示す。実線D1は、本実施例
における不純物プロファイルを示している。本グラフの
横軸は、ゲート電極20からの距離x(Å)、すなわち
ゲート電極20とキャップ層17との界面からのチャネ
ル層13に向かう軸に沿った距離x、を示している。ま
た縦軸は、n型Si不純物のドープ濃度N(×1018c
m-3)を示している。なお、グラフ内においてゲート電
極からの距離について分割されて示されている領域13
a〜17aは、チャネル領域13aが図1に示したチャ
ネル層13に、第1補助領域14aが第1補助層14
に、第2補助領域15aが第2補助層15に、第3補助
領域16aが第3補助層16に、また、キャップ領域1
7aがキャップ層17に、それぞれ対応している。
を有するFETについて、ゲート電極20下部のSi不
純物プロファイルの一例を示す。実線D1は、本実施例
における不純物プロファイルを示している。本グラフの
横軸は、ゲート電極20からの距離x(Å)、すなわち
ゲート電極20とキャップ層17との界面からのチャネ
ル層13に向かう軸に沿った距離x、を示している。ま
た縦軸は、n型Si不純物のドープ濃度N(×1018c
m-3)を示している。なお、グラフ内においてゲート電
極からの距離について分割されて示されている領域13
a〜17aは、チャネル領域13aが図1に示したチャ
ネル層13に、第1補助領域14aが第1補助層14
に、第2補助領域15aが第2補助層15に、第3補助
領域16aが第3補助層16に、また、キャップ領域1
7aがキャップ層17に、それぞれ対応している。
【0020】本実施例におけるそれぞれの層の厚さ及び
ドープ濃度は、 チャネル領域13a:厚さ 80Å、濃度2.7×10
18cm-3 第1補助領域14a:厚さ100Å、濃度1.0×10
18cm-3 第2補助領域15a:厚さ100Å、濃度5.0×10
17cm-3 第3補助領域16a:厚さ100Å、濃度2.0×10
17cm-3 キャップ領域17a:厚さ550Å、濃度<1×1016
cm-3 として設定されている。また、本実施例はしきい値電圧
Vthを−2.3Vとする実施例である。
ドープ濃度は、 チャネル領域13a:厚さ 80Å、濃度2.7×10
18cm-3 第1補助領域14a:厚さ100Å、濃度1.0×10
18cm-3 第2補助領域15a:厚さ100Å、濃度5.0×10
17cm-3 第3補助領域16a:厚さ100Å、濃度2.0×10
17cm-3 キャップ領域17a:厚さ550Å、濃度<1×1016
cm-3 として設定されている。また、本実施例はしきい値電圧
Vthを−2.3Vとする実施例である。
【0021】それぞれの領域13a〜16aは、本実施
例においてはその領域内では不純物濃度が一定であるよ
うに形成され、それぞれの不純物濃度は、チャネル領域
13aから第3補助領域16aに向かって、段階的に減
少していくステップ状の不純物プロファイルとなるよう
に形成されている。また、第3補助領域16aと、ゲー
ト電極20が形成される基板表面との間は、キャップ領
域17a(例えば、アンドープのキャップ領域)であ
る。
例においてはその領域内では不純物濃度が一定であるよ
うに形成され、それぞれの不純物濃度は、チャネル領域
13aから第3補助領域16aに向かって、段階的に減
少していくステップ状の不純物プロファイルとなるよう
に形成されている。また、第3補助領域16aと、ゲー
ト電極20が形成される基板表面との間は、キャップ領
域17a(例えば、アンドープのキャップ領域)であ
る。
【0022】基板中のキャリア分布はポアソン方程式に
よって記述される。発明者らは、この方程式を用いた数
値実験に基づいて、不純物プロファイルに対する条件に
ついて検討を重ねた結果、不純物プロファイルを指数関
数N=Aexp(αx)に従うように形成することが、
相互コンダクタンスgmの線形性を向上させる上で好適
であることを見出した。本実施例においては、その結果
に基づいて不純物プロファイルとゲート電極からの距離
との関係が所定の指数関数によって近似的に表されるよ
うに、それぞれの領域13a〜16aのドープ濃度が設
定されている。図2においては、その略一致する指数関
数は点線D0によって示されている。
よって記述される。発明者らは、この方程式を用いた数
値実験に基づいて、不純物プロファイルに対する条件に
ついて検討を重ねた結果、不純物プロファイルを指数関
数N=Aexp(αx)に従うように形成することが、
相互コンダクタンスgmの線形性を向上させる上で好適
であることを見出した。本実施例においては、その結果
に基づいて不純物プロファイルとゲート電極からの距離
との関係が所定の指数関数によって近似的に表されるよ
うに、それぞれの領域13a〜16aのドープ濃度が設
定されている。図2においては、その略一致する指数関
数は点線D0によって示されている。
【0023】すなわち、チャネル領域13a、第1補助
領域14a、第2補助領域15a、及び第3補助領域1
6aの、ゲート電極からの距離方向の中心位置をそれぞ
れx0、x1、x2、及びx3、中心位置における不純物濃
度をそれぞれN0、N1、N2、及びN3とし、点線で示す
曲線D0を表す関数をN=Aexp(αx)とする(た
だし、A及びαは定数)と、N0=Aexp(αx0)、
N1=Aexp(αx1)、N2=Aexp(αx2)、及
びN3=Aexp(αx3)がそれぞれ近似的に成り立つ
ように不純物プロファイルが形成されている。
領域14a、第2補助領域15a、及び第3補助領域1
6aの、ゲート電極からの距離方向の中心位置をそれぞ
れx0、x1、x2、及びx3、中心位置における不純物濃
度をそれぞれN0、N1、N2、及びN3とし、点線で示す
曲線D0を表す関数をN=Aexp(αx)とする(た
だし、A及びαは定数)と、N0=Aexp(αx0)、
N1=Aexp(αx1)、N2=Aexp(αx2)、及
びN3=Aexp(αx3)がそれぞれ近似的に成り立つ
ように不純物プロファイルが形成されている。
【0024】なお、計算上は、その指数関数の係数αが
大きい(したがって増加割合が大きい)ほど相互コンダ
クタンスgmの線形性が良くなるが、実際には、ドープ
濃度はすべて有限値であること、また、電子の移動度等
の諸条件もドープ濃度に依存して変化してしまい、αが
大きすぎると逆に特性が劣化すること、その他、製造上
の制限などから、例えば図2に示したような不純物プロ
ファイルによる構造が好適なものとして選択される。
大きい(したがって増加割合が大きい)ほど相互コンダ
クタンスgmの線形性が良くなるが、実際には、ドープ
濃度はすべて有限値であること、また、電子の移動度等
の諸条件もドープ濃度に依存して変化してしまい、αが
大きすぎると逆に特性が劣化すること、その他、製造上
の制限などから、例えば図2に示したような不純物プロ
ファイルによる構造が好適なものとして選択される。
【0025】また、本実施例においては、補助層は3層
からなるが、層数についてはこれに限られるものではな
い。補助層のそれぞれの層の厚さ(一層当たりの厚さ)
を変更して層数を変えた構成とした場合においても、不
純物プロファイルを上記と同様に指数関数に略一致させ
ることによって、相互コンダクタンスgmの線形性を向
上させることができる。特に、補助層が複数層である場
合に、それら補助層についての不純物プロファイルを指
数関数に略一致させることが、相互コンダクタンスgm
の線形性を向上させる上で重要である。さらに、場合に
よっては、指数関数以外のゲート電極20側に向かって
減少する関数を適用しても良い。
からなるが、層数についてはこれに限られるものではな
い。補助層のそれぞれの層の厚さ(一層当たりの厚さ)
を変更して層数を変えた構成とした場合においても、不
純物プロファイルを上記と同様に指数関数に略一致させ
ることによって、相互コンダクタンスgmの線形性を向
上させることができる。特に、補助層が複数層である場
合に、それら補助層についての不純物プロファイルを指
数関数に略一致させることが、相互コンダクタンスgm
の線形性を向上させる上で重要である。さらに、場合に
よっては、指数関数以外のゲート電極20側に向かって
減少する関数を適用しても良い。
【0026】次に、図2に示した不純物プロファイルを
有するFETの動作特性について、図3によって説明す
る。図3(a)は、本発明によるFETにおけるキャリ
ア濃度分布のゲート電圧依存性を示す。横軸は、ゲート
電極からの距離(Å)を示し、縦軸は、n型のキャリア
濃度(×1018cm-3)を示している。なお、キャリア
濃度分布との比較のため、図2に示した不純物プロファ
イルを点線D1によって示してある。
有するFETの動作特性について、図3によって説明す
る。図3(a)は、本発明によるFETにおけるキャリ
ア濃度分布のゲート電圧依存性を示す。横軸は、ゲート
電極からの距離(Å)を示し、縦軸は、n型のキャリア
濃度(×1018cm-3)を示している。なお、キャリア
濃度分布との比較のため、図2に示した不純物プロファ
イルを点線D1によって示してある。
【0027】キャリア濃度分布を示す曲線A1〜A7は、
それぞれ設定されたゲート電圧Vgが、A1:Vg=0.
4V、A2:Vg=0.0V、A3:Vg=−0.4V、A
4:Vg=−0.8V、A5:Vg=−1.2V、A6:Vg
=−1.6V、A7:Vg=−2.0Vに対応している
(0.4〜−2.0V、間隔0.4V)。ゲート電圧が
正あるいは負の絶対値が小さい値のときには、キャリア
濃度分布はそのゲート電極20側がチャネル領域13a
の外側の領域に拡がっており、負のゲート電圧の絶対値
が大きくなるにしたがって、空乏層の拡がりによってキ
ャリアの絶対量は減少していくが、そのピーク位置は常
にチャネル領域13a内に存在している。
それぞれ設定されたゲート電圧Vgが、A1:Vg=0.
4V、A2:Vg=0.0V、A3:Vg=−0.4V、A
4:Vg=−0.8V、A5:Vg=−1.2V、A6:Vg
=−1.6V、A7:Vg=−2.0Vに対応している
(0.4〜−2.0V、間隔0.4V)。ゲート電圧が
正あるいは負の絶対値が小さい値のときには、キャリア
濃度分布はそのゲート電極20側がチャネル領域13a
の外側の領域に拡がっており、負のゲート電圧の絶対値
が大きくなるにしたがって、空乏層の拡がりによってキ
ャリアの絶対量は減少していくが、そのピーク位置は常
にチャネル領域13a内に存在している。
【0028】図3(b)は、図3(a)におけるキャリ
ア濃度分布の変化量(×1017cm-3、図3(a)にお
ける2つの曲線の差分)であり、曲線B1〜B6は、それ
ぞれB1:A1−A2、B2:A2−A3、B3:A3−A4、
B4:A4−A5、B5:A5−A6、B6:A6−A7に対応
するキャリア濃度分布の差によって、ゲート電圧による
キャリア濃度分布の変化量を示している。上記したキャ
リア濃度分布の変化の抑制は、このグラフにおいてより
明確である。すなわち、濃度分布の変化が、第1補助領
域14a、第2補助領域15a、及び第3補助領域16
aによって構成されている上述した指数関数的なステッ
プ状の構造によって、チャネル層13a近傍の領域内に
抑えられている。なお、図3(b)に示された点線M1
は電子の移動度(ただし、単位はarbitrary unitとして
示してある)であり、Si不純物がドープされた領域に
おいては、不純物散乱の影響によってその移動度が低下
している。
ア濃度分布の変化量(×1017cm-3、図3(a)にお
ける2つの曲線の差分)であり、曲線B1〜B6は、それ
ぞれB1:A1−A2、B2:A2−A3、B3:A3−A4、
B4:A4−A5、B5:A5−A6、B6:A6−A7に対応
するキャリア濃度分布の差によって、ゲート電圧による
キャリア濃度分布の変化量を示している。上記したキャ
リア濃度分布の変化の抑制は、このグラフにおいてより
明確である。すなわち、濃度分布の変化が、第1補助領
域14a、第2補助領域15a、及び第3補助領域16
aによって構成されている上述した指数関数的なステッ
プ状の構造によって、チャネル層13a近傍の領域内に
抑えられている。なお、図3(b)に示された点線M1
は電子の移動度(ただし、単位はarbitrary unitとして
示してある)であり、Si不純物がドープされた領域に
おいては、不純物散乱の影響によってその移動度が低下
している。
【0029】図4に、比較例として、従来の補償層及び
チャネル層を有するMESFETについて、図3と同様
に(a)キャリア濃度分布(×1018cm-3)、及び
(b)キャリア濃度分布の変化量(×1017cm-3)を
示す。本比較例における不純物プロファイルは、図4
(a)中に点線D2によって示されており、Si不純物
が高濃度である2つの領域は、ゲート電極からの距離が
500Å近傍にある領域が補償層、1000Å近傍にあ
る領域がチャネル層に相当している。この不純物プロフ
ァイルに対応する電子の移動度の変化は、図4(b)中
に点線M2によって示されている。また、図4(a)の
曲線A1〜A7、及び図4(b)の曲線B1〜B6のゲート
電圧との対応については、図3と同様である。
チャネル層を有するMESFETについて、図3と同様
に(a)キャリア濃度分布(×1018cm-3)、及び
(b)キャリア濃度分布の変化量(×1017cm-3)を
示す。本比較例における不純物プロファイルは、図4
(a)中に点線D2によって示されており、Si不純物
が高濃度である2つの領域は、ゲート電極からの距離が
500Å近傍にある領域が補償層、1000Å近傍にあ
る領域がチャネル層に相当している。この不純物プロフ
ァイルに対応する電子の移動度の変化は、図4(b)中
に点線M2によって示されている。また、図4(a)の
曲線A1〜A7、及び図4(b)の曲線B1〜B6のゲート
電圧との対応については、図3と同様である。
【0030】このような補償層を有する構成のFETに
おいては、例えば図4(a)の曲線A1〜A3に示されて
いるように、ゲート電圧が正、零、または負の絶対値が
小さい値である場合には、ゲート電極下に生成される空
乏層がこの補償層に到達しないか、または補償層を完全
に空乏化することができずに、補償層の電流チャネル化
が生じている。また、このようなゲート電圧においては
補償層とチャネル層との間の領域にも広く高濃度のキャ
リアが分布しており、したがって、図4(b)に示され
ているようにゲート電圧の負の絶対値を大きくしていく
ことによって、濃度分布の構造がチャネル層及びその近
傍のみの分布に向かって大きく変化している。
おいては、例えば図4(a)の曲線A1〜A3に示されて
いるように、ゲート電圧が正、零、または負の絶対値が
小さい値である場合には、ゲート電極下に生成される空
乏層がこの補償層に到達しないか、または補償層を完全
に空乏化することができずに、補償層の電流チャネル化
が生じている。また、このようなゲート電圧においては
補償層とチャネル層との間の領域にも広く高濃度のキャ
リアが分布しており、したがって、図4(b)に示され
ているようにゲート電圧の負の絶対値を大きくしていく
ことによって、濃度分布の構造がチャネル層及びその近
傍のみの分布に向かって大きく変化している。
【0031】このような濃度分布の変化は、相互コンダ
クタンスgmの線形性に大きく影響する。図5は、本発
明による図2に示した不純物プロファイルを有するFE
Tの、電流Ids及び相互コンダクタンスgmのゲート電
圧に対する変化を示すグラフである。横軸は、ゲート−
ソース間の電圧Vgs(V)を示し、縦軸は、相互コンダ
クタンスgm(ms/mm)またはドレイン−ソース間
の電流Ids(mA/mm)を示している。また、相互コ
ンダクタンスgmについては、比較として、補償層及び
チャネル層を有する図4に示した不純物プロファイルの
従来のFETについて得られたものを、点線によって示
してある。
クタンスgmの線形性に大きく影響する。図5は、本発
明による図2に示した不純物プロファイルを有するFE
Tの、電流Ids及び相互コンダクタンスgmのゲート電
圧に対する変化を示すグラフである。横軸は、ゲート−
ソース間の電圧Vgs(V)を示し、縦軸は、相互コンダ
クタンスgm(ms/mm)またはドレイン−ソース間
の電流Ids(mA/mm)を示している。また、相互コ
ンダクタンスgmについては、比較として、補償層及び
チャネル層を有する図4に示した不純物プロファイルの
従来のFETについて得られたものを、点線によって示
してある。
【0032】本グラフより明らかなように、本発明によ
る補助層及びチャネル層を有するFETにおいては、電
流Idsは高い線形性を示し、したがって、相互コンダク
タンスgmについては、従来の補償層を有するFET
は、特にゲート電圧の負の絶対値が小さい値の範囲にお
いて、補償層の電流チャネル化等に起因して相互コンダ
クタンスgmが大きく変化しているのに対して、本発明
によるFETは、ゲート電圧の負の絶対値が小さい値の
範囲においてもその変化は小さく、広い範囲にわたって
ほぼ一定値であって、良好な特性が得られている。この
結果は、図3及び図4にそれぞれ示されたキャリア濃度
分布の変化特性と対応している。
る補助層及びチャネル層を有するFETにおいては、電
流Idsは高い線形性を示し、したがって、相互コンダク
タンスgmについては、従来の補償層を有するFET
は、特にゲート電圧の負の絶対値が小さい値の範囲にお
いて、補償層の電流チャネル化等に起因して相互コンダ
クタンスgmが大きく変化しているのに対して、本発明
によるFETは、ゲート電圧の負の絶対値が小さい値の
範囲においてもその変化は小さく、広い範囲にわたって
ほぼ一定値であって、良好な特性が得られている。この
結果は、図3及び図4にそれぞれ示されたキャリア濃度
分布の変化特性と対応している。
【0033】なお、従来の補償層を有するFETの場
合、ゲート電圧の負の絶対値が大きい値のときに、補償
層によっては空乏層が充分には阻止できない、という問
題があるが、本発明によるFETにおいては、補助層に
よって空乏層が充分に阻止され、高い制御性を有してい
る。
合、ゲート電圧の負の絶対値が大きい値のときに、補償
層によっては空乏層が充分には阻止できない、という問
題があるが、本発明によるFETにおいては、補助層に
よって空乏層が充分に阻止され、高い制御性を有してい
る。
【0034】また、特に、FETのゲート電極及びドレ
イン電極間のドレイン耐圧は、ゲート電極とチャネル層
との位置関係に依存し、ゲート電極とチャネル層との間
の距離を大きくすることによってドレイン耐圧を向上さ
せることが可能である。ここでドレイン耐圧を、ゲート
幅1mm当たりゲート−ドレイン間に1mAの電流が流
れるゲート−ドレイン間の電圧(ブレークダウン電圧)
Vbdによって定義する。図6に、図2に示した実施例と
同様にしきい値電圧Vthを−2.3Vに固定したときの
ドレイン耐圧のキャップ層の厚さ(Å)への依存性を示
す。また、図6には同様にVth=−2.6Vの場合につ
いても点線によって示してある。
イン電極間のドレイン耐圧は、ゲート電極とチャネル層
との位置関係に依存し、ゲート電極とチャネル層との間
の距離を大きくすることによってドレイン耐圧を向上さ
せることが可能である。ここでドレイン耐圧を、ゲート
幅1mm当たりゲート−ドレイン間に1mAの電流が流
れるゲート−ドレイン間の電圧(ブレークダウン電圧)
Vbdによって定義する。図6に、図2に示した実施例と
同様にしきい値電圧Vthを−2.3Vに固定したときの
ドレイン耐圧のキャップ層の厚さ(Å)への依存性を示
す。また、図6には同様にVth=−2.6Vの場合につ
いても点線によって示してある。
【0035】このグラフより、キャップ層の厚さを厚く
するにしたがって、耐圧特性が向上することがわかる。
このようにキャップ層を厚くすることによって耐圧特性
を改善させた場合、図4に示したように従来の補償層及
びチャネル層を有するものでは補償層の電流チャネル化
を生じ、図5に従来例について示したように相互コンダ
クタンスgmが線形性を失うという問題が生じる。一
方、本発明によるFETにおいてはそのような場合にお
いても、チャネル層と補助層との間にアンドープまたは
低ドープの層を有しないので、チャネル層及びその近傍
以外の位置に電流チャネルが形成されることはなく、相
互コンダクタンスgmの線形性が向上される。
するにしたがって、耐圧特性が向上することがわかる。
このようにキャップ層を厚くすることによって耐圧特性
を改善させた場合、図4に示したように従来の補償層及
びチャネル層を有するものでは補償層の電流チャネル化
を生じ、図5に従来例について示したように相互コンダ
クタンスgmが線形性を失うという問題が生じる。一
方、本発明によるFETにおいてはそのような場合にお
いても、チャネル層と補助層との間にアンドープまたは
低ドープの層を有しないので、チャネル層及びその近傍
以外の位置に電流チャネルが形成されることはなく、相
互コンダクタンスgmの線形性が向上される。
【0036】
【発明の効果】本発明による電界効果トランジスタは、
以上詳細に説明したように、次のような効果を得る。す
なわち、電流チャネルが形成されるパルスドープ構造に
よるチャネル層を有するFETにおいて、高濃度に不純
物がドープされたチャネル層とアンドープなどのキャッ
プ層との間に、1または複数の層からなる補助層を、そ
の不純物濃度がチャネル層側から順次減少するように形
成することによって、空乏層の拡がりの制御と長ゲート
効果等の抑制をこの補助層によって実現し、かつ、相互
コンダクタンスgmの線形性の劣化を同時に低減させる
ことができるFETとすることができる。
以上詳細に説明したように、次のような効果を得る。す
なわち、電流チャネルが形成されるパルスドープ構造に
よるチャネル層を有するFETにおいて、高濃度に不純
物がドープされたチャネル層とアンドープなどのキャッ
プ層との間に、1または複数の層からなる補助層を、そ
の不純物濃度がチャネル層側から順次減少するように形
成することによって、空乏層の拡がりの制御と長ゲート
効果等の抑制をこの補助層によって実現し、かつ、相互
コンダクタンスgmの線形性の劣化を同時に低減させる
ことができるFETとすることができる。
【図1】本発明に係る電界効果トランジスタの一実施形
態の構成を示す断面図である。
態の構成を示す断面図である。
【図2】図1に示した電界効果トランジスタの不純物プ
ロファイルの一例を示すグラフである。
ロファイルの一例を示すグラフである。
【図3】図2に示した不純物プロファイルによる電界効
果トランジスタの動作特性を示すグラフであり、(a)
はキャリア濃度、(b)はキャリア濃度変化を示す。
果トランジスタの動作特性を示すグラフであり、(a)
はキャリア濃度、(b)はキャリア濃度変化を示す。
【図4】従来の電界効果トランジスタの一例の動作特性
を示すグラフであり、(a)はキャリア濃度、(b)は
キャリア濃度変化を示す。
を示すグラフであり、(a)はキャリア濃度、(b)は
キャリア濃度変化を示す。
【図5】相互コンダクタンス及び電流のゲート電圧依存
性を示すグラフである。
性を示すグラフである。
【図6】ドレイン耐圧のキャップ層厚さ依存性を示すグ
ラフである。
ラフである。
11…GaAs半導体基板、12…GaAsバッファ
層、13…SiドープGaAsチャネル層、14…Si
ドープGaAs第1補助層、15…SiドープGaAs
第2補助層、16…SiドープGaAs第3補助層、1
7…GaAsキャップ層、18…ドレイン領域、19…
ソース領域、20…ゲート電極、21…ドレイン電極、
22…ソース電極。
層、13…SiドープGaAsチャネル層、14…Si
ドープGaAs第1補助層、15…SiドープGaAs
第2補助層、16…SiドープGaAs第3補助層、1
7…GaAsキャップ層、18…ドレイン領域、19…
ソース領域、20…ゲート電極、21…ドレイン電極、
22…ソース電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/337 - 21/338 H01L 29/775 - 29/778 H01L 29/80 - 29/812
Claims (2)
- 【請求項1】 不純物がパルス状にドープされゲート電
極によって導電率が制御されるチャネル層を有する電界
効果トランジスタにおいて、 前記チャネル層の濃度よりも低い濃度の不純物を含んで
前記チャネル層上に形成され、それぞれ異なる不純物濃
度を有する1または複数の補助層と、 前記1または複数の補助層上に形成されたキャップ層と
を備え、 前記1または複数の補助層は、導電性が前記チャネル層
と同一であって、前記チャネル層から離れるにしたがっ
てそれぞれの層の不純物濃度が順次減少するように形成
されたことを特徴とする電界効果トランジスタ。 - 【請求項2】 前記チャネル層及び前記1または複数の
補助層からなる層構造の、それぞれの層の中心位置にお
ける不純物濃度Nが、前記ゲート電極から前記チャネル
層に向かう軸に沿った距離xに関して、指数関数N=A
exp(αx)(ただし、A及びαは定数)と略一致す
るように形成されたことを特徴とする請求項1記載の電
界効果トランジスタ。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10310700A JP3085376B2 (ja) | 1998-10-30 | 1998-10-30 | 電界効果トランジスタ |
US09/427,750 US6333523B1 (en) | 1998-10-30 | 1999-10-27 | Field-effect transistor |
EP99121502A EP0997951A1 (en) | 1998-10-30 | 1999-10-28 | Field-effect transistor |
KR1019990047666A KR20000029425A (ko) | 1998-10-30 | 1999-10-29 | 전계효과트랜지스터 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10310700A JP3085376B2 (ja) | 1998-10-30 | 1998-10-30 | 電界効果トランジスタ |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000138234A JP2000138234A (ja) | 2000-05-16 |
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Family
ID=18008424
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10310700A Expired - Lifetime JP3085376B2 (ja) | 1998-10-30 | 1998-10-30 | 電界効果トランジスタ |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6333523B1 (ja) |
EP (1) | EP0997951A1 (ja) |
JP (1) | JP3085376B2 (ja) |
KR (1) | KR20000029425A (ja) |
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---|---|---|---|---|
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JP3790500B2 (ja) * | 2002-07-16 | 2006-06-28 | ユーディナデバイス株式会社 | 電界効果トランジスタ及びその製造方法 |
US7274076B2 (en) * | 2003-10-20 | 2007-09-25 | Micron Technology, Inc. | Threshold voltage adjustment for long channel transistors |
JP2008021981A (ja) * | 2006-06-16 | 2008-01-31 | Toshiba Corp | 絶縁ゲートバイポーラトランジスタ及びその製造方法 |
JP5368397B2 (ja) * | 2010-09-07 | 2013-12-18 | 日本電信電話株式会社 | 電界効果トランジスタおよびその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR950014627B1 (ko) * | 1989-10-31 | 1995-12-11 | 금성통신주식회사 | 소형전화 교환기내의 중앙처리기 자동 리세트회로 |
JPH04101436A (ja) | 1990-08-21 | 1992-04-02 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 電界効果トランジスタ |
US5508407A (en) * | 1991-07-10 | 1996-04-16 | Eli Lilly And Company | Retroviral protease inhibitors |
JP3259106B2 (ja) * | 1992-09-02 | 2002-02-25 | 富士通株式会社 | 高電子移動度電界効果半導体装置 |
US5493136A (en) * | 1993-02-22 | 1996-02-20 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Field effect transistor and method of manufacturing the same |
JP2661556B2 (ja) * | 1994-07-25 | 1997-10-08 | 日本電気株式会社 | 電界効果型半導体装置 |
JPH09321063A (ja) * | 1996-05-31 | 1997-12-12 | Nec Corp | 半導体装置およびその製造方法 |
JP3572560B2 (ja) * | 1996-09-19 | 2004-10-06 | 富士通株式会社 | 化合物半導体装置 |
JP3077599B2 (ja) * | 1996-09-20 | 2000-08-14 | 日本電気株式会社 | 電界効果トランジスタ |
JP2897736B2 (ja) * | 1996-09-30 | 1999-05-31 | 日本電気株式会社 | 化合物半導体電界効果トランジスタ |
JPH10223651A (ja) * | 1997-02-05 | 1998-08-21 | Nec Corp | 電界効果トランジスタ |
US6262444B1 (en) * | 1997-04-23 | 2001-07-17 | Nec Corporation | Field-effect semiconductor device with a recess profile |
JPH10335637A (ja) * | 1997-05-30 | 1998-12-18 | Sony Corp | ヘテロ接合電界効果トランジスタ |
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